JP2001130275A - 前後輪駆動型四輪車 - Google Patents

前後輪駆動型四輪車

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JP2001130275A
JP2001130275A JP31682299A JP31682299A JP2001130275A JP 2001130275 A JP2001130275 A JP 2001130275A JP 31682299 A JP31682299 A JP 31682299A JP 31682299 A JP31682299 A JP 31682299A JP 2001130275 A JP2001130275 A JP 2001130275A
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wheel drive
wheeled vehicle
rear wheel
wheels
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Lars Jansson
ラース・ヤンソン
Gustafsson Leif
レーフ・グスタフソン
Valerin Magnes
マグナス・ヴァレリン
Naokazu Ishibashi
直和 石橋
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Yamaha Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 前輪に駆動力が発生する走行形態を採りなが
ら操向ハンドルを操作するときの操舵力を低減でき、し
かも、必要なタイミングで、送れることなく4WD機能
を発揮できるようにする。 【解決手段】 エンジン2が駆動する油圧ポンプ16,
17と、左側前輪3Lと右側前輪3Rを駆動する左側油
圧モータ13b、右側油圧モータ14bなどによって前
輪駆動装置11を構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンを動力源
として左右2個ずつの前輪と後輪を駆動する前後輪駆動
型四輪車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の前後輪駆動型四輪車とし
ては、例えば不整地走行用の小型四輪車がある。この不
整地走行用小型四輪車は、エンジンの動力をシャフトド
ライブ式動力伝達装置を介して後輪や前輪に伝達する構
造を採っている。この車両の後輪駆動系は、エンジンか
ら車体の後方に延びる後輪駆動用シャフトドライブ式動
力伝達装置と、このシャフトドライブ式動力伝達装置の
後端部に接続した車幅方向に延びる左右直結式の車軸な
どから構成している。
【0003】前輪駆動系は後輪駆動系とは僅かに異な
り、エンジンから車体の前方に延びる前輪用シャフトド
ライブ式動力伝達装置と、このシャフトドライブ式動力
伝達装置の前端部に左右の前輪毎の車軸を接続するディ
ファレンシャルギヤとから構成している。そして、一方
の前輪がぬかるみでスピンしたとき、容易に脱出できる
ようこのディファレンシャルギヤ部に左右前輪を直結し
得るデフロック機構を設けている。
【0004】また、エンジンと前輪側のシャフトドライ
ブ式動力伝達装置との間には、後輪のみにエンジンの動
力を伝達して走行する走行形態(以下、この走行形態を
2WDという)と、後輪および前輪にエンジンの動力を
伝達して走行する走行形態(以下、この走行形態を4W
Dという)とを切換えるために2WD−4WD切換装置
を介装している。この切換装置を2WDに切換えること
によって後輪のみに駆動力が発生し、切換装置を4WD
に切換えることによって、後輪と前輪の両方に駆動力が
生じる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、前輪に駆動
力が発生する走行形態(4WD)では、機械的結合で前
輪と後輪が常に同一回転速度となるように設定されてい
ることから、常にエンジンの動力が前輪に伝達され、操
向ハンドルを操作するときの操舵力が常時重くなるとい
う問題があった。操舵力を可及的低減するためには、通
常は2WD−4WD切換装置を2WDに切換え、後輪の
みに駆動力を発生させて走行し、ぬかるみなどの滑り易
い路面にさしかかったとき、あるいはぬかるみ走行中に
後輪がスピンしたときに前輪にも駆動力が発生するよう
に前記切換装置を4WDに切換えることが考えられる。
しかしながら、このようなときに手動で切換えを行う
と、どうしてもタイミングが遅れてしまい、必要なタイ
ミングで4WD走行ができないという不具合がある。ま
た、機械的動力伝達装置を手動で切換えるので、切換え
の瞬間に衝撃を感じるなど、切換えのスムーズさに欠け
るという不具合がある。さらに、大きなドライブシャフ
トやディファレンシャルギヤやデフロック機構が車体の
前後方向のスペースを占有するため、機構がきわめて複
雑となるばかりか、車体レイアウトの自由度が小さくな
るという不具合もある。
【0006】本発明はこのような問題点を解消するため
になされたもので、前輪に駆動力が発生する走行形態を
採りながら操向ハンドルを操作するときの操舵力を低減
でき、しかも、必要なタイミングで、遅れることなく4
WD機能を発揮することができる前後輪駆動型四輪車を
提供することを第1の目的とする。また、後輪のみを駆
動する走行形態から前後両輪を駆動する走行形態へ移行
するときに衝撃を感じることなくスムーズに移行できる
前後輪駆動型四輪車を提供することを第2の目的とす
る。さらに、機構をきわめてシンプルとし、車体レイア
ウトの自由度を増大させることを第3の目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明に係る前後輪駆動型四輪車は、エンジンが駆動
する油圧ポンプと、油圧ポンプから供給された油圧によ
って左側前輪および右側前輪を独立に駆動する左側油圧
モータ、右側油圧モータとによって前輪駆動系を構成し
たものである。
【0008】本発明によれば、エンジンの動力が油圧ポ
ンプによって油圧に変換され、この油圧によって前輪が
駆動される。このため、エンジンの動力を機械的に前輪
に伝達する従来の前後輪駆動型四輪車に較べて前輪駆動
用のドライブシャフトやディファレンシャルギヤが不要
になる。また、左右の前輪を左右の油圧モータでそれぞ
れ独立に駆動することから、容易にデフロック状態を作
ることができ、複雑なデフロック機構が不要になる。
【0009】請求項2に記載した発明に係る前後輪駆動
型四輪車は、請求項1に記載した発明に係る前後輪駆動
型四輪車において、油圧モータは前輪と後輪とが略同一
回転速度で回転する走行状態で前輪に同期して回転する
ように油圧が供給されるようにしたものである。この発
明によれば、後輪と前輪の回転速度が略等しいときに
は、油圧モータが油圧で回転したとしても前輪に駆動力
は発生することがなく、後輪がスピンしたりして後輪の
駆動力が低下したときに前輪に駆動力が発生する。
【0010】請求項3に記載した発明に係る前後輪駆動
型四輪車は、請求項1に記載した発明に係る前後輪駆動
