JP2001099176A - 密封転がり軸受 - Google Patents

密封転がり軸受

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JP2001099176A
JP2001099176A JP27848399A JP27848399A JP2001099176A JP 2001099176 A JP2001099176 A JP 2001099176A JP 27848399 A JP27848399 A JP 27848399A JP 27848399 A JP27848399 A JP 27848399A JP 2001099176 A JP2001099176 A JP 2001099176A
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seal
outer ring
inner diameter
bearing
width
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JP27848399A
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Tetsuya Kurimura
栗村  哲弥
Toshiyuki Mizutani
敏幸 水谷
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NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電食防止とクリープ防止の両機能を備え、か
つ軸受装着時等の絶縁被覆の捲くれの問題がなく、小型
の軸受にも適用できるものとする。 【解決手段】 外輪2の外径面および幅面を覆うゴムま
たは樹脂製の絶縁被覆8を設ける。この絶縁被覆8に、
2本の外側突部9を設ける。絶縁被覆8の外輪幅面を覆
う部分8bには、シール6の側面に形成された環状凹部
6cに係合するシール係合突部12を設ける。シール係
合突部12に代えて、外輪2の内径面に係合する突部を
設けてもよい。ハウジング15の装着に際しては、外側
突部9,9間における絶縁被覆8の外周面に油14塗布
し、ハウジング15に圧入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、インバータモー
タやインバータの近くに設置されるモータ等、電食が問
題となる箇所に使用される軸受、特に、同時に外輪クリ
ープも問題となり易い箇所に使用される密封転がり軸受
に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、モータ用には小型密封深溝玉軸受
が一般的に使用されており、インバータ制御のモータに
おいても多く使用されている。インバータ制御すること
による利便性(保守点検の簡易化、高速化、可変対応可
能等)のため、インバータモータの比率は増加してお
り、今後もその増加傾向は続く見込みである。しかし、
インバータモータの増加に伴い、インバータおよびイン
バータに近接して設置されているモータ用軸受におい
て、転動体と内外輪間に発生する電食が増えてきてお
り、その解消が課題となっている。また、インバータお
よびインバータに近接して設置されているモータ用軸受
においても、ファンモータ等のように、クリープの防止
を要求されることがある。電食に対しては、樹脂または
ゴム製の絶縁被覆を外輪に設けた軸受があるが、クリー
プ防止機能を持たないものが多い。また、外輪クリープ
の防止を図った軸受もあるが、電食防止機能がないもの
が多い。そこで、本出願人は、電食防止とクリープ防止
の両機能を備えるものを提案した(特願平8−2093
31号、特願平9−51253号等)。その中の二つの
例を図3,図4に各々示す。
【0003】これら図3,図4の軸受は、いずれも、外
輪52の外周面に2本の環状溝61を設け、絶縁被覆5
8の内周面には円周状の内側突起60を設け、これら環
状溝61と内側突起60を嵌合させることによって、絶
縁被覆58の捲くれや軸方向へのずれを防止する。ま
た、絶縁被覆58の外周面には円周方向に延びる複数の
外側突部59を設け、これら外側突部59,59間に油
64を塗布することで、クリープ防止機能を発揮する。
図3,図4の例の相違点は、図4の例では、外輪52の
幅面にも円周状の幅面溝62を設け、絶縁被覆58に、
装着時に幅面溝62に嵌合し合う幅面突起63を設けた
