JP4051202B2 - 排ガス中の窒素酸化物除去方法及びその装置 - Google Patents
排ガス中の窒素酸化物除去方法及びその装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4051202B2 JP4051202B2 JP2001376563A JP2001376563A JP4051202B2 JP 4051202 B2 JP4051202 B2 JP 4051202B2 JP 2001376563 A JP2001376563 A JP 2001376563A JP 2001376563 A JP2001376563 A JP 2001376563A JP 4051202 B2 JP4051202 B2 JP 4051202B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- exhaust gas
- nitrogen oxides
- solution
- absorption
- reaction
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
- Treating Waste Gases (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、窒素酸化物を含有する排ガス中の窒素酸化物を吸収除去する湿式の窒素酸化物除去方法及び窒素酸化物除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造工場、石油化学工場、製鉄所などからは、比較的高濃度の窒素酸化物含有ガスが排出されるが、その窒素酸化物を除去する方法として、排ガスと窒素酸化物吸収液とを接触させて、窒素酸化物を吸収除去する湿式窒素酸化物除去方法や排ガスに窒素酸化物還元剤を混合し、触媒を充填した反応塔に導入して窒素酸化物を分解除去する乾式窒素酸化物除去方法が用いられている。
【0003】
前記湿式窒素酸化物除去方法においては、水酸化アルカリやアンモニア等のアルカリ成分のみのアルカリ溶液を吸収液として用いたアルカリ吸収法、過マンガン酸塩や次亜塩素酸塩等の酸化剤を溶解したアルカリ溶液を吸収液として用いた酸化吸収法、チオ硫酸塩や硫化物等の還元剤を溶解したアルカリ溶液を吸収液として用いた還元吸収法などが知られている。
【0004】
なお、一般的な排ガス中に含有されている窒素酸化物としては、NO2/NO及びNOとNO2が反応して生成するN2O3などであるが、アルカリとの反応においては、NO<NO2<N2O3の順で反応速度が速くなる。従って、NO<NO2<N2O3の順序で吸収除去しやすくなる。また、N2O3は等モル反応であるため、NO2/NO比が1近傍で効率的に反応して生成する。
【0005】
前記の水酸化アルカリやアンモニア等のアルカリを用いたアルカリ吸収法は、NO2とアルカリとの直接的な反応と、排ガス中のNOとNO2が反応して生成するN2O3とアルカリとの反応などで窒素酸化物を吸収除去する方法であるが、NOを多く含有する排ガスでは、NO2として吸収される反応が優先的に行われるため、NOとNO2の反応が起こりにくくなり、従って、全体としての吸収効率が低い問題がある。
【0006】
また、過マンガン酸塩や次亜塩素酸塩等の酸化剤を用いた酸化吸収法では、NOを酸化剤で酸化してNO2とし、生成したNO2とアルカリを反応させて窒素酸化物を吸収除去する方法あるが、反応しにくいNOを酸化して反応しやすいNO2としているため、アルカリ吸収法よりも吸収効率は高いが、酸化剤によるNOからNO2への反応速度は遅く、また、NO2は前記した通りN2O3よりもアルカリとの反応速度が遅いため、薬品費の高い酸化剤を用いる割には、吸収効率の向上が不十分である問題がある。
【0007】
また、チオ硫酸塩や硫化物等の還元剤を用いた還元吸収法では、主に排ガス中の窒素酸化物におけるNO2/NOの比が1以上の排ガスに適用され、NO2の一部を還元してNOとし、排ガス中のNO2/NOの比を1近傍に調整してN2O3とし、生成するN2O3とアルカリとの反応で窒素酸化物を吸収除去する方法であり、他の方法と比較して吸収効率が高いが、NO2とNOとの比によって吸収効率が大きく影響されるため、安定した運転を維持するためには煩雑な操作が必要となる問題がある。
