JP2019005902A - モールド金型及び樹脂モールド方法 - Google Patents
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Abstract
Description
なお、トランスファ成形の場合、ワークの外にオーバーフローキャビティを設けた事例もあるが、実際はワーク端に樹脂の縦バリが発生していた。(特許文献2:特開2012−192532号公報参照)。
また、ポットより溶融した樹脂がランナ(樹脂路)を介してワーク端部を跨いで流れるため、必然的にワーク端に縦バリが発生していた。この縦バリを防止する為、ワークをポット側に寄せる機構と共にポットにワークのランナ(樹脂路)側を覆うフランジ部を設けてワーク端に樹脂バリを発生させないようにしていた(特許文献3:特開2015−51557号公報参照)。
即ち、ワークを支持する第一の金型と、キャビティ凹部が形成された第二の金型とで前記ワーク及びモールド樹脂をクランプし、前記キャビティ凹部から余剰樹脂をワーク端部と交差して流出させて樹脂モールドするモールド金型であって、前記第一の金型に支持された前記ワークに接離動可能に設けられた単数又は複数の可動駒を具備し、型閉じ完了前に前記単数又は複数の可動駒と前記第一の金型との間で前記ワーク端部が挟み込まれ、型閉じが完了すると前記単数又は複数の可動駒のうち少なくとも一の可動駒と対向する前記第二の金型クランプ面との間には樹脂路が形成されることを特徴とする。
上記構成によれば、型閉じ完了前にワークの樹脂路と交差する端部が単数又は複数の可動駒と第一の金型との間で挟み込まれ、型閉じが完了すると単数又は複数の可動駒のうち少なくとも一の可動駒と対向する第二の金型クランプ面との間に樹脂路が形成されるので、ワーク端部と交差して流出した余剰樹脂のワーク端部からの樹脂漏れはなくなる。
これにより可動駒はワーク端部に平行移動するため、必要最小限の型開閉量でワーク端部を第一の金型との間で挟み込むことができ、ワーク端部と交差して流出するモールド樹脂の樹脂漏れを防ぐことができる。また、可動駒が型開きと共に移動することで、成形品と余剰樹脂を金型内で分離することができる。
可動駒が第一の金型クランプ面と平行な支点軸を中心に回動してワーク端部を第一の金型との間で挟みこむので、ワークとの隙間を可及的に無くして挟み込むことができ、ワーク端部と交差して流出するモールド樹脂の回り込みを防ぐことができる。また、可動駒が型開きと共に回動することで、成形品と余剰樹脂を金型内で分離することができる。
これにより、可動駒の可動域を含む設置面積をコンパクトにしてワーク端部を第一の金型との間で挟み込むことができ、ワーク端部と交差して流出するモールド樹脂の樹脂漏れは無くなる。また、可動駒が型開きと共に回動することで、成形品と余剰樹脂を金型内で分離することができる。
これにより、オーバーフローするモールド樹脂の樹脂漏れは無くなるうえに、金型クランプ面にオーバーフローキャビティを設ける必要はなく、金型構成が簡略化し、ワーク面における樹脂モールドエリアが可及的に広がるため生産性、歩留まりを向上させることができる。また、型開きと共に可動駒を余剰樹脂と共に移動させることで、成形品と余剰樹脂を金型内で分離することができる。
これにより、キャビティ凹部からオーバーフローキャビティにオーバーフローさせるモールド樹脂が第二の金型と可動駒との間の樹脂路を通じてオーバーフローするので、ワーク端部からモールド樹脂が漏れ出すのを防ぐことができる。
これにより、樹脂量を正確に計量しなくても、キャビティ容積に合わせて余剰樹脂をオーバーフローキャビティへ樹脂漏れなくオーバーフローさせて成形厚を一定することができる。
また、可動キャビティ駒を備えることで、キャビティ内に充填されたモールド樹脂に樹脂圧を印加して圧縮成形することができる。
