JP2001119046A - 光起電力デバイス用基板 - Google Patents

光起電力デバイス用基板

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JP2001119046A
JP2001119046A JP29760899A JP29760899A JP2001119046A JP 2001119046 A JP2001119046 A JP 2001119046A JP 29760899 A JP29760899 A JP 29760899A JP 29760899 A JP29760899 A JP 29760899A JP 2001119046 A JP2001119046 A JP 2001119046A
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zinc oxide
transparent conductive
thickness
substrate
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JP29760899A
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Yasunari Seto
康徳 瀬戸
Akira Fujisawa
章 藤沢
Tsutomu Otani
強 大谷
Masahiro Hirata
昌宏 平田
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Sheet Glass Co Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸化亜鉛を主成分とする保護膜と透明導電膜
との密着性が十分でないと、太陽電池の特性低下の原因
となる。 【解決手段】 ガラス板5上に形成した酸化錫を主成分
とする透明導電膜3上に、耐プラズマ性に優れた酸化亜
鉛膜4を形成する。酸化亜鉛膜4は、被膜形成原料の熱
分解を伴う方法により成膜する。この酸化亜鉛膜4は
(101)面配向性を示し、例えば、スパッタリング法
で成膜された(002)面配向を示す酸化亜鉛膜より
も、透明導電膜との密着性に優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は太陽電池などの光起
電力デバイスに用いる基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アモルファスシリコン(a−Si)太陽
電池用の基板には、高い光透過性と導電性、および光閉
じこめ効果を有する表面凹凸構造が必要とされており、
透明導電膜として酸化錫膜が形成されたガラス板が多く
用いられている。しかし、透明導電膜上にp層アモルフ
ァスシリコン膜を形成する工程で、酸化錫膜が還元性プ
ラズマに曝されて還元(黒化)され、アモルファスシリ
コン膜へと光を取り入れる基板の光線透過率が低下し、
太陽電池の特性が低下することが問題となる。
【0003】そこで、透明導電膜の表面に酸化亜鉛のよ
うな還元劣化しがたい保護膜を形成する方法(特開昭6
3−80413号公報)、酸化錫に特定の結晶配向性を
与えて還元劣化を低減する方法(特開平2−23177
3号公報)などが提案されている。また、近年、太陽電
池にさらに高い変換効率が要求されていることから、還
元劣化の低減とともに、透明導電膜への保護膜形成によ
る透明性や導電性の低下を解決する方法も提案されてい
る。
【0004】例えば、特開昭63−89657号公報に
は、酸化インジウムまたは酸化錫を主成分とする透明導
電膜の表面に、電導性酸化亜鉛膜を形成することが開示
されている。同公報には、アルミニウム、インジウム、
錫の少なくとも一つを添加して導電性を向上させた酸化
亜鉛膜が記載されている。また、酸化亜鉛膜の好ましい
膜厚として、10nm〜200nmが記載されている。
この酸化亜鉛膜は、スパッタリング法により成膜され
る。
【0005】特開平6−338223号公報には、酸化
インジウムまたは酸化錫を主成分とする透明導電膜の表
面に、ガリウムを含有し、酸化亜鉛を主成分とする保護
膜を形成することが開示されている。ガリウムの添加に
より、酸化亜鉛膜の導電性などが改善される。ここで
