JP2001122101A - ブレーキマスタシリンダ - Google Patents

ブレーキマスタシリンダ

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JP2001122101A
JP2001122101A JP30968399A JP30968399A JP2001122101A JP 2001122101 A JP2001122101 A JP 2001122101A JP 30968399 A JP30968399 A JP 30968399A JP 30968399 A JP30968399 A JP 30968399A JP 2001122101 A JP2001122101 A JP 2001122101A
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JP
Japan
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piston
sleeve
cap
spring
master cylinder
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JP30968399A
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English (en)
Inventor
Akisuke Okada
亜希資 岡田
Kaoru Tsubouchi
坪内  薫
Toshihiro Nakano
利博 中野
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Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブレーキマスタシリンダ(タンデム式マスタ
シリンダ)において、第1圧力室のエア抜き性を改善す
ること。 【解決手段】 ボディ11、スリーブ23、キャップ1
2、第1ピストン31、第2ピストン32、第1スプリ
ングS1及び第2スプリングS2を備えたブレーキマス
タシリンダにおいて、第1スプリングS1と第2ピスト
ン32間に介装される第1スプリングリテーナ35に設
けられて径外方に延びる突起35aが、スリーブ23に
設けられ軸方向に延びて径方向にて開口し両ピストン3
1,32間に形成される第1圧力室R1をボディ11に
設けた送出ポート11dに連通させる開口部23eを通
して、キャップ12にまで至り、キャップ12の一部
(大径段部)12c2と両ピストン31,32の後退方
向にて係合可能とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両のブレーキ装
置に使用されるマスタシリンダすなわちブレーキマスタ
シリンダに関する。
【0002】
【従来の技術】ブレーキマスタシリンダの一つとして、
一端にて開口する内孔を有したボディと、このボディの
前記内孔に組付けられたスリーブと、前記ボディの内孔
開口部に組付けられて前記スリーブを抜け止めし前記ボ
ディとによってシリンダハウジングを構成するキャップ
と、このキャップを通して前記シリンダハウジング内に
嵌挿されて前記スリーブ内にて内端部が軸方向へ摺動可
能な第1ピストンと、この第1ピストンに対して同軸的
に配置されて前記スリーブ内にて軸方向へ摺動可能な第
2ピストンと、前記第1ピストンと前記第2ピストン間
に介装されて前記第1ピストンを後退方向に向けて付勢
する第1スプリングと、前記第2ピストンと前記ボディ
間に介装されて前記第2ピストンを後退方向に向けて付
勢する第2スプリングとを備えたもの(タンデム式マス
タシリンダ)があり、例えば特開平10−29527号
公報に示されている。
【0003】この公報に示されているブレーキマスタシ
リンダにおいては、スリーブに軸方向に延びて径方向に
て開口する貫通孔が設けられていて、この貫通孔を通し
て前記両ピストン間に形成される第1圧力室とボディに
設けた送出ポート(ブレーキ配管を介してホイールシリ
ンダに接続されるポート)が連通している。また、第1
スプリングと第2ピストン間に介装される第1スプリン
グリテーナに設けられて径外方に延びる突起が貫通孔に
挿通されていて、第1ピストンの後退限を若干超える位
置にて突起が貫通孔の後退側端面に当接するようになっ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記した公報のブレー
キマスタシリンダにおいては、第1ピストンの後退限を
