JP2000291709A - 免震装置 - Google Patents

免震装置

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JP2000291709A
JP2000291709A JP9780399A JP9780399A JP2000291709A JP 2000291709 A JP2000291709 A JP 2000291709A JP 9780399 A JP9780399 A JP 9780399A JP 9780399 A JP9780399 A JP 9780399A JP 2000291709 A JP2000291709 A JP 2000291709A
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JP
Japan
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acrylate
meth
seismic isolation
rubber
plate
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JP9780399A
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English (en)
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Nobuhiro Mori
伸浩 森
Taihei Sugita
大平 杉田
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 減衰定数を適切な値として応答振動を小さく
かつ減衰時間を短くすることができる免震装置を提供す
る。 【解決手段】 剛性を有する硬質板2と粘弾性的性質を
有する軟質板3とを交互に複数個積層した複合積層体を
有する免震装置において、測定周波数が0.1〜0.5
Hz、測定温度が−20〜40°C、剪断歪み率が10
0%以上の場合に、前記軟質板の減衰定数が10%以上
である。軟質板は、炭素数2〜20のアルキル基を有す
るアルキル(メタ)アクリレートの単独重合体又は共重
合体からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オフィスビル、住
宅、橋梁等の構造物の免震支持部材として用いられる免
震装置に関する。
【0002】
【従来の技術】オフィスビル、住宅、橋梁等の構造物を
地震災害から守るために、地震時の揺れを抑制する免震
装置が種々開発されている。このような免震装置は、構
造物の基礎体と当該構造物との間に介在させることによ
り、地震入力エネルギーの水平成分と鉛直成分とを、弾
性歪みエネルギーとして吸収するものである。このよう
な免震装置としては、従来から、積層ゴムアイソレー
タ、空気バネ、金属コイルバネ等が一般に用いられてい
る。積層ゴムアイソレータとしては、複数個の鋼板等か
らなる剛性を有する硬質板と、ゴム等からなる粘弾性的
性質を有する軟質板とを、交互に積層した免震構造体が
一般的であり、ビルや橋梁等の免震装置として広く用い
られている。
【0003】このような免震構造体の軟質板を構成する
ゴム等の弾性体としては、天然ゴム系のゴムが用いられ
ているのが一般的であるが、他の材料としては、高価で
はあっても、耐老化性、耐熱性に優れていることから、
シリコーンゴム系のゴムが用いられるようになった。こ
のような免震構造体に用いられるゴムは、以下のような
バネ特性を有するように設計されている。すなわち、ゴ
ム等の水平方向のバネ定数KHは、搭載荷重をMとし
て、水平方向の固有振動数fHが下記式を満たすように
設計されている。
【0004】fH=(1/2π)√KH/M fHは、構造物の水平方向での免震固有周期の逆数で、
目的とする免震性能にもよるが、免震固有周期が1〜1
0秒の間で設定される。ゴムの水平方向のバネ定数KH
は、搭載荷重を受ける受圧面積Aとゴムの剪断弾性係数
Gとゴムの積層物トータルの厚さntRで、下記式で表
される。 KH=A・G/ntR すなわち、 fH=(1/2π)√(A・G/ntR)/M となる。
【0005】低中層ビル、工場等の建築構造物であれ
ば、搭載重量は数百tにも及ぶため、ゴムの剪断弾性係
数(G)としては、6〜15kgf/cm2のものが使
用されている。しかしながら、戸建住宅においては、搭
載重量が軽量であるため、数十tにしかならず、免震性
能を確保しようとすると、上記式から明らかなように、
ゴムの剪断弾性係数Gを小さくする必要があり、例え
ば、0.05〜6のGを有するゴムが必要であった。
【0006】しかしながら、天然ゴム系のゴムの配合
は、天然ゴムのクリープ性を向上させるために、加硫剤
を配合し、硬さの向上やゴムの加工性や熱膨張を抑制す
るために、充填剤としてカーボンブラック、炭酸カルシ
ウム、クレー、タルク等の無機充填剤を配合することが
