JP2000002280A - 免震構造体 - Google Patents

免震構造体

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JP2000002280A
JP2000002280A JP26643598A JP26643598A JP2000002280A JP 2000002280 A JP2000002280 A JP 2000002280A JP 26643598 A JP26643598 A JP 26643598A JP 26643598 A JP26643598 A JP 26643598A JP 2000002280 A JP2000002280 A JP 2000002280A
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meth
alkyl
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seismic isolation
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JP26643598A
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Kenichi Azuma
賢一 東
Taihei Sugita
大平 杉田
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、優れた免震性能を有するととも
に、クリープ特性及び耐候性に優れた免震構造体を提供
する 【解決手段】 剛性を有する硬質板と粘弾性的性質を有
する軟質板とを交互に複数個積層した複合積層体からな
る免震構造体であって、前記軟質板は、炭素数2〜20
のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートの
単独重合体又は共重合体からなることを特徴とする免震
構造体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オフィスビル、住
宅、橋梁等の構造物の免震支持部材として用いられる免
震構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】オフィスビル、住宅、橋梁等の構造物を
地震災害から守るために、地震時の揺れを抑制する免震
装置が種々開発されている。このような免震装置は、構
造物の基礎体と当該構造物との間に介在させることによ
り、地震入力エネルギーの水平成分と鉛直成分とを、弾
性歪みエネルギーとして吸収するものである。このよう
な免震装置としては、従来から、積層ゴムアイソレー
タ、空気バネ、金属コイルバネ等が一般に用いられてい
る。
【0003】積層ゴムアイソレータとしては、複数個の
鋼板等からなる剛性を有する硬質板と、ゴム等からなる
粘弾性的性質を有する軟質板とを、交互に積層した免震
構造体が一般的であり、ビルや橋梁等の免震装置として
広く用いられている。
【0004】このような免震構造体の軟質板を構成する
ゴム等の弾性体としては、天然ゴム系のゴムが用いられ
ているのが一般的であるが、他の材料としては、高価で
はあっても、耐老化性、耐熱性に優れていることから、
シリコーンゴム系のゴムが用いられるようになった。
【0005】このような免震構造体に用いられるゴム
は、以下のようなバネ特性を有するように設計されてい
る。すなわち、ゴム等の水平方向のバネ定数KH は、搭
載荷重をMとして、水平方向の固有振動数fH が下記式
を満たすように設計されている。 fH =(1/2π)√KH /M
【0006】fH は、構造物の水平方向での免震固有周
期の逆数で、目的とする免震性能にもよるが、免震固有
周期が1〜10秒の間で設定される。ゴムの水平方向の
バネ定数KH は、搭載荷重を受ける受圧面積Aとゴムの
剪断弾性係数Gとゴムの積層物トータルの厚さnt
R で、下記式で表される。 KH =A・G/ntR
【0007】すなわち、 fH =(1/2π)√(A・G/ntR )/M となる。
【0008】低中層ビル、工場等の建築構造物であれ
ば、搭載重量は数百tにも及ぶため、ゴムの剪断弾性係
数Gとしては、6〜15kgf/cm2 のものが使用さ
れている。しかしながら、戸建住宅においては、搭載重
量が軽量であるため、数十tにしかならず、免震性能を
確保しようとすると、上記式から明らかなように、ゴム
の剪断弾性係数Gを小さくする必要があり、例えば、
0.05〜6のGを有するゴムが必要であった。
【0009】しかしながら、天然ゴム系のゴムの配合
は、天然ゴムのクリープ性を向上させるために、加硫剤
を配合し、硬さの向上やゴムの加工性や熱膨張を抑制す
るために、充填剤としてカーボンブラック、炭酸カルシ
ウム、クレー、タルク等の無機充填剤を配合することが
多く、また、ゴムの加工性や配合剤の分散性向上や柔ら
かさの調整のために、軟化剤を配合することが多い。更
に、酸化劣化や紫外線劣化防止のために老化防止剤を配
合することが多い。
【0010】また、天然ゴム以外のゴムとして、耐候性
改善のために、ブチルゴム(IIR)、クロロプレンゴ
