JP2001108000A - 免震構造体 - Google Patents

免震構造体

Info

Publication number
JP2001108000A
JP2001108000A JP28305599A JP28305599A JP2001108000A JP 2001108000 A JP2001108000 A JP 2001108000A JP 28305599 A JP28305599 A JP 28305599A JP 28305599 A JP28305599 A JP 28305599A JP 2001108000 A JP2001108000 A JP 2001108000A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acrylate
weight
meth
isolation structure
seismic isolation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP28305599A
Other languages
English (en)
Inventor
Taihei Sugita
大平 杉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP28305599A priority Critical patent/JP2001108000A/ja
Publication of JP2001108000A publication Critical patent/JP2001108000A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 季節の温度差により免震特性に影響を受けに
くく、かつ大地震時の大変形にも追随可能な免震構造体
を提供すること。 【解決手段】 剛性を有する硬質板と粘弾性的性質を有
する軟質板とを交互に複数個積層した複合積層体からな
る免震構造体であって、前記粘弾性的性質を有する軟質
板が、下記(A)、(B)及び(C)を共重合して得ら
れる共重合体からなることを特徴とする免震構造体。 (A)炭素数2〜20のアルキル基を有するアルキル
(メタ)アクリレート (B)n−ビニルアセトアミド (C)架橋剤もしくは架橋性モノマー

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は免震構造体に関す
る。さらに詳しくは、ビル、住宅などの建築構造物とそ
の基礎の間に設置して、地盤から構造物に伝わる地震エ
ネルギーを減少させることを目的とする免震構造体に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、高層ビル等の大型構造物を地震災
害から守るために、地震時の揺れを構造物に直接伝達さ
せない機構を有する免震装置が様々開発されている。こ
のような免震装置は、構造物とその基礎体(地盤など)
との間に免震装置を介在させることにより、地震入力エ
ネルギーの水平方向成分及び垂直方向成分とを弾性歪み
エネルギーとして吸収し、構造体への伝達率を小さくす
るものである。このような免震装置としては、従来か
ら、積層ゴムアイソレーター、空気バネ、金属コイルバ
ネ等が一般的に用いられている。
【0003】積層ゴムアイソレーターとしては、複数個
の金属などからなる剛性を有する硬質板とゴム等からな
る粘弾性的性質を有する軟質板とを、交互に積層した免
震構造体が一般的であり、ビルや橋梁等の免震装置とし
て広く用いられている。
【0004】このような免震構造体の軟質板を構成する
ゴム等の弾性体としては、天然ゴム系のゴムが用いられ
ているのが一般的であるが、他の材料としては、高価で
はあっても、耐老化性、耐熱性に優れていることから、
シリコーン系のゴムが用いられるようになった。
【0005】このような免震構造体に用いられるゴム
は、以下のようなバネ特性を有するように設計されてい
る。 fH=(1/2π)√KH/M KH=A・G/ntR 式中、KHはゴム等の水平方向バネ定数、Mは免震構造
体への搭載荷重、fHは水平方向への固有振動数、Aは
搭載荷重を受ける受圧面積、Gはゴムの剪断弾性係数、
Rは積層物のトータル厚さである。fHは、構造物の水
平方向での免震固有周期の逆数で、目的とする免震性能
にもよるが、通常固有周期が1〜10秒で設定される。
【0006】一方、低中層ビル、工場等の建築構造物で
あれば、搭載重量は数百tにも及ぶために、ゴムの剪断
弾性係数として、6〜15kgf/cm2のゴムが使用
される。しかしながら、戸建て住宅においては、搭載荷
重が軽量で数十tにしか及ばないために、免震性能確保
の為に、ゴムの剪断弾性係数を小さくする必要があり、
例えば、0.05〜6kgf/cm2の剪断弾性係数を
