JP2001138356A - 部分表皮貼り樹脂成形体の成形方法並びに成形装置 - Google Patents

部分表皮貼り樹脂成形体の成形方法並びに成形装置

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mold press
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂成形体の表面の一部に表皮を一体貼着し
てなる部分表皮貼り樹脂成形体の成形方法並びに成形装
置において、表皮のセット作業を手作業で精度良く行な
うことにより、従来の高価な表皮セット用ロボットを廃
止する。 【解決手段】 表皮セットコマ60に表皮12の取付用
耳片12aを突き当て挿入する溝部62を設ける。ある
いは、モールドプレス成形用下型40における表皮セッ
トエリアAの全周に沿って、その一部にロケートピン7
0を設け、ロケートピン70をガイドにして表皮12を
表皮セットエリアAにセットすることにより、手作業で
の表皮12のセット作業を可能にするとともに、セット
精度を高め、かつ作業時間を短縮化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、樹脂成形体の表
面の一部に表皮を貼着してなる部分表皮貼り樹脂成形体
の成形方法並びに成形装置に係り、特に、表皮の位置決
め作業を簡単かつ精度良く行なうようにした部分表皮貼
り樹脂成形体の成形方法並びに成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図17は車体のドアパネルに内装される
自動車用ドアトリム1を示すもので、合成樹脂成形体か
らなるドアトリム本体2の表面略中央部にクロス等の表
皮3が一体貼着されている。
【0003】そして、上記自動車用ドアトリム1の成形
方法としては、ドアトリム1が量産部品であることか
ら、図18に示すモールドプレス成形工法が多用されて
いる。
【0004】すなわち、モールドプレス成形装置は、所
定ストローク上下動可能なモールドプレス成形用上型4
と、このモールドプレス成形用上型4と同一の型面を備
えたモールドプレス成形用下型5と、モールドプレス成
形用下型5のホットランナ5a、ゲート5bに溶融樹脂
を供給する射出成形機(図示せず)とから構成されてお
り、図示するように、モールドプレス成形用下型5の型
面の一部に表皮3を予めセットしておく。
【0005】ところで、樹脂成形体の全面に表皮を貼着
する場合には、表皮セット時の位置ずれは、表皮周縁の
巻き込みシロの寸法が変化することにより吸収できるも
のの、図17に示す部分表皮貼りドアトリム1の場合に
は、精度良く表皮3を位置決めかつ樹脂成形体2と一体
化する必要がある。
【0006】そのため、図19に示すように、モールド
プレス成形用下型5に上下動可能な表皮セットコマ6が
収容設置されており、表皮セットコマ6を上昇させた
(鎖線で示す)状態で表皮3の取付用耳片3aをモール
ドプレス成形用下型5に挟み込み、その後、表皮セット
コマ6をシリンダ6aを動作させて下降操作し、モール
ドプレス成形用下型5と表皮セットコマ6により取付用
耳片3aを挟み込んだ状態でモールドプレス成形を行な
い、樹脂成形体2と表皮3との一体成形を行なってい
る。
【0007】そして、表皮3のセット位置にばらつきが
生じないように、従来ではロボットを使用した表皮3の
セット作業が不可欠となっていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の部
分表皮貼り樹脂成形体においては、表皮3のセット位置
にばらつきが生じることは致命的な欠陥であったため、
表皮3のセット作業は手作業で行なうことができず、ロ
ボットを使用して行なっており、設備費用が嵩むととも
に、セット時間も20〜30秒とタクトが長くなり、生
産性の低下をもたらすという欠点が指摘されていた。
【0009】この発明は、このような問題点を解決する
ためになされたもので、部分表皮貼り樹脂成形体の成形
方法並びに成形装置において、表皮のセット作業を簡単
かつ精度良く行なうことができる部分表皮貼り樹脂成形
体の成形方法並びに成形装置を提供することを目的とし
ている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本願の請求項1に記載の発明は、モールドプレス成
