JP3102766B2 - 積層成形品の成形装置及び成形方法 - Google Patents

積層成形品の成形装置及び成形方法

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JP3102766B2
JP3102766B2 JP15047896A JP15047896A JP3102766B2 JP 3102766 B2 JP3102766 B2 JP 3102766B2 JP 15047896 A JP15047896 A JP 15047896A JP 15047896 A JP15047896 A JP 15047896A JP 3102766 B2 JP3102766 B2 JP 3102766B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表皮材と熱可塑性
樹脂よりなる二積層成形品、すなわち、成形品に一部は
表皮材で覆われているも、他の部位は樹脂芯材がそのま
ま表出している成形品の成形装置及び成形方法に係わ
り、特に所定部分のみを表皮材で被覆した表皮材と熱可
塑性樹脂との積層成形品の成形装置及び成形方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】上記のような所定部分のみを表皮材で被
覆した表皮材と熱可塑性樹脂との二色積層成形品は、自
動車のドアトリム、リヤサイドトリム等の内装部品に用
いられている。
【0003】このような二色積層成形品の製造は、熱可
塑性樹脂を射出成形等で予め樹脂芯材に成形しておき、
この樹脂芯材に接着剤等を用いて所定形状の表皮材を貼
着するか、予め表皮材をハードボード等に貼着させた部
品を製作しておいて、この部品をビス等を用いて樹脂芯
材に取り付ける方法等があるが、このような方法では、
後工程を要し、手間がかかると共に、コストアップの要
因となっていた。
【0004】そこで、このような二色積層成形品の製造
において、改良すべく、例えば、特開昭64−2641
4号公報に記載されたものが提案されている。
【0005】これによると、図17に示すように未閉鎖
のモールド成形用の上、下金型60、61間に表皮材6
2及び溶融樹脂63を供給し、上、下金型60、61を
閉じ、表皮材62と熱可塑性樹脂(溶融樹脂63)から
なる二色積層成形品を製造するに際し、所定形状に裁断
した表皮材62を上金型60上の所定位置にセットし、
表皮材62の裏面側のほぼ中央部に溶融樹脂63を供給
することにより、所定部分のみを表皮材62で被覆し
た、表皮材62と熱可塑性樹脂からなる二色積層成形品
を得るというものである。
【0006】すなわち、所定寸法に裁断した表皮材62
を表面側を上にして上金型60の成形面の所定部分にセ
ットする。次いで、型締め装置の昇降機構(図示せず)
を作動させ、上金型60を下降させて上金型60と下金
型61とが形成するキャビティ面のクリアランスが製品
厚さより大きい位置で一旦停止させる(図示状態)。こ
の停止位置で溶融樹脂63を射出成形機等の溶融樹脂供
給装置(図示せず)により、下金型61内に設けられた
樹脂通路(図示せず)を通じて表皮材62の裏側面及び
キャビティに供給する。
【0007】次いで、再度、昇降機構を作動させて上金
型60を下降させることにより、表皮材62を押圧させ
ると、溶融樹脂63が金型キャビティ間に流動拡大し
て、表皮材62と熱可塑性樹脂とが一体になって賦形が
完了する。この結果、一部分が表皮材62によって被覆
した、表皮材62と熱可塑性樹脂からなる二色積層成形
品を完成している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の二色積層成形品の製造方法にあっては、二色積層成
形品の成形の都度に、所定寸法に裁断した表皮材62を
表面側を上にして上金型60の成形面の所定部分にセッ
トしていて、表皮材62の見切りライン部が下金型61
の木目込み溝部のセンターライン上に位置するように位
置決めするために、手間取り、二色積層成形品を量産す
るには適合しないという問題点があった。
【0009】本発明は、上記の問題点に着目して成され
たものであって、その第1の目的とするところは、表皮
材の見切りライン部をプレスモールド成形用下型の木目
込み溝部のセンターライン上に確実に位置させることが
可能になって、完成品の品質を向上させるばかりか、成
形サイクルの短縮が可能になって、量産性を向上させる
ことができる積層成形品の成形装置を提供することにあ
る。
【0010】また、本発明の第2の目的とするところ
は、プレスモールド成形時に、次の製品の準備として、
所定の大きさに裁断された表皮材をクランプ枠にセット
する作業を行うことが可能になり、成形サイクルの短縮
が可能になって、量産性を向上させることができる積層
成形品の成形方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の第1の目的を達成
するために、請求項1の発明に係わる積層成形品の成形
装置は、見切りライン部を有する表皮材を張り付ける表
皮材セット用のクランプ枠と、プレスモールド成形用
上、下型と前記表皮材をセットした前記クランプ枠を保
持して前記表皮材の見切りライン部を前記プレスモール
ド成形用下型の木目込み溝部のセンターライン上に位置
させる保持手段とを有して前記プレスモールド成形用
上、下型内で溶融樹脂を所定形状の樹脂芯材に成形する
と共に、この樹脂芯材に前記表皮材を一体化するプレス
モールド成形装置とを備えたことを特徴とする。
【0012】かかる構成により、表皮材をクランプ枠に