若干超える位置にて突起が貫通孔の後退側端面に当接す
る構成を採用しているため、第1圧力室と送出ポートを
連通させる通路の面積を十分に確保することが難しい場
合があり、かかる場合には第1圧力室のエア抜き性(当
該ブレーキマスタシリンダを車両に組付ける際に、第1
圧力室にブレーキ液を充填するために行われる周知のエ
ア抜き作業におけるエアの抜ける性能)が悪い。また、
スリーブを樹脂で成形する場合(通常、スリーブは樹脂
で成形される)には、第1スプリングリテーナの突起
(通常、金属製である)が貫通孔の後退側端面に当接す
ることを考慮して、高強度で高価な素材を選定する必要
がある。
【0005】また、第1スプリングリテーナに設けた突
起をスリーブに設けた貫通孔に挿通するためには、突起
をスリーブの内径以下の径に圧縮弾性変形させて組付け
る必要があって、突起を圧縮弾性変形可能とする構造が
必要であることは勿論のこと、第1スプリングリテーナ
のスリーブに対する組付性が悪いばかりか、組付時に突
起の突端がスリーブの内周を摺動することにより削り粉
が生じるおそれがあり、この削り粉がブレーキマスタシ
リンダの作動に悪影響を及ぼすおそれがある。また、ス
リーブを樹脂で成形する場合において、貫通孔を型で抜
く場合には、型構造が複雑となって型コストが高くな
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記した問題
に対処すべくなされたものであり、上記した形式のブレ
ーキマスタシリンダにおいて、前記第1スプリングと前
記第2ピストン間に介装される第1スプリングリテーナ
に設けられて径外方に延びる突起が、前記スリーブに設
けられ軸方向に延びて径方向にて開口し前記両ピストン
間に形成される第1圧力室を前記ボディに設けた送出ポ
ートに連通させる開口部を通して、前記キャップにまで
至り、前記キャップの一部と前記両ピストンの後退方向
にて係合可能としたこと(請求項1に係る発明)に特徴
がある。
【0007】また、本発明の実施に際して、前記スリー
ブの開口部が前記第1ピストン側端部にて軸方向にも開
口していること(請求項2に係る発明)、前記突起を前
記両ピストンの軸方向に向けて曲げること(請求項3に
係る発明)、前記第2スプリングの取付長を規定手段に
よって所定値に規定して、前記第2スプリングが取付長
にまで延びる間では前記突起が前記キャップの一部に係
合しないように設定すること(請求項4に係る発明)が
望ましい。
【0008】
【発明の作用・効果】本発明によるブレーキマスタシリ
ンダ(請求項1に係る発明)においては、第1スプリン
グリテーナに設けた突起(通常、金属製である)がスリ
ーブ(通常、樹脂製である)に設けた開口部を通してキ
ャップ(通常、金属製である)の一部と係合可能とし
て、突起がスリーブに係合しないようにした。このた
め、スリーブに設けられる開口部の軸方向長さは、第1
圧力室の軸方向長さの範囲において適宜に設定可能であ
って、第1圧力室と送出ポートを連通させる通路の面積
を十分に確保することが可能であり、第1圧力室のエア
抜き性を良好とすることが可能である。また、スリーブ
を樹脂で成形する場合において、突起との当接を考慮し
た強度は要求されず、低コストの素材を使用することが
可能であって、スリーブのコストを低減することが可能
である。
【0009】また、本発明の実施に際して、スリーブの
開口部が第1ピストン側端部にて軸方向にも開口する構
成を採用した場合(請求項2に係る発明)においては、
スリーブの軸方向開口から突起を軸方向に挿入すること
により、突起を何ら変形させることなくスリーブに非係
合の状態にて組付けることが可能である。このため、突
起をスリーブに容易に組付けることができて、組付性を
良好とすることができるとともに、組付時における削り
粉の発生をなくして、ブレーキマスタシリンダの良好な
作動を保証することができる。また、スリーブの開口部
を軸方向にも開口する形状とすることにより、スリーブ
を樹脂にて成形する場合の型構造を単純化できて、型コ
ストを低減することができる。
【0010】また、本発明の実施に際して、突起を両ピ
ストンの軸方向に向けて曲げた構成を採用した場合(請
求項3に係る発明)においては、スリーブとキャップに
設ける突起の移動スペースを、突起を曲げた方向に移動
させることができて、突起の曲げ量を適宜に設定するこ
とにより、突起が係合可能なキャップの一部とスリーブ
の開口部との配設位置を軸方向にて適宜に設定すること
ができ、当該ブレーキマスタシリンダの全長短縮化が可
能である。