有するゴムが必要であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これを
達成するためには、特開平8−93845号公報に記載
されているように、天然ゴムや合成ゴム系の材料を軟質
板として用いることが考えられるが、耐久性等の観点か
ら、好ましくない。
【0008】このような観点から、本出願人は、天然ゴ
ムや合成ゴム系材料の代りに、アルキル基を有するアル
キル(メタ)アクリレートの単独又は共重合体を軟質板
に用いることによって免震性能の確保を達成した。
【0009】アルキル(メタ)アクリレートの単独又は
共重合体を軟質板に用いると、軽量搭載重量に対しても
固有周期を目標値に対して満足することは可能である。
しかしながら、1995年に神戸で起きた阪神大地震の
ような大地震においては、非常に大きな水平移動を伴う
ことが予想され、免震構造体のゴムの剪断歪み率がかな
り大きなものとなる。これに対応するには、大きな歪み
に追随できるほどの硬質板への接着力を得るために、ア
ルキル(メタ)アクリレートに極性基を有するモノマー
等を共重合させ、硬質板への接着力を高める手段が最も
効果的である。
【0010】しかしながら、前述の極性基を有するモノ
マーを共重合させ軟質板として用いた場合、軟質板の弾
性率が温度により大きく変化する。したがって、前述の
軟質板から構成される免震構造体は、夏場と冬場の異な
る温度下で、その免震特性が大きく変化してしまうとい
う問題が生じる。
【0011】本発明は、上述の課題を解決することを目
的とするものであり、硬質板への接着力に優れ、かつ、
温度変化により弾性率が大きく変化することがない軟質
板を提供し、温度変化に対して免震特性が変化すること
がない免震構造体を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、剛
性を有する硬質板と粘弾性的性質を有する軟質板とを交
互に複数個積層した複合積層体からなる免震構造体であ
って、前記粘弾性的性質を有する軟質板が、下記
(A)、(B)及び(C)を共重合して得られる共重合
体からなることを特徴とする免震構造体を提供するもの
である。 (A)炭素数2〜20のアルキル基を有するアルキル
(メタ)アクリレート (B)nービニルアセトアミド (C)架橋剤もしくは架橋性モノマー
【0013】また、本発明は、前記共重合体が、下記の
重量組成で光重合開始剤を用いて光重合することにより
得られる共重合体であることを特徴とする前記の免震構
造体を提供するものである。 (A)炭素数2〜20のアルキル基を有するアルキル
(メタ)アクリレート:90〜99重量%、 (B)nービニルアセトアミド:1〜10重量% (C)架橋剤もしくは架橋生モノマー:(A)+(B)
の合計100重量部に対して0.01〜5重量部 (D)光重合開始剤:(A)+(B)+(C)の合計1
00重量部に対して0.01〜5重量部
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成について詳述
する。
【0015】本発明に使用する(A)炭素数2〜20の
アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートとし
ては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、ブチル
(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)ア
クリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−
オクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)ア
クリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソミリ
スチル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)
アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、
セチル(メタ)アクリレート、n−ヘプタデシル(メ
タ)アクリレート、n−ヘキサデシル(メタ)アクリレ
ート、n−ペンタデシル(メタ)アクリレート、n−オ
クタデシル(メタ)アクリレート、n−ノナデシル(メ
タ)アクリレート、n−エイコシル(メタ)アクリレー
ト等が挙げられる。
【0016】本発明に使用する(B)n−ビニルアセト
アミドは、下記の構造式で表され、極性基としてアミド
結合を有するモノマーである。
【化1】
【0017】上記(A)炭素数2〜20のアルキル基を
有するアルキル(メタ)アクリレートと(B)n−ビニ
ルアセトアミドとの共重合体は、温度による弾性率の変
化が大きくなく、かつ高い接着力を発現でき、他の極性
基を有するモノマーとアルキル(メタ)アクリレートと