ことである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図3の例では、このよ
うな幅面の溝62および突起63は設けていない。その
ため、径方向に絶縁被覆58のずれを抑制するものが無
いため、軸受をハウジング65に挿入する際に、ハウジ
ング65と絶縁被覆58との摩擦によって、絶縁被覆5
8の幅面覆い部分58bが捲くれ易くなる。図4の例の
ように、幅面の溝62および突起63を設けた場合は、
軸受をハウジング65に挿入する際に、幅面の溝62と
突起63が嵌り合っているために、絶縁被覆58が径方
向にずれ難く、絶縁被覆58の捲くれが発生し難くな
る。しかし、軸受の型番が小さなもの、つまり外輪の外
径からシール入口部までの径方向寸法Lが2.4mm以下
のものに関しては、軸受外輪52の加工および絶縁被覆
58の強度的な問題から、幅面の溝62や突起63を形
成することができず、図3に示す構成を採用せざるを得
ない。また、これら図3,図4の例は、いずれもシール
67を外輪52の内径面のシール取付溝68に装着して
いるが、この装着部の密封性が十分に得られないことが
ある。特に、シール67が金属製の場合、シール取付溝
68への装着部における密封性の確保が難しい。
【0005】この発明の目的は、電食防止機能を有し、
軸受装着時等の絶縁被覆の捲くれの問題がなく、シール
装着部の密封性に優れ、小型の軸受にも適用できる密封
転がり軸受を提供することである。この発明の他の目的
は、簡易な構成で捲れ防止を可能とすることである。こ
の発明のさらに他の目的は、シールやボールの組み込み
性が良く、かつ潤滑性も低下も防げるものとすることで
ある。この発明のさらに他の目的は、電食防止と共に、
クリープ防止の機能を備えるものとすることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明の密封転がり軸
受は、外輪の外径面および幅面に電気絶縁性のゴムまた
は樹脂製の絶縁被覆を有し、前記外輪の内径面に設けた
シール取付溝にシールを装着した密封転がり軸受であっ
て、前記外輪の内径面と係合するとともに、前記シール
の装着部を覆うようにこの装着部に向かって延びる突部
を、前記絶縁被覆の外輪幅面を覆う部分からさらに径方
向内方へ延びる部分に設けたことを特徴とする。この構
成によると、絶縁被覆で外輪の外径面および幅面が覆わ
れるため、ハウジングと軸との間の電位差による転動体
と内輪や外輪との間の電食が防止される。絶縁被覆は、
外輪幅面を覆う部分からさらに径方向内方へ延びる部分
に突部を有し、この突部が、外輪の内径面と係合するた
め、軸受をハウジングに組み込むときや、その他の軸受
取り扱い時に、捲れが起こり難く、取扱が簡便である。
このように、シールの突部を外輪の内径面に係合させる
ため、外輪幅面に溝加工が不要で、小型の軸受にも適用
することができる。しかも、この突部は、シールの装着
部を覆うように向かって延びるため、外輪シール取付溝
に対するシール装着部の密封性能が高められる。
【0007】この発明において、前記突部は、前記シー
ル取付溝に装着されたシールの環状凹部に係合するシー
ル係合突部からなるものであっても良い。このように、
絶縁被覆の突部を、外輪の内径面だけでなく、シールの
環状凹部にも係合させることで、絶縁被覆の捲れ防止が
より一層確実となる。シールの側面に生じている環状凹
部を捲くれ防止に利用するため、外輪幅面の加工やその
他の特別な加工や部品の追加が不要で、構成が簡単であ
り、加工も簡単で済む。
【0008】この発明において、前記突部は、外輪の内
径面における前記シール取付溝から幅面までの部分であ
るシール入口部に係合する内径面係合突部からなり、前
記シール入口部の幅寸法を、前記絶縁被覆の捲れ防止の
ために前記内径面係合突部が十分に係合できる寸法にし
ても良い。このように、絶縁被覆の突部が係合するシー
ル入口部の幅寸法を広げることで、前記突部の係合が確
実となり、絶縁被覆の捲れ防止性が向上する。シール入
口部の幅寸法を広げる構成は、例えば、外輪幅を内輪幅
よりも広くすることで得られる。
【0009】この発明において、軸受内径に対する軸受
幅寸法の比、 (軸受幅寸法)/(軸受内径) は、2以下であっても良い。軸受内径は直径値である。
軸受内径に対して、軸受幅寸法が2倍より大きいと、軸
受の製作段階でのシールやボールの組み込み性が悪くな
る。また、軸受内径に対して、軸受幅寸法が2倍より大
