JP2001182130A - 温水洗浄装置、そのノズル及びノズル本体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ノズル本体がスムーズに進退するノズル及び
温水洗浄装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 ノズル本体１は、基端体２と、該基端体
２に取り付けられた先端体３とを有する。基端体２の後
端は、ピストン部４が設けられ、シリンダ内に挿入配置
される。この基端体２の先端からは小径筒状の突部５が
同軸状に突設されており、先端体３の後端側が該突部５
に外嵌する。この先端体３は基端体２よりも小径であ
る。シリンダ９の凸部９ａの奥側の角縁Ｃは斜面又は曲
面となっている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、人体臀部を温水で
洗浄するための温水洗浄装置（衛生洗浄装置、局部洗浄
装置等と称されることもある。）に関する。また、本発
明は、この温水洗浄装置のノズルおよびノズル本体に関
する。

【０００２】

【従来の技術】洋風便器などの便器に温水洗浄装置を設
置し、用便後等に臀部を温水で洗浄可能としたトイレ設
備が急速に普及しつつある。この温水洗浄装置は、多く
の場合、シリンダ及び該シリンダの先端から突出自在な
ノズル本体を有した洗浄ノズルを備えている。このシリ
ンダの後部に温水を供給すると、この水圧によってノズ
ル本体が前進してシリンダから突出し、その先端から温
水が噴出して臀部が洗浄される。なお、このような水圧
によるノズル本体の前進機構の代わりに、モータ等の駆
動装置を採用した温水洗浄装置も用いられている。本発
明は、水圧前進式及び駆動装置式のいずれにも適用でき
るものである。

【０００３】上記の水圧前進式のノズルを有した温水洗
浄装置の従来例について第４図を参照して説明する。

【０００４】この温水洗浄装置は、第１洗浄ノズル１０
と第２洗浄ノズル２０とを備えている。各洗浄ノズル１
０，２０は、シリンダ１２，２２と、該シリンダ１２，
２２の先端から突出可能なノズル本体１４，２４とを備
えており、ノズル本体１４，２４の先端体の上面に温水
の噴出孔１４ａ，２４ａ（２４ａは図示略）が設けられ
ている。また、ノズル本体１４，２４の先端面には摘み
１４ｂ，２４ｂが設けられており、この摘み１４ｂ，２
４ｂを摘んでノズル本体１４，２４を引張り出すことが
可能となっている。シリンダ１２，２２内にはリターン
スプリング（図示略）が設けられており、ノズル本体１
４，２４をシリンダ１２，２２内に後退させるように付
勢している。

【０００５】シリンダ１２，２２の後部に第１フィード
パイプ１６と第２フィードパイプ２６を介して切替装置
３０が接続されている。この切替装置３０は、ステップ
モータ３２と弁機構３４とを備えており、フィードホー
ス３８からの温水を第１フィードパイプ１６及び第２フ
ィードパイプ２６のいずれかに分配するよう構成されて
いる。フィードホース３８の上流端は温水タンクに接続
されている。

【０００６】切替装置３０によって温水が第１フィード
パイプ１６から第１シリンダ１２に供給された場合、第
１ノズル本体１４が前進し、噴出口１４ａから温水が噴
出して臀部の肛門洗浄（所謂シャワー洗浄）が行われ
る。

【０００７】切替装置３０によって温水が第２フィード
パイプ２６から第２シリンダ２２に供給された場合、第
２ノズル本体２４が前進し、噴出口２４ａから温水が噴
出し、ビデ洗浄が行われる。

【０００８】上記のノズル１０，２０のノズル本体１
４，２４は、ノズル本体２４の方が若干長いものとなっ
ており、ノズル本体２４を前進限まで突出させたときの
噴出孔２４ａの位置がノズル本体１４を前進限まで突出
させたときの噴出孔１４ａの位置よりも若干前方となる
よう構成されている。

【０００９】また、近年種々の噴水形態のノズルが望ま
れており、需要者のニーズに対応して噴出孔の数や口径
の異なるノズルが提供されている。

【００１０】このようなことから、ノズル本体の品種が
多くなり、その製造コストも嵩んでいた。そこで、この
製造コストを低減するために、ノズル本体を、筒状の基
端体と、温水噴出孔を有した先端体とが別体であり、該
基端体に対し先端体が着脱可能に取り付けられており、
複数種類のノズル本体において該基端体を共通とするこ
とが検討されている。