多く、また、ゴムの加工性や配合剤の分散性向上や柔ら
かさの調整のために、軟化剤を配合することが多い。更
に、酸化劣化や紫外線劣化防止のために老化防止剤を配
合することが多い。
【0007】また、天然ゴム以外のゴムとして、耐候性
改善のために、ブチルゴム(IIR)、クロロプレンゴ
ム(CR)、エチレン−プロピレン共重合ゴム(EPD
M)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NB
R)を、耐熱性改善のために、ケイ素ゴム(シリコンゴ
ム)等を配合することもあるが、基本的には、軟化剤、
充填剤、加硫剤(架橋剤)等が配合されるのが一般的で
ある。このような配合を前提とすると、ゴムの剪断弾性
係数Gを小さくするためには、軟化剤の配合量を多くす
る以外になく、この場合、クリープ特性が低下し、長期
の搭載荷重に対して、ゴムのへたりが生じて本来の免震
性能を発揮することができなくなるおそれがあった。
【0008】そこで、特開平8−93845号公報に
は、複数個の鋼板等の剛性を有する硬質板と、粘弾性的
性質を有する軟質板とを交互に積層した免震構造体にお
いて、内側が硬いゴムで形成され、外側が柔らかいゴム
で形成された軟質板が開示されている。また、特開平8
−261281号公報には、上記のような硬質板と軟質
板とを交互に積層した免震構造体において、交通振動を
上部構造体に伝えないようにするために、水平方向の剛
性の範囲を規定する方法が示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
8−261281号公報のように水平方向の剛性の範囲
を規定しても、上部構造体の振動応答は水平方向の剛性
によってのみ決まるものでなく、他の減衰の影響も無視
することができない。減衰定数の値が小さい場合には応
答振動が大きくなり、また、地面の振動が収まった後も
長時間に渡って残るので、免震構造体にも大きな負荷が
かかり、また、上部構造体の中の人にとっても不快であ
るという問題点がある。
【0010】また、上記のような硬質板と軟質板とを交
互に積層した免震構造体は、構造が複雑で高価になり、
また、ゴムの機能を2分化するので各々の剪断変形上で
のバランスをとることが困難になるという問題点があ
る。例えば、ゴム材料の剪断弾性係数は、温度の影響を
受けて変化するが、上記発明では、二つのゴム材料の温
度変化に対する剪断変形割合が同一でない場合には、温
度免震性能が温度によって変化することとなり実用上の
問題があった。
【0011】本発明は上記従来例の問題点に鑑み、減衰
定数を適切な値とすることにより応答振動が小さくかつ
減衰時間が短い免震装置を提供することを目的とする。
本発明はまた、優れた免震性能を有するとともに、クリ
ープ特性及び耐候性に優れた免震装置を提供することを
目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、剛性を有する
硬質板と粘弾性的性質を有する軟質板とを交互に複数個
積層した複合積層体を有する免震装置であって、測定周
波数が0.1〜0.5Hz、剪断歪率が100%以上の
場合に、前記軟質板の減衰定数が10%以上であること
を特徴とする。地震が発生し、その後地面の揺れが収ま
った後に積層ゴムの固有振動数の振動が残るが、減衰定
数が10%未満であると、その振動が地震発生時の応答
加速度を上回ることがある。しかし、減衰定数が10%
以上であれば、そのようなことが起こることがほとんど
ない。
【0013】ここで、剪断歪率とは、前記複合積層体の
総厚に対する剪断歪量の割合を言う。剪断歪率は複合積
層体の構成や特性から決定されるので、上限に特に限定
はないが、一般的には剪断歪率の上限は300〜400
%程度である。また、測定周波数とは、免震装置の水平
方向振動の周波数である。減衰定数hとは、図1におい
て前記複合積層体の弾性ヒステリシスカーブの面積をΔ
S、カーブの最大変位をdmax、最大抵抗力をfmaxとし
たとき、次式で表される。
【0014】h=(1/4π)・(ΔS/S) 但し、S=(1/2)・fmax・dmax 本発明はまた、上記の軟質板は、炭素数2〜20のアル
キル基を有するアルキル(メタ)アクリレートの単独重
合体又は共重合体(以下、アルキル(メタ)アクリレー
ト重合体ともいう)からなることを特徴とする免震構造
体である。
【0015】上記剛性を有する硬質板としては特に限定
されず、例えば、金属、セラミックス、プラスチック
ス、FRP(繊維強化プラスチック)、ポリウレタン、
木材、紙板、スレート板、コンクリート板、化粧板等が
挙げられる。上記硬質板の剛性としては、ヤング率で1
×107Pa以上が好ましい。上記粘弾性的性質を有す
る軟質板は、炭素数2〜20のアルキル基を有するアル
キル(メタ)アクリレートの単独重合体又は共重合体か
らなる。
【0016】上記アルキル(メタ)アクリレートとして
