JP2001110673A - 積層セラミックコンデンサ及びその製造方法 - Google Patents
積層セラミックコンデンサ及びその製造方法Info
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Abstract
よって、積層コンデンサのクラックやデラミネーション
を可及的に防止する。 【解決手段】 内部電極群(5)と、内部電極群(5)
間に配された誘電体セラミック群(3)と、を含む積層
体(1)と、内部電極群(5)の端部に導通接続された
一対の外部電極(9a,9b)と、を備える積層セラミ
ックコンデンサにおける前記一対の外部電極(9a,9
b)のうち同一の外部電極に接続された内部電極群
(5)の一部又は全部を、その長さ及び/又は幅が少な
くとも隣接する内部電極間(5)で互いに異ならせ、こ
れにより残留応力の集中を緩和する。集中応力の緩和に
より、緩和された残留応力と半田付け作業等に伴い加え
られた熱衝撃による熱応力との合力が、残留応力の集中
が緩和されていない場合に比べて緩和された分だけ小さ
くなる。よって、クラックやデラミネーション等が積層
コンデンサに生じる可能性が低くなる。
Description
コンデンサ及びその製造方法に関するものである。
「積層コンデンサ」と略称する)は、内部電極と誘電体
層とからなる積層体を焼成し、この積層体外部に各内部
電極の一端(本明細書において「端部」という)と導通
接続される外部電極を形成することによって製造する。
内部電極は金属によって構成されている一方、誘電体層
はセラミックによって構成されており、このため積層コ
ンデンサ内部に熱膨張係数の差(熱膨張係数のミスマッ
チ)が生じる。熱膨張係数のミスマッチは、焼成後の誘
電体層とその近傍の内部電極との間に残留応力を生じさ
せる。
内部電極の面積に比例して増加するので、できるだけ大
きなキャパシタンスを得るためには、内部電極を構成す
る各内部電極の面積をできるだけ広くする必要がある。
このため、端部の反対側に位置する各内部電極の開放端
は、これらを長さ方向(幅方向)の位置関係を揃わせて
おくのが一般的な方法である。
用すると、各内部電極の開放端近傍に生じやすい残留応
力が、揃わされた開放端群近傍に集中することになる。
残留応力が集中した状態の積層コンデンサに半田付け等
による熱衝撃が加えられると、この熱衝撃による熱応力
と残留応力との合力が発生し、この合力がクラックやデ
ラミネーション(層間はく離)等を生じさせる場合があ
った。
発されたのが、実開昭55−62031号公報に開示さ
れた積層コンデンサ(以下、適宜「従来の積層コンデン
サ」という)である。従来の積層コンデンサには、内部
電極開放端の角部に熱応力が集中することから、この角
部に丸みを形成してその集中を緩和させる方法が講じら
れている。このように形状が急変する角部に丸みを形成
すれば、丸みを形成していない場合に比べて応力が集中
する度合いが低いので、それだけクラックやデラミネー
ションが生じる可能性を低くすることができることにな
るからである。
極開放端に丸みを形成するだけでは、内部電極の平面方
向への応力集中をある程度まで緩和することは可能であ
るが、図6(従来の積層コンデンサ101の縦断面図)
に示すように内部電極開放端が積層方向(厚み方向)に
揃わされているので積層方向に対する残留応力の緩和に
は充分ではない。すなわち、図6に示す内部電極10
3,・・103の開放端105,・・105が縦方向に
破線で示すように積層方向に整列させられているため、
各開放端105,・・105の近傍に生じた残留応力を
破線近傍に集中させてしまうおそれがあった。この残留
応力を緩和させない限り、先に述べたクラックやデラミ
ネーションの発生を有効に防ぐことができない。本発明
が解決しようとする課題は、積層方向に対する残留応力
を緩和することによって、積層コンデンサのクラックや
デラミネーションを可及的に防止することにある。
ために発明者は、内部電極の開放端を長さ(幅)方向に
揃わないように構成することによって、残留応力を緩和
させることを考えついた。その詳しい構成と作用効果に
ついては、項をあらためて説明する。なお、何れかの請
