JP2000300948A - チオ硫酸塩脱硝法における吸収液濃度の制御方法 - Google Patents
チオ硫酸塩脱硝法における吸収液濃度の制御方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】2段吸収のチオ硫酸塩脱硝法における1段目及
び/又は2段目の吸収部におけるチオ硫酸塩濃度を適正
に制御でき、適正量の薬品使用量で、薬品費を低減する
ことができる方法を提供する。 【解決手段】吸収部を直列2段に設け、2段目の吸収部
にチオ硫酸塩溶液を供給し、2段目の吸収液の一部を1
段目の吸収液として供給して窒素酸化物を含有する排ガ
ス中の窒素酸化物を吸収除去するチオ硫酸塩脱硝法にお
いて、1段目の吸収部に酸化還元電位計を設け、酸化還
元電位計で測定した電位値に基づいて2段目に供給する
チオ硫酸塩溶液の液量を制御することを特徴とするチオ
硫酸塩脱硝法における吸収液濃度の制御方法。
び/又は2段目の吸収部におけるチオ硫酸塩濃度を適正
に制御でき、適正量の薬品使用量で、薬品費を低減する
ことができる方法を提供する。 【解決手段】吸収部を直列2段に設け、2段目の吸収部
にチオ硫酸塩溶液を供給し、2段目の吸収液の一部を1
段目の吸収液として供給して窒素酸化物を含有する排ガ
ス中の窒素酸化物を吸収除去するチオ硫酸塩脱硝法にお
いて、1段目の吸収部に酸化還元電位計を設け、酸化還
元電位計で測定した電位値に基づいて2段目に供給する
チオ硫酸塩溶液の液量を制御することを特徴とするチオ
硫酸塩脱硝法における吸収液濃度の制御方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、窒素酸化物を含有
する排ガス中の窒素酸化物をチオ硫酸塩溶液で吸収除去
するチオ硫酸塩脱硝法に関し、更に詳しくは、チオ硫酸
塩脱硝法におけるチオ硫酸塩吸収液濃度の制御方法に関
する。
する排ガス中の窒素酸化物をチオ硫酸塩溶液で吸収除去
するチオ硫酸塩脱硝法に関し、更に詳しくは、チオ硫酸
塩脱硝法におけるチオ硫酸塩吸収液濃度の制御方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】半導体製造工場、石油化学工場、製鉄所
などからは、比較的高濃度の窒素酸化物含有ガスが排出
されるが、その窒素酸化物を脱硝処理する方法として、
吸収液で窒素酸化物を吸収除去する湿式脱硝方法や触媒
を用いて窒素酸化物を分解除去する乾式脱硝方法が用い
られている。
などからは、比較的高濃度の窒素酸化物含有ガスが排出
されるが、その窒素酸化物を脱硝処理する方法として、
吸収液で窒素酸化物を吸収除去する湿式脱硝方法や触媒
を用いて窒素酸化物を分解除去する乾式脱硝方法が用い
られている。
【0003】前記湿式脱硝方法においては、水酸化アル
カリやアンモニア等のアルカリ成分のみのアルカリ水溶
液を吸収液として用いたアルカリ吸収法、過マンガン酸
塩や亜塩素酸塩等の酸化剤を溶解したアルカリ水溶液を
吸収液として用いた酸化吸収法、チオ硫酸塩や硫化物等
の還元剤を溶解したアルカリ水溶液を吸収液として用い
た還元吸収法などが知られている。
カリやアンモニア等のアルカリ成分のみのアルカリ水溶
液を吸収液として用いたアルカリ吸収法、過マンガン酸
塩や亜塩素酸塩等の酸化剤を溶解したアルカリ水溶液を
吸収液として用いた酸化吸収法、チオ硫酸塩や硫化物等
の還元剤を溶解したアルカリ水溶液を吸収液として用い
た還元吸収法などが知られている。
【0004】なお、一般的な排ガス中に含有されている
窒素酸化物としては、NO、NO2及びNOとNO2が反
応して生成するN2O3などであるが、アルカリとの反応
においては、NO<NO2<N2O3の順で反応速度が速
くなり、従って、前記の順序で吸収除去しやすくなる。
窒素酸化物としては、NO、NO2及びNOとNO2が反
応して生成するN2O3などであるが、アルカリとの反応
においては、NO<NO2<N2O3の順で反応速度が速
くなり、従って、前記の順序で吸収除去しやすくなる。
【0005】前記のアルカリ吸収法は、NO2とアルカ
リとの直接的な反応と、排ガス中のNOとNO2が反応
して生成するN2O3とアルカリとの反応などで窒素酸化
物を吸収除去する方法であるが、NOを多く含有する排
ガスでは、NO2として吸収される反応が優先的に行わ
れるため、NOとNO2の反応が起こりにくくなり、従
って、全体としての吸収効率が低い問題がある。
リとの直接的な反応と、排ガス中のNOとNO2が反応
して生成するN2O3とアルカリとの反応などで窒素酸化
物を吸収除去する方法であるが、NOを多く含有する排
ガスでは、NO2として吸収される反応が優先的に行わ
れるため、NOとNO2の反応が起こりにくくなり、従
って、全体としての吸収効率が低い問題がある。
【0006】また、酸化吸収法では、NOを酸化剤で酸
化してNO2とし、生成したNO2とアルカリを反応させ
て窒素酸化物を吸収除去する方法あるが、反応しにくい
NOを酸化して反応しやすいNO2としているため、ア
ルカリ吸収法よりも吸収効率は高いが、NO2は前記し
た通り、N2O3よりも反応速度が遅いため、薬品費の高
