JP2875601B2 - 多孔質体形成用樹脂組成物およびその用途 - Google Patents

多孔質体形成用樹脂組成物およびその用途

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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は衝撃や音、熱などに対する緩衝性、吸音性、
断熱性および耐久性、柔軟性などに優れた多孔質体を得
ることができる多孔質体形成用樹脂組成物およびその用
途、即ち該組成物を用いてなる多孔質シートならびに多
孔質シートに粘着剤層を形成してなる粘着テープに関す
るものである。
<従来の技術> 従来、緩衝性や吸音性、断熱性などを必要とする用途
には、発泡体シートが一般に用いられている。また、こ
のシートに粘着剤層を設けて粘着テープとすることによ
って、貼着性を付与した粘着テープとしたり、発泡体シ
ート自体が有する柔軟性を利用して両面に粘着剤層を形
成した、ハンガー・フックなどの保持・固定用両面テー
プが実用化されている。
このような発泡体シートは通常、ゴム系、ウレタン
系、ポリオレフィン系などの高分子物質からなるが、耐
久性や耐候性などの向上を目的とするアクリル系発泡体
シートも提案されている。アクリル系発泡体シートとし
ては、例えば特開昭58−5171号公報や特開平1−201320
号公報などが提案されている。前者ではアクリル系単量
体の混合液を紫外線にて一部重合してシロップ状とし、
これを泡立てて気泡を混入させシート状としたのち、さ
らに紫外線重合を行って得られるアクリル系発泡体シー
トが開示されている。しかし、シート状に形成したのち
に塊状重合によって高分子量化するので、単量体を100
%重合することが困難であり、残存する単量体に起因す
る悪臭が生じたり、また、残存する単量体の種類によっ
ては皮膚刺激などを発現する可能性もある。
一方、後者ではイソシアネートと反応しうる官能基を
有するアクリル系低分子量共重合体と、多官能性イソシ
アネートと空孔形成剤とを成分とする多孔質体形成用ア
クリル系組成物が開示されており、予め重合した共重合
体を用いているので、単量体の残存による悪臭の問題は
生じない。しかしながら、多官能性イソシアネートを用
いた化学反応によって多孔質シートとするので、該イソ
シアネートを混合したのちのポットライフが短く、ま
た、加熱温度、加熱時間の要因が反応時に重要となるた
めに、生産性の点で充分に満足できるものとは云えな
い。
<発明が解決しようとする課題> 本発明は上記従来の発泡体シートが有する問題点であ
る残存単量体による悪臭発生、ポットライフや生産性の
点が改善された多孔質体形成用アクリル系組成物の提供
を目的とする。
また、上記組成物を用いてなる用途として多孔質シー
トおよび該多孔質シートに粘着剤層を形成してなる粘着
テープもしくはシートを提供することも目的とするもの
である。
<課題を解決するための手段> 本発明者らは上記目的を達成するために鋭意検討を重
ねた結果、不飽和二重結合を1分子中に特定量有するア
クリル系低分子量共重合体に、空孔形成剤を必須成分と
して配合してなる組成物を、放射線照射によって架橋さ
れて多孔質シートとすることができ、このようにして得
られたシートは上記従来の問題点を有しないものである
ことを見い出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は1分子当り1.5〜3.5個の不飽和二重結
合を有するアクリル系低分子量共重合体と空孔形成剤と
を必須成分とする、放射線照射によって架橋可能な多孔
質体形成用樹脂組成物、およびシート状に形成した上記
樹脂組成物に放射線照射してなる多孔質シート、ならび
に上記多孔質シートの片面もしくは両面にアクリル系粘
着剤層を形成してなる粘着テープもしくはシートを提供
するものである。
本発明において用いるアクリル系低分子量共重合体は
1分子当り1.5〜3.5個の不飽和二重結合を有するもので
あり、分子内の不飽和二重結合が放射線架橋に寄与し、
適度な架橋密度を有する架橋体を形成することができ
る。
不飽和二重結合をアクリル系共重合体中に導入する方
法としては、分子内に水酸基やカルボキシル基の如き官
能基を所定量導入したアクリル系共重合体に不飽和二重
結合を導入する。具体的にはヒドロキシエチル(メタ)
アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリ
レートとトリレンジイソシアネートなどのポリイソシア
ネートとの反応生成物、2−メタクリロイルオキシエチ
ルイソシアネート、グリシジル(メタ)アクリレートな
どの化合物を上記水酸基やカルボキシル基を有する共重
合体中の官能基と反応させることによって行うことがで
きる。これらのうちイソシアネート基と不飽和二重結合
を有する化合物を用いて不飽和二重結合を導入すること
が、反応性の点から好ましく用いられる。この化合物を
用いた場合、共重合体中にカルボキシル基と水酸基が併
有しても水酸基と優先的に反応(結合)する。
分子内に水酸基やカルボキシル基を有するアクリル系
低分子量共重合体は、例えばヒドロキシエチル(メタ)
アクリレートなどのヒドロキシル基含有アクリル系単量
体や、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、
マレイン酸、フマール酸の如きカルボキシル基含有単量
体と、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)ア
クリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル
(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、
デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリ
レートなどのアルキル基の炭素数が12以下のアルキル
(メタ)アクリレートとを共重合することによって得る
ことができる。なお、上記例示の単量体は各種異性体も
含むものである。また、必要に応じて上記単量体以外に
酢酸ビニル、スチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、
(メタ)アクリロニトリルなどの改質用単量体を任意量
共重合することもできる。これらの単量体の配合量はア
ルキル(メタ)アクリレート:水酸基またはカルボキシ
ル基含有単量体:改質用単量体=50〜99:1〜50:0〜30
(対重量比)とすることが得られる多孔質体の柔軟性や
機械的強度などの点から好ましいものであり、水酸基ま
たはカルボキシル基含有単量体は、他の単量体の量に対
して1/500〜1/10(モル比)となる範囲に調整すること
が望ましい。
上記単量体から得られるアクリル系低分子量共重合体
は、空孔形成剤と混合したのち、シート状に塗布する際
の塗布作業性(施工性)や放射線架橋後の柔軟性、機械
的強度の点から数平均分子量が4000〜50000で、ガラス
転移温度が250°K以下のものを用いることが好まし
い。
不飽和二重結合の導入量は1分子当り1.5〜3.5個とす
る。導入量が1.5個に満たない場合は、放射線架橋を行
った際に多孔質体に充分な機械的強度を得ることができ
ず、また導入量が3.5個を超える場合は、得られる多孔
質体の柔軟性やクッション性が乏しくなり好ましくな
い。また不飽和二重結合の導入位置は特に限定されない
が、多孔質体の機械的強度や柔軟性の向上の点からは共
重合体の分子未満に導入することが好ましい。このよう
な導入方法としては、例えばアゾビスシアノバレリアン
酸やアゾビスシアノペンタノールの如き官能基を有する
重合開始剤を用いるか、あるいはメルカプトエタノール
やチオグリコール酸の如き官能基を有する連鎖移動剤を
用いるか、前記両者を併用してラジカル重合を行ない、
分子末端に水酸基やカルボキシル基を有する共重合体を
得る。そののち、この共重合体に前述の如き不飽和二重
結合を導入する。上記連鎖移動剤および/または重合開
始剤は所望の分子量範囲となるように配合すればよい
が、通常、共重合時の単量体総量100重量部に対して0.1
〜10重量部の範囲で用いる。
本発明に用いられる空孔形成剤としては、中空粒子ま
たは発泡剤などが挙げられる。
中空粒子は独立した多数の空孔を有する多孔質体を得
る場合に用い、見掛け密度が0.01〜0.5g/cm3のものが好
ましい。見掛け密度が0.01g/cm3未満の場合は得られる
多孔質体の強度が乏しくなる場合があり、0.5g/cm3を超
えるとシート状の多孔質体とした場合に柔軟性に欠ける
ことがある。中空粒子の使用量はその見掛け密度や粒
径、あるいはアクリル系低分子量共重合体の物性などに
