JP2010133481A - 軸受用シール装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 軸受の高密閉性と、高速回転時の低回転トルク化とを両立することができる軸受用シール装置を提供する。
【解決手段】 軸受用シール装置において摺動シール部8のアキシャル基面8bから副シールリップ94がアラジアル方向外向きに斜めに立ち上がる形で形成されている。この副シールリップ94がラジアル方向に積層された複数のゴム層94x,94yからなり、かつラジアル方向内側に位置するゴム層94x,94yほど線膨張係数の小さいゴム材料にて構成する。
【選択図】 図3

Description

この発明は軸受用シール装置に関する。
特開2003−194077号公報 特開2005−282669号公報
自動車は小型軽量化や、さらには居住空間拡大の要望により、エンジンルーム空間の減少を余儀なくされ、電装部品・エンジン補機の小型軽量化がより一層進められており、カーエアコン用電磁クラッチやコンプレッサー、アイドラプーリも例外ではない。しかし、小型化により出力の低下は避けられず、電磁クラッチでは高速化することにより出力の低下分を補っているので、それに伴ってアイドラプーリも高速化することになる。さらに、静粛性向上の要望によりエンジンルームの密閉化が進み、エンジンルーム内の高温化が促進されるため、これらの部品は高温に耐えることも必要となっている。加えて、これらの部品はエンジンルームの下部に取り付けられていることが多いため、走行中、雨水や泥水などがかかりやすく、これらの部品用の転がり軸受には高い密封性が要求される。
アイドラプーリ用の転がり軸受は内輪が非回転側となり、プーリが固定される外輪が回転側となる形で使用される。このような転がり軸受のシール装置は、そのラジアル方向外周縁部が外輪のアキシャル方向端部内周側に相対回転不能に嵌合するとともに、ラジアル方向内周縁側に形成されたゴム製の主シールリップが、内輪のアキシャル方向端部外周側に摺接する摺動シール部を有する。特許文献1では、このような摺動シール部のアキシャル方向外側に、非回転となる内輪に嵌合する内輪側スリンガ(ダストカバー)を対向配置し、軸受内部へのホコリ等の侵入抑制を図っている。
近年、自動車の使用条件はさらに厳しくなる傾向にあり、跳ね上げた泥水や洗車水等が強い圧力で噴射された場合など被水量のさらなる増加が想定されるケースや、RV車などで見られる冠水状態あるいは水没状態での使用を考慮し、軸受シール装置にはさらに高い防水性が求められるようになってきている。特許文献2では、摺動シール部のアキシャル方向外面に、内輪側スリンガに向けて突出し該スリンガの内面に摺接する副シールリップ(アキシャルリップ)を形成し、さらなる密封性の向上を図っている。
しかし、上記特許文献2の構成では、副シールリップの先端面が平坦に形成され、ラジアル方向外向きに傾斜した形で、該先端面で内輪側スリンガに摺接しているので、外輪回転に伴なう遠心力により副シールリップが弾性変形したとき先端面が内輪側スリンガから浮き上がりやすく、比較的低速回転の状態でもシール性が悪化しやすくなる。特に、河川中を水没しながら走行するような場合においては、走行速度が低くても副シールリップの密閉性が損なわれやすく、周囲に充満する水が軸受中に急速に浸透してしまう不具合につながりやすい。
本発明の課題は、軸受の高密閉性と、高速回転時の低回転トルク化とを両立することができる軸受用シール装置を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明は、内輪非回転、外輪回転で使用されるラジアル軸受のシール装置であって、上記の課題を解決するために、
内外輪間に形成される転動体配置空間の環状の開口をアキシャル方向に遮る形で配置され、ラジアル方向内周縁部が内輪のアキシャル方向端部に相対回転不能に嵌合する金属製の内輪側スリンガと、
内輪側スリンガに対しアキシャル方向内側にアキシャルシール隙間を形成する形で対向配置され、ラジアル方向外周縁部が外輪のアキシャル方向端部に相対回転不能に嵌合するとともに、ラジアル方向内周縁側に内輪のアキシャル方向端部外側に摺接するゴム製の主シールリップが形成され、また、内輪側スリンガとの対向面をアキシャル基面として、該アキシャル基面からアキシャルシール隙間を横断しつつラジアル方向外向きに立ち上がる形で形成され、リップ先端部が内輪側スリンガのアキシャル方向内面に所定のアキシャル方向締め代をもって摺接するゴム製の副シールリップが形成された摺動シール部とを備え、
