JP2001123141A - 木材用接着剤組成物 - Google Patents
木材用接着剤組成物Info
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- JP2001123141A JP2001123141A JP30351799A JP30351799A JP2001123141A JP 2001123141 A JP2001123141 A JP 2001123141A JP 30351799 A JP30351799 A JP 30351799A JP 30351799 A JP30351799 A JP 30351799A JP 2001123141 A JP2001123141 A JP 2001123141A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 低温速硬化性であり、低ホルムアルデヒド臭
化された合板等の木材製品の生産を可能とするフェノー
ル・ホルムアルデヒド系接着剤組成物を提供する。 【解決手段】 塩基性触媒の存在下にフェノール類とア
ルデヒド類を縮合させて得られるレゾール型フェノール
・ホルムアルデヒド樹脂に、イソシアネート化合物及び
有機錫化合物を配合することを特徴とする木材用接着剤
組成物であり、レゾール型フェノール・ホルムアルデヒ
ド100重量部に対して、イソシアネート化合物を5〜
20重量部、及び有機錫化合物を0.001〜0.1重
量部配合することが好ましい。
化された合板等の木材製品の生産を可能とするフェノー
ル・ホルムアルデヒド系接着剤組成物を提供する。 【解決手段】 塩基性触媒の存在下にフェノール類とア
ルデヒド類を縮合させて得られるレゾール型フェノール
・ホルムアルデヒド樹脂に、イソシアネート化合物及び
有機錫化合物を配合することを特徴とする木材用接着剤
組成物であり、レゾール型フェノール・ホルムアルデヒ
ド100重量部に対して、イソシアネート化合物を5〜
20重量部、及び有機錫化合物を0.001〜0.1重
量部配合することが好ましい。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、木材用フェノール
・ホルムアルデヒド樹脂接着剤組成物に関し、更には低
温速硬化であり、低ホルムアルデヒド臭化された合板等
の木材製品の生産を可能とするフェノール・ホルムアル
デヒド系接着剤組成物に関する。
・ホルムアルデヒド樹脂接着剤組成物に関し、更には低
温速硬化であり、低ホルムアルデヒド臭化された合板等
の木材製品の生産を可能とするフェノール・ホルムアル
デヒド系接着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、広葉樹資源の入手難から、合板材
料として針葉樹資源の利用が考えられている。しかし、
メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、ユリア・ホルムアル
デヒド樹脂で代表されるアミノ系樹脂接着剤を使用した
針葉樹合板では、接着性、耐久性、安定性などの点で不
十分であり、針葉樹を原料とした合板の信頼性を高めて
いくためには接着性、耐久性、安定性に優れているフェ
ノール・ホルムアルデヒド樹脂系接着剤を用いるのが良
いとされている。
料として針葉樹資源の利用が考えられている。しかし、
メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、ユリア・ホルムアル
デヒド樹脂で代表されるアミノ系樹脂接着剤を使用した
針葉樹合板では、接着性、耐久性、安定性などの点で不
十分であり、針葉樹を原料とした合板の信頼性を高めて
いくためには接着性、耐久性、安定性に優れているフェ
ノール・ホルムアルデヒド樹脂系接着剤を用いるのが良
いとされている。
【0003】従来のフェノール・ホルムアルデヒド樹脂
接着剤(以下、フェノール接着剤という)は、アミノ系
樹脂接着剤と比較して、合板を製造する際の熱圧締(プ
レス)に際し、高温・長時間を要し、このために作業性