【0008】
前記従来の夫々の問題に鑑みて、本願出願人は、特願平9−124671号で、吸収液としてチオ硫酸塩溶液を用いた還元吸収法において、吸収部を直列2段に構成し、2段目の吸収部にチオ硫酸塩溶液を供給して2段目の吸収液中のチオ硫酸塩濃度を高濃度とし、2段目の高濃度のチオ硫酸塩を含有する吸収液を1段目に循環して1段目の吸収液中のチオ硫酸塩濃度を低濃度で運転し、NOとNO2との比を1近傍に調整してN2O3を効率的に生成させることができることにより、前記従来の還元吸収法の問題を解決した方法を提案した。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前記特願平9−124671号で提案した発明においては、以前の還元吸収法の問題点であった、NO2とNOとの比によって吸収効率が影響され、安定した運転を維持するためには煩雑な操作が必要であることや、NO2に比べNOが比較的多く含まれているような性状の排ガスには窒素酸化物を効率よく吸収除去できないという問題があり、また、窒素酸化物の濃度が千ppm以上という高い濃度の場合、極めて小さい空塔速度で設計しなければならず、装置は大きなものとなり、建設費が高くなるという問題もあった。
【0010】
また、次亜塩素酸塩を用いた酸化吸収法において、吸収塔を2塔直列に設置、第一吸収塔にはNOの一部をNO2に酸化する目的で次亜塩素酸塩とアルカリ水溶液を吸収液として供給、第二吸収塔にはアルカリ水溶液を供給する方法があるが、この方法は、第一吸収塔では次亜塩素酸塩が分解して発生期の酸素を液相中に生成し、その発生期の酸素とNOを反応させてNO2を生成させるのであるが、NOは吸収液には溶解しにくく、反応が充分に進まないため、第二吸収塔で吸収が最も進むNO2/NOの比が1近傍にならず、効率のよい吸収除去ができないという問題がある。
【0011】
更に、前記次亜塩素酸塩酸化吸収法において、第一吸収塔の吸収液を循環する配管中に酸化剤分解触媒槽を設け次亜塩素酸塩の分解を促進し、発生期の酸素とNOを反応させてNO2を生成させ、反応速度を大きくする方法があるが、この方法でも、反応塔と切り離された酸化剤分解触媒槽を用いるため、次亜塩素酸塩の分解反応で生成した発生期の酸素は液相中に溶解した状態で利用され、液相への溶解度が低いNOに対しては前記の問題を解消することができない。
【0012】
また、過酸化水素による酸化吸収法があり、吸収塔を2塔直列に設置、第一吸収塔にはNOの一部をNO2に酸化する目的で過酸化水素を供給、過酸化水素を気相で分解、気相でNOと反応させ、さらに、第二吸収塔はアルカリ水溶液を供給し、これによって吸収除去する方法であるが、この方法は、過酸化水素のハンドリングが難しく、また分解速度を制御することが難しいという問題があり、また、除去効率を向上するためには、さらに吸収塔を増設する必要を生じるため、設備費が高くなるという問題もある。
【0013】
また、オゾンによる酸化吸収法もあり、吸収塔を2塔直列に設置、第一吸収塔にはNOの一部をNO2に酸化する目的でオゾンを供給、オゾンによって、気相でNOと反応させ、さらに、第二吸収塔はアルカリ水溶液を供給し、これによって吸収除去する方法であるが、この方法は、オゾン発生器の設備費が高く、吸収塔等の主除去設備と同等の費用となる。そのために、設備全体が他方に比べ、かなり高価になるという問題がある。
【0014】
本発明は、前記従来のアルカリ吸収法、酸化吸収法又は還元吸収法などにおける問題点を解決することを課題とし、NO2/NO比が1以下の窒素酸化物を含有する排ガス中から窒素酸化物を効率的に除去することができる方法とその方法に用いる比較的低廉な装置を提供する目的で成されたものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための本発明の要旨は、請求項1に記載した発明においては、NO2/NO比が1以下の窒素酸化物を含有する排ガス中から窒素酸化物を除去する方法において、排ガスを酸化剤分解触媒としてNi系化合物の触媒が充填された第一反応塔で酸化剤溶液と接触させ、該酸化剤が分解されて発生した発生期の酸素により排ガス中のNOの少なくとも一部をNO2に酸化して、NO2/NO比を1近傍に調整し、調整後の排ガスを第二反応塔でアルカリ性溶液と接触させることを特徴とする排ガス中の窒素酸化物除去方法である。本発明の2段で反応処理する構成により、酸化剤を酸化剤分解触媒で分解し、発生期の酸素を生成すると同時に、窒素酸化物のNOと気相反応させるため、NOをNO2にする反応速度が速く、効率的にNO2/NO比を1近傍に容易に調整でき、窒素酸化物としての脱硝効率を高く維持することができる。