形用下型の表皮セットエリアの縁部に上下動可能に設け
られている表皮セットコマを利用して、表皮をモールド
プレス成形用下型の表皮セットエリアに位置決めした
後、モールドプレス成形用下型のゲートを通じて溶融樹
脂を表皮の下面からモールドプレス成形用上下型のキャ
ビティ内に供給して、樹脂成形体を所要形状に成形する
とともに、該樹脂成形体の表面の一部に表皮を一体貼着
する部分表皮貼り樹脂成形体の成形方法において、上記
表皮セットコマには、水平方向に沿う溝部が形成され、
上記表皮に設けた取付用耳片を上記表皮セットコマの溝
部内に突き当て挿入することにより、表皮をモールドプ
レス成形用下型の表皮セットエリアに位置決めし、表皮
セットコマの下降操作により、表皮の取付用耳片をモー
ルドプレス成形用下型とセットコマとで挟持した状態
で、モールドプレス成形用上下型のキャビティ内に溶融
樹脂を供給し、モールドプレス成形用上下型の型締めに
より、樹脂成形体の表面の一部に表皮を一体貼着するこ
とを特徴とする。
【0011】ここで、溶融樹脂は、PP樹脂、タルク等
のフィラーを混入したPP樹脂、ABS樹脂等の汎用の
熱可塑性合成樹脂が使用でき、表皮としては、クロス等
の布地シートなど、表面風合いに優れ、溶融樹脂が表面
側に染み出さない材質のものが適している。
【0012】そして、請求項1に記載の発明によれば、
表皮セットコマが上昇時、表皮セットコマの溝部内に表
皮の取付用耳片を突き当て挿入すれば、表皮セットコマ
が下降して、モールドプレス成形用下型と表皮セットコ
マとの間で挟み付ける表皮(取付用耳片)の寸法は常に
一定に維持できるため、表皮セットを手作業で行なうこ
とができ、かつ精度アップを図ることができる。
【0013】本願の請求項2に記載の発明は、モールド
プレス成形用下型の表皮セットエリアに、表皮を位置決
めセットした後、モールドプレス成形用下型のゲートを
通じて溶融樹脂を表皮の下面からモールドプレス成形用
上下型のキャビティ内に供給し、樹脂成形体を所要形状
に成形するとともに、該樹脂成形体の表面の一部に表皮
を一体貼着する部分表皮貼り樹脂成形体の成形方法にお
いて、前記モールドプレス成形用下型における表皮セッ
トエリア全周の一部に上下動可能なロケートピンが複数
箇所に設けられており、モールドプレス成形用下型の型
面より上方に突出状態にあるロケートピンをガイドとし
てモールドプレス成形用下型の表皮セットエリアに表皮
をセットした後、ロケートピンを下降操作し、モールド
プレス成形用下型のゲートを通じて、表皮の下面からモ
ールドプレス成形用上下型のキャビティ内に溶融樹脂を
供給して、樹脂成形体を所要形状に成形するとともに、
該樹脂成形体の表面の一部に表皮を一体貼着することを
特徴とする。
【0014】そして、請求項2に記載の発明によれば、
表皮をモールドプレス成形用下型にセットする際は、モ
ールドプレス成形用下型の表皮セットエリア全周の少な
くとも一部に設けられているロケートピンをガイドとし
て利用すれば、手作業で精度良く表皮のセット作業が完
了する。更に、表皮に取付用耳片を形成する必要がない
ため、表皮の原反からの取り都合が向上し、材料ロスを
少なくできる。
【0015】本願の請求項3に記載の発明は、任意のロ
ケートピンは、溶融樹脂の供給時、モールドプレス成形
用下型の型面から微小寸法上方に突出し、表皮の溶融樹
脂流動方向への移動を規制するストッパー機能を有する
ことを特徴とする。
【0016】そして、請求項3に記載の発明によれば、
ロケートピンを下降操作する際、少なくとも一部のロケ
ートピンを型面より上方に若干突出させ、ストッパーと
して機能させるようにしたから、モールドプレス成形
時、溶融樹脂の流動により、表皮が移動することがな
く、表皮の位置ずれをより有効に防止できる。
【0017】本願の請求項4に記載の発明は、所定スト
ローク上下動可能なモールドプレス成形用上型と、モー
ルドプレス成形用上型の型面とほぼ同一の型面を備え、
表皮セットエリアを有するモールドプレス成形用下型
と、モールドプレス成形用下型のホットランナ、ゲート
に、溶融樹脂を供給する射出成形機と、モールドプレス
成形用下型の表皮セットエリアの縁部に設けられ、表皮
のセット時には、モールドプレス成形用下型の型面より
上方に上昇し、モールドプレス成形時には、モールドプ