張り付け、表皮材をセットしたクランプ枠を、プレスモ
ールド成形装置のプレスモールド成形用上、下型間に搬
入して、前記クランプ枠を保持手段により保持させて前
記表皮材の見切りライン部をプレスモールド成形用下型
の木目込み溝部のセンターライン上に位置させ、プレス
モールド成形用上、下型の間に溶融樹脂の投入を行い、
冷却・固化工程でプレスモールド成形用上、下型内で溶
融樹脂を所定形状の樹脂芯材に成形すると共に、この樹
脂芯材に表皮材を一体化する。
【0013】上記のように所定の大きさに裁断された表
皮材が、プレスモールド成形装置のプレスモールド成形
用上、下型間に搬入される前に、クランプ枠にセットさ
れ、この表皮材をセットしたクランプ枠を、プレスモー
ルド成形装置内に搬入して、保持手段により保持させ
て、表皮材の見切りライン部がプレスモールド成形用下
型の木目込み溝部のセンターライン上に位置するように
位置決めするために、表皮材の見切りライン部をプレス
モールド成形用下型の木目込み溝部のセンターライン上
に確実に位置させることが可能になり、完成品の品質を
向上させ得る。
【0014】また、プレスモールド成形装置で成形して
いる時に、次の製品の準備として、所定の大きさに裁断
された表皮材をクランプ枠にセットする作業を行うこと
が可能になり、成形サイクルの短縮が可能になって、量
産性を向上させることができる。
【0015】上記の第1の目的を達成するために、請求
項2の発明に係わる積層成形品の成形装置は、請求項1
記載の積層成形品の成形装置において、前記クランプ枠
が、前記表皮材の前記見切りライン部を除いた部位を張
り付ける枠状体と、前記枠状体に設けられて前記見切り
ライン部の両側方に位置する前記ピアスを引っ掛けるピ
ンと、前記枠状体に設けられて前記プレスモールド成形
装置の保持手段に保持される複数の保持用ピン孔とを備
えた。
【0016】かかる構成により、上記した請求項1の発
明の作用と同様な作用を奏し得るばかりか、表皮材のピ
アスを、クランプ枠のピンに引っ掛けて見切りライン部
に張りを与え、表皮材をクランプ枠の枠状体に沿わせて
固着することができ、完成品の見切りラインの成形精度
を高めることができる。
【0017】また、上記の第1の目的を達成するため
に、請求項3の発明に係わる積層成形品の成形装置は、
請求項2の積層成形品の成形装置において、前記保持手
段を、前記プレスモールド成形用下型側に立設したセッ
トピンに枠受部材を上下動可能に設けると共に、この枠
受部材を弾性部材により保持したセットピン機構より構
成し、前記セットピン機構を少なくとも前記プレスモー
ルド成形用下型の木目込み溝部の略延長上に位置させ
た。
【0018】かかる構成により、上記した請求項2の発
明の作用と同様な作用を奏し得るばかりか、表皮材をセ
ットしたクランプ枠を、開型されたプレスモールド成形
装置内に搬入して、クランプ枠の保持用ピン孔を、プレ
スモールド成形用下型の木目込み溝部の略延長上にそれ
ぞれ位置するセットピン機構のセットピンに引っ掛け
て、クランプ枠をセットピン機構の枠受部材により保持
し、表皮材をプレスモールド成形装置内にセットするこ
とにより、表皮材の見切りライン部をプレスモールド成
形用下型の木目込み溝部のセンターライン上に位置させ
ることができる。
【0019】また、プレスモールド成形用下型の面部と
表示材との間に所定量の溶融樹脂が供給される場合、前
記プレスモールド成形用上型の面部で前記クランプ枠を
押圧して枠受部材を弾性部材に抗して下降させても、弾
性部材の反発力により、クランプ枠は上型方向に付勢さ
れているので、表皮材とプレスモールド成形用下型の面
部との間に所定のクリアランスを設定することができ
る。したがって、表皮材はプレスモールド成形用下型か
ら投入される溶融樹脂の熱によるダメージを避けること
ができる。しかも、上型の一時停止位置を調整すること
によりクリアランス量が調整できる。
【0020】また、上記の第1の目的を達成するため
に、請求項4の発明に係わる積層成形品の成形装置は、
請求項1記載又は請求項2又は請求項3の積層成形品の
成形装置において、前記プレスモールド成形装置が、面
部に木目込み溝部を形成し且つ前記面部に溶融樹脂を供
給するゲートを有したプレスモールド成形用下型と、面
部に前記木目込み溝部に対向する突起部と前記プレスモ
ールド成形用下型の面部と共にキャビティを形成する成
形凹型部とを有するプレスモールド成形用上型とを有す
る。
【0021】かかる構成により、上記した請求項1又は
請求項2又は請求項3の発明の作用と同様な作用を奏し
得るばかりか、表皮材が樹脂芯財を覆う見切り線に相当
する木目込み溝部が形成してあるプレスモールド成形用
下型と、前記木目込み溝部に対向する部位に突起部が形
成してあるプレスモールド成形用上型を使用することに
より、二色積層成形品には、表皮材の周縁部が成形品内
部に埋め込まれることになり、表皮材で覆われている部
分と覆われていない部分の境界線が明確できれいな仕上
りになる。また、表皮材の周縁部からのはがれもほとん
ど無くすことができる。
【0022】また、上記の第2の目的を達成するため
に、請求項5の発明に係わる積層成形品の成形方法は、
表皮材シートを裁断して見切りライン部を有する表皮材
を形成した後に、前記表皮材をクランプ枠に張り付け、
前記表皮材をセットした前記クランプ枠をプレスモール
ド成形用上、下型間に搬入して前記クランプ枠を保持手
段により保持させて前記表皮材の見切りライン部を前記
プレスモールド成形用下型の木目込み溝部のセンターラ
イン上に位置させ、プレスモールド成形用上、下型の間