求項において述べる用語の定義等は、その性質上可能な
限り他の請求項においても適用されるものとする。
「請求項1の積層コンデンサ」という)は、内部電極群
と、当該内部電極群間に配された誘電体セラミックと、
を含む積層体と、前記内部電極群の端部に導通接続され
た一対の外部電極と、備えるコンデンサである。同一外
部電極に接続された(すなわち、同電位の)内部電極群
の一部又は全部は、その長さ及び/又は幅が少なくとも
隣接する内部電極間で互いに異なっている。すなわち、
少なくとも隣接する内部電極の開放端が長さ(幅)方向
に揃わないように構成した、ことを特徴とする。内部電
極群の「一部又は全部」というのは、内部電極群を構成
する全内部電極の一部についてその長さ及び/又は幅を
隣接する内部電極間で互いに異ならせてもよいし、全内
部電極の全部について上記同様に異ならせてもよい、と
いう意味である。「長さ及び/又は幅」と記載したの
は、内部電極の長さだけ異ならせてもよいし、幅だけを
異ならせてもよいし、長さと幅の両者を異ならせてもよ
い、という趣旨である。「少なくとも」と記載したの
は、ある内部電極と、この内部電極に隣接する他の内部
電極とを比べた場合に、両内部電極の長さ及び/又は幅
が異なれば足りる、という趣旨である。内部電極の長さ
及び/又は幅を異ならせる方法には、たとえば、印刷等
によって表面に内部電極を形成した複数枚のグリーンシ
ートを平面方向(二次元方向)にずらして積層した後に
所望の大きさに切断することによって形成する方法や、
一端形成した内部電極をトリミング等によって後発的に
異ならせる方法がある。
ていない箇所において残留応力の集中が緩和される、と
いう作用効果を生じる。このため、この残留応力と半田
付け作業等に伴い加えられた熱衝撃による熱応力との合
力は、残留応力の集中が緩和されていない場合に比べて
緩和された分だけ小さくなる。よって、クラックやデラ
ミネーション等が積層コンデンサに生じる可能性が低く
なる。
「請求項2の積層コンデンサ」という)は、請求項1の
積層コンデンサの構成に限定が加わり、前記内部電極群
の一部又は全部は、前記端部の他に開放端部群を有し、
前記開放端部群を構成する各開放端部の一部又は全部が
積層方向に屈曲する屈曲部を備えていることを特徴とす
る。
サの作用効果に加え、屈曲部の働きによってその近傍に
おける電界の回り込み効果(縁端効果)を大きくするこ
とができる、という作用効果を生じる。その結果、屈曲
部を有しない場合に比べて静電容量を大きくすることが
できるので、各内部電極の開放端を揃わなくした結果、
発生する静電容量のロスを可及的に補償することができ
る。なお、屈曲部を設けると、その部分に応力が集中す
るが、各内部電極の開放端を揃わないようにして応力の
集中を緩和しているため、この屈曲部が原因でクラック
やデラミネーション等が積層コンデンサに生じることは
ない。
「請求項3の積層コンデンサ」という)は、請求項1又
は2の積層コンデンサの構成に限定が加わり、前記内部
電極群(すなわち、応力緩和に寄与する内部電極群)
は、すべての内部電極群のうち少なくとも半数を占めて
いることを特徴とする。
ンデンサの作用効果に加え、少なくとも半数の内部電極
が応力緩和に寄与するので、残留応力と熱応力との合力
を効率よく緩和するので、これによって、クラックやデ
ラミネーション等が積層コンデンサに生じる可能性が半
数に満たない場合より低くなる、という作用効果が生じ
る。応力緩和だけに観点をおけば、内部電極のすべてを
不揃いの対象とするのが好ましいことはいうまでもない
が、不揃いの対象を増やすことは積層コンデンサの静電
容量の減少につながりかねない。そこで、コンデンサ容
量の許容誤差範囲を考慮しながら、不揃いの対象とする
内部電極の割合を設定するとよい。
「請求項4の積層コンデンサ」という)は請求項1乃至
3何れかの積層コンデンサの構成に限定が加わり、各内
部電極を構成する、材料の種類又は材料の構成比率を、
少なくとも隣接する内部電極同士で異ならせたことを特
徴とする。すなわち、材料を異ならせてもよいし、材料
を異ならせずにその構成の割合を異ならせてもよい。
「材料」は、たとえば、ニッケル(Ni)、銅(C
