JP2001124066A - 流体動圧軸受及びこれを用いた電動機 - Google Patents

流体動圧軸受及びこれを用いた電動機

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JP2001124066A JP30653299A JP30653299A JP2001124066A JP 2001124066 A JP2001124066 A JP 2001124066A JP 30653299 A JP30653299 A JP 30653299A JP 30653299 A JP30653299 A JP 30653299A JP 2001124066 A JP2001124066 A JP 2001124066A
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Naoki Kawada
直樹 川和田
Atsushi Ota
敦司 太田
Koji Nitori
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 軸受面の摩耗及び発生可能の動圧のいず
れか一方を低下させることなく、他方を大きくするする
こと 【解決手段】 流体動圧軸受は、複数の動圧発生溝と、
隣り合う動圧発生溝の間の丘とを、互いに対向する一対
の軸受面の少なくとも一方に有する。丘の頂面は、動圧
発生溝の長手方向へ伸びる1以上の第1の突部と、該突
部が形成されていない残部領域とにより複数段構造とさ
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気体又は液体を用
いる流体動圧軸受及びこれを用いた電動機に関する。
【0002】
【従来の技術】空気、潤滑油等を用いる流体動圧軸受
は、所定の形状を有する複数の動圧発生溝を潤滑媒体と
して作用する流体を介して互いに対向する一対の軸受面
の少なくとも一方に形成しており、また回転子(軸又は
軸受)が固定子(軸受又は軸)に対し回転したときに、
回転子を固定子から浮遊させる動圧を発生する。
【0003】動圧発生溝が形成された軸受面のうち、隣
り合う動圧発生溝の間は丘部分として作用する。流体動
圧軸受の動圧発生溝としては、その断面形状が矩形又は
台形のものが用いられている。したがって、隣り合う動
圧発生溝の間の丘も矩形又は台形を有する。
【0004】
【解決しようとする課題】しかし、動圧発生溝及び丘の
軸方向の断面形状が矩形又は台形であると、回転子の回
転開始時又は停止開始時に丘がこれと対向する軸受面に
接触して、大きな摩擦トルクが丘及びこれと対向する軸
受面に作用し、それによりこの軸受を用いた電動機の消
費電力が増大する、という課題を有していた。軸受け面
の摩耗を防止すべく、丘の幅を狭くして、対抗する軸受
面との接触面積を小さくすると、大きな動圧を得ること
ができない。
【0005】それゆえに、流体動圧軸受においては、軸
受面の摩擦トルクを低下させ、かつ、発生可能の動圧を
大きくするすることが重要である。
【0006】
【解決手段、作用及び効果】本発明に係る流体動圧軸受
は、複数の動圧発生溝と、隣り合う動圧発生溝の間の丘
とを、互いに対向する一対の軸受面の少なくとも一方に
有する。前記丘は、前記動圧発生溝の長手方向へ伸びる
1以上の第1の突部と、該突部が形成されていない残部
領域とを有する。
【0007】回転子が固定子に対して回転されると、軸
受の流体は、動圧発生溝内を移動するのみならず、丘及
びこれと対向する軸受面間を通って丘を横切る方向へ移
動する。しかし、第1の突部は、流体が丘を横切る方向
へ円滑に移動することを妨げる。これにより、第1の突
部を丘に有する流体動圧軸受は、そのような突部を丘に
有していない流体動圧軸受に比べ、大きな動圧を発生す
ることが可能である。
【0008】回転子の回転開始時及び停止開始時、第1
