JPH11150049A - マスク作製用部材、マスク及びそれらの製造方法 - Google Patents

マスク作製用部材、マスク及びそれらの製造方法

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JPH11150049A
JPH11150049A JP31406297A JP31406297A JPH11150049A JP H11150049 A JPH11150049 A JP H11150049A JP 31406297 A JP31406297 A JP 31406297A JP 31406297 A JP31406297 A JP 31406297A JP H11150049 A JPH11150049 A JP H11150049A
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JP
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mask
membrane
silicon substrate
etching
pattern
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JP31406297A
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Norihiro Katakura
則浩 片倉
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Original Assignee
Nikon Corp
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  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 メンブレンの厚さムラを解消し、かつ大型化
を防止したマスク作製用部材、マスク及びそれらの製造
方法を提供すること。 【解決手段】 感応基板に転写すべきパターンをメンブ
レン上にそれぞれ備えた多数の小領域Sが前記パターン
が存在しない境界領域Kにより区分され、前記境界領域
Kに対応する部分に支柱Hが設けられたマスクにおい
て、前記メンブレン7は、結晶方位が(111)、(2
21)、または(331)であるシリコン薄膜1’によ
り形成され、かつ前記支柱Hは、結晶方位が(100)
または(110)であるシリコン基板により形成されて
なることを特徴とするマスク。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マスクパターンが
形成されるメンブレンが支持部材により支持されてなる
マスク作製用部材、感応基板(例えば、レジストが塗布
されたウェハ)に転写すべきパターンが形成されたメン
ブレンが支持部材により支持されてなるマスク(マスク
及びレチクルを含む広義のマスク)、及びそれらを製造
する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体集積回路技術の進展は目ざ
ましく、半導体素子の微細化、高集積化の傾向も著し
い。半導体ウェハに集積回路パターンを焼き付けるため
のリソグラフィー装置としては、これまで光を用いた所
謂光ステッパー装置が一般的であった。
【0003】しかし、回路パターンの微細化が進むにつ
れて光の解像限界が懸念され、電子線、イオンビーム、
X線を用いたリソグラフィー装置の検討、開発が近年盛
んに行われている。そして、所定パターンを有するマス
クに電子線、イオンビーム、またはX線を照射し、その
照射範囲にあるパターンを投影光学系によりウェハに縮
小転写する荷電粒子線縮小転写装置やX線縮小転写装置
が提案されている。
【0004】かかる縮小転写装置において使用されるマ
スクのうち、例えば電子線用マスクとしては、例えば図
4、図5に示すものが知られている。図4のマスク21
は、シリコン製のマスク基板22に貫通孔23が設けら
れたものであり、マスク基板22は電子線を吸収するの
に十分な厚さ(例えば50μm)にて形成される。
【0005】マスク21に照射された電子線は貫通孔2
3のみを通過し、その通過した電子線EBを一対の投影
レンズ24a、24bにて感応基板(例えば、レジスト
を塗布したシリコンウェハ)25のレジスト面に集束さ
せると、感応基板25に貫通孔23の形状に対応したパ
ターンが転写される。また、図5のマスク100は、シ
リコン製のマスク基板20の表面に散乱体30aのパタ
ーンを形成したものであり、マスク基板20は電子線が
透過しやすい厚さまで薄膜化されている(メンブレ
ン)。
【0006】このマスク100に電子線を照射すると、
メンブレン20のみ(メンブレンの電子線透過領域20
a)を通過した電子線EB1(図に実線で示す)よりも