も、保護膜は、スパッタリング法により成膜される。
【0006】特開平7−131044号公報には、透明
導電膜に結晶性の透明導電性薄膜を積層することが開示
されている。結晶性の透明導電性薄膜としては、酸化亜
鉛膜が記載されている。この酸化亜鉛膜は、保護膜とし
て2〜200nmの膜厚を有する。この酸化亜鉛膜は、
酸化亜鉛結晶の(002)面が膜面にほぼ平行となる配
向性、すなわち、(002)面配向を示している。この
酸化亜鉛膜は、より高い耐プラズマ性を有する。ここで
も、酸化亜鉛膜は、スパッタリング法により成膜され
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記各種の提案によ
り、透明導電膜の還元によるa−Si太陽電池の特性劣
化は改善されつつある。しかしながら、依然として以下
の問題が残されている。すなわち、上記従来の酸化亜鉛
膜は、透明導電膜との密着性が十分ではなく、太陽電池
の製造工程において微小な膜剥離が生じ、太陽電池の性
能低下を引き起こす。
【0008】特開平5−82814号公報には、太陽電
池の性能低下の原因となる膜剥離を防ぐために、炭素原
子を含む酸化亜鉛膜を用いることが開示されている。同
公報では、酸化亜鉛膜の一般的な成膜方法として、真空
蒸着法、スパッタリング法、イオンクラスタビーム法、
化学蒸着法、金属塩溶液のスプレー後の加熱、が挙げら
れている。また、炭素原子を含有する酸化亜鉛膜の具体
的な形成方法としては、ターゲットに炭素原子を含む酸
化亜鉛を用いたDCマグネトロンスパッタリング法が記
載されている。
【0009】本発明は、透明導電膜との密着性が改善さ
れた保護膜を有する光起電力デバイス用基板を提供する
ことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、透明導電膜
上に(101)面配向を示す酸化亜鉛を主成分とする膜
を形成することにより、酸化亜鉛を主成分とする膜と透
明導電膜との密着性を改善できることを見いだした。す
なわち、本発明の第1の光起電力デバイス用基板は、ガ
ラス板と、このガラス板上に形成された透明導電膜と、
この透明導電膜上に形成された酸化亜鉛を主成分とする
膜とを含み、この酸化亜鉛を主成分とする膜が、X線回
折分析により、酸化亜鉛結晶について(101)面配向
を示すことを特徴とする。
【0011】(101)面配向とすると(002)面配
向の場合よりも密着性が高くなる理由は必ずしも明らか
ではないが、膜界面での格子整合性が改善されることが
一因と考えられる。酸化亜鉛を主成分とする膜の配向性
は、X線回折分析により確認できる。例えば(101)
面配向している膜をX線回折分析すると、酸化亜鉛結晶
の(101)面に対応するピークの強度が他の結晶面に
対応するいずれのピークよりも強くなる。
【0012】また、本発明者は、被膜形成原料の熱分解
を伴う化学気相法(CVD法)やスプレー法により成膜
された酸化亜鉛膜が透明導電膜との密着性に優れている
ことを見いだした。すなわち、本発明の第2の光起電力
デバイス用基板は、ガラス板と、このガラス板上に形成
された透明導電膜と、この透明導電膜上に形成された酸
化亜鉛膜とを含み、この酸化亜鉛膜が、被膜形成原料の
熱分解を伴う方法により成膜されたことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい形態につ
いて図面を参照しながら説明する。図1に示すように、
透明導電膜3の表面には、酸化亜鉛膜4が保護膜として
形成される。酸化亜鉛膜4は、酸化亜鉛を主成分として
含めばよく、フッ素およびアルミニウムから選ばれる少
なくとも一方が添加されていることが好ましい。特に制
限されないが、フッ素の添加量は0.1〜10重量%
が、アルミニウムの添加量は0.1〜10重量%が好適
である。また、酸化亜鉛膜には、ガリウム、インジウ
ム、ビスマス、シリコン、銅、ホウ素、バナジウム、マ
ンガン、ジルコニウム、鉄、タングステン、チタン、ア
ンチモンなどのその他の微量成分が添加されていてもよ
い。酸化亜鉛膜4の好ましい膜厚は、5nm以上100
nm以下である。
【0014】透明導電膜3は、酸化錫を主成分とする膜
が好ましい。透明導電膜3には、導電性の向上を目的と
して、フッ素および/またはアンチモンを添加すること
が好ましい。また、フッ素やアンチモン以外にも、シリ