い酸化剤を用いる割には、吸収効率の向上が不十分であ
る問題がある。
化してNO2とし、生成したNO2とアルカリを反応させ
て窒素酸化物を吸収除去する方法あるが、反応しにくい
NOを酸化して反応しやすいNO2としているため、ア
ルカリ吸収法よりも吸収効率は高いが、NO2は前記し
た通り、N2O3よりも反応速度が遅いため、薬品費の高
い酸化剤を用いる割には、吸収効率の向上が不十分であ
る問題がある。
【0007】更に、還元吸収法では、排ガス中のNO2
の一部を還元してNOとし、排ガス中のNO2とNOと
の比を調整してN2O3とし、生成するN2O3とアルカリ
との反応で窒素酸化物を吸収除去する方法であり、他の
方法と比較して吸収効率が高いが、NO2とNOとの比
によって吸収効率が影響されるため、安定した運転を維
持するためには煩雑な操作が必要となる問題がある。ま
た、一定期間の運転で吸収液は徐々に還元能力が低下す
るため、一定間隔又は連続で吸収液を排出する必要があ
るが、従来の装置においては、吸収部が1段であるた
め、排出液中の還元剤濃度が高く、排出液の処理に化学
的処理を行う場合には、薬品費が嵩む問題が生じ、また
生物学的処理を行う場合には、生物に対する負荷が大き
くなる問題があった。
の一部を還元してNOとし、排ガス中のNO2とNOと
の比を調整してN2O3とし、生成するN2O3とアルカリ
との反応で窒素酸化物を吸収除去する方法であり、他の
方法と比較して吸収効率が高いが、NO2とNOとの比
によって吸収効率が影響されるため、安定した運転を維
持するためには煩雑な操作が必要となる問題がある。ま
た、一定期間の運転で吸収液は徐々に還元能力が低下す
るため、一定間隔又は連続で吸収液を排出する必要があ
るが、従来の装置においては、吸収部が1段であるた
め、排出液中の還元剤濃度が高く、排出液の処理に化学
的処理を行う場合には、薬品費が嵩む問題が生じ、また
生物学的処理を行う場合には、生物に対する負荷が大き
くなる問題があった。
【0008】前記従来の夫々の問題に鑑みて、本願出願
人は、特願平9−124671号で、吸収液としてチオ
硫酸塩溶液を用いた還元吸収法において、吸収部を直列
2段に構成し、2段目の吸収部にチオ硫酸塩溶液を供給
して2段目の吸収液中のチオ硫酸塩濃度を高濃度とし、
2段目の高濃度のチオ硫酸塩を含有する吸収液を1段目
に循環して1段目の吸収液中のチオ硫酸塩濃度を低濃度
で運転し、NOとNO2との比を調整してN2O3を効率
的に生成させ、窒素酸化物の吸収効率を向上させると共
に、最終的に排出される排出液を1段目のチオ硫酸塩の
濃度を低濃度とすることができることにより、前記従来
の還元吸収法の問題を解決した方法を提案した。
人は、特願平9−124671号で、吸収液としてチオ
硫酸塩溶液を用いた還元吸収法において、吸収部を直列
2段に構成し、2段目の吸収部にチオ硫酸塩溶液を供給
して2段目の吸収液中のチオ硫酸塩濃度を高濃度とし、
2段目の高濃度のチオ硫酸塩を含有する吸収液を1段目
に循環して1段目の吸収液中のチオ硫酸塩濃度を低濃度
で運転し、NOとNO2との比を調整してN2O3を効率
的に生成させ、窒素酸化物の吸収効率を向上させると共
に、最終的に排出される排出液を1段目のチオ硫酸塩の
濃度を低濃度とすることができることにより、前記従来
の還元吸収法の問題を解決した方法を提案した。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記特願平9−124
671号で提案した発明においては、以前の還元吸収法
の問題点であった、NO2とNOとの比によって吸収効
率が影響され、安定した運転を維持するためには煩雑な
操作が必要であることや、還元能力が低下した吸収液を
排出するにあたり、排出液の処理に化学的処理を行う場
合に、薬品費が嵩む問題や、また生物学的処理を行う場
合に、生物に対する負荷が大きくなる問題などは解決さ
れたが、1段目及び2段目の吸収部のチオ硫酸塩濃度
は、2段目に供給されるチオ硫酸塩溶液を一定量づつ連
続的に供給して成り行きの濃度としていた。
671号で提案した発明においては、以前の還元吸収法
の問題点であった、NO2とNOとの比によって吸収効
率が影響され、安定した運転を維持するためには煩雑な
操作が必要であることや、還元能力が低下した吸収液を
排出するにあたり、排出液の処理に化学的処理を行う場
合に、薬品費が嵩む問題や、また生物学的処理を行う場
合に、生物に対する負荷が大きくなる問題などは解決さ
れたが、1段目及び2段目の吸収部のチオ硫酸塩濃度
は、2段目に供給されるチオ硫酸塩溶液を一定量づつ連
続的に供給して成り行きの濃度としていた。
【0010】なお、チオ硫酸塩濃度を測定する方法とし
ては、イオンクロマト法やヨウ素滴定法などが一般的に
知られているが、それらの方法は、サンプリングや分析
に要する時間が非常に掛かるため、分析された値に基づ
いてチオ硫酸塩溶液の供給を制御すると濃度の変動に追
従できない問題があった。従って、2段目の吸収部のチ
オ硫酸塩濃度を一定の濃度に保持するために、チオ硫酸
塩溶液を過剰に供給していた結果、薬品使用量が多くな