型四輪車において、油圧モータは前輪と後輪とが略同一
回転速度で回転する走行状態で前輪に後輪駆動力より小
さい微小な駆動力が作用するように油圧が供給されるも
のである。この発明によれば、後輪と前輪の回転速度が
略等しいときに前輪に僅かに駆動力が発生し、後輪がス
ピンしたりして後輪の駆動力が低下したときに前記前輪
の駆動力が増大する。
【0011】請求項4に記載した発明に係る前後輪駆動
型四輪車は、請求項1ないし請求項3に記載した発明の
うち何れか一つの発明に係る前後輪駆動型四輪車におい
て、油圧ポンプを左右2個とし、油圧ポンプから油圧モ
ータへの作動油通路を左右独立に設けたものである。こ
の発明によれば、車体左側の前輪と右側の前輪とをそれ
ぞれ別個の油圧ポンプの油圧で駆動できる。
【0012】請求項5に記載した発明に係る前後輪駆動
型四輪車は、請求項1ないし請求項3に記載した発明の
うち何れか一つの発明に係る前後輪駆動型四輪車におい
て、油圧ポンプを1個とし、油圧ポンプから油圧モータ
への作動油通路の途中に流量均等分割手段を設けたもの
である。この発明によれば、一つの油圧ポンプで左右の
前輪を駆動できるから、部品数を削減できる。また、容
易にデフロック状態を作ることができる。
【0013】請求項6に記載した発明に係る前後輪駆動
型四輪車は、請求項1ないし請求項5に記載した発明の
うち何れか一つの発明に係る前後輪駆動型四輪車におい
て、左右の油圧モータからの作動油を作動油回収回路を
介して油圧ポンプへ戻すとともに、作動油回収回路の一
部を左右共通とし、この共通部分に共通の油圧補機を配
置したものである。この発明によれば、左右の前輪を油
圧で駆動する構造を採りながら、油圧補機を左右の油圧
系で共有することができる。
【0014】請求項7に記載した発明に係る前後輪駆動
型四輪車は、請求項1ないし請求項6に記載した発明の
うち何れか一つの発明に係る前後輪駆動型四輪車におい
て、後輪のみを駆動して走行する形態と、後輪と前輪を
駆動して走行する形態とを切替える2WD−4WD切替
用開閉弁を設けたものである。この発明によれば、舗装
路などを走行するときに2WD走行を選択することによ
って、エンジンの動力の全てを後輪に伝達できる。
【0015】請求項8に記載した発明に係る前後輪駆動
型四輪車は、請求項1ないし請求項7に記載した発明の
うち何れか一つの発明に係る前後輪駆動型四輪車におい
て、左側前輪用油圧モータと右側前輪用油圧モータとを
それぞれ単独で動作させるデフロック用開閉弁を設けた
ものである。この発明によれば、デフロック開閉弁によ
って左右の前輪用油圧モータを単独で動作させることに
よって、一方の前輪がぬかるみなどでスピンした場合で
あっても他方の前輪の駆動力で走行を継続することがで
きる。
【0016】請求項9に記載した発明に係る前後輪駆動
型四輪車は、請求項1ないし請求項8のうち何れか一つ
の発明に係る前後輪駆動型四輪車において、エンジンの
動力を機械式動力伝達手段によって後輪に伝達し、後輪
を駆動する構造としたものである。この発明に係る前後
輪駆動型四輪車は、従来の前後輪駆動型四輪車の前輪駆
動系の構成のみを油圧モータ駆動式の構成に代えること
によって実現することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】第1の実施の形態 以下、本発明に係る前後輪駆動型四輪車の一実施の形態
を図1ないし図10によって詳細に説明する。図1は本
発明に係る前後輪駆動型四輪車の概略構成を示す斜視
図、図2は前輪駆動系の構成を示す斜視図である。図3
〜図9は前輪駆動系の油圧回路を示す図で、図3はデフ
ロック・ON状態で前進するときの状態を示し、図4は
デフロック・OFF状態で前進するときの状態を示し、
図5は前進状態から後進状態へ移行するときの状態を示
す。
【0018】図6はデフロック・ON状態で後進すると
きの状態を示し、図7はデフロック・OFF状態で後進
するときの状態を示し、図8は後輪のみを駆動して前進
しているときの状態を示し、図9は後輪のみを駆動して
後進しているときの状態を示す。図10は前・後進を切
換えるスプール弁の動作を説明するための断面図で、同
図(a)は前進状態を示し、同図(b)は前進状態と後
進状態との間の状態を示し、同図(c)は後進状態を示
す。
【0019】これらの図において、符号1で示すもの
は、この実施の形態による前後輪駆動型四輪車である。
この車両は、不整地走行用の小型四輪車で、車体の略中
央部にエンジン2を搭載し、前輪3および後輪4に低圧
バルーンタイヤを装着している。また、車体上部であっ
てエンジン2の前上方に操向ハンドル5を設けるととも
に、エンジン2の後上方にシート6を設けている。前記
操向ハンドル5は自動二輪車と同等の構造のバーハンド
ルであり、前記シート6は、乗員が跨って着座する構造
のものである。
【0020】前記エンジン2は、図示していない車体フ
レームに搭載し、後輪駆動装置(図示せず)と後述する
前輪駆動装置11を接続している。後輪駆動装置は、従
来の不整地走行用小型四輪車に用いるものと同等の構造
を採っている。すなわち、この後輪駆動装置は、エンジ
ン2から車体の後方へ延びるように延設して前端部をエ
ンジン2の出力軸に接続したシャフトドライブ式動力伝
達装置と、この動力伝達装置の後端部に傘歯車を介して
接続した車幅方向に延びる左右直結の車軸などから構成
している。この車軸の先端部に後輪4を取付けている。
【0021】前記エンジン2の出力軸は、この実施の形
態ではエンジン2の変速機より動力伝達系の下流側に車
体の車幅方向に延びるように配設してあり、この出力軸
に後輪駆動装置および前輪駆動装置11を接続してい
る。
【0022】前記変速機は、前進時の変速と、前進と後
進との切換えとを行うことができる構造を採っている。
この変速機を前進側に切換えることにより前記出力軸が
正転し、後進側に切換えることによって出力軸が逆転す
る。
【0023】前記前輪駆動装置11は、図1および図2
に示すように、クランクケース2aの車体前側の端部に
取付けて前記出力軸に接続したオイルポンプユニット1
2と、左側前輪3Lを駆動する左側油圧モータユニット
13と、右側前輪3Rを駆動する右側油圧モータユニッ
ト14と、これらのモータユニット13,14と前記オ
イルポンプユニット12との間の油圧回路中に介装した
油圧制御ユニット15などから構成している。この前輪
駆動装置11の油圧回路は、閉回路になるように形成さ
れ、かつ加圧手段で作動油を常時加圧している。
【0024】前記オイルポンプユニット12は、2個の
油圧ポンプ16,17を備えるとともに、エンジン2の
出力軸の回転を増速して前記両油圧ポンプに伝達する増
速装置(図示せず)を備えている。油圧ポンプ16,1
7は、いわゆる斜板ポンプとして知られているアキシャ
ルプランジャ型のものを使用しており、図1および図2
において下側に位置する油圧ポンプ16(以下、これを
左側油圧ポンプという)で後述する左側油圧モータユニ
ット13に油圧を供給し、他方の油圧ポンプ17(以
下、これを右側油圧ポンプという)で右側油圧モータユ
ニット14に油圧を供給する構造を採っている。