散乱体30aも通過した電子線EB2(図に二点鎖線で
示す)の方が前方散乱の程度が大きくなる。従って、投
影レンズ35による電子線のクロスオーバ像COの近傍
にアパーチャ37を設置すれば、感応基板110上で電
子線EB1、EB2の散乱の程度に応じたコントラスト
が得られる。
【0007】図4のように、基板に貫通孔パターンが形
成されたものをステンシルマスクと呼び、図5のように
貫通孔が存在せず、メンブレン上に散乱体パターンが形
成されたものを散乱透過マスク(スカルペルマスク)と
呼ぶ。図4のステンシルマスクは、(1) 貫通孔を環状に
繋げたドーナッツ状パターンの形成が不可能である、
(2) 電子線の殆どを厚いマスク基板22で吸収するた
め、大量の熱がマスクに発生してマスクの大きな熱変形
(パターン歪み)を引き起こす、等の問題点を有する。
【0008】これに対して散乱透過マスクは、かかるス
テンシルマスクが有する問題点を解決するものと期待さ
れている。即ち、散乱透過マスクでは、メンブレン20
により散乱体30aを支持できるので、図5(a)のA
部に示すように、散乱体30aが島状に孤立するドーナ
ツ状パターンの形成が可能である。
【0009】また、散乱体30aで完全に電子線を遮る
必要がなく、従って散乱透過マスク部分で阻止される電
子線の量が少ないため、散乱透過マスクにおける電子線
照射による発熱がステンシルマスクと比較すると抑制さ
れる。なお、前述したように、前記ステンシルマスク
は、電子線の殆どを基板22の非貫通孔部分により吸収
すべく、基板22の厚さを大きくしているので、大量の
熱がマスクに発生してマスクの大きな熱変形(パターン
歪み)を引き起こす。
【0010】そこで、ステンシルマスクにおいても、電
子線が照射される基板部分の厚さを薄くしてメンブレン
とし、かかるメンブレンに貫通孔パターンを形成した散
乱ステンシルマスクとすれば、前記問題点(2) を解決す
ることができる。散乱透過マスクの上述した転写原理か
ら明らかなように、感応基板110に投影されるパター
ン像のコントラストを高めて高精度の露光を行うために
は、散乱体30aにおける荷電粒子線の吸収や散乱を増
大し、またメンブレン20における荷電粒子線の吸収や
散乱を低減することが好ましい。
【0011】また、散乱ステンシルマスクにおいては、
パターン歪みを引き起こすメンブレンにおける荷電粒子
線の吸収を低減することが好ましい。そこで、例えば散
乱透過マスクでは、メンブレン20の厚さを10nm程
度に薄く設定することが検討されたが、散乱体30aで
吸収されるエネルギーによりメンブレンの温度が上昇し
てマスクに歪み(パターン歪み)が発生し、転写精度が
劣化するおそれがあった。
【0012】特に、図5(a)のA部に示すように、散乱
体30aが島状に孤立する部分では、散乱体30aの熱
が逃げにくく温度上昇が激しいと考えられる。また、メ
ンブレン20を薄くしすぎると強度が大きく低下するの
で、メンブレン20による散乱体30aの支持ができな
くなる。即ち、メンブレンにおける荷電粒子線の吸収や
散乱を抑えて、しかもメンブレンの温度上昇に伴うパタ
ーン歪みによる転写精度の劣化を防止するためには、メ
ンブレンの厚さを薄くすると共に、この薄くしたメンブ
レンを熱的及び強度的に保持する構造が必要となる。
【0013】そこで、荷電粒子線用の散乱透過マスクま
たは散乱ステンシルマスクとして、「感応基板に転写す
べきパターンをメンブレン上にそれぞれ備えた多数の小
領域が前記パターンが存在しない境界領域により区分さ
れ、前記境界領域に対応する部分に支柱が設けられたマ
スク(メンブレンを熱的及び強度的に保持する構造を有
するマスク)」が使用されている。
【0014】例えば、電子線縮小転写装置用の散乱透過
マスクとしては、感応基板(例えばレジストを塗布した
ウェハ)に転写すべきパターンをそれぞれ備えた多数の
小領域100aが境界領域(パターンが存在しない領
域)100bにより格子状に区分され、境界領域に対応
する部分に格子状の支柱Xが設けられたものが使用され
ており、その一例である散乱透過マスク100を図5に
示す。
【0015】図5のマスク100は、電子線を透過させ
るメンブレン20の上面のうち、前記多数の小領域10
0aのそれぞれに電子線の散乱体30aが形成され、ま
たメンブレン20の下面のうち、前記格子状の境界領域
100bに対応する部分に格子状の支柱Xが設けられて
いる(図5(c))。マスクの小領域100aに形成さ
れたパターン(一例)の平面図を図5(a)に、マスク
の小領域100a〜感応基板110間における配置図を
図5(b)に、それぞれ示す。
【0016】各小領域100aは、感応基板110の1
チップ(1チップの半導体)分の領域に転写すべきパタ
ーンを分割した部分パターンをそれぞれ備えている。こ
のような電子線縮小転写用マスク100を用いたパター
ン転写では、各小領域100aに対して電子線が走査さ