【0017】
更に、請求項2に記載した発明においては、請求項1に記載の排ガス中の窒素酸化物除去方法における酸化剤溶液が、アルカリ性の次亜塩素酸ナトリウム溶液である排ガス中の窒素酸化物除去方法である。本発明の構成における酸化剤であるアルカリ性の次亜塩素酸ナトリウム溶液は、酸化剤分解触媒で容易に分解されて発生期の酸素を効率的に生成することができるため、反応速度が速く、効率的にNO2/NO比を1近傍に容易に調整でき、窒素酸化物としての脱硝効率を高く維持することができる。
【0018】
更に、請求項3に記載した発明においては、請求項1又は請求項2に記載の排ガス中の窒素酸化物除去方法におけるアルカリ性溶液が、アルカリ性のチオ硫酸ナトリウム溶液である排ガス中の窒素酸化物除去方法である。本発明の構成におけるアルカリ性のチオ硫酸ナトリウム溶液は、NO2/NO比を1近傍に調整された窒素酸化物との反応速度が速く、より脱硝効率を高く維持することができる。
【0020】
更に、請求項4に記載した発明においては、NO2/NO比が1以下の窒素酸化物を含有する排ガス中から窒素酸化物を除去する装置において、下段に充填材層、中段にNi系化合物の酸化剤分解触媒層及び上段に充填材層が積層して設けられ、前記下段充填層より下方から排ガスを導入し、前記上段充填層より上方から酸化剤溶液を供給して向流接触させてNO2/NO比を1近傍に調整する第一反応塔と、該第一反応塔から排出される調整後の排ガスをアルカリ性溶液と接触させる第二反応塔が設けられたことを特徴とする排ガス中の窒素酸化物除去装置である。本発明の2段で反応処理する構成により、脱硝効率を高く維持することができる。
【0022】
前記において、酸化剤分解触媒としては、遷移元素系化合物、例えば、Ni、Co、Fe、Ru、Rh、Pd、Ptなどの粒状体、円筒体、ハニカム状などが用いられるが、Niの粒状体を用いるのが好ましい。更に、酸化剤溶液としては、過酸化水素、アルカリ性の次亜塩素酸塩溶液などが用いられ、アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどが用いられ、次亜塩素酸塩としては、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウムなどが用いられるが、反応性、薬品費及びハンドリング性などから水酸化ナトリウムによるアルカリ性の次亜塩素酸ナトリウム溶液を用いるのが好ましい。なお、次亜塩素酸塩濃度は0.05〜0.5wt%、好ましくは0.1〜0.2wt%、pH範囲は9〜13、好ましくは10〜12に制御される。
【0023】
また、チオ硫酸塩としては、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウムなどが用いられ、また、アルカリ性とするアルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどを用いることができるが、反応性、薬品費及びハンドリング性などから水酸化ナトリウムによるアルカリ性のチオ硫酸ナトリウム溶液を用いるのが好ましい。なお、チオ硫酸塩濃度は0.1〜1.0wt%、好ましくは0.2〜0.5wt%、pH範囲は9〜13、好ましくは10〜12に制御される。
【0024】
前記窒素酸化物除去方法に用いられる反応装置及び第二反応塔としては、充填層を設けた充填塔が好ましく、充填材としては、合成樹脂、セラミック等で製造された円筒状、円柱状、鞍状等が用いられるが、吸収効率やハンドリングの容易性等から合成樹脂製の円筒状充填材が好ましい。また、反応塔の夫々の下部に隣接して液溜まり槽を設け、液溜まり部が連通した構造でもよく、本発明に用いられる反応塔の構造は、それらの構造には限定されない。
【0025】
なお、前記において、第一反応塔における主な反応は以下の通りである。
酸化剤分解触媒により酸化剤、例えば次亜塩素酸ナトリウムが分解され、発生期の酸素を生成する。
NaClO→NaCl+O
生成した発生期の酸素が排ガス中のNOと反応してNO2を生成し、NO2/NO比が1においてN2O3を生成する。