に溶融樹脂の投入を行い、冷却・固化工程で前記プレス
モールド成形用上、下型内で溶融樹脂を所定形状の樹脂
芯材に成形すると共に、この樹脂芯材に前記表皮材を一
体化するようにしたことを特徴とする。
【0023】したがって、表皮材の見切りライン部をプ
レスモールド成形用下型の木目込み溝部のセンターライ
ン上に確実に位置させることが可能になり、完成品の品
質を向上させ得るばかりか、プレスモールド成形時に、
次の製品の準備として、所定の大きさに裁断された表皮
材をクランプ枠にセットする作業を行うことが可能にな
り、成形サイクルの短縮が可能になって、量産性を向上
させることができる。
【0024】また、上記の第2の目的を達成するため
に、請求項6の発明に係わる積層成形品の成形方法は、
請求項5記載の積層成形品の成形方法において、プレス
モールド成形用上、下型の間への溶融樹脂の投入時に、
前記プレスモールド成形用上型で前記クランプ枠を押圧
してセットピン機構の枠受部材を弾性部材に抗して下降
させて、前記表皮材と前記プレスモールド成形用下型の
面部の間に所定のクリアランスを設定するようにした。
【0025】したがって、上記した請求項5の発明の作
用と同様な作用を奏し得るばかりか、プレスモールド成
形用下型の面部と表示材との間に所定量の溶融樹脂が供
給される場合、前記プレスモールド成形用上型の面部で
前記クランプ枠を押圧して枠受部材を弾性部材に抗して
下降させても、弾性部材の反発力により、クランプ枠は
上型方向に付勢されているので、表皮材とプレスモール
ド成形用下型の面部との間に所定のクリアランスを設定
することができる。したがって、表皮材はプレスモール
ド成形用下型から投入される溶融樹脂の熱によるダメー
ジを避けることができる。
【0026】また、上記の第2の目的を達成するため
に、請求項7の発明に係わる積層成形品の成形方法は、
請求項5又は請求項6記載の積層成形品の成形方法にお
いて、前記プレスモールド成形用上、下型間に表皮材を
セットした後に、前記表皮材の少なくとも一部を昇降部
材により持ち上げ、前記表皮材と前記プレスモールド成
形用下型との間に溶融樹脂を供給するようにした。
【0027】したがって、上記した請求項5又は請求項
6の発明の作用と同様な作用を奏し得るばかりか、前記
表皮材の少なくとも一部を昇降部材により持ち上げて保
持できるために、表皮材の位置ずれが起こりにくく、溶
融樹脂の供給は表皮材の得れ面の中央部には必ずしも限
定されないようになる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は本発明に係わる積層成形品
の成形装置及び成形方法により成形された二色積層成形
品としての自動車用内装部材であるドアトリムの正面
図、図2は図1のX−X線に沿う断面図、図3の
(1)、(2)、(3)、(4)、(5)は本発明に係
わる積層成形品の成形方法において、表皮材をセットし
たクランプ枠のプレスモールド成形装置内への搬入まで
の工程説明図である。
【0029】以下、本発明に係わる積層成形品の成形装
置及び成形方法により製造される二色積層成形品は、例
えば、図1及び図2に示すような自動車用内装部材とし
てのドアトリムである。このドアトリム10は、所望の
曲面形状に形成された熱可塑性樹脂である樹脂芯材11
と、この樹脂芯材11の表面に一部に貼着一体化された
表皮材31とから大略構成してある。
【0030】この樹脂芯材11は、タルク等の充填材を
混入したポリプロピレン樹脂を素材としてモールド成形
されたものであり、表皮材31は、クロス、塩化ビニー
ルシート等からなるトップ層12aと、その裏面に裏打
ちされたポリプロピレンフォーム等からなる発泡層12
bとで形成してあり、そのモールド成形時に、樹脂芯材
11の表面側の一部に一体成形されることになる。
【0031】更に、表皮材31の上端線に沿う見切りラ
イン13に沿って、樹脂芯材11に木目込み溝14を形
成し、この木目込み溝14内に表皮材31の端末を木目
込み処理しており、樹脂芯材11は、表皮材31が被覆
されないアッパー部Aと、表皮材31が被覆されたロア
部Bとの二色成形体にされている。
【0032】本発明に係わる積層成形品の成形装置は、
図3に示すように表皮材ブランク型装置20と、表皮材
セット用のクランプ枠21と、プレスモールド成形装置
22と、射出成形機(図示せず)とから構成してある。
表皮材ブランク型装置20は、上、下型23、24を有
する加圧装置25と、この加圧装置25の下型24に設
置されるブランク型26とから大略構成してある。そし
て、ブランク型26は、図4に示すようにベース27の
上面部27Aに、切断刃28と一対のピアス用ピン29
とを設けて構成してある。この切断刃28は、長方形の
輪郭に沿う部位28Aの短手方向の一辺の両側に、短手
方向で且つ外方に突出した突出部位28Bを設けて構成
してあり、これらの突出部位28Bの内方にピアス用ピ
ン29が配してある。
【0033】表皮材セット用のクランプ枠21は、図5
に示すようにアルミニウム製の枠状体30を備えてお
り、この枠状体30は、裁断後の表皮材31の長手方向
に沿う長手側部位30Aの両端部に、表皮材31の短手
方向に沿う短手側部位30B、30Cの一端部を多少開
き加減に連係し、短手側部位30B、30Cの他端部に
長手側部位30Aに平行する片部30D、30Eを形成
し、長手側部位30Aの外縁部に一対の片部30F、3
0Gを形成し、片部30D、30Eに表皮ロケートピン
32と保持用ピン孔であるセットピン用孔33とを設
け、片部30F、30Gに保持用ピン孔であるセットピ