レス成形用下型の型面内に収納できるように上下動可能
な表皮セットコマとから構成され、上記表皮セットコマ
には、表皮の取付用耳片を突き当て挿入する溝部が設け
られていることを特徴とする。
【0018】そして、請求項4に記載の発明によれば、
モールドプレス成形用下型の表皮セットエリアの縁部に
表皮の取付用耳片を突き当て挿入する表皮セットコマを
上下動可能に設けるという構成であるため、従来のロボ
ットを廃止することができ、設備費用並びに工数を低減
できる。
【0019】本願の請求項5に記載の発明は、所定スト
ローク上下動可能なモールドプレス成形用上型と、上記
モールドプレス成形用上型とほぼ同一の型面を備え、表
皮セットエリアを設定したモールドプレス成形用下型
と、このモールドプレス成形用下型のホットランナ、ゲ
ートに溶融樹脂を供給する射出成形機と、モールドプレ
ス成形用下型における表皮セットエリア全周の一部に、
表皮のセット時には、モールドプレス成形用下型の型面
より上方に突出し、モールドプレス成形時には、モール
ドプレス成形用下型の型面内部に収納するように上下動
可能に配置されたロケートピンとから構成されることを
特徴とする。
【0020】ここで、ロケートピンは、モールドプレス
成形用下型内に上下動するエジェクタプレートに接続し
ておけば、一括して上下動作を行なうことができる。
【0021】そして、請求項5に記載の発明によれば、
ロケートピンをガイドとして表皮を手作業でセット作業
が行なえるため、従来の表皮セット用ロボットを廃止す
ることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る部分表皮貼り
樹脂成形体の成形方法並びに成形装置の実施形態につい
て、自動車用ドアトリムの成形方法並びに成形装置に適
用した実施形態について、図面を参照しながら詳細に説
明する。
【0023】図1,図2は自動車用ドアトリムの正面図
並びに断面図、図3乃至図10は本発明方法の第1実施
形態を示すもので、図3は本発明方法に使用する成形装
置の概略構成を示す側面図、図4は同成形装置における
モールドプレス成形用下型の構成を示す平面図、図5は
同成形装置におけるスライドコマ近傍部分の構成を示す
説明図、図6乃至図10は、本発明方法の各工程を示す
もので、図6は表皮の形状を示す説明図、図7は表皮の
セット工程を示す説明図、図8は表皮のセット完了状態
を示す説明図、図9は溶融樹脂の供給工程を示す説明
図、図10はモールドプレス成形工程を示す説明図であ
る。
【0024】更に、図11乃至図16は、本発明方法の
第2実施形態を示すもので、図11,図12は本発明方
法に使用する成形装置を示すモールドプレス成形用下型
の平面図並びに断面図、図13乃至図16は、本発明方
法の各工程を示すもので、図13は表皮の形状を示す説
明図、図14は表皮のセット工程を示す説明図、図15
は溶融樹脂の供給工程を示す説明図、図16はモールド
プレス成形工程を示す説明図である。
【0025】まず、図1,図2において、自動車用ドア
トリム10は、所望の曲面形状に成形された樹脂成形体
11の表面の所定箇所に表皮12が一体貼着されてお
り、樹脂成形体11としては、タルクを混入したポリプ
ロピレン樹脂を素材として、表皮12としては、裏面に
バッキング処理を施したクロスが使用されている。尚、
表皮12の周縁端末は、樹脂成形体11に形成されてい
る木目込み溝11a内に挿入されている。
【0026】次いで、上記自動車用ドアトリム10の成
形方法並びに成形装置について、本発明の第1実施形態
について、図3乃至図10に基づいて説明する。
【0027】まず、図3乃至図5は上記自動車用ドアト
リム10を成形するための成形装置20の構成を示すも
ので、成形装置20は、所定ストローク上下動可能なモ
ールドプレス成形用上型30と、このモールドプレス成
形用上型30と対をなし、ほぼ同一の型面形状を備えた
固定側のモールドプレス成形用下型40と、このモール
ドプレス成形用下型40に接続され、溶融樹脂Mを供給
するための射出成形機50と、モールドプレス成形用下
型40に設けられ、表皮12を手作業で精度良くセット
できるように工夫を施した表皮セットコマ60とから大
略構成されている。
【0028】更に詳しくは、モールドプレス成形用上型
30は、昇降用シリンダ31の動作により、型開き状態