の突部がこれと対向する軸受面に接触して、摩擦トルク
が突部及びこれと対向する軸受面に作用する。しかし、
第1の突部の幅寸法が丘のそれより小さいから、突部及
びこれと対向する軸受面に作用する摩擦トルクは、その
ような突部を丘に有していない流体動圧軸受に比べ、著
しく小さい。その結果、第1の突部と、これと対向する
軸受面との間のクリアランスを小さくすることにより、
第1の突部及びこれと対向する軸受面に作用する摩擦ト
ルクが大きくならないにもかかわらず、より大きな動圧
を発生可能の構造とすることができる。
【0009】それゆえに、本発明の流体動圧軸受によれ
ば、動圧発生溝の長手方向へ伸びる1以上の第1の突部
を丘に有するから、軸受面の摩擦トルクを低下させるこ
とができると共に、発生可能の動圧を大きくすることが
できる。
【0010】前記丘は動圧が小さい側の端部を前記丘の
幅方向へ伸びて前記第1の突部に続く第2の突部を有す
ることができる。このようにすれば、第2の突部が丘及
びこれと対向する軸受面間を丘の動圧の小さい側へ移動
しようとする流体の妨げになるから、より大きな動圧を
発生可能になる。
【0011】前記丘は、その幅方向に間隔をおいて前記
動圧発生溝の長手方向へ伸びる複数の前記第1の突部を
有することができる。このようにすれば、各第1の突部
が丘をその幅方向へ横切って移動しようとする流体をよ
り確実に妨げるから、より大きな動圧を発生可能にな
る。
【0012】前記軸受面は動圧が最大となる環状領域で
あって前記残部領域の一端が続く環状領域を有し、前記
動圧発生溝からの前記残部領域の高さ寸法であって前記
残部領域の一端が続く前記環状領域の側の部位の高さ寸
法は前記動圧発生溝からの前記環状領域の高さ寸法とほ
ぼ同じであってもよい。このようにすれば、従来の動圧
発生溝を用いた場合に比べ、丘の残部領域においてより
大きな動圧が発生する。
【0013】上記の場合、前記動圧発生溝はへリングボ
ーン溝及びスパイラル溝のいずれであってもよい。
【0014】好ましい一実施例においては、前記丘は、
その幅方向に間隔をおいて前記動圧発生溝の長手方向へ
伸びる複数の第1の突部と、動圧が小さい側の端部を前
記丘の幅方向へ伸びて前記第1の突部に続く第2の突部
と、前記第1及び第2の突部を除く前記丘の残部領域と
により、複数段の構造とされている。
【0015】前記第1及び第2の突部により囲まれた空
間は動圧が最大となる側に開放されていてもよい。この
ようにすれば、従来の流体動圧軸受に比べ、その空間が
開放する領域において大きな動圧が発生する。
【0016】本発明に係る電動機は、回転子及び固定子
の一方に配置された永久磁石と、前記回転子及び前記固
定子の他方に配置された電機子と、前記回転子及び前記
固定子の間に配置された流体動圧軸受であって請求項1
から7のいずれか1項に記載の流体動圧軸受とを含む。
【0017】
【発明の実施の形態】図1を参照するに、電動機10
は、短い円筒状又はリング状の永久磁石12と、この永
久磁石12の内側に配置された電機子14とを用いたス
ピンドルモータである。永久磁石12は、回転子18に
配置されており、また回転軸線20の周りに回転され
る。電機子14は、固定子16に配置されている。
【0018】永久磁石12は、回転子18の回転半径方
向に磁化された複数の磁極部(図示せず)を回転軸線2
0の周りに有する。回転子18の回転方向に隣り合う磁
極部は、逆方向に磁化されている。各磁極部の内面は、
永久磁石12の極面として作用する。
【0019】電機子14は、珪素鋼板のような薄い金属
板からなる複数のコア部材を積層したコア22と、コア
22の各磁極部に巻かれた励磁コイル24とを有する。
固定子16は、皿状の形をしており、また取付ベースと
して作用する。
【0020】固定子16は、中央にボス部26をまた外
周部にフランジ部28をそれぞれ有しており、フランジ
部28において筐体のような適宜な部材にねじ止めされ
