JP3583232B2 - 衛生洗浄装置 - Google Patents

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JP3583232B2
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晃 大石
伸悟 関
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東陶機器株式会社
株式会社パンウォシュレット
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、2つの洗浄水噴射孔を先端に設けたピストン状のノズル筒を、ばね力により後退付勢状態でシリンダ内に収め、シリンダ内に流入させた与圧洗浄水により、ノズル筒を前進させる型式の、便器に組付けて用いる衛生洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記の構成を備えた衛生洗浄装置の一例が、「実公平3−12857」に開示されている。
この先願装置は、ノズル筒の前進時に、シリンダ内に供給した与圧洗浄水が、ノズル筒とシリンダの先端部との隙間から前方に吹き出て、ノズル筒の先端部分の汚れを洗い落とすようになっている。
又、これとは別の、先行技術のものは、ノズル筒の前進用と、洗浄水の流路切換用の2つのモータを用いている。
更に、「実公昭63−860」に開示された洗浄装置は、シリンダ内に流入させる与圧水の水圧を切換えることによって、ノズル筒の先端を、主洗浄とビデ洗浄との2つの位置に選択的に進出させるようにしている。
この洗浄装置は、又、シリンダの周壁に乾燥用温風と洗浄水の各供給口を設け、一方、ノズル筒の周壁には夫々の流入口を設け、ノズル筒の進出位置の如何に応じて、ノズル筒の先端部から洗浄水又は温風が選択的に噴出するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
然しながら、「実公平3−12857」の装置は、ノズル筒の前進時に、その洗浄用水が思わぬ方向に吹き出て不始末を招くことも起こり得る。又、ノズルの前進途中で、洗浄用水の一部が噴射孔からも噴き出す不都合が生ずる可能性もある。
そして、2つのモータを使うものは、製作と保守に余分の手間と経費が嵩むことになる。
更に、「実公昭63−860」のものは、洗浄水の流路切換用と水圧切換用の2つの弁機構を要するので、装置が複雑になる。
或は、噴射孔からの噴水量乃至は噴射圧の調節をより簡易に行えるようにすることも望ましい。
【0004】
そこで本発明の目的は、ノズル筒の洗浄時に与圧水がシリンダとノズル筒との隙間から吹き出る不都合を生ぜず、又、装置の作動用モータや洗浄水の流路切換弁は1つで足り、且つ、噴射孔からの噴水量乃至は噴射圧も簡易に調節できるようにした、便器に組付けて用いる為の衛生洗浄装置を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成する為の、本発明による衛生洗浄装置は、
先端に2つの噴射孔を設けたピストン状のノズル筒を、圧縮ばねにより後退させた状態でシリンダ内に収め、洗浄水の水圧によりノズル筒を使用位置に前進させるようにしたものであって、
固定シリンダ1に、第2圧縮ばね18により後退付勢された可動シリンダ2を収め、該可動シリンダ2に、第1圧縮ばね11により後退付勢されたノズル筒3を収めた構成を備えており、
ノズル筒3内の長手方向には、先端の第1噴射孔6及び第2噴射孔7に夫々連通する第1通水路4及び第2通水路5を設けると共に、外周面には、第1、第2通水路4,5に夫々導通する第1流入口9及び第2流入口10を、筒軸方向に所定間隔を隔てて設け、第1、第2流入口9、10に選択的に導通させる導水路を内周面に備えると共に、該導水路に連通する第2送水口23を備えた給水用スリーブ20を、ノズル筒3の外周面に水
密に摺接させ得る状態で固設し、
固定シリンダ1には、ノズル筒3の前進用の第1送水口12及び可動シリンダ2の前進用の第3送水口19を設け、
第1噴射孔6からの噴射時には、第1、第2送水口12、23に与圧洗浄水を供給し、第2噴射口7からの噴射時には、第1〜第3送水口12,23及び19に夫々与圧洗浄水を供給する流路切替弁102、及びその制御部を設けたことを特徴とする。
そして、給水用スリーブ20には、ノズル筒3の後退時に、第1、第2噴射孔6、7の上部を覆い得るカバー体25を取着すると共に、可動シリンダ2に、ノズル筒3のクリーニング用の第4送水口16を設け、
流路切替弁102は、ノズル筒3のクリーニング時に、第4送水口16に供給した与圧洗浄水が、ノズル筒3の第1、第2流入口9、10を経て、第1、第2噴射孔6,7から噴出するように構成したことも特徴とする。
又、流路切替弁102は、弁座となる円筒状の摺接面31aをその内壁面に設けたケーシング31と、モータ35により回動される円筒状の弁体32とを備え、
摺接面31aを設けた側の壁面には、第1、第2送水口12、23と、第3送水口19と、第4送水口16とに夫々接続される、第1出水口33Aと、第2出水口33Bと、第3出水口33Cとを、筒軸方向に所定間隔を隔てて設け、対向する壁面には、与圧洗浄水の供給源に接続される入水口34を設け、
弁体32には、入水口34を、第1〜第3出水口33A〜33Cに選択的に導通させる為の通水溝が夫々の外周面に設けられて摺接面31aに摺接する、第1〜第3摺接ドラム32A〜32Cを設けたことも特徴とする。
摺接ドラム32Aに設けた通水溝e1,e2は、その横断面積が次第に増大又は減少するように形成するとよい。
更に、チューブ状の第1送水口12を、固定シリンダ1の後端面に貫通状に固着し、その先端側を、可動シリンダ2の後端面に設けた貫通孔13に水密状態で遊嵌させたことも特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照しながら本発明の一実施例を説明する。
図1は、本発明の衛生洗浄装置100(以下、単に装置と言う)の本体部分を、便器200の上面後部に取付けた状態を示している。105は、装置100の制御部である。
【0007】
装置100の全体構成を示した図2に於いて、101はノズル部で、固定シリンダ1内に組付けた可動シリンダ2には、ピストン状のノズル筒3を出没自在に収めている。
102は流路切換弁で、ノズル筒3の先端からの洗浄水の噴射モードを切換えると共に、ばねにより夫々後退付勢されている可動シリンダ2及びノズル筒3を前進させ、更には、ノズル筒3をクリーニングする洗浄水を供給する役割も果す。
103は温水タンクで、給水バルブ104を介して供給される与圧水道水を所望温度に加温する。
この温水は、流路切換弁102を介して、ノズル部101に供給される。
ノズル部101及び流路切換弁102の外観を、図3に側面図として、図4に上面視図として夫々示した。
【0008】
次に、ノズル部101の具体的な構造を、図5〜図7を参照しながら説明する。
斜め横向きに配設された、所定長さのノズル筒3の内部には、その長手方向に第1通水路4と、第2通水路5とを設けている。
ノズル筒3の先端部上面には、第1通水路4に連なる第1噴射孔6と、第2通水路5に連なる第2噴射孔7とを、幾分かの距離を隔てて開口させている。第1,第2通水路4,5の基端(図の右端)側は封鎖されている。
【0009】
ノズル筒3の基端には、可動シリンダ2の内壁面に摺接するピストン環8を突設している。
又、ノズル筒3の後部寄りの外周面には、第1通水路4及び第2通水路5に夫々連通する第1流入口9及び第2流入口10を、筒軸方向に所定距離を隔てて開口させている。
更に、ノズル筒3の後部には、後述する第1送水口12との干渉を避ける軸孔3aを設けている。
【0010】
その後部を可動シリンダ2内に遊嵌させたノズル筒3は、図5に示したように、可動シリンダ2の先端面とピストン環8との間に介在させた第1圧縮ばね11によって後退付勢されている。
【0011】
図6に示したように、可動シリンダ2の後端面2aの真ん中には、チューブ状の第1送水口12を遊嵌させる、貫通孔13を設けている。14は水密用パッキンである。
可動シリンダ2の周壁面部分には、逆止弁15を内蔵する第4送水口16を設けている。
又、可動シリンダ2の後端には、固定シリンダ1の内壁面に摺接するピストン環17を突設している。
【0012】
その後部を固定シリンダ1内に遊嵌させた可動シリンダ2は、図7に示したように、固定シリンダ1の先端面とピストン環17との間に介在させた第2圧縮ばね18によって後退付勢されている。
固定シリンダ1の後端面1aには、可動シリンダ2を前進させる為の与圧洗浄水を供給する第3送水口19を設けている。
又、チューブ状の第1送水口12の基端側を、この後端面1aに貫通状態で固着させている。
【0013】
ノズル筒3には、図3〜図7に示したように、給水用スリーブ20を外嵌状態で組付けている。
この給水用スリーブ20は、第1流入口9又は第2流入口10に選択的に与圧洗浄水を流入させる役割を果すもので、図3,4に示したように、装置100の組付用フレーム21の所定位置に、支持部材22を介して固定されている。
【0014】
図5〜図7に示したように、給水用スリーブ20に設けた第2送水口23は、後述するようにノズル筒3を前後動させると、スリーブの内周面に形成した導通路を介して、第1,第2流入口9,10のいずれか一方に連通するようになっている。24は水密用パッキンである。
【0015】
給水用スリーブ20の先端側には、図3〜図5に仮想線で示したように、カバー体25を取着している。
このカバー体25は、ノズル筒3の後退時に、その先端の第1,第2噴射孔6,7の上方に覆い被さる状態で組付けている。従って、組付用フレーム21に取着しても勿論よい。
【0016】
次に、流路切換弁102の構造を、図8〜図10を参照しながら説明する。
ロータリー弁の形態を備えた流路切換弁102は、そのケーシング31の内壁面に形成した円筒状の摺接面(弁座)31aに、モータ35により回動される円柱状の弁体32を当接させた構成を備えている。
【0017】
図8,図10に示したように、弁体32の外周面には、軸方向の所定間隔を隔てた2箇所に、環状溝cを設けている。
これによって、弁体32の外周面には、軸方向の所定間隔を隔てた3箇所に、摺接面31aに夫々摺接させる、第1摺接ドラム32A、第2摺接ドラム32B及び第3摺接ドラム32Cを形成させている。
【0018】
そして、図9の(a)及び図8,図10に示したように、第1摺接ドラム32Aの外周面には、その1箇所に、隣の環状溝cと導通する横溝(通水溝)dを軸方向に設けている。
更に、この横溝dの両側縁には、周方向に延びる所定長さのV形溝(通水溝)e1,e2を夫々先細り状に連設している。このV形溝の深さは、尖端側に向けて次第に浅くしている。
【0019】
第2摺接ドラム32Bの外周面には、図9の(b)及び図8,図10に示したように、その1箇所に、両隣の環状溝cと導通する横溝(通水溝)fを軸方向に設けている。更に、所定長さの縦溝(通水溝)gを、その一端が横溝fと連通する状態で周方向に設けている。
【0020】
第3摺接ドラム32Cの外周面には、図9の(c)及び図10に示したように、その1箇所に、隣の環状溝cと連通する横溝(通水溝)hを軸方向に設けている。
【0021】
一方、ケーシング31の壁面には、摺接面31aを設けた部分に、第1〜第3摺接ドラム32A〜32Cの夫々の周方向に設けた上記の各溝と連通させ得る箇所に、第1出水口33A、第2出水口33B及び第3出水口33Cを設けている。
そして、摺接面31aと対向する側の壁面には、温水タンク103から延びる送水チューブ41(図2参照)を接続させる入水口34を設けている。
この入水口34は、後述するように、弁体32の回動位置の如何により、ポート36、環状溝c及び各摺接ドラム32A〜32Cに設けた通水溝e1,e2,g,hのいずれかを介して、第1〜第3出水口33A〜33Cの各れかに連通される。
【0022】
図2,図4に示したように、流路切換弁102の第1出水口33Aは、二股に別れた送水チューブ42を介して第1送水口12及び第2送水口23に連通し、第2出水口33Bは、送水チューブ43を介して第3送水口19に連通し、第3出水口33Cは、チューブ44を介して第4送水口16に夫々連通している。
【0023】
次に、装置100の作用を、各作動モード別に説明する。
先ず、局部洗浄を行う前に、ノズル筒3の先端部分を洗浄するクリーニングモードに就いて、図12を参照しながら説明する。
このモードでは、流路切換弁102の弁体32は、モータ35によって図示の位置に回動されている。
【0024】
この状態では、図12の(a),(b)に示したように、第1,第2出水口33A,33Bは、第1,第2摺接ドラム32A,32Bによって、入水口34との連通を断たれている。
その為、ノズル筒3及び可動シリンダ2は、夫々第1,第2圧縮ばね11,18により、後退位置(図5参照)に保持されている。
【0025】
一方、図12の(c)に示したように、第3摺接ドラム32Cの横溝hが、入水口34と第3出水口33Cとを連通させている。
その為、図4,5及び図11に示したように、送水チューブ44を経て第4送水口16に流入し、逆止弁15を押しのけながら可動シリンダ2の内空部aに流入した与圧洗浄水は、ノズル筒3に設けた第1,第2流入口9,10に流入したうえ、第1,第2通水路4,5をたどって、その末端の第1,第2噴射孔6,7から上向きに噴出する。
【0026】
この噴出水は、上方に設けられたカバー体25に衝突して下向きに跳ね返される。これによって、ノズル筒3の先端部分が汚れている場合には、この汚れを確実に洗い落とすことができる。
【0027】
次に、ノズル筒3を前進させ、第1噴射孔6から与圧洗浄水を噴射して、肛門周りを洗浄する主洗浄モードに就いて、ノズル筒3を進出させる段階の作用を、図13を参照しながら説明する。
この段階では、弁体32は、モータ35によって、図示の位置に右廻りに回動されている。
この状態では、図13の(b)及び(c)に示したように、第2摺接ドラム32B及び第3摺接ドラム32Cは、第2出水口33B及び第3出水口33Cを、入水口34に導通させない位置を占めている。
その為、可動シリンダ2の前進用の第3送水口19、及びノズル筒3の洗浄用の第4送水口16には与圧洗浄水は供給されない。
【0028】
一方、第1摺接ドラム33Aは、図13の(a)に示したように、その外周面に設けたV形溝e2の狭まった尖端側が、第1出水口33Aと入水口34とを導通させている。
その為、図4,6から理解されるように、二股に別れたチューブ42の一方の分岐端が接続された第1送水口12から、可動シリンダ2の内空部aに与圧洗浄水が流入し、ノズル筒3は、その水圧により第1圧縮ばね11の付勢力に抗して、主洗浄位置に向けて前進し始める。
【0029】
この前進段階では、二股に別れたチューブ42の他方の分岐端が接続された第2送水口23にも送水されるが、図5から理解されるように、この送水口23は、ノズル筒3の外周面によって封鎖されている。
その為、ノズル筒3の進出途中に、第1,第2噴射孔6,7から与圧洗浄水が噴き出てしまう不都合が生ずる恐れは全くない。
【0030】
そして、ノズル筒3が略前進し終えると、図6に示したように、第2送水口23がノズル筒3の第1流入口9に連通した状態になる。
その為、主洗浄モードでの噴射洗浄が穏やかに開始される。
【0031】
次に、主洗浄モードのもとで、強い噴射洗浄が行われる状態に就いて、図14を参照しながら説明する。
弁体32を、図13の状態から更に右廻りに回動させて行くと、図14の(a)に示したように、第1出水口33Aは、V形溝e2の狭まった尖端側との対向状態から、次第に拡開端側と対向する状態に移行して行く。
従って、第1噴射孔6からの洗浄水の噴射は、次第に最大噴射状態に移行する。
【0032】
次に、前述のクリーニングモードを経た後に、ビデ洗浄モードに移行する為の予備段階として、可動シリンダ2を前進させるビデ進出モードの作用を図15を参照しながら説明する。
このモードでは、弁体32は、モータ35によって左回りに図示の位置に回動されている。
【0033】
この状態では、図15の(a)に示したように、第1摺接ドラム32Aは、第1出水口33Aと入水口34との導通を断つ回動位置を占めるので、第1,第2送水口12,23には送水されない。従って、ノズル筒3は前進せず、又、第1,第2噴射孔6,7から洗浄水が噴出する恐れはない。
又、第3摺接ドラム32Cは、図15の(c)に示したように、第3出水口33Cと入水口34との導通を断つ位置に回動されているので、ノズル筒3の洗浄用の第4送水口16には、与圧洗浄水は供給されない。
【0034】
一方、第2摺接ドラム32Bが、図15の(b)に示したように、第2出水口33Bと入水口34とを導通させる。
これによって、送水チューブ43を介して第3送水口19に供給された与圧洗浄水が、可動シリンダ2を、後退付勢用の第2圧縮ばね18の付勢力にに抗して前進させる。
【0035】
次に、ビデ進出モードに続くビデ洗浄モードの作用を、その開始段階に就いて、図16を参照しながら説明する。
この段階では、弁体32は、モータ35によって、更に左回りに回動されて図示の状態にある。
この時、第3摺接ドラム32Cは、図16の(c)に示したように、第3出水口33Cと入水口34との導通を防いでいるので、ノズル筒3の洗浄用の第4送水口16には給水されない。
【0036】
一方、図16の(a)に示したように、第1摺接ドラム32AのV形溝e1の狭まった尖端側が、第1出水口33Aと入水口34とを導通させた状態になり、前述の如く、第1,第2送水口12,23に与圧洗浄水が送水される。
それに伴って、ノズル筒3が前進を開始する。然し、この進出途中の段階では、ノズル筒3の外周面の第2流入口10は、第2送水口23に連通していないので、第2噴射孔7に不用意に与圧洗浄水が供給されることはない。
【0037】
ノズル筒3が略前進し終えて、第2流入口10が第2送水口23と連通する位置に達すると、第2噴射孔7から与圧洗浄水が穏やかに噴射され始める。
このモードでは、図16の(b)の如く、第2摺接ドラム32Bが第2出水口33Bを入水口34に導通させているので、可動シリンダ2は、前モードに引き続き前進位置に保持される。
【0038】
弁体32が、モータ35によって更に左廻りに回動されて、ノズル筒3が進出し終えると、弁体32は図17に示した回動状態になる。
図17の(c)に示したように、第3摺接ドラム32Cは、ノズル筒3の洗浄用の第4送水口16への送水を前モードに引き続いて遮断している。
又、図17の(b)に示したように、第2摺接ドラム32Bは、前モードに引き続いて、第3送水口19への送水位置を占めており、可動シリンダ2は前進位置に保持される。
【0039】
一方、第1摺接ドラム32Aは、図17の(a)に示したように、V形溝e1の拡開側端が、第1出水口33Aに臨む位置に迄回動されているので、この時、第2噴射孔7からは、最も強く与圧洗浄水が噴射されて、強ビデ洗浄モードとなる。
【0040】
前記各洗浄モードを終了する時は、モータ35によって弁体32を左又は右廻りに図12の位置に回動させる。
これにより、第1,第2摺接ドラム32A,32Bが、図12の(a),(b)に示すように、第1,第2出水口33A,33Bと入水口34との導通を断つので、ノズル筒3及び可動シリンダ2は、圧縮ばね11,18の付勢力により、図5に示す状態に後退する。
【0041】
又、第3摺接ドラム32Cの横溝hが入水口34と第3出水口33Cとを連通させるので、送水チューブ44を経て第4送水口16に流入し、逆止弁15を押し退けながら可動シリンダ2の内空部aに流入した与圧洗浄水は、ノズル筒3に設けた第1,第2流入口9,10から第1,第2通水路4,5に流入し、各末端の第1,第2噴射孔6,7から上向きに噴出する。
この噴出水は、カバー体25に衝突して跳ね返り、ノズル筒3の先端部分を洗浄して次回の洗浄モードに備える。
【0042】
【発明の効果】
以上の説明によって明らかなように、本発明による衛生洗浄装置は、以下に列挙した如き実用上の優れた効果を奏する。
(a) ノズル筒が後退している状態で、ノズル筒の先端部分に設けた洗浄水噴射孔から与圧洗浄水を噴射させ、カバーに衝突して跳ね返った洗浄水により、ノズル筒の先端部分を洗浄するようにしたので、従来技術のように、ノズル筒の前進時に、ノズル筒の先端部分を洗浄する洗浄水が思わぬ方向に飛散して不始末を招くことを確実に防ぐことができる。
(b) 又、ノズル筒の前進中に、噴射孔から洗浄水が噴出してしまう恐れも無くなる。
(c) ノズル筒の前進動と、2つの噴射孔からの温水の選択的噴出と、更には、ノズル筒の洗浄水の噴射とを、1個のモータで制御できるので、その分、安価に提供できると共に、保守の手間も省ける。
(d) 弁体の摺接ドラムに設ける通水溝の形状選定の仕方によって、洗浄水の噴射量を簡易に調節できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すもので、衛生洗浄装置を取付けた便器の斜視図である。
【図2】同上、衛生洗浄装置の全体構成を示す模式図である。
【図3】同上、ノズル部及び流路切替弁の側面図である。
【図4】同上、図3の上面視図である。
【図5】同上、ノズル筒及び可動シリンダを後退させた状態で示すノズル部の横断面図である。
【図6】同上、ノズル筒を前進させた状態で示すノズル部の横断面図である。
【図7】同上、ノズル筒及び可動シリンダを前進させた状態で示すノズル部の横断面図である。
【図8】同上、流路切換弁の縦断面図である。
【図9】同上、図8のV−V線、W−W線及びX−X線に夫々対応した箇所で示す、弁体の各縦断面図である。
【図10】同上、弁体の斜視図である。
【図11】同上、第4送水口の近傍に於けるノズル部の拡大横断面図である。
【図12】同上、ノズル筒のクリーニングモードでの、流路切換弁の作動説明図である。
【図13】同上、主洗浄モードが進行し始めた段階での、流路切換弁の作動説明図である。
【図14】同上、主洗浄モードに移行し終えた段階での、流路切換弁の作動説明図である。
【図15】同上、可動シリンダを前進させるビデ進出モードでの、流路切換弁の作動説明図である。
【図16】同上、ビデ洗浄モードに移行し始めた段階での、流路切換弁の作動説明図である。
【図17】同上、ビデ浄モードに移行し終えた段階での、流路切換弁の作動説明図である。
【符号の説明】
100 装置(衛生洗浄装置)
101 ノズル部
102 流路切換弁
103 温水タンク
104 給水バルブ
105 制御部
200 便器
1 固定シリンダ
1a 後端面
2 可動シリンダ
2a 後端面
3 ノズル筒
4 第1通水路
5 第2通水路
6 第1噴射孔
7 第2噴射孔
8 ピストン環
9 第1流入口
10 第2流入口
11 第1圧縮ばね
12 第1送水口
13 貫通孔
14 パッキン
15 逆止弁
16 第4送水口
17 ピストン環
18 第2圧縮ばね
19 第3送水口
20 給水用スリーブ
21 組付用フレーム
22 支持部材
23 第2送水口
24 パッキン
25 カバー体
31 ケーシング
31a 摺接面
32 弁体
32A 第1摺接ドラム
32B 第2摺接ドラム
32C 第3摺接ドラム
33A 第1出水口
33B 第2出水口
33C 第3出水口
34 入水口
35 モータ
36 ポート
41〜44 送水チューブ
a,b 内空部
c 環状溝
d,f,h 横溝(通水溝)
e1,e2 V形溝(通水溝)
g 縦溝(通水溝)

Claims (5)

  1. 先端に2つの噴射孔を設けたピストン状のノズル筒を、圧縮ばねにより後退させた状態でシリンダ内に収め、洗浄水の水圧によりノズル筒を使用位置に前進させるようにしたものであって、
    固定シリンダ1に、第2圧縮ばね18により後退付勢された可動シリンダ2を収め、該可動シリンダ2に、第1圧縮ばね11により後退付勢されたノズル筒3を収めた構成を備えており、
    ノズル筒3内の長手方向には、先端の第1噴射孔6及び第2噴射孔7に夫々連通する第1通水路4及び第2通水路5を設けると共に、外周面には、第1、第2通水路4,5に夫々導通する第1流入口9及び第2流入口10を、筒軸方向に所定間隔を隔てて設け、第1、第2流入口9、10に選択的に導通させる導水路を内周面に備えると共に、該導水路に連通する第2送水口23を備えた給水用スリーブ20を、ノズル筒3の外周面に水密に摺接させ得る状態で固設し、
    固定シリンダ1には、ノズル筒3の前進用の第1送水口12及び可動シリンダ2の前進用の第3送水口19を設け、
    第1噴射孔6からの噴射時には、第1、第2送水口12、23に与圧洗浄水を供給し、第2噴射口7からの噴射時には、第1〜第3送水口12,23及び19に夫々与圧洗浄水を供給する流路切替弁102、及びその制御部を設けたことを特徴とする衛生洗浄装置。
  2. 給水用スリーブ20には、ノズル筒3の後退時に、第1、第2噴射孔6、7の上部を覆い得るカバー体25を取着すると共に、可動シリンダ2に、ノズル筒3のクリーニング用の第4送水口16を設け、
    流路切替弁102は、ノズル筒3のクリーニング時に、第4送水口16に供給した与圧洗浄水が、ノズル筒3の第1、第2流入口9、10を経て、第1、第2噴射孔6,7から噴出するように構成したことを特徴とする請求項1記載の衛生洗浄装置。
  3. 流路切替弁102は、弁座となる円筒状の摺接面31aをその内壁面に設けたケーシング31と、モータ35により回動される円筒状の弁体32とを備え、
    摺接面31aを設けた側の壁面には、第1、第2送水口12、23と、第3送水口19と、第4送水口16とに夫々接続される、第1出水口33Aと、第2出水口33Bと、第3出水口33Cとを、筒軸方向に所定間隔を隔てて設け、対向する壁面には、与圧洗浄水の供給源に接続される入水口34を設け、
    弁体32には、入水口34を、第1〜第3出水口33A〜33Cに選択的に導通させる為の通水溝が夫々の外周面に設けられて摺接面31aに摺接する、第1〜第3摺接ドラム32A〜32Cを設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の衛生洗浄装置。
  4. 摺接ドラム32Aに設けた通水溝e1,e2は、その横断面積が次第に増大又は減少するように形成したことを特徴とする請求項3記載の衛生洗浄装置。
  5. チューブ状の第1送水口12を、固定シリンダ1の後端面に貫通状に固着し、その先端側を、可動シリンダ2の後端面に設けた貫通孔13に水密状態で遊嵌させたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の衛生洗浄装置。
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