u)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)等の内部電極の
構成主体となる金属類、各種のバインダ(接合剤)や溶
剤、その他の添加物や混合物等のことをいう。
積層コンデンサの作用効果に加え、材料の種類又は材料
の構成比率を異ならせることによって内部電極間におけ
る熱膨張係数を異ならせ、この結果、残留応力の集中が
緩和させるとともに、熱衝撃を受けた際の熱応力の集中
も緩和させる、という作用効果が生じる。この緩和によ
って、緩和された分だけ残留応力と熱応力との合力が小
さくなり、これによって、クラックやデラミネーション
等が積層コンデンサに生じる可能性が低くなる。
法(以下、「請求項5の積層コンデンサ製造方法」とい
う)は、グリーンシート群の表面に同一パターンの内部
電極群を形成する第1工程と、前記グリーンシート群を
積層することによって積層体を形成する第2工程と、前
記積層体を所望の大きさに切断することによって切断積
層体を形成する第3工程と、前記各切断積層体を焼成す
ることによって焼結積層体を形成する第4工程と、前記
焼結積層体の内部電極端部群に一対の外部電極を導通接
続する第5工程と、からなる従来の製造方法に改良を加
えたものである。すなわち、請求項5の積層コンデンサ
製造方法は、前記第2工程において、前記グリーンシー
ト群を平面方向にずらして積層することによって、前記
電極群の一部又は全部の長さ及び/又は幅を少なくとも
隣接する内部電極間で互いに異なるようにする、ことを
特徴とする
た内部電極はグリーンシートのずれによって不揃いとな
るため、これらを積層することによって開放端が積層方
向に不揃いの積層体を得ることができる。すなわち、ず
らした状態で積層されたグリーンシートを切断すれば、
これに伴って、ある層上にある内部電極はこれに隣接す
る他の層上にある内部電極とは異なる長さ(幅)に形成
されることになる。このように互いに異なる内部電極を
持つ切断片を積層すると、互いに開放端の揃わない積層
体が得られる。
法(以下、「請求項6の積層コンデンサ製造方法」とい
う)は、請求項5の積層コンデンサ製造方法に限定が加
わり、前記グリーンシート群の平面方向へのずらしは、
グリーンシート群の少なくとも半数について行う、こと
を特徴とする。
サ製造方法の作用効果に加え、少なくとも半数の内部電
極が応力緩和に寄与するので、残留応力と熱応力との合
力を効率よく緩和するので、これによって、クラックや
デラミネーション等が積層コンデンサに生じる可能性が
半数に満たない場合より低くなる、という作用効果が生
じる。
本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」という)に
ついて説明する。図1は積層コンデンサの分解斜視図
を、図2は図1のX−X線を含む断面図を矢印方向に見
た図である。図3はグリーンシートを積層する様子を示
す斜視図であり、図4は図3のY−Y線を含む断面図を
矢印方向に見た図である。図5は図4の変形例を示す図
である。
明する。積層コンデンサ1は、誘電体層3と内部電極5
とを交互に積層させて構成した切断積層体7と、切断積
層体7の両端部において内部電極5に一層おきに接続さ
れた一対の外部電極9a,9bと、から構成されてい
る。
に金属ペースト(導電ペースト)を印刷、乾燥させて形
成した内部電極5とを交互に積層させ加熱圧着し、その
後、焼成により一体化させたものである。本実施形態に
おけるセラミック焼成体は、セラミック粉末を主成分と
するグリーンシートを上記手順で焼成したものが使用さ
れている。内部電極5は、グリーンシートに印刷した金
属ペースト(導電性ペースト)を焼成形成した金属薄膜
によって構成されている。本実施形態における金属ペー
ストは、Ag−Pd粉末やNi(ニッケル)粉末やCu
(銅)粉末等を主成分とするものが使用されている。セ
ラミック焼成体と金属ペーストの製造方法は、別項にて
説明する。
形成されており、外部電極9a,9bに接続される端部
13と、端部11以外の三辺によって構成される開放端
13と、を備えている。開放端13は、端部11の反対
側に位置する開放端13と、端部11と先方開放端13
との間に位置する側方開放端15,15と、を備えてい