ム(CR)、エチレン−プロピレン共重合ゴム(EPD
M)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NB
R)を、耐熱性改善のために、ケイ素ゴム(シリコンゴ
ム)等を配合することもあるが、基本的には、軟化剤、
充填剤、加硫剤(架橋剤)等が配合されるのが一般的で
ある。
【0011】このような配合を前提とすると、ゴムの剪
断弾性係数Gを小さくするためには、軟化剤の配合量を
多くする以外になく、この場合、クリープ特性が低下
し、長期の搭載荷重に対して、ゴムのへたりが生じて本
来の免震性能を発揮することができなくなるおそれがあ
った。
【0012】特開平8−93845号公報には、複数個
の鋼板等の剛性を有する硬質板と、粘弾性的性質を有す
る軟質板とを交互に積層した免震構造体において、内側
が硬いゴムで形成され、外側が柔らかいゴムで形成され
た軟質板が開示されている。しかしながら、構造が複雑
で高価になることやゴムの機能を2分化するので各々の
剪断変形上でのバランスをとることが困難になる欠点が
あった。例えば、ゴム材料の剪断弾性係数は、温度の影
響を受けて変化するが、上記発明では、二つのゴム材料
の温度変化に対する剪断変形割合が同一でない場合に
は、温度免震性能が温度によって変化することとなり実
用上の問題があった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記欠点に
鑑み、優れた免震性能を有するとともに、クリープ特性
及び耐候性に優れた免震構造体を提供することを目的と
する。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の免震構造体は、
剛性を有する硬質板と粘弾性的性質を有する軟質板とを
交互に複数個積層した複合積層体からなる免震構造体で
あって、上記軟質板は、炭素数2〜20のアルキル基を
有するアルキル(メタ)アクリレートの単独重合体又は
共重合体からなることを特徴とする。
【0015】上記剛性を有する硬質板としては特に限定
されず、例えば、金属、セラミックス、プラスチック
ス、FRP(繊維強化プラスチック)、ポリウレタン、
木材、紙板、スレート板、コンクリート板、化粧板等が
挙げられる。上記硬質板の剛性は、ヤング率で1×10
7 Pa以上が好ましい。
【0016】上記粘弾性的性質を有する軟質板は、炭素
数2〜20のアルキル基を有するアルキル(メタ)アク
リレートの単独重合体又は共重合体(以下、アルキル
(メタ)アクリレート重合体ともいう)からなる。
【0017】上記アルキル(メタ)アクリレートとして
は、例えば、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メ
タ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリ
レート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−オク
チル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリ
レート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソミリスチ
ル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アク
リレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、セチ
ル(メタ)アクリレート、n−ヘプタデシル(メタ)ア
クリレート、n−ヘキサデシル(メタ)アクリレート、
n−ペンタデシル(メタ)アクリレート、n−オクタデ
シル(メタ)アクリレート、n−ノナデシル(メタ)ア
クリレート、n−エイコシル(メタ)アクリレート等が
挙げられる。
【0018】上記アルキル(メタ)アクリレートの共重
合体は、上記アルキル(メタ)アクリレートと共重合可
能なモノマーと上記アルキル(メタ)アクリレートとの
共重合体であり、共重合可能なモノマーとしては粘着剤
の合成に一般に使用されているモノマーが使用される。
【0019】上記共重合可能なモノマーとしては、例え
ば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、スチレン、イソ
ボロニル(メタ)アクリレート等の他極性基を有するモ
ノマーが挙げられる。
【0020】上記極性基を有するモノマーとしては、例
えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イ
タコン酸等のカルボキシル基含有モノマー、これらの無
水物;(メタ)アクリロニトリル、N−ビニルピロリド
ン、N−ビニルカプロラクタム、アクリロイルモルホリ
ン、(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)
アクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド
等の含窒素モノマー、2−ヒドロキシ(メタ)アクリレ
ート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒ
ドロキシブチルアクリレート、カプロラクトン変成(メ
タ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリ
レート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート等
の水酸基を有するモノマー; アシッドホスホキシエチル
( メタ) アクリレート、3ークロロー2ーアシッドホス
ホキシプロピル(メタ)アクリレート等の分子内にリン
酸基を有する、炭素数2〜20のアルキル基を有するア
ルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0021】上記共重合可能なモノマーは、上記硬質板
との接着力向上や、免震性能に関わる剪断弾性係数Gの
調整に用いられるが、硬質板が金属の場合は分子内にリ
ン酸基を有する、炭素数2〜20のアルキル基を有する
アルキル(メタ)アクリレートが好適に使用できる。
【0022】この場合、分子内にリン酸基を有する、炭
素数2〜20のアルキル基を有するアルキル(メタ)ア
クリレートの共重合比率が少なくなると、極性が低下し
金属に対する接着性が低下し、多くなると凝集力が高く
なり接着性が低下するので、分子内にリン酸基を有さな
い、上記炭素数2〜20のアルキル基を有するアルキル
(メタ)アクリレート95〜99.8重量%と分子内に
リン酸基を有する、炭素数2〜20のアルキル基を有す
るアルキル(メタ)アクリレート0.2〜5重量%が共
重合されるのが好ましく、より好ましくは、それぞれ9
6〜99.5重量%と0.5〜4重量%である。
【0023】上記アルキル(メタ)アクリレート重合体
は、重量平均分子量が、40万〜800万であるものが
好ましい。40万未満であると、分子量が小さくなりす
ぎてクリープ性が低下し、800万を超えると、硬すぎ
るため、免震性能が低下する。
【0024】上記アルキル(メタ)アクリレート重合体
は、クリープ特性を向上させるために、架橋剤又は架橋
性モノマーによって架橋処理が施されているものが好ま
しい。上記架橋剤としては特に限定されず、例えば、イ
ソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アジリジン
系架橋剤、メラミン系架橋剤等が挙げられる。
【0025】上記架橋性モノマーとしては特に限定され
ず、例えば、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペ
ンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメ
チロールプロパントリメタクリレート、(メタ)アクリ
ル酸アリル、(メタ)アクリル酸ビニル、ジビニルベン
ゼン、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレー
ト、ウレタンアクリレート等が挙げられる。
【0026】上記架橋性モノマー又は架橋剤の含有量
は、上記アルキル(メタ)アクリレート重合体100重
量部に対し、0.01〜5.0重量部が好ましい。0.
01重量部末満であると、架橋度合が不足し、必要な凝
集力が得られため、クリープ特性が低下し、5重量部を
超えると、架橋密度が高くなりすぎ、得られた重合体が
もろくなる。より好ましくは、0.02〜3重量部であ
る。
【0027】上記アルキル(メタ)アクリレート重合体
は、ゲル分率が60〜100%であるものが好ましい。
60%未満であると、クリープ性が低下する。上記ゲル
分率とは、上記重合体1gをテトラヒドロフラン(TH
F)100gに浸漬し、23℃で1週間振とう機にかけ
た後、不溶分の量を測定した際の、上記重合体1gに対
する不溶分の割合を百分率で表したものである。
【0028】上記アルキル(メタ)アクリレート重合体
中には、上記重合体の剪断弾性係数Gの調整や、加工性
の調整のために、充填剤が含有されていてもよい。上記
充填剤としては特に限定されず、例えば、微粒子又は中
空微粒子が挙げられる。上記微粒子としては、例えば、
ガラスビーズ、シリカビーズ、アルミナ、合成雲母等の
無機微粒子;ポリアクリル酸エチル、ポリウレタン、ポ
リエチレン、ポリプロピレン等の有機微粒子等が挙げら
れる。上記中空微粒子としては、例えば、ガラスバルー
ン、シラスバルーン、フライアッシュバルーン等の無機
中空微粒子;ポリメタクリル酸メチル、アクリロニトリ
ル−塩化ビニリデン共重合体、ポリスチレン、フェノー
ル樹脂等の有機中空微粒子等が挙げられる。
【0029】上記微粒子又は中空微粒子の含有量は、上
記アルキル(メタ)アクリレート重合体100重量部に
対し、180重量部以下が好ましい。比重が小さい中空
微粒子では、20重量部がより好ましく、比重が1前後
の微粒子又は中空微粒子では、10〜60重量部がより
好ましく、比重が2以上であるような重い無機微粒子で
は、70〜150重量部がより好ましい。
【0030】上記微粒子又は中空微粒子の含有量は、体
積分率において、50体積%以下であるのが好ましい。
50体積%を超えると、剪断弾性係数Gが大きくなり、
免震性能が低下する。
【0031】上記軟質板は、0.1〜1Hzにおける剪
