JP2008275018A - 転がり軸受のスリンガ構造スリンガ構造を有する密封機構密封機構を備えた転がり軸受 - Google Patents

転がり軸受のスリンガ構造スリンガ構造を有する密封機構密封機構を備えた転がり軸受 Download PDF

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Abstract

【課題】回転輪に嵌合されるスリンガ構造であって、締代を上げたり、コスト高を招いたりすることなく、そのスリンガ構造のクリープ防止を図る。
【解決手段】内輪Irと外輪Orとの間に複数個の転動体Bを組み込んでなる転がり軸受の軸受内部への異物侵入を防止するスリンガ構造Fであって、スリンガ構造Fは、少なくとも、内輪Irに嵌め合わされる突起Tを円周方向に複数個設けた円筒部3と、円筒部3から軸方向に延設される円環部4とからなるスリンガF1と、円筒部3の嵌合面側で一体に配設され、内輪Irとの間で接触のシール領域SA4を形成する弾性部材Rを含んで構成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、回転輪と、固定輪と、これら回転輪と固定輪との間に組み込まれる複数個の転動体とを含む転がり軸受の軸受内部に、水やゴミなどの異物が侵入しないように防止するスリンガ構造、そのスリンガ構造を有する密封機構、およびその密封機構を備えた転がり軸受であって、特にスリンガのクリープを抑制する技術に関する。
昨今、パックシールやエンコーダの普及に伴い、回転輪(例えば内輪やハブ軸など)の外径面に嵌合する円筒部と該円筒部から径方向に延設された円環部からなる断面視略L字形のスリンガ(芯金として用いられる場合も含む。)が用いられている構造が増加している。このスリンガは、軸受内部への水やゴミなどの異物侵入を防止する役割とともに、回転検出機構を構成する磁気エンコーダを取り付ける役割を担っている。
このようなスリンガは、通常、プレス機を用い、ブランキング(打ち抜き)加工、バーリング加工を介して円筒部および円環部が形成されている。しかし、内輪の外径面と嵌合する円筒部の内径面は、素材板厚のばらつきや、プレス型の摩耗などの影響により、スプリングバック量が大きくなったり、ショックラインが発生したりして内径寸法に不安定さがある。
上述のように、スリンガの円筒部の内径寸法が不安定であると、締代が不足し、嵌合力が低下してスリンガがクリープし易くなる。特にホイール軸受などのように大きなモーメント荷重が負荷される軸受ユニットの回転輪に、スリンガを嵌合する場合は、荷重による軌道輪の変形状態が回転位相とともに変化し、よりクリープを発生し易い。そこで、このようなクリープ防止技術の提供が切実に望まれているのが現状である。
例えば、このようなクリープを止めるには嵌合面の締代を上げればよいが、締代を上げるとスリンガの円環部(フランジ部ともいう)の直角度が悪化し、シールの締代や、センサのエアギャップ(円環部に設けられた磁気エンコーダとセンサとの間の隙間)が安定しない状態となり好ましいものではない。
また、不安定さの解消のためには、スリンガの円筒部内径面にシェービング加工を施し、スプリングバックやショックラインを抑制することも考えられるが、精密な超硬型が必要となり、また型の位置や摩耗の管理も厳しくなるためコスト高を招くこととなる。
さらに、シェービング加工を施すと、加工目がアキシアル方向に入るため、その加工目に沿って軸受内に水などが浸入してしまう虞もあった。
そこで、特許文献1には、スリンガF1における円筒部3の内径面D5をゴムなどの弾性体Rで被覆したゴム面を嵌合面とし、かつその嵌合面(ゴム面)に突起(ゴム突起)Tを形成して締代を持たせている技術が開示されている(図6参照)。
しかし、このような突起Tを含む嵌合面(ゴム面)では、負荷荷重が大きい状況下で使用される軸受の場合、それに相応しい嵌合力が得られず、スリンガF1のクリープ防止を図る技術の提供という所期の目的は達成し得ていないものである。
実公平8−3759号公報
本発明は、このような問題を解決するためになされており、その目的は、回転輪に嵌合されるスリンガ構造であって、締代を上げたり、コスト高を招いたりすることなく、そのスリンガ構造のクリープ防止を図ることにある。