ン用孔34を設けて構成してある。
【0034】前記プレスモールド成形装置22は、図6
乃至図8に示すようにベース部35Aを有するプレスモ
ールド成形用下型35と、このプレスモールド成形用下
型35の上方に昇降可能に配されたプレスモールド成形
用上型36とを備えており、このプレスモールド成形用
下型35の面部35Bには作業者側(ワーク搬出、入
側)イに木目込み溝部37が形成してあり、また、プレ
スモールド成形用下型35の作業者側イとは反対側ロに
は、図8に示すように前記面部35Bより一段低い当接
面部38を有する段部39が形成してあり、この段部3
9の、面部35Bと当接面部38の間の渡り面部39A
は傾斜面になされている。また、プレスモールド成形用
下型35には射出成形機(図示せず)のノズル(図示せ
ず)に接続されたマニホールド35Dが設けてあり、こ
のマニホールド35Dに連通するゲート35Cが前記面
部35Bに開口している。
【0035】また、前記プレスモールド成形用下型35
のベース部35Aには、図及び図に示すようにプレ
スモールド成形用下型35の木目込み溝部37の略延長
上の左右及びプレスモールド成形用下型35の作業者イ
とは反対側ロの左右にそれぞれ位置させて保持手段であ
るセットピン機構40が配置してある。これらのセット
ピン機構40は、ベース部35Aに立設されたセットピ
ン41を備えており、このセットピン41に枠受部材4
2が上下動可能に設けてあり、この枠受部材42はセッ
トピン41に巻装された弾性部材であるスプリング43
により保持されている。
【0036】前記プレスモールド成形用上型36の面部
36Bには、図6に示すようにプレスモールド成形用下
型35の木目込み溝部37に対向する部位に突起部44
が、また、プレスモールド成形用上型36の作業者側イ
とは反対側ロに対向する部位には、図8に示すようの前
記当接面部38に当接する上型側当接面部36Dが
してあり、また、前記プレスモールド成形用上型36の
面部Bには、プレスモールド成形用下型35の面部35
Bと共にキャビティ45を形成する成形凹型部46が形
成してあり、この成形凹型部46は、プレスモールド成
形用下型35の段部39に対向する上型側段部47にま
で及んでいる。
【0037】また、前記プレスモールド成形用上型36
の面部36Bのセットピン機構40に対向する部位(上
型側当接面部36Dと同一平面内)には孔部48が設け
てある。
【0038】次に、上記のように構成された積層成形品
の成形装置を用いて、二色積層成形品である自動車用内
装部材としてのドアトリム10の製造を説明する。
【0039】表皮材ブランク型装置20において、図3
の(1)、(2)に示すように開型した状態で下型24
上に裁断前の表皮材シート(ポリプロピレンフォーム付
きの塩化ビニールシート)49が挿入載置され、上型2
3の下降によりブランク型26の切断刃28で表皮材シ
ート49が裁断されると共に、一対のピアス用ピン29
により表皮材31にピアス(ロケート孔)50が形成さ
れる。この場合、表皮材31は、図3の(3)に示すよ
うに前記切断刃28の形状に裁断されていて、長方形の
表皮材本体31Aの短手方向の一辺である見切りライン
部31Bの両側に外方に突出した片部31Cが形成され
るし、これらの片部31Cに前記ピアス(ロケート孔)
50が形成される。
【0040】次に、上記のように裁断された表皮材31
をクランプ枠21にセットする。すなわち、図3の
(4)に示すように表皮材31のピアス(ロケート孔)
50を、クランプ枠21の表皮ロケートピン32に引っ
掛けて見切りライン部31Bに張りを与え、表皮材31
をクランプ枠21の長手側部位30A及び短手側部位3
0B、30Cに沿わせて、図9に示すようにクランプ枠
21に設けられた、例えば、ネジ部材51の先端に形成
された針状部51a及びネジ部材51の先端部に突き刺
して長手側部位30A及び短手側部位30B、30Cに
固着する。
【0041】次に、上記のように裁断された表皮材31
をセットしたクランプ枠21を、開型されたプレスモー
ルド成形装置22内に搬入して、プレスモールド成形用
下型35の木目込み溝部37の略延長上の左右及びプレ
スモールド成形用下型35の作業者側イとは反対側ロの
左右にそれぞれ位置するセットピン機構40のセットピ
ン41に、クランプ枠21のセットピン用孔33、34
を引っ掛けて、前記クランプ枠21を4つのセットピン
機構40の枠受部材42により保持する。このセット状
態では、図3の(5)に示すように表皮材31の見切り
ライン部31Bが下型35の木目込み溝部37のセンタ
ーラインR上に位置する。
【0042】プレスモールド成形装置22にあっては、
図10に示すように型下降開始、型一時停止、型
再下降、〜冷却・固化、型上昇開始、型上昇終
了から成るプレス工程を行う。そして、溶融樹脂52の
投入は型一時停止直後から型再下降開始間での間で
すべて完了する。そして、型再下降以降では溶融樹脂
52の投入が行われないことから、この場合のプレスモ
ードmを0%モードと称している。
【0043】すなわち、図11の(1)に示す表皮材3
1のセット状態から前記プレスモールド成形用上型36
の下降開始により、図11の(2)に示すようにプレス
モールド成形用上型36の面部36Bの孔部48にセッ
トピン機構40のセットピン41の上端部が挿入され
て、この上型36で前記クランプ枠21を押圧して枠受
部材42をスプリング43に抗して下降させて、表皮材
31とプレスモールド成形用下型35の面部35Bとの
間に所定(約50mm程度)のクリアランスCが設定さ