の低下、プレス後の製品の厚み減り、表面劣化の原因と
なっている。
接着剤(以下、フェノール接着剤という)は、アミノ系
樹脂接着剤と比較して、合板を製造する際の熱圧締(プ
レス)に際し、高温・長時間を要し、このために作業性
の低下、プレス後の製品の厚み減り、表面劣化の原因と
なっている。
【0004】また、近年、ホルマリンの室内汚染による
健康への影響がクローズアップされ、合板に対するJA
S規格のホルムアルデヒド放散量の規格として、F−1
グレード(ホルムアルデヒド放散量(以下、F放散量と
いう):0.5ppm以下)が要求されている。
健康への影響がクローズアップされ、合板に対するJA
S規格のホルムアルデヒド放散量の規格として、F−1
グレード(ホルムアルデヒド放散量(以下、F放散量と
いう):0.5ppm以下)が要求されている。
【0005】フェノール接着剤の低温速硬化の方法とし
ては、ホルムアルデヒドとフェノールのモル比(以下、
F/Pモル比という)を2.5〜3.0にし、レゾルシ
ノールを添加剤とすれば、ある程度効果の得られること
は知られているが、この方法では、生産した合板のF放
散量は20ppmを越え、且つ、糊液の可使時間が極め
て短くなり実用的ではない。
ては、ホルムアルデヒドとフェノールのモル比(以下、
F/Pモル比という)を2.5〜3.0にし、レゾルシ
ノールを添加剤とすれば、ある程度効果の得られること
は知られているが、この方法では、生産した合板のF放
散量は20ppmを越え、且つ、糊液の可使時間が極め
て短くなり実用的ではない。
【0006】次に、F/Pモル比を2.0〜2.5とし
パラホルムアルデヒドを添加することにより速硬化にす
る試みがなされており、フェノール・ホルムアルデヒド
樹脂のモル比が高くなればより速硬化となり、接着力が
安定するが、上記のモル比の範囲ではF放散量がF−1
グレードを満たすのは困難である。
パラホルムアルデヒドを添加することにより速硬化にす
る試みがなされており、フェノール・ホルムアルデヒド
樹脂のモル比が高くなればより速硬化となり、接着力が
安定するが、上記のモル比の範囲ではF放散量がF−1
グレードを満たすのは困難である。
【0007】一方、F/Pモル比を2.0以下とした場
合はF放散量はF−1を満たすもののアミノ樹脂接着剤
と同等の加熱条件下では接着力の安定性に欠ける。
合はF放散量はF−1を満たすもののアミノ樹脂接着剤
と同等の加熱条件下では接着力の安定性に欠ける。
【0008】また、硬化助剤として、レゾルシノール、
ホルムアミド、マロンニトリル、芳香族アミン、ノボラ
ックなどが提案されているが、多量に添加しないと効果
が小さく、多量の添加するとプレス前の糊液の粘度上昇
が極めて速くなり、生産性の点で問題があった。
ホルムアミド、マロンニトリル、芳香族アミン、ノボラ
ックなどが提案されているが、多量に添加しないと効果
が小さく、多量の添加するとプレス前の糊液の粘度上昇
が極めて速くなり、生産性の点で問題があった。
【0009】また、本発明者らは、逐次反応により、1
次反応のモル比を高く設定し、一定の樹脂粘度になった
時点でフェノールを追加してモル比を下げ、糊液調製の
際イソシアネートを配合することによって、熱板の設定
温度を125℃とし、熱圧時間を25秒/mmとする生
産を可能とした。しかしながら、単板含水率が12%を
越える様な高含水率単板を用いた場合、蒸気圧を低く抑
えられる熱盤温度120℃にて、従来のF−2グレード
のメラミン・ホルムアルデヒド樹脂系接着剤(以下、メ
ラミン接着剤という)と同等の生産性を維持できる熱圧
時間20秒/mmでの生産は未だ困難であった。
次反応のモル比を高く設定し、一定の樹脂粘度になった
時点でフェノールを追加してモル比を下げ、糊液調製の
際イソシアネートを配合することによって、熱板の設定
温度を125℃とし、熱圧時間を25秒/mmとする生
産を可能とした。しかしながら、単板含水率が12%を
越える様な高含水率単板を用いた場合、蒸気圧を低く抑
えられる熱盤温度120℃にて、従来のF−2グレード