副シールリップがラジアル方向に積層された複数のゴム層からなり、かつラジアル方向内側に位置するゴム層ほど線膨張係数の小さいゴム材料にて構成されてなることを特徴とする。
上記シール装置の構成においては、外輪の回転に伴なう遠心力により、摺動シール部のアキシャル基面から延出する副シールリップがラジアル方向外向きに(つまり、内輪側スリンガから浮き上がる向きに)弾性変形し、リップ先端部の内輪側スリンガによるアキシャル方向締め代が縮小しようとする。一方、副シールリップは内輪側スリンガとの摺動に伴ない摩擦昇温する。本発明においては、この副シールリップがラジアル方向に積層された複数のゴム層からなり、かつラジアル方向内側に位置するゴム層ほど線膨張係数の小さいゴム材料にて構成したので、摩擦昇温したときバイメタルと同様の原理にて副シールリップのラジアル方向内側が外側に対して相対収縮する形態で湾曲変位する。この湾曲変位は、上記アキシャル方向締め代を増加させる方向に寄与するので、遠心力による該アキシャル方向締め代の縮小を補償でき、ひいては軸受が高速回転する場合においても副シールリップの密閉性を確保できる。
副シールリップを構成する複数のゴム層のうち、ラジアル方向最外側に位置する線膨張係数が最大の層を本体層とし、該本体層よりも線膨張係数が小さい残余の層を補助層としたとき、内輪側スリンガを省略した仮想的な非変形状態においては、アキシャル方向における本体層の先端を補助層の先端よりも内輪側スリンガとの摺接側に突出させる構成にするとよい。これにより、副シールリップのアキシャル方向締め代は本体層により優先的に担われるようになり、補助層への摺動負荷が減じられるので、該補助層の摩耗等を効果的に低減できる。特に、副シールリップのアキシャル方向締め代が本体層にのみ生ずるように該本体層の補助層に対する突出量を調整しておくと、該効果はさらに高められる。
副シールリップの本体層は、主シールリップと同一材質により該主シールリップと一体化することができる。これにより、副シールリップを主シールリップと一括形成でき、製造工程の簡略化に寄与するほか、主シールリップに対する本体層の結合強度も高めることができる。この場合、補助層は本体層に対し、例えばインサート成型等により接着することができる。
副シールリップの補助層は、アキシャル方向において内輪側スリンガに近い側の先端位置を基準位置として、該基準位置からアキシャル方向に、少なくともアキシャル基面まで延びる形で形成しておくと、昇温したときの副シールリップの湾曲変位を確保しやすくなり、ひいては遠心力によるアキシャル方向締め代の縮小を補償する効果が高められる。
副シールリップは、補助層を一層のみ形成する構成が最も単純で安価であり、製造工程の簡略化にも寄与する。ただし、補助層を線膨張係数の異なる複数層に形成することももちろん可能である。
補助層を一層のみ形成する場合、本体層の線膨張係数をα1、補助層の線膨張係数をα2として、α2/α1が0.8以下となるように、それら本体層及び補助層の材質を選定することが、遠心力によるアキシャル方向締め代の縮小を補償する効果を高める観点において望ましい。同様に、副シールリップにおける本体層のラジアル方向厚さをt1、補助層のラジアル方向厚さをt2、t1+t2=t0として、
0.7>t1/t0>0.3
0.7>t2/t0>0.3
を充足するように、t1及びt2の各値が定めておくことが望ましい。
例えば、本体層はニトリルゴム又はアクリルゴムにて構成することができる。特に、耐グリース性、耐熱性及び耐候性に優れている観点から、アクリルゴム(α1=2.2×10−4/℃(ガラス転移点以上での値;以下同じ))を採用することが望ましい。また、ニトリルゴム(α1=2.4×10−4/℃)は、耐熱性はアクリルゴムよりもやや劣るが、より安価であり、本体層の材質として同様に好適である。一方、補助層は、ふっ素ゴム(α2=0.1〜1.0×10−4/℃)、ブチルゴム(α2=1.8×10−4/℃)及びウレタンゴム(α2=1.0〜1.2×10−4/℃)のいずれかにて構成できる。特に、ふっ素ゴムとウレタンゴムは線膨張係数が小さく、上記ニトリルゴム又はアクリルゴムからなる本体層と組み合わせたときに、昇温したときの副シールリップの湾曲変位を確保しやすくなり、ひいては遠心力によるアキシャル方向締め代の縮小を補償する効果が高められる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の軸受用シール装置を適用した軸受の一実施形態を示す断面図である。軸受1は、自動車用のアイドラプーリを回転支持するためのものであり、内輪3が非回転、外輪4が回転となるように使用される複列の深溝玉軸受(ラジアル軸受)として構成されている。転動体をなす玉5,5は、各列にて保持器6,6により周方向配列間隔を規制されつつ、内輪3及び外輪4の間に形成される転動体配置空間15内に配置されている。また、外輪4の外周面にはプーリ20が同心的に嵌着されている。