は、例えば、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メ
タ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリ
レート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−オク
チル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリ
レート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソミリスチ
ル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アク
リレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、セチ
ル(メタ)アクリレート、n−ヘプタデシル(メタ)ア
クリレート、n−ヘキサデシル(メタ)アクリレート、
n−ペンタデシル(メタ)アクリレート、n−オクタデ
シル(メタ)アクリレート、n−ノナデシル(メタ)ア
クリレート、n−エイコシル(メタ)アクリレート等が
挙げられる。
【0017】上記アルキル(メタ)アクリレートと共重
合可能な極性基を有するモノマーとしては、例えば、
(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸等のカルボキシル基含有モノマー、これらの無水物;
(メタ)アクリロニトリル、N−ビニルピロリドン、N
−ビニルカプロラクタム、アクリロイルモルホリン、
(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アク
リレート、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド等の
含窒素モノマー、2−ヒドロキシ(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒド
ロキシブチルアクリレート、カプロラクトン変成(メ
タ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリ
レート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート等
の水酸基を有するモノマー等が挙げられる。
【0018】上記共重合可能なモノマーは、上記硬質板
との接着力向上や、免震性能に関わる剪断弾性係数Gの
調整に用いられる。接着力向上とは、上記アルキル(メ
タ)アクリレート重合体に極性を付与することにより、
金属等の高極性の硬質板への接着力を向上させることを
いう。その他の共重合可能なモノマーとしては、例え
ば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、スチレン、イソ
ボロニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。上記モ
ノマーは、主に剪断弾性係数Gの調整に用いられる。
【0019】上記軟質板は、0.1〜1Hzにおける剪
断弾性係数Gが、0.05〜6kgf/cm2であるも
のが好ましい。0.05kgf/cm2未満では、剪断
弾性係数Gが小さすぎるため、クリープ性が低下し、6
kgf/cm2を超えると、硬すぎるため、免震性能が
発揮されない。より好ましくは、0.06〜3kgf/
cm2である。
【0020】上記アルキル(メタ)アクリレート重合体
は、重量平均分子量が、40万〜800万であるものが
好ましい。40万未満であると、分子量が小さくなりす
ぎてクリープ性が低下し、800万を超えると、硬すぎ
るため、免震性能が発揮されない。上記アルキル(メ
タ)アクリレート重合体は、クリープ特性を向上させる
ために、架橋剤又は架橋性モノマーによって架橋処理が
施されているものが好ましい。上記架橋剤としては特に
限定されず、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキ
シ系架橋剤、アジリジン系架橋剤、メラミン系架橋剤等
が挙げられる。
【0021】上記架橋性モノマーとしては特に限定され
ず、例えば、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペ
ンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメ
チロールプロパントリメタクリレート、(メタ)アクリ
ル酸アリル、(メタ)アクリル酸ビニル、ジビニルベン
ゼン、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレー
ト、ウレタンアクリレート等が挙げられる。
【0022】上記架橋性モノマー又は架橋剤の含有量
は、上記アルキル(メタ)アクリレート重合体100重
量部に対し、0.01〜5.0重量部が好ましい。0.
