JP2001139658A - 高純度低粘性エポキシ樹脂およびその製造方法 - Google Patents

高純度低粘性エポキシ樹脂およびその製造方法

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JP2001139658A JP32816099A JP32816099A JP2001139658A JP 2001139658 A JP2001139658 A JP 2001139658A JP 32816099 A JP32816099 A JP 32816099A JP 32816099 A JP32816099 A JP 32816099A JP 2001139658 A JP2001139658 A JP 2001139658A
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epoxy
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Masashi Kaji
正史 梶
Koichiro Ogami
浩一郎 大神
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Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体封止材応用した場合、機械的強度、半
田耐熱性、半導体素子の信頼性に優れた素子を与えるエ
ポキシ樹脂及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 下記一般式(1)、 【化1】 (但し、RはH又はメチル基を、XはO又はSを、nは0〜
5の数を示す)で表され、加水分解性塩素量が300p
pm以下、150℃での溶融粘度が8cp以下であり、
上式におけるn=0の化合物の含有率が87%以上であ
る高純度低粘性エポキシ樹脂。このエポキシ樹脂は、対
応するビスフェノール化合物とエピクロルヒドリンを反
応させる際、エピクロルヒドリン100重量部に対し
て、5〜100重量部のエチレングリコールジアルキル
エーテル類を共存させ、55℃以下の温度で反応させる
ことにより得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高反応性に優れ、か
つ機械的特性、電気特性および半田耐熱性に優れた硬化
物を与え、半導体素子等の電子部品の封止に好適に使用
される高純度エポキシ樹脂の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】半導体封止材料には、エポキシ樹脂を主
剤とする樹脂組成物が広く用いられてきているが、近
年、プリント基板への部品の実装の方法として、従来の
挿入方式から表面実装方式への移行が進展している。表
面実装方式においては、パッケージ全体が半田温度まで
加熱され、吸湿した水分の体積膨張により引き起こされ
るパッケージクラックが大きな問題点となってきてい
る。近年、半導体素子の高集積化、素子サイズの大型
化、配線幅の微細化が急速に進展しており、パッケージ
クラックの問題が一層深刻化してきている。パッケージ
クラックを防止する方法として樹脂構造の強靱化、シリ
カの高充填化による高強度化、低吸水率化等の方法があ
る。
【0003】そこで、低吸湿性であり、かつ低粘度、高
耐熱性であるエポキシ樹脂が望まれている。低粘度エポ
キシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、
ビスフェノールF型エポキシ樹脂等が一般に広く用いら
れているが、これらのエポキシ樹脂において低粘度のも
のは常温で液状であることから硬化剤、フィラー等との
粉体混合ができないため、トランスファー成形用の樹脂
組成物とすることは困難である。さらに、これらのエポ
キシ樹脂は、多くの場合、耐熱性、機械的強度、耐湿性
の点で十分ではない。
【0004】結晶状のエポキシ樹脂としては、ビフェニ
ル系エポキシ樹脂(特開昭58−39677号公報)や
ビスフェノールF系エポキシ樹脂(特開平6−3458
50号公報)が提案されているが、耐熱性、耐湿性の点
で十分ではない。さらに、これらの二官能性のエポキシ
樹脂は、低粘度性に優れた特長があるが、反面、硬化性
に劣る欠点があり、一般に成形時間が長くかかる。さら
には、成形後の熱時硬度が低く、離型性等の面で成形性
に劣る欠点がある。
【0005】耐熱性、機械的強度および成形性を改良し
たものとしてジフェニルエーテル構造を持ったエポキシ