【0025】前記左側油圧モータユニット13および右
側油圧モータユニット14は、左右方向に対称になるよ
うに形成し、前輪懸架装置および操向装置の一部を構成
するハウジング13a,14aと、このハウジング13
a,14aに組付けた油圧モータ13b,14bおよび
車軸13c,14cと、ハウジング13a,14a内に
組込んだ減速機(図示せず)などから構成している。
【0026】前記前輪懸架装置は、この実施の形態では
ストラット型のものを採用しており、前記ハウジング1
3a,14aはステアリングナックルを構成している。
操向装置は、車体上部の前記操向ハンドル5を回動させ
ることによって前記ハウジング13a,14aが左右方
向に回動する構造を採っている。
【0027】前記左側油圧モータユニット13の油圧モ
ータ13b(以下、単に左側油圧モータという)および
右側油圧モータユニット14の油圧モータ14b(以
下、単に右側油圧モータという)は、いわゆる斜板モー
タとして知られているアキシャルプランジャ型のもの
で、仕様は前記油圧ポンプ16,17と同一のものを使
用し、回転軸に前記減速機を介して前記車軸13c,1
4cを接続している。この車軸13c,14cに前輪3
を一体に回転するように取付けている。
【0028】また、左側油圧モータ13bおよび右側油
圧モータ14bは、後輪4と前輪3とが略同一の回転数
で回転するような走行状態にあるときには、油圧が供給
された状態で前輪3に同期して回転するように構成して
いる。すなわち、油圧モータ13b,14bが油圧で回
転したとしても、前輪3と後輪4の回転速度が略等しい
ときには、前輪3に駆動力は発生することはない。
【0029】前記油圧制御ユニット15は、前記油圧モ
ータ13b,14bに供給される油圧を制御するための
もので、一つのハウジング15aに後述する複数の部材
を組付けてユニット化した構造を採っており、車体フレ
ーム(図示せず)に支持させている。この実施の形態で
は、エンジン2の前方であって前輪3より後方の部位に
油圧制御ユニット15を配置している。
【0030】ここで、油圧制御ユニット15の構成を前
輪駆動装置全体の油圧回路の構成と合わせて図2〜図9
によって説明する。図3〜図9においては、左側に左側
前輪駆動用の油圧回路を示すとともに、右側に右側前輪
駆動用の油圧回路を示す。
【0031】油圧制御ユニット15は、左側油圧ポンプ
16と左側油圧モータ13bとに接続する左側油圧回路
21と、右側油圧ポンプ17と右側油圧モータ14bと
に接続する右側油圧回路22とを互いに対をなすように
形成するとともに、図において前記両回路の間に位置す
る作動油回収用油圧回路23および2WD−4WD切換
用油圧回路24とを設けている。
【0032】前記左側油圧回路21および右側油圧回路
22は、一端を油圧ポンプ16,17に接続するととも
に他端を油圧モータ13b,14bに接続した第1作動
油通路25、第2作動油通路26をそれぞれ備えてい
る。これらの第1、第2作動油通路25,26には、5
ポート3位置切換弁からなるスプール弁27をそれぞれ
介装している。
【0033】また、前記左側油圧回路21および右側油
圧回路22は、前記スプール弁27より油圧モータ側で
第1作動油通路25どうしを第1連通路28によって連
通させるとともに、第2作動油通路26どうしを第2連
通路29によって連通させている。この実施の形態で
は、第1連通路28および第2連通路29にデフロック
用電磁式開閉弁30をそれぞれ介装している。デフロッ
クとは、ディファレンシャル・ロックの短縮名で左右の
前輪3,3間に回転数差が生じないよう差動をロックす
るという意味である。本明細書では、これが作動する時
をデフロック・ONといい、作動しない時をデフロック
・OFFという。
【0034】左右のデフロック用電磁式開閉弁30は、
操向ハンドル5の近傍に設けたデフロックスイッチ(図
示せず)をON操作することによって左右同調して第
1、第2連通路28,29を遮断し、デフロックスイッ
チをOFF操作することによって第1、第2連通路2
8,29を導通する構造を採っている。
【0035】前記スプール弁27は、4WD前進状態、
4WD後進状態および2WD駆動状態の三つの走行形態
を採るために油圧を利用して油圧回路を切換えるもの
で、第1、第2作動油通路25,26の差圧によって弁
体が移動し、これら両作動油通路25,26の油圧が等
しくなったとき、あるいは油圧が0になったときに、ス
プリングの弾発力によって弁体が中立位置に位置付けら
れる構造を採っている。このスプール弁27には、前記
第1、第2作動油通路25,26の他に、作動油回収用
油圧回路23の上流端を接続している。
【0036】スプール弁27の具体的な構造を図10
(a)〜(c)に示す。図10において、符号31はス
プール弁27のハウジングを示し、32は弁体、33は
スプリングを示す。
【0037】前記作動油回収用油圧回路23は、前輪3
に駆動力を発生させて走行するときに油圧モータ13
b,14bから作動油を油圧ポンプ16,17側へ戻す
ためのもので、上流端を上述したように前記二つのスプ
ール弁27に接続するとともに、下流端を前記左側油圧
回路21および右側油圧回路22の第1、第2作動油通
路25,26に逆止弁34を介して接続している。ま
た、この作動油回収用油圧回路23には、加圧手段35
と、オイルクーラー36と、オイルフィルター37など
の油圧補機を介装している。これらの加圧手段35、オ
イルクーラー36およびオイルフィルター37は、図1
および図2中に符号38で示す加圧ユニットハウジング
に組込んでいる。
【0038】前記加圧手段35は、ゴムによって袋状に
形成したブラダに空気や不活性ガスを圧縮状態で充填
し、このブラダを前記加圧ユニットハウジング38内に
装填することによって形成している。本実施の形態によ
る前輪駆動装置11の閉回路をなす油圧回路中の作動油
は、この加圧手段35によって数気圧程度に加圧されて
いる。このように加圧するのは、前記油圧ポンプ16,
17の回転数が著しく増大したときに吸込側の油圧が低
下し、キャビテーションが発生するのを阻止するためで
あり、したがって作動油を貯留するために大きなリザー
ブタンクを設けなくてもキャビテーションの発生を阻止
することができる。なお、加圧手段35としては、この
ようなブラダ(気体袋)式のものに限定されることはな
く、フリーピストンの一側を作動油に、他側を高圧ガス
室に臨ませて作動油を加圧するガスピストン式等、任意
の方式のものを採用することができる。
【0039】前記2WD−4WD切換用油圧回路24
は、前記左側油圧回路21の第1作動油通路25と右側
油圧回路22の第2作動油通路26どうしを逆止弁39
を介して連通する第3連通路40と、左側油圧回路21
の第2作動油通路26と右側油圧回路22の第1作動油
通路25どうしを逆止弁41を介して連通する第4連通
路42と、前記第3、第4連通路40,42と前記作動
油回収用油圧回路23の下流部分との間に介装した2W
D−4WD切換用電磁式開閉弁43などから構成してい
る。
【0040】前記2WD−4WD切換用電磁式開閉弁4
3は、操向ハンドル5の近傍に設けた2WD−4WD切