01重量部末満であると、架橋度合が不足し、必要な凝
集力が得られため、クリープ特性が低下し、5重量部を
超えると、架橋密度が高くなりすぎ、得られた重合体が
もろくなる。より好ましくは、0.02〜3重量部であ
る。
【0023】上記アルキル(メタ)アクリレート重合体
は、ゲル分率が60〜100%であるものが好ましい。
60%未満であると、クリープ性が低下する。上記ゲル
分率とは、上記重合体1gをテトラヒドロフラン(TH
F)100gに浸漬し、23℃で1週間振とう機にかけ
た後、不溶分の量を測定した際の、上記重合体1gに対
する不溶分の割合を百分率で表したものである。
【0024】上記アルキル(メタ)アクリレート重合体
中には、上記重合体の剪断弾性係数Gの調整や、加工性
の調整のために、充填剤が含有されていてもよい。上記
充填剤としては特に限定されず、例えば、微粒子又は中
空微粒子が挙げられる。上記微粒子としては、例えば、
ガラスビーズ、シリカビーズ、アルミナ、合成雲母等の
無機微粒子;ポリアクリル酸エチル、ポリウレタン、ポ
リエチレン、ポリプロピレン等の有機微粒子等が挙げら
れる。上記中空微粒子としては、例えば、ガラスバルー
ン、シラスバルーン、フライアッシュバルーン等の無機
中空微粒子;ポリメタクリル酸メチル、アクリロニトリ
ル−塩化ビニリデン共重合体、ポリスチレン、フェノー
ル樹脂等の有機中空微粒子等が挙げられる。
【0025】上記微粒子又は中空微粒子の含有量は、上
記アルキル(メタ)アクリレート重合体100重量部に
対し、180重量部以下が好ましい。比重が小さい中空
微粒子では、20重量部がより好ましく、比重が1前後
の微粒子又は中空微粒子では、10〜60重量部がより
好ましく、比重が2以上であるような重い無機微粒子で
は、70〜150重量部がより好ましい。上記微粒子又
は中空微粒子の含有量は、体積分率において、50体積
%以下であるのが好ましい。50体積%を超えると、剪
断弾性係数Gが大きくなり、免震性能が低下する。
【0026】上記アルキル(メタ)アクリレート重合体
の製造方法としては特に限定されず、例えば、溶液重合
法、乳化重合法、塊状重合法等が挙げられるが、軟質板
の厚みは、0.5〜5mmといった高厚みが必要な場合
があり、このような高厚みを得るためには、塊状重合法
の1つである光重合法が好ましい。他の重合法では、有
機溶剤や水にアルキル(メタ)アクリレートのモノマー
を数十%の割合で希釈して重合するため、板状に成形す
るためには、後に有機溶剤や水を揮発させる必要があ
り、そのため、高厚みで板状にして揮発させると、製造
された板状品に、揮発時の発泡によって形成された気泡
が残るといった問題がある。一方、気泡をなくすために
は、長時間かけて低温でゆっくり揮発させなければなら
ず、経済的に不利である。
【0027】上記光重合法においては、上記炭素数2〜
20のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレー
トを含むモノマー組成物100重量部に対して、光重合
開始剤を0.01〜5重量部含む組成物を光重合させ、
上記単独重合体又は共重合体を製造する。上記光重合開
始剤としては特に限定されず、例えば、4−(2−ヒド
ロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロ
ピル)ケトン(ダロキュア−2959:メルク社製);
α−ヒドロキシ−α,α′−ジメチル−アセトフェノン
(ダロキュア1173:メルク社製);メトキシアセト
フェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフ
ェノン(イルガキュア651:チバガイギー社製)、2
−ヒドロキシ−2−シクロヘキシルアセトフェノン(イ
ルガキュア184:チバガイギー社製)等のアセトフェ
ノン系;ベンジルジメチルケタール等のケタール系;ハ
ロゲン化ケトン、アシルホスフィノキシド、アシルホス
フォナート等が挙げられる。
【0028】上記光重合開始剤の含有量が0.01重量
部未満であると、重合転化率が低下し、モノマー臭のき
つい成形物しか得られず、5重量部を超えると、ラジカ
ル発生量が多くなり、分子量が低下してしまい、必要な
剪断弾性係数Gが得られなくなるおそれがある。より好
ましくは、0.05〜3重量部である。上記光開始剤の
量により、重量平均分子量を上記した値に調整すること
ができる。
【0029】上記光重合において、光照射に用いられる
ランプ類としては特に限定されないが、光波長450n