樹脂(特開平5−304001号公報)やジフェニルス
ルフィド構造を持ったエポキシ樹脂(特開平6−145
300号公報)が提案されている。これらのエポキシ樹
脂は、ビスフェノール化合物にエピクロルヒドリンを付
加させた後、生成したクロロヒドリン体を金属水酸化物
により閉環反応を行うことにより合成することができる
が、ジフェニルエーテル構造やジフェニルスルフィド構
造を持ったビスフェノール化合物は、エピクロルヒドリ
ンとの反応性が高いため、副反応としてエピクロルヒド
リンのβ位での付加反応が起り易い。その結果、いわゆ
る難加水分解性塩素の生成量が多くなり、高純度のエポ
キシ樹脂を合成することが困難となり、電子部品の封止
等への用途に応用する際の大きな障害となっている。ま
た、生成したエポキシ樹脂自体も反応性が高いため、さ
らに原料であるビスフェノール化合物と反応を起こしや
すいため、合成時に副生するオリゴマー成分の生成量が
多くなり、粘度が高くなる欠点があった。
【0006】ジフェニルスルフィド構造のビスフェノー
ル化合物のなかでも、水酸基の隣接位にtert-ブチル基
等の嵩高い置換基を有するもの、あるいはジメチル置換
体となったものは、特開平6−199990号の参考例
に見られるとおり、エピクロルヒドリンのβ位での付加
反応が抑制され、高純度のエポキシ樹脂を合成すること
が可能であった。一方、立体障害が小さいビスフェノー
ル化合物の水酸基の隣接位が水素原子で置換されたも
の、およびモノメチル置換体のものは、合成の際の加水
分解性塩素の低減が困難であり、高純度のエポキシ樹脂
はこれまで知られていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、低粘度性および高反応性に優れ、かつ機械的特性、
電気特性および半田耐熱性に優れた硬化物を与える半導
体素子の電子部品封止用に好適に使用される高純度エポ
キシ樹脂およびその製造方法を提供することにある。ま
た、本発明の目的は、ジフェニルエーテル構造を持った
エポキシ樹脂又はジフェニルスルフィド構造を有するエ
ポキシ樹脂に含まれる加水分解性塩素の含有量が少な
い、高純度のエポキシ樹脂を提供することにある。ま
た、本発明の他の目的は、オリゴマー成分の生成量が少
なく、粘度が低いエポキシ樹脂の製造方法を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、下
記一般式(1)、
【化3】 (但し、Rは水素原子またはメチル基を示し、Xは酸素原
子または硫黄原子を示し、nは0〜5の整数を表す。)
で表され、加水分解性塩素量が300ppm以下、15
0℃での溶融粘度が0.08ポイズ以下であり、かつ一
般式(1)におけるn=0の化合物の含有率が87%以
上である高純度低粘性エポキシ樹脂である。
【0009】また本発明は、下記一般式(2)、
【化4】 (但し、Rは水素原子またはメチル基を示し、Xは酸素原
子または硫黄原子を示す。)で表されるビスフェノール
化合物とエピクロルヒドリンを反応させて、エポキシ樹
脂を製造する方法において、エピクロルヒドリン100
重量部に対して、5〜100重量部のエチレングリコー
ルジアルキルエーテル類を共存させ、ビスフェノール化
合物中のフェノール性水酸基1モルに対して0.9〜
1.0当量の金属水酸化物を用い、55℃以下の温度で
系外に水を除きながら反応させることを特徴とするエポ
キシ樹脂の製造方法である。
【0010】上記一般式(1)で表されるエポキシ樹脂
は、上記一般式(2)で表されるビスフェノール化合物
と過剰のエピクロルヒドリンとを反応させることにより
製造される。エピクロルヒドリンの使用量は、通常、ビ
スフェノール化合物中の水酸基1モルに対して3から1
5倍モルの範囲であり、好ましくは、3.5から10倍
モルの範囲である。これより少ないと、エポキシ樹脂の
分子量が大きくなり、粘度が高くなる。これより多いと
生産性が低下する。
【0011】この反応の際には、ビスフェノール化合物
中の水酸基1モルに対して0.9から1.0倍当量の水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸
化物が用いられる。これより少ないと残存加水分解性塩
素の量が多くなり、これより多いとエポキシ樹脂合成の
際のゲルの生成量が多くなり、水洗時のエマルジョンの
生成を引き起こすとともに、収率の低下を招き好ましく
ない。金属水酸化物は、水溶液または固体状態で使用さ
れる。
【0012】さらに本反応は、55℃以下の温度で行う
