JP4853413B2 - シール構造及び軸受ユニット - Google Patents

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Description

本発明は、軸受内部を軸受外部から密封するシール構、及び当該シール構造を用いた軸受ユニットに関する。
従来、自動車や鉄道などの各種車両や他の各種装置には、その回転軸を回転自在に支持する軸受が用いられており、当該軸受には、軸受内部を軸受外部から密封するためのシール構造が設けられている。一例として図3には、シール構造としてパックシール2を用いた軸受の構成が示されている。当該軸受は、相対回転可能に対向配置された内輪4及び外輪6と、内外輪4,6間に転動自在に組み込まれた複数の転動体8とを備えており、パックシール2は、転動体8の両側(片側のみ図示する)の内外輪4,6間に設けられている。
なお、図面では、転動体として“玉”を例示しているが、“ころ”が用いられる場合がある。また、図面では、各転動体を保持する保持器を省略したが、例えば冠形保持器や波形保持器など各種の保持器が用いられる場合がある。更に、図面は、内輪4を回転輪、外輪6を静止輪とした内輪回転軸受にパックシールを用いた場合を想定しているが、これとは逆に、内輪4を静止輪、外輪6を回転輪とした外輪回転軸受にパックシールが用いられる場合がある。なお、外輪回転軸受の場合、後述するパックシール2を天地反転させて内外輪間に組み込めば良い。即ち、スリンガ10を外輪(回転輪)6に固定し、シール本体12を内輪(静止輪)4に固定すれば良い。
内輪回転軸受において、パックシール2は、内輪(回転輪)4に嵌合して固定される環状のスリンガ10と、スリンガ10に対向し且つ外輪(静止輪)6に嵌合して固定される環状のシール本体12とを備えている。なお、図面では、シール本体12は、スリンガ10よりも軸受内部側に配置されている。
ここで、シール本体12は、外輪6に固定される円筒状のシール固定部12aと、シール固定部12aの軸受内部側から内輪4に向けて断面略L字状に折り返され、当該内輪4に対して非接触状態に位置決めされる円板状のシール円板部12bとを備えており、シール固定部12aの軸受外部側には、軸受外部に露出した円環状のシール周端面12sが形成されている。具体的には、シール本体12は、環状を成す芯金14の内周面(スリンガ10に対向する面)に弾性材16を付加して構成されており、弾性材16には、例えば3つのシールリップ16a,16b,16cがスリンガ10に向けて一体成形されている。
この場合、シール本体12のシール固定部12aにおいて、芯金14は、外輪6に嵌合される円筒状の芯金円筒部14aを有しており、一方、シール本体12のシール円板部12bにおいて、芯金14は、芯金円筒部14aの軸受内部側から内輪4に向けて断面略L字状に折り返され、当該内輪4に対して非接触状態に位置決めされる円板状の芯金円板部14bを有している。
また、スリンガ10は、内輪4に固定(嵌合)される円筒状のスリンガ固定部10aと、スリンガ固定部10aの軸受外部側から外輪6に向けて断面略L字状に折り返され、当該外輪6に対して非接触状態に位置決めされる円板状のスリンガ円板部10bとを備えて構成されている。この構成において、弾性材16に成形された各シールリップ16a,16b,16cのうち、例えば2つのシールリップ16a,16bがスリンガ10の環状スリンガ面M1,M2に対して常に摺接した状態に位置決めされ、残りのシールリップ16cと環状スリンガ面M2との間にラビリンスが構成されている。なお、一方の環状スリンガ面M1は、スリンガ円板部10bの内周(シール本体に対向する周面)に形成されており、他方の環状スリンガ面M2は、スリンガ固定部10aの内周(シール本体に対向する周面)に形成されている。
この場合、内外輪4,6が相対回転する間又は非回転状態において、例えば2つのシールリップ16a,16bが環状スリンガ面M1,M2に対して常に摺接しつつ、残りのシールリップ16cと環状スリンガ面M2との間にラビリンスが構成維持される。これにより、軸受内部を軸受外部から密封することができるため、軸受外部への潤滑剤の漏洩防止や軸受内部への異物(例えば、水、塵埃)の浸入防止を図ることができる。なお、弾性材16としては、例えばゴムやエラストマーなどの各種弾性材を適用することができる。また、当該弾性材16を芯金14の内周面に付加する方法としては、例えば加硫、焼き付け、接着などにより付加することができる。
