JP2001125799A - 記憶媒体、システム開発装置、マイクロコンピュータ、及び制御装置 - Google Patents

記憶媒体、システム開発装置、マイクロコンピュータ、及び制御装置

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JP2001125799A
JP2001125799A JP30923999A JP30923999A JP2001125799A JP 2001125799 A JP2001125799 A JP 2001125799A JP 30923999 A JP30923999 A JP 30923999A JP 30923999 A JP30923999 A JP 30923999A JP 2001125799 A JP2001125799 A JP 2001125799A
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JP30923999A
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Yoshinori Taniguchi
嘉則 谷口
Hiromichi Miyokawa
博通 三代川
Masakazu Kobayashi
正和 小林
Tomoki Ishikura
知己 石倉
Shinjiro Yamada
真二郎 山田
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Hitachi Ltd
Hitachi Solutions Technology Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Hitachi ULSI Systems Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プロセスの優先度反転を的確に防ぐための技
術を提供することにある。 【解決手段】 特定の資源を使用するプロセスのうち最
も高い優先度を持つプロセスを求め(13)、求められ
たプロセスの優先度よりも上の優先度を、上記特定の資
源がプロセスによって使用される期間における当該プロ
セスの優先度として確保し(14)、上記第2ステップ
で確保された優先度以上の優先度を持つプロセスについ
て、その優先度を上げる(15)ことにより、優先度再
設定が行われることから、優先度反転を排除することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プログラムがコン
ピュータによって読み取り可能に記憶された記憶媒体、
この記憶媒体を含むシステム開発装置、このシステム開
発装置によって得られたロードモジュールファイルが書
き込まれたプログラムメモリを含むマイクロコンピュー
タ、このマイクロコンピュータを搭載して成る制御装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】リアルタイム・オペレーティングシステ
ムのスケジューリング方式には、優先度スケジューリン
グ方式が用いられる。優先度スケジューリング方式にお
いては、各プロセス毎の重要度に応じて優先度が与えら
れ、その優先度の順に従って各プロセスが実行される。
例えば現在実行状態のプロセスP1があっても、より高
い優先度のプロセスP2が実行可能状態になれば、プロ
セスP2が実行状態になり、P1は実行可能状態に移行
される。一般には、起動周期の短いもの、あるいはデッ
ドラインの早いものに高い優先度を割り当てるスケジュ
ーリングが採用されている。
【0003】ところが、特定のプロセスによって資源が
獲得された場合に、優先度乱れを生ずることがある。つ
まり、優先度が高いプロセスでも、優先度の低い別のプ
ロセスによって先に資源を使用されている場合には、そ
れが解放されるまでは待たされることがあり、かかる場
合に優先度の反転を生ずることがある。
【0004】ここで、優先度反転について説明する。
【0005】説明の便宜上、プロセスをPで示し、数値
が大きいほど優先度が高いものとする。R1を資源と
し、この資源R1は、優先度1のプロセスP1と、優先
度3のプロセスP3で使用される。
【0006】先ず、プロセスP1が資源R1を獲得す
る。次に、プロセスP1により、優先度3のプロセスP
3が起動される。プロセスP3は、プロセスP1よりも
優先度が高いため、プロセスP1からプロセスP3の実
行に移行される。ここで、プロセスP1は、それよりも
優先度の高いプロセスP3によって待たされる。プロセ
スP3が実行状態になり、資源R1を獲得しようとする
が、既に資源R1はプロセスP1によって使用されてい
るため、プロセスP3は資源R1を獲得することができ
ない。これにより、プロセスP3は、それよりも優先度
の低いプロセスP1によって待たされる。次に、プロセ
スP1により、それよりも優先度の高いプロセスP2が
起動される。この場合、プロセスP1は、それよりも優
先度の高いプロセスP2によって待たされる。プロセス
P2の実行が終了されると、実行がプロセスP2からP
1に移る。このように、プロセスP3が資源R1を獲得
しようとしても、この資源R1は既にプロセスP1によ
り獲得されているので、プロセスP3は、資源R1の解
放待ちになり、その状態で、プロセスP2が起動される
と、それはプロセスP1より優先度が高いので、実際に
はプロセスP3よりも優先度が低いにもかかわらず、プ
ロセスP2が実行され、そして、プロセスP2はプロセ
スP3よりも早く終了してしまう。
【0007】尚、プロセスの優先度反転について記載さ
れた文献の例としては、平成10年7月1日にCQ出版
社から発行された「interface(インタフェー
ス)1998年7月号(第202頁〜第206頁)」が
ある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】優先度反転を防止する
方法として、プロセスが資源を確保したときに優先度を
高くし、資源を解放したときにもとに戻す方式がある。
プロセスが資源を獲得したときに優先度を高くすると、
上記のシーケンスは次のようになる。
【0009】優先度1のプロセスP1は資源R1を獲得
することによって優先度3に変更される。この場合、プ
ロセスP1とプロセスP3は優先度が同じであるので、
プロセスP3を起動してもプロセスP3に実行が移らな
い。プロセスP1が資源R1を解放すると、優先度1に