換用スイッチ(図示せず)を操作することによって開閉
する構造を採っている。前輪3と後輪4とに駆動力を発
生させるときには、この開閉弁43を閉じ、後輪4のみ
に駆動力を発生させるときにはこの開閉弁43を開く。
【0041】作動油回収用油圧回路23の下流部分に設
けたリリーフ弁44は、前記第3連通路40または第4
連通路42の圧力、すなわち逆止弁39,41を介して
導かれる左右油圧回路21,22の圧力が予め定めた圧
力を上回ったときに油圧によって開き、これら両連通路
から作動油を作動油回収用油圧回路23に流出させる構
造を採っている。このようにリリーフ弁44を設けるこ
とによって、前・後輪駆動時に前輪3はしっかり路面に
グリップされているものの、後輪がぬかるみなどでスピ
ンしたりして油圧ポンプ16,17の回転が著しく上昇
したとしても、油圧がリリーフ弁44の設定圧力を上回
ったときに作動油回収用油圧回路23側へ圧力が抜かれ
るので、左右油圧回路21,22などの油圧回路が破損
されるのを回避できる。
【0042】次に、上述したように構成した小型四輪車
の動作について説明する。前輪3と後輪4とに駆動力を
発生させて走行(4WD前進)するためには、図3に示
すように、2WD−4WD切換用電磁式開閉弁43を閉
動作させ、エンジン2の変速機を前進側に切換えて車体
を前進させる。ここでは、先ず、デフロックONのとき
の場合について説明する。すなわち、2WD−4WD切
換用電磁式開閉弁43を閉動作させるとともに、デフロ
ック用電磁式開閉弁30を閉動作させた状態で車体を前
進させると、エンジンの出力軸が正転することによって
油圧ポンプ16,17が正転し、左側油圧回路21と右
側油圧回路22の第1作動油通路25の油圧が上昇す
る。
【0043】この結果、スプール弁27の弁体32が図
3および図10(a)に示すように移動し、左右の油圧
ポンプ16,17から前記第1作動油通路25→スプー
ル弁27→油圧モータ13b,14b→スプール弁27
→作動油回収用油圧回路23→第2作動油通路26→油
圧ポンプ16,17からなる油圧系に作動油が循環す
る。
【0044】このように作動油が循環することにより、
エンジン2の動力が油圧に変換され、この油圧によって
前輪3が後輪4と略同一の回転速度で回転するように油
圧モータ13b,14bが作動する。このとき、前輪3
と後輪4の回転速度が略等しい場合には、前輪3に駆動
力は発生することはなく、後輪4に発生する駆動力で走
行する。
【0045】そして、後輪4がスピンしたりして後輪4
の駆動力が低下し、前輪3の回転に対して車速が低下す
ると、前輪3に駆動力が発生する。すなわち、この小型
四輪車1は、4WD走行とはいえ後輪4がスピンしない
ような路面を走行しているときには、後輪4のみに駆動
力が発生する走行形態を採り、後輪4がスピンしたとき
には、後輪4と前輪3とに駆動力が発生する走行形態を
採る。したがって、4WD時でも操舵力は軽くなり、必
要なときには遅れることなく4WD機能を発揮すること
ができる。しかも、2WDから4WDへの移行がスムー
ズに行われる。
【0046】また、デフロック用電磁式開閉弁30が閉
じているため、左右の油圧モータ13b,14bどうし
の間で作動油が流通することはないから、4WD状態で
走行する時には、左右の油圧モータ13b,14bはそ
れぞれ独立で動作する。このため、4WD時に一方の前
輪3がぬかるみに入ってスピンするような場合でも他方
の前輪3の駆動力によってぬかるみから脱出することが
できる。
【0047】一方、図4に示すようにデフロック用電磁
式開閉弁30を開動作(デフロック・OFF状態)させ
ている状態では、左右の油圧モータ13b,14bの第
1作動油通路25どうしが連通されるとともに、第2作
動油通路26どうしが連通される。このため、旋回時に
は、左右の油圧モータ13b,14bのうち車輪の回転
速度の遅い方の油圧モータ(旋回内側の前輪3を駆動す
る油圧モータ)に供給される作動油の一部が第1連通路
28を介して他方の油圧モータに流れ込む。このとき、
第2連通路29は、多量に供給された側の作動油の一部
を元の供給した側に戻すために使われる。
【0048】すなわち、旋回時、左右直結された後輪の
回転速度より前輪3の回転速度の方が大きいため、各油
圧モータ13b,14bが前輪3に駆動力を発生させる
ことはなく、しかも、その上、左右の前輪3の回転速度
に対応するように各油圧モータ13b,14bへの作動
油の供給量が変化するから、各油圧モータ13b,14
bは各前輪3の回転の抵抗にならずに前輪3はスムーズ
に回転する。
【0049】この走行形態(4WDデフロック・OFF
状態)では、後輪がぬかるみでスピンし、かつ一方の前
輪3もぬかるみに入ってスピンした場合、この一方の前
輪3の油圧モータの回転速度が上昇し、他方の油圧モー
タの出力(他方の前輪3の駆動力)が低下してぬかるみ
から脱出できなくなる可能性もある。このような場合に
は、デフロック用電磁式開閉弁30を図3に示すように
閉動作(デフロック・ON)させる。
【0050】前進から後進に切換えるときには、車体を
停止させてエンジン2の変速機を後進側に切換える。こ
のとき、車体の停止とともにエンジン2の出力軸が停止
すると、前輪駆動装置11の油圧ポンプ16,17も停
止し、左右の油圧回路21,22の油圧が消失する。
【0051】このように油圧が消失すると、図5および
図10(b)に示すように、スプール弁27が動作して
弁体32がスプリング33の弾発力によって中立位置に
位置付けられる。その後、車体をエンジン2の動力によ
って後進させると、エンジン2の出力軸が逆転すること
によって左側油圧ポンプ16および右側油圧ポンプ17
も逆転する。この結果、図6および図10(c)に示す
ように、左右の油圧回路21,22の第2作動油通路2
6の圧力が上昇し、スプール弁27の弁体32が前進時
とは反対方向に移動する。
【0052】後進時には、油圧ポンプ16,17から第
2作動油通路26→スプール弁27→油圧モータ13
b,14b→スプール弁27→作動油回収用油圧回路2
3→第1作動油通路25→油圧ポンプ16,17からな
る油圧系に作動油が循環し、左側油圧モータ13bおよ
び右側油圧モータ14bが逆転する。
【0053】図6に示す状態では、デフロック用電磁式
開閉弁30を閉動作(デフロック・ON)させ、左右の
前輪3をそれぞれ独立で駆動しているが、後進時にもデ
フロック用電磁式開閉弁30を開動作(デフロック・O
FF)させることによって、前述の前進時と同様に旋回
時に左右の前輪3は駆動力が発生しない状態でスムーズ
に回転する。この開閉弁30を開動作させて後進すると
きの状態を図7に示す。
【0054】前輪3に駆動力が発生することがない走行
形態、すなわち後輪4のみに生じる駆動力で前進走行す
る走行形態(2WD前進)を採るためには、図8に示し
たように、2WD−4WD切換用電磁式開閉弁43を開
動作(2WD)させる。この開閉弁43が開くと、左側
油圧ポンプ16から吐出された作動油は、左側油圧回路
21の第1作動油通路25→第3連通路40→2WD−
4WD切換用電磁式開閉弁43→作動油回収用油圧回路