る。本実施形態における内部電極5は、側方開放端1
5,15間の距離、すなわち、内部電極5の幅は各内部
電極ともに同じ寸法に形成されているが、端部11と先
方開放端13との距離、すなわち、内部電極5の長さ
は、次に述べるように互いに異なるように形成されてい
る。なお、図には示していないが、従来の技術の欄で説
明した従来の積層コンデンサのように、内部電極5の角
部に丸みを形成して平面方向への応力集中を緩和するよ
うに構成してもよい。
図2に示す積層コンデンサ1については、各内部電極5
の長さの違いや厚み等を、理解を容易にするために若干
誇張して描いてある。また、説明の都合上、各内部電極
を示す符号を5a〜5c,5p〜5rとして示し、内部
電極5aの先方開放端を13aと、内部電極5bの先方
開放端を13bと、内部電極5cの先方開放端を13c
と、それぞれを示している。さらに、Laは内部電極5
aの長さを、Lbは内部電極5bの長さを、Lcは内部
電極5cの長さを、それぞれ示している。
aと内部電極5bの長さLbと内部電極5cの長さLc
とは、互いに異なるように、すなわち、隣接する内部電
極5a,5b,5cの先方開放端13a,13b,13
cは切断積層体7の積層方向(厚み方向)に揃わないよ
うに、換言すると、不揃いになるように形成されてい
る。先方開放端13a,13b,13cを不揃いになる
ように形成したのは、揃っていれば集中したであろう各
先方開放端13a,13b,13cにおける残留応力を
分散によって緩和させるためである。
Lbとの差、長さLbと長さLcとの差、或いは、長さ
Lcと長さLaとの差の大きさは、積層コンデンサ1に
要求される静電容量を満たす範囲内において設定する。
つまり、長さLaと長さLbとを、長さLcと同じにし
た方が、本実施形態のように互いに異ならせるより内部
電極5a,5b,5c全体の静電容量が大きくなるが、
異ならせて短くした分だけ静電容量を犠牲にしなければ
ならないことになる。そこで、残留応力の緩和という観
点と、静電容量の確保という観点から、両者の均衡を保
つために長さを異ならせる内部電極の枚数を定めるよう
にすることが好ましい。発明者らが行った実験によれ
ば、全部の内部電極のうち少なくとも過半数のものの長
さを互いに異ならせることによって好結果を得ている。
のは、たとえば100枚ある内部電極5のうち50枚以
上(たとえば、60枚)の長さを互いに異ならせれば足
り、この場合に残った40枚の内部電極5の長さは互い
に異ならせてもよいし異ならせなくてもよい、という趣
旨である。長さの異ならせ方は、本発明の目的の範囲内
であれば何ら制限を受けるものではないが、たとえば、
隣接する内部電極5,5間の差を常に均等に設定して図
2に示す内部電極5a,5b,5cのように階段状に異
ならせたり、内部電極5p,5q,5rのように不規則
に異ならせたりすることができる。
に、たとえば、上中下段の三層に分け、上下段の各々に
30枚ずつ配し、残る中段に同じ長さの内部電極40枚
を配するようにしたり、上下段の二層に分け、上段又は
下段の何れかに異なる長さの内部電極5を60枚全部配
するようにしたり、数枚ごとに異なる長さの内部電極5
と同じ長さの内部電極5とを互い違いに配するようにし
たりすることができる。なお、長さを異ならせる場合に
は、図2に示す内部電極5a,5b,5cのように、少
なくとも隣接するもの同士の長さLa,Lb,Lcが異
なれば足り、たとえば、隣接しない他の内部電極(図示
を省略)が長さLbと同じ長さを有することになったと
してもそのことを排除する趣旨ではない。
11P1,11P2,11P3..を屈曲させて屈曲部
群を形成するようにしてもよい。屈曲部を形成すると、
その屈曲部群における電界(電気力線)の縁端効果(e
ddge effect)によって静電容量を稼ぐこと
ができるので、これによって内部電極5の長さを短くし
た結果生じる静電容量の減少を可及的に補償できるから
である。屈曲部群を形成する方法の説明は、後述する積
層コンデンサの製造方法の説明の欄において行う。
内部電極5に一層おきに接続するように金属ペーストを
塗布し、その後に焼付け形成したものである。金属ペー
ストは、内部電極5と同様にAg−Pd粉末或いはN