り、薬品費が嵩む問題があった。
ては、イオンクロマト法やヨウ素滴定法などが一般的に
知られているが、それらの方法は、サンプリングや分析
に要する時間が非常に掛かるため、分析された値に基づ
いてチオ硫酸塩溶液の供給を制御すると濃度の変動に追
従できない問題があった。従って、2段目の吸収部のチ
オ硫酸塩濃度を一定の濃度に保持するために、チオ硫酸
塩溶液を過剰に供給していた結果、薬品使用量が多くな
り、薬品費が嵩む問題があった。
【0011】また、1段目の吸収部のチオ硫酸塩濃度が
不明又はリアルタイムで判らないため、最終的に排出さ
れる排出液中のチオ硫酸塩濃度が一定せず、排出液の処
理における化学的処理又は生物学的処理での装置の運転
が煩雑となる問題があった。
不明又はリアルタイムで判らないため、最終的に排出さ
れる排出液中のチオ硫酸塩濃度が一定せず、排出液の処
理における化学的処理又は生物学的処理での装置の運転
が煩雑となる問題があった。
【0012】本発明は、前記特願平9−124671号
で提案した発明の前記問題点を解決することを課題と
し、1段目及び/又は2段目の吸収部におけるチオ硫酸
塩濃度を適正に制御でき、適正量の薬品使用量で、薬品
費を低減することができる方法を提供する目的で成され
たものである。
で提案した発明の前記問題点を解決することを課題と
し、1段目及び/又は2段目の吸収部におけるチオ硫酸
塩濃度を適正に制御でき、適正量の薬品使用量で、薬品
費を低減することができる方法を提供する目的で成され
たものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明の要旨は、請求項1に記載した発明において
は、吸収液としてアルカリ性のチオ硫酸塩溶液を使用
し、吸収部を直列2段に設け、2段目の吸収部にチオ硫
酸塩溶液を供給し、2段目の吸収液の一部を1段目の吸
収液として供給して窒素酸化物を含有する排ガス中の窒
素酸化物を吸収除去するチオ硫酸塩脱硝法において、1
段目の吸収部に酸化還元電位計を設け、酸化還元電位計
で測定した電位値に基づいて2段目に供給するチオ硫酸
塩溶液の液量を制御することを特徴とするチオ硫酸塩脱
硝法における吸収液濃度の制御方法である。
の本発明の要旨は、請求項1に記載した発明において
は、吸収液としてアルカリ性のチオ硫酸塩溶液を使用
し、吸収部を直列2段に設け、2段目の吸収部にチオ硫
酸塩溶液を供給し、2段目の吸収液の一部を1段目の吸
収液として供給して窒素酸化物を含有する排ガス中の窒
素酸化物を吸収除去するチオ硫酸塩脱硝法において、1
段目の吸収部に酸化還元電位計を設け、酸化還元電位計
で測定した電位値に基づいて2段目に供給するチオ硫酸
塩溶液の液量を制御することを特徴とするチオ硫酸塩脱
硝法における吸収液濃度の制御方法である。
【0014】また、請求項2に記載した発明において
は、吸収液としてアルカリ性のチオ硫酸塩溶液を使用
し、吸収部を直列2段に設け、2段目の吸収部にチオ硫
酸塩溶液を供給し、2段目の吸収液の一部を1段目の吸
収液として供給して窒素酸化物を含有する排ガス中の窒
素酸化物を吸収除去するチオ硫酸塩脱硝法において、1
段目の吸収部に酸化還元電位計を設け、酸化還元電位計
で測定した電位値に基づいて1段目に供給する2段目の
吸収液の液量を制御することを特徴とするチオ硫酸塩脱
硝法における吸収液濃度の制御方法である。
は、吸収液としてアルカリ性のチオ硫酸塩溶液を使用
し、吸収部を直列2段に設け、2段目の吸収部にチオ硫
酸塩溶液を供給し、2段目の吸収液の一部を1段目の吸
収液として供給して窒素酸化物を含有する排ガス中の窒
素酸化物を吸収除去するチオ硫酸塩脱硝法において、1
段目の吸収部に酸化還元電位計を設け、酸化還元電位計
で測定した電位値に基づいて1段目に供給する2段目の
吸収液の液量を制御することを特徴とするチオ硫酸塩脱
硝法における吸収液濃度の制御方法である。
【0015】酸化還元電位値からチオ硫酸塩濃度が測定
できることは知られていたが、酸化還元電位の測定は、
pH値が9以上の高い値では測定が不可能であるため着
目されなかった。しかし本願発明では、1段目の吸収部
においては吸収液の濃度が低く、その一定の低い値に維
持することによりpH値を9以下に維持することがで
き、従って、酸化還元電位計を1段目の吸収部に設け、
1段目の吸収部の酸化還元電位値を測定し、図2に記載
されたグラフからチオ硫酸塩濃度を測定することが可能
となった。
できることは知られていたが、酸化還元電位の測定は、
pH値が9以上の高い値では測定が不可能であるため着
目されなかった。しかし本願発明では、1段目の吸収部
においては吸収液の濃度が低く、その一定の低い値に維
持することによりpH値を9以下に維持することがで
き、従って、酸化還元電位計を1段目の吸収部に設け、
1段目の吸収部の酸化還元電位値を測定し、図2に記載
されたグラフからチオ硫酸塩濃度を測定することが可能
となった。
【0016】また、酸化還元電位計で1段目の吸収部の
還元電位を測定することにより、1段目の吸収部のチオ
硫酸塩濃度の変動がリアルタイムで測定でき、更に2段
目の吸収部から1段目の吸収部に一定量の吸収液が供給