る。ボス部26は、上方に開放する空間を有する。電機
子14は、ボス部26の外周に相対的回転不能に組み付
けられている。
【0021】回転子18も、皿状の形をしている。回転
子18は、ボス部26に受け入れられたシャフト30を
中央部に有しており、また上向きの段部32を外周部に
有している。永久磁石12は、回転子18の内側に相対
的回転不能に装着されている。シャフト30は、図示の
例では回転軸として作用する。
【0022】シャフト30には、リング34が相対的回
転不能に取り付けられている。リング34は、ほぼ矩形
の断面形状を有しており、またボス部26とボス部26
の上部に配置されたリング状の補助部材36とにより形
成された環状の凹所38に受け入れられている。補助部
材36は、ボス部26に相対的回転不能に組み付けられ
ている。
【0023】回転軸線20の方向における凹所38の両
内面(上下面)とリング34の対応する両面(上下面)
との間はスラスト動圧軸受領域40,42とされてお
り、凹所38の奥底面(内周面)とリング34の外周面
との間はラジアル動圧軸受領域44とされている。この
ため、電動機10は、2組のスラスト軸受面と1組のラ
ジアル軸受面とを有する。それらの動圧軸受領域40,
42,44には、空気や潤滑油のような動圧発生用の流
体が充填されている。
【0024】図2から図4に示すように、各組の一方の
スラスト軸受面には、複数のスラスト動圧発生溝46が
形成されている。回転子側に形成されている場合のこの
スラスト軸受面の回転方向を図2に矢印Aで示す。
【0025】動圧発生溝46は、へリングボーン溝であ
り、スラスト動圧軸受面の外側領域と内側領域とに形成
されている。周方向に隣り合う動圧発生溝46の間の領
域は、それらの動圧発生溝46を形成するランドすなわ
ち丘48であり、動圧発生溝46の長手方向へ伸びてい
る。
【0026】丘48も、半径方向における中間の環状領
域50を間に外側領域と内側領域とに形成されている。
外側及び内側の動圧発生溝46は、それぞれ、スラスト
軸受面の外周領域及び内周領域と環状領域50とに連通
されている。
【0027】各丘48は、その幅方向に間隔をおいて動
圧発生溝46の長手方向へ伸びる複数の第1の突部52
と、動圧が小さい側の端部を丘48の幅方向へ伸びて第
1の突部52に続く第2の突部54と、第1及び第2の
突部52,54を除く丘の残部領域56とにより、2段
の構造とされている。外側領域の各丘48は第2の突部
54を外周側に有しており、内側領域の各丘48は第2
の突部54を内周側に有している。
【0028】図3に、動圧発生溝46からの第1及び第
2の突部52,54の高さ寸法(=動圧発生溝46の深
さ寸法)をH1で示し、残部領域56からの突部52,
54の高さ寸法をH2で示し、対向する軸受面からの突
部52,54の高さ寸法(すなわち、クリアランス)を
H3で示し、溝のピッチをW0で示し、溝、丘、残部領域
及び突部の幅寸法をそれぞれW1,W2,W3及びW4で
示す。
【0029】図5に示すように、一方のラジアル軸受面
には、複数のラジアル動圧発生溝58と、複数の丘60
とが周方向に交互に形成されている。回転子側に形成さ
れている場合のこのラジアル軸受面の回転方向を図5に
矢印Aで示す。
【0030】動圧発生溝58も、動圧発生溝46と同様
に、へリングボーン溝であり、また上部と下部とに形成
されている。ランドすなわち丘60も半径方向における
中間の環状領域62を間に上部と下部とに形成されてい
る。上側及び下側の動圧発生溝46は、それぞれ、ラジ
アル軸受面の上方領域及び下方領域と環状の領域62と
に連通されている。
【0031】丘48と同様に、各丘60も、複数の第1
の突部64と、第2の突部66と、残部領域68とによ
り、2段の構造とされている。第1及び第2の突部64
及び66並びに残部領域68は、それぞれ、第1及び第
2の突部52及び54並びに残部領域56と同様の、形