【００１１】かかるノズル本体にあっては、種々のノズ
ル本体の基端体を共通化し、先端体のみを当該ノズル本
体固有の形状、噴出孔数、噴出孔口径等の特性を具備し
たものとすることができる。

【００１２】このように基端体を共通化することによ
り、基端体の製造コストが大幅に低下し、ノズル本体全
体としても製造コストが低減される。

【００１３】また、先端体を基端体に対し着脱可能とし
ておくことにより、汚れが付いた先端体を新品のものと
交換したり、既設のノズルのノズル本体の先端体を別の
タイプの先端体に交換したりすることもできる。

【００１４】なお、温水洗浄装置にあっては、一般に第
４図に示されるようにシリンダ１２，２２の先端部の開
口形状を非円形とし、ノズル本体の外形の断面形状（ノ
ズル軸心線方向と垂直な断面形状）を非円形としてい
る。これは、ノズル本体がその軸心回りに回転すること
を防止し、噴出口１４ａ，２４ａの指向方向が常に上向
きとなるようにするためである。

【００１５】シリンダ１２，２２の内面は円筒形状であ
るが、シリンダ１２，２２の先端部の内側に２個の凸部
を設けることによりシリンダ先端部の開口形状を非円形
状としている。

【００１６】

【発明が解決しようとする課題】ノズルを基端体と、該
基端体に取り付けられた先端体とで構成した場合、基端
体と先端体との境目部分がシリンダの先端部内側の凸部
に当り、ノズル本体がシリンダ内にスムーズに後退しな
いおそれがある。

【００１７】本発明は、基端体と先端体とを有してなる
ノズル本体がシリンダに対しスムーズに進退するよう構
成することを目的とする。

【００１８】

【課題を解決しようとする手段】本発明の温水洗浄装置
のノズルのノズル本体は、洋風便器に設置され、温水を
人体に向けて噴出する温水洗浄装置のノズルのノズル本
体において、筒状の基端体と、温水噴出孔を有した先端
体とが別体であり、該基端体に対し先端体が取り付けら
れており、該先端体が該基端体よりも小径であることを
特徴とする。

【００１９】本発明のノズルは、洋風便器に設置され、
温水を人体に向けて噴出する温水洗浄装置のノズルであ
って、シリンダと、該シリンダから前方へ突出可能なノ
ズル本体とを有する温水洗浄装置のノズルにおいて、該
ノズル本体としてかかる本発明のノズル本体を採用した
ものである。

【００２０】かかるノズル本体を有したノズルにあって
は、シリンダから突出したノズル本体が後退するとき
に、ノズル本体の基端体と先端体との境目部分がシリン
ダの凸部に引掛ることがないので、ノズル本体がスムー
ズにシリンダ内に後退する。

【００２１】ノズル本体が前進するときに該境目部分が
該凸部に引掛ることを無くすためには、この凸部の奥側
の角縁又は基端体の先端側の角縁を斜面又は曲面とする
のが好ましい。

【００２２】本発明の温水洗浄装置は、洋風便器に設置
され、温水を人体に向けて噴出するノズルを有した温水
洗浄装置において、該ノズルとしてかかるノズルを採用
したものである。

【００２３】

【発明の実施の形態】第１図は実施の形態に係るノズル
本体の斜視図、第２図は実施の形態に係るノズルの先端
体の断面図、第３図はシリンダの先端体の斜視図であ
る。

【００２４】このノズル本体１は、基端体２と、該基端
体２に取り付けられた先端体３とを有する。基端体２の
後端は、ピストン部４が設けられ、シリンダ９内に挿入
配置される。

【００２５】この基端体２の先端からは小径筒状の突部
５が同軸状に突設されており、先端体３の後端側が該突
部５に外嵌する。突部５の外周面には凹溝６が周囲に設
けられており、この凹部６にＯリング（図示略）が装着
される。このＯリングが先端体３の内周面に水密的に且
つきつく当たることにより、先端体３が突部５にきつく
嵌まり、先端体３が基端体２にしっかりと連結される。
なお、先端体３を強く引くことにより先端体３を突部５
から離脱させることができるが、通常の水圧がかかった
だけでは先端体３は突部５から脱落することは全くな
い。符号８は摘みを示す。

【００２６】この先端体３は基端体２よりも小径であ
る。即ち、先端体３と基端体２の境目部分Ｂにおいて
は、先端体３の外周が基端体２の外周からは全く突出し
ていない。

