JP2001126242A - 記録媒体用基板および記録媒体ならびに情報記録装置 - Google Patents

記録媒体用基板および記録媒体ならびに情報記録装置

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JP2001126242A
JP2001126242A JP29952899A JP29952899A JP2001126242A JP 2001126242 A JP2001126242 A JP 2001126242A JP 29952899 A JP29952899 A JP 29952899A JP 29952899 A JP29952899 A JP 29952899A JP 2001126242 A JP2001126242 A JP 2001126242A
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heat
layer
resistant resin
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JP29952899A
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Takeshi Kuriwada
健 栗和田
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Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】円盤状基板を使用した記録媒体用基板であっ
て、研磨工程の短縮化を図ることが可能な樹脂塗布法に
よって表面平滑性が付与され、しかも、ランプローディ
ング方式の情報記録装置に好適に使用し得る新規な構造
の記録媒体用基板を提供する。 【解決手段】円盤状基板の少なくとも片面に耐熱性樹脂
層を設けて成る記録媒体用基板であって、円盤状基板の
外周部の非データ領域相当部における耐熱性樹脂層の厚
さが内周部のデータ領域相当部における耐熱性樹脂層の
厚さより厚くなされている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録媒体用基板お
よび記録媒体ならびに情報記録装置に関し、詳しくは、
平滑性に優れて高密度記録媒体に適し且つランプローデ
ィング方式の情報記録装置に好適に使用し得る新規な構
造の記録媒体用基板および当該基板を使用した記録媒体
ならびに当該記録媒体を搭載した情報記録装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】記録媒体は基板上に記録層を形成して構
成され、記録層の構成により種々の記録媒体がある。そ
して、何れの記録媒体の場合においても、記録密度の向
上に伴い、一層高い表面平滑性を有する基板が求められ
ている。
【0003】基板に表面平滑性を付与する方法の一つと
して、基板上にポリイミド樹脂の前駆体溶液などを塗布
し、溶液の表面張力による自己レベリング効果によって
平滑な表面(熱硬化後の樹脂表面)を形成する方法があ
る(特開昭56−94521号公報)。斯かる樹脂被覆
方法は、中仕上げ状態の基板にも適用することが出来
(特開平9−161258号公報)、その場合は、機械
研磨を中心とする従来の研磨工程の大幅な短縮化が可能
であり、基板のコストダウンを達成することが出来る。
【0004】また、近侍、持ち運びの際にフライングヘ
ッドによって記録媒体が衝撃を受けるという問題を解決
するため、休止時にはフライングヘッドが記録媒体から
離れるランプローディング方式が検討されている。この
方式の情報記録装置(磁気記録装置)は、記録媒体の近
傍に例えばランプ部とフラット部とディテエンション部
とが備えられたロード・アンロード機構を配置して構成
される。そして、ヘッドアームは、記録媒体の休止時に
はディテェンション部に係留され、駆動時にはフラット
部を通してランプ部の斜面を滑走し、回転記録媒体面上
に運ばれる(ロード)。これにより、フライングヘッド
は、回転記録媒体面上に形成された空気流動層に軟着陸
し、回転記録媒体面上を飛行しつつ情報の記録・再生を
