JP2001118780A - 電子線用転写マスクブランクス、電子線用転写マスク及びそれらの製造方法 - Google Patents

電子線用転写マスクブランクス、電子線用転写マスク及びそれらの製造方法

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JP2001118780A
JP2001118780A JP29778899A JP29778899A JP2001118780A JP 2001118780 A JP2001118780 A JP 2001118780A JP 29778899 A JP29778899 A JP 29778899A JP 29778899 A JP29778899 A JP 29778899A JP 2001118780 A JP2001118780 A JP 2001118780A
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electron beam
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Yoshihiko Suzuki
美彦 鈴木
Norihiro Katakura
則浩 片倉
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】メンブレンの応力開放用の孔を設けた場合であ
っても、回路パターンを形成する領域が実質的に小さく
ならず、光学特性に悪影響を与えないような電子線用転
写マスクブランクス、電子線用転写マスク及びそれらの
製造方法を提供する。 【解決手段】メンブレンと、該メンブレンの外周を固定
してこれを支える外周枠と、前記メンブレンを支持し、
複数の小領域にを含む領域に分割する支柱とを備えた転
写マスクブランクスであって、前記支柱が、少なくとも
2層構造を有し、前記メンブレンに最も近い層の支柱幅
は、他の層の支柱幅に比べて狭く、前記最も近い層の支
柱幅を他の層の支柱幅に比べて狭くすることにより形成
された前記小領域の外側のメンブレン領域に応力開放用
の孔が設けられていることを特徴とする電子線用転写マ
スクブランクス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子線投影露光装
置に用いられる電子線用転写マスクブランクス、電子線
用転写マスク及びそれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】近年、半導体集積回路素子の微細化に伴
い、光の回折限界によって制限される光学系の解像度を
向上させるために、X線、電子線やイオンビーム等の荷
電粒子線(以下、単に荷電粒子線という)を使用した露
光方式(リソグラフィー技術)が開発されている。その
中でも、電子線を利用してパターンを形成する電子線露
光は、電子線自体を数Å(オングストローム)にまで絞
ることが出来るため、1μm又はそれ以下の微細パター
ンを形成できる点に大きな特徴がある。
【0003】しかし、従来の電子線露光方式は、一筆書
きの方式であったため、微細パターンになればなるほ
ど、絞った電子線で描画せねばならず、描画時間が長
く、デバイス生産コストの観点から量産用ウエハの露光
には用いられなかった。そこで、所定のパターンを有す
る転写マスクに電子線を照射し、その照射範囲にあるパ
ターンを投影レンズによりウエハに縮小転写する荷電粒
子線縮小転写装置が提案されている。
【0004】回路パターンを投影するためにはその回路
パターンが描かれた転写マスクが必要である。転写マス
クとして、図6(a)に示すように、貫通孔が存在せ
ず、メンブレン42上に散乱体パターン44が形成され
た散乱透過転写マスク41と、図6(b)に示すよう
に、電子線を散乱する程度の厚さを有するメンブレン5
2に貫通孔パターン54が形成された散乱ステンシル転
写マスク51が知られている。
【0005】これらは、感応基板に転写すべきパターン
をメンブレン42、52上にそれぞれ備えた多数の小領