れる。そして、図12に示すように型一時停止直後か
ら型再下降開始間での間において、射出成形機の作動
によりマニホールド35Dを介してゲート35Cからプ
レスモールド成形用下型35の面部35Aと表示材31
との間に所定量の溶融樹脂52が供給される。
【0044】そして、型再下降の工程でプレスモール
ド成形用上型36が下降して下死点において閉型した時
点で、前記プレスモールド成形用上型36の面部36B
に形成された突起部44が、プレスモールド成形用下型
35の木目込み溝部37に挿入されて、表皮材31の見
切りライン部31Bが木目込み溝部37内に押し込めら
れるし、前記プレスモールド成形用上型36の面部36
Bの孔部48にセットピン機構40のセットピン41の
上端部が挿入されて、このプレスモールド成形用上型3
6で前記クランプ枠21を押圧して枠受部材42をスプ
リング43に抗して下降させる。
【0045】そして、下死点において閉型した時点で、
図13に示すように前記プレスモールド成形用上型36
の成形凹型部46がプレスモールド成形用下型35の面
部35Bと共にキャビティ45を形成し、このキャビテ
ィ45内に溶融樹脂52が充満して、この溶融樹脂52
により表皮材31がキャビティ45の上面45Aに押し
やられる。そして、この下死点において溶融樹脂52は
冷却・固化(〜冷却・固化工程)し、二色積層成形
品であるドアトリム10を成形する。
【0046】次に、型上昇開始工程に移り、前記プレ
スモールド成形用上型36を上昇させて、型上昇終了
工程で開型し、二色積層成形品であるドアトリム10を
搬出する。
【0047】上記した実施の形態によれば、表皮材ブラ
ンク型装置20において、表皮材シート49を裁断して
見切りライン部31Bを有する表皮材31を形成した後
に、この表皮材31をクランプ枠21に張り付け、表皮
材31をセットしたクランプ枠21を、プレスモールド
成形装置22のプレスモールド成形用上、下型36、3
5間に搬入して、前記クランプ枠21をセットピン機構
40により保持させて前記表皮材31の見切りライン部
31bをプレスモールド成形用下型35の木目込み溝部
37のセンターラインR上に位置させ、プレスモールド
成形用上型36の一時停止直後から再下降開始間での間
に溶融樹脂52の投入を行い、冷却・固化工程でプレス
モールド成形用上、下型36、35内で溶融樹脂52を
所定形状の樹脂芯材11に成形すると共に、この樹脂芯
材11に表皮材31を一体化する。
【0048】上記のように所定の大きさに裁断された表
皮材31が、プレスモールド成形装置22のプレスモー
ルド成形用上、下型36、35間に搬入される前に、ク
ランプ枠21にセットされ、この表皮材31をセットし
たクランプ枠21を、プレスモールド成形装置22内に
搬入して、セットピン機構40により保持させて、表皮
材31の見切りライン部31Bがプレスモールド成形用
下型35の木目込み溝部37のセンターラインR上に位
置するように位置決めするために、表皮材31の見切り
ライン部31Bをプレスモールド成形用下型35の木目
込み溝部37のセンターラインR上に確実に位置させる
ことが可能になり、完成品(ドアトリム10)の品質を
向上させ得る。
【0049】また、プレスモールド成形装置22で成形
している時に、次の製品の準備として、所定の大きさに
裁断された表皮材31をクランプ枠21にセットする作
業を行うことが可能になり、成形サイクルの短縮が可能
になって、量産性を向上させることができる。
【0050】また、表皮材ブランク型装置22におい
て、表皮材シート49を切断刃28で見切りライン部3
1Bを有する表皮材31を裁断すると共に、一対のピア
ス用ピン29により表皮材31にピアス50を形成し、
この表皮材31のピアス50を、クランプ枠21の表皮
ロケートピン32に引っ掛けて見切りライン部31Bに
張りを与え、表皮材31をクランプ枠21の枠状体30
に沿わせて固着することができ、完成品における見切り
ラインの成形精度を高めることができる。
【0051】また、前記保持手段を、前記プレスモール
ド成形用下型35のベース部35Aに立設したセットピ
ン41に枠受部材42を上下動可能に設けると共に、こ
の枠受部材42をスプリング43により保持したセット
ピン機構40より構成し、前記セットピン機構40を少
なくとも前記プレスモールド成形用下型35の木目込み
溝部37の略延長上に位置させたことにより、表皮材3
1をセットしたクランプ枠21を、開型されたプレスモ
ールド成形装置22内に搬入して、クランプ枠21の保
持用ピン孔であるセットピン孔33を、プレスモールド
成形用下型35の木目込み溝部37の略延長上それぞれ
位置するセットピン機構40のセットピン41に引っ掛
けて、クランプ枠21をセットピン機構40の枠受部材
42により保持することにより、表皮材31の見切りラ
イン部31Bをプレスモールド成形用下型35の木目込
み溝部37のセンターラインR上に位置させることがで
きる。
【0052】また、プレスモールド成形用下型35の面
部35Bと表示材31との間に所定量の溶融樹脂52が
供給される場合、前記プレスモールド成形用上型36の
面部36Bで前記クランプ枠21を押圧して枠受部材4
2をスプリング43に抗して下降させても、スプリング
43の反発力により、クランプ枠21は上型方向に付勢
されているので、表皮材31とプレスモールド成形用下
型35の面部35Bとの間に所定のクリアランスCを設
定することができる。したがって、表皮材31はプレス
モールド成形用下型35から投入される溶融樹脂52の
熱によるダメージを避けることができる。しかも、上型