m以下に発光分布を有するものが好ましく、例えば、低
圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケ
ミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェー
ブ励起水銀灯、メタルハライドランプ等が挙げられる。
なかでも、ケミカルランプが、重合開始剤の活性波長領
域の光を効率よく発光すると共に、重合開始剤以外の組
成物の光吸収が少ないため、内部まで、光が透過し、高
厚膜の重合体を製造することができるので好ましい。
【0030】上記ランプによる光重合性組成物への光照
射強度は、得られるポリマーの重合度を左右する因子で
あり、目的とする重合体の性能毎に適宜制御されるもの
であるが、通常のアセトフェノン基を有する開裂型の重
合開始剤を配合した場合、0.1〜100mW/cm2
が好ましい。上記重合開始剤の光分解に有効な波長領域
は、重合開始剤の種類により異なるが、通常、365〜
420nmである。
【0031】上記光重合反応は、空気中の酸素及び光重
合性組成物に溶解する酸素によって反応が阻害されるの
で、光照射は、酸素の阻害を消去しうるような方法をと
る必要がある。上記方法としては、例えば、光重合性組
成物を表面離型処理したPETやテフロン等のフィルム
によって覆い、このフィルムを介して光重合性組成物へ
光を照射する方法、窒素ガス、炭酸ガス等の不活性ガス
により酸素を置換した光透過性の窓を有するイナートゾ
ーン中で光重合性組成物へ光を照射する方法等が挙げら
れる。後者の方法において、光重合性組成物の重合転化
率が99.7%以上になる程度まで充分に重合反応を完
結させるためには、雰囲気中の酸素濃度は5000pp
m以下である必要がある。好ましくは、300ppm以
下である。
【0032】本発明の免震構造体は、上記硬質板及び上
記軟質板との複合積層体からなるため、鉛直方向にかか
る荷重に耐え、大きな変形を起こさない。上記硬質板及
び上記軟質板の1枚の厚みは、かかる荷重によって異な
るが、0.05〜100mmが好ましい。0.05mm
未満であると、積層枚数が飛躍的に増加し、製造コスト
がかかり、100mmを超えると、鉛直方向の荷重に対
して大きな変形が生じ易くなる。より好ましくは、0.
5〜50mmである。各層の厚みは、それぞれ異なって
いてもよい。
【0033】上記複合積層体の積層枚数は、上記硬質板
及び上記軟質板の合計で、3〜5万枚が好ましく、その
用途やかかる荷重により適宜設定される。本発明の免震
構造体には、その上下に貫通する孔が1カ所以上形成さ
れていてもよく、その孔の中に、例えば、鉛、錫、その
他各種の材料等が封入されていても良い。
【0034】
【実施例】以下に本発明の実施例を掲げて更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。図2に示すように、基礎との接合板1と戸建住宅
等の上部構造体との接合板4との間に硬質板2と軟質板
3を交互に積層した複合積層体を有する免震装置におい
て、以下のものを用い、また、軟質板3として減衰定数
が5%、10%、20%、30%、40%。50%のも
のを用いた。
【0035】 1.軟質板3=アクリル樹脂(UV重合アクリル樹脂) 厚み:1.2〜2.0mm 剪断弾性係数G:1.0〜8.0×10-4kgf/cm2 減衰率:10〜30% ゲル分率:90%以上 Mw分子量:50万以上
【0036】 2.硬質板2=溶融亜鉛メッキ鋼板 厚み:1.0mm 3.接合板1、4=溶融亜鉛メッキ鋼板 厚み:9.0mm 4.軟質板3及び硬質板2の径=10〜20cm 軟質板3及び硬質板2の高さ=10〜30cm
【0037】そして、図3に示すように基礎13と上部
構造体11の間に上記免震装置12を配置し、水平方向
振動を基礎13に印加して上部構造体11の応答加速度
から、振動終了後、応答振動が最大値に比べて1/10
になるような極大値になるまでの減衰時間を求めたとこ
ろ、軟質板3の減衰定数に応じて表4に示すような結果
が得られた。測定は、測定周波数を0.1Hz〜0.5
Hz、測定温度(免震装置自体の温度)を−20℃〜4
0℃まで5℃ずつ変えて行った。表4の評価データは、
これら各データの平均である。
【0038】
【表1】
【0039】軟質板3の一例を以下に示す。 <実施例1>ブチルアクリレート95重量部、アクリル
酸5重量部、2,2−ジメチル−2−フェニルアセトフ
ェノン(イルガキュア651:チバガイギー社製)0.