基づき適宜決定される。使用量が多くなるにつれて多孔
質シートの柔軟性を向上させることができる反面、機械
的強度は減少するので、使用する目的や用途に応じてそ
の量を決定することが好ましく、通常、アクリル系低分
子量共重合体100重量部当り0.1〜50重量部とする。用い
る中空粒子としては、例えばシリカ系中空粒子、アルミ
ノシリケート系中空粒子、有機系中空粒子、シラスバル
ーンなどが挙げられ、平均粒径は約1〜500μm程度の
ものが一般に用いられる。このようにして得られる独立
空孔構造の多孔質体はシート状とすることによって、防
風性や防水性などの遮断性にも優れた効果を発揮するも
のである。
また、発泡剤は主として連続気泡構造の多孔質体を得
る場合に用いられ、表層が連続気泡構造の多孔質シート
はアクリル系粘着剤層を積層して粘着テープとした場合
に、粘着剤層の投錨性に優れるものである。用いる発泡
剤としては加熱により、あるいは化学反応によってガス
を発生する公知のものが用いられる。具体的には、炭酸
アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、亜硝酸アンモニ
ウム、水素化ホウ素ナトリウム、アジド類などで代表さ
れる無機系発泡剤、あるいはトリクロロフルオロメタン
やジクロロモノフルオロメタンの如き塩素化フッ素化ア
ルカン、アゾビスイソブチロニトリルやアゾジカルボン
アミド、バリウムアゾジカルボキシレートの如きアゾ系
化合物、パラトルエンスルホニルヒドラジドやジフェニ
ルスルホン−3,3′−ジスルホニルヒドラジド、4,4′−
オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、アリル
ビス(スルホニルヒドラジド)の如きヒドラジン系化合
物、p−トルイレンスルホニルセミカルバジドや4,4′
−オキシビス(ベンゼンスルホニルセミカルバジド)の
如きセミカルバジド系化合物、5−モルホリル−1,2,3,
4−チアトリアゾールの如きトリアゾール系化合物、N,
N′−ジニトロソペンタメチレンテトラミンやN,N′−ジ
メチル−N,N′−ジニトロソテレフタルアミドの如きN
−ニトロソ系化合物などで代表される有機系発泡剤など
が挙げられる。なお、発泡剤はマイクロカプセルに封入
されたものを用いてもよい。発泡剤の使用量は塗布量の
嵩が発泡にて1.2〜100倍となる量が適当であり、発泡剤
の発泡倍率などによって異なるが、一般にはアクリル系
低分子共重合体100重量部当り1〜300重量部である。発
泡剤を用いる場合は、必要に応じてポリオキシアルキレ
ン系化合物やシリコーン系化合物などに代表される整泡
剤を添加することが好ましい。
本発明の多孔質体形成用樹脂組成物は、上記した必須
成分である1分子当り1.5〜3.5個の不飽和二重結合を有
するアクリル系低分子量共重合体と空孔形成剤とを混合
することによって調製する。また、放射線照射による架
橋によって得られる多孔質体の機械的強度を向上させる
目的で、必要に応じてトリメチロールプロパントリアク
リレート、トリアリルイソシアヌレート、ジペンタエリ
スリトールヘキサアクリレート、ポリエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレ
ート、エポキシ(メタ)アクリレート、エステル(メ
タ)アクリレートの如き多官能性単量体を適宜配合する
こともできる。なお、照射する放射線が紫外線の如き活
性光線の場合は、ベンゾインやベンゾインエチルエーテ
ル、ジベンジルの如き公知の光重合性開始剤を必要量、
通常アクリル系低分子量共重合体100重量部に対して0.1
〜10重量部添加して樹脂組成物とする。
上記組成からなる樹脂組成物はシート状に形成したの
ち、放射線架橋によって空孔形成剤に基づく多数の空孔
を有する多孔質シートとすることができる。照射する放
射線としては電子線やγ線のような電離性放射線、紫外
線のような活性光線を用いることができる。電離性放射
線の場合はその照射量を、通常、0.5〜20Mradの範囲に
設定する。なお、電子線照射の場合は照射するシート厚
に応じて加速電圧を調整する。また、紫外線のような活
性光線の場合の照射量は、400〜3000mJ/cm2程度とする
ことが好ましく、照射に際しては窒素ガスなどの不活性
ガス雰囲気下で行うことが望ましい。
以上のようにして得られた多孔質シートは、クッショ
ン性や耐反発性、吸音性、耐衝撃性(緩衝性)、耐熱性