軸受1には、転動体配置空間15のアキシャル方向両端にそれぞれ現れる環状の各開口15a,15aに軸受用シール装置7,7が設けられている。いずれの側の軸受用シール装置7,7も全く同一の構成であり、その要部は内輪側スリンガ10と摺動シール部8からなる。
図2は、その一方の軸受用シール装置7の詳細を拡大して示す断面図であり、内輪側スリンガ10は、内外輪3,4間に形成される転動体配置空間15の環状の開口15aをアキシャル方向に遮る形で配置され、ラジアル方向内周縁部が内輪3のアキシャル方向端部に相対回転不能に嵌合する。具体的には、内輪側スリンガ10は板厚方向がアキシャル方向と一致するよう内輪3と同心的に配置される環状の本体板10mと、該本体板10mの開口内周縁からアキシャル方向にて内向きに突出する形で一体形成される筒状部10fとを有する。本体板10mの半径方向における途中区間部分は、両端区間部分よりもアキシャル方向内向きに膨出するとともに、内面10aが平坦化された環状の補強膨出部10dとされている。また、内輪3のアキシャル方向端面の外周縁部には、環状の内輪側段差部42が形成されている。内輪側スリンガ10の筒状部10fは該内輪側段差部42の内周面42aに圧入嵌着されている。
次に、摺動シール部8は、内輪側スリンガ10に対しアキシャル方向内側にアキシャルシール隙間17を形成する形で対向配置されている。そのラジアル方向外周縁は外輪4のアキシャル方向端部に相対回転不能に嵌合するとともに、ラジアル方向内周縁側に内輪3のアキシャル方向端部外側に摺接するゴム製の主シールリップ9が形成されている。また、内輪側スリンガ10との対向面をアキシャル基面8bとして、該アキシャル基面8bからアキシャルシール隙間17を横断しつつラジアル方向外向きに斜めに立ち上がる形ゴム製の副シールリップ94が形成され、その先端部が内輪側スリンガ10のアキシャル方向内面10a(前述の補強膨出部10dの内面をなす)に摺接している。
摺動シール部8は、具体的には、板厚方向がアキシャル方向と一致するように配置されるシール芯金81と、該シール芯金81のアキシャル方向外側の板面を覆う弾性高分子材料からなるシール本体8Mとを有する。主シールリップ9はシール芯金81のラジアル方向内周縁よりも該ラジアル方向内向きに延出する形でシール本体8Mと一体形成されている。また、副シールリップ94は、シール本体8Mのアキシャル方向外側面をアキシャル基面8bとする形で該アキシャル基面8bと一体形成されている。
シール芯金81は、板厚方向がアキシャル方向と一致するように配置される環状の本体板81mと、該本体板81mの外周縁からアキシャル方向にて内向きに突出する形で一体形成される筒状壁部81aと、該筒状壁部81aのアキシャル方向端縁からラジアル方向外向きに延出するフランジ部81bとを有する。シール本体8Mの外周縁部は、該筒状壁部81aとフランジ部81bとをくるむ形で方形状断面を有する環状の嵌合リップ8eを形成している。他方、シール芯金81の内周縁側には、アキシャル方向内向きに斜めに曲げ返す形で補強曲げ返し部81cが形成されており、シール本体8Mは補強曲げ返し部81cをくるみつつ、ラジアル方向内向きに延出して主シールリップ9を形成している。
外輪4のアキシャル方向端面の内周縁部は周方向に段付形状に切り欠かれ、環状の外輪側切欠部41が形成されている。嵌合リップ8eは、該外輪側切欠部41の底面41a及び内周面41bにそれぞれ密着する形で圧入嵌着されている。なお、外輪側切欠部41の内周面41bの開放側におけるアキシャル方向端縁部には抜け止めリブ41rが周方向に突出形成され、嵌合リップ8eは、該抜け止めリブ41rを弾性的に乗り越えて外輪側切欠部41内に嵌着される。