行う。
【0005】ところで、ランプローディング方式の場
合、記録媒体の外からヘッドアームが運び込まれる際、
フライングヘッドが記録媒体の外周部に衝突する事故が
考えられ、記録媒体の耐久性が問題となる。斯かる問題
は、記録密度の向上のため、保護層が薄膜化された記録
媒体において顕著である。
【0006】更にまた、ヘッドアームが回転記録媒体面
上から外に運ばれる(アンロード)の際は、ロード時以
上の強さでフライングヘッドが記録媒体の外周部に衝突
する事故が考えられる。これは次の様な原因による場合
が多い。すなわち、記録媒体の内外周におけるフライン
グヘッドの浮上量の安定化のため、例えばフライングヘ
ッド底面の形状加工などの処理により、フライングヘッ
ドに記録媒体平面に向かおうとする力(負力)をかけ
る。この場合、この負力に反してヘッドアームがアンロ
ードされるため、浮上量が著しく不安定となると、フラ
イングヘッドが記録媒体の外周部に衝突する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みなされたものであり、その目的は、円盤状基板を使
用した記録媒体用基板であって、研磨工程の短縮化を図
ることが可能な樹脂塗布法によって表面平滑性が付与さ
れ、しかも、ランプローディング方式の情報記録装置に
好適に使用し得る新規な構造の記録媒体用基板を提供す
ることにある。また、本発明の他の目的は、上記の基板
を使用した記録媒体ならびに当該記録媒体を搭載した情
報記録装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の第1
の要旨は、円盤状基板の少なくとも片面に耐熱性樹脂層
を設けて成る記録媒体用基板であって、円盤状基板の外
周部の非データ領域相当部における耐熱性樹脂層の厚さ
が内周部のデータ領域相当部における耐熱性樹脂層の厚
さより厚くなされていることを特徴とする記録媒体用基
板に存する。
【0009】本発明の第2の要旨は、上記の記録媒体用
基板の耐熱性樹脂層の上に記録層を設けて成ることを特
徴とする記録媒体に存する。
【0010】そして、本発明の第3の要旨は、ランプロ
ーディング方式の情報記録装置において、媒体として上
記の記録媒体を備えて成ることを特徴とする情報記録装
置に存する。に存する。
【0011】
【発明の実施の形態】先ず、本発明の記録媒体用基板に
ついて説明する。本発明の記録媒体用基板は、円盤状基
板の少なくとも片面に耐熱性樹脂層を設けて成る。
【0012】基板としては、磁性基板および非磁性基板
の何れをも使用することが出来る。一般には非磁性基板
が好適である。非磁性基板としては、例えば、Al基
板、Al合金基板、Mg合金基板、NiPメッキAl合
金基板、強化ガラス基板、結晶化ガラス基板、セラミッ
クス基板、Si合金基板、Ti基板、Ti合金基板、プ
ラスチック基板、カーボン基板、これらの複合材料から
成る基板などが使用できる。特に、カーボン基板、就中
ガラス状カーボン基板は、小径/薄板化に有利であり、
しかも、導電性も有している。更に、ガラス状カーボン
基板は、耐熱性に優れているので、耐熱性樹脂層の形成
時(焼成時)にダメージを受け難い。
【0013】基板は、表面粗さRaが1〜20nm且つ
Rmax が100nm以下のものを使用するのが好まし
い。更には、表面うねりWaが1〜4nm且つWmax が
30nm以下のものを使用するのが一層好ましい。すな
わち、本発明においては、仕上げ研磨(最終研磨)を施
していない段階の基板を使用するのが基板のコストダウ
ンが図られる点において推奨される。そして、上記の様
な表面特性は、片面型記録媒体の場合には、耐熱性樹脂
層を設けられる片面のみについて要求される。代表的な
基板であるドーナツ状基板の寸法の一例を示せば次の表
1の通りである。斯かるドーナツ状基板の場合、表面う
ねりWaおよびWmax は、記録方向とラジアル方向の両
者について存在するが、上記の各値は、この両者につい
て満足するのが好ましい。
【0014】
【表1】
【0015】耐熱性樹脂層の構成樹脂としては、例え
ば、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリフェ
ニレンサルファイド樹脂、シリコン樹脂、シリコンポリ
エステル樹脂、フッ素樹脂などが挙げられる。これらの
中ではポリイミド樹脂が好適に使用される。
【0016】本発明で使用する好ましいポリイミド樹脂
は、次の(a)及び(b)の条件を満足する反応生成物
の熱硬化反応で得られる。
【0017】(a)ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物とジアミノジフェニルエーテルとを反応させて得ら
れ、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物−ジアミノジ
フェニルエーテルポリアミド酸を含有し、(b)芳香環
に直結したHに対するアミド基のHのモル比が0.5以
下である反応生成物。
【0018】上記のジアミノジフェニルエーテルには、
P,P’−ジアミノジフェニルエーテル、P,m’−ジ
アミノジフェニルエーテル等の異性体があるが、その何
れであってもよい。
【0019】下記の一般式(I)は、上記の反応生成物
に主成分として含有されるビフェニルテトラカルボン酸
二無水物−ジアミノジフェニルエーテルポリアミド酸
(ポリイミド樹脂の前駆体)の繰返し構造を表す。そし
て、(a)〜(e)は芳香環に直結したH、(f)アミ
ド基のHを表す。
【0020】
【化1】
【0021】上記のHモル比は、1H−NMRの測定結
果に基づいて算出した値であり、好ましくは0.25以
下、更に好ましくは0.1以下である。上記のHモル比
の下限は通常0.01である。
【0022】本発明においては、上記の様な特定の反応
生成物(ポリイミド樹脂の低分子量前駆体)を使用する
ことにより、表面に泡などが存在しない鏡面状の塗膜が
得られ、表面平滑性に一層優れるポリイミド樹脂層が形
成される。
【0023】ポリイミド樹脂層は次の様にして形成され
る。先ず、触媒の存在下、必要に応じ、ジメチルアセト
アミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン
等の極性溶媒中、室温で上記の出発物質を反応させてポ
リイミド樹脂の前駆体を形成する。この前駆体を含む反
応生成物をそのままワニスとして使用しするか、また
は、前述の極性溶媒と更に混合してワニスを調製する。
次いで、基板の表面に上記のワニスを塗布した後に熱硬
化させる。
【0024】ポリイミド樹脂の前駆体のワニス中の濃度
(溶液中の濃度)は、塗布ムラを少なくし且つ塗布時間
を短縮する観点から、通常5〜60重量%、好ましくは
10〜50重量%とされる。また、ワニスの粘度(25
℃における値)は、通常5〜500cp、好ましくは1
50〜200cpとされる。
【0025】ワニスの塗布方法は、平滑な樹脂表面が得
られ易いスピンコート法が推奨される。スピンコート法
に使用されるスピンコーター(回転式塗布装置)は、原
理的には、アウターカップ、その内側に配置され且つ回
転軸に支承されたインナーカップ、その中央部に配置さ
れたドーナツ状基板の固定機構、上記ドーナツ状基板の
表面部の中央部にワニスを供給する手段から構成され、
ドーナツ状基板の表面部の中央部に供給されたワニスは
インナーカップの回転(ドーナツ状基板の回転)による
遠心力によって流延される。
【0026】ワニスを塗布した後の熱硬化は、通常、次
の様に行われる。先ず、塗膜を例えば60〜200℃で
乾燥した後、不活性ガス(窒素)雰囲気中、例えば20
0〜600℃で焼成して硬化させる。
【0027】ポリイミド樹脂以外の耐熱性樹脂の場合も
上記と同様にワニスを調製して塗布した後に熱硬化させ
て耐熱性樹脂層が形成される。ワニスを調製時の溶媒や
熱硬化などの条件は、使用する樹脂によって適宜選択さ
れる。更に、本発明においては、UV硬化型耐熱性樹脂
も使用することが出来る。
【0028】本発明の記録媒体用基板は、円盤状基板の
外周部の非データ領域相当部における耐熱性樹脂層の厚
さが内周部のデータ領域相当部における耐熱性樹脂層の
厚さより厚くなされていることを特徴とする。
【0029】上記の非データ領域相当部は、ランプロー
ディング方式の場合に遭遇するヘッドアームの衝突事故