断弾性係数Gが、0.05〜6kgf/cm2 であるも
のが好ましい。0.05kgf/cm2 未満では、剪断
弾性係数Gが小さすぎるため、クリープ性が低下し、6
kgf/cm2 を超えると、硬すぎるため、免震性能が
発揮されない。より好ましくは、0.06〜3kgf/
cm2 である。
【0032】上記アルキル(メタ)アクリレート重合体
の製造方法としては特に限定されず、例えば、溶液重合
法、乳化重合法、塊状重合法等が挙げられるが、軟質板
の厚みは、0.5〜5mmといった高厚みが必要な場合
があり、このような高厚みを得るためには、塊状重合法
の1つである光重合法が好ましい。他の重合法では、有
機溶剤や水にアルキル(メタ)アクリレートのモノマー
を数十%の割合で希釈して重合するため、板状に成形す
るためには、後に有機溶剤や水を揮発させる必要があ
り、そのため、高厚みで板状にして揮発させると、製造
された板状品に、揮発時の発泡によって形成された気泡
が残るといった問題がある。一方、気泡をなくすために
は、長時間かけて低温でゆっくり揮発させなければなら
ず、経済的に不利である。
【0033】上記光重合法においては、上記炭素数2〜
20のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレー
トを含むモノマー組成物100重量部に対して、光重合
開始剤を0.01〜5重量部含む組成物を光重合させ、
上記アルキル(メタ)アクリレート重合体を製造するの
が好ましい。
【0034】上記光重合開始剤としては特に限定され
ず、例えば、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル
(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン(ダロキュア
−2959:メルク社製);α−ヒドロキシ−α,α′
−ジメチル−アセトフェノン(ダロキュア1173:メ
ルク社製);メトキシアセトフェノン、2,2−ジメト
キシ−2−フェニルアセトフェノン(イルガキュア65
1:チバガイギー社製)、2−ヒドロキシ−2−シクロ
ヘキシルアセトフェノン(イルガキュア184:チバガ
イギー社製)等のアセトフェノン系;ベンジルジメチル
ケタール等のケタール系;ハロゲン化ケトン、アシルホ
スフィノキシド、アシルホスフォナート等が挙げられ
る。
【0035】上記光重合開始剤の含有量が0.01重量
部未満であると、重合転化率が低下し、モノマー臭のき
つい成形物しか得られず、5重量部を超えると、ラジカ
ル発生量が多くなり、分子量が低下してしまい、必要な
剪断弾性係数Gが得られなくなるおそれがある。より好
ましくは、0.05〜3重量部である。上記光開始剤の
量により、重量平均分子量を上記した値に調整すること
ができる。
【0036】上記光重合において、光照射に用いられる
ランプ類としては特に限定されないが、光波長450n
m以下に発光分布を有するものが好ましく、例えば、低
圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケ
ミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェー
ブ励起水銀灯、メタルハライドランプ等が挙げられる。
【0037】なかでも、ケミカルランプが、重合開始剤
の活性波長領域の光を効率よく発光すると共に、重合開
始剤以外の組成物の光吸収が少ないため、内部まで、光
が透過し、高厚膜の重合体を製造することができるので
好ましい。
【0038】上記ランプによる光重合性組成物への光照
射強度は、得られるポリマーの重合度を左右する因子で
あり、目的とする重合体の性能毎に適宜制御されるもの
であるが、通常のアセトフェノン基を有する開裂型の重
合開始剤を配合した場合、0.1〜100mW/cm2
が好ましい。上記重合開始剤の光分解に有効な波長領域
は、重合開始剤の種類により異なるが、通常、365〜
420nmである。
【0039】上記光重合反応は、空気中の酸素及び光重
合性組成物に溶解する酸素によって反応が阻害されるの
で、光照射は、酸素の阻害を消去しうるような方法をと
る必要がある。上記方法としては、例えば、光重合性組
成物を表面離型処理したPETやテフロン等のフィルム
によって覆い、このフィルムを介して光重合性組成物へ
光を照射する方法、窒素ガス、炭酸ガス等の不活性ガス
により酸素を置換した光透過性の窓を有するイナートゾ
ーン中で光重合性組成物へ光を照射する方法等が挙げら
れる。後者の方法において、光重合性組成物の重合転化
率が99.7%以上になる程度まで充分に重合反応を完
結させるためには、雰囲気中の酸素濃度は5000pp
m以下である必要がある。好ましくは、300ppm以
下である。
【0040】本発明の免震構造体は、上記硬質板及び上
記軟質板との複合積層体からなるため、鉛直方向にかか
る荷重に耐え、大きな変形を起こさない。上記硬質板及
び上記軟質板の1枚の厚みは、かかる荷重によって異な
るが、0.05〜100mmが好ましい。0.05mm
未満であると、積層枚数が飛躍的に増加し、製造コスト
がかかり、100mmを超えると、鉛直方向の荷重に対
して大きな変形が生じ易くなる。より好ましくは、0.