れ、各小領域100aのパターンが感応基板110に順
次、縮小転写される。
【0017】次に、縮小転写装置において使用されるマ
スクのうち、例えばX線転写用マスクとしては、図6に
示すもの(一例)が知られている。このマスク11はX
線が透過するように薄膜化されたマスク基板(メンブレ
ン)12の片面に支柱13が設けられ、反対面にX線の
吸収体14及び遮蔽膜15が設けられたものである。支
柱13は、メンブレンを熱的及び強度的に保持する構造
として設けられ、これによりマスク基板(メンブレン)
12が矩形状の複数の小領域12aに区分されている。
【0018】このようなX線転写用マスク11を用いた
パターン転写では、各小領域12aに対してX線がステ
ップ的に走査され、各小領域12aの吸収体14の配置
に応じたパターンが不図示の光学系により感応基板17
に順次、縮小転写される。以上のようなマスクを用いた
転写方法によれば、薄膜化されたマスク基板(メンブレ
ン)が支柱により強固に支持されるので、荷電粒子線照
射またはX線照射によるマスク基板のたわみや熱歪みを
抑制することができる。
【0019】さて、これらのマスクに使用するメンブレ
ンは例えば、ボロンをドープした(100)面Siウェ
ハの裏面側から水酸化カリウム水溶液でウェットエッチ
ングする方法により形成される。即ち、所望の厚さに1
×1020atom/cm3の濃度のボロンをSiウェ
ハにドープさせてドープ層を形成すると、該ドープ層に
おけるウェットエッチング速度を遅くできる(エッチン
グストッパーとなる)ので、ウェットエッチングにより
ドープ層からなるメンブレンが形成される。
【0020】この際、Siウェハの裏面のうち、ウエッ
トエッチングされる箇所以外は窒化シリコン等によりマ
スキングされる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この方法は、
水酸化カリウムによる結晶面異方性エッチングであるた
め、メンブレンを支持する支柱の壁面がメンブレンに対
して垂直とはならず、54.74°の傾斜角を有する壁
面が形成される。そのため、作製されるマスクが大型化
するという問題があった(図6参照)。
【0022】そこで、上記問題を解決するために、支柱
の垂直化が行われた。これは、ドライエッチングで前記
Siウェハをボロンドープ層直前までエッチングし、さ
らに残りの数十μmをウェットエッチングする(ボロン
ドープ層でエッチストップさせる)ことにより、メンブ
レンを作製する方法である。しかし、この方法におい
て、8インチ、12インチまたはそれ以上の大きさを有
するSi基板をドライエッチング装置によりエッチング
すると、エッチング深さにムラが生じる。
【0023】そのため、残りのSi基板(ウェットエッ
チング対象)の厚さが異なるシリコンをウエットエッチ
ングすることとなり、しかもエッチストップ層がストッ
プ効果が十分ではないボロンドープ層であるため、形成
されるメンブレンに厚さムラが発生するという問題があ
った。本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであ
り、メンブレンの厚さムラを解消し、かつ大型化を防止
したマスク作製用部材、マスク及びそれらの製造方法を
提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】そのため、本発明は第一
に、「マスクパターンが形成されるメンブレンが支持部
材により支持されてなるマスク作製用部材において、前
記メンブレンは、結晶方位が(111)、(221)、
または(331)であるシリコン薄膜により形成され、
かつ前記支持部材は、結晶方位が(100)または(1
10)であるシリコン基板により形成されてなることを
特徴とするマスク作製用部材(請求項1)」を提供す
る。
【0025】また、本発明は第二に、「マスクパターン
が形成される多数のメンブレン上の小領域がマスクパタ
ーンが形成されない境界領域により区分され、前記境界
領域に対応する部分に支柱が設けられたマスク作製用部
材において、前記メンブレンは、結晶方位が(11
1)、(221)、または(331)であるシリコン薄
膜により形成され、かつ前記支柱は、結晶方位が(10
0)または(110)であるシリコン基板により形成さ
れてなることを特徴とするマスク作製用部材(請求項
2)」を提供する。
【0026】また、本発明は第三に、「感応基板に転写
すべきパターンが形成されたメンブレンが支持部材によ
り支持されてなるマスクにおいて、前記メンブレンは、
結晶方位が(111)、(221)、または(331)
であるシリコン薄膜により形成され、かつ前記支持部材
は、結晶方位が(100)または(110)であるシリ
コン基板により形成されてなることを特徴とするマスク
(請求項3)」を提供する。
【0027】また、本発明は第四に、「感応基板に転写
すべきパターンをメンブレン上にそれぞれ備えた多数の