NO+O→NO2
NO+NO2→N2O3
生成したN2O3及びNO2の一部がアルカリ、例えば水酸化ナトリウムと反応して亜硝酸ナトリウムや硝酸ナトリウムを生成して溶液中に吸収される。
2NO2+2NaOH→NaNO2+NaNO3+H2O
N2O3+2NaOH→2NaNO2+H2O
【0026】
また、第二反応塔における主な反応は以下の通りである。
第一反応塔から排出された排ガス中の残部のNO2が還元剤、例えばチオ硫酸ナトリウムと反応してNOを生成する。
3NO2+Na2S2O3→Na2S2O6+3NO
生成したNO2とNOがアルカリ、例えば水酸化ナトリウムと反応して亜硝酸ナトリウムを生成して溶液中に吸収される。
NO+NO2+2NaOH→2NaNO2+H2O
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施の形態の系統図である。
【0028】
図1において、1は排ガス中のNOの少なくとも一部をNO2に酸化して、NO2/NO比を1近傍に調整する第一反応塔であり、内部に合成樹脂製の円筒状充填材から成る充填層4及び充填層5が設けられ、その充填層間にNi系化合物の粒状体から成る酸化剤分解触媒層3が積層配置されている。また、充填層4の下方には、排ガスの導入管20が接続され、底部には反応液の一定量が滞留される液溜まり部18が形成され、液溜まり部18と連通し、反応液を抜き出して充填層5へ循環する反応液循環ポンプ7が配置された反応液循環管13が接続されている。更に、頂部には反応後の排ガスを第二反応塔2へ導入する反応ガス導入管21が接続している。
【0029】
2はNO2/NO比を1近傍に調整された排ガス中の窒素酸化物を除去する吸収部である第二反応塔であり、充填材が充填された充填層6が設けられ、充填層6よりも下部には、第一反応塔1で処理された反応ガスを導入する反応ガス導入管21が接続され、頂部には窒素酸化物が除去された処理ガスを吸引して大気中に排出する排風機9が配置された処理ガス排出管22が接続され、また、底部には、吸収液の一定量が滞留される液溜まり部19が形成され、液溜まり部19と連通し、吸収液を抜き出して充填層6へ循環する吸収液循環ポンプ8が配置された吸収液循環管14が接続されている。
【0030】
また、第一反応塔1の下部には、液溜まり部18に新規な酸化剤である次亜塩素酸ナトリウムを供給するために、次亜塩素酸ナトリウム溶液タンク12と接続する酸化剤供給管15及びアルカリ溶液である水酸化ナトリウム溶液タンク11と接続するアルカリ供給管16から分岐したアルカリ供給分岐管16aが接続している。また、第二反応塔2の下部には、液溜まり部19に新規な還元剤であるチオ硫酸ナトリウムを供給するために、チオ硫酸ナトリウム溶液タンク10と接続する還元剤供給管17及びアルカリ供給管16から分岐したアルカリ供給分岐管16bが接続している。
【0031】
以下、前記構成の窒素酸化物除去装置により排ガスから窒素酸化物を吸収除去する窒素酸化物除去方法について述べる。
【0032】
第一反応塔1では、排ガスの導入管20から排ガスが導入され、導入された排ガスは充填層4、酸化剤分解触媒層3及び充填層5を経て上向流で流通し、また、液溜まり部18では、酸化剤供給管15を経て次亜塩素酸ナトリウム溶液タンク12から供給された次亜塩素酸ナトリウム溶液とアルカリ供給分岐管16aを経て水酸化ナトリウム溶液タンク11から供給された水酸化ナトリウム溶液とが混合されて、次亜塩素酸塩濃度及びpH値が設定された所定値に調整される。調整された吸収液が、吸収液循環管13に配置された循環ポンプ7で吸引されて抜き出され、吸収液循環管13を経て充填層5の上部に循環供給され、充填層5、酸化剤分解触媒層3及び充填層4を下向流で流通することにより、排ガスと吸収液が向流接触して排ガス中の窒素酸化物が吸収除去される。
【0033】
なお、前記において、第一反応塔における主な反応は以下の通りである。
酸化剤分解触媒であるNi系化合物の触媒反応により次亜塩素酸ナトリウムが分解され、発生期の酸素を生成する。
NaClO→NaCl+O
生成した発生期の酸素が排ガス中のNOと反応してNO2を生成し、NO2/NO比が1においてN2O3を生成する。
NO+O→NO2
NO+NO2→N2O3
生成したN2O3及びNO2の一部が水酸化ナトリウムと反応して亜硝酸ナトリウムや硝酸ナトリウムを生成して溶液中に吸収される。