されることから、2段目の吸収部のチオ硫酸塩濃度の変
動がリアルタイムで測定できることになり、従って、酸
化還元電位計での電位値に基づいて2段目に供給するチ
オ硫酸塩溶液の液量を制御することにより、2段目の吸
収部のチオ硫酸塩濃度を適正な濃度に維持することが可
能となる。
還元電位を測定することにより、1段目の吸収部のチオ
硫酸塩濃度の変動がリアルタイムで測定でき、更に2段
目の吸収部から1段目の吸収部に一定量の吸収液が供給
されることから、2段目の吸収部のチオ硫酸塩濃度の変
動がリアルタイムで測定できることになり、従って、酸
化還元電位計での電位値に基づいて2段目に供給するチ
オ硫酸塩溶液の液量を制御することにより、2段目の吸
収部のチオ硫酸塩濃度を適正な濃度に維持することが可
能となる。
【0017】また、酸化還元電位計で1段目の吸収部の
還元電位を測定することにより、1段目の吸収部から最
終的に排出される排出液中のチオ硫酸塩濃度がリアルタ
イムで測定できるため、2段目から1段目に供給される
吸収液量を制御することにより、1段目のチオ硫酸塩濃
度を常に適正値とすることができ、一定の脱硝効率が維
持されるとともに、排出液中のチオ硫酸塩濃度を一定の
低い値とすることができ、排水処理における化学的処理
又は生物学的処理での装置の運転が容易となった。
還元電位を測定することにより、1段目の吸収部から最
終的に排出される排出液中のチオ硫酸塩濃度がリアルタ
イムで測定できるため、2段目から1段目に供給される
吸収液量を制御することにより、1段目のチオ硫酸塩濃
度を常に適正値とすることができ、一定の脱硝効率が維
持されるとともに、排出液中のチオ硫酸塩濃度を一定の
低い値とすることができ、排水処理における化学的処理
又は生物学的処理での装置の運転が容易となった。
【0018】なお、1段目の吸収液中のチオ硫酸塩濃度
は0.01〜10mg/Lの低い値に制御され、2段目
の吸収液中のチオ硫酸塩濃度は0.1〜2.0wt%の
濃度の高い値に制御される。更に、排ガス中の窒素酸化
物のNO2/NO比に基づいて、2段目の吸収液中のチ
オ硫酸塩とアルカリの濃度を制御することにより、NO
2/NO比を略1に制御することができ、従ってN2O3
を効率よく生成させ、吸収効率を高く維持することがで
きる。
は0.01〜10mg/Lの低い値に制御され、2段目
の吸収液中のチオ硫酸塩濃度は0.1〜2.0wt%の
濃度の高い値に制御される。更に、排ガス中の窒素酸化
物のNO2/NO比に基づいて、2段目の吸収液中のチ
オ硫酸塩とアルカリの濃度を制御することにより、NO
2/NO比を略1に制御することができ、従ってN2O3
を効率よく生成させ、吸収効率を高く維持することがで
きる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態につい
て図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施の形
態の系統図であり、図2はチオ硫酸ナトリウム溶液濃度
(wt%)と還元電位(mv)との関係グラフである。
て図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施の形
態の系統図であり、図2はチオ硫酸ナトリウム溶液濃度
(wt%)と還元電位(mv)との関係グラフである。
【0020】1は排ガス中の窒素酸化物を除去する1段
目の吸収部である第1脱硝塔であり、内部に充填材が充
填された充填層11が設けられ、充填層11よりも下部
には、排ガスの導入管20が接続されており、また、底
部には吸収液の一定量が滞留される液溜まり部13が形
成され、液溜まり部13と連通し、吸収液を抜き出して
充填層11へ循環する吸収液循環管23及び吸収液を抜
き出して図示しない排水処理装置などに排出する吸収液
抜き出し管28が接続されており、吸収液循環管23の
途中には、吸収液循環ポンプ6が配置されている。更
に、頂部には1次処理された処理ガスを2段目の吸収部
である第2脱硝塔2へ導入する1次処理ガス排出管21
が接続している。
目の吸収部である第1脱硝塔であり、内部に充填材が充
填された充填層11が設けられ、充填層11よりも下部
には、排ガスの導入管20が接続されており、また、底
部には吸収液の一定量が滞留される液溜まり部13が形
成され、液溜まり部13と連通し、吸収液を抜き出して
充填層11へ循環する吸収液循環管23及び吸収液を抜
き出して図示しない排水処理装置などに排出する吸収液
抜き出し管28が接続されており、吸収液循環管23の
途中には、吸収液循環ポンプ6が配置されている。更
に、頂部には1次処理された処理ガスを2段目の吸収部
である第2脱硝塔2へ導入する1次処理ガス排出管21
が接続している。
【0021】2は排ガス中の窒素酸化物を除去する2段
目の吸収部である第2脱硝塔であり、第1脱硝塔1の構
造と略同一構造である。充填材が充填された充填層12
が設けられ、充填層12よりも下部には、第1脱硝塔1
で1次処理された処理ガスを導入する1次処理ガス排出
管21が接続され、頂部には2次処理された処理ガスを