23→左側油圧回路21の第2作動油通路26→左側油
圧ポンプ16からなる油圧系を循環する。
【0055】一方、右側油圧ポンプ17から吐出された
作動油は、右側油圧回路22の第1作動油通路25→第
4連通路42→2WD−4WD切換用電磁式開閉弁43
→作動油回収用油圧回路23→右側油圧回路22の第2
作動油通路26→右側油圧ポンプ17からなる油圧系を
循環する。
【0056】すなわち、それぞれの油圧ポンプ16,1
7は油圧モータという負荷がなく単に作動油を循環させ
ているだけなので、油圧ポンプ16,17の出口と入口
間に大きな差圧は発生せず、図10(b)のようにスプ
ール弁27の弁体32がスプリング33の弾発力によっ
て中立位置に位置付けられて油圧モータ側と油圧ポンプ
側とに油圧回路が分断される。このときには、油圧モー
タ側の作動油は油圧モータ13b,14bとスプール弁
27からなる油圧系を循環する。このため、前輪3は車
体の前進に伴って連れ回るようになる。なお、このよう
に後輪4のみを駆動して前進走行するときには、デフロ
ック用電磁式開閉弁30は閉動作させておく。
【0057】後輪4のみに駆動力を発生させて後進する
場合(2WD後進)には、前輪駆動装置11の弁類の開
閉状態は変えることなく、エンジン2の変速機のみを後
進側へ切換える。このときには、前輪駆動装置11の作
動油は図9に示すように流れる。
【0058】すなわち、左側油圧ポンプ16から吐出さ
れた作動油は、左側油圧回路21の第2作動油通路26
→第4連通路42→2WD−4WD切換用電磁式開閉弁
43→作動油回収用油圧回路23→左側油圧回路21の
第1作動油通路25→左側油圧ポンプ16からなる油圧
系を循環する。
【0059】右側油圧ポンプ17から吐出された作動油
は、右側油圧回路22の第2作動油通路26→第3連通
路40→2WD−4WD切換用電磁式開閉弁43→作動
油回収用油圧回路23→右側油圧回路22の第1作動油
通路25→右側油圧ポンプ17からなる油圧系を循環す
る。
【0060】上述したように構成した小型四輪車1は、
エンジン駆動式の油圧ポンプ16,17と、この油圧ポ
ンプ16,17から供給された油圧で左側前輪3Lおよ
び右側前輪3Rを駆動する左側油圧モータ13b、右側
油圧モータ14bとによって前輪駆動装置11を構成
し、前記両油圧モータ13b,14bの第1作動油通路
25どうしを互いに連通させるとともに、第2作動油通
路26どうしを互いに連通させているから、旋回時に
は、左右の前輪3の回転速度に対応するように各油圧モ
ータ13b,14bへの作動油の供給量が変化し、各油
圧モータ13b,14bは各前輪3の回転の抵抗になら
ず前輪3はスムーズに回転する。
【0061】したがって、この実施の形態による小型四
輪車1は、エンジン2の動力を機械的に前輪3に伝達す
る従来の前後輪駆動型四輪車に較べて前輪駆動用のドラ
イブシャフトやディファレンシャルギヤが不要になり、
また左右の前輪3を左右の油圧モータ13b,14bで
それぞれ独立に駆動することから、容易にデフロック状
態を作ることができ、複雑なデフロック機構が不要にな
るから、機構がきわめてシンプルとなり、車体レイアウ
トの自由度を向上させることができる。また、油圧モー
タ13b,14bは前輪3と後輪4とが略同一回転速度
で回転する走行状態で前輪3に同期して回転するように
油圧が供給されるから、前輪3と後輪4の回転速度が略
等しいときには、油圧モータ13b,14bが油圧で回
転したとしても前輪3に駆動力は発生することがなく、
後輪4がスピンしたりして後輪4の駆動力が低下したと
きに前輪3に駆動力が発生する。このため、操向ハンド
ル5を操作するときの操舵力は、前輪3と後輪4の回転
速度差が生じないときには後輪4のみを駆動するときと
同等になる。しかも、後輪4のみを駆動する走行形態か
ら前輪3および後輪4を駆動する走行形態へ円滑かつ速
やかに、しかも、乗員に衝撃を感じさせることなく移行
することができる。
【0062】また、油圧ポンプ16,17を左右2個と
し、これらの油圧ポンプ16,17から油圧モータ13
b,14bへの作動油通路を左右独立に設けているか
ら、車体左側の前輪3Lと右側の前輪3Rとをそれぞれ
別個の油圧ポンプの油圧で駆動できる。このため、油圧
系がシンプルとなるばかりか、油圧ポンプ16,17と
して小型のものを使用でき、車体レイアウトの自由度を
より一層向上させることができる。
【0063】さらに、左右の油圧モータ13b,14b
からの作動油を作動油回収用油圧回路23を介して油圧
ポンプ16,17へ戻すとともに、作動油回収用油圧回
路23の一部を左右共通とし、この共通部分に共通の油
圧補機を配置しているから、左右の前輪3を油圧で駆動
する構造を採りながら、油圧補機を左右の油圧系で共有
することができる。このため、部品数を削減でき、コン
パクト化および低コスト化を図ることができる。
【0064】さらにまた、後輪4のみを駆動して走行す
る形態と、前輪3と後輪4を駆動して走行する形態とを
切替える2WD−4WD切替用電磁式開閉弁43を設け
ているから、舗装路などを走行するときに2WD走行を
選択することによって、エンジン2の動力の全てを後輪
4に伝達でき、燃費向上を図ることができる。しかも、
左側油圧モータ13bと右側油圧モータ14bとをそれ
ぞれ単独で動作させるデフロック用電磁式開閉弁30を
設けているから、デフロック用電磁式開閉弁30によっ
て左右の油圧モータ13b,14bを単独で動作させる
ことによって、一方の前輪3がぬかるみなどでスピンし
た場合であっても他方の前輪3の駆動力で走行を継続す
ることができる。このため、悪路走破性が高い前後輪駆
動型小型四輪車を実現することができる。
【0065】加えて、エンジン2の動力を機械式動力伝
達手段によって後輪4に伝達し、後輪4を駆動する構造
を採っているから、本発明に係る前後輪駆動型四輪車を
従来の前後輪駆動型四輪車の前輪駆動系の構成のみを油
圧モータ駆動式の構成に代えることによって簡単に実現
することができる。
【0066】第2の実施の形態 前輪駆動装置11は、図11ないし図16に示すよう
に、1個の油圧ポンプで2個の油圧モータを駆動する構
造を採ることができる。図11ないし図16は他の実施
の形態を示す油圧回路図で、図11はデフロック・ON
状態で前進するときの状態を示し、図12はデフロック
・OFF状態で前進するときの状態を示し、図13はデ
フロック・ON状態で後進するときの状態を示し、図1
4はデフロック・OFF状態で後進するときの状態を示
し、図15は後輪のみを駆動して前進しているときの状
態を示し、図16は後輪のみを駆動して後進していると
きの状態を示す。これらの図において、前記図1ないし
図10によって説明したものと同一もしくは同等の部材
については、同一符号を付し詳細な説明は省略する。
【0067】図11ないし図16に示す前輪駆動装置1
1は、エンジン駆動式の油圧ポンプ61と左右の油圧モ
ータ13b,14bとの間に4ポート3位置切替弁から
なる第1スプール弁62と、作動油分配用の4ポート3
位置切替弁からなる第2スプール弁63とを介装してい
る。第2スプール弁63が本発明に係る流量均等分割手
段を構成している。前記油圧ポンプ61は、第1実施の