2NO2+2NaOH→NaNO2+NaNO3+H2O
N2O3+2NaOH→2NaNO2+H2O
【0034】
第一反応塔1で処理された排ガスは反応ガス導入管21から第二反応塔2に導入され、導入された排ガスは充填層6を経て上向流で流通し、また、液溜まり部19では、還元剤供給管17を経てチオ硫酸ナトリウム溶液タンク10から供給されたチオ硫酸ナトリウム溶液とアルカリ供給分岐管16bを経て水酸化ナトリウム溶液タンク11から供給された水酸化ナトリウム溶液とが混合されて、チオ硫酸塩濃度及びpH値が設定された所定値に調整される。調整された吸収液が、吸収液循環管14に配置された循環ポンプ8で吸引されて抜き出され、吸収液循環管14を経て充填層6の上部に循環供給され、充填層6を下向流で流通することにより、排ガスと吸収液が向流接触して排ガス中の窒素酸化物が吸収除去される。
【0035】
なお、前記において、第二反応塔における主な反応は以下の通りである。
第一反応塔から排出された排ガス中の残部のNO2がチオ硫酸ナトリウムと反応してNOを生成する。
3NO2+Na2S2O3→Na2S2O6+3NO
生成したNO2とNOが水酸化ナトリウムと反応して亜硝酸ナトリウムを生成して溶液中に吸収される。
NO+NO2+2NaOH→2NaNO2+H2O
【0036】
窒素酸化物が除去された清浄な排ガスは、排風機9で吸引されて処理済み排ガスとして大気中に排出される。また、第一反応塔及び第二反応塔で使用された夫々の吸収液は、運転継続とともに吸収能力が劣化するため、図示しない吸収液抜き出し管から連続的又は間欠的に系外へ抜き出され、適宜な排水処理装置により処理される。
【0037】
【実施例】
前記窒素酸化物除去方法により、半導体製造工程から排出される排ガス中の窒素酸化物を除去処理する実施例と比較例について以下に詳述する。
実施例では、第一反応塔に酸化剤分解触媒としてNi系化合物の粒子を充填し、吸収液としてアルカリ性の次亜塩素酸ナトリウム溶液、第二反応塔の吸収液として、アルカリ溶液を用いた方法(実施例1)、第一反応塔に酸化剤分解触媒としてNi系化合物の粒子を充填し、吸収液としてアルカリ性の次亜塩素酸ナトリウム溶液、第二反応塔の吸収液として、アルカリ性のチオ硫酸ナトリウム溶液を用いた方法(実施例2)。また、比較例では、排ガスにオゾンを混合し、アルカリ溶液を第一反応塔及び第二反応塔の吸収液として用いたオゾン法(比較例1)、第一反応塔の吸収液として吸収液としてアルカリ性の次亜塩素酸ナトリウム溶液、第二反応塔の吸収液としてアルカリ溶液を用いた次亜塩素酸塩法(比較例2)及び第一反応塔の吸収液として吸収液としてアルカリ性の次亜塩素酸ナトリウム溶液、反応塔と別置し、Ni系化合物の粒子を充填した酸化剤分解触媒塔を用い、第二反応塔の吸収液としてアルカリ溶液を用いた発生期酸素利用の次亜塩素酸塩法(比較例3)についてテストした。その結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
前記の通り、比較例1では90%以上の脱硝率であったが、設備全体がかなり高価になるという問題があり、比較例2及び比較例3では脱硝率が90%以下で脱硝効果が不十分であり、本発明の方法における実施例1では93%以上の脱硝率であり、前記各種の比較例と比較して、排ガス中の窒素酸化物濃度を極めて低い濃度まで低減することができることが明確となった。特に第二反応塔の吸収液としてアルカリ性チオ硫酸塩溶液を用いた実施例2の方法においては、97%以上の脱硝率であり、顕著な効果が得られた。
【0040】
【発明の効果】
本発明は、従来のアルカリ吸収法、酸化吸収法又は還元吸収法などにおける問題点を解決し、NO2/NO比が1以下の窒素酸化物を含有する排ガス中から窒素酸化物を効率的に除去することができる方法とその方法に用いる比較的低廉な装置である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の系統図
【符号の説明】
1:第一反応塔
2:第二反応塔
3:酸化剤分解触媒層
4:充填層
5:充填層
6:充填層
7:反応液循環ポンプ
8:吸収液循環ポンプ
9:排風機
10:チオ硫酸ナトリウム溶液タンク
11:水酸化ナトリウム溶液タンク
12:次亜塩素酸ナトリウム溶液タンク
Claims (4)