の一時停止位置を調整することによりクリアランス量が
調整できる。
【0053】本発明は、上記した積層成形品の成形方法
に加えて、図14乃至図16に示すようにプレスモール
ド成形用下型35に設けた上下方向に摺動可能な昇降部
材としてのピン53もしくはバー54によって表皮材3
1の少なくとも一部がプレスモールド成形用上型36の
成形凹型部46に接触する位置まで持ち上げた後、溶融
樹脂52を表皮材31とプレスモールド成形用下型35
の面部35Bとの間に供給し、少なくとも賦形完了時間
でにピン53もしくはバー54を所定の位置に戻すこと
により賦形する方法によっても製造することができる。
【0054】この方法によれば、表皮材31をピン53
もしくはバー54とプレスモールド成形用上型36によ
り保持できるため、表皮材31の位置ずれは起こりにく
く溶融樹脂52の供給は表皮材31の裏面中央部には必
ずしも限定されない。また、ピン53もしくはバー54
を元の位置まで下げるタイミングは溶融樹脂52の供給
が始まって以降で賦形完了前であればよい。さらに、ピ
ン53もしくはバー54が複数ある場合、元の位置に戻
すタイミングはそれぞれ別であってもよい。
【0055】本発明においては、表皮材31が樹脂芯材
11を覆う見切り線に相当する木目込み溝部37が形成
してあるプレスモールド成形用下型35と、前記木目込
み溝部37に対向する部位に突起部44が形成してある
プレスモールド成形用上型36を使用することにより、
二色積層成形品であるドアトリム10には、表皮材31
の周縁部が成形品内部に埋め込まれることになり、表皮
材31で覆われている部分と覆われていない部分の境界
線が明確できれいな仕上りになる。また、表皮材31の
周縁部からのはがれもほとんど無くすことができる。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
係わる積層成形品の成形装置によれば、見切りライン部
を有する表皮材を張り付ける表皮材セット用のクランプ
枠と、プレスモールド成形用上、下型と前記表皮材をセ
ットした前記クランプ枠を保持して前記表皮材の見切り
ライン部を前記プレスモールド成形用下型の木目込み溝
部のセンターライン上に位置させる保持手段とを有して
前記プレスモールド成形用上、下型内で溶融樹脂を所定
形状の樹脂芯材に成形すると共に、この樹脂芯材に前記
表皮材を一体化するプレスモールド成形装置とを備えた
ことにより、表皮材をクランプ枠に張り付け、表皮材を
セットしたクランプ枠を、プレスモールド成形装置のプ
レスモールド成形用上、下型間に搬入して、前記クラン
プ枠を保持手段により保持させて前記表皮材の見切りラ
イン部をプレスモールド成形用下型の木目込み溝部のセ
ンターライン上に位置させ、プレスモールド成形用上、
下型の間に溶融樹脂の投入を行い、冷却・固化工程でプ
レスモールド成形用上、下型内で溶融樹脂を所定形状の
樹脂芯材に成形すると共に、この樹脂芯材に表皮材を一
体化する。
【0057】上記のように所定の大きさに裁断された表
皮材が、プレスモールド成形装置のプレスモールド成形
用上、下型間に搬入される前に、クランプ枠にセットさ
れ、この表皮材をセットしたクランプ枠を、プレスモー
ルド成形装置内に搬入して、保持手段により保持させ
て、表皮材の見切りライン部がプレスモールド成形用下
型の木目込み溝部のセンターライン上に位置するように
位置決めするために、表皮材の見切りライン部をプレス
モールド成形用下型の木目込み溝部のセンターライン上
に確実に位置させることが可能になり、完成品の品質を
向上させ得る。
【0058】また、プレスモールド成形装置で成形して
いる時に、次の製品の準備として、所定の大きさに裁断
された表皮材をクランプ枠にセットする作業を行うこと
が可能になり、成形サイクルの短縮が可能になって、量
産性を向上させることができる。
【0059】また、請求項2の発明に係わる積層成形品
の成形装置によれば、請求項1記載の積層成形品の成形
装置において、前記クランプ枠が、前記表皮材の前記見
切りライン部を除いた部位を張り付ける枠状体と、前記
枠状体に設けられて前記見切りライン部の両側方に位置
する前記ピアスを引っ掛けるピンと、前記枠状体に設け
られて前記プレスモールド成形装置の保持手段に保持さ
れる複数の保持用ピン孔とを備えたことにより、上記し
た請求項1の発明の効果と同様な効果を奏し得るばかり
か、表皮材のピアスを、クランプ枠のピンに引っ掛けて
見切りライン部に張りを与え、表皮材をクランプ枠の枠
状体に沿わせて固着することができ、完成品の見切りラ
インの成形精度を高めることができる。
【0060】また、請求項3の発明に係わる積層成形品
の成形装置によれば、請求項2の積層成形品の成形装置
において、前記保持手段を、前記プレスモールド成形用
下型側に立設したセットピンに枠受部材を上下動可能に
設けると共に、この枠受部材を弾性部材により保持した
セットピン機構より構成し、前記セットピン機構を少な
くとも前記プレスモールド成形用下型の木目込み溝部の
略延長上に位置させたことにより、上記した請求項2の
発明の効果と同様な効果を奏し得るばかりか、表皮材を
セットしたクランプ枠を、開型されたプレスモールド成
形装置内に搬入して、クランプ枠の保持用ピン孔を、プ
レスモールド成形用下型の木目込み溝部の略延長上にそ
れぞれ位置するセットピン機構のセットピンに引っ掛け
て、クランプ枠をセットピン機構の枠受部材により保持
し、表皮材をプレスモールド成形装置内にセットするこ
とにより、表皮材の見切りライン部をプレスモールド成
形用下型の木目込み溝部のセンターライン上に位置させ
