JP2001123504A - 温水洗浄装置、そのノズル及びノズル本体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造コストが低減されるノズル本体と、この
ノズル本体を採用したノズル及び温水洗浄装置を提供す
ることを目的とする。 【解決手段】 ノズル本体１は、基端部２と、該基端部
２に取り付けられた先端部３とを有する。基端部２の後
端は、ピストン部４が設けられ、シリンダ内に挿入配置
される。この基端部２の先端からは小径筒状の突部５が
同軸状に突設されており、先端部３の後端側が該突部５
に外嵌する。長い先端部３Ｂを基端部２に連結すること
によりビデノズル用ノズル本体が得られる。短い先端部
３Ａを基端部２に連結することによりシャワーノズル用
ノズル本体が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、人体臀部を温水で
洗浄するための温水洗浄装置（衛生洗浄装置、局部洗浄
装置等と称されることもある。）に関する。また、本発
明は、この温水洗浄装置のノズルおよびノズル本体に関
する。

【０００２】

【従来の技術】洋風便器などの便器に温水洗浄装置を設
置し、用便後等に臀部を温水で洗浄可能としたトイレ設
備が急速に普及しつつある。この温水洗浄装置は、多く
の場合、シリンダ及び該シリンダの先端から突出自在な
ノズル本体を有した洗浄ノズルを備えている。このシリ
ンダの後部に温水を供給すると、この水圧によってノズ
ル本体が前進してシリンダから突出し、その先端から温
水が噴出して臀部が洗浄される。なお、このような水圧
によるノズル本体の前進機構の代わりに、モータ等の駆
動装置を採用した温水洗浄装置も用いられている。本発
明は、水圧前進式及び駆動装置式のいずれにも適用でき
るものである。

【０００３】上記の水圧前進式のノズルを有した温水洗
浄装置の従来例について第２図を参照して説明する。

【０００４】この温水洗浄装置は、第１洗浄ノズル１０
と第２洗浄ノズル２０とを備えている。各洗浄ノズル１
０，２０は、シリンダ１２，２２と、該シリンダ１２，
２２の先端から突出可能なノズル本体１４，２４とを備
えており、ノズル本体１４，２４の先端部の上面に温水
の噴出孔１４ａ，２４ａ（２４ａは図示略）が設けられ
ている。また、ノズル本体１４，２４の先端面には摘み
１４ｂ，２４ｂが設けられており、この摘み１４ｂ，２
４ｂを摘んでノズル本体１４，２４を引張り出すことが
可能となっている。シリンダ１２，２２内にはリターン
スプリング（図示略）が設けられており、ノズル本体１
４，２４をシリンダ１２，２２内に後退させるように付
勢している。

【０００５】シリンダ１２，２２の後部に第１フィード
パイプ１６と第２フィードパイプ２６を介して切替装置
３０が接続されている。この切替装置３０は、ステップ
モータ３２と弁機構３４とを備えており、フィードホー
ス３８からの温水を第１フィードパイプ１６及び第２フ
ィードパイプ２６のいずれかに分配するよう構成されて
いる。フィードホース３８の上流端は温水タンクに接続
されている。

【０００６】切替装置３０によって温水が第１フィード
パイプ１６から第１シリンダ１２に供給された場合、第
１ノズル本体１４が前進し、噴出口１４ａから温水が噴
出して臀部の肛門洗浄（所謂シャワー洗浄）が行われ
る。

【０００７】切替装置３０によって温水が第２フィード
パイプ２６から第２シリンダ２２に供給された場合、第
２ノズル本体２４が前進し、噴出口２４ａから温水が噴
出し、ビデ洗浄が行われる。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】上記のノズル１０，２
０のノズル本体１４，２４は、ノズル本体２４の方が若
干長いものとなっており、ノズル本体２４を前進限まで
突出させたときの噴出孔２４ａの位置がノズル本体１４
を前進限まで突出させたときの噴出孔１４ａの位置より
も若干前方となるよう構成されている。

【０００９】また、近年種々の噴水形態のノズルが望ま
れており、需要者のニーズに対応して噴出孔の数や口径
の異なるノズルが提供されている。

【００１０】このようなことから、ノズル本体の品種が
多くなり、その製造コストも嵩んでいた。本発明は、こ
の製造コストが低減されるノズル本体と、このノズル本
体を採用したノズル及び温水洗浄装置を提供することを
目的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明のノズル本体は、
洋風便器に設置され、温水を人体に向けて噴出する温水
洗浄装置のノズルのノズル本体において、筒状の基端部
と、温水噴出孔を有した先端部とが別体であり、該基端
部に対し先端部が取り付けられており、複数種類のノズ
ル本体において該基端部を共通としたことを特徴とする
ものである。

【００１２】かかるノズル本体にあっては、種々のノズ
ル本体の基端部を共通化し、先端部のみを当該ノズル本
体固有の形状、噴出孔数、噴出孔口径等の特性を具備し
たものとすることができる。

【００１３】このように基端部を共通化することによ
り、基端部の製造コストが大幅に低下し、ノズル本体全
体としても製造コストが低減される。

【００１４】また、先端部を基端部に対し着脱可能とし
ておくことにより、汚れが付いた先端部を新品のものと
交換したり、既設のノズルのノズル本体の先端部を別の
タイプの先端部に交換したりすることもできる。

【００１５】このノズル本体の基端部に対し先端部を取
り付けるには、例えばノズル本体の該基端部と該先端部
との一方から小径筒状の突部が同軸的に突設され、他方
が該突部に外嵌している構成とするのが好ましい。