から下死点であるモールドプレス成形工程まで所定スト
ローク上下動可能であるとともに、モールドプレス成形
用下型40は、射出成形機50からの溶融樹脂Mの供給
路となるホットランナ41とゲート42とが内装されて
おり、特に、表皮12をモールドプレス成形用下型40
にセットするため、表皮セットエリアA(図4中斜線で
示す)がゲート42を覆う箇所に設定されている。尚、
モールドプレス成形用上型30は円滑な昇降動作を確保
できるように、四隅部にガイドポスト32が設けられて
いる。
【0029】上記射出成形機50は、汎用のインライン
スクリュー方式であり、モールドプレス成形用下型40
に内装される表皮セットコマ60は、図5に示すよう
に、駆動用シリンダ61のピストンロッド61aの先端
に取り付けられ、表皮セットコマ60の内面側には水平
方向に沿う溝部62が形成されている。
【0030】そして、この溝部62は、モールドプレス
成形用下型40の型面上に表皮12をセットする際、表
皮12の取付用耳片12aを表皮セットコマ60の溝部
62内に挿入しやすいように、スライドコマ60が上昇
位置にあるとき、表皮12と同一平面上に溝部62が位
置するように設けられているのが良い。また、この表皮
セットコマ60は、駆動用シリンダ61の動作により下
降操作したとき、モールドプレス成形用下型40の型面
を構成する形状に設定されている。
【0031】次に、上述した構成の成形装置20を使用
して、図1,図2に示す自動車用ドアトリム10を成形
する実施形態について説明すると、まず、図6に示すよ
うに表皮12は裏面にバッキング処理を施したクロスを
素材としており、下縁の左右側に一対の取付用耳片12
aが形成されている。
【0032】そして、表皮12をモールドプレス成形用
下型40のゲート42を覆うように表皮セットエリアA
にセットするが、このとき、図7に示すように、表皮セ
ットコマ60は上方に位置しており、表皮セットコマ6
0の溝部62内に表皮12の取付用耳片12aを突き当
て挿入する。
【0033】従って、この表皮12のセット作業は、作
業者が表皮セットコマ60の溝部62を目視で確認しな
がら作業できるため、高価なロボットを使用することな
く、手作業で簡単かつ迅速に行なうことができる。
【0034】次いで、表皮12をセットコマ60にセッ
トした後、図8に示すように駆動用シリンダ61の動作
により、表皮セットコマ60が矢印方向に下降して、表
皮12の取付用耳片12aは表皮セットコマ60の溝部
62から外れるとともに、モールドプレス成形用下型4
0と表皮セットコマ60の内面との間に挟持される。
【0035】これで表皮12のセットが完了するが、表
皮12は取付用耳片12aを表皮セットコマ60の溝部
62内に突き当て挿入するだけで、図8に示すようにモ
ールドプレス成形用下型40と表皮セットコマ60内面
との間の挟持箇所の寸法は常に一定に維持できることか
ら、表皮12のセットバラツキがほとんど皆無となる。
【0036】その後、図9に示すように、モールドプレ
ス成形用上型30が下降動作を行ない、モールドプレス
成形用上下型30,40が所定クリアランスに到達した
段階でモールドプレス成形用上型30が停止する。そし
て、射出成形機50からホットランナ41、ゲート42
を通じて表皮12の下面側から溶融樹脂Mが供給され
る。
【0037】更に、図10に示すように、モールドプレ
ス成形用上型30が昇降用シリンダ31の動作により下
死点まで下降して、モールドプレス成形用上下型30,
40のキャビティC内に溶融樹脂Mが行き渡り、樹脂成
形体11を所要形状に成形するとともに、樹脂成形体1
1表面に表皮12を一体貼着することができる。
【0038】このとき、表皮12は、取付用耳片12a
で確実に保持されているため、溶融樹脂Mの流動によ
り、位置ズレ等が生じることがなく、常に一定の箇所に
表皮12が一体貼着され、極めて優れた成形性が得られ
る。
【0039】従って、本発明方法によれば、表皮セット
コマ60に表皮12の取付用耳片12aを突き当て挿入
する溝部62を形成するという簡単な構成を付加するだ
けで、表皮12のセット作業を手作業でも極めて精度良
く行なうことを可能にしたため、ロボット廃止に伴な
い、設備費を大幅に削減できるとともに、セット時間も
従来20〜30秒かかったものを大幅に短縮化すること
ができ、生産性の向上が期待できる。