きいと、密封転がり軸受の場合、両側のシール間の距離
が長くなりすぎ、軸受内部空間が大きくなる。軸受内部
空間が大きくなると、一般的に適量とされるグリースを
封入しても、グリースが軸受内の必要部分に十分に行き
渡らず、潤滑不足の恐れが生じる。この防止のために、
グリース封入量を多くすると、グリースの攪拌抵抗によ
る発熱の問題が大きくなる。そのため、軸受内径に対す
る軸受幅寸法の比は、2以下にすることが好ましい。こ
の発明の前記各構成の密封転がり軸受は、外輪の外径か
らシール入口部まで径方向の寸法(L)が、2.4mm以
下であっても良い。外輪の幅面に溝加工をして絶縁被覆
を係合させることが困難となるのは、外輪の外径からシ
ール入口部までの寸法(L)が2.4mm以下の小型の軸
受である。このこのことは、加工の実情からわかる。そ
のため、このようなシール入口部までの寸法(L)が
2.4mm以下の小型の軸受の場合に、この発明における
外輪内径面に絶縁被覆の突部を係合させて捲れ防止性を
高める効果が、より効果的となる。
【0010】この発明の前記各構成の密封転がり軸受
は、絶縁被覆の外輪外径面を覆う部分の軸方向複数箇所
に、円周方向に延びる外側突部を設け、この外側突部に
油を塗布しても良い。この構成の場合、絶縁被覆に塗布
された油が、絶縁被覆の外側突部と絶縁被覆外周面とハ
ウジング内径面の間に保持されることにより、クリープ
力となる摩擦力が減じられ、かつ外側突部の摩擦によっ
てクリープが防止される。
【0011】
【発明の実施の形態】この発明の一実施形態を図1と共
に説明する。この転がり軸受1は、シール付きの深溝玉
軸受に応用したものであり、内輪1と外輪2の間に、保
持器3に保持されたボールからなる転動体4が介在させ
てある。内輪1と外輪2の幅は、互いに同じである。外
輪2の内径面の両側部にはシール取付溝5を形成し、こ
の取付溝5にシール6を圧入状態に取付けてある。シー
ル6は、金属製のシールド板からなる非接触のものであ
り、内輪1の外径面に形成したシール用溝7に先端を近
接させ、ラビリンスシールを形成している。シール6の
外周縁は、シール取付溝5への取付の確実や強化のため
に、軸受外側へ折り返した折返し部6aが形成されてい
て、外周縁よりも若干内周側の部分は、外側へ傾斜する
傾斜部6bとなっており、この傾斜部6bと折返し部6
aとの間に環状凹部6cが生じている。
【0012】外輪2には、外径面および両側の幅面にわ
たって絶縁被覆8を設け、この絶縁被覆8の外輪外径面
を覆う部分8aの軸方向複数箇所(図示の例では両端近
傍の2箇所)に円周方向に延びる外側突部9を設けてあ
る。また、この外側突部9と対応する円周溝11を外輪
2の外径面に設け、この円周溝11に嵌合する内側突部
10を絶縁被覆8に設けてある。外側突部9および内側
突部10は絶縁被覆8と一体のものである。外側突部9
は、横断面形状を中高形状、すなわち幅方向の中央部が
突出する形状とすることが望ましい。例えば、外側突部
9は、図示のような三角形状とする他に、半円状、また
は台形状の断面形状としても良い。
【0013】絶縁被覆8の外輪幅面を覆う部分8bは、
外輪幅面よりもさらに内径側に延び、その内径側に延び
た部分8cの内面に、環状のシール係合突部12が一体
に設けられている。シール係合突部12は、シール6の
装着部を覆うように、この装着部に向かって延び、外輪
2の内径面に係合すると共に、シール6の側面の環状凹
部6cに係合している。図1(B)に示すように、シー
ル係合突部12の外径面は、基端側が大径となる段付き
面に形成され、その基端側の円筒面部12aが外輪2の
内径面に係合し、先端側の断面円弧状の小径面部12b
がシール6の環状凹部6cに係合している。詳しくは、
シール係合突部12の小径面部12bは、シール6の折
返し部6aの内周部に係合している。絶縁被覆8の外輪
幅面の内径側に延びる部分8cは、その内周縁が、転動
体4の配列のピッチ円径PCDの付近まで延びている。
寸法関係を説明すると、軸受内径dに対する軸受幅寸法
Wの比、(軸受幅寸法W)/(軸受内径d)は、2以下
に設定されている。
【0014】絶縁被覆8は、合成ゴムまたは樹脂からな
る電気絶縁性のものであり、外輪2と別に成形されて、
後に外輪2に被せられ、あるいはインサート成形等によ
り外輪2に一体にモールドされる。
【0015】この転がり軸受をハウジング15に取り付
ける際しては、絶縁被覆8の外径面における外側突部9