5〜50mmである。各層の厚みは、それぞれ異なって
いてもよい。
【0041】上記複合積層体の積層枚数は、上記硬質板
及び上記軟質板の合計で、3〜5万枚が好ましく、その
用途やかかる荷重により適宜設定される。本発明の免震
構造体には、その上下に貫通する孔が1カ所以上形成さ
れていてもよく、その孔の中に、例えば、鉛、錫、その
他各種の材料等が封入されていても良い。
【0042】
【実施例】以下に本発明の実施例を掲げて更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。
【0043】実施例1 ブチルアクリレート95重量部、アクリル酸5重量部、
2,2−ジメチル−2−フェニルアセトフェノン(イル
ガキュア651:チバガイギー社製)0.1重量部、及
び、比重0.25のフライアッシュバルーン微粒子(X
OL−200:PQコーポレーション社製)5重量部
を、均一に分散するまでセパラブルフラスコ中で撹拌、
混合した後、窒素ガスでパージすることにより溶存酸素
を除去した。
【0044】次に、ブラックライトランプでこの原料組
成物に光を照射したところ、原料組成物の温度が上昇す
ると同時に粘度が高くなった。そこで、原料組成物の温
度が5℃上昇したところで、光照射をやめた。その結
果、得られた部分光重合増粘組成物の転化率は3.7
%、粘度は2200cpsであった。
【0045】次に、上記部分光重合増粘組成物に、ヘキ
サンジオールジアクリレート0.1重量部を配合し、こ
の重合用組成物を、離型処理が施された38μmの厚み
のPETフィルム上に、重合終了時の厚みが1.0±
0.1mmとなるように塗工し、更に同じPETフィル
ムを、その離型処理面が塗工面と接するようにカバーし
た。
【0046】次に、ケミカルランプを用い、上記カバー
PETフィルム上の照射強度が2mw/cm2 となるよ
うにランプ高さを調整し、光を8分間照射して、軟質板
が2枚のPETフィルムで保護された積層体を得た。得
られた軟質板の残存モノマーは0.1重量%未満であ
り、ゲルパーメーションクロマトグラフィー(GPC)
を用いてスチレン換算法で測定した重量平均分子量は2
00万、ゲル分率は95%、剪断弾性係数Gは0.4H
zで2.0kgf/cm2 であった。
【0047】実施例2 ブチルアクリレートに代わり、イソオクチルアクリレー
ト100重量部を用い、アクリル酸及びフライアッシュ
バルーン微粒子を添加しなかったこと以外は、実施例1
と同様にして積層体を得た。軟質板の重量平均分子量は
200万、ゲル分率は95%、剪断弾性係数Gは0.4
Hzで0.8kgf/cm2 であった。
【0048】実施例3 イソオクチルアクリレート100重量部に代わり、ブチ
ルアクリレート99重量部とアシッドホスホキシエチル
アクリレート1重量部を用いた以外は、実施例2と同様
にして積層体を得た。軟質板の重量平均分子量は200
万、ゲル分率は89%、剪断弾性係数Gは0.4Hzで
0.8kgf/cm2 であった。
【0049】実施例4 イソオクチルアクリレート100重量部に代わり、ブチ
ルアクリレート96重量部とアシッドホスホキシエチル
アクリレート4重量部を用いた以外は、実施例2と同様
にして積層体を得た。軟質板の重量平均分子量は200
万、ゲル分率は91%、剪断弾性係数Gは0.4Hzで
2.2kgf/cm2 であった。
【0050】実施例5 イソオクチルアクリレート100重量部に代わり、ブチ
ルアクリレート92重量部とアシッドホスホキシエチル
アクリレート8重量部を用いた以外は、実施例2と同様
にして積層体を得た。軟質板の重量平均分子量は200
万、ゲル分率は96%、剪断弾性係数Gは0.4Hzで
5.5kgf/cm2 であった。
【0051】比較例1 天然ゴム100重量部、カーボンブラック50重量部及
びポリブテン(100R:出光石油化学社製)95重量
部をブレンドし、1mm厚みに成形して軟質板を得た。
軟質板の剪断弾性係数Gは1.5kgf/cm2 であっ
た。
【0052】比較例2 天然ゴム100重量部、カーボンブラック50重量部、
ポリブテン(100R:出光石油化学社製)95重量
部、硫黄1.5重量部をブレンドし、1mm厚みに成形
して加硫された軟質板を得た。軟質板の剪断弾性係数G
は3.0kgf/cm2 であった。
