JP2001129355A - チオ硫酸塩脱硝法における吸収液濃度の制御方法 - Google Patents

チオ硫酸塩脱硝法における吸収液濃度の制御方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】1段目及び2段目の吸収部における吸収液のチ
オ硫酸塩濃度をより正確に所定濃度に維持し、脱硝効率
をより高い効率で安定させることができ、また、適正量
の薬品使用量で、薬品費を低減することができる方法を
提供する。 【解決手段】吸収部を直列2段に設けたチオ硫酸塩脱硝
法において、1段目の吸収部に酸化還元電位計及びpH
計、2段目の吸収部にpH計を夫々設け、1段目の吸収
部の酸化還元電位計で測定した電位値に基づいて1段目
に供給する2段目の吸収液の供給量を制御し、1段目の
吸収部のpH計で測定したpH値に基づいて1段目に供
給するアルカリ溶液の供給量を制御し、2段目の吸収部
のpH計で測定したpH値に基づいて2段目に供給する
アルカリ溶液の供給量及びチオ硫酸塩溶液の供給量を制
御することを特徴とするチオ硫酸塩脱硝法における吸収
液濃度の制御方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、窒素酸化物を含有
する排ガス中の窒素酸化物をチオ硫酸塩溶液で吸収除去
するチオ硫酸塩脱硝法における吸収液濃度の制御方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】半導体製造工場、石油化学工場、製鉄所
などからは、比較的高濃度の窒素酸化物含有ガスが排出
されるが、その窒素酸化物を脱硝処理する方法として、
吸収液で窒素酸化物を吸収除去する湿式脱硝方法や触媒
を用いて窒素酸化物を分解除去する乾式脱硝方法が用い
られている。
【0003】前記湿式脱硝方法においては、水酸化アル
カリやアンモニア等のアルカリ成分のみのアルカリ水溶
液を吸収液として用いたアルカリ吸収法、過マンガン酸
塩や亜塩素酸塩等の酸化剤を溶解したアルカリ水溶液を
吸収液として用いた酸化吸収法、チオ硫酸塩や硫化物等
の還元剤を溶解したアルカリ水溶液を吸収液として用い
た還元吸収法などが知られている。
【0004】なお、一般的な排ガス中に含有されている
窒素酸化物としては、NO、NO2及びNOとNO2が反
応して生成するN2O3などであるが、アルカリとの反応
においては、NO<NO2<N2O3の順で反応速度が速
くなり、従って、前記の順序で吸収除去しやすくなる。
【0005】前記のアルカリ吸収法は、NO2とアルカ
リとの直接的な反応と、排ガス中のNOとNO2が反応
して生成するN2O3とアルカリとの反応などで窒素酸化
物を吸収除去する方法であり、N2O3の生成は、NO2
とNOとの比が略1に近くなるほど生成量が多くなる
が、NO2を多く含有する排ガスでは、NO2がアルカリ
と反応する割合が多くなるため、NOとNO2の反応が
起こりにくくなり、全体としての脱硝効率が低い問題が
ある。
【0006】また、酸化吸収法では、NOを酸化剤で酸
化してNO2とし、生成したNO2とアルカリを反応させ
て窒素酸化物を吸収除去する方法あるが、反応しにくい
NOを酸化して反応しやすいNO2としているため、ア
ルカリ吸収法よりも脱硝効率は高いが、NO2は前記し
た通り、N2O3よりも反応速度が遅いため、薬品費の高
い酸化剤を用いる割には、脱硝効率の向上が不十分であ
る問題がある。
【0007】更に、還元吸収法では、排ガス中のNO2
の一部を還元剤で還元してNOとし、排ガス中のNO2
とNOとの比を調整してN2O3を生成し、生成したN2
O3とアルカリとの反応で窒素酸化物を吸収除去する方
法であり、他の方法と比較して脱硝効率が高いが、安定
した運転を維持するためには、NO2とNOとの比の制
御操作が煩雑となる問題があった。また、一定期間の運
転で吸収液は徐々に還元能力が低下するため、一定間隔
又は連続で吸収液を排出する必要があるが、従来の装置
においては、吸収部が1段であるため、排出液中の還元