- NO2/NO比が1以下の窒素酸化物を含有する排ガス中から窒素酸化物を除去する方法において、排ガスを酸化剤分解触媒としてNi系化合物の触媒が充填された第一反応塔で酸化剤溶液と接触させ、該酸化剤が分解されて発生した発生期の酸素により排ガス中のNOの少なくとも一部をNO2に酸化して、NO2/NO比を1近傍に調整し、調整後の排ガスを第二反応塔でアルカリ性溶液と接触させることを特徴とする排ガス中の窒素酸化物除去方法。
- 前記酸化剤溶液がアルカリ性の次亜塩素酸ナトリウム溶液である請求項1に記載の排ガス中の窒素酸化物除去方法。
- 前記アルカリ性溶液がアルカリ性のチオ硫酸ナトリウム溶液である請求項1又は請求項2に記載の排ガス中の窒素酸化物除去方法。
- NO2/NO比が1以下の窒素酸化物を含有する排ガス中から窒素酸化物を除去する装置において、下段に充填材層、中段にNi系化合物の酸化剤分解触媒層及び上段に充填材層が積層して設けられ、前記下段充填層より下方から排ガスを導入し、前記上段充填層より上方から酸化剤溶液を供給して向流接触させてNO2/NO比を1近傍に調整する第一反応塔と、該第一反応塔から排出される調整後の排ガスをアルカリ性溶液と接触させる第二反応塔が設けられたことを特徴とする排ガス中の窒素酸化物除去装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001376563A JP4051202B2 (ja) | 2001-12-11 | 2001-12-11 | 排ガス中の窒素酸化物除去方法及びその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001376563A JP4051202B2 (ja) | 2001-12-11 | 2001-12-11 | 排ガス中の窒素酸化物除去方法及びその装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003170025A JP2003170025A (ja) | 2003-06-17 |
JP4051202B2 true JP4051202B2 (ja) | 2008-02-20 |
Family
ID=19184725
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001376563A Expired - Fee Related JP4051202B2 (ja) | 2001-12-11 | 2001-12-11 | 排ガス中の窒素酸化物除去方法及びその装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4051202B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108114596B (zh) * | 2017-12-18 | 2020-01-17 | 北京联飞翔科技股份有限公司 | 一种净化氮氧化物的组合物及其使用方法 |
CN113663495B (zh) * | 2021-06-22 | 2023-11-24 | 襄阳泽东化工集团有限公司 | 一种两钠产品生产中提高亚硝比的系统及工艺 |
CN114288832A (zh) * | 2021-12-29 | 2022-04-08 | 南京派都环保科技有限公司 | 一种废气氮氧化物处理的高效药剂 |
-
2001
- 2001-12-11 JP JP2001376563A patent/JP4051202B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003170025A (ja) | 2003-06-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN102580496B (zh) | 一种液相氧化多级吸收的烟气脱硫脱硝工艺及装置 | |
JP4616497B2 (ja) | 脱硫装置及び脱硫方法 | |
US5985223A (en) | Removal of NOx and SOx emissions form pickling lines for metal treatment | |
AU2003275051B2 (en) | Process for reducing the level of NOx in waste gas streams using sodium chlorite | |