【0040】次に、図11乃至図16について、本発明
方法の第2実施形態について説明する。この第2実施形
態についても、適用する部品は図1,図2に示す自動車
用ドアトリム10のような部分表皮貼り樹脂成形体であ
る。尚、第1実施形態と同一部分には同一符号を付し、
その説明は省略する。
【0041】この第2実施形態に使用する成形装置20
は、図11,図12に示すように、モールドプレス成形
用下型40における表皮セットエリアA(図11中斜線
で示す)の全周に沿って所定間隔毎にロケートピン70
が設けられており、このロケートピン70は、エジェク
タプレート71に連結されており、このエジェクタプレ
ート71の上下動作により、モールドプレス成形用下型
40の型面より上方に突出状態となるか、あるいは、モ
ールドプレス成形用下型40の型面より内方に位置する
かの間で、所定ストローク上下動可能である。
【0042】尚、この実施形態については、表皮セット
エリアAの全周に亘りロケートピン70を設けたが、例
えば、表皮セットエリアAの4辺のうち、上辺と右側
辺、あるいは下辺と左側辺のように、隣接する2辺のみ
にロケートピン70を設けた場合でも、表皮12のロケ
ート作用としては充分効果があるものと思われる。従っ
て、所望によりロケートピン70は金型や製品造形上の
種々の条件を考慮して必要箇所にのみ設置することも可
能である。
【0043】次いで、図13乃至図16について本発明
方法の第2実施形態について説明すると、まず、図13
に示すように、表皮12は第1実施形態に使用する取付
用耳片12aを廃止した単純形状のものが使用でき、こ
のことから、表皮12の取り都合を向上させることがで
き、材料ロスが少なく、材料の有効利用が図れるという
有利さがある。
【0044】上記単純形状の表皮12をモールドプレス
成形用下型40の表皮セットエリアAにセットする作業
について説明すると、図14に示すように、表皮12の
セット時、ロケートピン70はエジェクタプレート71
の動作によりモールドプレス成形用下型40の型面より
上方に位置しており、ロケートピン70に囲まれる表皮
セットエリアAに表皮12を簡単に手作業でセットする
ことができる。このとき、ロケートピン70の先端にガ
イド用傾斜部73が形成されていれば、表皮12のセッ
ト作業がより円滑に行なわれる。
【0045】そして、表皮12のセット作業が完了すれ
ば、図15に示すように、モールドプレス成形用上型3
0が所定ストローク下降して、モールドプレス成形用上
下型30,40の型間クリアランスが所定値に達したと
きモールドプレス成形用上型30が一旦停止して、射出
成形機50から溶融樹脂Mがホットランナ41、ゲート
42を通じて表皮12の下面側から供給される。
【0046】このとき、一部のロケートピン70aの上
端をモールドプレス成形用下型40の型面より若干上方
に突出するように設定しておけば、表皮12の位置規制
用ストッパーとして作用し、表皮12が移動するのを規
制することができ、このことにより表皮12の位置ズレ
をより有効に防止することができる。
【0047】その後、図16に示すように、モールドプ
レス成形用上型30が下死点まで下降して、モールドプ
レス成形用上下型30,40の型締めにより、樹脂成形
体11が所要形状に成形されるとともに、この樹脂成形
体11の表面の一部に表皮12が一体貼着されて、図
1,図2に示す自動車用ドアトリム10の成形が完了す
る。
【0048】そして、この第2実施形態によっても、ロ
ケートピン70をガイドとして表皮12をモールドプレ
ス成形用下型40の表皮セットエリアAに手作業で精度
良くセットできるため、従来の表皮セット用ロボットを
廃止することができ、設備費を大幅に低減できるととも
に、表皮セット時間も短縮化でき、生産性を高めること
ができる。
【0049】また、上述した通り、表皮12に取付用耳
片12aを形成する必要がないため、表皮12の材料取
りに際しても有利である。
【0050】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、モ
ールドプレス成形用下型の表皮セットエリアに、手作業
で表皮を精度良くセットできるため、従来の表皮セット
用ロボットを廃止することができ、設備費を大幅に削減
できるとともに、表皮セット時間も大幅に短縮できるこ
