JP2001140302A - 住宅のヘッダー式給水・給湯配管の点検構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヘッダー部分を簡単に点検することができ、
効率良いメンテナンスを実現することができる住宅のヘ
ッダー式給水・給湯配管の点検構造を提供する。 【解決手段】 主給水管(１)や主給湯管(20)をヘッダー
(３)(21)を介して複数の枝管(４)(22)…に分枝し、これ
ら枝管(４)(22)…を夫々対応する水廻り設備に接続する
ようにした住宅のヘッダー式給水・給湯配管の点検構造
であって、ヘッダー(３)(21)を床下に配置するととも
に、それらヘッダー(３)(21)を点検するための点検口(5
0)を、床面(47)に設けるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、ヘッダー工法を
採用した給水・給湯配管の点検構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、主給水管や主給湯管から継手
を介して順次枝状に分岐させた枝管を、各水廻り設備の
水栓につなげるようにした先分岐工法を採用した住宅の
給水・給湯配管が知られている。しかし、このような先
分岐工法においては、接続箇所が多くて施工不良による
水漏れの発生が高く、しかも水廻り設備の同時使用時に
おける流量変化が大きいといった不都合が生じていた。

【０００３】そこで、近年では、主にマンション等の集
合住宅を対象として、主給水管や主給湯管からヘッダー
を介してたこ足状に分岐させた枝管を、各水廻り設備の
水栓へ１対１でつなげるヘッダー工法を採用した給水・
給湯配管が普及してきている。このようなヘッダー工法
においては、先分岐工法に比べて、接続箇所が少なくて
施工不良による漏水を格段に抑えることができ、また水
廻り設備の同時使用時において流量変化が少なく、安定
した給水、給湯が可能である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記のヘッダー工法を
採用した給水・給湯配管においては、各管がヘッダーに
集中して接続されているので、メンテナンスに際しては
ヘッダー部分を重点的に点検する必要がある。このた
め、メンテナンスを効率良く行うようにするためには、
ヘッダー及びこのヘッダーを露出させる点検口をできる
だけ点検のし易い場所に設けることが必要であるが、従
来においては、メンテナンスに対する十分な配慮をしな
いまま、ヘッダー及びその点検口を適当な場所に設けて
いることが多かった。

【０００５】そこで、本発明は、上記に鑑み、ヘッダー
部分を簡単に点検することができ、効率良いメンテナン
スを実現することができる住宅のヘッダー式給水・給湯
配管の点検構造を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明の点検構造は、主給水管や主給湯管をヘッダ
ーを介して複数の枝管に分枝し、これら枝管を夫々対応
する水廻り設備に接続するようにした住宅のヘッダー式
給水・給湯配管の点検構造であって、ヘッダーを床下に
配置するとともに、それらヘッダーを点検するための点
検口を、床面に設けるようにしたことを特徴とする。具
体的には、キッチン等に設けられている床下収納庫の床
面開口を点検口として利用している。

【０００７】また、ヘッダーを上層階床下に配置すると
ともに、それらヘッダーを点検するための点検口を、下
層階天井面に設けるようにしたことを特徴とする。具体
的には、トイレの天井面に点検口を設けるようにしてい
る。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づいて詳細に説明する。図１は、本発明の一実施形
態に係るヘッダー式給水・給湯配管の住宅１階部分での
施工状態を示す概略図、図２は、同じくその住宅２階部
分での施工状態を示す概略図、図３は、同じくその模式
図、図４は、住宅１階の床下から住宅２階の床下への配
管の立ち上がりを示す図、図５は、主管及び枝管の縦断
面図、図６は、床下収納庫の分解斜視図、図７は、天井
面点検口の斜視図である。