なり、その後、プロセスP1よりも優先度が高いプロセ
スP3が実行状態になる。プロセスP3は資源R1を獲
得するが、プロセスP3の優先度は変化しない。そし
て、プロセスP3の実行が終了した後に、プロセスP1
によってプロセスP2が起動されて、プロセスP2の実
行に移る。このように資源を獲得したプロセスの優先度
が引き上げられることにより、優先度の反転を回避する
ことができる。
【0010】しかしながら、一つの優先度当たり一つの
プロセスしか許可しない優先度列に、プロセスを密に設
定していると、引き上げ先の優先度は既に別のプロセス
が占めているので、資源を獲得したプロセスの優先度を
高くすることができない。そうすると、優先度の反転を
防ぐことができない。そしてその場合には、プロセスの
実行順番が不適切となり、マイクロコンピュータ応用機
器の安定動作を損なうおそれがある。
【0011】本発明の目的は、プロセスの優先度反転を
的確に防ぐための技術を提供することにある。
【0012】本発明の別の目的は、プロセスの優先度反
転を的確に防ぐことによって制御動作の安定化を図った
マイクロコンピュータ及びそれを含む制御装置を提供す
ることにある。
【0013】本発明の前記並びにその他の目的と新規な
特徴は本明細書の記述及び添付図面から明らかになるで
あろう。
【0014】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記
の通りである。
【0015】すなわち、ユーザプログラムのソースファ
イルから特定される複数のプロセスについて予め設定さ
れた優先度を再設定するための処理ステップを含むプロ
グラムがコンピュータによって読み取り可能に記憶され
た記憶媒体であって、上記処理ステップには、特定の資
源を使用するプロセスのうち最も高い優先度を持つプロ
セスを求める第1ステップと、上記第1ステップで求め
られたプロセスの優先度よりも上の優先度を、上記特定
の資源がプロセスによって使用される期間における当該
プロセスの優先度として確保する第2ステップと、上記
第2ステップで確保された優先度以上の優先度を持つプ
ロセスについて、その優先度を上げる第3ステップとが
含まれる。
【0016】上記の手段によれば、特定の資源を使用す
るプロセスのうち最も高い優先度を持つプロセスを求
め、求められたプロセスの優先度よりも上の優先度を、
上記特定の資源がプロセスによって使用される期間にお
ける当該プロセスの優先度として確保し、確保された優
先度以上の優先度を持つプロセスについて、その優先度
を上げることにより、プロセスによって資源が獲得され
た場合を考慮した優先度再設定が行われることから、優
先度反転を排除することができる。
【0017】ユーザプログラムのソースファイルに基づ
いて第1オブジェクトモジュールファイルを生成する第
1手段と、特定の資源を使用するプロセスのうち最も高
い優先度を持つプロセスの優先度よりも上の優先度を、
上記特定の資源がプロセスによって使用される期間にお
ける当該プロセスの優先度として確保し、確保された優
先度以上の優先度を持つプロセスについて、その優先度
を上げることにより、上記ユーザプログラムに含まれる
複数のプロセスについて予め設定された優先度を再設定
する第2手段と、上記第2手段による再設定結果に基づ
いて第2オブジェクトモジュールファイルを生成するた
めの第3手段と、上記第1手段によって形成された第1
オブジェクトモジュールファイル、上記第3手段によっ
て生成された第2オブジェクトモジュールファイル、及
びカーネル機能モジュールのライブラリファイルとに基
づいて、マイクロコンピュータで実行可能なロードモジ
ュールファイルを形成する第4手段と、を含んでシステ
ム開発装置を構成する。
【0018】上記の手段によれば、特定の資源を使用す
るプロセスのうち最も高い優先度を持つプロセスの優先
度よりも上の優先度を、上記特定の資源がプロセスによ
って使用される期間における当該プロセスの優先度とし
て確保し、確保された優先度以上の優先度を持つプロセ
スについて、その優先度を上げることにより、上記ユー
ザプログラムに含まれる複数のプロセスについて予め設
定された優先度を再設定することにより、プロセスによ
って資源が獲得された場合を考慮した優先度再設定が行
われることから、優先度反転を排除することができる。
【0019】特定の資源を使用するプロセスのうち最も
高い優先度を持つプロセスを求め、このプロセスの優先
度よりも上の優先度を、上記特定の資源がプロセスによ
って使用される期間における当該プロセスの優先度とし
て確保し、確保された優先度以上の優先度を持つプロセ
スについて、その優先度を上げることによって優先度再
設定処理されたロードモジュールを記憶するプログラム
メモリと、上記プログラムメモリに記憶されたロードモ
ジュールを実行するための中央処理装置を含んでマイク
ロコンピュータが形成されるとき、上記中央処理装置
は、上記プログラムメモリから順次命令をフェッチする
ための手段と、フェッチされた命令に基づいて、特定の
プロセスが資源を獲得した期間、当該プロセスの優先度
を、資源を獲得したプロセスの優先度として予め確保さ
れた優先度にまで上げてプロセスを実行し、当該プロセ
スが資源を解放したら当該プロセスを元の優先度にして
実行する手段とを含めることができる。
【0020】また、特定の資源を使用するプロセスのう
ち最も高い優先度を持つプロセスを求め、このプロセス
の優先度を、上記特定の資源がプロセスによって使用さ
れる期間における当該プロセスの優先度として確保し、
確保された優先度以下の優先度を持つプロセスについ
て、その優先度を下げることによって優先度再設定処理
されたロードモジュールを記憶するプログラムメモリ
と、上記プログラムメモリに記憶されたロードモジュー
ルを実行するための中央処理装置を含んでマイクロコン
ピュータが形成されるとき、上記中央処理装置は、上記
プログラムメモリから順次命令をフェッチするための手
段と、フェッチされた命令に基づいて、特定のプロセス
が資源を獲得した期間、当該プロセスの優先度を、資源
を獲得したプロセスの優先度として予め確保された優先
度にまで上げてプロセスを実行し、当該プロセスが資源
を解放したら当該プロセスを元の優先度にして実行する
手段とを含めることができる。
【0021】さらに、状態を検出するためのセンサと、
上記センサの検出結果に基づいて制御対象装置の動作を
制御するための制御手段とを含んで制御装置が構成され