【００１６】本発明のノズルは、洋風便器に設置され、
温水を人体に向けて噴出する温水洗浄装置のノズルであ
って、シリンダと、該シリンダから前方へ突出可能なノ
ズル本体とを有する温水洗浄装置のノズルにおいて、該
ノズル本体としてかかる本発明のノズル本体を採用した
ものである。

【００１７】本発明の温水洗浄装置は、洋風便器に設置
され、温水を人体に向けて噴出するノズルを有した温水
洗浄装置において、該ノズルとしてかかるノズルを採用
したものである。

【００１８】

【発明の実施の形態】以下、第１図を参照して実施の形
態に係るノズル本体について説明する。

【００１９】このノズル本体１は、基端部２と、該基端
部２に取り付けられた先端部３とを有する。基端部２の
後端は、ピストン部４が設けられ、シリンダ（図示略）
内に挿入配置される。

【００２０】この基端部２の先端からは小径筒状の突部
５が同軸状に突設されており、先端部３の後端側が該突
部５に外嵌する。突部５の外周面には凹溝６が周囲に設
けられており、この凹部６にＯリング（図示略）が装着
される。このＯリングが先端部３の内周面に水密的に且
つきつく当たることにより、先端部３が突部５にきつく
嵌まり、先端部３が基端部２にしっかりと連結される。
なお、先端部３を強く引くことにより先端部３を突部５
から離脱させることができるが、通常の水圧がかかった
だけでは先端部３は突部５から脱落することは全くな
い。符号８は摘みを示す。

【００２１】第１図においては、先端部３として長さの
短いもの３Ａと長さの長いもの３Ｂとの２種類が図示さ
れている。この長い先端部３Ｂを基端部２に連結するこ
とによりビデノズル用ノズル本体が得られる。短い先端
部３Ａを基端部２に連結することによりシャワーノズル
用ノズル本体が得られる。なお、先端部３Ａ、３Ｂとで
は噴出孔７の数も異なっているが、噴出孔７の数は同一
であってもよい。また、噴出孔７の配置や口径等を種々
異ならせた先端部を基端部２に連結して別の噴水形態の
ノズルを得ることもできる。

【００２２】本発明のノズルは、このようなノズル本体
をシリンダ（図示略）に対し該シリンダ先端から前方へ
突出可能としたものであり、本発明の温水洗浄装置はか
かるノズルを備えたものである。このノズル及び温水洗
浄装置の構成それ自体は例えば第２図の通りとすること
ができる。

【００２３】上記実施の形態では基端部２の先端に突部
６を設けているが、先端部３の後端に突部を設けてもよ
い。上記実施の形態では水圧前進限式のノズル本体が示
されているが、例えばモータとラックアンドビニオン機
構等によってノズル本体を前進、後退させる方式のノズ
ルについても本発明を適用できる。

【００２４】第２図では２本のノズルを採用した温水洗
浄装置が示されているが、ノズルは１本だけでもよく、
また３本以上のノズルを備えた温水洗浄装置についても
本発明を適用できる。

【００２５】上記実施の形態ではノズル本体の先端部を
基端部に対し着脱可能としているが、例えば超音波溶着
や接着などにより着脱不能に固着してもよい。このよう
にすればきわめて堅固なノズル本体が得られる。

【００２６】

【発明の効果】以上の通り、本発明によれば基端部と先
端部とが別々に製作されたノズル本体が提供され、ノズ
ル本体の製造コストの低減、基端部の生産性向上が実現
される。また、これによりノズル及び温水洗浄装置のコ
スト削減も可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施の形態に係る温水洗浄装置のノズル本体の
斜視図である。

【図２】従来の温水洗浄装置の斜視図である。

【符号の説明】

１ ノズル本体 ２ 基端部 ３ 先端部 ４ ピストン部 ５ 突部 ６ 凹溝 ７ 噴出孔 １０ 第１洗浄ノズル ２０ 第２洗浄ノズル

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井戸田 貴則 愛知県常滑市鯉江本町５丁目１番地 株式 会社イナックス内 Ｆターム(参考） 2D038 JA01 JA03 JA05 JB00 JF00

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 洋風便器に設置され、温水を人体に向け
   て噴出する温水洗浄装置のノズルのノズル本体におい
   て、 筒状の基端部と、温水噴出孔を有した先端部とが別体で
   あり、該基端部に対し先端部が取り付けられており、複
   数種類のノズル本体において該基端部を共通としたこと
   を特徴とする温水洗浄装置のノズル本体。
2. 【請求項２】 請求項１において、ノズル本体の該基端
   部に対し該先端部が着脱可能に取り付けられていること
   を特徴とする温水洗浄装置のノズル本体。
3. 【請求項３】 請求項１又は２において、ノズル本体の
   該基端部と該先端部との一方から小径筒状の突部が同軸
   的に突設され、他方が該突部に外嵌していることを特徴
   とする温水洗浄装置のノズル本体。
4. 【請求項４】 洋風便器に設置され、温水を人体に向け
   て噴出する温水洗浄装置のノズルであって、シリンダ
   と、該シリンダから前方へ突出可能なノズル本体とを有
   する温水洗浄装置のノズルにおいて、該ノズル本体が請
   求項１ないし３のいずれか１項のノズル本体であること
   を特徴とする温水洗浄装置のノズル。
5. 【請求項５】 洋風便器に設置され、温水を人体に向け
   て噴出するノズルを有した温水洗浄装置において、該ノ
   ズルが請求項４のノズルであることを特徴とする温水洗
   浄装置。