のメラミン・ホルムアルデヒド樹脂系接着剤(以下、メ
ラミン接着剤という)と同等の生産性を維持できる熱圧
時間20秒/mmでの生産は未だ困難であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、イソシ
アネート化合物とフェノールのメチロール基とが良好な
活性を有していることに着目し、従来のフェノール接着
剤の熱圧条件が140℃設定にて、40秒/mm程度で
あったが、フェノール接着剤にイソシアネート化合物を
配合することにより、熱盤温度125℃の設定にて25
秒/mm(絶乾単板適用)の熱圧条件にて生産が可能と
なるフェノール樹脂接着剤を提供した。しかし、このフ
ェノール樹脂接着剤では、含水率が10%を越える単板
ではパンクや弱体接着などの熱圧不良が発生しやすく、
また、120℃設定での生産ができなかった。本発明
は、生産性については従来の広葉樹材料に対するアミノ
系樹脂接着剤の生産性を維持しつつ、針葉樹単板に対す
る優れた接着性を有し、本発明者らが以前に開発した、
合板から発するホルムアルデヒド臭を低減したフェノー
ル接着剤における熱圧条件より更に低温にて生産が可能
であり、且つ、適用する単板の含水率が13%を越えて
も生産が可能となる低ホルムアルデヒド臭合板用フェノ
ール接着剤を提供することにある。
アネート化合物とフェノールのメチロール基とが良好な
活性を有していることに着目し、従来のフェノール接着
剤の熱圧条件が140℃設定にて、40秒/mm程度で
あったが、フェノール接着剤にイソシアネート化合物を
配合することにより、熱盤温度125℃の設定にて25
秒/mm(絶乾単板適用)の熱圧条件にて生産が可能と
なるフェノール樹脂接着剤を提供した。しかし、このフ
ェノール樹脂接着剤では、含水率が10%を越える単板
ではパンクや弱体接着などの熱圧不良が発生しやすく、
また、120℃設定での生産ができなかった。本発明
は、生産性については従来の広葉樹材料に対するアミノ
系樹脂接着剤の生産性を維持しつつ、針葉樹単板に対す
る優れた接着性を有し、本発明者らが以前に開発した、
合板から発するホルムアルデヒド臭を低減したフェノー
ル接着剤における熱圧条件より更に低温にて生産が可能
であり、且つ、適用する単板の含水率が13%を越えて
も生産が可能となる低ホルムアルデヒド臭合板用フェノ
ール接着剤を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、メチロー
ルフェノールの水酸基が有機錫化合物と錯体を形成し、
その錯体がイソシアネート化合物との反応が極めて速い
ことを見いだし、この知見に基づき、有機錫化合物を糊
液調製時に配合するか、フェノール接着剤生産時反応が
終了して冷却し、液温が30〜50℃、あるいはそれ以
下になった時点で添加することによって、接着力の発現
がメラミン樹脂接着剤の場合と同等の熱圧時間で可能と
なることを見いだし、本発明に至ったものである。即
ち、本発明は、塩基性触媒の存在下にフェノール類とア
ルデヒド類を縮合させて得られるレゾール型フェノール
・ホルムアルデヒド樹脂に、イソシアネート化合物及び
有機錫化合物を配合することを特徴とする木材用接着剤
組成物に関するものである。
ルフェノールの水酸基が有機錫化合物と錯体を形成し、
その錯体がイソシアネート化合物との反応が極めて速い
ことを見いだし、この知見に基づき、有機錫化合物を糊
液調製時に配合するか、フェノール接着剤生産時反応が
終了して冷却し、液温が30〜50℃、あるいはそれ以
下になった時点で添加することによって、接着力の発現
がメラミン樹脂接着剤の場合と同等の熱圧時間で可能と
なることを見いだし、本発明に至ったものである。即
ち、本発明は、塩基性触媒の存在下にフェノール類とア
ルデヒド類を縮合させて得られるレゾール型フェノール
・ホルムアルデヒド樹脂に、イソシアネート化合物及び
有機錫化合物を配合することを特徴とする木材用接着剤
組成物に関するものである。
【0012】本発明の具体例を以下に説明する。フェノ
ール類とアルデヒド類を通常F/Pモル比1.8〜3.