るとき、上記制御手段として、上記構成のマイクロコン
ピュータを適用することができる。
【0022】そして、車輌における各部の動作状態を検
出するための複数のセンサと、上記複数のセンサに基づ
いて制御対象装置の動作を制御するための制御手段とを
含む制御装置であって、上記制御手段として、上記マイ
クロコンピュータを適用することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】図2には本発明にかかるシステム
開発装置の一例であるコンピュータシステムが示され
る。
【0024】図2に示されるコンピュータシステム30
は、システムバスBUSを介して、CPU(中央処理装
置)31、SDRAM32、SRAM33、ROM(リ
ード・オンリ・メモリ)34、周辺装置制御部35、表
示制御部36などが、互いに信号のやり取り可能に結合
され、予め定められたプログラムに従って所定のデータ
処理を行う。上記CPU31は、本システムの論理的中
核とされ、主として、アドレス指定、情報の読み出しと
書き込み、データの演算、命令のシーケンス、割り込の
受付け、記憶装置と入出力装置との情報交換の起動等の
機能を有し、演算制御部や、バス制御部、メモリアクセ
ス制御部などから構成される。上記SDRAM32や、
SRAM33、及びROM34は内部記憶装置として位
置付けられている。SDRAM32は、CPU31での
計算や制御における作業領域として利用される。SRA
M33はキャッシュメモリなどとして機能する。ROM
34には読出し専用のプログラムが格納される。周辺装
置制御部35によって、外部憶装置38の動作制御や、
キーボード39などからの情報入力制御が行われる。上
記外部記憶装置38は、例えばハードディスク装置とさ
れる。ハードディスクには、各種プログラムファイルや
データファイルが格納され、それが必要に応じてロード
され、SDRAMに展開されることにより、CPU31
で実行される。上記各種プログラムファイルには、C言
語やアセンブラ言語によるプログラミングを可能とする
テキストエディタや、このテキストエディタによって生
成されたソースファイルからオブジェクトモジュールフ
ァイルを生成するためのアセンブラ又はCコンパイラ、
さらには上記オブジェクトモジュールファイルや、リア
ルタイムOS(オペレーティング・システム)であるカ
ーネル機能モジュールのライブラリファイルなどに基づ
いてロードモジュールファイルを作成するためのリンケ
ージエディタなどが含まれる。また、上記表示制御部3
6によってディスプレイ40への情報表示制御が行われ
る。この表示制御部36には描画処理のための半導体チ
ップや画像メモリなどが含まれる。
【0025】図3には、上記コンピュータシステム30
を用いた、マイクロコンピュータ応用機器のシステム構
築手順が示される。
【0026】外部記憶装置38におけるハードディスク
からテキストエディタのプログラムがロードされ、それ
がCPU31で実行されることにより、ユーザプログラ
ムが生成される。特に制限されないが、ユーザプログラ
ムは、C言語やアセンブリ言語により作成され、セット
アップテーブル情報はC言語によって作成される。C言
語やアセンブリ言語により作成されたプログラムは、こ
の時点でソースファイルと称される。ソースファイル2
01には、ユーザによって作成された複数のプロセスが
含まれる。ここで、プロセス(「タスク」と称される場
合もある)とは、OSの制御対象となるもので、あるジ
ョブを実行するために呼び集められたユーザ・プログラ
ムやデータを指す。
【0027】外部記憶装置38におけるハードディスク
からCコンパイラ又はアセンブラ202がロードされ、
それがCPU31で実行されることにより、上記ソース
ファイルのCコンパイル又はアセンブル処理を行うこと
ができる。ソースファイル201がC言語で作成されて
いる場合にはCコンパイラが起動され、それによってオ
ブジェクトモジュールファイル203が生成される。ま
た、ソースファイル201がアセンブリ言語によって作
成されている場合にはアセンブラが起動され、それによ
ってオブジェクトモジュール203が生成される。
【0028】さらに、上記テキストエディタによってセ
ットアップテーブル情報が作成される。ここで、セット
アップテーブル情報は、ユーザによって作成されたプロ
セスの優先度を示す情報であり、プロセス毎にその優先
度が1対1対応で書かれる。何を優先するかはユーザシ
ステムに応じて任意に決定される。セットアップテーブ
ル情報は、特に制限されないが、C言語によるソースフ
ァイル211とされる。
【0029】外部記憶装置38におけるハードディスク
からコンフィギュレータ213がロードされ、それがC
PU31で実行されることにより、システムの環境定義
と作成が可能とされる。ここでは、プロセスの優先度反
転を防止するために、上記セットアップテーブルによっ
て示されるプロセス優先度の再設定処理が行われる。
【0030】外部記憶装置38におけるハードディスク
からCコンパイラ213がロードされ、それがCPU3
1で実行されることにより、上記プロセス優先度の再設
定処理結果のコンパイルが可能とされ、このコンパイル
処理によりオブジェクトモジュールファイル214が生
成される。
【0031】外部記憶装置38におけるハードディスク
からリンケージエディタ231がロードされ、それがC
PU31で実行されることにより、上記オブジェクトモ
ジュールファイル203,214、及びライブラリファ
イル221に基づくロードモジュールファイル232の
作成が可能とされる。つまり、複数のオブジェクトモジ
ュールファイルを統合し、実行時のアドレスを与える処
理が行われる。この処理によりマイクロコンピュータで
実行可能なロードモジュールファイル232が生成され
る。このロードモジュールファイル232が、EPRO
Mライター等により、マイクロコンピュータが使用する
EPROM又はフラッシュメモリなどの不揮発性メモリ
へ書き込まれる。書き込みが完了したマイクロコンピュ
ータは、ユーザ実機234に搭載される。
【0032】図1には上記コンフィギュレータ212に
おける、プロセスの優先度再設定処理のアルゴリズムが
示される。
【0033】ここでは、一つの優先度毎に一つのプロセ
スの存在しか許されないものとする。また、プロセスの
優先度は数値が大きいほど、優先度が高いものとする。
【0034】図6には、セットアップテーブル(ソース