【００２７】シリンダ９の先端部には、内周面から２個
の凸部９ａが突設されている。この凸部９ａは弦形状の
ものであり、凸部９ａ同士の対向辺は平行である。

【００２８】この凸部９ａのシリンダ奥側の角縁Ｃは斜
面又はＲ状曲面（この実施の形態ではＲ状曲面）となっ
ている。なお、図示はしないが、基端体２の先端面の外
周角縁を斜面又は曲面としてもよい。

【００２９】この斜面の長さあるいはＲ状の凸曲面の曲
率半径は、ノズル本体１が前進するときに基端体２と先
端体３との境目部分が該角縁Ｃに当っても該境目部分が
角縁Ｃに引掛らない程度に選定される。

【００３０】なお、ノズル本体は長手方向に延在する１
対の平行面を有した非円形の外形断面形状のものとなっ
ている。

【００３１】このように構成されたノズルにあっては、
ノズル本体１がきわめてスムーズに進退する。そして、
この進退の途中でノズル本体１がシリンダ９の先端部に
引掛ることが全くない。

【００３２】本発明の温水洗浄装置はかかるノズルを備
えたものである。この温水洗浄装置のその他の構成は例
えば第４図の通りとすることができる。

【００３３】本発明では、先端体３として長さや噴出孔
の数又は形状等が異なるものを着脱するようにしてもよ
い。

【００３４】上記実施の形態では基端体２の先端に突部
６を設けているが、先端体３の後端に突部を設けてもよ
い。上記実施の形態では水圧前進限式のノズル本体が示
されているが、例えばモータとラックアンドビニオン機
構等によってノズル本体を前進、後退させる方式のノズ
ルについても本発明を適用できる。

【００３５】第４図では２本のノズルを採用した温水洗
浄装置が示されているが、ノズルは１本だけでもよく、
また３本以上のノズルを備えた温水洗浄装置についても
本発明を適用できる。

【００３６】上記実施の形態ではノズル本体の先端体を
基端体に対し着脱可能としているが、例えば超音波溶着
や接着などにより着脱不能に固着してもよい。このよう
にすればきわめて堅固なノズル本体が得られる。

【００３７】

【発明の効果】以上の通り、本発明によれば基端体と先
端体とが別々に製作されたノズル本体が提供され、ノズ
ル本体の製造コストの低減、基端体の生産性向上が実現
される。また、これによりノズル及び温水洗浄装置のコ
スト削減も可能となる。また、本発明にあっては、ノズ
ル本体がきわめてスムーズに移動する。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施の形態に係る温水洗浄装置のノズル本体の
斜視図である。

【図２】実施の形態に係るノズルの先端部の断面図であ
る。

【図３】実施の形態に係るノズルのシリンダ先端部の斜
視図である。

【図４】従来の温水洗浄装置の斜視図である。

【符号の説明】

１ ノズル本体 ２ 基端体 ３ 先端体 ４ ピストン部 ５ 突部 ６ 凹溝 ７ 噴出孔 ８ 摘み ９ シリンダ ９ａ 凸部 １０ 第１洗浄ノズル ２０ 第２洗浄ノズル

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水谷 優孝 愛知県常滑市鯉江本町５丁目１番地 株式 会社イナックス内 (72)発明者 井戸田 育哉 愛知県常滑市鯉江本町５丁目１番地 株式 会社イナックス内 Ｆターム(参考） 2D038 JA05

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 洋風便器に設置され、温水を人体に向け
   て噴出する温水洗浄装置のノズルのノズル本体におい
   て、 筒状の基端体と、温水噴出孔を有した先端体とが別体で
   あり、該基端体に対し先端体が取り付けられており、 該先端体が該基端体よりも小径であることを特徴とする
   温水洗浄装置のノズル本体。
2. 【請求項２】 洋風便器に設置され、温水を人体に向け
   て噴出する温水洗浄装置のノズルであって、シリンダ
   と、該シリンダから前方へ突出可能なノズル本体とを有
   する温水洗浄装置のノズルにおいて、該ノズル本体が請
   求項１のノズル本体であることを特徴とする温水洗浄装
   置のノズル。
3. 【請求項３】 請求項２において、該シリンダの先端部
   に内向きの凸部が設けられており、該凸部のシリンダ奥
   側の角縁又は基端体の先端側の角縁が斜面又は曲面より
   なることを特徴とする温水洗浄装置のノズル。
4. 【請求項４】 洋風便器に設置され、温水を人体に向け
   て噴出するノズルを有した温水洗浄装置において、該ノ
   ズルが請求項２又は３のノズルであることを特徴とする
   温水洗浄装置。