コン、アルミニウム、亜鉛、銅、インジウム、ビスマ
ス、ガリウム、ホウ素、バナジウム、マンガン、ジルコ
ニウム、ニオブ、鉄、タングステン、チタンなどを添加
しても構わない。透明導電膜の好ましい膜厚は500n
m以上1200nm以下である。
【0015】透明導電膜3とガラス板5との間には、下
地膜を形成することが好ましい。下地膜により、ガラス
板からのアルカリ成分の拡散を抑制できる。下地膜とし
ては、酸化シリコンを主成分とする膜または酸化アルミ
ニウムを主成分とする膜が好ましい。下地膜は、単層と
してもよいが複数層とすることが好ましい。下地膜を複
数層とする場合には、例えば、ガラス板側から順に、酸
化錫を主成分とする第1の下地層と、上記に例示した金
属の酸化物を主成分とする第2の下地層を形成した構成
が好ましい。ガラス板5上に形成された、第1の下地層
1(例えば酸化錫膜)の好ましい膜厚は5nm以上50
nm以下であり、第2の下地層2(例えば酸化シリコン
膜)の好ましい膜厚も5nm以上50nm以下である。
【0016】上記各膜の成膜には、スパッタリング法、
イオンプレーティング法、真空蒸着法などのいわゆる物
理蒸着法を用いてもよいが、CVD法やスプレー法など
のいわゆる化学蒸着法を用いることが好ましい。物理蒸
着法では、膜厚の均一性には優れているが、被膜耐久性
などを考慮すると、原料の熱分解酸化反応を伴う化学蒸
着法が優れている。このため、特に酸化亜鉛膜および透
明導電膜は、化学蒸着法により成膜することが好まし
い。
【0017】スプレー法としては、金属化合物を含む溶
液を高温のガラス板上に噴霧する溶液スプレー法、上記
溶液に代えて金属化合物の微粒子を液体に分散させた分
散液を用いる分散液スプレー法、上記溶液に代えて金属
化合物の粉末を用いる粉末スプレー法などが挙げられ
る。これに対し、CVD法では、被膜形成用の蒸気が用
いられる。スプレー法には、比較的簡便な装置で実施で
きるという利点がある。一方、CVD法には、膜厚を均
一化しやすいという利点がある。
【0018】CVD法による成膜は、所定の大きさに切
断し、加熱したガラス板にガス状の原料が吹きつけるこ
とにより行うことができる。例えば、ガラス板をメッシ
ュベルトに載せて加熱炉を通過させる間に原料を供給
し、所定温度にまで加熱したガラス板の表面で原料を反
応させればよい。
【0019】しかし、CVD法やスプレー法による成膜
は、フロート法によるガラス製造工程における高温のガ
ラスリボン上に原料ガスを供給して、ガラス成形時の熱
エネルギーを利用することが好ましい。この好ましい製
法は、大きな面積を有するガラス板の製造には有利であ
り、屋根材用などとして大面積のガラス板への成膜も求
められる光起電力デバイス用基板の成膜には特に適して
いる。特に、CVD法を錫フロート槽空間で行えば、軟
化点以上の温度を有するガラス表面にも成膜が行えるの
で、膜の性能および成膜反応速度、成膜反応効率の向上
が可能となる。また、ピンホール(膜抜け)などの欠点
も抑制される。
【0020】酸化亜鉛膜や透明導電膜を成膜する場合
の、ガラス板など基板の温度は520℃以上が好まし
い。このような高温での成膜は、ガラスリボン上におけ
る成膜を実施することにより容易に実現できる。酸化亜
鉛膜の成膜温度を520℃以上、特に570℃以上とす
ると、酸化亜鉛膜の(101)面配向が促進される。
【0021】フロート法におけるガラスリボン上にCV
D法により成膜するための装置の一形態を図2に示す。
図2に示したように、この装置では、溶融炉(フロート
窯)11から錫フロート槽(フロートバス)12内に流
れ出し、錫浴15上を帯状に移動するガラスリボン10
の表面から所定距離を隔て、所定個数のコータ16(図
示した形態では3つのコータ16a,16b,16c)
が錫フロート槽内に配置されている。これらのコータか
らは、ガス状の原料が供給され、ガラスリボン10上に
連続的に被膜が形成されていく。また、複数のコータを
利用すれば、ガラスリボン10上に、下地膜から酸化亜
鉛膜までの各膜をCVD法により連続して成膜できる。
ガラスリボンの温度は、コータ16の直前で所定温度と
なるように、錫フロート槽内に配置されたヒータおよび
クーラ(図示省略)により調整される。各膜が形成され
たガラスリボン10は、ローラ17により引き上げられ