CN101274208B (zh) | 一种同时脱除废气中二氧化硫和氮氧化物的方法 | |
CN106964238A (zh) | 一种烟气综合处理方法及串联式烟气综合处理系统、整体式烟气综合处理系统 | |
WO2019085569A1 (en) | NOx ABATEMENT METHOD FOR PRECIOUS METAL REFINERY AND RECYCLING PROCESSES | |
JP4051202B2 (ja) | 排ガス中の窒素酸化物除去方法及びその装置 | |
KR102046269B1 (ko) | 유해 물질 함유액의 정화 처리 방법 및 이것을 실시하기 위한 유해 물질 함유액의 정화 처리 장치 | |
JP3660709B2 (ja) | 硫酸第二鉄溶液及び塩基性硫酸第二鉄溶液の製造装置 | |
CN214680967U (zh) | 一种氮氧化物废气资源化处理装置 | |
JP2007203131A (ja) | 一酸化窒素酸化用触媒及び一酸化窒素の酸化方法 | |
CN115301057A (zh) | 一种烟气脱硫脱硝的设备和方法 | |
CN112169573B (zh) | 一种烟气脱硫脱硝工艺 | |
JP2015188823A (ja) | 有害物質含有液の処理方法及び装置 | |
CN112915778A (zh) | 一种催化氧化吸收脱硝方法及其装置 | |
JP2000093740A (ja) | 窒素酸化物濃度が変動する排ガスの脱硝方法 | |
JP2008100193A (ja) | 窒素酸化物含有ガス処理方法及び窒素酸化物含有ガス処理装置 | |
JPS62213825A (ja) | 燃焼排ガスの脱硫脱硝処理と排水処理を同時に行なう方法 | |
JP3906666B2 (ja) | 窒素化合物含有水の処理方法及び処理装置 | |
JP4187845B2 (ja) | アンモニア含有水の処理方法 | |
KR102586766B1 (ko) | 이소프로판올 및 암모니아의 동시 저감 공정 | |
JP4882179B2 (ja) | ヒドラジンとアンモニアを含む排水の処理方法 | |
JP3522082B2 (ja) | 湿式脱硝方法 | |
JP2000202236A (ja) | 窒素酸化物濃度が変動する排ガスの脱硝方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040729 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070423 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070619 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070820 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20071127 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20071203 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4051202 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101207 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111207 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111207 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121207 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121207 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131207 Year of fee payment: 6 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |