JP4632357B2 - 衛生洗浄便座装置及びトイレ装置 - Google Patents
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Description
腰掛便器の上部に設けられ洗浄ノズルを備えた衛生洗浄便座装置であって、前記洗浄ノズルは、
取り付け台と、
前記取り付け台に対して進退可能に支持された略シリンダ状の支持部と、
前記支持部に対して進退可能に支持され、一つまたは複数の吐水口を有し、後退した状態において前記支持部の中に収容される吐水部と、
前記吐水部の中に収容され、入水口と複数の出水口とを有し、前記入水口に供給された水を前記複数の出水口のいずれかから選択的に放出可能とした切替機構と、
前記複数の出水口と、前記一つまたは複数の吐水口と、をそれぞれ接続する複数の水路と、
前記吐水部の中に収容され、前記入水口の後方に接して配設されて前記入水口に供給する水を一時貯留する分配室と、
前記吐水部の中に収容され、前記分配室の後方に直列に配設されて前記切替機構を駆動するモータと、
前記分配室に接続され前記水を前記分配室に供給する通水路と、
給水源からの水を前記通水路に供給する給水チューブと、
を有し、
前記通水路は、前記モータと並列に配設され、前記モータよりも後方において前記給水チューブに接続されてなることを特徴とする衛生洗浄便座装置が提供される。
上記構成によれば、複数の吐水口を切り替え可能としつつ、コンパクトに収納できかつ長いストロークで進出可能や洗浄ノズルを備えたトイレ装置を提供することができる。
図1は、本発明の実施の形態の第1の具体例の衛生洗浄便座装置の模式斜視図である。
本具体例の衛生洗浄便座装置本体500は、使用者が便座410に座った状態で水を噴射させて「おしり」などを洗浄することができる装置であり、商標名「ウォシュレット」などとして普及しているものと同様の機能を有する。なお、本願明細書において「水」とは冷水のみならず、温水も含むものとする。衛生洗浄便座装置本体500には、その他にも例えば、濡れた「おしり」を乾かす「温風乾燥機能」や、便座410を暖める「便座暖房機能」、腰掛便器内の臭いを除去する「脱臭機能」などを設けることができる。また、使用者の接近を検知して便蓋400を自動的に開き、使用者がいなくなると便蓋400を自動的に閉じる「オート開閉機能」を設けることもできる。これらの機能は、衛生洗浄便座装置本体500に設けられた操作部(図示せず)を適宜操作することにより実行・設定でき、また、トイレの壁面などに設置されたリモコン(図示せず)を操作することにより実行させることも可能である。
図2は、本具体例の洗浄ノズルを表す模式断面図である。すなわち、同図(a)は、3段式の洗浄ノズルが衛生洗浄便座装置本体500内に収容された状態を表し、(b)は、この洗浄ノズルがボウル310内に進出した状態を表す。
また、図4は、吐水部538の模式拡大図である。
また、図5は、吐水部538の先端付近の構造を例示する模式斜視図である。
ステータ720には、吐水口702〜706の数に合わせて、3つの通水口722、724、726が設けられている。これら通水口722、724、726は、接続チューブ710、712、714によって、第1の吐水口702、704、706にそれぞれ接続されている(図3及び図5参照)。
ロータ730には、通水口731が設けられている。この通水口731は、ロータ730の回転角度に応じて、ステータ720に設けられた3つの通水口722、724、726のいずれかと連通し、吐水水路を決定する。
すなわち、同図(a)は、切替機構700の「止水状態」を表す。この時、ロータの通水口731は、ステータの通水口722、724、726のいずれとも連通せず、分配室738(図3参照)の水は吐水口702〜706のいずれにも供給されない。
次に、図8(b)は、切替機構700により第1の通水口722が選択された状態を表す。この時、ロータの通水口731は、ステータの通水口722と連通し、分配室738の水は吐水口702に供給される(図5参照)。
また、図8(c)は、切替機構700により第2の通水口724が選択された状態を表す。この時、ロータの通水口731は、ステータの通水口724と連通し、分配室738の水は吐水口704に供給される(図5参照)。
次に、図8(d)は、切替機構700により第3の通水口726が選択された状態を表す。この時、ロータの通水口731は、ステータの通水口726と連通し、分配室738の水は吐水口706に供給される(図5参照)。
以上説明したように、本実施形態によれば、ロータ730を適宜回転させることにより、第1乃至第3の吐水口702〜706のいずれかを選択して吐水させることができる。
図9は、水量を制御する方法を説明するための模式図である。
すなわち、同図(a)乃至(c)に表したように、ステータの通水口722に対してロータの通水口731を適宜ずらすことにより、連通口の開度を制限して水路のコンダクタンスを絞ることができる。その結果、吐水口に供給される水圧(あるいは水量)を所望のレベルに制御することが可能となる。図9(a)は、水圧を絞った場合を表し、同図(b)は水圧を増加させた場合、同図(c)は水圧を最大レベルとした場合をそれぞれ表す。ロータ730を回転させるモータ740としてステッピング・モータを用いれば、このような角度の調節は確実かつ容易である。
以上説明したように、本実施形態によれば、ロータ730を適宜回転させることにより、第1乃至第3の吐水口702〜706のいずれかを選択して吐水させたり、また、その水圧(または水量)を好みのレベルに調節することができる。
そして、本実施形態によれば、図3に例示したように、ステータ720とロータ730とを用いた吐水口切替機構とモータ740とを吐水部538に内蔵させることにより、吐水部538に一本の給水チューブ537を接続するだけで済む。つまり、第1支持部534と第2支持部536の中を通して吐水部538に至る給水チューブ537を一本のみにできる。その結果として、給水チューブに干渉されることなく、多段式の洗浄ノズルを円滑に進出・後退させることができる。
すなわち、本比較例の場合、切替機構700は、第1支持部534の基端部付近に設けられている。この場合、切替機構700への給水は、一本の給水チューブ537のみでよい。しかし、切替機構700から、吐水部538の先端に設けられた吐水口702、704、706まで、それぞれ接続チューブ710、712、714を配管する必要が生ずる。第1支持部534、第2支持部536、吐水部538は、それぞれ略シリンダ状の形態とすることが望ましいが、その内部スペースは限られており、3本の接続チューブを配管すると、これら接続チューブが干渉して洗浄ノズル530の進出や後退の動作に支障が生じたり、また、駆動力伝達要素などのその他の要素を内蔵させることが困難となる。
これに対して、本具体例によれば、洗浄ノズル530の先端の吐水部538に切替機構700及びモータ740を収容することにより、洗浄ノズルの中の水配管を給水チューブ一本のみで済ますことができる。その結果として、多段式の構造とした場合にも、円滑に進出・後退させ、コンパクトに収納でき、長いストロークで進出する洗浄ノズルを実現できる。なお、モータ740に配線(図示せず)をする必要があるが、電気配線は水の配管と比較するとはるかに細く、また柔軟性にも富む。従って、洗浄ノズルの進出・後退の動作の妨げとなることは殆どない。
直進吐水S1は「おしり」などの狭い範囲を強く洗浄することができ、また空気の巻き込み量も少ないので、柔らかな感触は相対的に少ない。これに対して、旋回吐水S2は、「おしり」などの広い範囲をソフトに洗浄することができる。また、空気の巻き込み量も多いので、柔らかな感触が相対的に大きい。
本具体例においても、切替機構700は吐水部538に内蔵されている。ただし、切替機構700を駆動させるモータ740は吐水部538の内部ではなく、基端部に付設されている。この構造は、モータ740のサイズがやや大きいような場合に有利である。
本具体例においても、モータ740がロータ730を回転させることにより、ステータ720に設けられた通水口のいずれかが選択され、分配室738の水がこれに対応した吐水口に供給される。そして、吐水部538に至る水配管は、給水チューブ537のみで済むため、多段式ノズルにおいて、その進出・後退動作が接続チューブの干渉を受けたり、また、ノズルの駆動機構などを内蔵するスペースがなくなるという問題を解消できる。
図13は、給水チューブの巻き取り機構を設けた衛生洗浄便座装置本体500を例示する模式図である。
すなわち、洗浄ノズル530に隣接して、巻き取り機構750が設けられている。巻き取り機構750は、回転ドラム752と、これを回転させるモータ754と、を有する。洗浄ノズル530から伸びる給水チューブ537は回転ドラム752に適宜巻き取られ、その給水口759は固定された状態を維持できる。モータ754は、洗浄ノズル530が後退する時には、その動作に合わせて回転ドラム752を回転させることにより給水チューブ537を巻き取る。そして、洗浄ノズル530が進出する時には、その動作に合わせて回転ドラム752を回転させることにより、給水チューブ537を送り出すことができる。
この場合、モータ754は、洗浄ノズル530を進出・後退させる駆動機構の動力源と併用してもよく、独立した動力源として設けてもよい。
このような巻き取り機構750を設けることにより、洗浄ノズル530が後退する時に給水チューブ537が衛生洗浄便座装置本体500の中で他の要素と干渉して、後退動作を阻害したり、また、余った給水チューブ537が捻れたり縺れたり、他の要素に引っかかって洗浄ノズル530の進出動作の障害となるなどの問題を解消できる。
すなわち、本具体例の場合、回転ドラム752は、給水フランジ756に回転可能に取り付けられている。水は、給水フランジ756に設けられた給水口から回転ドラムの中の導入室751に供給される。また、給水フランジ756と回転ドラム752との間には、防水シール758が設けられ、回転動作を確保しつつ漏水を防止している。一方、回転ドラム752には、取り出し口753が設けられ、給水チューブ537は、この取り出し口753に接続されている。給水チューブ537の他端は、図3や図12などに例示した如く、洗浄ノズル530の吐水部538に内蔵された切替機構700に接続されている。
本具体例においても、洗浄ノズル530の進退に合わせて回転ドラム752を回転させることにより、余った給水チューブ537を適宜巻き取りあるいは送り出すことができる。
図15及び図16は、給水チューブ537の収容機構を例示する模式図である。すなわち、図15は、洗浄ノズル530が進出した状態を表し、図16は、洗浄ノズル530が収納された状態を表す。
この収容機構760は、ガイド板762と、その裏面側に設けられた滑車764及びこの滑車764を矢印Aの方向に引っ張るバネ766と、を有する。ガイド板762は、衛生洗浄便座装置本体500のケース裏面板500Rと対向して、それらの間に給水チューブ537を収容する収容空間を形成している。滑車764とバネ766は、この収容空間において、給水チューブ537を矢印Aの方向に引き込む作用を有する。洗浄ノズル530の基端部には、給水チューブ537が円滑に収容空間に導かれるように、ローラ768が設けられている。
一方、図16に表したように洗浄ノズル530が後退し収納された状態においては、滑車764及びバネ766は矢印Aで表した方向に給水チューブ537を引き込むことにより、スリムな収容空間の中にうまく収容することができる。
このような収容機構760を設けることにより、余った給水チューブ537が衛生洗浄便座装置本体500の中で他の要素と干渉したり、捻れたり縺れたり、他の要素に引っかかって洗浄ノズル530の進出動作の障害となるなどの問題を解消できる。
図17及び図18は、本実施形態において設けることができる洗浄ノズルの駆動機構を例示する模式断面図である。
すなわち、取り付け台532には第1モータ652、第2モータ654、第3モータ656がそれぞれ設けられている。第1モータ652は、第1支持部534をスライドさせる。その動力伝達機構としては、例えば、ベルト式、歯車式、ワイヤ式などの各種の方式を用いることができる。
また、第2モータ654は、例えばワイヤガイド663によりガイドされるワイヤ662を送り出しまたは引き戻すことにより、第2支持部536を取り付け台532に対して相対的にスライドさせる。第3モータ656も、例えばワイヤガイド665によりガイドされるワイヤ664を送り出しまたは引き戻すことにより、吐水部538を取り付け台532に対して相対的にスライドさせる。
このように3つのモータ652、654、656を設けることにより、3段式の洗浄ノズルを所定のシーケンスで進出させ後退させることができる。
なお、本実施形態において用いる駆動機構は、図17及び図18に例示したものには限定されない。例えば、ひとつのモータと、バネなどの付勢手段などと、を適宜組み合わせることにより、3段式あるいはその他の多段式の洗浄ノズルを所定のシーケンスで進出させ後退させることが可能である。
すなわち、同図は、衛生洗浄便座装置から便座を取り外した状態を表す。本具体例においては、衛生洗浄便座装置本体500がボウル310に延出せず、その前面510が腰掛便器300のボウル310の開口の形状に沿って湾曲している。なおここで、「後方」とは、図1に表したように、通常ロータンク200やフラッシュバルブなどが設置される側であり、通常の使用態様において使用者からみて遠い側を意味する。そして、この湾曲した前面510の左右には、前方に向けて延出した延出部500Pが設けられている。また、湾曲した前面510には、「おしり」を洗浄するための洗浄ノズルを出し入れするための開口部520が設けられている。開口部520には、塞ぎ板525が設けられ、洗浄ノズル530は、この塞ぎ板525の裏側に収容されている。
また、洗浄ノズルは3段式のものに限定されず、2段式あるいは4段以上の多段式であってもよい。
300 腰掛便器
310 ボウル
400 便蓋
410 便座
500 衛生洗浄便座装置本体
500P 延出部
500R ケース裏面板
510 前面
520 開口部
525 塞ぎ板
530 洗浄ノズル
532 取り付け台
533 給水チューブ
534 第1支持部
534T 水路
534W 吐水口
536 第2支持部
537 給水チューブ
538 吐水部
652 第1モータ
654 第2モータ
656 第3モータ
662 ワイヤ
663 ワイヤガイド
664 ワイヤ
665 ワイヤガイド
700 切替機構
707 旋回室
702、704、706、708 吐水口
710、712、714 接続チューブ
720 ステータ
722、724、726 通水口
730 ロータ
731 通水口
732 Yパッキン
734 仕切板
736 通水路
738 分配室
740 モータ
742 出力軸
750 巻き取り機構
751 導入室
752 回転ドラム
753 取り出し口
754 モータ
756 給水フランジ
758 防水シール
759 給水口
760 収容機構
762 ガイド板
764 滑車
766 バネ
768 ローラ
A 矢印
Claims (6)
- 腰掛便器の上部に設けられ洗浄ノズルを備えた衛生洗浄便座装置であって、前記洗浄ノズルは、
取り付け台と、
前記取り付け台に対して進退可能に支持された略シリンダ状の支持部と、
前記支持部に対して進退可能に支持され、一つまたは複数の吐水口を有し、後退した状態において前記支持部の中に収容される吐水部と、
前記吐水部の中に収容され、入水口と複数の出水口とを有し、前記入水口に供給された水を前記複数の出水口のいずれかから選択的に放出可能とした切替機構と、
前記複数の出水口と、前記一つまたは複数の吐水口と、をそれぞれ接続する複数の水路と、
前記吐水部の中に収容され、前記入水口の後方に接して配設されて前記入水口に供給する水を一時貯留する分配室と、
前記吐水部の中に収容され、前記分配室の後方に直列に配設されて前記切替機構を駆動するモータと、
前記分配室に接続され前記水を前記分配室に供給する通水路と、
給水源からの水を前記通水路に供給する給水チューブと、
を有し、
前記通水路は、前記モータと並列に配設され、前記モータよりも後方において前記給水チューブに接続されてなることを特徴とする衛生洗浄便座装置。 - 前記吐水部は、前記切替機構、前記分配室、および前記モータを収納する略シリンダ状の収納部材をさらに有し、
前記通水路は、前記収納部材の内部において前記収納部材と一体的に形成されてなることを特徴とする請求項1記載の衛生洗浄便座装置。 - 前記支持部は、第1支持部と、前記第1支持部に対して進退可能に支持された第2支持部と、を有し、
前記吐水部は、前記第2支持部に対して進退可能に支持されたことを特徴とする請求項1または2に記載の衛生洗浄便座装置。 - 回転ドラムを有し、前記吐水部が前記支持部に対して前進する時に前記給水チューブを前記回転ドラムから送り出し、前記吐水部が前記支持部に対して後退する時に前記給水チューブを前記回転ドラムに巻き取る巻き取り機構をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の衛生洗浄便座装置。
- 収容空間を有し、前記吐水部が前記支持部に対して前進する時に前記給水チューブを前記収容空間から送り出し、前記吐水部が前記支持部に対して後退する時に前記給水チューブを前記収容空間に収容する収容機構をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の衛生洗浄便座装置。
- 腰掛便器と、
請求項1〜5のいずれか1つに記載の衛生洗浄便座装置と、
を備えたことを特徴とするトイレ装置。
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