必要があり、より好ましくは50℃以下の温度が適用さ
れる。これより温度が高いと、いわゆる難加水分解性塩
素量が多くなり高純度化が困難になる。
【0013】また反応に際しては、溶媒としてエチレン
グリコールジアルキルエーテル類を共存させる必要があ
る。エチレングリコールジアルキルエーテル類の使用量
は、エピクロルヒドリン100重量部に対して、5〜1
00重量部の範囲であり、好ましくは10〜50重量部
の範囲である。これより少ないと加水分解性塩素の低減
効果が小さいとともに、合成反応後、水洗を行う際のエ
マルジョンの生成量が多くなる。また、これより多いと
容積効率が低下し、経済的に好ましくない。
【0014】用いるエチレングリコールジアルキルエー
テル類としては、例えば、エチレングリコールジメチル
エーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ト
リエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレ
ングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジ
エチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテ
ル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラ
エチレングリコールジエチルエーテル等が挙げられる
が、好ましくは、ジエチレングリコールジメチルエーテ
ルである。さらにエチレングリコールジアルキルエーテ
ル類としては、これらの2種類以上のものを混合して用
いることができる。
【0015】反応終了後、過剰のエピクロルヒドリンお
よびエチレングリコールジアルキルエーテル類を留去
し、残留物をトルエン、メチルイソブチルケトン等の溶
媒に溶解し、濾過し、水洗して無機塩を除去し、次いで
溶媒を留去することによりエポキシ樹脂とすることがで
きる。
【0016】加水分解性塩素が300ppmより多く含ま
れる場合は、再閉環反応を行うことが好ましい。すなわ
ち、得られたエポキシ樹脂をさらに、残存する加水分解
性塩素に対して、1〜30倍量の水酸化ナトリウムまた
は水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物の水溶液を
加え、約60〜100℃、約1〜5時間の条件で、再閉
環反応が行われることが望ましい。
【0017】通常、上記反応により得られる上記一般式
(1)で表されるエポキシ樹脂は常温において結晶性の
ものが多いが、場合により、過冷却状態となり、結晶化
が遅い場合がある。この際は、必要に応じて結晶化操作
を行うことができる。結晶化の方法としては、溶媒を用
いての結晶化、あるいは、あらかじめ調整した種結晶を
加えることによる結晶化等の方法がある。溶媒を用いる
方法において、溶媒種としては、メタノール、エタノー
ル、イソプロピルアルコール等のアルコール類、ペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素溶媒が好適に用い
られる。その使用量としては、エポキシ樹脂に対して通
常、5から800%である。溶媒はろ過、あるいは乾燥
により除去することができる。
【0018】本発明のエポキシ樹脂は、一般式(1)で
表されるものであるが、かかるエポキシ樹脂としては、
4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’
−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,3’−ジメ
チル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド及
び、3,3’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシジフ
ェニルエーテル等のビスフェノール化合物をエピハロヒ
ドリンでエポキシ化して得られる樹脂がある。本発明の
エポキシ樹脂は、一般式(1)において、nが0から5
の整数で表されるものを主体、好ましくは99%以上と
するものであるが、その主成分はn=0のものであり、
その含有率は87%以上である。場合により、副生成物
としてn=1以上のオリゴマー成分を含んでもよいが、
オリゴマー成分が多くなると粘度が高くなり好ましくな
い。オリゴマー成分の含有率は、13%未満であり、好
ましくは10%以下である。平均のnの値としては0.