i、Cu粉末を主成分とするものが使用されている。外
部電極9a,9bは、その表面に半田メッキを施してお
くことが好ましい。半田メッキによって、外部電極9
a,9bの半田ぬれ性がよくなり、溶融した半田がなじ
みやすくなるからである。半田ぬれ性の向上は半田付け
の迅速性につながり、これによって熱衝撃による熱応力
集中の抑制に貢献することができる。外部電極9aは内
部電極5a,5b,5cに、外部電極9bは内部電極5
p,5q,5rに、それぞれ導通接続されている。
法について説明する。まず、誘電体層の原料粉末に有機
バインダーを15重量%添加し、さらに水を50重量%
加え、これらをボールミルに入れて十分に混合させてス
ラリー(泥奨)を製造する。次に、このスラリーをドク
ターブレード法によりポリエステルフィルム等のキャリ
アフィルム上に所定の厚み(十μm〜数百μm程度)に
延ばし、乾燥させてセラミック誘電体のグリーンシート
を製造する。こうして製造したグリーンシートを後述す
るように焼成したものが、誘電体層3を構成する。以下
の説明においては、誘電体層3の代わりに、必要に応じ
てグリーンシート3と記載する。
トは、導電性のある微粒子を、高濃度で均一になるよう
に混合して製造する。本実施形態の導電性ペーストは、
均粒径が1.5μm程度のパラジウム粉末10gと、プ
チルカルビトール3.1gにセルロース0.9gを溶解
させたものとを攪拌器に入れ、約10時間攪拌すること
によって製造する。導電性ペーストをグリーンシートの
片面上にスクリーン印刷して乾燥させると、内部電極5
が形成される(第1工程)。
という)を上にしてグリーンシート3を、複数枚積層す
る。積層する様子を、図3及び4を参照しながら説明す
る。なお、積層するグリーンシート3,…3の上下関係
を説明しやすくするために、図3及び4において、積層
するグリーンシート(誘電体層)を3g1〜3gnに
て、内部電極を5p1〜5pn(5pnは図示を省略)
にて、さらに、内部電極5p1〜5pnの開放端を13
p1〜13pnにて、それぞれ示している。
層は、隣接するグリーンシートを長さ方向に僅かにずら
して行う。すなわち、図3に示す3枚のグリーンシート
3g1〜3g3について説明すると、グリーンシート3
g3の上に位置するグリーンシート3g2を、グリーン
シート3g3より長さ方向左側に僅かにずらして積層
し、さらに、グリーンシート3g2より上に位置するグ
リーンシート3g1をグリーンシート3g2より長さ方
向左側に僅かにずらして積層する。この積層作業は、少
なくとも積層する全グリーンシートの過半数になるまで
行う。最後に、この積層物の上下面に内部電極の印刷さ
れていないグリーンシートを積層して積層作業を完了す
る(第2工程)。
4に示すように一点鎖線を含むように格子状に切断する
と、複数の切断積層体7が形成される(第3工程)。こ
こで、切断積層体7を構成する内部電極に着目すると、
最上段の内部電極5p1の長さが一番短く、次いで、内
部電極5p2、内部電極5p3の順で長くなっており、
このため、先方開放端13p1,13p2,13p3
は、積層方向に不揃いの位置関係になっている。これ
は、グリーンシートを長さ方向にずらして積層した結果
であり、これによって各先方開放端近傍に生じる残留応
力が分散されるようになっている。
体7を雰囲気焼成できる炉に入れ、待機中で600℃程
度まで加熱して有機バインダーを除去する。その後、炉
の雰囲気を大気中の雰囲気とし、切断積層体7の加熱温
度を600℃から焼成温度の1150℃に上昇させ、こ
の状態を3時間続ける。次いで、1時間に100℃の割
合で600℃まで温度を下げ、その後は室温まで自然冷
却させる。これで、切断積層体7の焼成を完了する(第
4工程)。なお、この焼成を完了した積層体を、焼成前
の切断積層体7と区別するために、以下、焼結積層体7
と呼ぶことにする。
切断積層体7の側面には、切断によって内部電極が露出
しているので、この側面に銀とガラスフリットとビヒク
ルからなる導電性ペーストを塗布して乾燥させ、これを
大気中で800℃の温度で15分間焼き付けて銀電極層
を形成する(第5工程)。さらに、この銀電極層の表面
に銅を無電解メッキで施し、さらに、半田濡れ性をよく