ファイル211)における初期設定の内容が示される。
これはユーザによって設定されたものである。プロセス
P1は優先度が1であり、資源R1とR2とを使用す
る。プロセスP2は優先度2であり、資源を使用しな
い。プロセスP3は優先度3であり、資源R1を使用す
る。プロセスP4は優先度4であり、資源R2を使用す
る。プロセスP5は優先度5であり、資源を使用しな
い。
【0035】優先度に着目すると、図4に示されるよう
に、プロセスP1,P2,P3,P4,P5の順に優先
度が高くなる。
【0036】コンフィギュレータ212が起動される
と、図1に示されるようなアルゴリズムに従って、上記
プロセス優先度の再設定が行われる。
【0037】先ず、資源数をnとし、iを0(ゼロ)に
初期化する(ステップ11)。資源が複数個ある場合に
全ての資源についてこのアルゴリズムによる優先度再設
定処理を行う必要があるため、i=nが成立するか否か
の判別が行われる(ステップ12)。この判別におい
て、i=nが成立しない(No)と判断された場合に
は、それはまだ全ての資源についての処理が完了してい
ないことを意味し、その場合には、資源R(i)を使用
するプロセスのうち、最も高い優先度Prを持つプロセ
スが求められる(ステップ13)。そして、資源R
(i)をプロセスが使用する期間における当該プロセス
の優先度として、優先度Prよりも一つ上の優先度を確
保する(ステップ14)。このようにして確保された優
先度は、後に詳述するように、プロセスによって特定の
資源R(i)が獲得された期間における当該プロセスの
優先度とされる。つまり、優先度反転を防ぐために、特
定の資源R(i)を獲得した場合には、その獲得期間の
みについて、上記ステップ14で求められた優先度に変
更され、資源R(i)を解放した後はまた元の優先度に
戻される。そして、上記ステップ14で確保された優先
度以上の優先度を持つプロセスについて、その優先度を
一つ上げる(ステップ15)。次に、iをインクリメン
トして、上記ステップ12の判別に移行されることによ
り、次の資源についての処理が行われる。このようにし
て、ステップ12の判別において、i=nが成立した場
合には、それは全ての資源についての処理が終了したこ
とを意味し、本アルゴリズムの実行が終了される。
【0038】次に、資源数n=2の場合の上記アルゴリ
ズムを具体的に説明する。
【0039】i=0の場合には、資源R1についての処
理が行われる。
【0040】初期設定においては、図6に示されるよう
に、プロセスP1とP3とは共に資源R1を使用する。
プロセスP1とP3とでは、P3のほうが優先度が高
い。このため、ステップ13では、優先度の高いプロセ
スP3が選ばれ、そして、ステップ14では、上記プロ
セスP3の優先度3の上の優先度(=4)に、プロセス
P1又はP3によって資源R1が獲得された場合の当該
プロセスの優先度が確保される。もともと優先度4及び
優先度5には、それぞれプロセスP4及びプロセスP5
が設定されている。一つの優先度には一つのプロセスし
か設定されないことが前提になっているため、上記プロ
セスP4及びプロセスP5の優先度は、元の優先度から
一つだけ上げられる。この結果、図7に示されるよう
に、プロセスP4の優先度はそれまでの4から5に変更
され、プロセスP5の優先度はそれまでの5から6に変
更される。
【0041】次に、iがインクリメントされ、i=1と
される。この場合、ステップ12においてi=nは成立
しない(No)と判断されるため、資源R2についての
処理が行われる。
【0042】図6に示されるように、プロセスP1とP
4とは共に資源R2を使用する。このプロセスP1とP
4とでは、P4のほうが優先度が高い。このため、ステ
ップ13では、優先度の高いプロセスP4が選ばれ、そ
して、ステップ14では、図7に示されるプロセスP4
の優先度5の上の優先度(=6)に、プロセスP1又は
P4によって資源R2が獲得された場合の当該プロセス
の優先度が確保される。もともと優先度6には、先の処
理でプロセスP5が割り当てられたが、上記プロセスP
6の優先度は、元の優先度から一つだけ上げられる。こ
の結果、図8に示されるように、プロセスP5の優先度
はそれまでの6から7に変更される。
【0043】資源数n=2の場合、ステップ12の判別
においてi=nが成立することで、優先度再設定のため
のアルゴリズムの実行が終了される。
【0044】図5には優先度の再設定後の状態が示され
る。
【0045】すなわち、上記の優先度再設定の結果、プ
ロセスP1が優先度1とされ、プロセスP2が優先度2
とされ、プロセスP3が優先度3とされ、資源R1を獲
得したプロセスが優先度4とされ、プロセスP4が優先
度5とされ、資源R2を獲得したプロセスが優先度6と
され、プロセスP5が優先度7とされる。
【0046】このように優先度が再設定されることによ
り、プロセスによって資源R1が獲得されると、当該プ
ロセスは優先度4にまで上げられ、プロセスによって資
源R2が獲得されると、当該プロセスは優先度6にまで
上げられる。このように資源を獲得した場合に優先度が
上げられることにより、優先度反転を回避できる。その
ことについて、図9及び図10を参照しながら説明す
る。
【0047】図9は、図1に示されるアルゴリズムによ
る優先度再設定処理を行わなかった場合であり、その場
合には、以下のような優先度反転を生ずるおそれがあ
る。
【0048】説明の便宜上、三つのプロセスP1,P
2,P3に着目し、プロセスP1とP3とによって同一
の資源R1が使用されるものとする。優先度は、プロセ
スP1,P2,P3の順に高いものとする。
【0049】時刻t0において、プロセスP1が起動さ
れ、このプロセスP1は時刻t1において資源R1を獲
得する。
【0050】時刻t2において、プロセスP1により、
優先度3のプロセスP3が起動される。プロセスP3
は、プロセスP1よりも優先度が高いため、プロセスP
1からプロセスP3の実行に移行される。ここで、プロ
セスP1は、それよりも優先度の高いプロセスP3によ
って待たされる。このように、優先度の低いプロセス
が、それよりも優先度の高いプロセスによって待たされ
ることを「プリエンプト」という。
【0051】プロセスP3が実行状態になり、時刻t3
において資源R1を獲得しようとするが、既に資源R1
はプロセスP1によって使用されているため、プロセス
P3は資源R1を獲得することができない。これによ
り、プロセスP3は、それよりも優先度の低いプロセス