大気中に排出する処理ガスの排出管22が接続されてお
り、また、底部には、吸収液の一定量が滞留される液溜
まり部14が形成され、液溜まり部14と連通し、吸収
液を抜き出して充填層12へ循環する吸収液循環管24
が接続されており、吸収液循環管24の途中には、吸収
液循環ポンプ7が配置されている。更に、吸収液循環ポ
ンプ7の吐出側の吸収液循環管24途中から分岐して、
第1脱硝塔の吸収液循環管23に接続し、2段目の吸収
液の一部を1段目の吸収液として供給する分岐管25が
接続している。
目の吸収部である第2脱硝塔であり、第1脱硝塔1の構
造と略同一構造である。充填材が充填された充填層12
が設けられ、充填層12よりも下部には、第1脱硝塔1
で1次処理された処理ガスを導入する1次処理ガス排出
管21が接続され、頂部には2次処理された処理ガスを
大気中に排出する処理ガスの排出管22が接続されてお
り、また、底部には、吸収液の一定量が滞留される液溜
まり部14が形成され、液溜まり部14と連通し、吸収
液を抜き出して充填層12へ循環する吸収液循環管24
が接続されており、吸収液循環管24の途中には、吸収
液循環ポンプ7が配置されている。更に、吸収液循環ポ
ンプ7の吐出側の吸収液循環管24途中から分岐して、
第1脱硝塔の吸収液循環管23に接続し、2段目の吸収
液の一部を1段目の吸収液として供給する分岐管25が
接続している。
【0022】液溜まり部14に新規な吸収液を供給する
ために、第2脱硝塔2の下部には、チオ硫酸塩溶液タン
ク3と接続し、途中にチオ硫酸塩溶液供給ポンプ8を配
置した吸収液供給管26、アルカリ溶液タンク4と接続
し、途中にアルカリ溶液供給ポンプ9を配置したアルカ
リ供給管27が接続されている。
ために、第2脱硝塔2の下部には、チオ硫酸塩溶液タン
ク3と接続し、途中にチオ硫酸塩溶液供給ポンプ8を配
置した吸収液供給管26、アルカリ溶液タンク4と接続
し、途中にアルカリ溶液供給ポンプ9を配置したアルカ
リ供給管27が接続されている。
【0023】なお、チオ硫酸塩としては、チオ硫酸ナト
リウム、チオ硫酸アンモニウムなどを用いることができ
るが、反応性や薬品費などからチオ硫酸ナトリウムを用
いるのが好ましく、また、アルカリとしては、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム炭酸カリウ
ムなどを用いることができるが、反応性や薬品費などか
ら水酸化ナトリウムを用いるのが好ましい。
リウム、チオ硫酸アンモニウムなどを用いることができ
るが、反応性や薬品費などからチオ硫酸ナトリウムを用
いるのが好ましく、また、アルカリとしては、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム炭酸カリウ
ムなどを用いることができるが、反応性や薬品費などか
ら水酸化ナトリウムを用いるのが好ましい。
【0024】また、1段目の吸収液中のチオ硫酸塩濃度
は0.01〜10mg/Lの低い値に制御され、2段目
の吸収液中のチオ硫酸塩濃度は0.1〜2.0wt%の
濃度の高い値に制御される。更に、NO2/NO比を略
1に制御し、N2O3を効率よく生成させさせるために、
排ガス中の窒素酸化物のNO2/NO比に基づいて、2
段目の吸収液中のチオ硫酸塩とアルカリの濃度が制御さ
れるのが好ましい。
は0.01〜10mg/Lの低い値に制御され、2段目
の吸収液中のチオ硫酸塩濃度は0.1〜2.0wt%の
濃度の高い値に制御される。更に、NO2/NO比を略
1に制御し、N2O3を効率よく生成させさせるために、
排ガス中の窒素酸化物のNO2/NO比に基づいて、2
段目の吸収液中のチオ硫酸塩とアルカリの濃度が制御さ
れるのが好ましい。
【0025】前記1段目及び2段目の吸収部の脱硝塔
1、2は、充填層を設けた充填塔構造であり、充填材と
しては、合成樹脂、セラミック等で製造された円筒状、
円柱状、鞍状等が用いられるが、吸収効率やハンドリン
グの容易性等から合成樹脂製の円筒状充填材を用いた充
填塔が好ましく、また、前記の充填塔構造ではなく、棚
段塔やスプレ−塔などの構造としてもよく、更に、脱硝
塔1、2の夫々の下部に隣接して液溜まり槽を設け、液
溜まり部13、14が連通した構造でもよく、本発明に
用いられる脱硝塔の構造は、それらの構造には限定され
ない。
1、2は、充填層を設けた充填塔構造であり、充填材と
しては、合成樹脂、セラミック等で製造された円筒状、
円柱状、鞍状等が用いられるが、吸収効率やハンドリン
グの容易性等から合成樹脂製の円筒状充填材を用いた充
填塔が好ましく、また、前記の充填塔構造ではなく、棚
段塔やスプレ−塔などの構造としてもよく、更に、脱硝
塔1、2の夫々の下部に隣接して液溜まり槽を設け、液
溜まり部13、14が連通した構造でもよく、本発明に
用いられる脱硝塔の構造は、それらの構造には限定され
ない。
【0026】10は、酸化還元系の溶液に白金電極など
を浸漬し、電極の表面と溶液との間に生じる電位差を測
定する酸化還元電位計であり、第1脱硝塔1の液溜まり
部13又は脱硝塔の外部に隣接して設けられた液溜まり
槽内に電極を浸漬配置して設けられ、制御装置5を介し