の共重合体と比較して、接着力を向上させる点と温度に
よる変化を少なくする点で非常にバランスがよい優れた
共重合体である。
【0018】上記(A)炭素数2〜20のアルキル基を
有するアルキル(メタ)アクリレートと(B)n−ビニ
ルアセトアミドとを共重合する際のモノマー組成は、こ
れらのモノマー全量に対して、それぞれ、90〜99重
量%と1〜10重量%が好ましい。(A)炭素数2〜2
0のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート
の含有量が90重量%未満では、凝集力が強くなりすぎ
て共重合体の接着力が低下する。また、99重量%を超
える場合は共重合体の極性が低下して金属に対する高い
接着力が得られない。一方、(B)n−ビニルアセトア
ミドの含有量が1重量%未満では極性基であるアミド基
の効果が発揮されず、接着力を向上することができな
い。また、10重量部を越える場合、軟質板の温度によ
る弾性率の変化が大きすぎて、免震特性の季節変化が大
きくなり問題を生じる。
【0019】上記共重合体を架橋するために使用する
(C)架橋剤もしくは架橋性モノマーは、アルキル(メ
タ)アクリレートの架橋のために一般に使用されている
ものであれば特に限定されない。架橋剤としては、例え
ば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アジ
リジン系架橋剤、メラミン系架橋剤等が挙げられる。ま
た、架橋性モノマーとしては、例えば、ヘキサンジオー
ルジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール
ジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)
アクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレ
ート、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸
ビニル、ジビニルベンゼン、エポキシアクリレート、ポ
リエステルアクリレート、ウレタンアクリレート等が挙
げられる。
【0020】架橋性モノマー又は架橋剤の添加量は、共
重合に関与する上記(A)及び(B)からなる共重合モ
ノマー組成物100重量部に対し、0.01〜5.0重
量部が好ましい。0.01重量部末満であると、架橋度
合が不足し、必要な凝集力が得られないため、共重合体
の接着性が低下する。また、5重量部を超えると、架橋
密度が高くなりすぎ、得られた共重合体がもろくなり、
接着力が低下するとともに大変形に対応できない。より
好ましくは、0.02〜3重量部である。なお、共重合
体性組成物100重量部には、重合開始剤は含まない。
【0021】上記共重合体は、剪断弾性係数Gの調整
や、加工性の調整のために、充填剤が含有されてもよ
い。充填剤は特に限定されないが、少なくとも1種類以
上の微粒子を添加すると、高減衰性を増大することが出
来るので好ましい。微粒子の添加は、通常、共重合時に
モノマー組成物に添加される。
【0022】微粒子は、内密充填型の微粒子であっても
中空型の微粒子であってもよく、また、その形状は特に
制限はなく、球状、扁平状、針状、繊維状などの形状が
用いられる。樹脂を粉砕した粉砕品のような不特定形状
であってもよい。粒子径としては、平均粒子径で0.5
μm〜1mmの範囲のものが一般に使用されるが、好ま
しくは平均粒子径2μm〜500μmのものである。
【0023】微粒子の具体例を挙げると、内密充填型微
粒子としては、例えば、ガラスビーズ、シリカビーズ、
アルミナ、合成雲母等の無機微粒子;ポリアクリル酸エ
チル、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン等
の有機微粒子等が挙げられる。中空型微粒子としては、
例えば、ガラスバルーン、シラスバルーン、フライアッ
シュバルーン等の無機中空微粒子;ポリメタクリル酸メ
チル、アクリロニトリル−塩化ビニリデン共重合体、ポ
リスチレン、フェノール樹脂等の有機中空微粒子等が挙
げられる。
【0024】微粒子の含有量は、共重合体100重量部
に対し、一般に10〜180重量部である。比重が小さ
い中空微粒子では好ましくは最大20重量部がより好ま
しく、比重が1前後の微粒子又は中空微粒子や有機微粒
子では、10〜60重量部がより好ましく、比重が2以
上あるような重い無機微粒子では、70〜150重量部
が好ましい。
【0025】上記(A)〜(C)からなる混合モノマー
の共重合体の製造方法は特に限定されず、例えば、溶液
重合方法、乳化重合法、塊状重合法等が挙げられる。し
かし軟質板としては通常0.5〜5mmといった高厚み
が必要であり、このような高厚みな軟質板を得るために
は、塊状重合法の一つである光重合法が好ましい。他の