などに優れるので、緩衝材や吸音材、断熱材、耐久材な
どに利用できる。また、中空粒子を空孔形成剤に用いた
場合は独立空孔構造となるので、防水性や防風性に特に
優れた効果を発揮するものである。なお、本発明の多孔
質体形成用樹脂組成物をシート状に成形するには、注型
方式や押出方式、塗布展延方式などの方式を適宜採用す
ることができる。
本発明においては上記した多孔質シートの片面もしく
は両面にアクリル系の粘着剤層を形成して、耐候性など
の耐久性や耐熱性に優れた粘着テープとすることができ
る。製法としては例えば、剥離シート上に本発明の多孔
質体形成用樹脂組成物を塗布展延し、これを放射線照射
によって架橋して多孔質シートを形成したのち、このシ
ートにアクリル系粘着剤を直接塗工したり、予め作成し
たアクリル系粘着剤シートを転写によって積層する方法
などが挙げられる。このように粘着剤層を積層した場
合、多孔質シートの多孔部に粘着剤が一部埋没するので
層間剥離が生じにくく、実用に充分に耐えうる粘着テー
プを得ることができる。また、多孔質シートと粘着剤層
とのより優れた層間強度が要求される場合には、予め形
成したアクリル系粘着剤層に、多孔質体形成用樹脂組成
物を塗布し、そののち放射線照射を行い、粘着シートと
することが好ましい。この方法によれば層間にて、アク
リル系低分子量共重合体と粘着剤との間でグラフト化な
どの化学反応も伴い、強固を層間接着を達成することが
できる。
アクリル系粘着剤としては特に限定されないが、例え
ば(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチ
ル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)
アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシルなどの
アルキルエステル部の炭素数が12以下の(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステルを主成分とし、共重合成分として
(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリル酸ヒドロキシエ
チル、(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、スチレ
ン、塩化ビニル、塩化ビニリデンなどの改質用単量体を
共重合し、必要に応じて公知の粘着性付与樹脂を配合し
たものが用いられる。なお、放射線硬化型のアクリル系
粘着剤などの反応性粘着剤を多孔質シート上に設けるこ
とも層間強度を高めるうえで効果的である。
<発明の効果> 以上のように、本発明の多孔質体形成用樹脂組成物
は、特定の個数の不飽和二重結合を有するアクリル系低
分子量共重合体と空孔形成剤とを必須成分としているの
で、放射線照射によって架橋可能することが可能であ
り、従来のものと比べて無臭であり、かつポットライフ
や硬化時の熱・時間などの生産工程上の問題点が解消さ
れた多孔質体を形成することができる。また、この樹脂
組成物から得られる多孔質シートは耐衝撃や防音、断熱
などの緩衝性、防水、耐熱、耐候などの性質に優れ、シ
ート状とすることによって柔軟性にも優れ、種々の用途
に用いることができるものである。
また、多孔質シートに粘着剤層を積層した粘着テープ
もしくはシートとすることにより、従来の発泡体両面テ
ープと同様の用途に用いることができ、また、上記特性
や耐クリープ性にも優れているので、物品の保持・固定
用として特に好ましく用いることができる。
<実施例> 以下に本発明の実施例を示し、さらに具体的に説明す
る。なお、以下の本文中において、部もしくは%とある
のは重量部もしくは重量%を意味するものである。
実施例1 アクリル酸n−ブチル80部、アクリル酸エチル15部、
アクリル酸5部、ラウリルメルカプタン1部、アゾビス
イソブチロニトリル0.1部からなる混合物を、窒素雰囲
気下で65℃にて重合を行い、共重合体(ガラス転移温度
229゜K、数平均分子量7500、重合率約100%)を得た。
得られた共重合体100部に、2−メタクリロイルオキ
シエチルイソシアネート4部、ジブチンチンジラウレー
ト0.01部を加え、120℃で6時間加熱反応させ、不飽和
二重結合を有するアクリル系低分子量共重合体(分子量
から算出した1分子当りの不飽和二重結合の個数は、1.