小領域が前記パターンが存在しない境界領域により区分
され、前記境界領域に対応する部分に支柱が設けられた
マスクにおいて、前記メンブレンは、結晶方位が(11
1)、(221)、または(331)であるシリコン薄
膜により形成され、かつ前記支柱は、結晶方位が(10
0)または(110)であるシリコン基板により形成さ
れてなることを特徴とするマスク(請求項4)」を提供
する。
【0028】また、本発明は第五に、「マスクパターン
が形成される多数のメンブレン上の小領域がマスクパタ
ーンが形成されない境界領域により区分され、前記境界
領域に対応する部分に支柱が設けられたマスク作製用部
材を製造する方法において、結晶方位が(111)、
(221)、または(331)である第1シリコン基板
と、結晶方位が(100)、または(110)である第
2シリコン基板とを接合する工程と、前記第1シリコン
基板を研磨することにより、メンブレン相当の厚さの薄
膜層にする工程と、前記第2シリコン基板の裏面上に、
前記小領域の各設定箇所に対応する開口部分をそれぞれ
有するエッチングマスクパターンを形成する工程と、前
記エッチングマスクパターンを使用して、前記第2シリ
コン基板の裏面を前記第1シリコン基板との接合面の手
前(または直前)までドライエッチングする工程と、前
記接合面の手前(または直前)までドライエッチングさ
れた第2シリコン基板の被エッチング部分を前記接合面
までウェットエッチングすることにより、複数の支柱を
前記境界領域の設定箇所に対応させて形成するととも
に、前記小領域の各設定箇所に対応する各支柱間の開口
部と、前記薄膜層からなるメンブレンをそれぞれ形成す
る工程と、を有することを特徴とするマスク作製用部材
の製造方法(請求項5)」を提供する。
【0029】また、本発明は第六に、「感応基板に転写
すべきパターンをメンブレン上にそれぞれ備えた多数の
小領域が前記パターンが存在しない境界領域により区分
されたマスクであり、前記境界領域に対応する部分に支
柱が設けられたマスクを製造する方法において、結晶方
位が(111)、(221)、または(331)である
第1シリコン基板と、結晶方位が(100)、または
(110)である第2シリコン基板とを接合する工程
と、前記第1シリコン基板を研磨することにより、メン
ブレン相当の厚さの薄膜層にする工程と、前記第2シリ
コン基板の裏面上に、前記小領域の各設定箇所に対応す
る開口部分をそれぞれ有するエッチングマスクパターン
を形成する工程と、前記エッチングマスクパターンを使
用して、前記第2シリコン基板の裏面を前記第1シリコ
ン基板との接合面の手前(または直前)までドライエッ
チングする工程と、前記接合面の手前(または直前)ま
でドライエッチングされた第2シリコン基板の被エッチ
ング部分を前記接合面までウェットエッチングすること
により、複数の支柱を前記境界領域の設定箇所に対応さ
せて形成するとともに、前記小領域の各設定箇所に対応
する各支柱間の開口部と、前記薄膜層からなるメンブレ
ンをそれぞれ形成する工程と、前記メンブレン上におけ
る前記小領域の各設定箇所に、前記転写すべきパターン
をそれぞれ形成することにより、前記多数の小領域及び
境界領域を設ける工程と、を有することを特徴とするマ
スクの製造方法(請求項6)」を提供する。
【0030】また、本発明は第七に、「感応基板に転写
すべきパターンをメンブレン上にそれぞれ備えた多数の
小領域が前記パターンが存在しない境界領域により区分
されたマスクであり、前記境界領域に対応する部分に支
柱が設けられたマスクを製造する方法において、結晶方
位が(111)、(221)、または(331)である
第1シリコン基板と、結晶方位が(100)、または
(110)である第2シリコン基板とを接合する工程
と、前記第1シリコン基板を研磨することにより、メン
ブレン相当の厚さの薄膜層にする工程と、前記薄膜層上
における前記小領域の各設定箇所に、前記転写すべきパ
ターンをそれぞれ形成することにより、前記多数の小領
域及び境界領域を設ける工程と、前記第2シリコン基板
の裏面上に、前記小領域に対応する開口部分をそれぞれ
有するエッチングマスクパターンを形成する工程と、前
記エッチングマスクパターンを使用して、前記第2シリ
コン基板の裏面を前記第1シリコン基板との接合面の手
前(または直前)までドライエッチングする工程と、前
記接合面の手前(または直前)までドライエッチングさ
れた第2シリコン基板の被エッチング部分を前記接合面
までウェットエッチングすることにより、複数の支柱を
前記境界領域に対応させて形成するとともに、前記小領
域に対応する各支柱間の開口部と、前記薄膜層からなり
前記転写すべきパターンが形成されたメンブレンをそれ
ぞれ形成する工程と、を有することを特徴とするマスク
の製造方法(請求項7)」を提供する。
【0031】また、本発明は第八に、「前記ドライエッ
チングを側壁保護プラズマエッチングまたは極低温反応