P1によって待たされる。このように、優先度の高いプ
ロセスが、それによりも優先度の低いプロセスによって
待たされることを「ブロック」という。
【0052】時刻t4においてプロセスP1により、そ
れよりも優先度の高いプロセスP2が起動される。この
場合、プロセスP1は、それよりも優先度の高いプロセ
スP2によってプリエンプトされる。時刻t5でプロセ
スP2の実行が終了されると、実行がプロセスP2から
P1に移る。時刻t6において、プロセスP1は資源R
1を解放する。これにより、プロセスP3は、資源R1
を獲得することができ、このプロセスP3の実行によ
り、それよりも優先度の低いプロセスP1がプリエンプ
トされる。
【0053】時刻t7において、プロセスP3の実行が
終了されると、実行がプロセスP1に移り、時刻t8に
おいて、プロセスP1の実行が終了される。
【0054】上記のように、時刻t3でプロセスP3が
資源R3を獲得しようとしても、この資源R1は既にプ
ロセスP1により獲得されているので、プロセスP3
は、資源R1の解放待ちになり、その状態で、プロセス
P2が起動されると、それはプロセスP1より優先度が
高いので、実際にはプロセスP3よりも優先度が低いに
もかかわらず、プロセスP2が実行され、そして、プロ
セスP3よりも早く終了してしまう(優先度反転)。
【0055】図10は、図1に示されるアルゴリズムに
よる優先度再設定処理を行った場合のプロセス実行状態
である。
【0056】図1に示されるアルゴリズムによる優先度
再設定処理により、資源を確保した場合に、そのプロセ
スの優先度が、予め確保されている優先度まで上げられ
るため、他のプロセスとの関係において優先度の適正化
が図られ、それにより上記の優先度反転は生じない。
【0057】時刻t0でプロセスP1が起動される。時
刻t1においてプロセスP1は資源R1を獲得する。こ
のとき、資源R1を獲得したプロセスP1の優先度は、
本来は最も低いはずであるが、資源を獲得したプロセス
の優先度として予め確保されている優先度にまで上げら
れる。この資源を獲得したプロセスの優先度は、図1の
アルゴリズムにおけるステップ14の実行で確保される
もので、その優先度は、同じ資源R1を使用するプロセ
スのうちで最も高い優先度(この場合プロセスP3の優
先度)よりも一つ高い優先度とされるため、時刻t2で
プロセスP3が起動され、時刻t3でプロセスP2が起
動されたとしても、プロセスP2,P3は、それよりも
優先度が高いプロセスP1があるためプロセスP2やP
3に実行が移行しない。そして、時刻t4において、プ
ロセスP1は資源R1を解放する。この資源R1の解放
によりプロセスP1の優先度は、本来の優先度に戻され
るため、それよりも優先度の高いプロセスP3に実行が
移る。そして、時刻t5においてプロセスP3は資源R
1を獲得し、この資源獲得により、プロセスP3の優先
度は、本来の優先度よりも一つ高い優先度とされる。そ
して、時刻t6においてプロセスP3は資源R1を解放
し、それにより、本来の優先度に戻され、時刻t7にお
いて実行が終了される。プロセスP3の実行終了によ
り、それよりも優先度の低いプロセスP2が実行され
る。プロセスP2の実行は時刻t8で終了される。プロ
セスP2の実行終了により、プロセスP1の実行に移
る。そして時刻t9において、プロセスP1の実行が終
了される。
【0058】このように図10においては、図1に示さ
れるアルゴリズムによる優先度再設定処理が行われるこ
とから、資源R1を獲得した場合のプロセスの優先度
が、予め確保された優先度にまで上げられるため、それ
よりも低いプロセスに実行が移行しないことにより、優
先度が高いプロセスが、優先度が低いプロセスによって
待たされる(ブロック)といった不所望な現象(優先度
反転)を排除することができる。しかも、特定の資源を
使用するプロセスのうち最も高い優先度Prを持つプロ
セスを求め、当該資源をプロセスが使用する期間におけ
る当該プロセスの優先度として、優先度Prよりも一つ
上の優先度を確保し、この確保された優先度以上の優先
度を持つプロセスについて、その優先度を一つ上げる処
理をしているので、一つの優先度当たり一つのプロセス
しか許可しない優先度列にプロセスが密に設定されてい
る場合でも、資源を獲得した場合のプロセスの優先度の
引き上げを的確に行うことができる。
【0059】図3におけるCコンパイラ又はアセンブラ
202やコンフィギュレータ212、Cコンパイラ21
3、リンケージエディタ232など、システム開発のた
めのプログラムは、特に制限されないが、CD−ROM
29などに記憶され、必要に応じて、外部記憶装置38
におけるハードディスクにインストールされる。この場
合において、上記CD−ROMやハードディスクは、本
発明における記憶媒体の一例とされる。
【0060】次に、図3におけるユーザ実機234の具
体例について説明する。
【0061】ユーザ実機234は、特に制限されない
が、車輌に搭載される車輌制御ユニットであり、それは
本発明における制御装置の一例とされる。
【0062】図12には、上記車輌制御ユニットと、そ
れに結合される周辺回路等が示される。
【0063】図12に示される車輌制御ユニット64
は、ボードにマイクロコンピュータ71やその他の半導
体素子が搭載されて成り、特に制限されないが、図示さ
れないエンジンの回転速度を検出するための回転速度セ
ンサ61、アクセルペダルの角度を検出するためのアク
セルペダル角度センサ62、エンジンへの吸入空気圧を
検出するための吸入空気圧センサ63などの各種センサ
からの検出信号が入力される。車両制御ユニット64に
おいては、エンジンの回転速度や吸入空気圧情報に基づ
いてインジェクター調整弁制御やアイドリング時におけ
るエンジンの回転数制御のための演算処理が行われ、エ
ンジンの回転速度やアクセスペダルの角度情報に基づい
て空気圧バルブ調整のための演算処理が行われる。そし
て上記演算処理の結果は、対応する調整回路、例えば点
火プラグの点火時期を調整するための点火時期調整回路
65や、空気圧バルブを調整するための空気圧バルブ調
整回路66、インジェクター調整弁の動作を制御するた
めのインジェクター調整回路67などへ所定の動作制御
信号が供給される。例えば車輌制御ユニット64におい
ては、搭載されたマイクロコンピュータ71によって所
定のプログラムが実行されることによって、次のような
動作制御が行われる。
【0064】すなわち、回転速度や吸入空気圧情報に基