に対する耐久性向上部として機能する。従って、その幅
は、耐久性向上部としての機能(遭遇するヘッドアーム
の衝突事故が起こり得る範囲)及びデータ領域相当部の
縮小の両者のバランスを考慮して適宜決定される。ドー
ナツ状基板の場合は、通常、ドーナツ幅(基板の半径か
らセンターホールの半径を引いた値)の1〜20%、特
には5〜15%とされる。上記の非データ領域相当部に
形成される厚膜化された耐熱性樹脂層の厚さは、特に制
限されないが、上記のデータ領域相当部に形成される耐
熱性樹脂層の少なくとも1.1倍以上とされる。1.1
倍未満では、耐久性向上部としての機能が十分に発揮さ
れない。最大厚さは、データ領域相当部に形成される耐
熱性樹脂層の10倍である。また、上記の非データ領域
相当に形成される耐熱性樹脂層は、外方に向かうに従っ
て厚くなされた斜面構造によって厚膜化されていてもよ
い。
【0030】非データ領域相当部に形成される厚膜化さ
れた耐熱性樹脂層は、前述のスピンコート法による塗布
を行う際の条件、例えば、ポリイミド樹脂の前駆体のワ
ニス中の濃度、インナーカップの回転数などを調節する
ことにより容易に形成することが出来る。すなわち、ス
ピンコート法による塗布においては、基板上の供給され
たワニスは基板の回転により基板の外周方向に流延され
るが、この外周方向への流延過程において、溶媒揮散に
よるワニスの粘度上昇に伴って流延速度が低下し、塗膜
が厚膜化される。
【0031】耐熱性樹脂層の厚さは、通常0.1〜10
μm、好ましくは0.5〜5μmとされる。耐熱性樹脂
層の厚さが0.5μm未満の場合は、基板表面に十分に
平滑な表面を形成することが困難であり、10μmを超
える場合は耐熱性樹脂層全体の平坦化が困難である。そ
して、この様にして形成された耐熱性樹脂層の表面粗さ
Raは、通常1nm以下、好ましくは0.5nm以下で
ある。
【0032】次に、本発明の記録媒体について説明す
る。本発明の記録媒体は、上記の記録媒体用基板の耐熱
性樹脂層の上に記録層を設けて成る。記録層の種類によ
り種々の記録媒体を構成することが出来る。以下、磁気
記録媒体を例に挙げて説明する。
【0033】記録媒体、特に磁気記録媒体の場合は、耐
熱性樹脂層上にNiP、NiAl等の非磁性合金層を形
成することが好ましい。非磁性合金層の形成手段は任意
である。例えば、無電解メッキ法、スパッタリング法、
真空蒸着法、CVD法などの公知の薄膜形成手段を利用
することが出来る。非磁性合金層の厚さは、通常10〜
200nm、好ましくは20〜100nmとされる。
【0034】耐熱性樹脂層または非磁性合金層の上に
は、例えばCrを主成分とする種子層等の下地層を形成
した後、Co合金磁性層を形成するのが好ましい。
【0035】Crを主成分とする種子層の材料として
は、純Crや酸化Crの他、Co層との結晶マッチング
等の目的により、V、Ti、Mo、Zr、Hf、Ta、
W、Ge、Nb、Si、Cu、B等の元素が添加された
Cr等が使用される。これらの中では純Crが好まし
い。また、Ti、Mo、W、V、Ta、Si、Nb、Z
r及びHfの群から選択される1種または2以上の元素
が添加されたCrも好ましい。添加元素の含有量は、通
常1〜50原子%、好ましくは5〜30原子%、更に好
ましくは5〜20原子%の範囲である。
【0036】Crを主成分とする種子層の厚さは、その
異方性を発現させ得るに十分な厚さであればよく、通常
0.1〜50nm、好ましくは0.3〜30nm、更に
好ましくは0.5〜10nmである。Crを主成分とす
る種子層の成膜時は基板加熱を行っても行わなくてもよ
い。
【0037】Co合金磁性層としては、通常、純Coの
他、CoNi、CoSm、CoCrTa、CoNiC
r、CoCrPt等のCo合金磁性材料が使用される。
これらのCo合金に更にNi、Cr、Pt、Ta、W、
B等の元素やSiO2 等の化合物を添加したCo合金で
あってもよい。斯かるCo合金としては、例えば、Co
CrPtTa、CoCrPtB、CoNiPt、CoN
iCrPtB等が挙げられる。Co合金磁性層の膜厚
は、通常5〜50nm、好ましくは10〜30nmであ
る。