て、徐冷炉13へと送り込まれる。なお、徐冷炉13で
徐冷されたガラス板は、図示を省略するフロート法汎用
の切断装置により、所定の大きさのガラス板へと切断さ
れる。
【0022】ガラスリボン上への成膜は、CVD法とス
プレー法とを併用して行ってもよい。例えば、CVD法
とスプレー法とをこの順に実施することにより(例え
ば、錫フロート槽空間内においてCVD法による成膜を
実施し、錫フロート槽空間よりガラスリボン進行方向下
流側においてスプレー法による成膜を実施することによ
り)、所定の積層構造を実現してもよい。例えば、図1
に示した積層構造を有する光起電力デバイス用基板を製
造する場合には、下地膜および透明導電膜を錫フロート
槽空間内におけるCVD法により成膜し、酸化亜鉛膜を
錫フロート槽空間を通過した下流側におけるスプレーガ
ン18を用いたスプレー法により成膜することが特に好
ましい。この方法によれば、優れた特性を有する膜を効
率よく形成できる。
【0023】なお、スプレー法で酸化亜鉛膜を成膜する
ときの亜鉛原料としては、塩化亜鉛、亜鉛アセチルアセ
トナート、オクチル酸亜鉛、ヘキサン酸亜鉛、ナフテン
酸亜鉛、硝酸亜鉛、プロピオン酸亜鉛、シュウ酸亜鉛、
サリチル酸亜鉛などが挙げられる。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明は以下の実施例により制限されるもの
ではない。
【0025】(実施例1)図2に示した装置と同様の装
置を用い、錫フロート槽内において、槽内最上流側に位
置する第1のコータから、モノブチル錫トリクロライド
(蒸気)、酸素、およびヘリウムからなる混合ガスを供
給して膜厚が35nmの酸化錫膜(SnO 2膜)を成膜
し、次いで第2のコータから、モノシラン、エチレン、
酸素および窒素からなる混合ガスを供給して、SnO2
膜上に、膜厚が25nmの酸化シリコン膜(SiO
2膜)を成膜した。引き続いて、第3のコータから、モ
ノブチル錫トリクロライド(蒸気)、酸素、窒素、ヘリ
ウムおよびフッ化水素(蒸気)からなる混合ガスを供給
して、SiO2膜上に、膜厚が690nmのフッ素を含
有する酸化錫膜(SnO2:F膜)を成膜した。なお、
膜を形成する直前の部分におけるガラスリボン温度は約
650℃であった。
【0026】ガラスリボンは、錫フロート槽から徐冷炉
へと搬送され、徐冷炉内に設置されたスプレーガンか
ら、圧縮空気によりミストを供給するスプレー法によ
り、SnO2:F膜上に、膜厚が10nmの酸化亜鉛膜
(ZnO膜)を成膜した。ここでは、被膜形成原料とし
て、5mol/Lの塩化亜鉛水溶液を用いた。なお、ス
プレー成膜を行う直前の部分におけるガラスリボン温度
は575℃であった。その後、ガラスリボンを、さらに
搬送下流側に配置した切断機により所定寸法に切断し
た。
【0027】(実施例2)予め一辺が10cmの正方形
となるように切断した厚さ3mmのソーダライムガラス
を洗浄し、さらに乾燥させた。大気開放型の搬送炉内に
おいて、CVD法により、このガラス板に厚さ20nm
のSiO2膜を成膜し、次いで厚さ900nmのSn
2:F膜を成膜した。成膜は、ガラス板を、メッシュ
ベルトを用いて約550℃に加熱された炉内を搬送しな
がら行った。炉内に設置したコータから、SiO2膜成
膜の際は、モノシラン、エチレン、酸素および窒素から
なる混合ガスを供給し、SnO2:F膜成膜の際は、モ
ノブチル錫トリクロライド(蒸気)、酸素、窒素および
トリフルオロ酢酸(蒸気)からなる混合ガスを供給し
た。
【0028】引き続き、ガラス基板上を吊具によって固
定し、580℃に設定した電気炉内に5分間保持した
後、取り出して亜鉛のアセチルアセトナート塩とトルエ
ンとを混合した原料液を市販のスプレーガンを用いて基
板に吹きつけて、SnO2:F膜上に、厚さ30nmの
ZnO膜を成膜した。
【0029】(実施例3)実施例1と同様にして、ガラ
スリボン上におけるCVD法により、膜厚が35nmの
SnO2膜、膜厚が25nmのSiO2膜、膜厚が750
nmのSnO2:F膜を順次成膜した。
【0030】このガラスリボンを所定寸法に切断して得
たガラス板上を580℃に加熱した後、亜鉛のアセチル
アセトナート塩およびフッ酸の蒸気を含む窒素ガスを吹
きつけて、SnO2:F膜上に、膜厚が60nmのフッ
素を含有するZnO膜を成膜した。
【0031】(実施例4)実施例1と同様にして、ガラ