域42a、52aがパターンが存在しない境界領域によ
り区分され、境界領域に対応する部分に支柱43、53
が設けられている。散乱ステンシル転写マスクでは、メ
ンブレンは厚さ約2μm程度のシリコンメンブレンから
なり、メンブレンには電子線が透過する開口部(感応基
板に転写すべきパターンに相当)が設けられている。
【0006】即ち、一回の電子線によって露光される領
域は1mm角程度であるため、この1mm角の小領域
に、感応基板の1チップ(1チップの半導体)分の領域
に転写すべきパターンを分割した部分パターンをそれぞ
れ形成し、この小領域を多数敷き詰める構成をとってい
る。この電子線用の転写マスクは、シリコン基板、SO
I基板等を出発原料として、半導体技術を利用した種々
の製造方法により製作される。
【0007】しかし、シリコン基板、SOI基板等の転
写マスクのメンブレンに相当する部分にボイドが存在す
ると内部応力が生じ、そのメンブレンにパターンを形成
すると、パターンに歪、位置ズレを引き起こし、感光基
板に精度良くパターンを転写することができない。従っ
て、メンブレンの内部応力を適切に制御することは、非
常に重要であり、その方法として、メンブレン自体の内
部応力を極端に低減する、メンブレンの内部応力をメン
ブレンの外周付近に応力開放用の孔を設ける等の方法が
挙げられる。
【0008】図7は、従来の応力開放用の孔が形成され
た電子線用転写マスクの概略断面図である。従来の電子
線用転写マスクは、感光基板に転写すべきパターンが形
成されたメンブレン61と、該メンブレンの外周を固定
してこれを支える外周枠と、前記メンブレンを支持し、
複数の小領域に分割する支柱63とを備えた転写マスク
ブランクスであって、メンブレンからなる各小領域62
の外周付近に応力開放用の孔64が形成されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、支柱の幅を従
来の幅に維持して小領域の外周付近に応力開放用の孔を
設けた場合、回路パターンを形成する領域が実質的に小
さくなってしまう。換言すると、各メンブレンに回路パ
ターンを形成するための所定の面積の領域と、応力開放
用孔を形成するための領域とを確保しようとすると、所
定のシリコン基板、SOI基板等に形成することができ
るメンブレン領域の数が少なくなり、半導体チップを製
造するにあたって必要となる電子線用転写マスクの数が
多くなってしまう。
【0010】この問題に対して、支柱の幅を従来の支柱
の幅より細くして、小領域の面積を維持しつつ、応力開
放用の孔を形成するための領域を確保することも考えら
れるが、電子線が小領域からずれる等して応力開放用の
孔に照射された場合や複数の小領域を一括して露光する
場合に、応力開放用の孔を通過した電子線により、光学
特性に悪影響を与えるという問題は解消しない。
【0011】そこで、本発明は、このような従来の問題
に鑑みてなされたものであり、メンブレンの応力開放用
の孔を設けた場合であっても、回路パターンを形成する
領域が実質的に小さくならず、光学特性に悪影響を与え
ないような電子線用転写マスクブランクス、電子線用転
写マスク及びそれらの製造方法を提供することを目的と
する。
【0012】
【課題を解決するために手段】前記課題を解決するため
の第一の手段は、メンブレンと、該メンブレンの外周を
固定してこれを支える外周枠と、前記メンブレンを支持
し、複数の小領域にを含む領域に分割する支柱とを備え
た転写マスクブランクスであって、前記支柱が、少なく
とも2層構造を有し、前記メンブレンに最も近い層の支
柱幅は、他の層の支柱幅に比べて狭く、前記最も近い層
の支柱幅を他の層の支柱幅に比べて狭くすることにより
形成された前記小領域の外側のメンブレン領域に応力開
放用の孔が設けられていることを特徴とする電子線用転
写マスクブランクス(請求項1)である。
【0013】前記課題を解決するための第二の手段は、
さらに、前記各小領域に侵入せず、前記応力開放用の孔