性イオンエッチングにより行うことを特徴とする請求項
5〜7のいずれかに記載の製造方法(請求項8)」を提
供する。
【0032】
【発明の実施の形態】本発明(請求項1〜8)にかかる
マスク作製用部材、マスク及びそれらの製造方法におい
て、メンブレンは、エッチング液(例えば、水酸化カリ
ウム)に殆どエッチングされない結晶方位が(11
1)、(221)、または(331)であるシリコン薄
膜により形成されてなる。
【0033】即ち、本発明(請求項1〜8)によれば、
結晶方位が(111)、(221)、または(331)
であるシリコン薄膜がウェットエッチングに対する確実
なストップ機能を有するので、最終的にウェットエッチ
ングにより形成されるメンブレンの厚さムラを解消する
ことができる。また、本発明(請求項1〜8)におい
て、メンブレンを支持する支持部材または支柱は、エッ
チングに一般的によく使用される結晶方位が(100)
または(110)であるシリコン基板により形成されて
なる。
【0034】そのため、本発明(請求項1〜8)によれ
ば、支持部材または支柱の殆どをシリコン薄膜(メンブ
レンとなる)の直前まで、ドライエッチングにより形成
可能であり、メンブレンと略直交する壁面を有する支持
部材または支柱とすることができる。即ち、本発明(請
求項1〜8)によれば、メンブレンと略直交する壁面を
有する支持部材または支柱となるので、パターン形成に
関与しない境界領域が占める割合を低減した(大型化を
抑制した)マスク作製用部材またはマスクを提供でき
る。
【0035】かかるマスクによれば、支柱の壁面がメン
ブレンに対して大きく傾斜して形成された場合と比較す
ると支柱の幅が小さくなるので、マスク上をパターン形
成に関与しない境界領域が占める割合も小さくなり、マ
スクの大型化を抑制することができる。そのため、マス
クの大型化に伴う、マスクへの照射光学系のフィールド
拡大や、マスクステージの可動範囲の増大等の弊害も発
生しない。また、分割転写を行う場合におけるマスクの
大型化に伴う偏向歪みの増大により、転写精度が悪化す
るという弊害も発生しない。
【0036】また、本発明(請求項1〜8)によれば、
マスク上をパターン形成に関与しない境界領域が占める
割合が低減されるので、より集積度が高いチップパター
ンをウェハ上に転写するためのマスクを提供することが
できる。本発明にかかるドライエッチングは、側壁保護
プラズマエッチングまたは極低温反応性イオンエッチン
グにより行うことが好ましい(請求項8)。
【0037】かかる構成にすると、シリコン薄膜(メン
ブレンとなる)に対して垂直なシリコン基板の異方性エ
ッチングが可能となり、マスクの大型化を防止する前記
効果と、それに伴う効果をさらに増大することができ
る。なお、前記転写すべきパターンであるステンシルパ
ターンの形成も側壁保護プラズマエッチングまたは極低
温反応性イオンエッチングにより行うとよい。
【0038】以上説明したように、本発明においては、
ウエットエッチングのストップにボロンドープ法ではな
く、完全なエッチストップが可能である結晶面の違いを
利用している。例えば、ウェットエッチングに一般的に
よく利用される(100)または(110)のウェハの
上に、水酸化カリウムのようなエッチング液に殆どエッ
チングされない(111)、(221)、または(33
1)のウェハを密着加熱法などにより張り合わせた(接
合した)後に、(111)、(221)、または(33
1)ウェハを研磨して、メンブレン相当厚さの薄膜層に
する。
【0039】この(111)、(221)、または(3
31)の薄膜層は、メンブレンとなり、またウェットエ
ッチングに対する確実なストップ層ともなる。従って、
8インチ、12インチのような大口径の基板(ウェハ)
の場合に、前工程のドライエッチングにより厚さムラが
出たとしても、最終のウェットエッチングでは、全面で
均一な厚さのシリコンメンブレンが形成される。
【0040】以上のように、ドライエッチングとウエッ
トエッチングを併用し、さらに結晶面を変えた基板を利
用することで、8インチ、12インチのように大口径の
基板でも、全面で均一な厚さのメンブレンを形成するこ
とができる。以下、本発明を実施例により更に具体的に
説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものでは
ない。
【0041】
【実施例】本実施例の転写マスクは、感応基板に転写す
べきステンシルパターンをメンブレン上にそれぞれ備え
た多数の小領域が前記パターンが存在しない境界領域に
より区分され、前記境界領域に対応する部分に支柱が設
けられている。図1に本実施例の転写マスク(ステンシ
ルタイプ)の一部分を示す。即ち、図1には、前記構造
を有するマスクのうち、一部の小領域S及び支柱Hから構
成される一部分のみが記載されている。
【0042】メンブレン上には、電子線、イオンビー