スリボン上におけるCVD法により、膜厚が35nmの
SnO2膜、膜厚が25nmのSiO2膜、膜厚が800
nmのSnO2:F膜を順次成膜した。
【0032】さらに、実施例1と同様にして、徐冷炉内
におけるスプレー法により、膜厚が80nmのZnO膜
を成膜した。ただし、被膜形成原料としては、塩化亜鉛
水溶液に塩化アルミニウム水溶液を混合した液を用い、
ZnO膜にアルミニウムを添加した。なお、スプレー成
膜を行う直前の部分におけるガラスリボン温度は585
℃であった。
【0033】(実施例5)実施例1と同様にして、ガラ
スリボン上におけるCVD法により、膜厚が35nmの
SnO2膜、膜厚が25nmのSiO2膜、膜厚が850
nmのSnO2:F膜を順次成膜した。
【0034】さらに、実施例1と同様にして、徐冷炉内
におけるスプレー法により、膜厚が75nmのZnO膜
を成膜した。ただし、被膜形成原料としては、塩化亜鉛
水溶液にフッ化アンモニウムを混合した液を用い、Zn
O膜にフッ素を添加した。なお、スプレー成膜を行う直
前の部分におけるガラスリボン温度は570℃であっ
た。
【0035】(実施例6)実施例1と同様にして、ガラ
スリボン上におけるCVD法により、膜厚が35nmの
SnO2膜、膜厚が25nmのSiO2膜、膜厚が700
nmのSnO2:F膜を順次成膜した。
【0036】さらに、実施例1と同様にして、徐冷炉内
におけるスプレー法により、膜厚が70nmのZnO膜
を成膜した。ただし、被膜形成原料としては、塩化亜鉛
水溶液に塩化アルミニウム水溶液およびフッ化アンモニ
ウムを混合した液を用い、ZnO膜にアルミニウムおよ
びフッ素を添加した。なお、スプレー成膜を行う直前の
部分におけるガラスリボン温度は570℃であった。
【0037】(実施例7)実施例1と同様にして、ガラ
スリボン上におけるCVD法により、膜厚が35nmの
SnO2膜、膜厚が25nmのSiO2膜、膜厚が850
nmのSnO2:F膜を順次成膜した。
【0038】さらに、実施例1と同様にして、徐冷炉内
におけるスプレー法により、膜厚が50nmのZnO膜
を成膜した。ただし、被膜形成原料としては、塩化亜鉛
水溶液に塩化アルミニウム水溶液およびフッ化アンモニ
ウムを混合した液を用い、ZnO膜にアルミニウムおよ
びフッ素を添加した。なお、スプレー成膜を行う直前の
部分におけるガラスリボン温度は600℃であった。
【0039】(比較例1)実施例1と同様にして、ガラ
スリボン上におけるCVD法により、膜厚が35nmの
SnO2膜、膜厚が25nmのSiO2膜、膜厚が690
nmのSnO2:F膜を順次成膜した。ZnO膜の成膜
は省略した。
【0040】(比較例2)実施例1と同様にして、ガラ
スリボン上におけるCVD法により、膜厚が35nmの
SnO2膜、膜厚が25nmのSiO2膜、膜厚が590
nmのSnO2:F膜を順次成膜した。
【0041】この基板上に、DCスパッタリング法によ
り、酸化亜鉛ターゲットを用いて圧力約1.3Paのア
ルゴン雰囲気下において、膜厚が8nmのZnO膜を成
膜した。
【0042】(比較例3)実施例1と同様にして、ガラ
スリボン上におけるCVD法により、膜厚が25nmの
SnO2膜、膜厚が40nmのSiO2膜、膜厚が820
nmのSnO2:F膜を順次成膜した。
【0043】この基板上に、DCスパッタリング法によ
り、酸化亜鉛ターゲットを用いて圧力約1.3Paのア
ルゴン雰囲気下において、膜厚が40nmのZnO膜を
成膜した。
【0044】実施例1〜7、比較例1〜3から得た各サ
ンプルについて、基板への膜の付着性を測定した。付着
力はJIS R3255 1997「ガラスを基板とし
た薄膜の付着性試験方法」に基づく測定値である。測定
装置としては、レスカ製スクラッチ試験機(CSR−0
2)にダイアモンド製直径5μmの測定端子を取り付け
たものを使用した。光学顕微鏡写真より、膜表面に何ら
かの変化が生じたときの測定端子への荷重が付着力であ
る。また、分光光度計により分光透過率を測定し、40
0〜800nmにおける透過率の平均値を算出した。
【0045】さらに、X線回折分析により、各試料の酸
化亜鉛膜の配向性を測定した。X線回折チャートにおい
て、最も強度が大きいピークに対応する酸化亜鉛結晶の
結晶面を配向面とした。以上の測定結果を表1に示す。