状、構造、寸法及び機能を有する。
【0032】上側及び下側の第2の突部66は、それぞ
れ、ラジアル軸受面の上端及び下端に形成されている。
各残部領域68は、動圧が最大となる側(図示の例で
は、環状領域62)に開放されている。
【0033】図4に示す例では、環状領域50と残部領
域56とは面一に形成されておおり、また突部52,5
4と残部領域56とにより形成される凹所は動圧が最大
となる環状領域50に開放されている。同様に図5に示
す例では、環状領域62と残部領域68とは面一に形成
されており、また突部64,66と残部領域68とによ
り形成される凹所は動圧が最大となる環状領域62に開
放されている。このため、動圧発生溝46は環状領域5
0及び残部領域56より低く、動圧発生溝58は環状領
域62及び残部領域68より低い。
【0034】使用時、1以上のハードディスク70が回
転子18の上向き段部32に重ねて配置される。所定周
波数を有する三相の駆動電流が電機子14の励磁コイル
24に所定の位相で供給されると、電機子14により形
成される回転磁場と永久磁石12からの磁場との相互作
用により、回転子18が回転される。
【0035】回転子18が回転されると、動圧発生用の
流体は、動圧発生溝46,58内を移動するのみなら
ず、丘48又は60及びこれと対向する軸受面間を移動
する。
【0036】しかし、両第1の突部52は流体が丘48
を横切る方向へ円滑に移動することを2重に妨げ、他の
両第1の突部64は流体が丘60を横切る方向へ円滑に
移動することを2重に妨げる。また、第2の突部54及
び66は、それぞれ、丘48及び60と、これと対向す
る軸受面との間を動圧が低い側へ移動しようとする流体
を妨げる。それらの結果、第1の突部52及び64並び
に第2の突部54及び66を丘48及び60にそれぞれ
有する流体動圧軸受は、そのような突部を丘に有してい
ない流体動圧軸受に比べ、大きな動圧を発生可能であ
る。
【0037】回転子18の回転開始時及び停止開始時、
第1の突部52及び64並びに第2の突部54及び66
は、それぞれ、これらと対向する軸受面に接触して、摩
擦トルクが突部52,54,64,66及びこれらと対
向する軸受面に作用する。
【0038】しかし、突部52,54,64,66の幅
寸法が丘48,60のそれより小さいから、突部52,
54,64,66及びこれと対向する軸受面に作用する
摩擦トルクは、そのような突部を丘に有していない流体
動圧軸受に比べ、著しく小さい。その結果、丘48,6
0及び突部52,54,64,66と、これらと対向す
る軸受面との間のクリアランスを小さくすることによ
り、突部52,54,64,66及びこれらと対向する
軸受面に作用する摩擦トルクが大きくならないにもかか
わらず、より大きな動圧を発生可能の構造とすることが
できる。
【0039】それゆえに、上記のような流体動圧軸受に
よれば、軸受面の摩擦トルクを低下させることができる
と共に、発生可能の動圧を大きくするすることができ
る。例えば、対向する軸受面に接触する箇所の面積を3
分の1から10分の1程度に低減させると、回転開始時
停止開始時の摩擦トルクは3分の1から10分の1以下
に低減し、回転開始時及び停止開始時の消費電力は低減
するが、発生する動圧を3から10%大きくすることが
できる。
【0040】スラスト動圧発生溝及びラジアル動圧発生
溝は、いずれも、へリングボーン溝以外の形状を有する
溝、例えばスパイラル溝であってもよい。本発明をスラ
スト動圧発生溝としてのスパイラル溝に適用した実施例
を図6に示す。
【0041】図6を参照するに、スラスト軸受面の外周
部には、複数のラジアル動圧発生溝72と複数の丘74
とが中央の環状領域76の周りに周方向に交互に形成さ
れている。動圧発生溝72は、スラスト軸受面の外側領
域に連通されている。各丘74は、複数の第1の突部8
0と、第2の突部82と、残部領域84とにより、2段