づいてインジェクターの調整弁制御や、点火プラグの点
火時期調整が行われ、回転速度やアクセルペダルの角度
情報に基づいてアイドリング時におけるエンジンの回転
数制御が行われる。
【0065】図13には上記マイクロコンピュータ71
の構成例が示される。
【0066】図13に示されるように、マイクロコンピ
ュータ71は、特に制限されないが、CPU(中央処理
装置)53、内蔵ROM(リード・オンリー・メモリ)
51、内蔵RAM(ランダム・アクセス・メモリ)5
2、タイマ54、シリアルコミュニケーションインタフ
ェース(SCI)55、A/D変換器56、割込みコン
トローラ57、並びに各種信号の入出力のための第1乃
至第9ポート41〜49などの各種機能ブロックを含
み、それらはアドレスバスABUSや上位側データバス
DBUSUなどに共通接続され、公知の半導体集積回路
製造技術によって単結晶シリコン基板などの一つの半導
体基板に形成されている。
【0067】上記内蔵ROM51は、CPU53で実行
されるプログラムを格納するためのプログラムメモリと
され、特に制限されないが、それぞれ8ビット幅の上位
側データバスDBUSU及び下位側データバスDBUS
Lを介してCPU53に結合されることにより、バイト
データ、ワードデータにかかわらず、2ステートのメモ
リアクセスが可能とされる。内蔵ROM51には、フラ
ッシュメモリが適用され、図2に示されるシステム開発
装置(コンピュータシステム30)において開発された
プログラム、つまり、図3に示される処理過程を経て得
られたロードモジュール232が書き込まれている。
【0068】上記内蔵RAM52は、特に制限されない
が、1kバイトの記憶容量を有するスタティック型RA
Mとされる。CPU53とは、それぞれ8ビット幅の上
位側データバスDBUSU及び下位側データバスDBU
SLを介して結合されることにより、バイトデータ、ワ
ードデータにかかわらず、2ステートのメモリアクセス
が可能とされる。
【0069】CPU53は、特に制限されないが、8ビ
ット×16本の汎用レジスタを有し、クロック発振器
(図示せず)からのシステムクロックをタイムベースと
して、内蔵ROM51に格納されたロードモジュールの
命令をフェッチし、その命令を実行する。
【0070】タイマ54には、ウォッチドックタイマ、
16ビットフリーランニングタイマ、8ビットタイマ、
PWM(パルス幅変調)タイマなどの各種タイマが含ま
れる。
【0071】シリアルコミュニケーションインタフェー
ス(SCI)55は、他のLSIとの間でシリアルデー
タの通信を行うためのモジュールで、調歩同期式モード
による通信と、クロック同期式モードによる通信との選
択が可能とされる。動作モードの指定や、データフォー
マットの指定、ビットレートの設定及び送受信制御のた
めの複数のレジスタと、送受信のコントロール回路、及
びバスインタフェースなどを含んで成る。
【0072】A/D変換器56は、特に制限されない
が、逐次変換方式により、入力アナログ信号をディジタ
ル信号に変換するためのもので、特に制限されないが、
最大8チャンネルのアナログ入力を選択することができ
る。
【0073】上記の構成において、プロセスP1〜P5
は、例えば点火時期調整のための処理、空気バルブ調整
のための処理、インジェクター調整弁の動作制御のため
の処理などとされる。また、その場合において、資源は
第1ポート41から第9ポート49などとされる。
【0074】上記のように内蔵ROM51には、フラッ
シュメモリが適用され、図2に示されるシステム開発装
置(コンピュータシステム30)において開発されたプ
ログラム(図3に示される処理過程を経て得られたロー
ドモジュール232)が書き込まれており、当該ロード
モジュール232は、コンフィギュレータ212におい
て図1のアルゴリズム実行によりプロセス優先度の再設
定処理が行われているため、プロセスの優先度反転現象
が排除される。
【0075】上記の例によれば、以下の作用効果を得る
ことができる。
【0076】(1)図1に示されるアルゴリズムによる
優先度再設定処理が行われることから、資源を獲得した
場合のプロセスの優先度が、予め確保された優先度にま
で上げられるため、それよりも低いプロセスに実行が移
行しないことにより、優先度が高いプロセスが、優先度
が低いプロセスによって待たされるといった不所望な現
象を排除することができる。
【0077】(2)特定の資源を使用するプロセスのう
ち最も高い優先度を持つプロセスを求め、当該資源をプ
ロセスが使用する期間における当該プロセスの優先度と
して、優先度よりも一つ上の優先度を確保し、この確保
された優先度以上の優先度を持つプロセスについて、そ
の優先度を一つ上げる処理をしているので、一つの優先
度当たり一つのプロセスしか許可しない優先度列にプロ
セスが密に設定されている場合でも、資源を獲得した場
合のプロセスの優先度の引き上げを的確に行うことがで
きる。
【0078】(3)内蔵ROM51には、フラッシュメ
モリが適用され、図2に示されるシステム開発装置にお
いて開発されたロードモジュール232が書き込まれて
おり、当該ロードモジュール232は、コンフィギュレ
ータ212において図1のアルゴリズム実行によりプロ
セス優先度の再設定処理が行われているため、プロセス
の優先度反転現象が排除される。これにより、車両制御
ユニット64においては、マイクロコンピュータ71で
のプロセス実行の最適化を図ることができる。例えば優
先度反転が生じた場合には、優先度の高いプロセスが不
所望に遅延されて、ウォッチドックによるシステムリセ
ットを生ずる場合も考えられるが、上記のように優先度
反転を排除することによって、そのようなシステムリセ
ットの発生を回避することができる。
【0079】以上本発明者によってなされた発明を具体
的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であるこ
とはいうまでもない。
【0080】例えば、図1に示されるアルゴリズムの他
に、図11に示されるアルゴリズムによっても同様の作
用効果を得ることができる。
【0081】図11に示されるアルゴリズムが、図1に
示されるのと大きく相違するのは、ステップ14,15
の処理である。すなわち、資源R(i)をプロセスが使
用する期間における当該プロセスの優先度として、優先
度Prが確保され(ステップ14)、確保された優先度
以下の優先度を持つプロセスについて、その優先度を一