また、上述したようなパックシール2は、シール製造工場から複数積み重ねられた状態で出荷された後、軸受組立工場において既存の定配装置で1つずつ切り出されて軸受に圧入されている。ところで、この切り出しの際、パックシール2を構成するスリンガ10とシール本体12とが互いに分離してしまう場合がある。そこで、分離対策が講じられた種々のパックシールが提案されている(例えば、特許文献1)。
一例として図3に示されたパックシール2では、シール本体12のシール周端面12sにおいて、弾性材16の一部をスリンガ10に向けて周方向に連続して突出させた環状のシール係合部12cが設けられていると共に、スリンガ10のスリンガ円板部10bにおいて、その外径側の一部をシール係合部12cの内側に向けて屈曲させたスリンガ屈曲部10cが設けられている。これによれば、スリンガ10とシール本体12とを組み合わせた状態において、シール係合部12cとスリンガ屈曲部10cとが互いに係合するため、スリンガ10とシール本体12との分離防止を図ることができる。
しかしながら、シール係合部12cを環状に連続して突出させると、パックシール2内に浸入した例えば水が当該シール係合部12cで堰き止められて、外部に排出されなくなってしまう虞がある。そうなると、パックシール2の密封性能を一定に維持することが困難になってしまう場合がある。また、弾性材16によってシールリップ16a,16b,16cと共にシール係合部12cを一体成形した場合には、完成品を成形型から外す際に無理抜きが必要となり、その際の引き抜き力の程度によっては、完成品が損傷したり破損して歩留まりが低下してしまう場合がある。更に、スリンガ屈曲部10cをスリンガ10の外径側に形成する工程は、手間がかかり面倒であり、そのために要するコストも上昇してしまう虞がある。そうなると、パックシール2の製造コストが上昇してしまう場合がある。
特開2002−206550号公報
本発明は、このような問題を解決するためになされており、その目的は、排水性に優れ且つ歩留まりの高い低コストのシール構造及びこれを用いた軸受ユニットを提供することにある。
このような目的を達成するために、本発明は、相対回転可能に対向配置された軌道輪間に装着可能であり、一方の軌道輪に固定される環状のスリンガと、当該スリンガに対向して他方の軌道輪に固定される環状のシール本体とを備えるシール構造であって、シール本体には、スリンガに対向する面の少なくとも一部に、所定の高低差を有する第1段差部と第2段差部とが設けられており、第1段差部は、当該シール構造を軌道輪間に装着した状態において、スリンガに対して非接触となる位置関係に設定され、且つ、第2段差部は、当該シール構造を軌道輪間に装着しない状態において、スリンガに対して少なくとも一部嵌合可能な位置関係に設定されており、当該第2段差部にスリンガを嵌合させることで、当該スリンガとシール本体とを互いに一体的に組み合わせた状態に維持可能である。
本発明において、シール本体は、他方の軌道輪に固定される円筒状のシール固定部と、シール固定部からスリンガに向けて折り返されて延出した円板状のシール円板部とを備えていると共に、スリンガは、一方の軌道輪に固定される円筒状のスリンガ固定部と、スリンガ固定部からシール本体のシール固定部に向けて折り返され且つ所定の幅寸法で延出した円板状のスリンガ円板部とを備えており、第1段差部及び第2段差部は、シール本体のシール固定部に設けられ、且つ、第1段差部の幅寸法は、スリンガのスリンガ円板部の幅寸法よりも幅広に設定されている。
この場合、シール本体の第2段差部にスリンガを嵌合させた状態において、シール円板部に対するスリンガ固定部の突出量は、スリンガ円板部に対するシール固定部の突出量よりも大きく設定されている。
また、本発明は、上記シール構造を用いた軸受ユニットであって、車体側構成品に固定されて常時非回転状態に維持される静止輪と、静止輪に対向して設けられ且つ車輪側構成品に接続されて共に回転する回転輪と、静止輪と回転輪との間に回転可能に組み込まれた複数の転動体とを備えており、前記シール構造は、静止輪と回転輪の間に装着される。
本発明によれば、排水性に優れ且つ歩留まりの高い低コストのシール構造及びこれを用いた軸受ユニットを実現することができる。
以下、本発明の一実施の形態に係るシール構造について添付図面を参照して説明する。