このような目的を達成するために、第1の発明は、回転輪と、固定輪と、これら回転輪と固定輪との間に組み込まれる複数個の転動体とで構成された転がり軸受の軸受内部への異物侵入を防止するスリンガ構造であって、スリンガ構造は、少なくとも、回転輪に嵌め合わされる突起を円周方向に複数個設けた円筒部と、該円筒部から軸方向に延設される円環部とからなるスリンガと、前記円筒部の嵌合面側で一体に配設され、回転輪との間で接触のシール領域を形成する弾性部材を含むことを特徴とする転がり軸受のスリンガ構造としたことである。
第2の発明は、第1の発明において、スリンガの円環部にエンコーダが備えられていることを特徴とする転がり軸受のスリンガ構造としたことである。
第3の発明は、第1又は第2の発明のスリンガ構造に、固定輪側に嵌め合わされ、スリンガの円筒部の固定輪対向面側と円環部の軸受内部対向側のいずれか一方若しくは双方との間でシール領域を形成するシール部材を組み込んだことを特徴とする転がり軸受の密封機構としたことである。
第4の発明は、第1乃至第3のいずれかの発明に係るスリンガ構造を構成するスリンガの円筒部に設けられた突起が係合する凹部を回転輪に設けたことを特徴とする転がり軸受としたことである。
第5の発明は、第4の発明において、凹部は、回転輪の軸方向でスリンガの組み込み方向端面まで連続して設けられていることを特徴とする転がり軸受としたことである。
第6の発明は、第4又は第5の発明の転がり軸受が、複列の転がり軸受としたことである。
本発明によれば、回転輪に嵌合されるスリンガ構造であって、締代を上げたり、コスト高を招いたりすることなく、そのスリンガ構造のクリープ防止を図ることができる。
以下、本発明の一実施の形態に係る転がり軸受のスリンガ構造について添付図面を参照して説明する。なお、本実施の形態は、複列の転がり軸受に組み込まれるスリンガ構造について図示説明するが、本発明は、スリンガ構造の改良であるため、特に図示した複列の軸受形式に限定解釈されるものではなく、単列の転がり軸受であってもよく本発明の範囲内で転がり軸受の全般に適用可能である。
図1及び図2は実施例1を示し、本実施例は、それぞれ内径面D2を回転軸に嵌合し、外径面D1に周方向に連続する単一の軌道面1を有する2個の内輪(回転輪)Ir,Irと、外径面D3をハウジングなどに嵌合し、内径面D4に周方向に連続する2本の軌道面2,2を所定間隔をあけて平行に有してなる1個の外輪(固定輪)Orと、これら内輪Irと外輪Orとの間に2列で組み込まれる複数個の玉(転動体)Bとを含む複列のアンギュラ玉軸受(転がり軸受)である。そして、前記内輪Irと外輪Orとの間に、その軸受内部を密封する密封機構Sを備えている。
また、本実施例では転動体として玉Bを例示しているが、本発明の範囲内において、ころを適用することも可能である。
図2は、本実施例の密封機構Sの一例を示し、密封機構Sは、スリンガ構造Fとシール部材S1とで構成されるパックシールに本発明を採用した実施の一例である。
スリンガ構造Fは、内輪Irに嵌め合わされるスリンガF1と、該スリンガF1と内輪Irとの間でシール機能を発揮する弾性部材Rとで構成されている。
スリンガF1は、内輪Irの外径面D1に嵌合される円筒部3と、該円筒部3の一端から径方向に延設された円環部4とで構成されている。
円筒部3は、内輪Irの外径面D1よりも大径の内径面D5を有するとともに、その内径面D5側に、複数個の突起Tを設けて構成されている。
この突起Tは、その先端T1の径D6が内輪Irの外径面D1に所定の締代をもって嵌め合わされるように、内輪Irの外径面D1よりも小径に形成されている。
本実施例において突起Tは、円筒部3の円環部4寄りの領域で、円周方向に等間隔で、かつ同一の突出高さ(それぞれ先端T1の径が、同一径D6をもって形成されている。)をもって複数個凸状に形成されている。本実施例では、図示したように円すい形状に形成されている。
なお、突起Tの配設間隔は本実施例に限定解釈されるものではなく、本発明の範囲内で設計変更可能である。また、突起Tの突出高さ(先端T1の径D6)も本実施例に限定解釈されるものではなく、本発明の範囲内で設計変更可能である。
本実施例では、等間隔に突起Tを配設しているが、等間隔ではない形態も本発明の範囲内である。さらに、本実施例では、周方向に一列で複数個の突起Tを形成しているが、軸方向に副列で形成するものであってもよい。また、本実施例では、突起Tはそれぞれ独立して形成されているが、各突起Tが周方向に連続する突条に形成されるものであってもよい。