ム、X線等に対する所望パターン形状の貫通孔5が設け
られている。本実施例のマスクにおいて、メンブレン7
はエッチング液(例えば、水酸化カリウム)に殆どエッ
チングされない結晶方位が(111)、(221)、ま
たは(331)であるシリコン薄膜により形成され、か
つ支柱Hは、エッチングに一般的によく使用される結晶
方位が(100)または(110)であるシリコン基板
により形成されてなる。
【0043】従って、本実施例のマスクは、結晶方位が
(111)、(221)、または(331)であるシリ
コン薄膜がウェットエッチングに対する確実なストップ
機能を有するので、最終的にウェットエッチングにより
形成されるメンブレンの厚さムラを解消することができ
る。さらに、本実施例のマスクは、支柱の殆どをシリコ
ン薄膜(メンブレンとなる)の直前まで、ドライエッチ
ングにより形成可能であり、メンブレンと略直交する壁
面を有する支柱とすることができる。
【0044】次に、本実施例の転写マスクを作製する方
法について図2、図3を引用して説明する。まず、結晶
方位が(221)である第1シリコン基板1を、結晶方
位が(100)である第2シリコン基板2の上に密着さ
せて、摂氏1000度以上で加熱することにより張り合
わせる(図2(a))。
【0045】次に、前記第1シリコン基板1を研磨する
ことにより、メンブレン相当の厚さの薄膜層1’にする
(図2(b))。次に、前記第2シリコン基板2の裏面上
に、酸化シリコン層(厚さ10μm)3を成膜し(図2
(c))、前記小領域の各設定箇所に対応する開口部分を
それぞれ有するエッチングマスクパターン4を形成する
(図3(a))。
【0046】次に、前記エッチングマスクパターン4を
使用して、前記第2シリコン基板2の裏面を前記薄膜層
1’との接合面の数十μm手前まで、ドライエッチング
する。ここで、ドライエッチング用のガスにはSF6を
用い、また基板を−110℃まで冷却させた極低温反応
性イオンエッチング法により、垂直にドライエッチング
する(図3(b))。
【0047】このとき、ドライエッチング装置における
プラズマの不均一性のため、基板の場所により数%のエ
ッチング深さの差が出る。ここに示されたドライエッチ
ング法は一実施例であり、この方法に限られたものでは
ない。次に、前記接合面の手前までドライエッチングさ
れた第2シリコン基板の被エッチング部分を前記接合面
までウェットエッチングすることにより、複数の支柱H
を前記境界領域の設定箇所に対応させて形成するととも
に、前記小領域Sの各設定箇所に対応する各支柱間の開
口部6と、前記薄膜層1’からなるメンブレン7をそれ
ぞれ形成する(図3(c))。
【0048】最後に、メンブレン上にレジストを塗布
し、微細パタンを焼き付けてメンブレンをエッチングす
ることにより、前記メンブレン上における前記小領域S
の各設定箇所に、前記転写すべきステンシルパターン5
をそれぞれ形成する。これにより、多数の小領域S及び
境界領域Kが形成されて図1のマスクが作製される。な
お、ここで使用したガス、材料等は一実施例であり、こ
れに限定されるものではない。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
マスク作製用部材またはマスクにおけるメンブレンの厚
さムラを解消し、かつ大型化を防止することができる。
本発明にかかる製造方法によれば、ドライエッチングと
ウエットエッチングを併用し、さらに結晶面を変えた基
板を利用することにより、8インチ、12インチのよう
な大口径の基板でも、全面で均一な厚さのシリコンメン
ブレンを作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、実施例にかかるステンシルマスク(一部)の概略断
面図である。
【図2】は、実施例にかかるステンシルマスクを製造する方法を
示す前半の工程図である。
【図3】は、実施例にかかるステンシルマスクを製造する方法を
示す後半の工程図である。
【図4】は、ステンシルマスク21と、これを用いた転写原理の概
略を示す図である。
【図5】は、格子状の支柱Xを設けた従来の散乱透過マ
スク100と、該マスクの小領域100a〜ウェハ11
0間における配置を示す図であり、(a)が該マスクの
小領域100aを示す平面図、(b)が前記配置を示す
図、(c)が該マスクの部分斜視図(一部断面図)であ
る。
【図6】は、メンブレン12に対して傾斜した壁面13
aを有する支柱13を設けた従来のX線転写用マスクを
示す側面図(a)と、このX線転写用マスクを用いて行
うパターンの分割転写を模式的に示す図(b)である。
【符号の説明】
1・・・(221)シリコンウェハ 1’・・・(221)シリコン薄膜層 2・・・(100)シリコンウェハ 3・・・酸化シリコン層 4・・・パターン化された酸化シリコン層(エッチング