0、好ましくは2.0〜2.8として、塩基性触媒の存
在下にて通常還流下もしくは75℃以上の温度で所定の
粘度にまで反応せしめ、所望のフェノール・ホルムアル
デヒド樹脂を得、さらに必要によりホルムアルデヒドを
所定量添加する。このような工程を経ることにより、レ
ゾール型フェノール・ホルムアルデヒド樹脂が得られ
る。その後、有機錫化合物及びイソシアネート化合物を
所定量添加して接着剤組成物を得、さらに小麦粉などの
充填剤を配合することにより糊液が調製される。この糊
液を用いて得られる合板は、アミノ系樹脂接着剤では十
分な耐久性が得られない針葉樹単板を使用し、F放散量
F−2グレードのアミノ系樹脂接着剤と同等の加熱条件
(熱盤設定温度120℃、加熱時間20秒/mm)に
て、単板含水率が13%を越える単板を使用し、成形し
た場合でも、従来のフェノール接着剤を使用し、通常の
加熱条件(熱盤設定温度140℃、加熱時間40秒/m
m)で得られた合板と同等の接着性能を有している。ま
た、F/Pモル比を1.8〜2.2として反応した場合
は、F放散量がF−1グレードを満たすことが可能であ
る。
ール類とアルデヒド類を通常F/Pモル比1.8〜3.
0、好ましくは2.0〜2.8として、塩基性触媒の存
在下にて通常還流下もしくは75℃以上の温度で所定の
粘度にまで反応せしめ、所望のフェノール・ホルムアル
デヒド樹脂を得、さらに必要によりホルムアルデヒドを
所定量添加する。このような工程を経ることにより、レ
ゾール型フェノール・ホルムアルデヒド樹脂が得られ
る。その後、有機錫化合物及びイソシアネート化合物を
所定量添加して接着剤組成物を得、さらに小麦粉などの
充填剤を配合することにより糊液が調製される。この糊
液を用いて得られる合板は、アミノ系樹脂接着剤では十
分な耐久性が得られない針葉樹単板を使用し、F放散量
F−2グレードのアミノ系樹脂接着剤と同等の加熱条件
(熱盤設定温度120℃、加熱時間20秒/mm)に
て、単板含水率が13%を越える単板を使用し、成形し
た場合でも、従来のフェノール接着剤を使用し、通常の
加熱条件(熱盤設定温度140℃、加熱時間40秒/m
m)で得られた合板と同等の接着性能を有している。ま
た、F/Pモル比を1.8〜2.2として反応した場合
は、F放散量がF−1グレードを満たすことが可能であ
る。
【0013】即ち、通常F/Pモル比1.8〜3.0、
好ましくは、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂の反応
の容易さから、モル比2.0〜2.8の範囲で、水酸化
ナトリウム等の塩基性触媒を用いて縮合反応せしめ、B
型粘度計を用い25℃での不揮発分約55%での粘度が
3.5〜10.5psのレゾール型フェノール・ホルム
アルデヒド樹脂を得る。しかる後、水を添加し樹脂粘度
を1〜3ポイズに調整する。このようにして合成したフ
ェノール接着剤に、フェノール接着剤100重量部に対
して有機錫化合物を0.001〜0.1重量部、及びイ
ソシアネート化合物を5〜20重量部配合し、さらに、
通常、小麦粉を8〜15重量部添加し、水により粘度を
10〜18ポイズに調整して糊液を得る。
好ましくは、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂の反応
の容易さから、モル比2.0〜2.8の範囲で、水酸化
ナトリウム等の塩基性触媒を用いて縮合反応せしめ、B
型粘度計を用い25℃での不揮発分約55%での粘度が
3.5〜10.5psのレゾール型フェノール・ホルム
アルデヒド樹脂を得る。しかる後、水を添加し樹脂粘度
を1〜3ポイズに調整する。このようにして合成したフ
ェノール接着剤に、フェノール接着剤100重量部に対
して有機錫化合物を0.001〜0.1重量部、及びイ
ソシアネート化合物を5〜20重量部配合し、さらに、
通常、小麦粉を8〜15重量部添加し、水により粘度を
10〜18ポイズに調整して糊液を得る。
【0014】本発明のフェノール・ホルムアルデヒド樹
脂を得るためにフェノール類としてはフェノール、クレ
ゾール、キシレノール、レゾルシノール等が使用可能で
ある。
脂を得るためにフェノール類としてはフェノール、クレ
ゾール、キシレノール、レゾルシノール等が使用可能で
ある。
【0015】本発明において製造されるフェノール接着
剤は、ホルムアルデヒドとフェノールとを反応させたレ
ゾール型フェノール・ホルムアルデヒド樹脂を主体とし
たものであるが、タンニン、リグニン、ボリビニルブチ
ラール、エチレングリコール、ジエチレングリコールな
どで変性した変性樹脂であってもよい。なお、これらの
変性剤は通常縮合反応終了し、冷却時に配合される。