を被覆する保護部を備えた請求項1記載の電子線用転写
マスクブランクス(請求項2)である。前記課題を解決
するための第三の手段は、支持シリコン基板、酸化シリ
コン層、シリコン活性層からなるSOI基板を用意する
工程と、前記支持シリコン基板上に、支柱形成位置に対
応する位置に開口パターンが設けられたドライエッチン
グ用マスクを形成する工程と、前記マスクに設けられた
開口パターンに合わせて前記支持シリコン層をドライエ
ッチングする工程と、前記酸化シリコン層をオーバーエ
ッチングし、メンブレンからなる小領域を含んだ領域を
形成する工程と、前記酸化シリコン層のオーバーエッチ
ングにより形成された前記小領域の外側のメンブレン領
域に応力開放用の孔を形成する工程と、を備えた電子線
用転写マスクブランクスの製造方法(請求項3)であ
る。
【0014】前記課題を解決するための第四の手段は、
支持シリコン基板、酸化シリコン層、シリコン活性層か
らなるSOI基板を用意する工程と、前記シリコン活性
層の所定の位置に応力開放用の孔を形成する工程と、前
記応力開放用孔を埋め込む工程と、前記応力開放用孔を
被覆する保護部を形成する工程と、前記支持シリコン基
板上に、支柱形成位置に対応する位置に開口パターンが
設けられたドライエッチング用マスクを形成する工程
と、前記マスクに設けられた開口パターンに合わせて前
記支持シリコン層をドライエッチングする工程と、前記
酸化シリコン層をオーバーエッチングするとともに、前
記応力開放用孔に埋め込まれたものを除去し、メンブレ
ンからなる小領域を含んだ領域を形成する工程と、を備
えた電子線用転写マスクブランクスの製造方法(請求項
4)である。
【0015】前記課題を解決するための第五の手段は、
感光基板に転写すべきパターンが形成されたメンブレン
と、該メンブレンの外周を固定してこれを支える外周枠
と、前記メンブレンを支持し、複数の小領域を含む領域
に分割する支柱とを備えた転写マスクであって、前記支
柱が、少なくとも2層構造を有し、前記メンブレンに最
も近い層の支柱幅は、他の層の支柱幅に比べて狭く、前
記最も近い層の支柱幅を他の層の支柱幅に比べて狭くす
ることにより形成された前記小領域の外側のメンブレン
領域に応力開放用の孔が設けられていることを特徴とす
る電子線用転写マスク(請求項5)である。
【0016】前記課題を解決するための第六の手段は、
さらに、前記各小領域に侵入せず、前記応力開放用の孔
を被覆する保護部を備えた請求項3記載の電子線用転写
マスク(請求項6)である。前記課題を解決するための
第七の手段は、 支持シリコン基板、酸化シリコン層、
シリコン活性層からなるSOI基板を用意する工程と、
前記支持シリコン基板上に、支柱形成位置に対応する位
置に開口パターンが設けられたドライエッチング用マス
クを形成する工程と、前記マスクに設けられた開口パタ
ーンに合わせて前記支持シリコン層をドライエッチング
する工程と、前記酸化シリコン層をオーバーエッチング
し、メンブレンからなる小領域を含んだ領域を形成する
工程と、前記酸化シリコン層のオーバーエッチングによ
り形成された前記小領域の外側のメンブレン領域に応力
開放用の孔を形成する工程と、前記メンブレンからなる
小領域に感光基板に転写すべきパターンを形成する工程
と、を備えた電子線用転写マスクの製造方法(請求項
7)である。
【0017】前記課題を解決するための第八の手段は、
支持シリコン基板、酸化シリコン層、シリコン活性層か
らなるSOI基板を用意する工程と、前記シリコン活性
層の所定の位置に応力開放用の孔を形成する工程と、前
記応力開放用孔を埋め込む工程と、前記応力開放用孔を
被覆する保護部を形成する工程と、前記支持シリコン基
板上に、支柱形成位置に対応する位置に開口パターンが
設けられたドライエッチング用マスクを形成する工程
と、前記マスクに設けられた開口パターンに合わせて前
記支持シリコン層をドライエッチングする工程と、前記
酸化シリコン層をオーバーエッチングするとともに、前
記応力開放用孔に埋め込まれたものを除去し、メンブレ