とから、コストダウン並びに生産性を大幅に高めること
ができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法により成形した自動車用ドアトリム
を示す正面図である。
【図2】図1中II−II線断面図である。
【図3】本発明に係る成形装置の第1実施形態における
概略構成を示す側面図である。
【図4】図3に示す成形装置におけるモールドプレス成
形用下型を示す平面図である。
【図5】図3に示す成形装置における表皮セットコマを
示す要部断面図である。
【図6】本発明方法の第1実施形態に使用する表皮の外
形状を示す説明図である。
【図7】本発明方法の第1実施形態における表皮セット
作業工程を示す説明図である。
【図8】本発明方法の第1実施形態における表皮セット
完了状態を示す説明図である。
【図9】本発明方法の第1実施形態における溶融樹脂の
供給工程を示す断面図である。
【図10】本発明方法の第1実施形態におけるモールド
プレス成形工程を示す断面図である。
【図11】本発明に係る成形装置の第2実施形態を示す
モールドプレス成形用下型の平面図である。
【図12】本発明に係る成形装置の第2実施形態におけ
るモールドプレス成形用下型並びにロケートピンを示す
断面図である。
【図13】本発明方法の第2実施形態に使用する表皮の
外形状を示す説明図である。
【図14】本発明方法の第2実施形態における表皮のセ
ット工程を示す説明図である。
【図15】本発明方法の第2実施形態における溶融樹脂
の供給工程を示す説明図である。
【図16】本発明方法の第2実施形態におけるモールド
プレス成形工程を示す断面図である。
【図17】従来の自動車用ドアトリムを示す正面図であ
る。
【図18】従来の自動車用ドアトリムのモールドプレス
成形工程を示す概要図である。
【図19】従来のモールドプレス成形装置における表皮
セット工程を示す説明図である。
【符号の説明】
10 自動車用ドアトリム 11 樹脂成形体 12 表皮 12a 取付用耳片 20 成形装置 30 モールドプレス成形用上型 31 昇降用シリンダ 32 ガイドポスト 40 モールドプレス成形用下型 41 ホットランナ 42 ゲート 50 射出成形機 60 表皮セットコマ 61 駆動用シリンダ 62 溝部 70,70a ロケートピン 71 エジェクタプレート A 表皮セットエリア M 溶融樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大野 樹史 神奈川県高座郡寒川町宮山3316番地 河西 工業株式会社寒川本社工場内 Fターム(参考) 4F202 AA11 AB11 AD08 AH18 AH23 AM32 CA11 CB01 CB16 CK03 CK06 CK25 CM02 CQ01 CQ05 4F206 AA11 AB11 AD08 AH18 AH23 AM32 JA07 JB15 JF05 JF23 JQ81

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モールドプレス成形用下型(40)の表
    皮セットエリア(A)の縁部に上下動可能に設けられて
    いる表皮セットコマ(60)を利用して、表皮(12)
    をモールドプレス成形用下型(40)の表皮セットエリ
    ア(A)に位置決めした後、モールドプレス成形用下型
    (40)のゲート(42)を通じて溶融樹脂(M)を表
    皮(12)の下面からモールドプレス成形用上下型(3
    0,40)のキャビティ(C)内に供給して、樹脂成形
    体(11)を所要形状に成形するとともに、該樹脂成形
    体(11)の表面の一部に表皮(12)を一体貼着する
    部分表皮貼り樹脂成形体の成形方法において、 上記表皮セットコマ(60)には、水平方向に沿う溝部
    (62)が形成され、上記表皮(12)に設けた取付用
    耳片(12a)を上記表皮セットコマ(60)の溝部
    (62)内に突き当て挿入することにより、表皮(1
    2)をモールドプレス成形用下型(40)の表皮セット
    エリア(A)に位置決めし、表皮セットコマ(60)の
    下降操作により、表皮(12)の取付用耳片(12a)
    をモールドプレス成形用下型(40)とセットコマ(6
    0)とで挟持した状態で、モールドプレス成形用上下型