【0053】物性評価 (1)沈み込み量の時間変化の測定 硬質板として、亜鉛メッキ鋼板を用い、300mm×3
00mm×5mmの形状の硬質板Aと、200mm×2
00mm×1mmの形状の硬質板Bとを作製した。又、
実施例1、2、4及び比較例2で得られた軟質板を20
0mm×200mmの形状に断裁した。
【0054】そして、2枚の硬質板Aの間に軟質板30
枚と硬質板Bを29枚交互に積層し、免震構造体を得
た。得られ免震構造体につき、23℃において、免震構
造体にかかる鉛直方向の面圧が10kg/cm2 のとき
の沈み込み量の時間変化を測定した。結果を表1に示し
た。
【0055】
【表1】
【0056】(2)水平方向への剪断変形試験 2枚の亜鉛メッキ鋼板(25mm×300mm×5m
m)の間に、実施例2〜5及び比較例1、2で得られた
軟質板を25mm×25mmに切断して挟み、一方の亜
鉛メッキ鋼板を固定盤に固定した後、他方の亜鉛メッキ
鋼板を水平方向に1000mm/分の速度で引っ張り、
破断した際の歪み伸び、歪み率及び接着強度を測定し、
結果を表2に示した。
【0057】
【表2】
【0058】
【発明の効果】本発明の免震構造体の構成は上述の通り
なので、優れた免震性能を有するとともに、クリープ特
性及び耐候性に優れている。特に、炭素数2〜20のア
ルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート共重合
体が、炭素数2〜20のアルキル基を有するアルキル
(メタ)アクリレート95〜99.8重量%と分子内に
リン酸基を有する、炭素数2〜20のアルキル基を有す
るアルキル(メタ)アクリレート0.2〜5重量%との
共重合体であると金属板との接着性が優れ、変形能力が
高く免震性能が優れている。従って、特に、戸建住宅等
の軽量構造物の免震構造体として、好適に使用すること
ができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 剛性を有する硬質板と粘弾性的性質を有
    する軟質板とを交互に複数個積層した複合積層体からな
    る免震構造体であって、前記軟質板は、炭素数2〜20
    のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートの
    単独重合体又は共重合体からなることを特徴とする免震
    構造体。
  2. 【請求項2】 アルキル(メタ)アクリレートの共重合
    体が、分子内にリン酸基を有さない、炭素数2〜20の
    アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート95
    〜99.8重量%と分子内にリン酸基を有する、炭素数
    2〜20のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリ
    レート0.2〜5重量%からなる請求項1記載の免震構
    造体。
  3. 【請求項3】 アルキル(メタ)アクリレートの単独重
    合体又は共重合体の重量平均分子量が、40万〜800
    万である請求項1又は2記載の免震構造体。
  4. 【請求項4】 アルキル(メタ)アクリレートの単独重
    合体又は共重合体は、架橋剤又は架橋性モノマーによっ
    て架橋されており、ゲル分率が60〜100%である請
    求項1〜3のいずれか1項に記載の免震構造体。
  5. 【請求項5】 軟質板の0.1〜1Hzにおける剪断弾
    性係数が、0.05〜6kgf/cm2 である請求項1
    〜4のいずれか1項に記載の免震構造体。
  6. 【請求項6】 アルキル(メタ)アクリレートの単独重
    合体又は共重合体は、炭素数2〜20のアルキル基を有
    するアルキル(メタ)アクリレートを含むモノマー組成
    物100重量部と光重合開始剤0.01〜5重量部より
    なる組成物を光重合することにより得られたものである
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の免震構造体。
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