また、加熱硬化後、型開き動作に応じて可動駒を可動させることによりモールド金型より成形品を余剰樹脂と分離して取り出すことができるので、ゲートブレイクする工程が不要となり、モールド工程を簡素化することできる。よって、メンテナンスを省力化し、一定に成形厚を維持した高い成形品質を提供することができる。
また、アンダーフィル成形のように、半導体チップ下と基板との隙間に樹脂を充填し、成形する場合は、積極的に樹脂流を発生させた方が有利な成形ができる。そのため、アンダーフィル成形が必要な製品を圧縮成形する場合にオーバーフローさせて圧縮成形することができるため、半導体チップ下と基板との隙間に樹脂を確実に充填することができる。
また上記モールド金型を用いて成形品の離型動作やゲートブレイクを確実に行うことでメンテナンスを省力化し、一定に成形厚を維持した高い成形品質を提供することができる。
以下の実施形態では、ワークWとして円形状の半導体ウエハ又はeWLBの場合は円形キャリア(ワーク)を用い、該ワークW上に半導体チップTが多数ダイボンディングされているものとして説明する。
先ず圧縮成形用のモールド金型及び樹脂モールド方法について樹脂モールド装置の構成と共に説明する。
図1Aにおいて、樹脂モールド装置は、例えば可動型である下型1(第一の金型)と固定型である上型2(第二の金型)を備えたモールド金型3と、モールド金型3を開閉する型開閉機構(電動モータ、ねじ軸、トグルリンク機構等;図示せず)と、を備えている。以下、モールド金型3の構成を具体的に説明する。モールド樹脂Rは、タブレット樹脂(固形樹脂)、シート状樹脂、顆粒状樹脂、粉状樹脂、液状樹脂のいずれであってもよい。
図1Aは、下型1にワークWをセットする前の型開き状態を示す。型開きしたモールド金型3のうち下型1にワークWを図示しない搬入装置により搬入して支持する。ワークWにはあらかじめ所定量のモールド樹脂Rが供給されていてもよいし、ワークWが下型1にセットされた後で、モールド樹脂Rを供給するようにしてもよい。このとき、押上ピン6は上昇位置にあり傾斜面6cとカム面4cが重なり合った状態となっているため、可動駒4はコイルばね5の押圧力に抗してワーク外形位置より外側に退避した位置にある。
次いで、型閉じを進行させると、図2Bに示すように上型可動クランパ8がリリースフィルム13を介してワークWに当接してクランプする。これにより、上型キャビティ凹部11は密閉され、図示しない吸引機構の吸引動作により上型キャビティ凹部11内に減圧空間が形成される。
また、型開き動作と共に押上ピン6を上昇させて傾斜面6aがカム部4bのカム面4cと重なり合う面積が増えるようにスライドするので、可動駒4をコイルばね5の付勢に抗してワークWの外周端部より離間する向き(径方向外向き)に支持プレート1bに沿ってスライドさせる。このとき、下型1のクランプ面に図示しないエジェクタピンが突き出すようになっていてもよい。これにより、成形品14とオーバーフローした余剰樹脂R´は可動駒4と共に分離するため、モールド金型3より成形品14を余剰樹脂R´と分離して取り出すことができる。この時、樹脂路の可動駒立ち上がりの先端部をゲート形状(V溝)に狭くすることで、より成形品と余剰樹脂R´の分離が容易となる。尚、可動駒4に残存する余剰樹脂R´を別途離型する必要がある。例えばエジェクタピンを可動駒4内に設けて、型開きと共に突き出すようにしてもよい。また、ワークWを成形した成形品14と余剰樹脂R´を分離しないで一体のまま金型より取出した後、次工程で分離させても良い。この場合は、成形品端との境の樹脂路にゲート形状(V溝)を設けても良いし、樹脂が多少流れる程度の厚めのエアーベントとしても良い。
また、加熱硬化後、型開き動作と連動して可動駒4を可動することによりモールド金型3より成形品14を余剰樹脂R´と分離して取り出すことができるので、ゲートブレイクする工程が不要となり、モールド工程を簡素化することできる。よって、メンテナンスを省力化し、一定に成形厚を維持した高い成形品質を提供することができる。