てチオ硫酸塩溶液供給ポンプ8による第2脱硝塔2に供
給するチオ硫酸塩溶液供給量を制御し、また、分岐管2
5に配置された流量調節弁15を調節して、1段目の吸
収液として供給する2段目の吸収液供給量を制御する。
を浸漬し、電極の表面と溶液との間に生じる電位差を測
定する酸化還元電位計であり、第1脱硝塔1の液溜まり
部13又は脱硝塔の外部に隣接して設けられた液溜まり
槽内に電極を浸漬配置して設けられ、制御装置5を介し
てチオ硫酸塩溶液供給ポンプ8による第2脱硝塔2に供
給するチオ硫酸塩溶液供給量を制御し、また、分岐管2
5に配置された流量調節弁15を調節して、1段目の吸
収液として供給する2段目の吸収液供給量を制御する。
【0027】なお、第1脱硝塔1及び第2脱硝塔2の液
溜まり部13、14には図示しないがpH計が設けら
れ、夫々の吸収液のpH値が監視され、制御装置5を介
してpH値を適正な数値とすべくアルカリ溶液供給量を
制御する制御装置が設けられている。
溜まり部13、14には図示しないがpH計が設けら
れ、夫々の吸収液のpH値が監視され、制御装置5を介
してpH値を適正な数値とすべくアルカリ溶液供給量を
制御する制御装置が設けられている。
【0028】以下、前記構成の脱硝装置により窒素酸化
物を含有した排ガスから窒素酸化物を吸収除去する脱硝
方法について述べる。
物を含有した排ガスから窒素酸化物を吸収除去する脱硝
方法について述べる。
【0029】第1脱硝塔1では、排ガスの導入管20か
ら排ガスが導入され、排ガスは充填層11を上向流で流
通し、また、吸収液が吸収液循環管23から充填層11
の上部に供給され、充填層11を下向流で流通すること
により、排ガスと吸収液が向流接触して排ガス中の窒素
酸化物が吸収除去される。
ら排ガスが導入され、排ガスは充填層11を上向流で流
通し、また、吸収液が吸収液循環管23から充填層11
の上部に供給され、充填層11を下向流で流通すること
により、排ガスと吸収液が向流接触して排ガス中の窒素
酸化物が吸収除去される。
【0030】吸収液は、第1脱硝塔1の底部に設けられ
た液溜まり部13に滞留されたのち、吸収液循環管23
に配置された循環ポンプ6で吸引されて抜き出され、吸
収液循環管23から充填層11の上部に循環供給され
る。また、循環される吸収液一部は、第2脱硝塔2の吸
収液循環ポンプ7吐出側の吸収液循環管24途中から分
岐して、吸収液循環管23に接続している分岐管25か
ら第2脱硝塔2へ供給される。
た液溜まり部13に滞留されたのち、吸収液循環管23
に配置された循環ポンプ6で吸引されて抜き出され、吸
収液循環管23から充填層11の上部に循環供給され
る。また、循環される吸収液一部は、第2脱硝塔2の吸
収液循環ポンプ7吐出側の吸収液循環管24途中から分
岐して、吸収液循環管23に接続している分岐管25か
ら第2脱硝塔2へ供給される。
【0031】更に、吸収液の一部は、液溜まり部13か
ら吸収液抜き出し管28で第1脱硝塔1外に抜き出さ
れ、図示しない排水処理装置で処理されたのち、河川等
に放流されるが、吸収液の抜き出し量は、吸収液の組成
により制御される。また、窒素酸化物が除去された処理
ガスは、1次処理ガス排出管21から第2脱硝塔2へ導
入される。
ら吸収液抜き出し管28で第1脱硝塔1外に抜き出さ
れ、図示しない排水処理装置で処理されたのち、河川等
に放流されるが、吸収液の抜き出し量は、吸収液の組成
により制御される。また、窒素酸化物が除去された処理
ガスは、1次処理ガス排出管21から第2脱硝塔2へ導
入される。
【0032】第2脱硝塔2では、1次処理ガス排出管2
1から1次処理された排ガスが導入され、排ガスは充填
層12を上向流で流通し、また、吸収液が吸収液循環管
24から充填層12の上部に供給され、充填層12を下
向流で流通することにより、排ガスと吸収液が向流接触
して排ガス中の窒素酸化物が吸収除去され、窒素酸化物
が除去された処理ガスは、処理ガス排出管22から大気
中に排出される。
1から1次処理された排ガスが導入され、排ガスは充填
層12を上向流で流通し、また、吸収液が吸収液循環管
24から充填層12の上部に供給され、充填層12を下
向流で流通することにより、排ガスと吸収液が向流接触
して排ガス中の窒素酸化物が吸収除去され、窒素酸化物
が除去された処理ガスは、処理ガス排出管22から大気
中に排出される。
【0033】吸収液は、第2脱硝塔2の底部に設けられ
た液溜まり部14に滞留されたのち、吸収液循環管24
に配置された循環ポンプ7で吸引されて抜き出され、吸
収液循環管24から充填層12の上部に循環供給され
る。また、循環される吸収液は、吸収液循環ポンプ7の
吐出側の吸収液循環管24途中から分岐して、第1脱硝
塔1の吸収液循環管23に接続している分岐管25から
吸収液の一部が第1脱硝塔1に供給される。
た液溜まり部14に滞留されたのち、吸収液循環管24
に配置された循環ポンプ7で吸引されて抜き出され、吸
収液循環管24から充填層12の上部に循環供給され
る。また、循環される吸収液は、吸収液循環ポンプ7の
吐出側の吸収液循環管24途中から分岐して、第1脱硝