なお、本実施の形態は、図3に示したシール構造(パックシール2)の改良であるため、以下、改良部分の説明にとどめる。この場合、上記シール構造(図3)と同一の構成については、その構成に付された参照符号と同一の参照符号を本実施の形態で用いる図面上に付すことにより、その説明を省略する。
図1(a),(b)に示すように、本実施の形態のパックシール2において、シール本体12のシール円板部12bは、シール固定部12aの軸受内部側からスリンガ10のスリンガ固定部10aに向けて折り返されて延出している。一方、スリンガ10のスリンガ円板部10bは、スリンガ固定部10aの軸受外部側からシール本体12のシール固定部12aに向けて折り返され且つ所定の幅寸法W1で延出している。
また、シール固定部12aには、スリンガ10に対向する面の少なくとも一部に、所定の高低差を有する第1段差部P1と第2段差部P2とが設けられている。この場合、第1段差部P1及び第2段差部P2は、円筒状のシール固定部12aの内周に沿って周方向に連続した円環状を成しており、第1段差部P1の直径(内径)は、第2段差部P2の直径(内径)よりも大きく設定されている。
ここで、パックシール2を内外輪4,6間に装着した状態において、シール固定部12aに向けて折り返されたスリンガ円板部10bは、その延出端10t(図1(b))がシール固定部12aのシール周端面12sに隣接する部位に向けて延出し且つ対向している。そして、かかる状態において、第1段差部P1は、スリンガ円板部10bの延出端10tに対して非接触となる位置関係に設定されている。この場合、第1段差部P1は、延出端10tに対向する部位を周方向に沿って連続して窪ませて形成されている。
本実施の形態では、スリンガ円板部10bの延出端10tが対向しているシール固定部12aのシール周端面12sにおいて、芯金14の芯金円筒部14aの軸受外部端14sと、芯金14の内周面に付加された弾性材16の軸受外部端16sとが同一平面上に位置付けられている。この場合、第1段差部P1は、弾性材16の軸受外部端16sを含んだ部位を周方向に沿って連続して窪ませて形成されている。
ここで、第1段差部P1の窪ませ量としての直径(内径)は、スリンガ円板部10bの延出端10tの延出量としての直径(外径)よりも大きく設定されている。また、第1段差部P1の幅寸法W2(図1(b))は、スリンガ円板部10bの延出端10tの幅寸法W1よりも幅広(W2>W1)に設定されている。なお、第1段差部P1の直径(内径)は、延出端10tの直径(外径)に応じて任意に設定されるため、ここでは特に数値限定しない。また、第1段差部P1の幅寸法W2は、スリンガ円板部10bの延出端10tの肉厚に応じて任意に設定されるため、ここでは特に数値限定しない。
これにより、パックシール2を内外輪4,6間に装着した状態において、第1段差部P1をスリンガ円板部10bの延出端10tに対して非接触となる位置関係に設定することができる。このとき、第1段差部P1とスリンガ10の延出端10tとの間には、所定量のすきまGが構成される。この場合、すきまGの間隙量については、第1段差部P1と延出端10tが常に干渉しない程度に設定すれば良いが、外的負荷による軸受(内外輪4,6)の位置ズレ量や変形量などを考慮して設定することが好ましい。この結果、軸受回転中のみならず軸受停止状態において、スリンガ10とシール本体12とを常に非接触状態に維持することができる。なお、すきまGの間隙量を小さく設定することで、スリンガ10とシール本体12との間にラビリンスが構成され、パックシール2の密封性能を向上させることができることは言うまでもない。
また、本実施の形態のパックシール2には、上述した第1段差部P1に加えて、更に第2段差部P2が設けられており、当該第2段差部P2は、パックシール2を内外輪4,6間に装着しない状態において、スリンガ10に対して少なくとも一部嵌合可能な位置関係に設定されている。この場合、第2段差部P2は、第1段差部P1よりも周方向に沿って連続的に出っ張らせて形成されていると共に、当該第2段差部P2の直径(内径)は、スリンガ円板部10bの延出端10tの延出量としての直径(外径)よりも若干小さく設定されている。これにより、図1(c)に示すように、当該第2段差部P2にスリンガ10の延出端10t全周を嵌合させることで、当該スリンガ10とシール本体12とを互いに分離させること無く且つ一体的に組み合わせた状態に維持することができる。