ンからなる小領域を含んだ領域を形成する工程と、前記
小領域に感光基板に転写すべきパターンを形成する工程
と、を備えた電子線用転写マスクの製造方法(請求項
8)である。
【0018】
【発明の実施形態】以下、本発明にかかる実施形態の電
子線用転写マスクブランクス、電子線用転写マスク及び
それらの製造方法を図面を参照しながら説明する。図1
(a)は、第一の実施形態の電子線用転写マスクブラン
クスの概略上面図の一部であり、(b)は、そのA−
A’矢視拡大断面図である。
【0019】第一の実施形態の電子線用転写マスクブラ
ンクスは、メンブレン1と、該メンブレン1の外周を固
定してこれを支える外周枠と、前記メンブレン1を支持
し、複数の小領域2を含む領域に分割する支柱3とを備
え、前記支柱3が、酸化シリコン部4と支持シリコン部
5とからなり、酸化シリコン部4の幅は、支持シリコン
部5の幅に比べて狭い。
【0020】メンブレンの膜厚は1〜2μm程度であ
り、支持シリコン部の幅は約100μm〜200μm
で、酸化シリコン部の幅は約40μm〜140μmであ
るので、酸化シリコン部の側面は、支持シリコン部の側
面より数μ〜30μm程度内側に入り込んでいるので、
電子線が支柱側からメンブレンに向けて照射された場
合、支柱の陰になる小領域の外側にメンブレン領域が形
成され、その領域に縦50μm〜200μm、横1μm
〜10μmの長方形の応力開放用の孔が16ヶ設けられ
ている。
【0021】なお、応力開放用の孔の大きさ、形状、数
はこの例に限定されない。また、図2は、第一実施形態
の電子線用転写マスクの概略断面図である。第一実施形
態の電子線用転写マスクは、前述した第一実施形態の電
子線用転写マスクブランクスのメンブレン1からなる小
領域2に、感光基板に転写すべきパターン7が形成され
たものである。
【0022】図3は、第一の実施形態の電子線用転写マ
スクブランクスの製作工程の一例を示す図である。ま
ず、一般的な製造方法により製作した支持シリコン基
板、酸化シリコン層、シリコン活性層からなるSOI
(Silicon on Insulater)基板を用意する(図3a)。
【0023】基板裏面に酸化シリコン層14を成膜し、
その酸化シリコン層の一部(支柱形成位置に対応する位
置)を窓(開口)パターン形状15にエッチングするこ
とによりドライエッチング用マスク16を形成する(図
3b)。次に、支持シリコン基板11をドライエッチン
グ用マスク16に形成された開口パターン15に合わせ
てエッチングする(図3c)。
【0024】シリコンと酸化シリコンとのエッチング選
択比の違いにより、支持シリコン基板11のエッチング
は酸化シリコン層12まで行われ、酸化シリコン層12
及びシリコン活性層13がシリコン製の外周枠11bと
シリコン製の支柱11aにより支持され、外周枠11b
と支柱11a間及び支柱11a間に開口を有する構造体
が形成される。
【0025】次に、開口において露出した酸化シリコン
層12をフッ化水素酸により等方的エッチングにより除
去するとともに、シリコン活性層と支柱の間に形成され
た酸化シリコン層12をオーバーエッチングすると、シ
リコン活性層13がシリコンメンブレン13aとなる
(図3d)。メンブレン13a上にレジストを塗布し、
パターンを形成する小領域の外側であって、オーバーエ
ッチングされた酸化シリコン層12aの外側に相当する
位置に応力開放用孔のパターンを電子線描画装置などを
用いて焼き付け、転写する(図3e)。
【0026】かかる所定のパターン17が転写されたレ
ジストをマスク16としてメンブレン13aをエッチン
グし、応力開放用の孔18を形成し、電子線用転写マス
クブランクスが完成する(図3f)。電子線用転写マス
クブランクスのメンブレン13a上にレジストを塗布
し、所定の微細パターンを電子線描画装置などを用いて
焼き付け、転写し、所定のパターンが転写されたレジス
トをマスクとしてメンブレン13aをエッチングして所
定のパターンを形成して、電子線用転写マスクを完成さ
せる(参照図2)。