剤は、ホルムアルデヒドとフェノールとを反応させたレ
ゾール型フェノール・ホルムアルデヒド樹脂を主体とし
たものであるが、タンニン、リグニン、ボリビニルブチ
ラール、エチレングリコール、ジエチレングリコールな
どで変性した変性樹脂であってもよい。なお、これらの
変性剤は通常縮合反応終了し、冷却時に配合される。
【0016】レゾール型フェノール・ホルムアルデヒド
樹脂を得るための触媒としては、通常水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等の塩基性触媒が使用される。触媒
として水酸化ナトリウムを使用する場合、その触媒量は
特に規定されないが、水溶性を良好とするため、水酸化
ナトリウムとフェノールとのモル比(以下、水酸化ナト
リウム/フェノールモル比という)は0.1以上が望ま
しく、さらに0.5を越えないことが望ましい。このモ
ル比が0.1未満ではフェノール樹脂の硬化が遅くな
り、0.5を越えると接着剤層の耐水性が低下するよう
になる。
樹脂を得るための触媒としては、通常水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等の塩基性触媒が使用される。触媒
として水酸化ナトリウムを使用する場合、その触媒量は
特に規定されないが、水溶性を良好とするため、水酸化
ナトリウムとフェノールとのモル比(以下、水酸化ナト
リウム/フェノールモル比という)は0.1以上が望ま
しく、さらに0.5を越えないことが望ましい。このモ
ル比が0.1未満ではフェノール樹脂の硬化が遅くな
り、0.5を越えると接着剤層の耐水性が低下するよう
になる。
【0017】上記の様にして得たフェノール接着剤に対
して、添加する有機錫化合物としては、スタナスオクト
エート、ステアリン酸錫などの2価の錫化合物、ジブチ
ル錫ジオクトエート、ジブチル錫ジオレイルマレート、
ジブチル錫ジブチルマレート、ジブチル錫ジラウレー
ト、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジラウリ
ルオキシカルボニル−ジスタノキサン、ジブチル錫ジア
セテート、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、ジブチ
ル錫ビス(o−フェニルフェノキサイド)、ジブチル錫
オキサイド、ジブチル錫ビストリエトキシシリケート、
ジブチル錫ジステアレート、ジブチル錫ビスイソノニル
3−メルカプトプロピオネート、ジブチル錫ビスイソオ
クチルチオグリコレート、ジオクチル錫ジステアレー
ト、ジオクチル錫オキサイド、ジオクチル錫ジラウレー
ト、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジバーサ
テートなどの4価の錫化合物等が適用される。配合量に
ついてはフェノール樹脂100重量部に対して0.00
1〜0.1重量部部添加することが好ましい。0.00
1重量部より少ないと速硬化への触媒効果は小さく、
0.1重量部より多いとイソシアネート類との錯体形成
が主反応となり、イソシアネート化合物とメチロールフ
ェノールとの反応は遅延する。
して、添加する有機錫化合物としては、スタナスオクト
エート、ステアリン酸錫などの2価の錫化合物、ジブチ
ル錫ジオクトエート、ジブチル錫ジオレイルマレート、
ジブチル錫ジブチルマレート、ジブチル錫ジラウレー
ト、1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジラウリ
ルオキシカルボニル−ジスタノキサン、ジブチル錫ジア
セテート、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、ジブチ
ル錫ビス(o−フェニルフェノキサイド)、ジブチル錫
オキサイド、ジブチル錫ビストリエトキシシリケート、
ジブチル錫ジステアレート、ジブチル錫ビスイソノニル
3−メルカプトプロピオネート、ジブチル錫ビスイソオ
クチルチオグリコレート、ジオクチル錫ジステアレー
ト、ジオクチル錫オキサイド、ジオクチル錫ジラウレー
ト、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジバーサ
テートなどの4価の錫化合物等が適用される。配合量に
ついてはフェノール樹脂100重量部に対して0.00
1〜0.1重量部部添加することが好ましい。0.00
1重量部より少ないと速硬化への触媒効果は小さく、
0.1重量部より多いとイソシアネート類との錯体形成
が主反応となり、イソシアネート化合物とメチロールフ
ェノールとの反応は遅延する。