マスク用) 5・・・ステンシルパターン(パターン形状の貫通孔) 6・・・開口部 7・・・メンブレン 11・・・ X線転写用マスク 12・・・ マスク基板(メンブレン) 12a・・・ 感応基板17に転写すべきパターンを備
えた小領域 13・・・ メンブレンに対して傾斜した壁面13a
を有する支柱 13a・・・ メンブレンに対して傾斜した支柱の壁面 14・・・ パターン化されたX線吸収体 15・・・ X線遮蔽膜 17・・・ 感応基板 20・・ マスク基板(メンブレン) 20a・・・電子線透過領域 21・・ ステンシルマスク(電子線縮小転写用マス
ク) 22・・ マスク基板 23・・ 貫通孔 24・・ 投影レンズ(24a,24b) 25・・ 感応基板 30・・ 散乱体または吸収体 30a・・パターン化された散乱体または吸収体 35・・・投影レンズ 36・・・投影レンズ 37・・・アパーチャー 37a・・・貫通孔 100・・・散乱透過マスク(電子線縮小転写用マス
ク) 100a・・感応基板に転写すべきパターンを備えた小
領域 100b・・境界領域 110・・・感応基板 A・・・島状の散乱体 H・・・垂直支柱 K・・・境界領域 S・・・小領域 CO・・クロスオーバ像 以上

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マスクパターンが形成されるメンブレン
    が支持部材により支持されてなるマスク作製用部材にお
    いて、 前記メンブレンは、結晶方位が(111)、(22
    1)、または(331)であるシリコン薄膜により形成
    され、かつ前記支持部材は、結晶方位が(100)また
    は(110)であるシリコン基板により形成されてなる
    ことを特徴とするマスク作製用部材。
  2. 【請求項2】 マスクパターンが形成される多数のメン
    ブレン上の小領域がマスクパターンが形成されない境界
    領域により区分され、前記境界領域に対応する部分に支
    柱が設けられたマスク作製用部材において、 前記メンブレンは、結晶方位が(111)、(22
    1)、または(331)であるシリコン薄膜により形成
    され、かつ前記支柱は、結晶方位が(100)または
    (110)であるシリコン基板により形成されてなるこ
    とを特徴とするマスク作製用部材。
  3. 【請求項3】 感応基板に転写すべきパターンが形成さ
    れたメンブレンが支持部材により支持されてなるマスク
    において、 前記メンブレンは、結晶方位が(111)、(22
    1)、または(331)であるシリコン薄膜により形成
    され、かつ前記支持部材は、結晶方位が(100)また
    は(110)であるシリコン基板により形成されてなる
    ことを特徴とするマスク。
  4. 【請求項4】 感応基板に転写すべきパターンをメンブ
    レン上にそれぞれ備えた多数の小領域が前記パターンが
    存在しない境界領域により区分され、前記境界領域に対
    応する部分に支柱が設けられたマスクにおいて、 前記メンブレンは、結晶方位が(111)、(22
    1)、または(331)であるシリコン薄膜により形成
    され、かつ前記支柱は、結晶方位が(100)または
    (110)であるシリコン基板により形成されてなるこ
    とを特徴とするマスク。
  5. 【請求項5】 マスクパターンが形成される多数のメン
    ブレン上の小領域がマスクパターンが形成されない境界
    領域により区分され、前記境界領域に対応する部分に支
    柱が設けられたマスク作製用部材を製造する方法におい
    て、 結晶方位が(111)、(221)、または(331)
    である第1シリコン基板と、結晶方位が(100)、ま
    たは(110)である第2シリコン基板とを接合する工
    程と、 前記第1シリコン基板を研磨することにより、メンブレ
    ン相当の厚さの薄膜層にする工程と、 前記第2シリコン基板の裏面上に、前記小領域の各設定
    箇所に対応する開口部分をそれぞれ有するエッチングマ
    スクパターンを形成する工程と、 前記エッチングマスクパターンを使用して、前記第2シ
    リコン基板の裏面を前記第1シリコン基板との接合面の
    手前(または直前)までドライエッチングする工程と、 前記接合面の手前(または直前)までドライエッチング
    された第2シリコン基板の被エッチング部分を前記接合
    面までウェットエッチングすることにより、複数の支柱
    を前記境界領域の設定箇所に対応させて形成するととも
    に、前記小領域の各設定箇所に対応する各支柱間の開口
    部と、前記薄膜層からなるメンブレンをそれぞれ形成す
    る工程と、を有することを特徴とするマスク作製用部材
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 感応基板に転写すべきパターンをメンブ