重合法では、有機溶剤や水にアルキル(メタ)アクリレ
ートのモノマーを数十%の割合で希釈して重合するた
め、板状に成形するためには、後に有機溶剤や水を揮発
させる必要があり、そのため、高厚みで板状にして揮発
させると、製造された板状品に、揮発時の発泡によって
形成された気泡が残るといった問題がある。一方、気泡
をなくすためには、長時間かけて低温でゆっくり揮発さ
せなければならず、経済的に不利である。
【0026】光重合法においては、上記(A)、(B)
及び(C)からなる共重合性組成物100重量部に対し
て、光重合開始剤を0.01〜5重量部、好ましくは
0.05〜3重量部添加して光重合させることが好まし
い。
【0027】光重合開始剤の添加量が0.01重量部未
満であると、重合転化率が低下し、モノマー臭のきつい
成形物しか得られず、5重量部を超えると、ラジカル発
生量が多くなり、分子量が低下してしまい、必要な剪断
弾性係数Gが得られなくなるおそれがある。
【0028】光重合開始剤としては、一般に光重合で使
用されている開始剤が使用でき、例えば、4−(2−ヒ
ドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プ
ロピル)ケトン(ダロキュア−2959:メルク社
製);α−ヒドロキシ−α,α′−ジメチル−アセトフ
ェノン(ダロキュア1173:メルク社製);メトキシ
アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルア
セトフェノン(イルガキュア651:チバガイギー社
製)、2−ヒドロキシ−2−シクロヘキシルアセトフェ
ノン(イルガキュア184:チバガイギー社製)等のア
セトフェノン系;ベンジルジメチルケタール等のケター
ル系;ハロゲン化ケトン、アシルホスフィノキシド、ア
シルホスフォナート等が挙げられる。
【0029】光重合において、光照射に用いられるラン
プ類も一般に光重合で使用されているランプが使用でき
るが、光波長450nm以下に発光分布を有するものが
好ましく、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀
灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトラ
ンプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドラ
ンプ等が挙げられる。なかでも、ケミカルランプが、重
合開始剤の活性波長領域の光を効率よく発光すると共
に、重合開始剤以外の組成物の光吸収が少ないため、内
部まで、光が透過し、高厚膜の重合体を製造することが
できるので好ましい。
【0030】上記ランプによる光重合性組成物への光照
射強度は、得られる共重合体の重合度を左右する因子で
あり、目的とする共重合体の性能毎に適宜制御されるも
のであるが、通常のアセトフェノン基を有する開裂型の
重合開始剤を配合した場合、0.1〜100mW/cm
2が好ましい。上記光重合開始剤の光分解に有効な波長
領域は、重合開始剤の種類により異なるが、通常、36
5〜420nmである。
【0031】光重合反応は、空気中の酸素及び光重合性
組成物に溶解する酸素によって反応が阻害されるので、
光照射は、酸素の阻害を消去しうるような方法をとる必
要がある。上記方法としては、例えば、光重合性組成物
を表面離型処理したPETやテフロン等のフィルムによ
って覆い、このフィルムを介して光重合性組成物へ光を
照射する方法、窒素ガス、炭酸ガス等の不活性ガスによ
り酸素を置換した光透過性の窓を有するイナートゾーン
中で光重合性組成物へ光を照射する方法等が挙げられ
る。後者の方法において、光重合性組成物の重合転化率
が99.7%以上になる程度まで充分に重合反応を完結
させるためには、雰囲気中の酸素濃度は5000ppm
以下である必要がある。好ましくは、300ppm以下
である。
【0032】上記によって得られる共重合体は、剛性を
有する硬質板と共重合体からなる軟質板とを交互に複数
個積層することにより複合積層体を構成し、免震構造体
を製造することが出来る。
【0033】前記剛性を有する硬質板としては特に限定
されず、例えば、金属、セラミックス、プラスチック
ス、FRP(繊維強化プラスチック)、ポリウレタン、
木材、紙板、スレート板、コンクリート板、化粧板等が
挙げられる。硬質板の剛性は、ヤング率で1×107
a以上が好ましい。
【0034】本発明の免震構造体は、剛性を有する硬質
板及び粘弾性的性質を有する軟質板とを、それぞれ複数
個、交互に積層した複合積層体からなるため、鉛直方向
に掛かる荷重に耐え、大きな変形を起こすことがない。
硬質板及び軟質板の一層の厚みは、掛かる荷重によって
異なるが、0.05〜100mmが好ましく、さらに好
ましくは、0.5〜50mmである。0.05mm未満