剤濃度が高く、排出液の処理に化学的処理を行う場合に
は、薬品費が嵩む問題が生じ、また生物学的処理を行う
場合には、生物に対する負荷が大きくなる問題があっ
た。
【0008】前記従来の夫々の問題に鑑みて、本願出願
人は、特願平9−124671号で、吸収液としてチオ
硫酸塩溶液を用いた還元吸収法において、吸収部を直列
2段に構成し、2段目の吸収部にチオ硫酸塩溶液を供給
して2段目の吸収液中のチオ硫酸塩濃度を高濃度とし、
2段目の高濃度のチオ硫酸塩を含有する吸収液を1段目
に循環して1段目の吸収液中のチオ硫酸塩濃度を低濃度
で運転し、NOとNO2との比を調整してN2O3を効率
的に生成させ、窒素酸化物の脱硝効率を向上させると共
に、最終的に排出される1段目の吸収液のチオ硫酸塩濃
度を低濃度とすることができることにより、前記従来の
還元吸収法の問題を解決した方法を提案した。
【0009】前記特願平9−124671号で提案した
発明においては、以前の還元吸収法の問題点であった、
安定した運転維持のための煩雑な操作や、還元能力が低
下した吸収液の処理における、化学的処理での薬品費が
嵩む問題や、また、生物学的処理を行う場合における生
物に対する負荷が大きくなる問題などは解決されたが、
2段目にチオ硫酸塩溶液を一定量づつ連続的に供給して
運転されるため、1段目及び2段目の吸収液のチオ硫酸
塩濃度は成り行きの濃度となっていた。
【0010】また、チオ硫酸塩濃度を測定する方法とし
ては、イオンクロマト法やヨウ素滴定法などが一般的に
知られており、それらの方法でチオ硫酸塩濃度を測定し
ていたため、サンプリングや分析に要する時間が非常に
掛かり、分析された値に基づいてチオ硫酸塩溶液の供給
を制御すると濃度の変動に追従できない問題があった。
従って、2段目の吸収部のチオ硫酸塩濃度を一定の濃度
に保持するために、チオ硫酸塩溶液を過剰に供給してい
た結果、薬品使用量が多くなり、薬品費が嵩む問題があ
った。更に、1段目の吸収部のチオ硫酸塩濃度が不明又
はリアルタイムで判らないため、最終的に排出される排
出液中のチオ硫酸塩濃度が一定せず、排出液の処理にお
ける化学的処理又は生物学的処理での装置の運転が煩雑
となる問題があった。
【0011】従って本願出願人は、前記特願平9−12
4671号で提案した発明の問題点を解決することを課
題として、特願平11−110448号において、1段
目及び/又は2段目の吸収部におけるチオ硫酸塩濃度を
適正に制御でき、適正量の薬品使用量で、薬品費を低減
することができる方法として、吸収部を直列2段に設
け、2段目の吸収液の一部を1段目の吸収液として供給
し、1段目の吸収部に酸化還元電位計を設け、酸化還元
電位計で測定した電位値に基づいて2段目に供給するチ
オ硫酸塩溶液の供給量を制御することを特徴とするチオ
硫酸塩脱硝法における吸収液濃度の制御方法を提案し
た。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】前記特願平11−11
0448号で提案した発明では、1段目及び/又は2段
目の吸収部における吸収液のアルカリ濃度を制御してな
いため、pH値が変動し、それに伴って窒素酸化物の脱
硝効率も変動する問題があった。特に、1段目の吸収部
におけるpH値の変動により、酸化還元電位計での電位
値が不正確となり、従って、電位値に基づいて制御する
2段目に供給されるチオ硫酸塩溶液の供給量や1段目に
供給される2段目の吸収液の供給量が不安定となり、脱
硝効率に及ぼす影響が極めて大きいことが判明した。
【0013】従って、本発明は、前記特願平11−11
0448号で提案した発明の問題点を解決するために改
良されたものであり、1段目及び2段目の吸収部におけ
る吸収液のpH値を測定して、その値に基づいて1段目
及び2段目にアルカリ溶液を供給し、夫々のpH値を安
定させることにより、1段目及び2段目の吸収部におけ
る吸収液のチオ硫酸塩濃度をより正確に所定濃度に維持
し、脱硝効率をより高い効率で安定させることができ、
また、適正量の薬品使用量で、薬品費を低減することが