【0027】図4は、第二の実施形態の電子線用転写マ
スクブランクスの概略上面図の一部であり、(b)は、
そのB−B’矢視拡大断面図である。第二の実施形態の
電子線用転写マスクブランクスは、メンブレン21と、
該メンブレンの外周を固定してこれを支える外周枠と、
前記メンブレン21を支持し、複数の小領域22を含む
領域に分割する支柱23とを備え、前記支柱23が酸化
シリコン部24と支持シリコン部25とからなり、酸化
シリコン部24の幅は、支持シリコン部25の幅に比べ
て狭い。
【0028】メンブレンの膜厚は1〜2μm程度であ
り、支持シリコン部の幅は約100μm〜200μm
で、酸化シリコン部の幅は約40μm〜140μmであ
るので、酸化シリコン部の側面は、支持シリコン部の側
面より数μm〜30μm程度内側に入り込んでいるの
で、電子線が支柱側からメンブレンに向けて照射された
場合、支柱の陰になる小領域の外側にメンブレン領域が
形成され、その領域に縦50μm〜200μm、横1μ
m〜10μmの長方形の応力開放用の孔が16ヶ設けら
れている。
【0029】また、小領域22に侵入せず、応力開放用
の孔26を被覆する保護部27が形成されている。メン
ブレン領域に保護部が形成されているので、後述する工
程において、小領域に回路パターンを形成する際にレジ
ストを塗布しても、応力開放用の孔からレジストが入り
込むことがない。
【0030】また、保護部の膜厚は、約0.05μm〜
0.1μmであるので、応力開放用孔が形成されている
メンブレンの膜厚1〜2μmに比べて極めて小さく、保
護部により応力開放孔が被覆されていても、応力開放用
孔をメンブレンに設けた効果は、ほとんど低減されな
い。図5は、第二の実施形態の電子線用転写マスクブラ
ンクスの製作工程の一例を示す図である。
【0031】まず、一般的な製造方法により製作した支
持シリコン基板31、酸化シリコン層32、シリコン活
性層33からなるSOI(Silicon on Insulater)基板
を用意する(図5a)。シリコン活性層33に応力開放
用の孔34を形成する(図5b)。かかる孔の形成位置
は、後述する工程により形成されるメンブレンからなる
小領域の外側であって、オーバーエッチングされた酸化
シリコン層の外側に相当する位置である。
【0032】前記応力開放用孔34を埋め込むようにシ
リコン活性層33上に酸化シリコン膜35を形成する
(図5c)。この酸化シリコン膜35をCMP等の研磨
法により、酸化シリコン膜を除去し、応力開放用の孔に
埋め込まれた酸化シリコン35aのみを残す(図5
d)。さらに、シリコン活性層上のLPCVD法等によ
り、窒化シリコン膜36を形成する(図5e)。
【0033】後述する工程により形成されるメンブレン
からなる小領域に侵入せず、かつ応力開放用の孔をカバ
ーするように窒化珪素膜36をドライエッチング法によ
り除去し保護部37を形成する(図5f)。基板裏面に
酸化シリコン層を成膜し、その酸化シリコン層の一部
(支柱形成位置に対応する位置)を窓(開口)パターン
形状にエッチングすることによりドライエッチング用マ
スクを形成する。
【0034】次に、支持シリコン基板31をドライエッ
チング用マスクに形成された開口パターンに合わせてエ
ッチングする(図5g)。シリコンと酸化シリコンとの
エッチング選択比の違いにより、支持シリコン基板31
のエッチングは酸化シリコン層32まで行われ、酸化シ
リコン層32及びシリコン活性層33がシリコン製の外
周枠31bとシリコン製の支柱31aにより支持され、
外周枠31bと支柱31a間及び支柱31a間に開口を
有する構造体が形成される。
【0035】次に、開口において露出した酸化シリコン
層32をフッ化水素酸により等方的エッチングにより除
去するとともに、シリコン活性層と支柱の間に形成され
た酸化シリコン層32をオーバーエッチングすると、シ
リコン活性層33がシリコンメンブレン33aとなり、
さらに応力開放用孔に埋め込まれた酸化シリコン35a
もエッチングされ、電子線用転写マスクブランクスが完
成する(図5h)。