なお、第2段差部P2の出っ張り量としての直径(内径)は、延出端10tの直径(外径)に応じて任意に設定されるため、ここでは特に数値限定しない。この場合、当該第2段差部P2とスリンガ10の延出端10tとの間の締め代は、第2段差部P2にスリンガ10の延出端10t全周を嵌合させた際に、スリンガ10とシール本体12とが容易に分離しない程度の嵌合力となるように設定することが好ましい。なお、当該嵌合力は、例えばスリンガ10及びシール本体12の大きさや形状などに応じて任意に設定されるため、ここでは特に数値限定しない。また、図面では、シール本体12のシール固定部12aにおいて、第2段差部P2を含めた弾性材16全体を第1段差部P1よりも同程度に出っ張らせて形成しているが、第2段差部P2のみを他の部分よりも出っ張らせて形成しても良い。
以上、本実施の形態によれば、シール本体12のシール固定部12aにおいて、第2段差部P2の直径(内径)を第1段差部P1の直径(内径)をよりも小さく設定し、当該第2段差部P2にスリンガ10の延出端10tを嵌合させて、スリンガ10とシール本体12とを互いに一体的に組み合わせるようにしたことにより、従来のようなスリンガ10に向けて環状に突出する部分(図3に示すシール係合部12c)を無くすることができる。この場合、パックシール2内に浸入した例えば水は、従来のように堰き止められることは無く、その全てが第2段差部P2から第1段差部P1を介して効率良く外部に排出される。これにより、密封性能を長期に亘って一定に維持することが可能な排水性に優れたパックシール2を実現することができる。
また、本実施の形態によれば、第1段差部P1の直径(内径)を第2段差部P2の直径(内径)よりも大きく設定したことにより、弾性材16でシールリップ16a,16b,16cと共に第1段差部P1及び第2段差部P2を一体成形した場合、その完成品を成形型から外す際に無理抜きが不要となり、小さな引き抜き力で完成品を成形型から取り外すことができる。これにより、完成品を損傷させたり破損させること無く安全に成形型から引き抜くことが可能となり、その結果、歩留まりを高くすることができる。
更に、本実施の形態によれば、第1段差部P1及び第2段差部P2は、弾性材16によってシールリップ16a,16b,16cと共に一体成形することができる。この場合、かかる成形プロセスは、手間もかからず簡単であるため、それに要するコストを従来に比べて大幅に抑えることができる。この結果、パックシール2の製造コストを従来に比べて大幅に低減させることができる。
また、上述した効果に加えて、本実施の形態のパックシール2では、図1(c)に示すように、スリンガ円板部10bの延出端10tをシール固定部12aの第2段差部P2に嵌合して、スリンガ10とシール本体12とを互いに一体的に組み合わせた状態において、シール円板部12bに対するスリンガ固定部10aの突出量L1は、スリンガ円板部10bに対するシール固定部12aの突出量L2よりも大きく(L1>L2)設定されている。ここで、突出量L1は、シール円板部12bの軸受内部側周面12mとスリンガ固定部10aの軸受内部側のスリンガ周端面10sとの間の距離として規定され、一方、突出量L2は、スリンガ円板部10bの軸受外部側周面10mとシール固定部12aの軸受外部側のシール周端面12sとの間の距離として規定される。
この場合、図2(a)に示すように、スリンガ10とシール本体12とを互いに嵌合して一体的に組み合わせたパックシール2は、これを複数積み重ねた状態でシール製造工場から出荷されることになるが、上述した設定(L1>L2)によれば、積み重ねられた複数のパックシール2は、スリンガ10(スリンガ固定部10a)のスリンガ周端面10sのみが下方に隣接したパックシール2のスリンガ10(スリンガ固定部10a)に当接する。このとき、複数積み重ねられたパックシール2の荷重は、スリンガ固定部10aのスリンガ周端面10sを介して下方のスリンガ固定部10aのみに作用することになる。
この状態において、スリンガ固定部10aは、パックシール2の積み重ね方向に沿って円筒状に立ち上げられ、当該方向に沿った荷重に対して高い剛性を発揮する配置構成を成している。従って、出荷時に積み重ねられた各パックシール2の荷重は、全て、その下方に隣接したスリンガ10のスリンガ固定部10aで堅牢に受け止められることになる。これにより、各スリンガ10が変形したり破損したりすることが防止され、その結果、積み重ねられた複数のパックシール2を安全確実に出荷することができる。