の間の部分にグリース等の油14を塗布しておき、ハウ
ジング15の内径面に圧入する。ハウジング15は鉄系
の材質のものなどである。
【0016】この構成の転がり軸受によると、絶縁被覆
8で覆われるため、ハウジング15と内輪1に嵌合する
軸(図示せず)との間の電位差による転動体4と内輪1
や外輪2との間の電食が防止される。また、絶縁被覆8
に塗布された油14が、絶縁被覆8の一対の外側突部9
と絶縁被覆外径面と軸箱15の内径面の間に保持される
ことにより、クリープ力となる摩擦力が減じられ、かつ
外側突部9の摩擦によってクリープが防止される。この
ように封入状態の油14でクリープ防止効果を高めるも
のであるため、外輪2のハウジング15に対する軸方向
移動の抵抗が小さい。そのため、モータ等において軸の
両端を支持する軸受のうち、自由側軸受、つまり軸の熱
膨張等を許す方の支持部に使用する軸受としても使用で
きる。また、絶縁被覆8は、外輪幅面を覆う部分に設け
られたシール係合突部12が、シール6の側面外周縁の
環状凹部6cに係合するため、軸受をハウジング15に
組み込むときや、出荷時、ユーザ側での取扱い時など
に、捲れが起こり難く、取扱が簡便である。また、シー
ル6の側面に生じている環状凹部6cを捲くれ防止に利
用するため、外輪2の幅面の加工やその他の特別な加工
や部品の追加が不要で、構成が簡単であり、加工も簡単
で済む。外輪幅面に溝加工が不要なため、小型の軸受に
も適用することができる。しかも、絶縁被覆6のシール
係合突部12は、シール6の装着部に向かって、この装
着部を覆うように延びているため、外輪2のシール取付
溝5に嵌合するシール6の装着部で、塵埃や水等が軸受
内に侵入することが防止され、密封性が向上する。ま
た、この密封転がり軸受は、軸受内径dに対する軸受幅
寸法Wの比(W/d)を、2倍以下にすることにより、
シールやボールの組み込み性も良く、潤滑性の低下も防
げる。
【0017】図2は、この発明の他の実施形態を示す。
この実施形態は、次に説明する事項を除いて、図1の実
施形態と同じである。図1の例と同一部分には同一符号
を付してその重複する説明を省略する。この転がり軸受
では、絶縁被覆8の外輪幅面を覆う部分8bから内径側
に延びた部分8cに、外輪2の内径面におけるシール入
口部2aに係合する内径面係合突部13が設けてある。
シール入口部2aは、外輪2の内径面におけるシール取
付溝5から幅面までの部分である。このシール入口部2
aは、その幅寸法Bを、絶縁被覆8の捲れ防止のために
内径面係合突部13が係合するのに必要な幅寸法に広げ
てある。具体的には、外輪2の幅を内輪1の幅よりも広
くすることで、その分、シール入口部2aの幅寸法Bを
広げてある。シール入口部2aの内径は、外輪2の一般
部の内径よりも大きく形成されている。また、絶縁被覆
8の外輪幅面を覆う部分8bからさらに延びた部分8c
の内径は、外輪内径面よりも若干小径となる程度の内径
とされている。シール6は、図1の例における環状凹部
6cに相当する部位がないものが使用されているが、図
1の例と同じものであっても良い。図示の例では、シー
ル6は、芯金21にゴムまたは合成樹脂等の弾性体22
を一体化させた接触式のものとし、弾性体22の部分で
外輪2のシール取付溝5に嵌合状態に取付けてある。シ
ール6の弾性体22の部分における内径部には、内輪1
の外径面に接触するシール22aが形成されている。図
2の実施形態におけるその他の構成は、図1の例と同じ
である。
【0018】この実施形態の場合、電食防止およびクリ
ープ防止機能については、図1の実施形態と同様に得ら
れる。捲れ防止は、次のように行われる。すなわち、絶
縁被覆8の幅面覆い部分8bに内径面係合突部13を設
け、この内径面係合突部13を外輪2の内径面に係合さ
せたため、軸受のハウジングへの組み込み時や、その他
の取扱時における絶縁被覆の捲くれが防止される。この
場合に、シール入口部2aの幅を広くしたため、内径面
係合突部13の外輪2への掛かり代を十分に得て、確実
な捲くれ防止機能が得られる。捲れ防止性を高めるにつ
き、シール入口部2aの幅を広げることで対処するた
め、外輪幅面に溝加工を行う場合と異なり、小型の軸受
においても、強度や加工上の問題を生じることなく、適
用できる。また、この実施形態の場合、シール6の形式
にかかわらず適用できる。
【0019】
【発明の効果】この発明の密封転がり軸受は、外輪の外
径面および幅面に電気絶縁性のゴムまたは樹脂製の絶縁