9であった)を得た。次いで、これに有機系中空粒子
(材質アクリロニトリル−塩化ビニリデン、見掛け密度
0.02mg/cm3、平均粒径50μm)1部、ベンジルジメチル
ケタール(光重合開始剤)2部を均一に混合して本発明
の多孔質体形成用樹脂組成物とした。
上記のようにして得られた樹脂組成物を剥離紙上に1m
m厚にて塗布して、紫外線を1400mJ/cm2の照射量にて照
射し、多孔質シートを得た。
実施例2 アクリル酸2−エチルヘキシル80部、アクリル酸エチ
ル20部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル3部、アクリ
ル酸5部、2−メルカプトエタノール2部、アゾビスイ
ソブチロニトリル0.1部からなる混合物を、窒素雰囲気
下で65℃にて重合を行い、共重合体(ガラス転移温度20
0゜K、数平均分子量4380、1分子当りのヒドロキシル基
数2.0、重合率約100%)を得た。
得られた共重合体100部に、2−メタクリロイルオキ
シエチルイソシアネート7.6部を加え、80℃で3時間加
熱反応させ、不飽和二重結合を有するアクリル系低分子
量共重合体(分子量から算出した1分子当りの不飽和二
重結合の個数は、2.0であった)を得た。
次いで、この共重合体100部に実施例1にて用いた有
機系中空粒子1部を均一に混合して本発明の多孔質体形
成用樹脂組成物とした。
上記のようにして得られた樹脂組成物を剥離紙上に0.
5mm厚にて塗布して、電子線を加速電圧250KVで4Mrad照
射し、多孔質シートを得た。
実施例3 実施例2の不飽和二重結合を有するアクリル系低分子
量共重合体100部に、実施例1にて用いた有機中空粒子
1部と、光重合開始剤としてベンジルジメチルケタール
2部を添加し、均一に混合して本発明の多孔質体形成用
樹脂組成物とした。これを剥離紙上に1mm厚にて塗布し
て、紫外線を1400mJ/cm2の照射量にて照射し、多孔質シ
ートを得た。
実施例4 実施例2にて得たアクリル系低分子共重合体100部
に、α,α−アゾビスイソブチロニトリル10部およびベ
ンジルジメチルケタール2部を加え、本発明の多孔質体
形成用樹脂組成物を得た。
この組成物を剥離紙上に1mm厚にて塗布して、紫外線
を1400mJ/cm2の照射量にて照射し、さらに140℃で10分
間加熱して多孔質シートを得た。
比較例1 実施例1にて得られた共重合体100部に、2−メタク
リロイルオキシエチルイソシアネート2部、ジブチルチ
ンジラウレート0.01部を加え、実施例1と同様にして不
飽和二重結合が1分子当り1.0個有するアクリル系低分
子量共重合体を得た。これに実施例1と同様の有機系中
空粒子を混合し、実施例1と同様に紫外線を照射して多
孔質シートを得た。
比較例2 2−メタクリロイルオキシイソシアネートを10部加え
ること以外は、実施例1と同様にして不飽和二重結合を
1分子当り4.7個有するアクリル系低分子量共重合体を
用い、比較例2と同様にして紫外線照射を行って多孔質
シートを得た。
上記実施例1〜4にて得た多孔質シートは何れも無臭
であり、柔軟性、クッション性、耐反発性、衝撃緩和
性、防音性、断熱性、耐候性に優れるものであり、比較
例1にて得た多孔質シートは表面がベタツキがあり、か
つ加圧により容易に変形して、硬化が不充分であること
が判明した。また、比較例2にて得た多孔質シートはク
ッション性、柔軟性がなかった。
さらに、上記実施例1〜4、比較例1、比較例2にて
得た多孔質シートの引張試験による結果(50%モジュラ
ス、破断強度、破断伸び)を第1表に示す。試験は各実
施例品および比較例品のシートをダンベル3号で試験片
に打抜き、打抜き後の初期品と、これを90℃で2週間加
熱処理した加熱処理品にし、50mm/分の引張速度にて試
験した。なお、加熱処理品は実施例品のみ作製した。
なお、実施例3にて得られた多孔質シートにて円筒
(直径30mm)の下端をシールし、上端から水を注水して