であると、積層枚数が飛躍的に増加し、製造コストがか
かり、100mmを超えると、鉛直方向の荷重に対して
大きな変形が生じ易くなる。各層の厚みは、それぞれ異
なっていてもよい。
【0035】複合積層体の積層枚数は、硬質板及び軟質
板の合計で、3〜50000枚が好ましく、用途や掛か
る荷重により適宜設定される。本発明の免震構造体に
は、その上下に貫通する孔が1カ所以上形成されていて
もよく、その孔の中に、例えば、鉛、錫、その他各種の
材料等が封入されていても良い。
【0036】
【実施例】本発明を実施例を掲げて更に具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものでは
ない。
【0037】「実施例1」イソオクチルアクリレート9
8重量部、n−ビニルアセトアミド2重量部、ヘキサン
ジオールジアクリレート0.05重量部、2、2−ジメ
チル−2フェニルアセトフェノン(イルガキュアー65
1:チバガイギー社製)0.1重量部を均一拡散するま
でセパラブルフラスコ中で撹拌した後、窒素ガスパージ
することにより溶存酸素を除去した。次に、ブラックラ
イトランプでこの原料組成物に光照射したところ、原料
組成物の温度が上昇すると同時に粘度が高くなった。そ
こで、原料組成物の温度が5℃上昇したところで、光照
射をやめた。その結果得られた部分光重合増粘組成物の
転化率は3.7%、粘度2200cpsであった。次
に、上記部分光重合増粘組成物にヘキサンジオールジア
クリレート0.1重量部を配合し、この重合組成物を離
型処理の施された38μmの厚みのPETフィルム上
に、重合終了時の厚みが1.0±0.1mmとなるよう
に塗工し、さらにおなじPETフィルムをその離型処理
面が塗工面と接するようにカバーした。次に、ケミカル
ランプを用いて上記カバーPETフィルム上の照射強度
が2mw/cmとなるようにランプ高さを調整し、光を
8分間照射して光重合を行った。照射終了後の試料の残
存モノマーは0.1重量%未満であった。得られたシー
トを200mm×200mmの形状に断裁して軟質板と
した。また、硬質板として、亜鉛メッキ鋼板を用い、3
00mm×300mm×5mmの形状の硬質板Aと、2
00mm×200mm×1mmの形状の硬質板Bとを作
製した。そして、フランジと、軟質板:3を30枚、硬
質板A:1を2枚、硬質板B:2を29枚積層し、免震
構造体を作製した。図1は、得られた免震構造体を模式
的に示した断面図である。上記免震構造体において、硬
質板と軟質板との接着は、軟質板の粘着性のために、接
着剤を用いなくても強固に接着されていた。
【0038】「実施例2、比較例1〜3」「表1」に示
した所定量のイソオクチルアクリレート、n−ビニルア
セトアミド、ヘキサンジオールジアクリルレート、2、
2−ジメチル−2フェニルアセトフェノン(イルガキュ
アー651:チバガイギー社製)を用いて、実施例1と
同様にして光重合を行い、軟質板を得て、免震構造体を
作製した。
【0039】<評価方法>得られたシートを20mm×
20mmの形状に断裁して軟質板Aとした。また硬質板
として、亜鉛メッキ鋼板を用い、30mm×100mm
×1mmの形状の硬質板Cとした。軟質板Aの両面に硬
質板Cを貼り付けて、図2に示す構造の剪断試験用試料
を作製した。 (1)剪断変形試験 得られた試料を、23℃で、180℃方向に、引張り速
度300mm/minで引っ張り、破断したときの伸び
を測定した。 (2)剪断特性試験 得られた試料を、−10℃と30℃で剪断変形試験を行
い、破断したときの伸びと荷重を測定し、荷重(kgf)
を伸び(mm)で除して、剪断鋼性kを求めた。次い
で、−10℃の剪断剛性k-10を、30℃の剪断剛性k
30で除して剪断特性とした。
【0040】得られた結果を「表1」に示した。
【表1】
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、温度による影響が少な
く、かつ硬質板に高い接着力を発現できる共重合体から
なる軟質板により、免震特性が季節による影響を受けに
くく、かつ大地震時の大変形にも追随可能な免震構造体
を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】免震構造体の構成図である。
【図2】剪断変形試験用試料の説明図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 剛性を有する硬質板と粘弾性的性質を有
    する軟質板とを交互に複数個積層した複合積層体からな
    る免震構造体であって、前記粘弾性的性質を有する軟質
    板が、下記(A)、(B)及び(C)を共重合して得ら
    れる共重合体からなることを特徴とする免震構造体。 (A)炭素数2〜20のアルキル基を有するアルキル
    (メタ)アクリレート (B)nービニルアセトアミド (C)架橋剤もしくは架橋性モノマー