被覆を有し、前記外輪の内径面に設けたシール取付溝に
シールを装着した密封転がり軸受であって、前記外輪の
内径面と係合するとともに、前記シールの装着部を覆う
ように向かって延びる突部を、絶縁被覆の外輪幅面を覆
う部分からさらに径方向内方へ延びる部分に設けたた
め、電食防止機能が得られ、軸受装着時等の絶縁被覆の
捲くれの問題がなく、シール装着部の密封性にも優れ、
また小型の軸受にも適用することができる。特に、外輪
の外径からシール入口部までの寸法が2.4mm以下の小
型の軸受の場合に、外輪内径面に突部を係合させること
による捲れ防止が効果的である。前記突部が、前記シー
ル取付溝に装着されたシールの環状凹部に係合するシー
ル係合突部からなる場合は、捲れ防止が一層確実になる
うえ、捲れ防止のための追加の加工や部品の追加が不要
であり、簡単な構成で確実な捲れ防止が行える。前記突
部が、外輪の内径面におけるシール取付溝から幅面まで
の部分であるシール入口部に係合する内径面係合突部か
らなる場合に、前記シール入口部の幅寸法を広げたとき
は、簡素な構成で捲れ防止性を高めることができる。ま
た、軸受内径に対する軸受幅寸法の比が、2倍以下にす
ることにより、シールやボールの組み込み性も良く、潤
滑性の低下も防げる。絶縁被覆の外輪外径面を覆う部分
の軸方向複数箇所に、円周方向に延びる外側突部を設
け、この外側突部に油を塗布した場合は、電食防止と共
にクリープ防止の機能も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)はこの発明の一実施形態にかかる転がり
軸受の部分断面図、(B)は同図のB部分の拡大図であ
る。
【図2】この発明の他の実施形態にかかる転がり軸受の
部分断面図である。
【図3】従来例の部分断面図である。
【図4】他の従来例の部分断面図である。
【符号の説明】
1…内輪 2…外輪 2a…シール入口部 4…転動体 5…シール取付溝 6…シール 6a…環状凹部 8…絶縁被覆 9c…さらに延びる部分 9…外側突部 12…シール係合突部 13…内径面係合突部 14…油 15…ハウジング L…寸法
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3J016 AA02 BB03 CA03 3J017 AA03 AA10 BA02 CA07 DA02 DB04 3J101 AA02 AA32 AA42 AA52 AA62 AA72 BA54 BA73 FA11 FA35 FA46 FA55 GA60

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外輪の外径面および幅面に電気絶縁性の
    ゴムまたは樹脂製の絶縁被覆を有し、前記外輪の内径面
    に設けたシール取付溝にシールを装着した密封転がり軸
    受であって、前記外輪の内径面と係合するとともに、前
    記シールの装着部を覆うようにこの装着部に向かって延
    びる突部を、前記絶縁被覆の外輪幅面を覆う部分からさ
    らに径方向内方へ延びる部分に設けたことを特徴とする
    密封転がり軸受。
  2. 【請求項2】 前記突部が、前記シール取付溝に装着さ
    れたシールの環状凹部に係合するシール係合突部からな
    る請求項1に記載の密封転がり軸受。
  3. 【請求項3】 前記突部が、外輪の内径面における前記
    シール取付溝から幅面までの部分であるシール入口部に
    係合する内径面係合突部からなり、前記シール入口部の
    幅寸法を、前記絶縁被覆の捲れ防止のために前記内径面
    係合突部が十分に係合できる寸法にした請求項1に記載
    の密封転がり軸受。
  4. 【請求項4】 軸受内径に対する軸受幅寸法の比、(軸
    受幅寸法)/(軸受内径)が、2以下である請求項1な
    いし請求項3のいずれかに記載の密封転がり軸受。
  5. 【請求項5】 前記外輪の外径からシール入口部までの
    径方向寸法(L)が、2.4mm以下である請求項1ない
    し請求項4のいずれかに記載の密封転がり軸受。
  6. 【請求項6】 前記絶縁被覆の外輪外径面を覆う部分の
    軸方向複数箇所に、円周方向に延びる外側突部を設け、
    この外側突部に油を塗布した請求項1ないし請求項5の
    いずれかに記載の密封転がり軸受。
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