塔1の吸収液循環管23に接続している分岐管25から
吸収液の一部が第1脱硝塔1に供給される。
【0034】また、循環される吸収液は、チオ硫酸塩溶
液タンク3及びアルカリ溶液タンク4から夫々の溶液を
溶液供給ポンプ8及び9で液溜まり部14に供給されて
チオ硫酸塩濃度及びpH値が調整される。
液タンク3及びアルカリ溶液タンク4から夫々の溶液を
溶液供給ポンプ8及び9で液溜まり部14に供給されて
チオ硫酸塩濃度及びpH値が調整される。
【0035】前記においては、第1脱硝塔1の吸収液の
酸化還元電位を酸化還元電位計10で測定し、制御装置
5で図2に記載されたグラフからチオ硫酸塩濃度を算出
することにより、1段目の吸収部のチオ硫酸塩濃度の変
動がリアルタイムで測定でき、第2脱硝塔2から第1脱
硝塔1に一定量の吸収液が供給されていることから、第
2脱硝塔2の吸収液のチオ硫酸塩濃度の変動がリアルタ
イムで測定できることになり、従って、酸化還元電位計
10での電位値に基づいて第2脱硝塔2に供給するチオ
硫酸塩溶液の液量を制御することにより、第2脱硝塔2
の吸収液のチオ硫酸塩濃度を適正な濃度に維持すること
が可能となる。
酸化還元電位を酸化還元電位計10で測定し、制御装置
5で図2に記載されたグラフからチオ硫酸塩濃度を算出
することにより、1段目の吸収部のチオ硫酸塩濃度の変
動がリアルタイムで測定でき、第2脱硝塔2から第1脱
硝塔1に一定量の吸収液が供給されていることから、第
2脱硝塔2の吸収液のチオ硫酸塩濃度の変動がリアルタ
イムで測定できることになり、従って、酸化還元電位計
10での電位値に基づいて第2脱硝塔2に供給するチオ
硫酸塩溶液の液量を制御することにより、第2脱硝塔2
の吸収液のチオ硫酸塩濃度を適正な濃度に維持すること
が可能となる。
【0036】また、第1脱硝塔1の吸収液の酸化還元電
位を酸化還元電位計10で測定することにより、、第1
脱硝塔1から最終的に排出される排出液中のチオ硫酸塩
濃度がリアルタイムで測定できるため、第2脱硝塔2か
ら第1脱硝塔1に供給される吸収液量を制御することに
より、第1脱硝塔1の吸収液のチオ硫酸塩濃度を常に適
正値とすることができ、一定の脱硝効率が維持されると
ともに、排出液中のチオ硫酸塩濃度を一定の低い値とす
ることができ、排水処理における化学的処理又は生物学
的処理での装置の運転が容易となった。
位を酸化還元電位計10で測定することにより、、第1
脱硝塔1から最終的に排出される排出液中のチオ硫酸塩
濃度がリアルタイムで測定できるため、第2脱硝塔2か
ら第1脱硝塔1に供給される吸収液量を制御することに
より、第1脱硝塔1の吸収液のチオ硫酸塩濃度を常に適
正値とすることができ、一定の脱硝効率が維持されると
ともに、排出液中のチオ硫酸塩濃度を一定の低い値とす
ることができ、排水処理における化学的処理又は生物学
的処理での装置の運転が容易となった。
【0037】なお、1段目の吸収液中のチオ硫酸塩濃度
は0.01〜10mg/Lの低い値に制御され、2段目
の吸収液中のチオ硫酸塩濃度は0.1〜2.0wt%の
濃度の高い値に制御される。更に、排ガス中の窒素酸化
物のNO2/NO比に基づいて、2段目の吸収液中のチ
オ硫酸塩とアルカリの濃度を制御することにより、NO
2/NO比を略1に制御することができ、従ってN2O3
を効率よく生成させ、吸収効率を高く維持することがで
きる。
は0.01〜10mg/Lの低い値に制御され、2段目
の吸収液中のチオ硫酸塩濃度は0.1〜2.0wt%の
濃度の高い値に制御される。更に、排ガス中の窒素酸化
物のNO2/NO比に基づいて、2段目の吸収液中のチ
オ硫酸塩とアルカリの濃度を制御することにより、NO
2/NO比を略1に制御することができ、従ってN2O3
を効率よく生成させ、吸収効率を高く維持することがで
きる。
【0038】(実施例1)前記脱硝方法により、半導体
製造工程から排出される排ガス中の窒素酸化物を除去処
理する例について以下に詳述する。酸化還元電位計で第
1脱硝塔の吸収液の電位値を求め、また、pH計でpH
値を求め、制御装置で第2脱硝塔へのチオ硫酸塩溶液及
びアルカリ溶液の供給量を制御し、第2脱硝塔の吸収液
をチオ硫酸塩濃度315mg/L、pH値12.3と
し、第1脱硝塔の吸収液のチオ硫酸塩濃度0.016m
g/L、pH値8.0に維持して排ガス導入量を52.
4L/minで運転した。その結果、チオ硫酸塩の消費
量は1.215g/Hであった。
製造工程から排出される排ガス中の窒素酸化物を除去処
理する例について以下に詳述する。酸化還元電位計で第
1脱硝塔の吸収液の電位値を求め、また、pH計でpH
値を求め、制御装置で第2脱硝塔へのチオ硫酸塩溶液及
びアルカリ溶液の供給量を制御し、第2脱硝塔の吸収液
をチオ硫酸塩濃度315mg/L、pH値12.3と
し、第1脱硝塔の吸収液のチオ硫酸塩濃度0.016m
g/L、pH値8.0に維持して排ガス導入量を52.
4L/minで運転した。その結果、チオ硫酸塩の消費
量は1.215g/Hであった。
【0039】(比較例1)pH値の制御のみを行い酸化
還元電位計での制御を行わず、第2脱硝塔の吸収液の初
期濃度をチオ硫酸塩濃度315mg/L、pH値12.