【0038】本発明においては、前記の下地層(第1下
地層)とCo合金磁性層との間に、Crを主成分とする
第2下地層を設けてもよい。この第2下地層の材料に
は、Crを主成分とする種子層と同様の材料を使用する
ことが出来、両者の元素組成は同一であっても異ってい
てもよい。第2下地層の厚さは、目的とする磁気記録媒
体の諸特性にあわせて任意に設定できるが、通常1〜1
00nm、好ましくは5〜50nmである。
【0039】通常、磁性層の上には、任意の保護層を形
成し、次いで潤滑層を形成する。保護層としては、炭素
(C)、水素化C、窒素化C、アルモファスC、SiC
等の炭素質層、SiO2、Zr23 、TiN等が使用
される。また、保護層は、2層以上の層から構成されて
いてもよい。保護層の厚さは、通常1〜50nm、好ま
しくは5〜30nmである。潤滑層に使用する潤滑剤と
しては、フッ素系潤滑剤、炭化水素系潤滑剤およびびこ
れらの混合物などが挙げられ、通常1〜4nmの厚さで
潤滑層を形成する。
【0040】また、本発明の磁気記録媒体においては、
磁性層が2種以上の積層構造であってもよい。更に、C
rを主成分とする第2下地層と磁性層との間に非磁性C
oCr等の中間層を設けてもよい。
【0041】磁気記録媒体の各層を形成する成膜方法と
しては、例えば、直流(マグネトロン)スパッタリング
法、高周波(マグネトロン)スパッタリング法、ECR
スパッタリング法、真空蒸着法などの物理的蒸着法が挙
げられる。
【0042】成膜時の条件は、特に制限されず、到達真
空度、基板加熱の方式と基板温度、スパッタリングガス
圧、バイアス電圧などは、成膜装置により適宜決定すれ
ばよい。例えば、通常のスパッタリング成膜の場合、到
達真空度は1×10-6Torr以下、必要に応じて加熱
される基板の温度は、通常〜400℃、好ましくは10
0〜300℃、更に好ましくは150〜250℃である
が、耐熱性樹脂層のガラス転移温度以下で行う。スパッ
タリングガス圧は1×10-3〜20×10-3Torr、
バイアス電圧は一般的には0〜−500Vである。成膜
の際、磁性層のCrの偏析を促進するため、基板を10
0〜350℃程度に加熱することが好ましい。基板の加
熱は下地層の形成前に行ってもよい。
【0043】本発明の記録媒体は、前記の記録媒体用基
板の耐熱性樹脂層の上に記録層を設けて構成されるた
め、片面のみに耐熱性樹脂層が設けられている記録媒体
用基板を使用した場合は片面型記録媒体が構成される。
従来、Al又はAl合金製基板の片面のみに記録層を含
む各種の機能層を形成した片面型記録媒体は変形(反
り)が起こる問題があると言われている。しかしなが
ら、本発明の片面型記録媒体の場合は、意外にも、基板
の表面に設けられる耐熱性樹脂層の樹脂としての性質が
作用し、上記の様な変形は皆無である。
【0044】次に、本発明の情報記録装置について説明
する。本発明の情報記録装置は、前記の本発明に係る記
録媒体を使用する点を除き、従来のランプローディング
方式の情報記録装置と同様であり、記録媒体と、記録媒
体を記録/再生方向に駆動させる駆動部と、記録部と再
生部を含む情報記録/再生ヘッドと、当該ヘッドを記録
媒体に対して相対運動させる手段と、当該ヘッドへの記
録信号入力と当該ヘッドからの再生信号出力を行うため
の記録再生信号処理手段を有し、記録媒体の近傍に例え
ばランプ部とフラット部とディテエンション部とが備え
られたロード・アンロード機構を配置して構成される。
そして、ヘッドアームは、記録媒体の休止時にはディテ
ェンション部に係留され、駆動時にはフラット部を通し
てランプ部の斜面を滑走し、回転記録媒体面上に運ばれ
る(ロード)。これにより、フライングヘッドは、回転
記録媒体面上に形成された空気流動層に軟着陸し、回転
記録媒体面上を飛行しつつ情報の記録・再生を行う。
【0045】そして、磁気ヘッドの再生部をMRヘッド
で構成することにより、高記録密度においても十分な信
号強度を得ることが出来、1平方インチ当たり2ガビッ
ト以上の高記録密度を持った磁気記憶装置を実現するこ
とが出来る。また、従来より低い高さで上記の磁気ヘッ
ド浮上させた場合(浮上量:0.01μm 以上0.05