【0011】また、本発明の実施に際して、第2スプリ
ングの取付長を規定手段によって所定値に規定して、第
2スプリングが取付長にまで延びる間では突起がキャッ
プの一部に係合しないように設定した場合(請求項4に
係る発明)においては、突起に第2スプリングの荷重が
加わらないため、突起の強度を低くすることができて、
突起の小型化・低コスト化を図ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の一実施形態を図
面に基づいて説明する。図1に示した本発明によるブレ
ーキマスタシリンダは、ボディ11とキャップ12(カ
バーと言うこともある)によって構成されるシリンダハ
ウジング10と、このシリンダハウジング10に組付け
たシールカップ21、スペーサ22、スリーブ23、シ
ールカップ24、スペーサ25、ガイド26と、第1ピ
ストン31、第2ピストン32とを備えている。
【0013】ボディ11は、金属製で一端(図1の右
端)にて開口する段付の内孔11aを有するとともに、
リザーバ(図示省略)にコネクタ19を介して接続され
るポート11b,11cと、ブレーキ配管を介してホイ
ールシリンダ(共に図示省略)に接続される送出ポート
11d,11eを有していて、内孔11aの開口端部に
はめねじ部11fが形成されている。また、ボディ11
の内孔11aには、ボディ11と第2ピストン32間に
形成されて送出ポート11eが連通する第2圧力室R2
を液密的にシールする環状のシールカップ21がスペー
サ22とともに組付けられている。スペーサ22は、環
状に形成されていて、シールカップ21とスリーブ23
間に介装されており、内外周にて軸方向の液流通を許容
するとともに、第2圧力室R2に圧力が発生したときに
シールカップ21の一部が後述するスリーブ23の連通
溝23aに食い込むことを抑制する。
【0014】キャップ12は、金属製でボディ11のめ
ねじ部11fに螺合するおねじ部12aを中間部外周に
有するとともに、ボディ11の内孔11aに嵌合してス
リーブ23の小径部を収容する筒部12bを有してい
る。また、キャップ12は、Oリング13,14を介し
てボディ11に液密的に組付けられていて、シールカッ
プ21,スペーサ22及びスリーブ23を筒部12bの
端面にて抜け止めするとともに、環状のシールカップ2
4,スペーサ25及びガイド26を段付内孔12cの右
端段部12c1にて抜け止めしている。スペーサ25
は、環状に形成されていて、シールカップ24とガイド
26間に介装されており、内外周にて軸方向の液流通を
許容するとともに、第1圧力室R1に圧力が発生したと
きにシールカップ24の一部が後述するガイド26の連
通溝26aに食い込むことを抑制する。
【0015】また、キャップ12の右端部内周には環状
のシールカップ15が組付けられ、キャップ12の右端
部外周にはOリング16が組付けられている。Oリング
13はキャップ12の左端部外周に組付けられてボディ
11とキャップ12間を液密的にシールしており、Oリ
ング14はOリング13より右方にてボディ11の内周
に組付けられてボディ11とキャップ12間を気密かつ
液密的にシールしている。シールカップ15はキャップ
12と第1ピストン31間を気密かつ液密的にシールし
ており、Oリング16はブレーキブースタのハウジング
(図示省略)とキャップ12間を気密的にシールするも
のである。なお、キャップ12の右端外周は六角形状に
形成されていて、この部位を工具にて回転することによ
り、キャップ12がボディ11に脱着される。
【0016】スリーブ23は、外周に段部を有した円筒
状の樹脂成形品であって、左端部内周には環状のシール
カップ27が組付けられ、左端部外周にはOリング28
が組付けられており、ボディ11の内孔段部とキャップ
12の筒部12b端面によって挟持されている。シール
カップ27はスリーブ23と第2ピストン32間を液密
的にシールしており、Oリング28はスリーブ23とボ
ディ11間を液密的にシールしている。
【0017】また、スリーブ23には、液通路23a,
23b,23cが設けられるとともに、突起23dと開
口部23eが設けられている。液通路23aは、スリー
ブ23の大径左端部に傾斜して形成されていて、周方向
にて所定の間隔で複数個設けられており、ボディ11と
スリーブ23間に形成される環状通路P1を通してポー
ト11cに常に連通するとともに、スペーサ22と第2
ピストン32間の隙間を通して第2ピストン32に設け
たピストンポート32aに連通している。
【0018】液通路23bは、スリーブ23の内周に軸