    レン上にそれぞれ備えた多数の小領域が前記パターンが
    存在しない境界領域により区分されたマスクであり、前
    記境界領域に対応する部分に支柱が設けられたマスクを
    製造する方法において、 結晶方位が(111)、(221)、または(331)
    である第1シリコン基板と、結晶方位が(100)、ま
    たは(110)である第2シリコン基板とを接合する工
    程と、 前記第1シリコン基板を研磨することにより、メンブレ
    ン相当の厚さの薄膜層にする工程と、 前記第2シリコン基板の裏面上に、前記小領域の各設定
    箇所に対応する開口部分をそれぞれ有するエッチングマ
    スクパターンを形成する工程と、 前記エッチングマスクパターンを使用して、前記第2シ
    リコン基板の裏面を前記第1シリコン基板との接合面の
    手前(または直前)までドライエッチングする工程と、 前記接合面の手前(または直前)までドライエッチング
    された第2シリコン基板の被エッチング部分を前記接合
    面までウェットエッチングすることにより、複数の支柱
    を前記境界領域の設定箇所に対応させて形成するととも
    に、前記小領域の各設定箇所に対応する各支柱間の開口
    部と、前記薄膜層からなるメンブレンをそれぞれ形成す
    る工程と、 前記メンブレン上における前記小領域の各設定箇所に、
    前記転写すべきパターンをそれぞれ形成することによ
    り、前記多数の小領域及び境界領域を設ける工程と、を
    有することを特徴とするマスクの製造方法。
  7. 【請求項7】 感応基板に転写すべきパターンをメンブ
    レン上にそれぞれ備えた多数の小領域が前記パターンが
    存在しない境界領域により区分されたマスクであり、前
    記境界領域に対応する部分に支柱が設けられたマスクを
    製造する方法において、 結晶方位が(111)、(221)、または(331)
    である第1シリコン基板と、結晶方位が(100)、ま
    たは(110)である第2シリコン基板とを接合する工
    程と、 前記第1シリコン基板を研磨することにより、メンブレ
    ン相当の厚さの薄膜層にする工程と、 前記薄膜層上における前記小領域の各設定箇所に、前記
    転写すべきパターンをそれぞれ形成することにより、前
    記多数の小領域及び境界領域を設ける工程と、 前記第2シリコン基板の裏面上に、前記小領域に対応す
    る開口部分をそれぞれ有するエッチングマスクパターン
    を形成する工程と、 前記エッチングマスクパターンを使用して、前記第2シ
    リコン基板の裏面を前記第1シリコン基板との接合面の
    手前(または直前)までドライエッチングする工程と、 前記接合面の手前(または直前)までドライエッチング
    された第2シリコン基板の被エッチング部分を前記接合
    面までウェットエッチングすることにより、複数の支柱
    を前記境界領域に対応させて形成するとともに、前記小
    領域に対応する各支柱間の開口部と、前記薄膜層からな
    り前記転写すべきパターンが形成されたメンブレンをそ
    れぞれ形成する工程と、を有することを特徴とするマス
    クの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記ドライエッチングを、側壁保護プラ
    ズマエッチングまたは極低温反応性イオンエッチングに
    より行うことを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記
    載の製造方法。
JP31406297A 1997-11-14 1997-11-14 マスク作製用部材、マスク及びそれらの製造方法 Pending JPH11150049A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007091657A1 (ja) * 2006-02-10 2007-08-16 Tokyo Electron Limited メンブレン構造体及びその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007091657A1 (ja) * 2006-02-10 2007-08-16 Tokyo Electron Limited メンブレン構造体及びその製造方法
JPWO2007091657A1 (ja) * 2006-02-10 2009-07-02 東京エレクトロン株式会社 メンブレン構造体及びその製造方法
JP4547429B2 (ja) * 2006-02-10 2010-09-22 東京エレクトロン株式会社 メンブレン構造体及びその製造方法

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