【０００９】(１)は、戸建住宅における１階の床下空間
(２)に導かれた主給水管であって、この主給水管(１)
は、床下空間(２)に設置した給水用主ヘッダー(３)に接
続されている。また、給水用主ヘッダー(３)からは、複
数の枝給水管(４)(４)…がたこ足状に分岐しており、こ
れら枝給水管(４)(４)…は、床下空間(２)における図示
しない基礎の配管専用スリーブ孔を挿通することによっ
て、ユニットバス(10)、建物外壁(９)の外面に取り付け
られた給湯器(11)、キッチンの流し台(12)、洗濯機(1
3)、洗面(14)、便器(15)といった夫々対応する１階の水
廻り設備の水栓へほぼ最短経路を通って接続され、さら
には図４に示すように建物内パイプスペースを立ち上が
って２階の床下空間(16)に導かれている。

【００１０】(20)は、給湯器(11)から床下空間(２)に導
かれた主給湯管であって、この主給湯管(20)は、床下空
間(２)に設置した給湯用主ヘッダー(21)に接続されてい
る。また、給湯用主ヘッダー(21)からは、複数の枝給湯
管(22)(22)…がたこ足状に分岐しており、これら枝給湯
管(22)(22)…は、枝給水管(４)(４)…と同様に床下空間
(２)にて引き回しされ、キッチンの流し台(12)、ユニッ
トバス(10)、洗面(14)といった夫々対応する水廻り設備
の水栓にほぼ最短経路を通って接続され、さらには建物
内パイプスペースを立ち上がって２階の床下空間(16)に
導かれている。

【００１１】一方、２階の床下空間(16)に導かれた枝給
水管(４)は、その床下空間(16)に設置された給水用副ヘ
ッダー(30)に接続され、この給水用副ヘッダー(30)から
たこ足状に分岐した複数の枝給水管(31)(31)…が、便器
(32)、洗面(33)といった夫々対応する２階の水廻り設備
の水栓へほぼ最短経路を通って接続されている。

【００１２】また、２階の床下空間(16)に導かれた枝給
湯管(22)は、洗面(33)に接続されている。なお、給湯を
必要とする水廻り設備が２階に複数設けられている場合
には、２階の床下空間(16)に給湯用副ヘッダーを設置し
て、枝給湯管(22)を給湯用副ヘッダーを介してさらに複
数の枝給湯管に分岐させて、これら枝給湯管を夫々対応
する水廻り設備に接続するようにしても良い。また、１
階よりも２階の方が水廻り設備が多いときには、２階の
床下空間(16)に主ヘッダー(３)(21)を、１階の床下空間
(２)に副ヘッダー(30)を設置するようにしても良い。

【００１３】なお、各ヘッダー(３)(21)(30)に接続され
ている給水・給湯用の管(１)(４)(20)(22)(31)は、図５
に示すように、いずれも架橋ポリエチレン製やポリブテ
ン製の内管(40)に、保温機能を有する発泡ポリエチレン
製の外管(41)を被覆してなる可撓性を有する樹脂管とさ
れている。

【００１４】このようにして施工されている上記のヘッ
ダー式給水・給湯配管では、１階の各主ヘッダー(３)(2
1)が、床下空間(２)の中でも特に水廻り設備の集中する
ユーティリティの床下において、土間コンクリート(45)
に固定されており、２階の副ヘッダー(30)が、床下空間
(16)の中でも特に水廻り設備の集中するユーティリティ
の床下において、２階の床材(46)に吊り下げ固定されて
いる。

【００１５】そして、１階の主ヘッダー(３)(21)を点検
するための点検口(50)が、図１及び図６に示すようにユ
ーティリティの床面(47)に設けられ、２階の副ヘッダー
(30)を点検するための点検口(51)が、図１及び図７に示
すように１階のトイレの天井面(48)に設けられており、
これら点検口(50)(51)を開放することによって、主ヘッ
ダー(３)(21)や副ヘッダー(30)が露出して、これらヘッ
ダー(３)(21)(30)部分における各管の接続状態等を簡単
に点検することができるようになっている。