ることができる。
【0061】また、プレスモールド成形用下型の面部と
表示材との間に所定量の溶融樹脂が供給される場合、前
記プレスモールド成形用上型の面部で前記クランプ枠を
押圧して枠受部材を弾性部材に抗して下降させても、弾
性部材の反発力により、クランプ枠は上型方向に付勢さ
れているので、表皮材とプレスモールド成形用下型の面
部との間に所定のクリアランスを設定することができ
る。したがって、表皮材はプレスモールド成形用下型か
ら投入される溶融樹脂の熱によるダメージを避けること
ができる。しかも、上型の一時停止位置を調整すること
によりクリアランス量が調整できる。
【0062】また、請求項4の発明に係わる積層成形品
の成形装置によれば、請求項1記載又は請求項2又は請
求項3の積層成形品の成形装置において、前記プレスモ
ールド成形装置が、面部に木目込み溝部を形成し且つ前
記面部に溶融樹脂を供給するゲートを有したプレスモー
ルド成形用下型と、面部に前記木目込み溝部に対向する
突起部と前記プレスモールド成形用下型の面部と共にキ
ャビティを形成する成形凹型部とを有するプレスモール
ド成形用上型とを有することにより、上記した請求項1
又は請求項2又は請求項3の発明の効果と同様な効果を
奏し得るばかりか、表皮材が樹脂芯財を覆う見切り線に
相当する木目込み溝部が形成してあるプレスモールド成
形用下型と、前記木目込み溝部に対向する部位に突起部
が形成してあるプレスモールド成形用上型を使用するこ
とにより、二色積層成形品には、表皮材の周縁部が成形
品内部に埋め込まれることになり、表皮材で覆われてい
る部分と覆われていない部分の境界線が明確できれいな
仕上りになる。また、表皮材の周縁部からのはがれもほ
とんど無くすことができる。
【0063】また、請求項5の発明に係わる積層成形品
の成形方法によれば、表皮材シートを裁断して見切りラ
イン部を有する表皮材を形成した後に、前記表皮材をク
ランプ枠に張り付け、前記表皮材をセットした前記クラ
ンプ枠をプレスモールド成形用上、下型間に搬入して前
記クランプ枠を保持手段により保持させて前記表皮材の
見切りライン部を前記プレスモールド成形用下型の木目
込み溝部のセンターライン上に位置させ、プレスモール
ド成形用上、下型の間に溶融樹脂の投入を行い、冷却・
固化工程で前記プレスモールド成形用上、下型内で溶融
樹脂を所定形状の樹脂芯材に成形すると共に、この樹脂
芯材に前記表皮材を一体化するようにしたことにより、
表皮材の見切りライン部をプレスモールド成形用下型の
木目込み溝部のセンターライン上に確実に位置させるこ
とが可能になり、完成品の品質を向上させ得るばかり
か、プレスモールド成形時に、次の製品の準備として、
所定の大きさに裁断された表皮材をクランプ枠にセット
する作業を行うことが可能になり、成形サイクルの短縮
が可能になって、量産性を向上させることができる。
【0064】また、請求項6の発明に係わる積層成形品
の成形方法によれば、請求項5記載の積層成形品の成形
方法において、プレスモールド成形用上、下型の間への
溶融樹脂の投入時に、前記プレスモールド成形用上型で
前記クランプ枠を押圧してセットピン機構の枠受部材を
弾性部材に抗して下降させて、前記表皮材と前記プレス
モールド成形用下型の面部の間に所定のクリアランスを
設定するようにしたことにより、上記した請求項5の発
明の効果と同様な効果を奏し得るばかりか、プレスモー
ルド成形用下型の面部と表示材との間に所定量の溶融樹
脂が供給される場合、前記プレスモールド成形用上型の
面部で前記クランプ枠を押圧して枠受部材を弾性部材に
抗して下降させても、弾性部材の反発力により、クラン
プ枠は上型方向に付勢されているので、表皮材とプレス
モールド成形用下型の面部との間に所定のクリアランス
を設定することができる。したがって、表皮材はプレス
モールド成形用下型から投入される溶融樹脂の熱による
ダメージを避けることができる。
【0065】また、請求項7の発明に係わる積層成形品
の成形方法は、請求項5又は請求項6記載の積層成形品
の成形方法において、前記プレスモールド成形用上、下
型間に表皮材をセットした後に、前記表皮材の少なくと
も一部を昇降部材により持ち上げ、前記表皮材と前記プ
レスモールド成形用下型との間に溶融樹脂を供給するよ
うにしたことにより、上記した請求項5又は請求項6の
発明の効果と同様な効果を奏し得るばかりか、前記表皮
材の少なくとも一部を昇降部材により持ち上げて保持で
きるために、表皮材の位置ずれが起こりにくく、溶融樹
脂の供給は表皮材の得れ面の中央部には必ずしも限定さ
れないようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる積層成形品の成形装置及び成形
方法により成形された二色積層成形品としての自動車用
内装部材としてのドアトリムに正面図である。
【図2】図1のX−X線に沿う断面図である。
【図3】(1)、(2)、(3)、(4)、(5)は本
発明に係わる積層成形品の成形方法において、表皮材を
セットしたクランプ枠のプレスモールド成形装置内への
搬入までの工程説明図である。
【図4】本発明に係わる積層成形品の成形装置における
表皮材ブランク型装置の一部省略した斜視図である。
【図5】同成形装置におけるクランプ枠の斜視図であ
る。
【図6】同成形装置におけるプレスモールド成形装置の
一部省略及び断面した側面図である。
【図7】同プレスモールド成形装置のプレスモールド成
形用下型及びクランプ枠の平面図である。
【図8】図6のY部の拡大詳細図である。
【図9】クランプ枠における表皮材取付けの説明図であ