3とし、第1脱硝塔の吸収液のpH値8.0に維持し、
運転中は一定のチオ硫酸塩溶液を第2脱硝塔に供給する
とともに、第2脱硝塔から第1脱硝塔へ一定量の吸収液
を供給し、吸収液のチオ硫酸塩濃度を成り行きとして排
ガス導入量を52.4L/minで運転した。その結
果、チオ硫酸塩の消費量は1.5765g/Hであっ
た。
還元電位計での制御を行わず、第2脱硝塔の吸収液の初
期濃度をチオ硫酸塩濃度315mg/L、pH値12.
3とし、第1脱硝塔の吸収液のpH値8.0に維持し、
運転中は一定のチオ硫酸塩溶液を第2脱硝塔に供給する
とともに、第2脱硝塔から第1脱硝塔へ一定量の吸収液
を供給し、吸収液のチオ硫酸塩濃度を成り行きとして排
ガス導入量を52.4L/minで運転した。その結
果、チオ硫酸塩の消費量は1.5765g/Hであっ
た。
【0040】前記のとおり酸化還元電位計を用いた吸収
液の制御により約23%チオ硫酸塩の消費量を減少させ
ることができた。
液の制御により約23%チオ硫酸塩の消費量を減少させ
ることができた。
【0041】
【発明の効果】本発明は、1段目及び/又は2段目の吸
収部におけるチオ硫酸塩濃度を適正に制御でき、適正量
の薬品使用量で薬品費を低減することができ、排出液中
のチオ硫酸塩濃度を低くできるため、排出液の処理に化
学的処理を行う場合には、薬品費が低減され、また、生
物学的処理を行う場合には、生物に対する負荷を小さく
することができる。
収部におけるチオ硫酸塩濃度を適正に制御でき、適正量
の薬品使用量で薬品費を低減することができ、排出液中
のチオ硫酸塩濃度を低くできるため、排出液の処理に化
学的処理を行う場合には、薬品費が低減され、また、生
物学的処理を行う場合には、生物に対する負荷を小さく
することができる。
【図1】本発明の一実施の形態の系統図
【図2】チオ硫酸ナトリウム溶液濃度(wt%)と還元
電位(mv)との関係グラフ
電位(mv)との関係グラフ
1:第1脱硝塔 2:第2脱硝塔 3:チオ硫酸塩溶液タンク 4:アルカリ溶液タンク 5:制御装置 6、7:吸収液循環ポンプ 8:アルカリ溶液供給ポンプ 9:チオ硫酸塩溶液供給ポンプ 10:酸化還元電位計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀 健 神奈川県川崎市川崎区大川町2番1号 三 菱化工機株式会社内 Fターム(参考) 4D002 AA12 AC07 AC10 BA02 BA06 CA01 CA06 CA07 DA02 DA12 DA70 EA02 GA01 GA02 GA03 GB01 GB02 GB06 GB08 GB09 GB20 HA10
Claims (2)
- 【請求項1】吸収液としてアルカリ性のチオ硫酸塩溶液
を使用し、吸収部を直列2段に設け、2段目の吸収部に
チオ硫酸塩溶液を供給し、2段目の吸収液の一部を1段
目の吸収液として供給して窒素酸化物を含有する排ガス
中の窒素酸化物を吸収除去するチオ硫酸塩脱硝法におい
て、1段目の吸収部に酸化還元電位計を設け、酸化還元
電位計で測定した電位値に基づいて2段目に供給するチ
オ硫酸塩溶液の液量を制御することを特徴とするチオ硫
酸塩脱硝法における吸収液濃度の制御方法。 - 【請求項2】吸収液としてアルカリ性のチオ硫酸塩溶液
を使用し、吸収部を直列2段に設け、2段目の吸収部に
チオ硫酸塩溶液を供給し、2段目の吸収液の一部を1段
目の吸収液として供給して窒素酸化物を含有する排ガス
中の窒素酸化物を吸収除去するチオ硫酸塩脱硝法におい
て、1段目の吸収部に酸化還元電位計を設け、酸化還元
電位計で測定した電位値に基づいて1段目に供給する2
段目の吸収液の液量を制御することを特徴とするチオ硫
酸塩脱硝法における吸収液濃度の制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11110448A JP2000300948A (ja) | 1999-04-19 | 1999-04-19 | チオ硫酸塩脱硝法における吸収液濃度の制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11110448A JP2000300948A (ja) | 1999-04-19 | 1999-04-19 | チオ硫酸塩脱硝法における吸収液濃度の制御方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000300948A true JP2000300948A (ja) | 2000-10-31 |
Family
ID=14535986
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11110448A Pending JP2000300948A (ja) | 1999-04-19 | 1999-04-19 | チオ硫酸塩脱硝法における吸収液濃度の制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000300948A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108421396A (zh) * | 2018-05-17 | 2018-08-21 | 大连铭晟环保设备有限公司 | 脱硫脱硝除尘系统以及脱硫脱硝除尘工艺 |
JP2021080124A (ja) * | 2019-11-18 | 2021-05-27 | 住友金属鉱山株式会社 | 硫酸ニッケルの製造方法 |
-
1999
- 1999-04-19 JP JP11110448A patent/JP2000300948A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108421396A (zh) * | 2018-05-17 | 2018-08-21 | 大连铭晟环保设备有限公司 | 脱硫脱硝除尘系统以及脱硫脱硝除尘工艺 |
JP2021080124A (ja) * | 2019-11-18 | 2021-05-27 | 住友金属鉱山株式会社 | 硫酸ニッケルの製造方法 |
JP7380118B2 (ja) | 2019-11-18 | 2023-11-15 | 住友金属鉱山株式会社 | 硫酸ニッケルの製造方法 |
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