  2. 【請求項2】 前記共重合体が、下記の重量組成で光重
    合開始剤を用いて光重合することにより得られる共重合
    体であることを特徴とする請求項1記載の免震構造体。 (A)炭素数2〜20のアルキル基を有するアルキル
    (メタ)アクリレート:90〜99重量%、 (B)nービニルアセトアミド:1〜10重量% (C)架橋剤もしくは架橋生モノマー:(A)+(B)
    の合計100重量部に対して0.01〜5重量部 (D)光重合開始剤:(A)+(B)+(C)の合計1
    00重量部に対して0.01〜5重量部
JP28305599A 1999-10-04 1999-10-04 免震構造体 Pending JP2001108000A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28305599A JP2001108000A (ja) 1999-10-04 1999-10-04 免震構造体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28305599A JP2001108000A (ja) 1999-10-04 1999-10-04 免震構造体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001108000A true JP2001108000A (ja) 2001-04-17

Family

ID=17660629

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28305599A Pending JP2001108000A (ja) 1999-10-04 1999-10-04 免震構造体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001108000A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008035774A1 (fr) * 2006-09-21 2008-03-27 Bridgestone Corporation Structure anti-vibrations

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008035774A1 (fr) * 2006-09-21 2008-03-27 Bridgestone Corporation Structure anti-vibrations
US8418999B2 (en) 2006-09-21 2013-04-16 Bridgestone Corporation Vibration damping system

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6932739B2 (ja) 低温振動減衰感圧性接着剤及び構造物
CN101835863A (zh) 加热发泡型再剥离性丙烯酸类粘合带或粘合片
CN105189677A (zh) 丙烯酸泡沫粘结带及适用其的平板显示器
WO2013137097A1 (ja) 耐火性粘着テープ、耐火性構造材、および、耐火処理方法
JP2022132252A (ja) 建築用面構造、その製造方法、及びパネル構造体
JP2004068589A (ja) 建築用断熱複合板
JP2001108000A (ja) 免震構造体
DE102012210386A1 (de) Kantenschutzband
JPH08259908A (ja) 両面粘着テープ、両面粘着テープの積層体および両面粘着テープの製造方法
JPH11181367A (ja) 粘着シートおよび窓ガラス構造体
JP2001040165A (ja) 高減衰ゴム組成物及びこれを用いた免震構造体
JPWO2020066363A1 (ja) 構造物の補修方法
JP2013147011A (ja) 透明粘接着剤層付透明飛散防止部材
JP2000291709A (ja) 免震装置
JP2001124124A (ja) 免震構造体
JP2000120781A (ja) 免震構造体
JP6485721B1 (ja) 熱硬化性シートの製造方法および電子部品の封止方法
JP2004051708A (ja) 装飾板材の固定方法及び両面粘着テープ
JP2004059893A (ja) アクリル系粘着剤組成物及び粘着テープ
WO2005080522A1 (ja) アクリル系粘着剤組成物及びアクリル系粘着テープ
JP2000002280A (ja) 免震構造体
JPH01110572A (ja) プライマー
JPS6335651B2 (ja)
JP2001040047A (ja) 高減衰ゴム組成物及びこれを用いた免震構造体
JPH11300893A (ja) 複合積層体及びその製造方法