方向に沿って直線状に設けられていて、周方向にて所定
の間隔で複数個設けられており、両ピストン31,32
間に形成される第1圧力室R1と各シールカップ24,
27のカップ凹部を常に連通させている。液通路23c
は、スリーブ23の小径部外周に軸方向に沿って形成さ
れるととともにスリーブ23の外周段部に径方向に沿っ
て形成されてL字状となっていて、周方向にて所定の間
隔で複数個設けられており、一端にてボディ11とスリ
ーブ23間に形成される環状通路P2を通して送出ポー
ト11dに常に連通し他端にてシールカップ24のカッ
プ凹部に常に連通している。
【0019】突起23dは、スリーブ23の小径右端部
に形成されていて、軸方向に突出しており、シールカッ
プ24のカップ凹部に突入している。開口部23eは、
図1及び図2に示したように、スリーブ23の小径部の
全部と大径部の一部にわたって形成されていて、軸方向
に延びており、径方向にて開口して第1圧力室R1を送
出ポート11dに常に連通させるとともに、小径右端部
(第1ピストン31側端部)にて軸方向にも開口してい
る。
【0020】ガイド26は、樹脂製で円筒状に形成され
ていて、キャップ12の内孔12cに組付けられてお
り、外周から両端にまで延びる連通溝26aが設けられ
ている。連通溝26aは、ガイド26の外周に軸方向に
沿って形成されるととともにガイド26の両端部に径方
向に沿って形成されてコ字状となっていて、周方向にて
所定の間隔で複数個設けられており、一端にてキャップ
12に設けた環状溝12d及び連通孔12e(周方向に
て所定の間隔で複数個設けられている)とボディ11と
キャップ12間に形成される環状通路P3とを通してポ
ート11bに常に連通するとともに、スペーサ25と第
1ピストン31間の隙間を通して第1ピストン31に設
けたピストンポート31aに連通し、他端にてキャップ
12と第1ピストン31間の隙間を通してシールカップ
15のカップ凹部に常に連通している。
【0021】第1ピストン31は、金属製でキャップ1
2を通してシリンダハウジング10内に嵌挿されてい
て、スリーブ23とガイド26によって軸方向へ摺動可
能に支持されている。また、第1ピストン31は、第2
ピストン32との間に介装した第1スプリングS1によ
って図1の右方に向けて付勢されていて、第1ロッド3
3と第1リテーナ34と第1スプリングリテーナ35に
よって第2ピストン32に対する後退量(第1スプリン
グS1の取付長でもある)が規定されている。
【0022】第1ロッド33は、金属製で右端部にて第
1リテーナ34を介して第1ピストン31に一体的に組
付けられていて、第1ピストン31と一体的に軸方向へ
移動する。第1リテーナ34は、金属製で第1スプリン
グS1のスプリングリテーナを兼ねていて、第1ロッド
33の右端部に嵌着固定されるとともに、第1ピストン
31の内孔段部31bに圧入によって嵌合固定されてい
る。
【0023】第1スプリングリテーナ35は、金属製で
第1スプリングS1と第2ピストン32間に介装されて
いて、右端部にて第1ロッド33の頭部33aと左方に
向けて離脱可能に係合しており、左端に径外方に向けて
延びる突起35aを有している。突起35aは、中間部
が図示右方(軸方向)に折れ曲がった形状であり、スリ
ーブ23に設けた開口部23eを通してキャップ12の
段付内孔12cの大径部にまで延びていて、キャップ1
2の段付内孔12cに設けた大径段部12c2に対して
所定の隙間で対向しており、両ピストン31,32の後
退方向にて大径段部12c2と係合可能となっている。
【0024】第2ピストン32は、金属製で第1ピスト
ン31に対して同軸的に配置されていて、シリンダハウ
ジング10内にてスリーブ23によって軸方向へ摺動可
能に支持されている。また、第2ピストン32は、ボデ
ィ11との間に介装した第2スプリングS2によって図
1の右方に向けて付勢されていて、第2ロッド36と第
2リテーナ37と第2スプリングリテーナ38によって
図1右方への後退量(第2スプリングS2の取付長でも
ある)が規定されている。
【0025】第2ロッド36は、金属製で右端部にて第
2リテーナ37を介して第2ピストン32に一体的に組
付けられていて、第2ピストン32と一体的に軸方向へ
移動する。第2リテーナ37は、金属製で第2スプリン
グS2のスプリングリテーナを兼ねていて、第2ロッド
36の右端部に嵌着固定されるとともに、第2ピストン
32の内孔段部32bに圧入によって嵌合固定されてい
る。
【0026】第2スプリングリテーナ38は、金属製で