500ミリの水柱を形成させたが、水漏れは認められず、
防水性にも優れていることが判明した。
実施例5 アクリル酸イソオクチル80部、アクリル酸エチル13
部、アクリル酸7部を共重合してなる共重合体100部
に、トリメチロールプロパンとトリレンジイソシアネー
トとの反応物1部を加えてなるアクリル系粘着剤の酢酸
エチル溶液(20%固形分)を剥離紙上に塗布、乾燥して
50μm厚のアクリル系粘着剤層を形成した。
実施例2にて得た多孔質シートの両面に上記にて形成
した粘着剤層を転写して加圧貼着し、本発明の粘着テー
プとした。
実施例6 実施例5にて得た50μm厚の粘着剤層上に、実施例3
にて得た多孔質体形成用樹脂組成物を1mm厚にてさらに
塗布し、次いでその上にポリエステル製離型フィルム上
に形成した粘着シートを貼り合わせ、離型フィルム上か
ら紫外線を1400mJ/cm2の照射量にて照射し、塗布した樹
脂組成物を架橋して粘着テープを得た。
実施例7 アクリル酸2−エチルヘキシル90部、酢酸ビニル10
部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル3部、アクリル酸
5部、2−メルカプトエタノール2部、アゾビスイソブ
チロニトリル0.1部からなる混合物を実施例1と同様に
して重合し、アクリル系共重合体(ガラス転移温度200゜
K、数平均分子量5500、重合率約100%)を得た。
得られた共重合体100部に、2−メタクリロイルオキ
シエチルイソシアネート3.5部を加え、均一に混合して
放射線硬化型の粘着剤溶液を作製した。
実施例2にて得た多孔質シートの片面に上記にて作製
した放射線硬化型粘着剤溶液を50μm厚にて塗布し、電
子線を175kVの加速電圧にて3Mrad照射し、この操作を他
面にも行って本発明の粘着テープを得た。
実施例8 実施例7にて作製した放射線硬化型粘着剤100部にベ
ンジルジメチルケタール0.5部を加えて均一に混合した
のち、剥離紙上に50μm厚で塗布し、その上に実施例3
にて得た多孔質体形成用樹脂組成物を1mm厚で塗布す
る。次いで、ポリエステル製離型フィルムに上記にて得
た粘着剤層を貼り合わせ、離型フィルム上から紫外線を
1400mJ/cm2の照射量にて照射し、放射線硬化型粘着剤お
よび多孔質体形成用樹脂組成物を同時に架橋して粘着テ
ープを得た。
上記実施例5〜8にて得た両面粘着テープを介して2
枚のアルミニウム板(厚み0.5mm)を接着面積10×10mm
にて貼り合わせたのち、80℃の雰囲気下で片方のアルミ
ニウム板を固定し、他方のアルミニウム板の下端に500
g、1kg、2kgの荷重を加えて、アルミニウム板の落下す
るまでの時間を測定した。その結果を第2表に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−61018(JP,A) 特開 昭61−181885(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08J 9/00 - 9/42 B32B 1/00 - 35/00 C09J 7/02 C08L 33/00 - 33/26

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1分子当り1.5〜3.5個の不飽和二重結合を
    有するアクリル系低分子量共重合体と空孔形成剤とを必
    須成分とする、放射線照射によって架橋可能な多孔質体
    形成用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】シート状に形成した請求項(1)記載の樹
    脂組成物に放射線照射してなる多孔質シート。
  3. 【請求項3】請求項(2)記載の多孔質シートの片面も
    しくは両面にアクリル系粘着剤層を形成してなる粘着テ
    ープもしくはシート。
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