円環部4は、円筒部3の一端(軸受外方側の端部)3aから径方向に一体に延設され、その外径4aが、外輪Orの内径面D2と非接触で、その内径面D2との間で所定の隙間をもって配設されるように、前記内径面D2よりも小径に形成されている。
弾性部材Rは、少なくとも前記円筒部3の嵌合面側で加硫成形されて一体に配設され、内輪Irとの間で接触のシール領域SA4を形成している。本実施例では、円筒部3の内径面D5の軸方向略中央位置から円環部非延設側端部(軸受内部側の端部)3cにわたり円筒状に所定厚さをもって備えられるとともに、前記端部3cを外径面D7側にわたって被覆して備えられている。
この場合、弾性部材Rは、円筒部3を内輪Irに嵌め合わせる以前の状態(非圧接状態)で、前記突起Tの先端T1の径D6よりもその内径を小径に形成し、突起Tが内輪Irの外径面D1に嵌め合わされた際に、内輪外径面D1との間で圧接されるように設計される。
なお、各突起T領域を除く円筒部3の内径面D5全領域にわたって弾性部材Rを備えることも本発明の範囲内であって、適宜実施の形態に応じて設計変更可能である。
このように、円筒部3の内径面D5に弾性部材Rを配設することにより、その弾性部材Rが接触のシール領域SA4として機能し、円筒部3と内輪Irとの間からの水、ゴミなどの異物の侵入を防止する。
本実施例では、プレス機を用い、ブランキング(打ち抜き)加工、バーリング加工を介して円筒部3および円環部4からなる断面視略L字形状にスリンガF1を形成する。
そして次に、円筒部3の内径面D5側に、所定のダイを挿入し、円筒部3の外径面D7側から、内径面D5方向に向かって、凸型(矢型)で半抜き状態に押圧して突起Tを形成している。よって、突起Tを形成した外径面D7側の対応位置には円すい状の凹部9が形成される。そして、円筒部3の内径面D5から円環部非延設側端部(軸受内部側の端部)3cを周って外径面D7に至る弾性部材Rを加硫成形により被覆固定する。
シール部材S1は、固定輪Or側に嵌め合わされ、スリンガF1の円筒部3の外径面(固定輪対向面側)D7と円環部4の軸受内部対向面4bとの間でシール領域を形成する第一乃至第三のシールリップL1,L2,L3を備えて構成されている。具体的には、例えば、図2(a)に示すように、円筒部5と、該円筒部5の一端側から延設される円環部6で構成された断面視略L字形状の芯金7と、該芯金7を被覆する弾性部材R2とで構成され、その弾性部材R2の内径側端部R3から断面視略V字形状に分岐し、内向き(軸方向内向き)に延設された円すい状の第一のシールリップ(オイルシールリップ)L1と、外向き(軸方向外向き)に延設された円すい状の第二のシールリップ(ダストシールリップ)L2が、それぞれ一体に形成され、そしてその弾性部材R2の軸受外方に向いた面8から略円すい形状に延設された第三のシールリップ(ダストシールリップ)L3が一体に形成されている。
従って、本実施例では、第一のシールリップL1からなる接触の第一のシール領域SA1と、第二のシールリップL2からなる接触の第二のシール領域SA2と、第三のシールリップL3からなる接触の第三のシール領域SA3、及びスリンガF1の円環部外径4aとシール部材S1との間で非接触の状態で形成されるラビリンスからなるシール領域SA5を備えている。
この場合において、円筒部3の外径面D7と接触する第一のシールリップL1と第二のシールリップL2は、突起Tを内径面D5側に突設した際に円筒部3の外径面D7に設けられる凹部9を避けて摺接するように設計する。
図2(b)は、弾性部材Rの構成において図2(a)と相違している密封機構Sの他の実施の一例である。すなわち、弾性部材Rは、図2(a)では、所定厚さの円筒状に形成されている実施の一例を示したが、本図示例では、例えば円周方向に連続するリップL4が軸方向に複数列形成され、それぞれのリップL4が内輪Irの外径面D1と摺接する実施の一形態である。
リップ形状、リップ長さ(高さ)リップ数などは限定解釈されるものではなく、本発明の範囲内で設計変更可能である。なお、リップL4の突出高さは、突起Tが内輪Irの外径面D1に嵌め合わされた際に、圧接されるように形成される。
また、この図示例では、スリンガF1の円筒部3に形成される突起Tの突設位置が、円筒部3における軸方向中央位置に設計されている点で図2(a)の実施形態と相違する。
さらに、この図示例では、シール部材S1における第一のシールリップL1と第二のシールリップL2の分岐点が、内径側端部R3の位置から、軸受外方側に寄った位置に設計されている点においても図2(a)の実施形態と相違する。なお、第一乃至第三のシールリップL1,L2,L3形状も図2(a)の実施形態と相違するがこのリップ形状に何等限定解釈されるものではない。