【0018】次に、イソシアネート化合物としては、
4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、1−クロ
ロ−2,4−フェニレンジイソシアネート、m−フェニ
レンジイソシアネート、p−フェニレンジオソシアネー
ト、2,4−TDI、3,3’−ジメチル−4,4’−
ビフェニレンジイソシアネート、ポリフェニルメタンポ
リイソシアネートなどが適用されるが、毒性などを考慮
すると、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート
(以下、MDIという)あるいはポリフェニルメタンポ
リイソシアネートが好ましく用いられる。イソシアネー
ト化合物の配合量はフェノール樹脂100重量部に対し
て、5〜20重量部添加することが好ましい。5重量部
より少ない場合は、フェノール接着剤のゲル化を促進す
るには充分ではなく、20重量部より多い場合は配合糊
液の粘度上昇が大きくなり合板生産に適用することが困
難となる。
4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、1−クロ
ロ−2,4−フェニレンジイソシアネート、m−フェニ
レンジイソシアネート、p−フェニレンジオソシアネー
ト、2,4−TDI、3,3’−ジメチル−4,4’−
ビフェニレンジイソシアネート、ポリフェニルメタンポ
リイソシアネートなどが適用されるが、毒性などを考慮
すると、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート
(以下、MDIという)あるいはポリフェニルメタンポ
リイソシアネートが好ましく用いられる。イソシアネー
ト化合物の配合量はフェノール樹脂100重量部に対し
て、5〜20重量部添加することが好ましい。5重量部
より少ない場合は、フェノール接着剤のゲル化を促進す
るには充分ではなく、20重量部より多い場合は配合糊
液の粘度上昇が大きくなり合板生産に適用することが困
難となる。
【0019】更に、硬化を促進する目的でレゾルシノー
ル、ホルムアミド、m−クレゾール、アルキルレゾルシ
ノールなどを少量(フェノール接着剤に対して通常5重
量%以下)添加することも可能である。
ル、ホルムアミド、m−クレゾール、アルキルレゾルシ
ノールなどを少量(フェノール接着剤に対して通常5重
量%以下)添加することも可能である。
【0020】本発明の接着剤組成物には、充填剤、増量
剤、水、硬化促進剤などを必要に応じて添加混合するこ
とも可能である。
剤、水、硬化促進剤などを必要に応じて添加混合するこ
とも可能である。
【0021】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づき説明する。配
合量はすべて重量部である。
合量はすべて重量部である。
【0022】接着剤製造例1 フェノール94.1部と37%ホルマリン162.2部
(F/Pモル比:2.0)及び30%水酸化ナトリウム
水溶液を47部(水酸化ナトリウム/フェノールモル
比:0.35)仕込み、還流条件下で、B型粘度計にて
25℃における粘度が約8.0psとなるまで反応させ
レゾール型フェノール・ホルムアルデヒド樹脂を得た。
更に、70℃まで冷却後水を添加し、B型粘度計による
25℃での粘度を約2.0psに調整してフェノール接
着剤を得た。
(F/Pモル比:2.0)及び30%水酸化ナトリウム
水溶液を47部(水酸化ナトリウム/フェノールモル
比:0.35)仕込み、還流条件下で、B型粘度計にて
25℃における粘度が約8.0psとなるまで反応させ
レゾール型フェノール・ホルムアルデヒド樹脂を得た。
更に、70℃まで冷却後水を添加し、B型粘度計による
25℃での粘度を約2.0psに調整してフェノール接
着剤を得た。
【0023】接着剤製造例2 フェノール94.1部と37%ホルマリン202.7部
(F/Pモル比:2.5)及び30%水酸化ナトリウム
水溶液を47部(水酸化ナトリウム/フェノールモル
比:0.35)仕込み、還流条件下で、B型粘度計にて
25℃における粘度が約8.0psとなるまで反応させ
レゾール型フェノール・ホルムアルデヒド樹脂を得た。
更に、70℃まで冷却後水を添加し、B型粘度計による
25℃での粘度を約2.0psに調整してフェノール接
着剤を得た。
(F/Pモル比:2.5)及び30%水酸化ナトリウム
水溶液を47部(水酸化ナトリウム/フェノールモル
比:0.35)仕込み、還流条件下で、B型粘度計にて
25℃における粘度が約8.0psとなるまで反応させ
レゾール型フェノール・ホルムアルデヒド樹脂を得た。