形態を採るときと同一のものである。また、前記第1ス
プール弁62と第1および第2作動油通路25,26と
の間には、作動油回収用油圧回路23を介装している。
さらに、2WD−4WD切換用電磁式開閉弁43は、前
記第1作動油通路25と第2作動油通路26との間に介
装している。
【0068】前記第1スプール弁62は、前進時と後進
時とで作動油の流れる方向を変えるためのもので、第1
および第2作動油通路25,26の差圧によって弁体が
スプリングの弾発力に抗して移動し、これら両作動油通
路25,26の油圧が等しくなったとき、あるいは油圧
が0になったときに、スプリングの弾発力によって弁体
が中立位置に位置付けられる構造を採っている。このス
プール弁62には、前記第1、第2作動油通路25,2
6の他に、作動油回収用油圧回路23の上流端を接続し
ている。
【0069】前記第2スプール弁63は、左右の油圧モ
ータ13b,14bに分配される作動油の流量が均等に
分割されるよう制御するためのもので、この第2スプー
ル弁63の前進時での二つの作動油入口(後進時には作
動油出口になる)63a,63bの差圧によって弁体が
スプリングの弾発力に抗して移動する構造を採ってい
る。前記二つの作動油入口(作動油出口)63a,63
bは、同一径の絞り64を介して第1作動油通路25
(前進時)または作動油回収用油圧回路23(後進時)
にそれぞれ接続している。
【0070】また、両油圧モータ13b,14bの第1
作動油通路25どうしの間には、デフロック用電磁式開
閉弁30を介装している。なお、両油圧モータ13b,
14bの第2作動油通路26どうしは、互いに連通させ
て第1スプール弁62に接続している。
【0071】この実施の形態では、両油圧モータ13
b,14bの第1作動油通路25と第2スプール弁63
の上流側との間にハイスピードバイパス弁65を介装し
ている。このハイスピードバイパス弁65は、前記絞り
64における前進時に上流側となる作動油通路と、両油
圧モータ13b,14bの第1作動油通路25との間に
介装してあり、前進時(図11中に矢印で示すように作
動油が流れるとき)であって高速時(油圧ポンプ61が
高速で回転するとき)に絞り64の存在により第2スプ
ール弁63を迂回して作動油を両油圧モータ13b,1
4bに効率的に供給する構造を採っている。
【0072】この実施の形態による小型四輪車におい
て、前輪3と後輪4とに駆動力を発生させて走行(4W
D前進)するためには、図11に示すように、2WD−
4WD切換用電磁式開閉弁43を閉動作させるととも
に、デフロック用電磁式開閉弁30を閉動作させて(デ
フロック・ON)エンジン2の変速機を前進側に切換え
て車体を前進させる。このように前進させると、エンジ
ンの出力軸が正転することによって油圧ポンプ61が正
転し、第1作動油通路25の油圧が上昇する。この結
果、第1スプール弁62の弁体が図11に示すように同
図の右側へ移動し、油圧が第2スプール弁63に作用す
る。
【0073】低速運転時には、同一径の絞り64により
第2スプール弁63を通って左側油圧モータ13bと右
側油圧モータ14bの第1作動油通路25に均等量の作
動油が流入し、左右の油圧モータ13b,14bは同一
回転速度で回転される。高速運転時には、絞り64が抵
抗となって第2スプール弁63を迂回してハイスピード
バイパス弁65を通って前記第1作動油通路25に作動
油が効率的に流入する。第1作動油通路25に流入した
作動油は両油圧モータ13b,14bと第2作動油通路
26とを通って第1スプール弁62に戻り、さらにここ
から作動油回収用油圧回路23を通って油圧ポンプ61
に戻る。
【0074】このように作動油が循環することによっ
て、エンジン2の動力が油圧に変換され、この油圧によ
って前輪3が後輪4と略同一の回転速度で回転するよう
に油圧モータ13b,14bが作動する。このとき、前
輪3と後輪4の回転速度が略等しい場合には、前輪3に
駆動力は発生することはなく、後輪4に発生する駆動力
で走行する。
【0075】そして、後輪4がスピンしたりして後輪4
の駆動力が低下し、前輪3の回転に対して車速が低下す
ると、前輪3に駆動力が発生する。すなわち、この小型
四輪車1は、4WD走行とはいえ後輪4がスピンしない
ような路面を走行しているときには、後輪4のみに駆動
力が発生する走行形態を採り、後輪4がスピンしたとき
には、前輪3と後輪4とに駆動力が発生する走行形態を
採る。したがって、4WD時でも操舵力は軽くなり、必
要なときには遅れることなく4WD機能を発揮すること
ができる。しかも、2WDから4WDへの移行がスムー
ズに行われる。
【0076】また、上述したように4WD走行を行って
いるときに、例えば左側の前輪3Lがぬかるみに入って
スピンした場合には、第2スプール弁63によって他方
の前輪3Rに駆動力が多く発生するように油圧回路が制
御される。すなわち、この場合には、左前輪3Lのスピ
ンにより第2スプール弁63のポートAでの流量がポー
トBでの流量より増大し、受圧部Cの圧力が相対的に低
下するから、弁体が図11に示した位置より左側へ移動
する。この結果、ポートBのみに作動油が流れるように
なって作動油の大部分が右側油圧モータ14bに供給さ
れるから、右側の前輪3Rの駆動力が増大し、ぬかるみ
を脱出できる。ポートBでの流量がある程度増大する
と、受圧部Dの圧力が低下することによって弁体が図1
1の右側へ移動し、初期位置に復帰する。
【0077】このように弁体が往復することによって、
一方の前輪3がスピンしたときに他方の前輪3の駆動力
が増大し、次の瞬間に元に戻るから、左右の油圧モータ
13b,14bに供給される作動油が常に略等しくなる
ように制御される。言い換えれば、デフロックON状態
で走行することができ、4WD時に一方の前輪3がぬか
るみに入ってスピンするような場合でも他方の前輪3の
駆動力によってぬかるみから脱出することができる。
【0078】この実施の形態による小型四輪車は、図1
2に示すように、デフロック用電磁式開閉弁30を開動
作させることによって、左右の油圧モータ13b,14
bの第1作動油通路25どうしが連通されてデフロック
OFFの走行形態を採ることができる。このため、4W
D時であって旋回時には、左右の油圧モータ13b,1
4bのうち車輪の回転速度の遅い方の油圧モータ(旋回
内側の前輪3を駆動する油圧モータ)に供給される作動
油の一部がデフロック用電磁式開閉弁30を介して他方
の油圧モータに流れ込む。
【0079】すなわち、旋回時、左右直結された後輪の
回転速度より前輪3の回転速度の方が大きいため、各油
圧モータ13b,14bが前輪3に駆動力を発生させる
ことはなく、しかも、その上、左右の前輪3の回転速度
に対応するように各油圧モータ13b,14bへの作動
油の供給量が変化するから、各油圧モータ13b,14
bは各前輪3の回転の抵抗にならずに前輪3はスムーズ
に回転する。
【0080】この走行形態(4WDデフロック・OFF
状態)では、後輪4がぬかるみでスピンし、かつ一方の
前輪3もぬかるみに入ってスピンした場合、この一方の
前輪3の油圧モータの回転数が上昇し、他方の油圧モー