できる方法を提供する目的で成されたものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明の要旨は、請求項1に記載した発明において
は、吸収液としてアルカリ性のチオ硫酸塩溶液を使用
し、吸収部を直列2段に設け、2段目の吸収部にチオ硫
酸塩溶液を供給し、2段目の吸収液の一部を1段目の吸
収液として供給して窒素酸化物を含有する排ガス中の窒
素酸化物を吸収除去するチオ硫酸塩脱硝法において、1
段目の吸収部に酸化還元電位計及びpH計、2段目の吸
収部にpH計を夫々設け、1段目の吸収部の酸化還元電
位計で測定した電位値に基づいて1段目に供給する2段
目の吸収液の供給量を制御し、1段目の吸収部のpH計
で測定したpH値に基づいて1段目に供給するアルカリ
溶液の供給量を制御し、2段目の吸収部のpH計で測定
したpH値に基づいて2段目に供給するアルカリ溶液の
供給量及びチオ硫酸塩溶液の供給量を制御することを特
徴とするチオ硫酸塩脱硝法における吸収液濃度の制御方
法である。
【0015】酸化還元電位計で1段目の吸収部の電位値
を測定することにより、1段目吸収部のチオ硫酸塩濃度
の変動がリアルタイムで測定でき、2段目の吸収部から
1段目の吸収部に供給される吸収液の供給量が適正に制
御され、また、2段目に供給するチオ硫酸塩溶液の供給
量を制御することにより、2段目の吸収部のチオ硫酸塩
濃度を適正な濃度に維持することが可能となった。更
に、1段目の吸収部から最終的に排出される排出液中の
チオ硫酸塩濃度がリアルタイムで測定できるため、排出
液中のチオ硫酸塩濃度を一定の低い値に制御することが
でき、排水処理における化学的処理又は生物学的処理で
の装置の運転が容易となった。
【0016】また、1段目及び2段目の吸収部にpH計
を夫々設けて、夫々の吸収部におけるpH値を測定し、
pH値に基づいて1段目及び2段目に供給するアルカリ
溶液の供給量を制御するため、夫々のpH値を安定させ
ることができ、従って、1段目及び2段目の吸収部にお
ける吸収液のチオ硫酸塩濃度をより正確に測定すること
ができるため、チオ硫酸塩濃度を所定濃度に維持し、脱
硝効率をより高い効率で安定させることができる。
【0017】なお、1段目の吸収液のpH値は7〜9、
好ましくは8前後であり、チオ硫酸塩濃度は0.01〜
10mg/L、好ましくは0.1〜5mg/Lの低い値
に制御され、2段目の吸収液のpH値は9〜13、好ま
しくは12前後であり、チオ硫酸塩濃度は0.1〜2.
0wt%の濃度の高い値に制御される。このような条件
で運転することにより、NO2/NO比を適正な値に制
御することができ、従ってN2O3を効率よく生成させ、
脱硝効率を高く維持することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態につい
て図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施の形
態の系統図である。
【0019】1は排ガス中の窒素酸化物を吸収除去する
1段目の吸収部である第1吸収塔であり、内部に充填材
が充填された充填層1Aが設けられ、充填層1Aよりも
下部には、排ガスの導入管aが接続されており、また、
底部には吸収液の一定量が滞留される液溜まり部1Bが
形成され、液溜まり部1Bと連通し、吸収液を抜き出し
て吸収液循環ポンプ8を介して充填層1Aへ循環する吸
収液循環管d及び吸収液を抜き出して図示しない排水処
理装置などに排出する吸収液抜き出し管eが接続されて
いる。更に、頂部には1次処理された処理ガスを2段目
の吸収部である第2吸収塔2へ導入する1次処理ガス排
出管bが接続している。また、第1吸収塔1の液溜まり
部1Bには、酸化還元電位値を測定する酸化還元電位計
6及びpH計5が液溜まり部1B内の吸収液に電極を浸
漬して配置されている。
【0020】2は排ガス中の窒素酸化物を除去する2段
目の吸収部である第2吸収塔であり、第1吸収塔1の構
造と略同一構造である。充填材が充填された充填層2A