更に、70℃まで冷却後水を添加し、B型粘度計による
25℃での粘度を約2.0psに調整してフェノール接
着剤を得た。
【0024】実施例1 接着剤製造例1で得られたフェノール接着剤100部に
有機錫化合物としてジブチル錫ジラウレートを0.00
8部添加し、イソシアネート化合物としてMDIを12
部添加し、増量剤として小麦粉15部を配合し、水によ
り粘度を15ポイズに調整して糊液を得た。
有機錫化合物としてジブチル錫ジラウレートを0.00
8部添加し、イソシアネート化合物としてMDIを12
部添加し、増量剤として小麦粉15部を配合し、水によ
り粘度を15ポイズに調整して糊液を得た。
【0025】実施例2 接着剤製造例1で得られたフェノール接着剤100部に
ジブチル錫ジラウレートを0.05部添加し、MDIを
8部添加し、増量剤として小麦粉15部を配合し、水に
より粘度を15ポイズに調整して糊液を得た。
ジブチル錫ジラウレートを0.05部添加し、MDIを
8部添加し、増量剤として小麦粉15部を配合し、水に
より粘度を15ポイズに調整して糊液を得た。
【0026】実施例3 接着剤製造例1で得られたフェノール接着剤100部に
ジブチル錫ビスイソオクチルチオグリコレートを0.0
08部添加し、MDIを12部添加し、増量剤として小
麦粉15部を配合し、水により粘度を15ポイズに調整
して糊液を得た。
ジブチル錫ビスイソオクチルチオグリコレートを0.0
08部添加し、MDIを12部添加し、増量剤として小
麦粉15部を配合し、水により粘度を15ポイズに調整
して糊液を得た。
【0027】実施例4 接着剤製造例2で得られたフェノール接着剤100部に
有機錫化合物としてジブチル錫ジラウレートを0.00
8部添加し、イソシアネート化合物としてMDIを15
部添加し、増量剤として小麦粉15部を配合し、水によ
り粘度を15ポイズに調整して糊液を得た。
有機錫化合物としてジブチル錫ジラウレートを0.00
8部添加し、イソシアネート化合物としてMDIを15
部添加し、増量剤として小麦粉15部を配合し、水によ
り粘度を15ポイズに調整して糊液を得た。
【0028】比較例1 接着剤製造例1で得られたフェノール接着剤を使用し、
糊液を調整する際に、有機錫化合物及びイソシアネート
化合物を添加しない以外は実施例1と全く同様にして糊
液を得た。
糊液を調整する際に、有機錫化合物及びイソシアネート
化合物を添加しない以外は実施例1と全く同様にして糊
液を得た。
【0029】比較例2 接着剤製造例1で得られたフェノール接着剤を使用し、
イソシアネート化合物を添加しない以外は実施例1と全
く同様にして糊液を得た。
イソシアネート化合物を添加しない以外は実施例1と全
く同様にして糊液を得た。
【0030】比較例3 接着剤製造例1で得られたフェノール樹脂接着剤を使用
し、有機錫化合物を添加しない以外は実施例1と全く同
様にして糊液を得た。
し、有機錫化合物を添加しない以外は実施例1と全く同
様にして糊液を得た。
【0031】比較例4 ホルムアルデヒドとメラミンのモル比が0.6のメラミ
ン接着剤(MA−209、住友ベークライト(株)製)
を100部に、小麦粉を10部配合し、塩化アンモニウ
ム1部を添加し、水により粘度を20ポイズに調整し糊
液を得た。
ン接着剤(MA−209、住友ベークライト(株)製)
を100部に、小麦粉を10部配合し、塩化アンモニウ
ム1部を添加し、水により粘度を20ポイズに調整し糊
液を得た。
【0032】以上の実施例及び比較例により得られた糊
液を使用し、1.8mm厚のカラマツの単板を原板は絶
乾状態とし、糊板の含水率を12〜15%に調湿し、5
plyにて合板を作製した。成形条件は糊液塗工量:2
8g/尺角、冷圧条件:10kg/cm2 、加熱条件:
10kg/cm2 、120℃、20秒/mmで実施し
た。各例における糊液の配合を表1に示す。そして、合
板の成形性、及び得られた合板の接着強度、F放散量に
ついて測定し、その結果を表2に示す。
液を使用し、1.8mm厚のカラマツの単板を原板は絶
乾状態とし、糊板の含水率を12〜15%に調湿し、5
plyにて合板を作製した。成形条件は糊液塗工量:2
8g/尺角、冷圧条件:10kg/cm2 、加熱条件:
10kg/cm2 、120℃、20秒/mmで実施し
た。各例における糊液の配合を表1に示す。そして、合
板の成形性、及び得られた合板の接着強度、F放散量に
ついて測定し、その結果を表2に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【発明の効果】本発明のフェノール接着剤組成物は、従
来のF−2グレードのアミノ系樹脂接着剤の生産性を維