つ下げる(ステップ15)。
【0082】このように資源R(i)をプロセスが使用
する期間における当該プロセスの優先度として優先度P
rを確保し、その優先度以下の優先度を持つプロセスに
ついて、その優先度を一つ下げるようにしても、資源を
確保したプロセスの優先度が、上記優先度Prにまで上
げられることによって優先度反転が防止される。また、
一つの優先度当たり一つのプロセスしか許可しない優先
度列にプロセスが密に設定されている場合でも、資源を
確保した場合のプロセスの優先度引き上げを的確に行う
ことができる。従って、そのようなアルゴリズムにより
優先度の再設定が行われたロードモジュールファイルが
書き込まれたマイクロコンピュータやそれを含む車両制
御ユニットにおいては、上記した例の場合と同様に、適
切な制御処理が可能とされる。
【0083】図1に示されるアルゴリズムでは、ステッ
プ14において、資源R(i)をプロセスが使用する期
間における当該プロセスの優先度として、優先度Prよ
りも一つ上の優先度を確保するようにしたが、優先度P
rよりも上の優先度を確保すれば良く、「一つ上の優先
度」に限定されない。また、図1に示されるアルゴリズ
ムでは、ステップ15において、ステップ14で確保さ
れた優先度以上の優先度を持つプロセスについてその優
先度を一つ上げるようにしたが、その優先度を上げれば
よく、「一つ上げる」に限定されない。また、図11に
示されるアルゴリズムでは、ステップ15において、ス
テップ14で確保された優先度以下の優先度を持つプロ
セスについてその優先度を一つ下げるようにしたが、ス
テップ14で確保された優先度以下の優先度を持つプロ
セスについてその優先度を下げればよく、「一つ下げ
る」に限定されない。
【0084】また、上記の例では、優先度毎に一つのプ
ロセスの存在しか許されない場合において、図1又は図
11に示されるアルゴリズムを実行することにより、資
源を獲得した場合のプロセスの優先度の引き上げを可能
とし、それにより優先度反転を排除するようにしたが、
一部の優先度に複数のプロセスの存在が許される場合に
おいても、図1及び図11に示されるアルゴリズムを実
行することにより、資源を獲得した場合のプロセスの優
先度の引き上げを行い、それによって優先度反転を排除
するようにしても良い。
【0085】さらに、優先度再設定のための処理ステッ
プを含むプログラムを記憶するための媒体には、上記C
D−ROMやハードディスクの他に、フロッピーディス
クやDVD−RAM、DVD−ROMなどの各種記憶媒
体が含まれる。
【0086】以上の説明では主として本発明者によって
なされた発明をその背景となった利用分野である車両制
御ユニットに適用した場合について説明したが、本発明
はそれに限定されるものではなく、マイクロコンピュー
タ応用機器に広く適用することができる。
【0087】本発明は、少なくともプログラムを格納す
るメモリと、そのメモリに格納されたプログラムを実行
するCPUとを含むことを条件に適用することができ
る。
【0088】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記
の通りである。
【0089】すなわち、特定の資源を使用するプロセス
のうち最も高い優先度を持つプロセスを求め、求められ
たプロセスの優先度よりも上の優先度を、上記特定の資
源がプロセスによって使用される期間における当該プロ
セスの優先度として確保し、上記第2ステップで確保さ
れた優先度以上の優先度を持つプロセスについて、その
優先度を上げることにより、プロセスによって資源が獲
得された場合を考慮した優先度再設定が行われることか
ら、優先度反転を排除することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる記憶媒体に格納されるプログラ
ムにおける主要部の処理の流れが示されるフローチャー
トである。
【図2】上記プログラムを実行することによってマイク
ロコンピュータ内のメモリに書き込まれるロードモジュ
ールを生成するためのコンピュータシステムの構成例ブ
ロック図である。
【図3】上記コンピュータシステムでの処理の流れが示
されるフローチャートである。
【図4】上記マイクロコンピュータで実行されるプロセ
スとその優先度との関係説明図である。
【図5】上記マイクロコンピュータで実行されるプロセ
スとその優先度との関係説明図である。
【図6】上記マイクロコンピュータで実行されるプロセ
スとその優先度及び資源との関係説明図である。
【図7】上記マイクロコンピュータで実行されるプロセ
スとその優先度との関係説明図である。
【図8】上記マイクロコンピュータで実行されるプロセ
スとその優先度との関係説明図である。
【図9】優先度反転を生ずる場合のプロセス実行状態説
明図である。
【図10】図1に示されるアルゴリズムにより優先度再
設定処理が行われた場合のプロセス実行状態説明図であ
る。
【図11】本発明にかかる記憶媒体に格納されるプログ
ラムにおける主要部の別の処理の流れが示されるフロー
チャートである。
【図12】ユーザ実機の一例としての車輌制御ユニット
とそれの周辺回路との結合関係の説明図である。
【図13】上記車輌制御ユニットに含まれるマイクロコ
ンピュータの構成例ブロック図である。
【符号の説明】
29 CD−ROM 31 CPU 32 SDRAM 33 SRAM 34 ROM 35 周辺装置制御部 36 表示制御部 38 外部記憶装置 39 キーボード 40 ディスプレイ 41〜49 ポート 51 内蔵ROM 52 内蔵RAM 53 CPU 54 タイマ 55 SCI 56 A/D変換器 57 割り込みコントローラ 61 回転速度センサ 62 アクセスペダル角度センサ 63 吸入空気圧センサ 64 車輌制御ユニット 65 点火プラグの点火時期調整回路 66 空気バルブ調整回路 67 インジェクター調整回路 201 C言語/アセンブリ言語ソースファイル 202 Cコンパイラ又はアセンブラ 203,214 オブジェクトモジュールファイル 211 C言語ソースファイル 212 コンフィギュレータ 213 Cコンパイラ 221 ライブラリファイル 231 リンケージエディタ 232 ロードモジュール 234 ユーザ実機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三代川 博通 東京都小平市上水本町5丁目22番1号 株 式会社日立超エル・エス・アイ・システム ズ内 (72)発明者 小林 正和 東京都小平市上水本町5丁目22番1号 株 式会社日立超エル・エス・アイ・システム ズ内 (72)発明者 石倉 知己 東京都小平市上水本町五丁目20番1号 株 式会社日立製作所半導体グループ内 (72)発明者 山田 真二郎 東京都小平市上水本町五丁目20番1号 株 式会社日立製作所半導体グループ内 Fターム(参考) 5B098 CC01 GA02 GA04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ユーザプログラムのソースファイルから