る。
【図10】同プレスモールド成形装置の成形工程説明図
である。
【図11】(1)は同プレスモールド成形装置におい
て、表皮材をセットしたクランプ枠をセットピン機構で
保持したクランプ枠セット工程の一部省略した断面図で
ある。(2)は同プレスモールド成形装置において、プ
レスモールド成形用上型を下降させて表皮材とプレスモ
ールド成形用下型との間に所定のクリアランスを設定し
た状態の一部省略した断面図である。
【図12】同プレスモールド成形装置において、型停止
直後から型再下降開始間での溶融樹脂供給工程の一部省
略した断面図である。
【図13】同プレスモールド成形装置において、冷却・
固化工程の一部省略した断面図である。
【図14】本発明に係わる積層成形品の成形装置の他の
実施の形態例における開型状態の断面図である。
【図15】同成形装置の溶融樹脂供給状態の断面図であ
る。
【図16】同成形装置の閉型状態の断面図である。
【図17】従来の積層成形品の成形装置におけるプレス
モールド成形装置の断面図である。
【符号の説明】
11 樹脂芯材 21 クランプ枠 22 プレスモールド成形装置 31 表皮材 31B 見切りライン部 35 プレスモールド成形用下型 36 プレスモールド成形用上型 37 木目込み溝部 40 セットピン機構(保持手段) 49 表皮材シート
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−16163(JP,A) 特開 平8−47932(JP,A) 特開 平8−25383(JP,A) 実開 平6−20025(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 43/00 - 43/58 B29C 33/00 - 33/76

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 見切りライン部を有する表皮材を張り付
    ける表皮材セット用のクランプ枠と、 プレスモールド成形用上、下型と、前記表皮材をセット
    した前記クランプ枠を保持して前記表皮材の見切りライ
    ン部を前記プレスモールド成形用下型の木目込み溝部の
    センターライン上に位置させる保持手段とを有して、前
    記プレスモールド成形用上、下型内で溶融樹脂を所定形
    状の樹脂芯材に成形すると共に、この樹脂芯材に前記表
    皮材を一体化するプレスモールド成形装置とを備えたこ
    とを特徴とする積層成形品の成形装置。
  2. 【請求項2】 前記クランプ枠が、前記表皮材の前記見
    切りライン部を除いた部位を張り付ける枠状体と、前記
    枠状体に設けられて前記見切りライン部の両側方に位置
    するピアスを引っ掛けるピンと、前記枠状体に設けられ
    て前記プレスモールド成形装置の保持手段に保持される
    複数の保持用ピン孔とを備えた請求項1記載の積層成形
    品の成形装置。
  3. 【請求項3】 前記保持手段を、前記プレスモールド成
    形用下型側に立設したセットピンに枠受部材を上下動可
    能に設けると共に、この枠受部材を弾性部材により保持
    したセットピン機構より構成し、前記セットピン機構を
    少なくとも前記プレスモールド成形用下型の木目込み溝
    部の略延長上に位置させた請求項2の積層成形品の成形
    装置。
  4. 【請求項4】 前記プレスモールド成形装置が、面部に
    木目込み溝部を形成し且つ前記面部に溶融樹脂を供給す
    るゲートを有したプレスモールド成形用下型と、面部に
    前記木目込み溝部に対向する突起部と前記プレスモール
    ド成形用下型の面部と共にキャビティを形成する成形凹
    型部とを有するプレスモールド成形用上型とを有する請
    求項1記載又は請求項2又は請求項3の積層成形品の成
    形装置。
  5. 【請求項5】 表皮材シートを裁断して見切りライン部
    を有する表皮材を形成した後に、前記表皮材をクランプ
    枠に張り付け、前記表皮材をセットした前記クランプ枠
    をプレスモールド成形用上、下型間に搬入して前記クラ
    ンプ枠を保持手段により保持させて前記表皮材の見切り
    ライン部を前記プレスモールド成形用下型の木目込み溝
    部のセンターライン上に位置させ、プレスモールド成形
    用上、下型間に溶融樹脂の投入を行い、冷却・固化工程
    で前記プレスモールド成形用上、下型内で溶融樹脂を所
    定形状の樹脂芯材に成形すると共に、この樹脂芯材に前
    記表皮材を一体化するようにしたことを特徴とする積層
    成形品の成形方法。
  6. 【請求項6】 前記プレスモールド成形用上、下型間へ
    の溶融樹脂の投入時に、前記プレスモールド成形用上型
    で前記クランプ枠を押圧してセットピン機構の枠受部材
    を弾性部材に抗して下降させて、前記表皮材と前記プレ
    スモールド成形用下型の面部の間に所定のクリアランス
    を設定するようにした請求項5記載の積層成形品の成形
    方法。
  7. 【請求項7】 前記プレスモールド成形用上、下型間に
    表皮材をセットした後に、前記表皮材の少なくとも一部
    を昇降部材により持ち上げ、前記表皮材と前記プレスモ
    ールド成形用下型との間に溶融樹脂を供給するようにし
    た請求項5又は請求項6記載の積層成形品の成形方法。
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