持しつつ、アミノ系樹脂接着剤では達成し得なかった特
類合板の接着強度を有する。更には、フェノール接着剤
のF/Pモル比を1.8〜2.2として反応した場合
は、F放散量がJAS規格でのF−1グレードを満たす
合板を得ることができる。
来のF−2グレードのアミノ系樹脂接着剤の生産性を維
持しつつ、アミノ系樹脂接着剤では達成し得なかった特
類合板の接着強度を有する。更には、フェノール接着剤
のF/Pモル比を1.8〜2.2として反応した場合
は、F放散量がJAS規格でのF−1グレードを満たす
合板を得ることができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 塩基性触媒の存在下にフェノール類とア
ルデヒド類を縮合させて得られるレゾール型フェノール
・ホルムアルデヒド樹脂に、イソシアネート化合物及び
有機錫化合物を配合することを特徴とする木材用接着剤
組成物。 - 【請求項2】 レゾール型フェノール・ホルムアルデヒ
ド100重量部に対して、イソシアネート化合物を5〜
20重量部、及び有機錫化合物を0.001〜0.1重
量部配合する請求項1記載の木材用接着剤組成物。 - 【請求項3】 レゾール型フェノール・ホルムアルデヒ
ド樹脂が、ホルムアルデヒドとフェノールのモル比1.
8〜2.2の範囲で反応して得られたものである請求項
1又は2記載の木材用接着剤組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30351799A JP2001123141A (ja) | 1999-10-26 | 1999-10-26 | 木材用接着剤組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30351799A JP2001123141A (ja) | 1999-10-26 | 1999-10-26 | 木材用接着剤組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001123141A true JP2001123141A (ja) | 2001-05-08 |
Family
ID=17921946
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30351799A Pending JP2001123141A (ja) | 1999-10-26 | 1999-10-26 | 木材用接着剤組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001123141A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001254066A (ja) * | 2000-03-13 | 2001-09-18 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | フェノール樹脂接着剤 |
JP2001254065A (ja) * | 2000-03-13 | 2001-09-18 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 木材用接着剤組成物 |
JP2001279214A (ja) * | 2000-03-31 | 2001-10-10 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | フェノール樹脂接着剤組成物 |
-
1999
- 1999-10-26 JP JP30351799A patent/JP2001123141A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001254066A (ja) * | 2000-03-13 | 2001-09-18 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | フェノール樹脂接着剤 |
JP2001254065A (ja) * | 2000-03-13 | 2001-09-18 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 木材用接着剤組成物 |
JP2001279214A (ja) * | 2000-03-31 | 2001-10-10 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | フェノール樹脂接着剤組成物 |
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