【００１６】特に、点検口(50)は、キッチンに設けられ
た床下収納庫(52)における床面開口を利用しているの
で、ヘッダー点検用に別途設ける必要がなくて経済的で
ある。また、２階の副ヘッダー(30)の点検口を２階の床
面に設けた場合には、副ヘッダー(30)を露出させるため
にＡＬＣ等の床材(46)にも貫通孔等を形成しなければな
らないが、１階の天井面(48)に２階の副ヘッダー(30)の
点検口(51)を設けることで、このような問題を解消して
構造を簡単にすることができる。なお、図６中、(53)
は、床下収納庫(52)の床面開口すなわち点検口(50)を開
閉するための開閉蓋である。また、図７中、(54)は、点
検口(51)を開閉するための開閉蓋である。

【００１７】本発明は、上記実施形態に限定されるもの
ではなく、本発明の範囲内で、上記実施形態に多くの修
正及び変更を加え得ることは勿論である。例えば、天井
面に設けられた点検口によって点検するヘッダーは、副
ヘッダーに限らず、主ヘッダーであっても良い。

【００１８】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
においては、各管が集中的に接続するヘッダーを床下に
配置するとともに、それらの点検口を床面に設けるよう
にしているので、ヘッダー部分を屋内において簡単に点
検することができ、管の接続不良等に伴う水漏れ等のメ
ンテナンスを効率良く行うことができる。

【００１９】さらに、床下収納庫の床面開口を、点検口
として利用することによって、点検口を特別に設けなく
て済み、構造の簡略化及び低コスト化を実現することが
できるとともに、見栄えも良好にすることができる。

【００２０】また、ヘッダーを住宅の上層階床下に配置
するとともに、それらの点検口を、下層階天井面に設け
るようにしているので、ヘッダー部分を屋内において簡
単に点検することができ、管の接続不良等に伴う水漏れ
等のメンテナンスを効率良く行うことができる。しか
も、上層階の例えばＡＬＣ等の床材に対して何ら特別な
加工を施さずに済み、構造の簡略化及び低コスト化を実
現することができる。

【００２１】さらに、トイレの天井面に点検口を設ける
ようにしているので、点検口が目立ち難く、見栄えを損
なうこともない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態に係るヘッダー式給水・給
湯配管の住宅１階部分での施工状態を示す概略図であ
る。

【図２】同じくその住宅２階部分での施工状態を示す概
略図である。

【図３】同じくその模式図である。

【図４】住宅１階の床下から住宅２階の床下への配管の
立ち上がりを示す図である。

【図５】主管及び枝管の縦断面図である。

【図６】床下収納庫の分解斜視図である。

【図７】天井面点検口の斜視図である。

【符号の説明】

(１) 主給水管 (２)(16) 床下空間 (３)(21)(30) ヘッダー (４)(22)(31) 枝管 (20) 主給湯管 (47) 床面 (48) 天井面 (50)(51) 点検口 (52) 床下収納庫

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 主給水管や主給湯管をヘッダーを介して
   複数の枝管に分枝し、これら枝管を夫々対応する水廻り
   設備に接続するようにした住宅のヘッダー式給水・給湯
   配管の点検構造であって、ヘッダーを床下に配置すると
   ともに、それらヘッダーを点検するための点検口を、床
   面に設けるようにしたことを特徴とする住宅のヘッダー
   式給水・給湯配管の点検構造。
2. 【請求項２】 キッチン等に設けられている床下収納庫
   の床面開口を点検口として利用した請求項１記載の住宅
   のヘッダー式給水・給湯配管の点検構造。
3. 【請求項３】 主給水管や主給湯管をヘッダーを介して
   複数の枝管に分枝し、これら枝管を夫々対応する水廻り
   設備に接続するようにした住宅のヘッダー式給水・給湯
   配管の点検構造であって、ヘッダーを上層階床下に配置
   するとともに、それらヘッダーを点検するための点検口
   を、下層階天井面に設けるようにしたことを特徴とする
   住宅のヘッダー式給水・給湯配管の点検構造。
4. 【請求項４】 トイレの天井面に点検口を設けるように
   した請求項３記載の住宅のヘッダー式給水・給湯配管の
   点検構造。