【0036】電子線用転写マスクブランクスのメンブレ
ン33a上にレジストを塗布し、所定の微細パターンを
電子線描画装置などを用いて焼き付け、転写し、所定の
パターンが転写されたレジストをマスクとしてメンブレ
ン33aをエッチングして所定のパターンを形成し、電
子線用転写マスクを完成させる。さらに、第一、第二実
施形態の電子線用転写マスクは、電子線用転写マスクの
強度を補強する、転写マスクをマスクステージなどの搬
送系における取扱いを容易にする等の観点から、転写マ
スクの外周枠の下面に、より強度の高い補強枠を接合し
た補強枠付き電子線用転写マスクであっても良い。
【0037】補強枠と転写マスクの外周枠との接合方法
は、接着剤による接合、共晶接合、陽極接合等である。
【0038】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明にかかる電子
線用転写マスクブランクスによれば、回路パターンを形
成する領域(小領域)を実質的に小さくせずに、応力を
適切に調整することができる。また、応力開放用の孔
は、電子線が支柱側からメンブレンに向けて照射された
場合、支柱の陰になる小領域の外側のメンブレン部分に
形成されているので、応力開放孔を電子線が通過せず、
光学特性に悪影響を与えることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一の実施形態の電子線用転写マスクブランク
スの概略上面図の一部及び拡大断面図である。
【図2】第一の実施形態の電子線用転写マスクの概略断
面図である。
【図3】第一の実施形態の電子線用転写マスクブランク
スの製作工程の一例を示す図である。
【図4】第二の実施形態の電子線用転写マスクブランク
スの概略上面図の一部及び拡大断面図である。
【図5】第二の実施形態の電子線用転写マスクブランク
スの製作工程の一例を示す図である。
【図6】電子線縮小転写装置で用いられる転写マスクの
うち(a)は散乱透過マスク、(b)は散乱ステンシル
マスクの概略図である。
【図7】従来の電子線用転写マスクブランクスの概略上
面図の一部及び拡大図である。
【符号の説明】
1、11、42、52、61・・・メンブレン 2、22、62・・・小領域 3、23、43、53、63・・・支柱 4、24・・・酸化シリコン部 5、25・・・支持シリコン部 6、18、26、34、64・・・応力開放用孔 11、31・・・支持シリコン基板 12、32・・・酸化シリコン層 13、33・・・シリコン活性層 14、37・・・開口パターン 15、16・・・ドライエッチング用マスク 35・・・酸化シリコン膜 36・・・窒化シリコン膜 27、37・・・保護部 41・・・散乱透過転写マスク 44・・・散乱体パターン 54、65・・・貫通孔パターン

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メンブレンと、 該メンブレンの外周を固定してこれを支える外周枠と、 前記メンブレンを支持し、複数の小領域にを含む領域に
    分割する支柱とを備えた転写マスクブランクスであっ
    て、 前記支柱が、少なくとも2層構造を有し、前記メンブレ
    ンに最も近い層の支柱幅は、他の層の支柱幅に比べて狭
    く、前記最も近い層の支柱幅を他の層の支柱幅に比べて
    狭くすることにより形成された前記小領域の外側のメン
    ブレン領域に応力開放用の孔が設けられていることを特
    徴とする電子線用転写マスクブランクス。
  2. 【請求項2】さらに、前記各小領域に侵入せず、前記応
    力開放用の孔を被覆する保護部を備えた請求項1記載の
    電子線用転写マスクブランクス。
  3. 【請求項3】支持シリコン基板、酸化シリコン層、シリ
    コン活性層からなるSOI基板を用意する工程と、 前記支持シリコン基板上に、支柱形成位置に対応する位
    置に開口パターンが設けられたドライエッチング用マス
    クを形成する工程と、 前記マスクに設けられた開口パターンに合わせて前記支