が設けられ、充填層2Aよりも下部には、第1吸収塔1
で1次処理された処理ガスを導入する1次処理ガス排出
管bが接続され、頂部には2次処理された処理ガスを大
気中に排出する処理ガスの排出管cが接続されており、
また、底部には、吸収液の一定量が滞留される液溜まり
部2Bが形成され、液溜まり部2Bと連通し、吸収液を
抜き出して吸収液循環ポンプ9を介して充填層2Aへ循
環する吸収液循環管gが接続されている。更に、吸収液
循環管gは、2段目の吸収液の一部を1段目の吸収液と
して供給する分岐管fが途中から分岐して設けられ、第
1吸収塔1の液溜まり部1Bに接続している。また、分
岐管fには、1段目の吸収部の酸化還元電位計6で測定
した電位値に基づいて1段目に供給する2段目の吸収液
の供給量を制御する制御弁13が設けられている。ま
た、第2吸収塔2の液溜まり部2Bには、pH計7が液
溜まり部2B内の吸収液に電極を浸漬して配置されてい
る。
【0021】また、第2吸収塔2の液溜まり部2Bに新
規なチオ硫酸塩溶液を供給するために、途中にチオ硫酸
塩溶液供給ポンプ12を配置した吸収液供給管kを介し
てチオ硫酸塩溶液槽4が接続され、また、第1吸収塔1
及び第2吸収塔2の夫々の液溜まり部1B、2Bに新規
なアルカリ溶液を供給するために、途中にアルカリ溶液
供給ポンプ10、11を夫々配置したアルカリ供給管
h、jを介してアルカリ溶液槽3が接続されている。
【0022】なお、チオ硫酸塩としては、チオ硫酸ナト
リウム、チオ硫酸アンモニウムなどを用いることができ
るが、反応性や薬品費などからチオ硫酸ナトリウムを用
いるのが好ましく、また、アルカリとしては、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリ
ウムなどを用いることができるが、反応性や薬品費など
から水酸化ナトリウムを用いるのが好ましい。更に、1
段目の吸収液中のチオ硫酸塩濃度は0.01〜10mg
/Lの低い値に制御され、2段目の吸収液中のチオ硫酸
塩濃度は0.1〜2.0wt%の濃度の高い値に制御さ
れる。
【0023】前記1段目及び2段目の吸収部の吸収塔
1、2は、充填塔構造であり、充填層を形成する充填材
としては、合成樹脂、セラミック等で製造された円筒
状、円柱状、鞍状等が用いられるが、脱硝効率やハンド
リングの容易性等から合成樹脂製の円筒状充填材を用い
るのが好ましく、また、前記の充填塔構造ではなく、棚
段塔やスプレ−塔などの構造としてもよく、更に、吸収
塔1、2の夫々に隣接して液溜まり槽を配置して、液溜
まり部1B、2Bと連通した構造でもよく、本発明に用
いられる吸収塔の構造は、それらの構造には限定されな
い。
【0024】以下、前記構成の脱硝装置により窒素酸化
物を含有した排ガスから窒素酸化物を吸収除去する脱硝
方法について述べる。
【0025】第1吸収塔1では、排ガスの導入管aから
排ガスが導入され、充填層1Aを上向流で流通し、ま
た、吸収液が吸収液循環ポンプ8を介して吸収液循環管
dから充填層1Aの上部に供給され、充填層1Aを下向
流で流通することにより、排ガスと吸収液が向流接触し
て排ガス中の窒素酸化物が吸収除去されると共に、チオ
硫酸塩の還元作用でNOとNO2との比が調整され、N2
O3が効率的に生成される。
【0026】吸収液は、第1吸収塔1の底部に設けられ
た液溜まり部1Bに滞留されたのち、吸収液循環ポンプ
8で吸引されて抜き出され、吸収液循環管dから充填層
1Aの上部に循環供給される。また、吸収液の一部は、
吸収液抜き出し管eで第1吸収塔1外に抜き出され、図
示しない排水処理装置で処理されたのち、河川等に放流
されるが、吸収液の抜き出し量は、吸収液の組成により
制御される。また、窒素酸化物が除去された処理ガス
は、1次処理ガス排出管bから第2吸収塔2へ導入され
る。
【0027】第2吸収塔2では、1次処理ガス排出管b
から1次処理された排ガスが導入され、充填層2Aを上
向流で流通し、また、吸収液が吸収液循環ポンプ9を介
して吸収液循環管gから充填層2Aの上部に供給され、