また、このようにパックシール2を複数積み重ねた状態において、シール本体12のシール周端面12sと上方に隣接したパックシール2との間には、周方向に沿って連続した隙間Hが構成されている。この場合、シール製造工場から複数積み重ねた状態で出荷されたパックシール2は、続いて、軸受組立工場において既存の定配装置18で1つずつ切り出されて軸受に圧入されることになる。このとき、図中点線で示した状態にある定配装置18を図中実線で示した状態に回動させて、パックシール2相互の隙間Hに入り込ませることにより、図中点線で示した状態の定配装置18で保持されていた1つのパックシール2を他のパックシール2から切り出すことができる。
この切り出しプロセスの間において、第2段差部P2とスリンガ10の延出端10tとは互いに嵌合した状態に維持されるため、スリンガ10とシール本体12とを互いに分離させること無く且つ一体的に組み合わされた状態でパックシール2を切り出すことができる。これにより、軸受に対してパックシール2を高精度に位置決めして圧入することができる。
なお、図2(a)には、軸受の回転検出用のエンコーダが付いていないパックシール2を例示しているが、これに代えて、例えば図2(b)に示すように、スリンガ10の軸受外部側周面10mにエンコーダ20が取り付けられたパックシール2を複数積み重ねた場合でも上記同様の効果を実現することができる。この場合、上方に隣接したパックシール2の芯金14に対してエンコーダ20を常に非接触となる位置に維持することができるため、エンコーダ20を変形させたり破損させたりすること無く、パックシール2の出荷及び切り出しを行うことができる。これにより、軸受の回転検出精度の高いパックシール2を提供することが可能となる。
また、上述した実施の形態では、弾性材16に対して第1段差部P1及び第2段差部P2を直接一体成形する場合を示したが、これに代わる変形例として、例えば図1(d)に示すように、芯金14の芯金円筒部14aにおいて、軸受外部端14sよりも手前側の部分を一部内方に向けて周方向に沿って屈曲させた屈曲部14rを形成し、その内周に弾性材16を付加して第1段差部P1及び第2段差部P2を形成しても良い。この場合、屈曲部14rの屈曲量や弾性材16の付加量は、スリンガ10(スリンガ円板部10b)の延出端10tの直径(外径)に応じて任意に設定されるため、ここでは特に数値限定しない。
また、上述した実施の形態では、図面上、第2段差部P2にスリンガ10の延出端10t全周を嵌合させる場合を想定して説明したが、これに代わる変形例として、例えば図1(e),(f)に示すように、第2段差部P2に沿って周方向に所定間隔(例えば、等間隔)で窪ませた複数の凹部22を形成しても良い。この場合、各凹部22は、弾性材16を一部窪ませて形成すれば良いが、その際の窪ませ量(深さ)や窪ませ幅は、例えば芯金14(芯金円筒部14a)の内周面に付加した弾性材16の厚さや幅、当該第2段差部P2に嵌合するスリンガ10の延出端10tの幅寸法W1(図1(b))などに応じて任意に設定されるため、ここでは特に数値限定しない。
また、各凹部22の平面及び断面の形状として、同図(e)の凹部22は、矩形状の平面で且つ半円状の断面を成し、一方、同図(f)の凹部22は、半楕円状の平面及び断面を成しているが、これに限定されることは無く、例えば三角形状の平面及び断面を成して各凹部22を形成しても良いし、或いは、円形の平面で且つ半円状の断面を成して各凹部22を形成しても良い。要するに、スリンガ10の延出端10と第2段差部P2とが複数箇所に亘って嵌合すれば、任意の形状の凹部22を形成することが可能である。
このように、複数の凹部22を形成することにより、その分だけシール本体12の軽量化を図ることができる。これにより、出荷時に複数積み重ねられたパックシール2の全重量を軽くすることができるため、出荷効率を向上させることができる。更に、複数の凹部22が形成された第2段差部P2は、その弾性が向上し、嵌合時にスリンガ10の延出端10tの形状に応じて柔軟に弾性変形する。これにより、第2段差部P2に対してスリンガ10の延出端10tをスムーズに嵌合させることができる。このとき、第2段差部P2に対してスリンガ10の延出端10tが複数箇所に亘って嵌合することになるが、その嵌合力が低下することは無い。