第2スプリングS2とボディ11間に介装されていて、
右端部にて第2ロッド36の頭部36aに所定の隙間
(第1スプリングリテーナ35の突起35aとキャップ
12の大径段部12c2間の隙間より小さい隙間)で対
向している。このため、第2スプリングS2が第2ロッ
ド36と第2リテーナ37と第2スプリングリテーナ3
8によって規定される取付長にまで延びる間では、第1
スプリングリテーナ35の突起35aがキャップ12の
大径段部12c2に係合しないように設定されている。
【0027】第1スプリングリテーナ35の突起35a
がキャップ12の大径段部12c2に係合(当接)する
のは、図1に示したように、当該ブレーキマスタシリン
ダが組み立てられた状態で搬送される場合において、第
1ピストン31、第2ピストン32、第1ロッド33、
第1リテーナ34、第1スプリングリテーナ35、第2
ロッド36、第2リテーナ37及び第2スプリングリテ
ーナ38等が自重等により一体的に右方へ移動する場合
であって、当該ブレーキマスタシリンダが車両に組付け
られた状態では、第1ピストン31及び第2ピストン3
2が図1に示した位置を後退限とするように調整され
る。
【0028】上記のように構成した本実施形態において
は、当該ブレーキマスタシリンダが車両に組付けられ、
シリンダハウジング10内にブレーキ液が充填された状
態にて、第1ピストン31が図1の左方に押し込まれて
軸方向移動すると、第1ピストン31のピストンポート
31aがシールカップ24を通過することにより、第1
圧力室R1とポート11b(リザーバに接続されるポー
ト)との連通が遮断されて第1圧力室R1内に圧力が生
じる。
【0029】また、このときには、第2ピストン32が
図1の左方に押し込まれて軸方向移動し、第2ピストン
32のピストンポート32aがシールカップ21を通過
することにより、第2圧力室R2とポート11c(リザ
ーバに接続されるポート)との連通が遮断されて第2圧
力室R2内に圧力が生じる。このため、第1圧力室R1
から送出ポート11d(ホイールシリンダに接続される
ポート)に向けて圧液が押し出されるとともに、第2圧
力室R2から送出ポート11e(ホイールシリンダに接
続されるポート)に向けて圧液が押し出されて制動作用
が得られる。
【0030】ところで、本実施形態においては、金属製
の第1スプリングリテーナ35に設けた突起35aが樹
脂製のスリーブ23に設けた開口部23eを通して金属
製のキャップ12の大径段部12c2と係合可能とし
て、突起35aがスリーブ23に係合しないようにし
た。このため、スリーブ23に設けられる開口部23e
の軸方向長さは、第1圧力室R1の軸方向長さの範囲に
おいて適宜に設定可能であって、第1圧力室R1と送出
ポート11dを連通させる通路の面積を十分に確保する
ことが可能であり、第1圧力室Rのエア抜き性を良好と
することが可能である。また、樹脂製のスリーブ23に
は、突起35aとの当接を考慮した強度は要求されず、
低コストの素材を使用することが可能であって、スリー
ブ23のコストを低減することが可能である。
【0031】また、本実施形態においては、スリーブ2
3の開口部23eが第1ピストン31側端部にて軸方向
にも開口する構成が採用されているため、当該ブレーキ
マスタシリンダの組立に際して、スリーブ23の軸方向
開口から突起35aを軸方向に挿入することにより、突
起35aを何ら変形させることなくスリーブ23に非係
合の状態にて組付けることが可能である。このため、突
起35aをスリーブ23に容易に組付けることができ
て、組付性を良好とすることができるとともに、組付時
における削り粉の発生をなくして、ブレーキマスタシリ
ンダの良好な作動を保証することができる。また、スリ
ーブ23の開口部23eを軸方向にも開口する形状とす
ることにより、スリーブ23の樹脂成形型構造を単純化
できて、樹脂成形型コストを低減することができる。
【0032】また、本実施形態においては、突起35a
を軸方向に向けて曲げた構成を採用しているため、スリ
ーブ23とキャップ12に設ける突起35aの移動スペ
ースを、突起35aを曲げた方向に移動させることがで
きて、突起35aの曲げ量を適宜に設定することによ
り、突起35aが係合可能なキャップ12の大径段部1
2c2とスリーブ23の開口部23eとの配設位置を軸
方向にて適宜に設定することができ、当該ブレーキマス
タシリンダの全長短縮化が可能である。
【0033】また、本実施形態においては、第2スプリ
ングS2の取付長を第2ロッド36と第2リテーナ37
と第2スプリングリテーナ38によって所定値に規定し