1重量部、及び、比重0.25のフライアッシュバルー
ン微粒子(XOL−200:PQコーポレーション社
製)5重量部を、均一に分散するまでセパラブルフラス
コ中で撹拌、混合した後、窒素ガスでパージすることに
より溶存酸素を除去した。
【0040】次に、ブラックライトランプでこの原料組
成物に光を照射したところ、原料組成物の温度が上昇す
ると同時に粘度が高くなった。そこで、原料組成物の温
度が5℃上昇したところで、光照射をやめた。その結
果、得られた部分光重合増粘組成物の転化率は3.7
%、粘度は2200cpsであった。次に、上記部分光
重合増粘組成物に、ヘキサンジオールジアクリレート
0.1重量部を配合し、この重合用組成物を、離型処理
が施された38μmの厚みのPETフィルム上に、重合
終了時の厚みが1.0±0.1mmとなるように塗工
し、更に同じPETフィルムを、その離型処理面が塗工
面と接するようにカバーした。
【0041】次に、ケミカルランプを用い、上記カバー
PETフィルム上の照射強度が2mw/cm2となるよ
うにランプ高さを調整し、光を8分間照射した。照射終
了後の試料の残存モノマーは0.1重量%未満であり、
ゲルパーメーションクロマトグラフィー(GPC)を用
いてスチレン換算法で測定した重量平均分子量は200
万、ゲル分率は95%、剪断弾性係数Gは0.4Hzで
2.0kgf/cm2であった。上記免震構造体におい
て、硬質板と軟質板との接着は、軟質板の粘着性のた
め、接着剤を用いなくても強固に接着されていた。
【0042】<実施例2>ブチルアクリレートに代わ
り、イソオクチルアクリレート100重量部を用い、ア
クリル酸及びフライアッシュバルーン微粒子を添加しな
かったこと以外は、実施例1と同様にして免震構造体を
得た。軟質層の重量平均分子量は200万、ゲル分率は
95%、剪断弾性係数Gは0.4Hzで0.8kgf/
cm2であった。
【0043】
【発明の効果】本発明は上述の構成からなるので、減衰
定数を適切な値として応答振動を小さくかつ減衰時間を
短くすることができる。また、クリープ特性及び耐候性
に優れた免震構造体を提供することができ、特に戸建住
宅等の軽量構造物の免震構造体として、好適に使用する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】弾性ヒステリシスカーブと減衰特性を示すグラ
フである。
【図2】免震装置を模式的に示した斜視図である。
【図3】免震装置を用いた建物を示す側面図である。
【符号の説明】
2 硬質板 3 軟質板

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 剛性を有する硬質板と粘弾性的性質を有
    する軟質板とを交互に複数個積層した複合積層体を有す
    る免震装置であって、 測定周波数が0.1〜0.5Hz、剪断歪み率が100
    %以上の場合に、前記軟質板の減衰定数が10%以上で
    あることを特徴とする免震装置。
  2. 【請求項2】 前記軟質板は、炭素数2〜20のアルキ
    ル基を有するアルキル(メタ)アクリレートの単独重合
    体又は共重合体からなることを特徴とする請求項1記載
    の免震装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007205460A (ja) * 2006-02-01 2007-08-16 Sumitomo Rubber Ind Ltd 制振キャビネット
JP2009216199A (ja) * 2008-03-11 2009-09-24 Bridgestone Corp 積層支持体

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