充填層2Aを下向流で流通することにより、排ガスと吸
収液が向流接触して排ガス中の残存窒素酸化物が吸収除
去される。なお、第1吸収塔1で排ガス中のNOとNO
2との比がチオ硫酸塩の還元作用で調整されており、ま
た、第2吸収塔2でもチオ硫酸塩の還元作用で調整され
て、N2O3が効率的に生成されているため、脱硝効率を
高く維持することができる。窒素酸化物が除去された処
理ガスは、処理ガス排出管cから大気中に排出される。
【0028】吸収液は、第2吸収塔2の底部に設けられ
た液溜まり部2Bに滞留されたのち、循環ポンプ9で吸
引されて抜き出され、吸収液循環管gから充填層2Aの
上部に循環供給される。また、吸収液の一部は、分岐管
fから1段目の吸収液として第1吸収塔1の液溜まり部
1Bに供給される。
【0029】また、第1吸収塔1及び第2吸収塔2の夫
々の吸収液のチオ硫酸塩濃度及びpH値を調整するため
に、第2吸収塔2の液溜まり部2Bに、チオ硫酸塩溶液
供給管kを介してチオ硫酸塩溶液槽4からチオ硫酸塩溶
液供給ポンプ12により新規なチオ硫酸塩溶液が供給さ
れ、また、第1吸収塔1及び第2吸収塔2の夫々の液溜
まり部1B、2Bに、アルカリ供給管h、jを介してア
ルカリ溶液槽3からアルカリ溶液供給ポンプ10、11
により新規なアルカリ溶液が供給される。
【0030】前記における夫々の溶液の供給量制御は、
酸化還元電位計6で第1吸収塔1における吸収液の電位
値を測定し、図示しない制御装置を介してチオ硫酸塩濃
度を算出して制御弁13を制御することにより、第2吸
収塔2から第1吸収塔1の液溜まり部1Bに供給される
吸収液の供給量を適正に制御することができ、また、第
2吸収塔2におけるpH値をpH計7で測定し、第2吸
収塔2に供給するチオ硫酸塩溶液の供給量をチオ硫酸塩
溶液供給ポンプ12を制御することにより、第2吸収塔
2の吸収液のチオ硫酸塩濃度を適正な濃度に維持するこ
とが可能となった。更に、第1吸収塔1から最終的に排
出される排出液中のチオ硫酸塩濃度がリアルタイムで測
定できるため、排出液中のチオ硫酸塩濃度を一定の低い
値に制御することができ、排水処理における化学的処理
又は生物学的処理での装置の運転が容易となった。
【0031】更に、第1吸収塔1及び第2吸収塔2の夫
々の液溜まり部1B、2Bに配置されたpH計5,7
で、夫々の吸収液のpH値を測定し、pH値に基づいて
アルカリ溶液供給ポンプ10,11を制御してアルカリ
溶液の供給量を制御するため、夫々のpH値を安定させ
ることができ、従って、第1吸収塔1の吸収液のチオ硫
酸塩濃度をより正確に測定することができるため、チオ
硫酸塩濃度を所定濃度に維持し、脱硝効率をより高い効
率で安定させることができる。
【0032】なお、第1吸収塔1の吸収液中のチオ硫酸
塩濃度は0.01〜10mg/Lの低い値に制御され、
第2吸収塔2の吸収液中のチオ硫酸塩濃度は0.1〜
2.0wt%の濃度の高い値に制御される。更に、排ガ
ス中の窒素酸化物のNO2/NO比に基づいて、第2吸
収塔2の吸収液中のチオ硫酸塩とアルカリの濃度を制御
することにより、NO2/NO比を適正な値に制御する
ことができ、従ってN2O3を効率よく生成させ、脱硝効
率を高く維持することができる。また、第1吸収塔1及
び第2吸収塔2の吸収液のpH値をpH計5,7で夫々
測定し、pH値に基づいて夫々に供給するアルカリ溶液
の供給量を制御することにより、吸収液のpH値を安定
させることができ、従って、第1吸収塔1及び第2吸収
塔2の吸収液のチオ硫酸塩濃度をより正確に測定するこ
とができるため、チオ硫酸塩濃度を所定濃度に維持し、
脱硝効率をより高い効率で安定させることができる。
【0033】
【実施例】(実施例1)前記脱硝方法により、半導体製
造工程から排出される窒素酸化物を含有する排ガス中の
窒素酸化物を除去処理する例について以下に詳述する。
第1吸収塔に供給するアルカリ溶液の供給量を第1吸収
塔に設けたpH計で制御し、また、第2吸収塔からの吸
収液の供給を酸化還元電位計で制御して、第1吸収塔の
吸収液のpH値を8.0、電位値を140mvに制御