μm 未満)は、出力が向上して高い装置S/Nが得ら
れ、大容量で高信頼性の磁気記憶装置を実現することが
出来る。また、最尤復号法による信号処理回路を組み合
わせた場合は、更に記録密度が向上し、例えば、トラッ
ク密度10kTPI以上、線記録密度200KFCI以
上、1平方インチ当たり2G ビット以上の記録密度の条
件下で記録・再生する場合にも十分なS/Nが得られ
る。
【0046】更に、相互の磁化方向が外部磁界によって
相対的に変化することによって大きな抵抗変化を生じる
複数の導電性磁性層およびその導電性磁性層の間に配置
された導電性非磁性層から成るGMR ヘッド、また
は、スピン・バルブ効果を利用したGMR ヘッドによ
って磁気ヘッドの再生部を構成した場合は、信号強度を
更に高めることが出来、1平方インチ当たり3ギガビッ
ト以上、240KFCI以上の線記録密度を持った信頼
性の高い磁気記憶装置の実現が可能となる。
【0047】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明は、その要旨を超えない限り以下の実施
例に限定されるものではない。なお、表面粗さRaの測
定は、テンコール社製の「P−12」を使用し、測定
長:240μm、針押し付け力:3mg、走査速度:1
0μm/s、サンプリング周期:200Hz、カットオ
フ値:1.4〜80μmの条件で行った。また、表面う
ねりWaの測定は、テンコール社製の「P−12」を使
用し、測定長:5000μm、針押し付け力:3mg、
走査速度:100μm/s、サンプリング周期:100
Hz、カットオフ値:80〜450μmの条件で行っ
た。
【0048】実施例1 基板として、仕上げ研磨工程前のAl合金製3.5イン
チディスク(外径:95mm、内径:25mm、厚さ:
0.8mm、表面粗さRa:11.0nm、Rmax:
68nm、記録方向およびラジアル方向の表面うねりW
a:2.3nm、Wmax:18.0nm)を使用し
た。そして、脱脂剤(キザイ(株)製「NG−#3
0」)の30g/l水溶液中、60℃で5分間脱脂洗浄
を行なった後に使用した。
【0049】(1)耐熱性樹脂層の形成:先ず、次の要
領で耐熱性樹脂層形成用のワニスを調製した。すなわ
ち、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とジアミノジ
フェニルエーテルとをN−メチルピロリドン100重量
部中にて反応させ、ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物−p,m’−ジアミノジフェニルエーテルポリアミド
酸(ポリイミド樹脂の前駆体)45重量部を含有する反
応生成物を得た。これとN−メチルピロリドンとを混合
し、粘度(25℃)160cpのワニスを調製した。ポ
リイミド樹脂の前駆体の、芳香環に直結したH(本文中
の一般式(I)におけるa〜e)に対するアミド基のH
(本文中の一般式(I)におけるf)のモル比(1H−
NMRの測定値から算出)は0.03であった。なお、
1H−NMRの測定条件は次の通りである。
【0050】<1H−NMRの測定条件>試料5.0m
gを重水素化ジメチルスルホキシド0.6mlに溶解
し、バリアン社製の核磁気共鳴装置「Inova50
0」を使用して行なった。
【0051】次いで、前記の基板の片面に上記のワニス
を塗布した。塗布は、スピンコーターのインナーカップ
の中央部に配置された固定機構で基板を保持し、200
0rpm、10secの条件下でスピンコートした。得
られた塗膜は、表面に泡などが存在しない鏡面状の塗膜
であった。次いで、窒素雰囲気中、徐々に昇温し約80
℃で30分乾燥した後、更に、徐々に昇温し300℃で
30分間焼成して硬化させ、ポリイミド樹脂層を形成し
た。ポリイミド樹脂層の厚さ分布を測定した結果、基板
の外周から約2.0mmの範囲のポリイミド樹脂層は、
その内側に略均一厚さ2.0μmで形成されたポリイミ
ド樹脂層に比して厚く形成されていた。具体的には、外
方に向かうに従って厚くなされた斜面構造を有し、厚さ
の最大値は2.4μmであった。また、ポリイミド樹脂
層の平均表面粗さRaは0.5nmであった。