次にモールド金型の他例について図5乃至図8を参照して説明する。尚、実施例1と同一部材には同一番号を付して説明を援用するものとする。上型2及び下型1の概略構成は実施例1と同様であるので、以下異なる構成を中心に説明する。
図8Bに示すように可動駒4は、ワークWの外周端部の外側に所定間隔で4か所に配置されている。尚、可動駒4の配置は、4か所に限らずそれより多くても少なくてもよく、少なくとも一カ所に設けられていればよい。
上型可動クランパ8に樹脂路溝8eを設ける代わりに可動駒4の対向面に凹溝を設けてもよく、双方に溝を設けてもよい。図8Bの可動駒4上に記載された円は、上型2に設けられるオーバーフローキャビティ12の位置を模式的に記載したものである。
図5Aは、下型1にワークWをセットする前の状態を示す。型開きしたモールド金型3のうち下型1にワークWを図示しない搬入装置により搬入して支持する。ワークWにはあらかじめ所定量のモールド樹脂Rが供給されていてもよいし、ワークWが下型1にセットされた後で、モールド樹脂Rを供給するようにしてもよい。このとき、突き当てピン15は下型1より突き出した位置にあり可動駒4は、コイルばね8cの付勢力に抗して支点軸4fを中心に起立して、可動駒4の先端はワーク外形位置より離間した位置にある。
尚、突き当てピン15の下降動作は、型閉じ動作(例えばエジェクタピンプレートの下降動作)に連動して行ってもよいし、独自の駆動源により行ってもいずれでもよい。
なお、実施例1と実施例2では可動駒4の駆動方法の違いの他、実施例1では可動駒4側に樹脂路溝4eを設けたが、実施例2では可動クランパ8側に樹脂路溝8eを設けた。駆動方法の選択及び樹脂路溝をいずれに設けるかは任意に選択することができる。なお、各実施例では、上型2のクランプ面にリリースフィルム13を張設させているので、可動クランパ8側に樹脂路溝8eを設けた方が樹脂路内の余剰樹脂R´の離型は実施例2の方がスムーズに行える。
また、加熱硬化後、型開き動作と連動して可動駒4を可動することによりモールド金型3より成形品14を余剰樹脂R´と分離して取り出すことができるので、ゲートブレイクする工程が不要となり、モールド工程を簡素化することできる。よって、メンテナンスを省力化し、一定に成形厚を維持した高い成形品質を提供することができる。
また、ワークWを成形した成形品14と余剰樹脂R´を分離しないで一体のままモールド金型3より取り出した後、次工程で分離させても良い。なお、樹脂路のゲート形状(V溝)は実施例1と同様に設けても良い。
次にモールド金型の他例について図9を参照して説明する。尚、実施例1と同一部材には同一番号を付して説明を援用するものとする。上型2及び下型1の概略構成は実施例1と同様であるので、以下異なる構成を中心に説明する。
次にモールド金型の他例について図10A,Bを参照して説明する。尚、実施例1と同一部材には同一番号を付して説明を援用するものとする。上型2及び下型1の概略構成は実施例1と同様であるので、以下異なる構成を中心に説明する。尚、図中のハッチングは部材の境界が分かり易いようにつけており、実際は金型内にスライドカムの移動空間が設けられているが、当該移動空間の形状は省略されているものとする。
下型可動クランパ1eには、エジェクタピン18がクランプ面に設けられたピン孔1gより貫通孔16aに向かって突き出し可能に内蔵されている。エジェクタピン18は、コイルばね18aにより付勢されて下型可動クランパ1e内にエジェクタピン18の先端部が収納されるように常時付勢されている。
また、スライドカム17はコイルばね17eに付勢されて下型ブロック1dより離間する位置に移動し、可動駒16がワークWの上面に重ならない位置にある。第一カム17cがエジェクタピン18の下端に当接して上端を貫通孔16a内に押し上げた状態にある。
このように、成形品と余剰樹脂R´との分離のみならず余剰樹脂R´の可動駒16からの分離も同時に実現することができ、作業性が向上する。