て、第2スプリングS2が取付長にまで延びる間では突
起35aがキャップ12の大径段部12c2に係合しな
いように設定したため、突起35aに第2スプリングS
2の荷重が加わらず、突起35aの強度を低くすること
ができて、突起35aの小型化・低コスト化を図ること
ができる。
【0034】上記実施形態においては、スリーブ23の
開口部23eを第1ピストン31側端部にて軸方向にも
開口する形状として実施したが、図3に示したように、
スリーブ23の開口部23eが軸方向に開口しない形状
として実施することも可能である。また、上記実施形態
においては、各ロッド33,36を各リテーナ34,3
7を介して各ピストン31,32に一体的に組付けるよ
うにしたが、図4に示したように、各ロッド33,36
の端部に雄ねじを設けるとともに、各ピストン31,3
2に雌ねじを設けて、各ロッド33,36の端部を各ピ
ストン31,32に一体的に組付けるようにして実施す
ることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるブレーキマスタシリンダの一実
施形態を示す断面図である。
【図2】 図1に示したスリーブ単体の斜視図である。
【図3】 図1及び図2に示したスリーブの変形例を示
す部分斜視図である。
【図4】 図1に示したロッドとピストンの連結構造の
変形例を示す部分断面図である。
【符号の説明】
10…シリンダハウジング、11…ボディ、11a…内
孔、11d…ボディに設けた送出ポート、12…キャッ
プ、12c2…大径段部、23…スリーブ、23e…開
口部、31…第1ピストン、32…第2ピストン、33
…第1ロッド、34…第1リテーナ、35…第1スプリ
ングリテーナ、35a…突起、36…第2ロッド、37
…第2リテーナ、38…第2スプリングリテーナ、R1
…第1圧力室、R2…第2圧力室、S1…第1スプリン
グ、S2…第2スプリング。
フロントページの続き (72)発明者 中野 利博 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内 Fターム(参考) 3D047 BB33 BB36 BB41 CC17 CC20 JJ01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端にて開口する内孔を有したボディ
    と、このボディの前記内孔に組付けられたスリーブと、
    前記ボディの内孔開口部に組付けられて前記スリーブを
    抜け止めし前記ボディとによってシリンダハウジングを
    構成するキャップと、このキャップを通して前記シリン
    ダハウジング内に嵌挿されて前記スリーブ内にて内端部
    が軸方向へ摺動可能な第1ピストンと、この第1ピスト
    ンに対して同軸的に配置されて前記スリーブ内にて軸方
    向へ摺動可能な第2ピストンと、前記第1ピストンと前
    記第2ピストン間に介装されて前記第1ピストンを後退
    方向に向けて付勢する第1スプリングと、前記第2ピス
    トンと前記ボディ間に介装されて前記第2ピストンを後
    退方向に向けて付勢する第2スプリングとを備えたブレ
    ーキマスタシリンダにおいて、前記第1スプリングと前
    記第2ピストン間に介装される第1スプリングリテーナ
    に設けられて径外方に延びる突起が、前記スリーブに設
    けられ軸方向に延びて径方向にて開口し前記両ピストン
    間に形成される第1圧力室を前記ボディに設けた送出ポ
    ートに連通させる開口部を通して、前記キャップにまで
    至り、前記キャップの一部と前記両ピストンの後退方向
    にて係合可能としたことを特徴とするブレーキマスタシ
    リンダ。
  2. 【請求項2】 前記スリーブの開口部が前記第1ピスト
    ン側端部にて軸方向にも開口していることを特徴とする
    請求項1に記載のブレーキマスタシリンダ。
  3. 【請求項3】 前記突起を前記両ピストンの軸方向に向
    けて曲げたことを特徴とする請求項1に記載のブレーキ
    マスタシリンダ。
  4. 【請求項4】 前記第2スプリングの取付長を規定手段
    によって所定値に規定して、前記第2スプリングが取付
    長にまで延びる間では前記突起が前記キャップの一部に
    係合しないように設定したことを特徴とする請求項1に
    記載のブレーキマスタシリンダ。
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