    持シリコン層をドライエッチングする工程と、 前記酸化シリコン層をオーバーエッチングし、メンブレ
    ンからなる小領域を含んだ領域を形成する工程と、 前記酸化シリコン層のオーバーエッチングにより形成さ
    れた前記小領域の外側のメンブレン領域に応力開放用の
    孔を形成する工程と、を備えた電子線用転写マスクブラ
    ンクスの製造方法。
  4. 【請求項4】支持シリコン基板、酸化シリコン層、シリ
    コン活性層からなるSOI基板を用意する工程と、 前記シリコン活性層の所定の位置に応力開放用の孔を形
    成する工程と、 前記応力開放用孔を埋め込む工程と、 前記応力開放用孔を被覆する保護部を形成する工程と、 前記支持シリコン基板上に、支柱形成位置に対応する位
    置に開口パターンが設けられたドライエッチング用マス
    クを形成する工程と、 前記マスクに設けられた開口パターンに合わせて前記支
    持シリコン層をドライエッチングする工程と、 前記酸化シリコン層をオーバーエッチングするととも
    に、前記応力開放用孔に埋め込まれたものを除去し、メ
    ンブレンからなる小領域を含んだ領域を形成する工程
    と、を備えた電子線用転写マスクブランクスの製造方
    法。
  5. 【請求項5】感光基板に転写すべきパターンが形成され
    たメンブレンと、 該メンブレンの外周を固定してこれを支える外周枠と、 前記メンブレンを支持し、複数の小領域を含む領域に分
    割する支柱とを備えた転写マスクであって、 前記支柱が、少なくとも2層構造を有し、前記メンブレ
    ンに最も近い層の支柱幅は、他の層の支柱幅に比べて狭
    く、前記最も近い層の支柱幅を他の層の支柱幅に比べて
    狭くすることにより形成された前記小領域の外側のメン
    ブレン領域に応力開放用の孔が設けられていることを特
    徴とする電子線用転写マスク。
  6. 【請求項6】さらに、前記各小領域に侵入せず、前記応
    力開放用の孔を被覆する保護部を備えた請求項3記載の
    電子線用転写マスク。
  7. 【請求項7】支持シリコン基板、酸化シリコン層、シリ
    コン活性層からなるSOI基板を用意する工程と、 前記支持シリコン基板上に、支柱形成位置に対応する位
    置に開口パターンが設けられたドライエッチング用マス
    クを形成する工程と、 前記マスクに設けられた開口パターンに合わせて前記支
    持シリコン層をドライエッチングする工程と、 前記酸化シリコン層をオーバーエッチングし、メンブレ
    ンからなる小領域を含んだ領域を形成する工程と、 前記酸化シリコン層のオーバーエッチングにより形成さ
    れた前記小領域の外側のメンブレン領域に応力開放用の
    孔を形成する工程と、 前記メンブレンからなる小領域に感光基板に転写すべき
    パターンを形成する工程と、を備えた電子線用転写マス
    クの製造方法。
  8. 【請求項8】支持シリコン基板、酸化シリコン層、シリ
    コン活性層からなるSOI基板を用意する工程と、 前記シリコン活性層の所定の位置に応力開放用の孔を形
    成する工程と、 前記応力開放用孔を埋め込む工程と、 前記応力開放用孔を被覆する保護部を形成する工程と、 前記支持シリコン基板上に、支柱形成位置に対応する位
    置に開口パターンが設けられたドライエッチング用マス
    クを形成する工程と、 前記マスクに設けられた開口パターンに合わせて前記支
    持シリコン層をドライエッチングする工程と、 前記酸化シリコン層をオーバーエッチングするととも
    に、前記応力開放用孔に埋め込まれたものを除去し、メ
    ンブレンからなる小領域を含んだ領域を形成する工程
    と、 前記小領域に感光基板に転写すべきパターンを形成する
    工程と、を備えた電子線用転写マスクの製造方法。
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