の構造とされている。
【0042】環状領域76と残部領域84とは、面一に
形成されている。動圧発生溝72は、動圧が最大となる
側において隣り合う丘74の第1の突部82を続く第3
の突部86により環状領域78に対して閉鎖されてい
る。
【0043】第1及び第2の突部80及び82並びに残
部領域84は、それぞれ、第1及び第2の突部52及び
54並びに残部領域56と同様の、形状、構造、寸法及
び機能を有する。第2の突部82は、それぞれ、動圧が
最小となる外周側に形成されている。各残部領域84
は、動圧が最大となる側(図示の例では、環状領域7
8)に開放されている。第3の突部86は、第1及び第
2の突部80,82と同様の、形状、構造及び寸法を有
する。
【0044】動圧が軸受面の外周側において最大になる
スパイラル溝の場合、動圧発生溝が形成されない環状領
域は、動圧発生溝及び丘が形成された領域の周りに形成
される。この場合、動圧発生溝はスラスト軸受面の内側
領域に連通されているが、各丘の第2の突部は内周側に
設けられ、隣り合う丘の第1の突部に続く第3の突部は
外周側に設けられ、各動圧発生溝は第3の突部により外
周側において外周側の環状領域に対し閉じられる。
【0045】動圧発生溝として、スパイラル溝を用いた
場合も、へリングボーン溝を用いた場合と同様の効果を
奏するほか、各動圧発生溝72が動圧が最大になる側に
おいて第3の突起86により閉鎖されているから、各動
圧発生溝72内における動圧がより高くなる。
【0046】ステンレス製のスラスト円板の上に、図3
に示すように、溝のピッチW0が180μm、溝の幅寸
法W1及び丘の幅寸法W2が90μm、溝幅比W1/W0が
0.5、溝の深さ寸法H1が5μm、溝の角度が18度
のへリングボーン溝をエッチング加工により形成した。
そのようにして得た各丘に、深さ寸法H2が1mm、寸
法W4が20μmの溝をエッチング加工により形成し
て、図2から図4に示す第1及び第2の突部を形成する
修正を行った。
【0047】そのように作成したスラスト動圧発生溝
は、丘を修正しない従来の動圧発生溝に比べ、溝ピッチ
W0、溝幅比W1/W0、溝深さ寸法H1、及び対向する軸
受面までの高さ寸法H3が同じであるにもかかわらず、
負荷容量が12%向上した。
【0048】丘の修正深さ寸法H2は0.3μm以上で
あることが好ましく、溝の深さ寸法H1が3〜10μm
である場合、H2は2μm以下とすることが好ましい。
【0049】図7に丘48を代表して示すように、各丘
の頂面に一対の第1の突部を設ける代わりに、(A)に
示すように各丘にその幅方向に間隔をおいた3以上の第
1の突部52を設けてもよいし、(B)に示すように各
丘に1つの第1の突部52を設けてもよく、さらには
(C)に示すように崩れた形状の丘であってもよいし、
(D)に示すように丘の残部領域に1以上の突起88が
存在していてもよい。
【0050】図7に示すいずれの実施例の場合も、第1
の突部は丘の幅方向における適宜な箇所に設けることが
できる。また、各丘の頂面を3段以上の複数段構造にし
てもよい。(B)に示す実施例の場合、第1の突部は流
体の移動方向下流側(回転子の回転方向後方側)に配置
することが好ましい。
【0051】へリングボーン溝、スパイラル溝等、いず
れの動発発生溝においても、動圧発生溝と環状領域とを
面一にしてもよく、また丘の残部領域を、動圧発生溝か
らの高さ寸法が動圧の高い側の部位ほど大きく又は小さ
くなる傾斜面としてもよく、さらに第2の突部を設けな
くてもよい。
【0052】へリングボーン溝において、隣り合う丘の
第1の突部を動圧が最大となる環状領域の側において第
3の突部により接続することにより、各動圧発生溝を動
圧が最大になる側の端部において環状領域から離しても
よい。また、隣り合う丘の第1の突部を動圧が最大とな
る環状領域の側において第3の突部により接続しなくて
もよい。
【0053】本発明は、上記実施例に限定されず、その