タの出力(他方の前輪3の駆動力)が低下してぬかるみ
から脱出できなくなる可能性もある。このような場合に
は、デフロック用電磁式開閉弁30を図11に示すよう
に閉動作(デフロック・ON)させる。
【0081】この実施の形態による小型四輪車におい
て、前進から後進に切換えるときには、車体を停止させ
てエンジン2の変速機を後進側に切換える。このとき、
車体の停止とともにエンジン2の出力軸が停止すると、
前輪駆動装置11の油圧ポンプ61も停止し、油圧回路
の油圧が消失する。このように油圧が消失すると、第1
スプール弁62の弁体がスプリングの弾発力によって中
立位置に位置付けられる。その後、車体をエンジン2の
動力によって後進させると、エンジン2の出力軸が逆転
することによって油圧ポンプ61が逆転する。この結
果、第2作動油通路26の圧力が上昇し、図13に示す
ように、第1スプール弁62の弁体が前進時とは反対方
向に移動する。
【0082】後進時には、油圧ポンプ61から第2作動
油通路26→第1スプール弁62→油圧モータ13b,
14b→第2スプール弁63→第1スプール弁62→作
動油回収用油圧回路23→第1作動油通路25→油圧ポ
ンプ61からなる油圧系に作動油が循環し、左側油圧モ
ータ13bおよび右側油圧モータ14bが逆転する。
【0083】図13に示す状態では、デフロック用電磁
式開閉弁30を閉動作(デフロック・ON)させ、左右
の前輪3をそれぞれ独立で駆動しているが、後進時にも
デフロック用電磁式開閉弁30を開動作(デフロック・
OFF)させることによって、前述の前進時と同様に旋
回時に左右の前輪3は駆動力が発生しない状態でスムー
ズに回転する。この開閉弁30を開動作させて後進する
ときの状態を図14に示す。
【0084】この実施の形態による小型四輪車におい
て、前輪3に駆動力が発生することがない走行形態、す
なわち後輪4のみに生じる駆動力で前進走行する走行形
態(2WD前進)を採るためには、図15に示したよう
に、2WD−4WD切換用電磁式開閉弁43を開動作
(2WD)させる。この開閉弁43が開くと、油圧ポン
プ61から吐出された作動油は、第1作動油通路25→
2WD−4WD切換用電磁式開閉弁43→第2作動油通
路26→左側油圧ポンプ16からなる油圧系を循環す
る。
【0085】すなわち、油圧ポンプ61は油圧モータと
いう負荷がなく単に作動油を循環させているだけなの
で、油圧ポンプ61の出口と入口間に大きな差圧は発生
せず、第1スプール弁62の弁体がスプリングの弾発力
によって中立位置に位置付けられて油圧モータ側と油圧
ポンプ側とに油圧回路が分断される。このときには、油
圧モータ側の作動油は油圧モータ13b,14bと第1
および第2スプール弁62,63からなる油圧系を循環
する。このため、前輪3は車体の前進に伴って連れ回る
ようになる。このように後輪4のみを駆動して前進走行
するときには、デフロック用電磁式開閉弁30は閉動作
させておく。
【0086】後輪4のみに駆動力を発生させて後進する
場合(2WD後進)には、前輪駆動装置11の弁類の開
閉状態は変えることなく、エンジン2の変速機のみを後
進側へ切換える。このときには、前輪駆動装置11の作
動油は図16に示すように流れる。すなわち、油圧ポン
プ61から吐出された作動油は、第2作動油通路26→
2WD−4WD切換用電磁式開閉弁43→第1作動油通
路25→油圧ポンプ61からなる油圧系を循環する。
【0087】したがって、油圧モータ61を1個とする
構成でも第1の実施の形態を採るときと同等の作用効果
を奏する。第2の実施の形態で示したように一つの油圧
ポンプ61が吐出した作動油を第2スプール弁63で二
つの油圧モータ13b,14bに分配する構成を採るこ
とによって、一つの油圧ポンプ61で左右の前輪3を駆
動できるから、部品数を削減でき、コストダウンを図る
ことができる。
【0088】上述した第1および第2の実施の形態で
は、エンジン2の動力を機械式動力伝達手段によって後
輪4に伝達する構造を採っているが、後輪4も前輪3と
同様に油圧によって駆動することもできる。この構成を
採ることによって、後輪駆動用のドライブシャフトなど
の部材を省略することができるから、より一層車体のレ
イアウトの自由度が増大する。
【0089】また、第1および第2の実施の形態では、
4WD時で前輪3と後輪4とが略同一回転速度で回転す
る走行状態では、前輪3に駆動力が発生しないように構
成する例を示したが、左右の油圧モータ13b,14b
は、そのような走行状態で前輪3に後輪駆動力より小さ
い若干の駆動力が作用するように油圧が供給されるよう
にしてもよい。この構成を採ることにより、後輪4と前
輪3の回転速度が略等しいときに前輪3に僅かに駆動力
が発生しており、このため、後輪4がスピンしたりして
後輪4の駆動力が低下した瞬間、直ちにその前輪3の小
さな駆動力が発揮され、しかも、駆動力はそのレベルが
急激に増大する。このため、前輪駆動力を応答性よく発
揮、増大させることができる。
【0090】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、エ
ンジンの動力を機械的に前輪に伝達する従来の前後輪駆
動型四輪車に較べて前輪駆動用のドライブシャフトやデ
ィファレンシャルギヤが不要になり、また、左右の前輪
を左右の油圧モータでそれぞれ独立に駆動することか
ら、容易にデフロック状態を作ることができ、複雑なデ
フロック機構が不要になるから、機構がきわめてシンプ
ルとなり、車体レイアウトの自由度が大きい前後輪駆動
型四輪車を提供することができる。
【0091】請求項2記載の発明によれば、後輪と前輪
の回転速度が略等しいときには、油圧モータが油圧で回
転したとしても前輪に駆動力は発生することがなく、後
輪がスピンしたりして後輪の駆動力が低下したときに前
輪に駆動力が発生するから、操向ハンドルを操作すると
きの操舵力は、前輪と後輪の回転速度差が生じないとき
には後輪のみを駆動するときと同等になる。しかも、後
輪のみを駆動する走行形態から前輪および後輪を駆動す
る走行形態へ円滑かつ速やかに、しかも、乗員に衝撃を
感じさせることなく移行することができる。
【0092】請求項3記載の発明によれば、後輪と前輪
の回転速度が略等しいときに前輪に僅かに駆動力が発生
し、後輪がスピンしたりして後輪の駆動力が低下した瞬
間、直ちにその前輪の小さな駆動力が発揮され、しか
も、駆動力はそのレベルが急激に増大するから、前輪駆
動力を応答性よく発揮、増大させることができる。請求
項4記載の発明によれば、車体左側の前輪と右側の前輪
とをそれぞれ別の油圧ポンプの油圧で駆動できるから、
油圧系がシンプルとなるばかりか、油圧ポンプとして小
型のものを使用でき、車体レイアウトの自由度をより一
層向上させることができる。
【0093】請求項5記載の発明によれば、一つの油圧
ポンプで左右の前輪を駆動でき、部品数を削減できるか
ら、コストダウンを図りながら、前輪を油圧で駆動する
前後輪駆動型四輪車を実現することができる。請求項6
記載の発明によれば、左右の前輪を油圧で駆動する構造
を採りながら、油圧補機を左右の油圧系で共有すること
ができるから、部品数を削減でき、コンパクト化および