また、加熱硬化後、型開き動作と連動して可動駒4,16を可動することによりモールド金型3より成形品14を余剰樹脂R´と分離して取り出すことができるので、ゲートブレイクする工程が不要となり、モールド工程を簡素化することできる。よって、メンテナンスを省力化し、一定に成形厚を維持した高い成形品質を提供することができる。
このように、可動駒の種類を選択することで、モールド金型の設計を大幅に変更しなくても、モールド樹脂Rをオーバーフローさせる位置を自在に選択して使用することができる。尚、クランプ機能のみを有する可動駒41を複数有する場合であっても、いずれか一の可動駒41と対向する上型クランプ面との間にキャビティ凹部に通ずる樹脂路が形成されていればよい。
Claims (9)
- ワークを支持する第一の金型と、キャビティ凹部が形成された第二の金型とで前記ワーク及びモールド樹脂をクランプし、前記キャビティ凹部から余剰樹脂をワーク端部と交差して流出させて樹脂モールドするモールド金型であって、
前記第一の金型に支持された前記ワークに接離動可能に設けられた単数又は複数の可動駒を具備し、型閉じ完了前に前記単数又は複数の可動駒と前記第一の金型との間で前記ワーク端部が挟み込まれ、型閉じが完了すると前記単数又は複数の可動駒のうち少なくとも一の可動駒と対向する前記第二の金型クランプ面との間には樹脂路が形成されることを特徴とするモールド金型。 - 前記樹脂路は、前記可動駒と前記第二の金型クランプ面との間のオーバーフローキャビティに連通している請求項1記載のモールド金型。
- 前記可動駒は、前記第一の金型クランプ面に対して平行移動可能に設けられており、型閉じ完了前に前記樹脂路と交差するワーク端部に平行移動して前記可動駒と前記第一の金型との間で挟み込む請求項1又は請求項2記載のモールド金型。
- 前記可動駒は、前記第一の金型クランプ面と平行な支点軸を中心に回動可能に設けられており、型閉じ完了前に前記ワークに重ね合わせる向きに回転移動して前記樹脂路と交差するワーク端部を前記可動駒と前記第一の金型との間で挟み込む請求項1又は請求項2記載のモールド金型。
- 前記可動駒は、前記第一の金型クランプ面と直交する支点軸を中心に回動可能に設けられており、型閉じ完了前に前記ワークに重ね合わせる向きに回転移動して前記樹脂路と交差するワーク端部を前記可動駒と前記第一の金型との間で挟み込む請求項1又は請求項2記載のモールド金型。
- 前記可動駒上にオーバーフローキャビティが設けられており、型閉じ完了前に前記可動駒が前記樹脂路と交差するワーク端部と重なる位置へ移動する請求項1又は請求項2記載のモールド金型。
- 前記第二の金型は、キャビティ底部となるキャビティ駒の周囲にキャビティ側部となる可動クランパを備えており、前記可動駒は前記可動クランパに対向配置されている請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のモールド金型。
- 前記可動クランパには、オーバーフローキャビティの樹脂容量を可変とする可動キャビティ駒が設けられている請求項7記載のモールド金型。
- 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載のモールド金型でワーク及びモールド樹脂をクランプし、キャビティ凹部から余剰樹脂をワーク端部と交差して流出させて樹脂モールドする樹脂モールド方法であって、
型開きしたモールド金型のうち第一の金型にワークを支持する工程と、
前記モールド金型を型閉じして前記ワーク端部を単数又は複数の可動駒と前記第一の金型との間で挟み込む工程と、
第二の金型と前記単数又は複数の可動駒のうち少なくとも一の可動駒との間に形成された樹脂路を含み前記ワークに対向して前記第二の金型に形成されたキャビティ凹部から前記樹脂路を通じて余剰樹脂を流出させて加熱硬化させる工程と、
加熱硬化後、型開き動作にともなって前記可動駒を可動させて前記モールド金型より成形品を取り出す工程と、を含むことを特徴とする樹脂モールド方法。
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