その他の構成及び作用効果は図2(a)に開示の実施例と同様であるため同一箇所に同一符号を付してその説明を省略する。
図2(c)は、スリンガF1の円環部4の外面(軸方向外側の面)4cに、例えば車両側に備えられた図示しないセンサとともに回転検出機構を構成する弾性部材からなる磁気エンコーダEを備えた実施の形態である。
この図示例によれば、突起Tは、スリンガF1の円筒部3の円環部非延設側端部(軸受内部側の端部)3c寄りの領域に設計されている点で図2(a)(b)の実施形態と相違する。
また、この図示例の場合、特に円筒部3の内径面D5に弾性部材Rを備えていない。すなわち、本図示例の場合には、磁気エンコーダEの内径E1を、内輪外径面D1よりも小径に形成し、その内径E1を内輪外径面D1に摺接させることにより接触のシール領域SA5を形成している。
その他の構成及び作用効果は図2(a)に開示の実施例と同様であるため同一箇所に同一符号を付してその説明を省略する。
なお、図2(a)(b)の形態のスリンガF1に、この図示例に開示の磁気エンコーダEを配設することも可能で、本発明の範囲内で設計変更可能である。
従って、突起Tを介して内輪Irの外径面D1と小さい面積で嵌め合わせることにより、嵌め合わせ領域の滑りに対する耐性を上げ、スリンガ内径面D5を内輪外径面D1と離間させ、荷重による軌道輪の変形を、図3に示すようにスリンガ内径面D5の突起T,T間の変形(突起T,T間の曲率が変化)で逃がすことにより、クリープ力の発生を防ぐことができる。
これにより、シール部材S1のシールリップ締代の安定が図れ、かつ回転検出機構を備える軸受にあっては、センサと多極磁石エンコーダEとの間の隙間(エアギャップ)の安定化が図れることとなるため、軸受の耐水性向上と回転検出機構のセンサの信号精度の向上に寄与する。
図4及び図5は本発明の実施例2を示す。
本実施例では、車輪支持用のハブユニット軸受に本発明を採用した実施の一例である。
ハブユニット軸受は、図示しない車体側に固定されるフランジ(外輪側フランジ)10を備えるとともに、軌道面2,2が備えられる静止輪(外輪)Orと、図示しない制動部材(ブレーキロータ)及び車輪が取り付けられるフランジ(ハブフランジ)11を備えるとともに、軌道面12aが備えられる回転輪(ハブ軸)12と、該回転輪12の外径に嵌合かつかしめ固定されるとともに、軌道面13aが備えられる別体内輪13と、前記軌道面2,2と軌道面12a及び13aとの間に転動可能に組み込まれる複数個の転動体(玉)B…,B…とを備えて構成されている。
本実施例では、図5(a)及び(b)に示すようにスリンガF1に多極磁石エンコーダEを備えたスリンガ構造Fと、図5(c)に示すようにスリンガ構造Fを含むパックシールが組み込まれた一例を示す。なお、上述したハブユニット軸受の基本的構成は特に限定解釈されるものではなく現在知られている構成でよく、かつスリンガ構造F及びパックシール構造は上述した実施例1と同様であるためここでの詳細は省略し、本実施例では、その特徴的な構成についての説明に留める。また、本実施例はハブユニット軸受に採用した実施の一例であるが、転がり軸受構造の全般に本実施例が適用可能である。
本実施例では、スリンガF1の円筒部13の内径面D5の突起Tと対向する別体内輪13の外径面D1に、該突起Tが係合可能な凹部14を設け、突起Tと凹部14との係合作用によりさらにクリープの抑制効果を高める点にその特徴を有している。
以下、その実施の一例を開示して説明する。
図5(a)は、円筒部3の内径面D5に、周方向で所定間隔をあけて複数個の突起Tを設けたスリンガF1と、該スリンガF1の円環部4の外面(軸方向外側の面)4cに多極磁石エンコーダEを一体に備えたスリンガ構造Fで、その各突起Tがそれぞれ係合可能な複数個の凹部14が、別体内輪13の外径面D1の所定位置に設けられている。
凹部14は、本実施例では、突起Tの円すい形状に対応した円すい形状の凹部形状としている。なお、凹部14の形状、配設数、配設間隔及び軸方向の配設列数などは突起Tとの関係において本発明の範囲内で適宜決定可能である。