低コスト化を図ることができる。
【0094】請求項7記載の発明によれば、舗装路など
を走行するときに2WD走行を選択することによって、
エンジンの動力の全てを後輪に伝達できるから、燃費向
上を図ることができる。請求項8記載の発明によれば、
デフロック開閉弁によって左右の前輪用油圧モータを単
独で動作させることによって、一方の前輪がぬかるみな
どでスピンした場合であっても他方の前輪の駆動力で走
行を継続することができるから、悪路走破性が高い前後
輪駆動型四輪車を実現することができる。
【0095】請求項9記載の発明によれば、従来の前後
輪駆動型四輪車の前輪駆動系の構成のみを油圧モータ駆
動式の構成に代えることによって、前輪を油圧モータで
駆動する前後輪駆動型四輪車を実現することができるか
ら、この発明に係る前後輪駆動型四輪車の製造が容易で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る前後輪駆動型四輪車の概略構成
を示す斜視図である。
【図2】 前輪駆動系の構成を示す斜視図である。
【図3】 前輪駆動系の油圧回路を示す図である。
【図4】 前輪駆動系の油圧回路を示す図である。
【図5】 前輪駆動系の油圧回路を示す図である。
【図6】 前輪駆動系の油圧回路を示す図である。
【図7】 前輪駆動系の油圧回路を示す図である。
【図8】 前輪駆動系の油圧回路を示す図である。
【図9】 前輪駆動系の油圧回路を示す図である。
【図10】 前・後進を切換えるスプール弁の動作を説
明するための断面図である。
【図11】 他の実施の形態を示す油圧回路図である。
【図12】 他の実施の形態を示す油圧回路図である。
【図13】 他の実施の形態を示す油圧回路図である。
【図14】 他の実施の形態を示す油圧回路図である。
【図15】 他の実施の形態を示す油圧回路図である。
【図16】 他の実施の形態を示す油圧回路図である。
【符号の説明】
2…エンジン、3…前輪、4…後輪、11…前輪駆動装
置、13b…左側油圧モータ、14b…右側油圧モー
タ、15…油圧ユニット、16,17,61…油圧ポン
プ、23…作動油回収用油圧回路、30…デフロック用
電磁式開閉弁、43…2WD−4WD切換用電磁式開閉
弁。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 レーフ・グスタフソン スウェーデン国 エス−194 27 ウップ ーランズベスビイ ピー,オー,ボックス 722 オーリンス レーシング アクテ ィエボラーグ内 (72)発明者 マグナス・ヴァレリン スウェーデン国 エス−194 27 ウップ ーランズベスビイ ピー,オー,ボックス 722 オーリンス レーシング アクテ ィエボラーグ内 (72)発明者 石橋 直和 静岡県磐田市新貝2500番地 ヤマハ発動機 株式会社内 Fターム(参考) 3D011 AA07 AB01 AD11 3D036 GA18 GA45 GB01 GB05 GB09 GB10 GC05 GD01 GD04 GH05 GH06 GH16 GH18 GH22 GJ06 GJ17 3D042 AA01 AA05 AB17 BA02 BA05 BA07 BA09 BA10 BA17 BA19 BA20 BB05 BC02 BC06 BC13 BC14 BC17 BD04 BD08 BD09 3D043 AA01 AA05 AB17 EA02 EA07 EA11 EA42 EB03 EB06 EB12 EE07

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンを搭載し、左右2個の前輪と左
    右2個の後輪を駆動する前後輪駆動型四輪車において、
    この前後輪駆動型四輪車の前輪駆動系を、前記エンジン
    が駆動する油圧ポンプと、この油圧ポンプから供給され
    た油圧によって左側前輪および右側前輪を独立に駆動す
    る左側油圧モータ、右側油圧モータとによって構成した
    ことを特徴とする前後輪駆動型四輪車。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の前後輪駆動型四輪車にお
    いて、油圧モータは前輪と後輪とが略同一回転速度で回
    転する走行状態で前輪に同期して回転するように油圧が
    供給されることを特徴とする前後輪駆動型四輪車。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の前後輪駆動型四輪車にお
    いて、油圧モータは前輪と後輪とが略同一回転速度で回
    転する走行状態で前輪に後輪駆動力より小さい駆動力が
    作用するように油圧が供給されることを特徴とする前後
    輪駆動型四輪車。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のうち何れか一
    つの前後輪駆動型四輪車において、油圧ポンプを左右2
    個とし、油圧ポンプから油圧モータへの作動油通路を左
    右独立に設けたことを特徴とする前後輪駆動型四輪車。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項3のうち何れか一
    つの前後輪駆動型四輪車において、油圧ポンプを1個と
    し、油圧ポンプから油圧モータへの作動油通路の途中に
    流量均等分割手段を設けたことを特徴とする前後輪駆動
    型四輪車。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5のうち何れか一
    つの前後輪駆動型四輪車において、左右の油圧モータか
    らの作動油を作動油回収回路を介して油圧ポンプへ戻す
    とともに、作動油回収回路の一部を左右共通とし、この
    共通部分に共通の油圧補機を配置したことを特徴とする
    前後輪駆動型四輪車。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項6のうち何れか一
    つの前後輪駆動型四輪車において、後輪のみを駆動して
    走行する形態と、後輪と前輪を駆動して走行する形態と
    を切替える2WD−4WD切替用開閉弁を設けたことを
    特徴とする前後輪駆動型四輪車。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし請求項7のうち何れか一
    つの前後輪駆動型四輪車において、左側前輪用油圧モー
    タと右側前輪用油圧モータとをそれぞれ単独で動作させ
    るデフロック用開閉弁を設けたことを特徴とする前後輪
    駆動型四輪車。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし請求項8のうち何れか一
    つの前後輪駆動型四輪車において、エンジンの動力を機
    械式動力伝達手段によって後輪に伝達し、後輪を駆動す
    る構造としたことを特徴とする前後輪駆動型四輪車。
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