1〜0.5の範囲にあることが好ましい。この際の含有
率とは、GPC測定により得られる値であり、具体的に
は、装置としてHLC-82A(東ソー(株)製)を用い、カ
ラムをTSK-GEL2000×3本およびTSK-GEL4000×1本(いず
れも東ソー(株)製)、溶媒をテトラヒドロフランと
し、流量;1 ml/min、温度;38℃、検出器;RIの条件で
測定したものである。
【0019】本発明のエポキシ樹脂中の加水分解性塩素
は、300ppm以下である。これより高いと電気絶縁
性が低下し、電子部品の封止に使用した場合、その信頼
性が低下する。ここでいう加水分解性塩素とは、試料
0.5gをジオキサン30mlに溶解後、1N−KO
H、10mlを加え30分間煮沸還流した後、室温まで
冷却し、さらに80%アセトン水100mlを加え、
0.002N−AgNO3水溶液で電位差滴定を行うこ
とにより測定された値である。
【0020】さらに、本発明のエポキシ樹脂の150℃
での溶融粘度は、0.08ポイズ以下であり、好ましく
は0.07ポイズ以下である。これより、高いとフィラ
ーを高充填にした場合、成形時の流動性が低下し成形性
が低下する。ここでいう粘度は、コントラバス社製レオ
マット115で測定した値である。
【0021】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに具体的に説
明する。 実施例1 4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル162gを
エピクロルヒドリン712g、およびジエチレングリコ
ールジメチルエーテル178gに溶解し、減圧下(約8
0mmHg)、50℃にて48%水酸化ナトリウム水溶
液129.6gを4時間かけて滴下し、一次反応を行っ
た。この間、生成する水はエピクロルヒドリンとの共沸
により系外に除き、溜出したエピクロルヒドリンは系内
に戻した。滴下終了後、さらに1時間反応を継続した。
その後、濾過により生成した塩を除き、さらに水洗した
のちエピクロルヒドリンおよびジエチレングリコールジ
メチルエーテルを留去し、淡黄色液状の粗製エポキシ樹
脂237gを得た。エポキシ当量は166であり、加水
分解性塩素は650ppmであった。二次反応として、
得られたエポキシ樹脂200gをメチルイソブチルケト
ン467mlに溶解し、20%水酸化ナトリウム水溶液
2.2gを加え、80℃で2時間反応させた。反応後、
濾過、水洗を行った後、溶媒であるメチルイソブチルケ
トンを減圧留去し、白色のエポキシ樹脂193gを得
た。得られたエポキシ化合物のエポキシ当量は165、
加水分解性塩素は260ppm、融点は78〜83.5
℃、150℃での粘度は0.054ポイズであった。得
られた樹脂のGPC測定より求められた各成分比は単量体
が89.7%、二量体が9.2%であった。
【0022】実施例2 ジエチレングリコールジメチルエーテル162gを用い
て、実施例1と同様に反応(一次反応及び二次反応をい
う。以下、同じ。)を行い、白色のエポキシ樹脂190
gを得た。得られたエポキシ化合物のエポキシ当量は1
62、加水分解性塩素は290ppm、融点は79〜8
3℃、150℃での粘度は0.052ポイズであった。
得られた樹脂のGPC測定より求められた各成分比は単量
体が90.1%、二量体が8.1%であった。
【0023】実施例3 一次反応の温度を45℃として、実施例1と同様に反応
を行い、白色のエポキシ樹脂192gを得た。得られた
エポキシ化合物のエポキシ当量は163、加水分解性塩
素は220ppm、融点は76〜81℃、150℃での
粘度は0.052ポイズであった。得られた樹脂のGPC
測定より求められた各成分比は単量体が88.2%、二
量体が9.8%であった。
【0024】実施例4 原料のビスフェノール化合物として、4,4’−ジヒド
ロキシジフェニルスルフィド174gを用いて、実施例
1と同様に反応を行い、白色のエポキシ樹脂193gを
得た。得られたエポキシ化合物のエポキシ当量は17
2、加水分解性塩素は290ppm、融点は42.2〜
45.7℃、150℃での粘度は0.057ポイズであ
った。得られた樹脂のGPC測定より求められた各成分比
は単量体が88.5%、二量体が9.4%であった。
【0025】実施例5 原料のビスフェノール化合物として、3,3’−ジメチ
ル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド18
0gを用いて、実施例1と同様に反応を行い、白色のエ
ポキシ樹脂192gを得た。得られたエポキシ化合物の
エポキシ当量は185、加水分解性塩素は240pp
m、融点は47〜51℃、150℃での粘度は0.06
5ポイズであった。得られた樹脂のGPC測定より求めら
れた各成分比は単量体が89.2%、二量体が8.9%
であった。