趣旨を逸脱しない限り、種々変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電動機の一実施例を示す断面図
【図2】本発明に係る動圧軸受で用いるスラスト動圧発
生溝の一実施例を示す図
【図3】図2における3−3線に沿って得た断面図
【図4】図3における4−4線に沿って得た断面図
【図5】本発明に係る動圧軸受で用いるラジアル動圧発
生溝の一実施例を示す展開図
【図6】本発明に係る動圧軸受で用いるスラスト動圧発
生溝の他の実施例を示す図
【図7】丘の各種の形状の実施例を示す断面図
【符号の説明】
10 電動機(スピンドルモータ) 12 永久磁石 14 電機子 16 固定子 18 回転子 20 回転軸線 26 ボス部 30 シャフト 34 リング 36 補助部材 38 凹所 40,42 スラスト動圧軸受領域 44 ラジアル動圧軸受領域 46,58,72 動圧発生溝 48,60,74 丘 50,62,78 環状領域 52,64,80 第1の突部 54,66,82 第2の突部 56,68,84 残部領域 86 第3の突部
フロントページの続き (72)発明者 太田 敦司 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 セ イコーインスツルメンツ株式会社内 (72)発明者 似鳥 幸司 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 セ イコーインスツルメンツ株式会社内 Fターム(参考) 3J011 AA06 BA04 CA02 JA02 KA03 LA05 MA02 5H607 BB01 BB14 BB17 BB25 DD01 DD02 DD03 GG01 GG02 GG12 GG14 GG15 JJ05 5H621 GA01 HH01 JK17 JK19

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の動圧発生溝と、隣り合う動圧発生
    溝の間の丘とを、互いに対向する一対の軸受面の少なく
    とも一方に有する流体動圧軸受であって、前記丘は、前
    記動圧発生溝の長手方向へ伸びる1以上の第1の突部
    と、該突部が形成されていない残部領域とを有する、流
    体動圧軸受。
  2. 【請求項2】 前記丘はこれの幅方向へ伸びて前記第1
    の突部に続く第2の突部を動圧が小さい側の端部に有す
    る、請求項1に記載の流体動圧軸受。
  3. 【請求項3】 前記丘は、その幅方向に間隔をおいて前
    記動圧発生溝の長手方向へ伸びる複数の前記第1の突部
    を有する、請求項1又は2に記載の流体動圧軸受。
  4. 【請求項4】 前記軸受面は動圧が最大となる環状領域
    であって前記残部領域の一端が続く環状領域を有し、前
    記動圧発生溝の底からの前記残部領域の高さ寸法であっ
    て前記環状領域の側の部位の高さ寸法は前記動圧発生溝
    からの前記環状領域の高さ寸法とほぼ同じである、請求
    項1,2又は3に記載の流体動圧軸受。
  5. 【請求項5】 前記動圧発生溝はへリングボーン溝又は
    スパイラル溝である、請求項4に記載の流体動圧軸受。
  6. 【請求項6】 前記第1及び第2の突部により囲まれた
    空間は動圧が最大となる側に開放されている、請求項1
    から5のいずれか1項に記載の流体動圧軸受。
  7. 【請求項7】 回転子及び固定子の一方に配置された永
    久磁石と、前記回転子及び前記固定子の他方に配置され
    た電機子と、前記回転子及び前記固定子の間に配置され
    た流体動圧軸受であって請求項1から7のいずれか1項
    に記載の流体動圧軸受とを含む、電動機。
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