    (30,40)のキャビティ(C)内に溶融樹脂(M)
    を供給し、モールドプレス成形用上下型(30,40)
    の型締めにより、樹脂成形体(11)の表面の一部に表
    皮(12)を一体貼着することを特徴とする部分表皮貼
    り樹脂成形体の成形方法。
  2. 【請求項2】 モールドプレス成形用下型(40)の表
    皮セットエリア(A)に、表皮(12)を位置決めセッ
    トした後、モールドプレス成形用下型(40)のゲート
    (42)を通じて溶融樹脂(M)を表皮(12)の下面
    からモールドプレス成形用上下型(30,40)のキャ
    ビティ(C)内に供給し、樹脂成形体(11)を所要形
    状に成形するとともに、該樹脂成形体(11)の表面の
    一部に表皮(12)を一体貼着する部分表皮貼り樹脂成
    形体の成形方法において、 前記モールドプレス成形用下型(40)における表皮セ
    ットエリア(A)全周の一部に上下動可能なロケートピ
    ン(70)が複数箇所に設けられており、モールドプレ
    ス成形用下型(40)の型面より上方に突出状態にある
    ロケートピン(70)をガイドとしてモールドプレス成
    形用下型(40)の表皮セットエリア(A)に表皮(1
    2)をセットした後、ロケートピン(70)を下降操作
    し、モールドプレス成形用下型(40)のゲート(4
    2)を通じて、表皮(12)の下面からモールドプレス
    成形用上下型(30,40)のキャビティ(C)内に溶
    融樹脂(M)を供給して、樹脂成形体(11)を所要形
    状に成形するとともに、該樹脂成形体(11)の表面の
    一部に表皮(12)を一体貼着することを特徴とする部
    分表皮貼り樹脂成形体の成形方法。
  3. 【請求項3】 任意のロケートピン(70a)は、溶融
    樹脂(M)の供給時、モールドプレス成形用下型(4
    0)の型面から微小寸法上方に突出し、表皮(12)の
    溶融樹脂(M)流動方向への移動を規制するストッパー
    機能を有することを特徴とする請求項2に記載の部分表
    皮貼り樹脂成形体の成形方法。
  4. 【請求項4】 所定ストローク上下動可能なモールドプ
    レス成形用上型(30)と、モールドプレス成形用上型
    (30)の型面とほぼ同一の型面を備え、表皮セットエ
    リア(A)を有するモールドプレス成形用下型(40)
    と、モールドプレス成形用下型(40)のホットランナ
    (41)、ゲート(42)に、溶融樹脂を供給する射出
    成形機(50)と、モールドプレス成形用下型(40)
    の表皮セットエリア(A)の縁部に設けられ、表皮(1
    2)のセット時には、モールドプレス成形用下型(4
    0)の型面より上方に上昇し、モールドプレス成形時に
    は、モールドプレス成形用下型(40)の型面内に収納
    できるように上下動可能な表皮セットコマ(60)とか
    ら構成され、上記表皮セットコマ(60)には、表皮
    (12)の取付用耳片(12a)を突き当て挿入する溝
    部(62)が設けられていることを特徴とする部分表皮
    貼り樹脂成形体の成形装置。
  5. 【請求項5】 所定ストローク上下動可能なモールドプ
    レス成形用上型(30)と、上記モールドプレス成形用
    上型(30)とほぼ同一の型面を備え、表皮セットエリ
    ア(A)を設定したモールドプレス成形用下型(40)
    と、このモールドプレス成形用下型(40)のホットラ
    ンナ(41)、ゲート(42)に溶融樹脂(M)を供給
    する射出成形機(50)と、モールドプレス成形用下型
    (40)における表皮セットエリア(A)全周の一部
    に、表皮(12)のセット時には、モールドプレス成形
    用下型(40)の型面より上方に突出し、モールドプレ
    ス成形時には、モールドプレス成形用下型(40)の型
    面内部に収納するように上下動可能に配置されたロケー
    トピン(70)とから構成されることを特徴とする部分
    表皮貼り樹脂成形体の成形装置。
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