【0046】 (表1) ―――――――――――――――――――――――――――――――――― 酸化亜鉛 透過率 比抵抗 付着力 配向面 膜厚(nm) (%) (×10-4Ωcm)(mN) ―――――――――――――――――――――――――――――――――― 実施例1 10 86.2 3.2 38.2 (101) 実施例2 30 85.3 3.1 39.1 (101) 実施例3 60 85.1 3.2 39.1 (101) 実施例4 80 84.7 3.0 38.5 (101) 実施例5 75 84.7 3.1 39.3 (101) 実施例6 70 84.5 2.9 39.2 (101) 実施例7 50 85.5 2.8 38.9 (101) 比較例1 0 85.5 3.2 (40.1) − 比較例2 8 86.5 3.1 29.6 (002) 比較例3 40 85.3 3.0 31.3 (002) ――――――――――――――――――――――――――――――――――
【0047】表1のように、本発明の熱分解法で成膜し
た実施例1〜7では、X線回折による分析の結果、酸化
亜鉛膜が(101)面に配向しており、上記JISで規
定される付着力が37mN以上であった。一方、スパッ
タリング法により成膜した比較例2、3では、ZnO膜
が(002)面に配向しており、付着力も30mN未満
であった。スパッタリング法により成膜したZnO膜が
(002)面配向を示すという結果は、特開平7−13
1044号公報における記載内容と一致する。なお、比
較例1では、ZnO膜を形成していないため、表中の付
着力は透明導電膜(SnO2:F膜)の付着力に相当す
る。
【0048】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、透明導電膜との密着性が改善された酸化亜鉛を主
成分とする膜を有する光起電力デバイス用基板を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光起電力デバイス用基板の一実施形
態の断面図である。
【図2】 本発明の光起電力デバイス用基板を製造する
ための装置の一例の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 第1の下地層 2 第2の下地層 3 透明導電膜 4 酸化亜鉛膜 5 ガラス板 10 ガラスリボン 11 溶融炉(フロート窯) 12 錫フロート槽(フロートバス) 13 徐冷炉 16 コータ 18 スプレーガン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大谷 強 大阪府大阪市中央区道修町3丁目5番11号 日本板硝子株式会社内 (72)発明者 平田 昌宏 大阪府大阪市中央区道修町3丁目5番11号 日本板硝子株式会社内 Fターム(参考) 5F051 FA02 FA30 GA03 GA06 GA20

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス板と、前記ガラス板上に形成され
    た透明導電膜と、前記透明導電膜上に形成された酸化亜
    鉛を主成分とする膜とを含み、前記酸化亜鉛を主成分と
    する膜が、X線回折分析により、酸化亜鉛結晶について
    (101)面配向を示すことを特徴とする光起電力デバ
    イス用基板。
  2. 【請求項2】 ガラス板と、前記ガラス板上に形成され
    た透明導電膜と、前記透明導電膜上に形成された酸化亜
    鉛を主成分とする膜とを含み、前記酸化亜鉛を主成分と
    する膜が、被膜形成原料の熱分解を伴う方法により形成
    されたことを特徴とする光起電力デバイス用基板。
  3. 【請求項3】 被膜形成原料の熱分解温度が520℃以
    上である請求項2に記載の光起電力デバイス用基板。
  4. 【請求項4】 透明導電膜が、酸化錫を主成分とする膜
    である請求項1〜3のいずれかに記載の光起電力デバイ
    ス用基板。
  5. 【請求項5】 酸化亜鉛を主成分とする膜が、フッ素お
    よびアルミニウムから選ばれる少なくとも一方を含有す
    る請求項1〜4のいずれかに記載の光起電力デバイス用
    基板。
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