し、また、第2吸収塔に供給するアルカリ溶液の供給量
及びチオ硫酸塩溶液の供給量を第2吸収塔に設けたpH
計で制御して、第2吸収塔の吸収液のpH値を12.0
に制御し、窒素酸化物含有排ガスを処理した。なお、排
ガス中の窒素酸化物は、NO:305〜142ppm、
NO:955〜661ppm、NO/NO2:3.13
〜4.65であった。その結果、処理ガス中の窒素酸化
物はNO:37〜32ppm、NO2:63〜53pp
m、平均の脱硝率:91.0%であり、また、チオ硫酸
塩溶液の消費量は25L/H、アルカリ溶液の消費量は
50L/Hであった。
【0034】(比較例1)第1吸収塔に設けた酸化還元
電位計により、第2吸収塔に供給するチオ硫酸塩溶液の
供給量を制御し、初期の第1吸収塔の吸収液のpH値を
8.0、電位値を140mvに設定し、また、第2吸収
塔に設けたpH計で第2吸収塔に供給するアルカリ溶液
の供給量を制御して、第2吸収塔の吸収液のpH値を1
2.0に制御して排ガスを処理した。なお、排ガス中の
窒素酸化物は、NO:250〜110ppm、NO2:
880〜670ppm、NO/NO2:3.52〜6.
09であった。その結果、第1吸収塔の吸収部のpH値
は7.0〜9.0の間で変動し、処理ガス中の窒素酸化
物は、NO:36〜26ppm、NO2:64〜54p
pm、平均の脱硝率:90.6%であり、また、チオ硫
酸塩溶液の消費量は28L/H、アルカリ溶液の消費量
は65L/Hであった。
【0035】前記のとおり、本発明の吸収液濃度の制御
方法では、脱硝効率をより高い効率で安定させることが
でき、また、チオ硫酸塩溶液及びアルカリ溶液の消費量
を低減することができた。
【0036】
【発明の効果】本発明は、1段目及び2段目の吸収部に
おける吸収液のチオ硫酸塩濃度をより正確に測定できる
ため、チオ硫酸塩濃度を所定濃度に維持し、脱硝効率を
より高い効率で安定させることができ、また、チオ硫酸
塩溶液及びアルカリ溶液の消費量を低減することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の系統図
【符号の説明】
1:第1吸収塔 2:第2吸収塔 3:アルカリ溶液槽 4:チオ硫酸塩溶液槽 5、7:pH計 6:酸化還元電位計 8、9:吸収液循環ポンプ 10、11:アルカリ溶液供給ポンプ 12:チオ硫酸塩溶液供給ポンプ 13:制御弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D002 AA12 AC10 BA02 BA06 CA01 CA07 DA01 DA12 DA14 DA16 DA70 GA01 GA03 GB02 GB06 GB08 GB09 GB20 4D020 AA05 BA10 BB03 BC10 CB13 CC05 DA01 DB05 DB07 DB08

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸収液としてアルカリ性のチオ硫酸塩溶液
    を使用し、吸収部を直列2段に設け、2段目の吸収部に
    チオ硫酸塩溶液を供給し、2段目の吸収液の一部を1段
    目の吸収液として供給して窒素酸化物を含有する排ガス
    中の窒素酸化物を吸収除去するチオ硫酸塩脱硝法におい
    て、1段目の吸収部に酸化還元電位計及びpH計、2段
    目の吸収部にpH計を夫々設け、1段目の吸収部の酸化
    還元電位計で測定した電位値に基づいて1段目に供給す
    る2段目の吸収液の供給量を制御し、1段目の吸収部の
    pH計で測定したpH値に基づいて1段目に供給するア
    ルカリ溶液の供給量を制御し、2段目の吸収部のpH計
    で測定したpH値に基づいて2段目に供給するアルカリ
    溶液の供給量及びチオ硫酸塩溶液の供給量を制御するこ
    とを特徴とするチオ硫酸塩脱硝法における吸収液濃度の
    制御方法。
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