また、上述した実施の形態では、内輪4を回転輪、外輪6を静止輪とした内輪回転軸受にパックシール2を用いた場合を想定して説明したが、これとは逆に、内輪4を静止輪、外輪6を回転輪とした外輪回転軸受にも、本実施の形態のシール構造(パックシール2)を適用することができる。この場合、パックシール2を天地反転させて内外輪4,6間に組み込めば良い。即ち、スリンガ10を外輪(回転輪)6に固定し、シール本体12を内輪(静止輪)4に固定すれば良い。
また、上述した実施の形態のシール構造(パックシール2)は、玉軸受やころ軸受のみならず、自動車や鉄道などの各種車両の車軸を回転自在に支持する軸受ユニットにも適用することができる。この場合、当該軸受ユニットは、特に図示しないが、車体側構成品(例えば、ナックル)に固定されて常時非回転状態に維持される静止輪と、静止輪に対向して設けられ且つ車輪側構成品(例えば、車輪)に接続されて共に回転する回転輪と、静止輪と回転輪との間に回転可能に組み込まれた複数の転動体とを備えており、本実施の形態のシール構造は、静止輪と回転輪の間に装着される。
(a)は、本発明の一実施の形態に係るシール構造を用いた軸受の構成を一部拡大して示す断面図、(b)は、同図(a)の領域Rの構成を拡大して示す断面図、(c)は、同図(a)のシール構造の出荷時における仕様を示す断面図、(d)は、本発明の変形例に係るシール構造の構成を一部拡大して示す断面図、(e)は、本発明の変形例に係るシール構造の構成を一部拡大して示す断面図、(f)は、本発明の変形例に係るシール構造の構成を一部拡大して示す断面図。 (a)は、複数積み重ねられたパックシールを定配装置で1つずつ切り出している状態を示す断面図、(b)は、複数積み重ねられたエンコーダ付きのパックシールを定配装置で1つずつ切り出している状態を示す断面図。 従来のシール構造を用いた軸受の構成を一部拡大して示す断面図。
符号の説明
2 パックシール(シール構造)
4 内輪
6 外輪
10 スリンガ
12 シール本体
P1 第1段差部
P2 第2段差部

Claims (4)

  1. 相対回転可能に対向配置された軌道輪間に装着可能であり、一方の軌道輪に固定される環状のスリンガと、当該スリンガに対向して他方の軌道輪に固定される環状のシール本体とを備えるシール構造であって、
    シール本体には、スリンガに対向する面の少なくとも一部に、所定の高低差を有する第1段差部と第2段差部とが設けられており、
    第1段差部は、当該シール構造を軌道輪間に装着した状態において、スリンガに対して非接触となる位置関係に設定され、且つ、第2段差部は、当該シール構造を軌道輪間に装着しない状態において、スリンガに対して少なくとも一部嵌合可能な位置関係に設定されており、当該第2段差部にスリンガを嵌合させることで、当該スリンガとシール本体とを互いに一体的に組み合わせた状態に維持可能であることを特徴とするシール構造。
  2. シール本体は、他方の軌道輪に固定される円筒状のシール固定部と、シール固定部からスリンガに向けて折り返されて延出した円板状のシール円板部とを備えていると共に、
    スリンガは、一方の軌道輪に固定される円筒状のスリンガ固定部と、スリンガ固定部からシール本体のシール固定部に向けて折り返され且つ所定の幅寸法で延出した円板状のスリンガ円板部とを備えており、
    第1段差部及び第2段差部は、シール本体のシール固定部に設けられ、且つ、第1段差部の幅寸法は、スリンガのスリンガ円板部の幅寸法よりも幅広に設定されていることを特徴とする請求項1に記載のシール構造。
  3. シール本体の第2段差部にスリンガを嵌合させた状態において、シール円板部に対するスリンガ固定部の突出量は、スリンガ円板部に対するシール固定部の突出量よりも大きく設定されていることを特徴とする請求項2に記載のシール構造。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のシール構造を用いた軸受ユニットであって、
    車体側構成品に固定されて常時非回転状態に維持される静止輪と、静止輪に対向して設けられ且つ車輪側構成品に接続されて共に回転する回転輪と、静止輪と回転輪との間に回転可能に組み込まれた複数の転動体とを備えており、
    前記シール構造は、静止輪と回転輪の間に装着されることを特徴とする軸受ユニット。
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