主シールリップ9は、シール本体8Mからラジアル方向外側に延びる基部91と、基部91からアキシャル方向内側に延びる内側リップ92を有している。内側リップ92は、ラジアル方向内側の基部91から内輪側段差部42の底面42bに向かって延びて当該底面42bに摺接する内側摺接リップ92aと、内側摺接リップ92aのラジアル方向外側の基部91から内輪側段差部42の底面42bに向かって延びる内側補助リップ92bと、内側補助リップ92bのラジアル方向外側の基部91からアキシャル方向内側に延びるアキシャル方向リップ92cとを有している。外側リップ93は、基部91における内側摺接リップ92aのラジアル方向位置とほぼ同位置でアキシャル方向外側に延びる第一外側リップ93aと、基部91における内側補助リップ92bのラジアル方向位置とほぼ同位置でアキシャル方向外側に延びる第二外側リップ93bとを有している。
内側リップ92は、使用当初においては内側摺接リップ92aのみが内輪側段差部42の底面42bに摺接し、内側補助リップ92bは内輪側段差部42の底面42bに摺接していない構成となっている。該内側補助リップ92bは、軸受1の供用開始後、内側摺接リップ92aが一定量摩耗することで内輪側段差部42の底面42bと摺接状態になる。また、アキシャル方向リップ92cは、内輪3の外周面3aとの間でラビリンスシールを構成している。なお、各シールリップの摺動潤滑を行なうため、内輪側段差部42の底面42bと内輪側スリンガ10の内面10aとにグリースが付着されている。
次に、図3は、副シールリップ94を拡大して示す断面図であり、図4は、その摺接側先端部94tをさらに拡大して示す断面図である。副シールリップ94はラジアル方向に積層された複数のゴム層、具体的にはラジアル方向外側に位置する本体層94xと、同じく内側に位置する補助層94yとの2層からなり、補助層94yが本体層94xよりも線膨張係数の小さいゴム材料にて構成されている。本実施形態にて、本体層94xは、主シールリップ9ととともにニトリルゴムにて一体形成されている。他方、補助層94yはふっ素ゴムにて構成され、本体層94x(ひいては主シールリップ9)とインサート成型により一体化されている。なお、本体層94xはアクリルゴムで構成することも可能であり、補助層94yはウレタンゴムないしブチルゴムで構成することも可能である。本体層94xと補助層94yの特に好ましい材質組み合わせの例を以下に示す。
・ニトリルゴム/ふっ素ゴム
・ニトリルゴム/ウレタンゴム
・アクリルゴム/ふっ素ゴム
・アクリルゴム/ウレタンゴム
上記シール装置7の構成においては、図3の右に破線で示すように、外輪4の回転に伴なう遠心力により、摺動シール部8のアキシャル基面8bから延出する副シールリップ94がラジアル方向外向きに(つまり、内輪側スリンガ10から浮き上がる向きに)弾性変形し、リップ先端部の内輪側スリンガ10によるアキシャル方向締め代が縮小しようとする。一方、副シールリップ94は内輪側スリンガ10との摺動に伴い摩擦昇温する。上記のごとく、副シールリップ94は、ラジアル方向外側に位置する本体層94xをニトリルゴムにより、同じく内側に位置する補助層94yをニトリルゴムよりも線膨張係数の小さいフッ素ゴムにて構成されており、摩擦昇温したときバイメタルと同様の原理にて副シールリップ94のラジアル方向内側が外側に対して相対収縮する形態で湾曲変位する。この湾曲変位は、上記アキシャル方向締め代を増加させる方向に寄与するので、遠心力による該アキシャル方向締め代の縮小を補償でき、ひいては軸受が高速回転する場合においても副シールリップ94の密閉性を確保できる。
図3左に示すように、内輪側スリンガ10を省略した仮想的な非変形状態において、アキシャル方向における本体層94xの先端は、補助層94yの先端よりも内輪側スリンガ10との摺接側に突出して形成されている。これにより、副シールリップ94のアキシャル方向締め代は本体層94xにより優先的に担われるようになり、補助層94yへの摺動負荷が減じられるので、該補助層94yの摩耗等を効果的に低減できる。本体層94xを構成するニトリルゴムと比較して補助層94yのふっ素ゴムは耐摩耗性にやや劣るが、上記の構成により補助層94yの先端部に生ずる締め代を低減することで、補助層94yの摩耗による損傷を大幅に軽減することができる。
本体層94x及び補助層94yは、いずれも先端側から基端側に向けてほぼ均一な厚みを有するように形成されている。本体層94xのラジアル方向厚さをt1、補助層94yのラジアル方向厚さをt2、t1+t2=t0として、
0.7>t1/t0>0.3
0.7>t2/t0>0.3
を充足するように、t1及びt2の各値が定められている。