するために半田メッキを施しておく。これで、一対の外
部電極9a,9bを備える積層コンデンサ1が完成す
る。
の第1工程において、スラリーの中に適量の凝集剤を加
えてからグリーンシートを製造すると、グリーンシート
の表面に凹凸が形成され、この凹凸によって、図5に示
す内部電極5p1〜5p5の開放端13p1〜13p5
に屈曲部が形成される。これは、凝集剤がセラミック粒
子や有機バインダーなどの粒子の表面に吸着し、粒子の
凝集を起こさせるからであり、開放端13p1〜13p
5に屈曲部が形成されるのは、この凹凸の影響によるも
のである。
する内部電極5の長さを互いに異ならせることによって
残留応力を分散緩和するものである。この内部電極5の
長さに代え、又は、内部電極5の長さとともに、隣接す
る内部電極5の幅(側方開放端15,15間の距離)を
互いに異ならせるように構成してもよい。前者における
残留応力の分散緩和は、側方開放端15,15の不揃い
によって実現され、後者における残留応力の分散緩和
は、側方開放端15,15及び先方開放端13の不揃い
によって実現される。
又は材料の構成比率を、少なくとも隣接する内部電極同
士で異ならせ、これによる熱膨張係数の相違を利用して
残留応力を分散緩和させることもできる。
方向に対する残留応力を緩和することによって、積層コ
ンデンサのクラックやデラミネーションを可及的に防止
することができる。
ある。
見た図である。
図である。
見た図である。
図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 内部電極群と、当該内部電極群間に配さ
れた誘電体セラミック群と、を含む積層体と、 前記内部電極群の端部に導通接続された一対の外部電極
と、を備える積層セラミックコンデンサにおいて、 同一外部電極に接続された内部電極群の一部又は全部
は、その長さ及び/又は幅が少なくとも隣接する内部電
極間で互いに異なっている、ことを特徴とする積層セラ
ミックコンデンサ。 - 【請求項2】 前記内部電極群の一部又は全部は、前記
端部の他に開放端部群を有し、 前記開放端部群を構成する各開放端部の一部又は全部が
積層方向に屈曲する屈曲部を備えている、ことを特徴と
する請求項1に記載した積層セラミックコンデンサ。 - 【請求項3】 前記内部電極群は、すべての内部電極群
のうち少なくとも半数を占めていることを特徴とする請
求項1又は2に記載した積層セラミックコンデンサ。 - 【請求項4】 前記各内部電極を構成する、材料の種類
又は材料の構成比率が、少なくとも隣接する内部電極間
で互いに異なっていることを特徴とする請求項1乃至3
の何れかに記載した積層セラミックコンデンサ。 - 【請求項5】 グリーンシート群の表面に同一パターン
の内部電極群を形成する第1工程と、 前記グリーンシート群を積層することによって積層体を
形成する第2工程と、 前記積層体を所望の大きさに切断することによって切断
積層体を形成する第3工程と、 前記各切断積層体を焼成することによって焼結積層体を
形成する第4工程と、 前記焼結積層体の内部電極端部群に一対の外部電極を導
通接続する第5工程と、を備える積層セラミックコンデ
ンサの製造方法において、 前記第2工程において、前記グリーンシート群を平面方
向にずらして積層することによって、前記電極群の一部
又は全部の長さ及び/又は幅を少なくとも隣接する内部
電極間で互いに異なるようにする、ことを特徴とする積
層セラミックコンデンサの製造方法。 - 【請求項6】 前記グリーンシート群の平面方向へのず
らしは、グリーンシート群の少なくとも半数について行
う、ことを特徴とする請求項5に記載した積層セラミッ
クコンデンサの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29194299A JP3682392B2 (ja) | 1999-10-14 | 1999-10-14 | 積層セラミックコンデンサ及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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