    特定される複数のプロセスについて予め設定された優先
    度を再設定するための処理ステップを含むプログラムが
    コンピュータによって読み取り可能に記憶された記憶媒
    体であって、 上記処理ステップは、特定の資源を使用するプロセスの
    うち最も高い優先度を持つプロセスを求める第1ステッ
    プと、上記第1ステップで求められたプロセスの優先度
    よりも上の優先度を、上記特定の資源がプロセスによっ
    て使用される期間における当該プロセスの優先度として
    確保する第2ステップと、上記第2ステップで確保され
    た優先度以上の優先度を持つプロセスについて、その優
    先度を上げる第3ステップと、を含むことを特徴とする
    記憶媒体。
  2. 【請求項2】 ユーザプログラムのソースファイルに基
    づいて第1オブジェクトモジュールファイルを生成する
    第1手段と、 特定の資源を使用するプロセスのうち最も高い優先度を
    持つプロセスの優先度よりも上の優先度を、上記特定の
    資源がプロセスによって使用される期間における当該プ
    ロセスの優先度として確保し、確保された優先度以上の
    優先度を持つプロセスについて、その優先度を上げるこ
    とにより、上記ユーザプログラムに含まれる複数のプロ
    セスについて予め設定された優先度を再設定する第2手
    段と、 上記第2手段による再設定結果に基づいて第2オブジェ
    クトモジュールファイルを生成するための第3手段と、 上記第1手段によって形成された第1オブジェクトモジ
    ュールファイル、上記第3手段によって生成された第2
    オブジェクトモジュールファイル、及びカーネル機能モ
    ジュールのライブラリファイルとに基づいて、マイクロ
    コンピュータで実行可能なロードモジュールファイルを
    形成する第4手段と、を含むことを特徴とするシステム
    開発装置。
  3. 【請求項3】 特定の資源を使用するプロセスのうち最
    も高い優先度を持つプロセスを求め、このプロセスの優
    先度よりも上の優先度を、上記特定の資源がプロセスに
    よって使用される期間における当該プロセスの優先度と
    して確保し、確保された優先度以上の優先度を持つプロ
    セスについて、その優先度を上げることによって優先度
    再設定処理されたロードモジュールを記憶するプログラ
    ムメモリと、上記プログラムメモリに記憶されたロード
    モジュールを実行するための中央処理装置と、を含んで
    一つの半導体基板に形成され、 上記中央処理装置は、上記プログラムメモリから順次命
    令をフェッチするための手段と、 フェッチされた命令に基づいて、特定のプロセスが資源
    を獲得した期間、当該プロセスの優先度を、資源を獲得
    したプロセスの優先度として予め確保された優先度にま
    で上げてプロセスを実行し、当該プロセスが資源を解放
    したら当該プロセスを元の優先度にして実行する手段
    と、を含んで成ることを特徴とするマイクロコンピュー
    タ。
  4. 【請求項4】 特定の資源を使用するプロセスのうち最
    も高い優先度を持つプロセスを求め、このプロセスの優
    先度を、上記特定の資源がプロセスによって使用される
    期間における当該プロセスの優先度として確保し、確保
    された優先度以下の優先度を持つプロセスについて、そ
    の優先度を下げることによって優先度再設定処理された
    ロードモジュールを記憶するプログラムメモリと、上記
    プログラムメモリに記憶されたロードモジュールを実行
    するための中央処理装置と、を含んで一つの半導体基板
    に形成され、 上記中央処理装置は、上記プログラムメモリから順次命
    令をフェッチするための手段と、 フェッチされた命令に基づいて、特定のプロセスが資源
    を獲得した期間、当該プロセスの優先度を、資源を獲得
    したプロセスの優先度として予め確保された優先度にま
    で上げてプロセスを実行し、当該プロセスが資源を解放
    したら当該プロセスを元の優先度にして実行する手段
    と、を含んで成ることを特徴とするマイクロコンピュー
    タ。
  5. 【請求項5】 状態を検出するためのセンサと、上記セ
    ンサの検出結果に基づいて制御対象装置の動作を制御す
    るための制御手段とを含む制御装置であって、上記制御
    手段は、請求項3又は4記載のマイクロコンピュータで
    あることを特徴とする制御装置。
  6. 【請求項6】 車輌における各部の動作状態を検出する
    ための複数のセンサと、上記複数のセンサに基づいて制
    御対象装置の動作を制御するための制御手段とを含む制
    御装置であって、上記制御手段は、請求項3又は4記載
    のマイクロコンピュータであることを特徴とする制御装
    置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7278141B2 (en) 2003-04-23 2007-10-02 International Business Machines Corporation System and method for adding priority change value corresponding with a lock to a thread during lock processing
KR20160046148A (ko) * 2014-10-20 2016-04-28 삼성전자주식회사 데이터 처리 시스템 및 이의 동작 방법

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