なお、本実施例においても、実施例1で開示した弾性部材R(図2(a)や図2(b)にて開示した弾性部材)が円筒部3に一体に備えられ、別体内輪13の外径面D1との間で接触のシール領域を形成しているが、図面ではその弾性部材Rを省略している。なお、本実施例は多極磁石エンコーダEを備えているため、実施例1の図2(c)と同様に、多極磁石エンコーダEの内径E1が別体内輪13の外径面D1に接触して接触のシール領域を形成するものとしてもよく、本発明の範囲内で設計変更可能である。
図5(b)乃至(d)は、本実施例の変形例で、凹部14は、別体内輪13の外径面D1の軸方向でスリンガF1の組み込み方向端面15まで連続して設けられている、いわゆる凹溝形状に形成されている実施の一例である。図5(b)は、突起Tが凹溝形状を有する凹部14に係合している状態を示す概略断面図、図5(c)は図5(b)のC−C線断面図、図5(d)はパックシールを用いた実施の一例を示す断面図である。
凹部14を、このような凹溝形状に形成したのは、スリンガF1を別体内輪13の外径面D1に嵌め合わせる際の突起Tとの位相合わせ容易化のためであり、このような構成を採用することにより、スリンガF1の別体内輪13の外径面D1への嵌め合わせ及び凹部14への突起Tの係合作業が容易かつ確実となる。
別体内輪13の外径面D1に設けられる凹部14のうち、少なくとも一つが、このように凹溝形状に形成されている凹部14であればよい。なお、複数個の凹部、あるいは全ての凹部を、このように凹溝形状に形成してもよい。
なお、このように別体内輪13の外径面D1に形成される凹部14は、熱処理前に鍛造で形成しておけば、内輪は、従来の工程(例えば、鍛造→旋削→熱処理→軌道面と外径の同時研削)を利用して成形できる。
本発明の一実施形態を示す概略断面図である。 本発明の密封機構を拡大して示す実施例で、(a)はスリンガの円筒部内径面と内輪との間の隙間をガスケットタイプのシール部材でシールしている形態の断面図、(b)はスリンガの円筒部内径面と内輪との間の隙間を多数のシールリップを備えたシール部材でシールしている形態の断面図、(c)はスリンガの円環部の外周面に弾性部材を設け、その内径側を内輪の外径面に摺接させている形態の断面図である。 荷重による軌道輪の変形を、スリンガの円筒部における突起間の変形によって逃がしている状態の一部を示す概略断面図である。 本発明の他の実施の一形態を示す概略断面図である。 (a)は、スリンガの突起と、該突起が係合する凹部との関係を拡大して示す断面図、(b)は内輪の軸方向でスリンガの組み込み方向端面まで凹部が連続して設けられている形態の断面図、(c)は(b)のB−B線断面図、(d)は外輪に嵌合されて、スリンガとの間でシール領域を形成するシール部材を組み合わせてなるパックシールとした形態の断面図である。 スリンガの円筒部内径面を弾性部材で被覆し、その弾性部材の嵌合面側に小突起を設けてなる従来技術を示す断面図である。
符号の説明
Ir 回転輪(内輪)
Or 固定輪(外輪)
B 転動体
F スリンガ構造
T 突起
3 円筒部
4 円環部
F1スリンガ
R 弾性部材

Claims (6)

  1. 回転輪と、固定輪と、これら回転輪と固定輪との間に組み込まれる複数個の転動体とで構成された転がり軸受の軸受内部への異物侵入を防止するスリンガ構造であって、
    スリンガ構造は、少なくとも、
    回転輪に嵌め合わされる突起を円周方向に複数個設けた円筒部と、該円筒部から軸方向に延設される円環部とからなるスリンガと、
    前記円筒部の嵌合面側で一体に配設され、回転輪との間で接触のシール領域を形成する弾性部材を含むことを特徴とする転がり軸受のスリンガ構造。
  2. スリンガの円環部に、回転検出機構を構成する磁気エンコーダが備えられていることを特徴とする請求項1に記載の転がり軸受のスリンガ構造。
  3. 請求項1又は2に記載のスリンガ構造に、
    固定輪側に嵌め合わされ、スリンガの円筒部の固定輪対向面側と円環部の軸受内部対向側のいずれか一方若しくは双方との間でシール領域を形成するシール部材を組み込んだことを特徴とする転がり軸受の密封機構。
  4. 請求項1乃至3に記載のスリンガ構造を構成するスリンガの円筒部に設けられた突起が係合する凹部を回転輪に設けたことを特徴とする転がり軸受。
  5. 凹部は、回転輪の軸方向でスリンガの組み込み方向端面まで連続して設けられていることを特徴とする請求項4に記載の転がり軸受。
  6. 複列の転がり軸受であることを特徴とする請求項4又は5に記載の転がり軸受。
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