【0026】比較例1 4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル162gを
エピクロルヒドリン890g、に溶解し、減圧下(約1
40mmHg)、65℃にて48%水酸化ナトリウム水
溶液129.6gを4時間かけて滴下し、一次反応を行
った。この間、生成する水はエピクロルヒドリンとの共
沸により系外に除き、溜出したエピクロルヒドリンは系
内に戻した。滴下終了後、さらに1時間反応を継続し
た。その後、濾過により生成した塩を除き、さらに水洗
したのちエピクロルヒドリンを留去し、淡黄色液状の粗
製エポキシ樹脂226gを得た。エポキシ当量は179
であり、加水分解性塩素は13800ppmであった。
二次反応として、得られたエポキシ樹脂200gをメチ
ルイソブチルケトン470mlに溶解し、20%水酸化
ナトリウム水溶液46.6gを加え、80℃で2時間反
応させた。反応後、濾過、水洗を行った後、溶媒である
メチルイソブチルケトンを減圧留去し、白色のエポキシ
樹脂181gを得た。得られたエポキシ化合物のエポキ
シ当量は177、加水分解性塩素は770ppm、融点
は76〜80.5℃、150℃での粘度は0.074ポ
イズであった。得られた樹脂のGPC測定より求められた
各成分比は単量体が85.2%、二量体が13.6%で
あった。
【0027】比較例2 一次反応の温度を60℃として、実施例1と同様に反応
を行い、白色のエポキシ樹脂192gを得た。得られた
エポキシ化合物のエポキシ当量は174、加水分解性塩
素は570ppm、融点は77〜81.3℃、150℃
での粘度は0.066ポイズであった。得られた樹脂の
GPC測定より求められた各成分比は単量体が86.4
%、二量体が12.1%であった。
【0028】参考例1〜2および比較参考例1 エポキシ樹脂成分として実施例1、実施例4および比較
例1で得られたエポキシ樹脂を用い、硬化剤としてフェ
ノールノボラック樹脂(軟化点92℃、水酸基当量10
5)、充填剤として球状シリカ(平均粒径、22μ
m)、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン、シラ
ンカップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン、およびその他の表1に示す添加剤を用
い、表1に示す配合で混練しエポキシ樹脂組成物を得
た。このエポキシ樹脂組成物を用いて175℃にて成形
し、175℃にて12時間ポストキュアを行い、硬化物
試験片を得た後、各種物性測定に供した。結果を表2に
示す。
【0029】比較参考例2 原料のビスフェノール化合物として、4,4’−ジヒド
ロキシジフェニルメタン162gを用いて、実施例1と
同様に反応を行い、白色のエポキシ樹脂193gを得
た。得られたエポキシ化合物のエポキシ当量は165、
加水分解性塩素は280ppm、融点は58から65
℃、150℃での粘度は0.052ポイズであった。得
られた樹脂のGPC測定より求められた各成分比は単量体
が92.5%、二量体が6.0%であった。得られたエ
ポキシ樹脂を用い、参考例1と同様にエポキシ樹脂組成
物を得た後、成形を行い評価した。結果を表2に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂は高反応性、低粘
度性に優れるとともに、得られた硬化物は高い機械的強
度を示すことから、半導体封止材に応用した場合、半田
耐熱性の大幅な向上が期待できるとともに、高純度であ
るため半導体素子の信頼性も大幅に向上する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)、 【化1】 (但し、Rは水素原子またはメチル基を示し、Xは酸素原
    子または硫黄原子を示し、nは0〜5の整数を表す。)
    で表され、加水分解性塩素量が300ppm以下、15
    0℃での溶融粘度が0.08ポイズ以下であり、かつ一
    般式(1)におけるn=0の化合物の含有率が87%以
    上である高純度低粘性エポキシ樹脂。
  2. 【請求項2】 下記一般式(2)、 【化2】 (但し、Rは水素原子またはメチル基を示し、Xは酸素原
    子または硫黄原子を示す。)で表されるビスフェノール
    化合物とエピクロルヒドリンを反応させてエポキシ樹脂
    を製造する方法において、エピクロルヒドリン100重
    量部に対して、5〜100重量部のエチレングリコール
    ジアルキルエーテル類を共存させ、ビスフェノール化合
    物中のフェノール性水酸基1モルに対して0.9〜1.
    0当量の金属水酸化物を用い、55℃以下の温度で水を
    系外に除きながら反応させることを特徴とするエポキシ
    樹脂の製造方法。
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