また、補助層94yは、アキシャル方向において内輪側スリンガ10に近い側の先端位置を基準位置として、該基準位置からアキシャル方向に、少なくともアキシャル基面8bまで延びる形で形成されている。これにより、昇温したときの副シールリップ94の湾曲変位を確保しやすくなり、ひいては遠心力によるアキシャル方向締め代の縮小を補償する効果が高められる。なお、副シールリップ94のアキシャル方向締め代は、本体層94xにのみ生ずるように該本体層94xの補助層94yに対する突出量が定められており、補助層94yの先端面は平坦化され、内輪側スリンガ10に隙間をもって(すなわち、非摺接状態にて)対向している。
なお、図5に示すように、補助層94yは先端側に向かうほど厚みを減ずる形態で形成することも可能である。また、図6に示すように、補助層94yの摩耗が小さくとどめられる範囲であれば、補助層94yの先端部が内輪側スリンガ10に対し、本体層94xよりも小さい締め代にて摺接する構成を採用することも可能である。
さらに、図7に示すように、補助層を2層以上に形成することも可能である。この場合、各層は、ラジアル方向内側に位置するものほど線膨張係数の小さいゴム材料にて構成される。図7では、補助層を第一補助層94yと第二補助層94zとの二層に形成しており、本体層94xをニトリルゴム、第一補助層94yをブチルゴム、第二補助層94zをフッ素ゴムにて構成している。
本発明の軸受用シール装置を適用したアイドラプーリ用軸受の一例を示す断面図。 図1の軸受用シール装置部分を拡大して示す断面図。 図2の軸受用シール装置の副シールリップをさらに拡大し、その作用とともに示す断面図。 副シールリップの第二例を示す拡大断面図。 同じく第三例を示す拡大断面図。 同じく第四例を示す拡大断面図。 同じく第五例を示す拡大断面図。
符号の説明
1 軸受
3 内輪
4 外輪
7 軸受用シール装置
8 摺動シール部
8b アキシャル基面
9 主シールリップ
94 副シールリップ
94x 本体層
94y,94z 補助層
94a ラジアル方向内周面
94a’ 摺接面
94t リップ先端部
10 内輪側スリンガ
15 転動体配置空間
15a 環状の開口
17 アキシャルシール隙間

Claims (4)

  1. 内輪非回転、外輪回転で使用されるラジアル軸受のシール装置であって、
    前記内外輪間に形成される転動体配置空間の環状の開口をアキシャル方向に遮る形で配置され、ラジアル方向内周縁部が前記内輪のアキシャル方向端部に相対回転不能に嵌合する金属製の内輪側スリンガと、
    前記内輪側スリンガに対しアキシャル方向内側にアキシャルシール隙間を形成する形で対向配置され、ラジアル方向外周縁部が前記外輪のアキシャル方向端部に相対回転不能に嵌合するとともに、ラジアル方向内周縁側に前記内輪のアキシャル方向端部外側に摺接するゴム製の主シールリップが形成され、また、前記内輪側スリンガとの対向面をアキシャル基面として、該アキシャル基面から前記アキシャルシール隙間を横断しつつラジアル方向外向きに立ち上がる形で形成され、リップ先端部が前記内輪側スリンガのアキシャル方向内面に所定のアキシャル方向締め代をもって摺接するゴム製の副シールリップが形成された摺動シール部とを備え、
    前記副シールリップがラジアル方向に積層された複数のゴム層からなり、かつラジアル方向内側に位置するゴム層ほど線膨張係数の小さいゴム材料にて構成されてなることを特徴とする軸受用シール装置。
  2. 前記副シールリップにおいて、前記複数のゴム層のうち、ラジアル方向最外側に位置する線膨張係数が最大の層を本体層とし、該本体層よりも線膨張係数が小さい残余の層を補助層として、前記内輪側スリンガを省略した仮想的な非変形状態において、アキシャル方向における前記本体層の先端が前記補助層の先端よりも前記内輪側スリンガとの摺接側に突出してなる請求項1記載の軸受用シール装置。
  3. 前記副シールリップの前記アキシャル方向締め代が前記本体層にのみ生ずるように該本体層の前記補助層に対する突出量が調整されてなる請求項2記載の軸受用シール装置。
  4. 前記本体層がニトリルゴム又はアクリルゴムにて構成され、前記補助層が、ふっ素ゴム、ブチルゴム及びウレタンゴムのいずれかにて構成されてなる請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の軸受用シール装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012014865A (ja) * 2010-06-29 2012-01-19 Fuji Electric Fa Components & Systems Co Ltd 回転形スイッチ
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