【0052】(2)磁気記録媒体の製造および磁気記録
装置の組み立て:上記で得られた記録媒体用基板を使用
し、次の要領で磁気記録媒体を製造した。先ず、スパッ
タリングにより、記録媒体用基板の片面のポリイミド樹
脂層の表面に、順次、NiP層(100nm)、Cr層
(20nm)、CoCrTa層(15nm)、C層(1
0nm)を成膜した。次いで、C層の表面に潤滑層を塗
布し、片面型磁気記録媒体を得た。そして、得られた片
面型磁気記録媒体と、記録媒体を記録/再生方向に駆動
させる駆動部と、記録部と再生部を含む情報記録/再生
ヘッドと、当該ヘッドを記録媒体に対して相対運動させ
る手段と、当該ヘッドへの記録信号入力と当該ヘッドか
らの再生信号出力を行うための記録再生信号処理手段を
有する磁気記録装置を組み立てた。
【0053】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、円盤状基
板を使用した記録媒体用基板であって、研磨工程の短縮
化を図ることが可能な樹脂塗布法によって表面平滑性が
付与され、しかも、ンプローディング方式の情報記録装
置に好適に使用し得る新規な構造の記録媒体用基板を提
供が提供され、本発明の工業的価値は大きい。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円盤状基板の少なくとも片面に耐熱性樹
    脂層を設けて成る記録媒体用基板であって、円盤状基板
    の外周部の非データ領域相当部における耐熱性樹脂層の
    厚さが内周部のデータ領域相当部における耐熱性樹脂層
    の厚さより厚くなされていることを特徴とする記録媒体
    用基板。
  2. 【請求項2】 耐熱性樹脂がポリイミド樹脂である請求
    項1に記載の記録媒体用基板。
  3. 【請求項3】 ポリイミド樹脂が次の(a)及び(b)
    の条件を満足する反応生成物の熱硬化反応で得られたも
    のである請求項3に記載の記録媒体用基板。 (a)ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とジアミノ
    ジフェニルエーテルとを反応させて得られ、ビフェニル
    テトラカルボン酸二無水物−ジアミノジフェニルエーテ
    ルポリアミド酸を含有し、(b)芳香環に直結したHに
    対するアミド基のHのモル比が0.5以下である反応生
    成物。
  4. 【請求項4】 基板の表面粗さRaが1〜20nm且つ
    Rmax が100nm以下、耐熱性樹脂層の厚さが0.1
    〜10μm、耐熱性樹脂層の表面粗さRaが1nm以下
    である請求項1〜3の何れかに記載の記録媒体用基板。
  5. 【請求項5】 基板の表面うねりWaが1〜4nm且つ
    Wmax が30nm以下である請求項4に記載の記録媒体
    用基板。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の何れかに記載の記録媒体
    用基板の耐熱性樹脂層の上に記録層を設けて成ることを
    特徴とする記録媒体。
  7. 【請求項7】 耐熱性樹脂層と記録層との間に非磁性合
    金層を有する請求項6に記載の記録媒体。
  8. 【請求項8】 記録層が磁気記録層である請求項6又は
    7に記載の記録媒体。
  9. 【請求項9】 ランプローディング方式の情報記録装置
    において、媒体として、請求項6〜8の何れかに記載の
    記録媒体を備えて成ることを特徴とする情報記録装置。
JP29952899A 1999-10-21 1999-10-21 記録媒体用基板および記録媒体ならびに情報記録装置 Withdrawn JP2001126242A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009054252A (ja) * 2007-08-28 2009-03-12 Konica Minolta Opto Inc 磁気記録媒体用基板、磁気記録媒体、及び磁気記録装置

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