JP4719977B2 - 転がり軸受用密封装置とその搬送方法並びに組み付け方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明に係る転がり軸受用密封装置とその搬送方法並びに組み付け方法は、例えば自動車用車輪の支持装置、或は各種産業機械装置等の回転支持部に組み込む転がり軸受の密封装置とその搬送方法並びに組み付け方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種機械装置の回転支持部に、玉軸受、ころ軸受、円すいころ軸受等の転がり軸受が組み込まれている。この様な転がり軸受には密封装置を組み込んで、この転がり軸受の内部に封入したグリースが外部に漏洩する事を防止したり、或は外部に存在する雨水、泥水、塵等の各種異物が転がり軸受の内部に入り込む事を防止している。図3は、この様な目的で転がり軸受の端部開口に装着した密封装置の従来構造の1例を示している。
【0003】
この図3に示した従来構造の1例は、実開平3−121224号公報に記載されたもので、芯金1と、スリンガ2と、シール材3とから成る。このうちの芯金1は、転がり軸受を構成する外輪4の端部内周面に内嵌固定自在な外径側円筒部5と、この外径側円筒部5の軸方向内端縁(転がり軸受の軸方向中央寄り端縁で、図3の左端縁)から直径方向内方に折れ曲がった内側円輪部6を備えた、断面L字形で全体を円環状としている。又、上記スリンガ2は、上記転がり軸受を構成する内輪7の端部外周面に外嵌固定自在な内径側円筒部8と、この内径側円筒部8の軸方向外端縁(転がり軸受の軸方向開口寄り端縁で、図3の右端縁)から直径方向外方に折れ曲がった外側円輪部9とを備えた、断面L字形で全体を円環状としている。又、上記シール材3は、ゴムの如きエラストマー等の弾性材により造られて、外側、中間、内側の3本のシールリップ10〜12を備え、上記芯金1にその基端部を結合固定している。そして、最も外側に位置する外側シールリップ10の先端縁を上記スリンガ2を構成する外側円輪部9の内側面に摺接させ、残り2本のシールリップである中間シールリップ11及び内側シールリップ12の先端縁を、上記スリンガ2を構成する内径側円筒部8の外周面に摺接させている。
【0004】
この様な従来の密封装置は、シール材3に設けた各シールリップ10〜12の先端縁とスリンガ2とを摺接させる事により、転がり軸受の端部開口を塞ぐ。そして、この転がり軸受の内部に封入したグリースが外部に漏洩する事を防止すると共に、外部に存在する雨水、泥水、塵等の各種異物が転がり軸受の内部に入り込む事を防止する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述の様な従来の密封装置の場合、転がり軸受に組み込む以前にこの密封装置を搬送する事が面倒である。即ち、この密封装置の製造メーカー(密封装置の製造部所)から転がり軸受の製造メーカー(密封装置を転がり軸受に組み込む部所)に上記密封装置を搬送する場合に、次の様な面倒が生じていた。
【0006】
先ず、芯金1とシール材3とを結合固定して成るシール側部材1、3とスリンガ2とを、それぞれ別々の搬送ケースに入れて搬送する場合には、この搬送ケース内にこのシール側部材1、3を密に入れる事が難しい。即ち、この搬送ケースにこのシール側部材1、3を入れる場合に、このシール側部材1、3をただ単に重ねるだけだと、このシール側部材1、3を構成するシール材3、特にこのシール材3に設けたシールリップ10〜12が、隣り合う他のシール側部材1、3の芯金1と擦れ合って損傷したり、この芯金1に押されて変形する可能性がある。この様な各シールリップ10〜12の損傷や変形は、シール性を低下させるだけでなく耐久性も低下させる等、好ましくない。従って、上記各シール側部材1、3同士の間に仕切り板等を入れる事により、上記シール材3に設けた各シールリップ10〜12に、他の部材が接触したり荷重が加わらない様にする必要がある。この結果、この仕切り板等を入れる分だけシール側部材1、3を入れる空間が減少すると共に、この仕切り板等を上記シール側部材1、3と共に搬送する無駄な作業が避けられない。
【0007】
これに対して、上記シール側部材1、3と上記スリンガ2とを組み合わせた状態で搬送ケースに入れて搬送する場合には、上述の様な仕切り板等を入れなくても、上記各シールリップ10〜12が損傷したり変形する事を低減できるが、次の様な不都合が生じる可能性がある。即ち、上記シール側部材1、3とスリンガ2とを組み合わせた状態で上記搬送ケース内に詰め込む際に、これらシール側部材1、3とスリンガ2とを組み合わせた状態のままにしておく事が難しい。即ち、上記シール側部材1、3と上記スリンガ2とを組み合わせると、上記シール材3に設けたシールリップ10の弾性力で、このシール側部材1、3とスリンガ2とが軸方向に分離しようとする。この為、これらシール側部材1、3とスリンガ2とを上記搬送ケース内に詰め込む際に、これらシール側部材1、3とスリンガ2とが分離しない様に絶えず手を添える等の必要があり、詰め込み作業が面倒になる。しかも、上記搬送ケース内で上記シール側部材1、3とスリンガ2とが分離した場合には、この搬送ケース内にこれらシール側部材1、3とスリンガ2とを密に入れる事も難しくなる。
更に、何れの場合でも、上記シール側部材1、3とスリンガ2とを、転がり軸受を構成する外輪4の端部内周面と内輪7の端部外周面との間に組み付ける作業が面倒になる。
本発明の転がり軸受用密封装置とその搬送方法並びに組み付け方法は、上述の様な不都合を何れも解消するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の転がり軸受用密封装置とその搬送方法並びに組み付け方法のうち、請求項1に記載した転がり軸受用密封装置は、外輪の内周面に設けた外輪軌道と内輪の外周面に設けた内輪軌道との間に複数個の転動体を設けて上記外輪と内輪との相対回転を自在とした転がり軸受に組み込み、上記外輪の端部内周面と上記内輪の端部外周面との間を塞ぐものである。
【0009】
この様な請求項1に記載した転がり軸受用密封装置は、前述の図3に示した従来構造と同様に、芯金と、スリンガと、シール材とから成る。
このうちの芯金は、上記外輪の端部内周面に内嵌固定自在な外径側円筒部及びこの外径側円筒部の軸方向一端縁から直径方向内方に折れ曲がった内側円輪部を備え、全体を円環状としている。
又、上記スリンガは、上記内輪の端部外周面に外嵌固定自在な内径側円筒部及びこの内径側円筒部の軸方向他端縁から直径方向外方に折れ曲がった外側円輪部を備え、全体を円環状としている。
又、上記シール材は、弾性材により造られて少なくとも1本のシールリップを有し、上記芯金にその基端部を結合固定している。
そして、上記シールリップの先端縁を、上記スリンガを構成する外側円輪部の内側面に摺接させる。
【0010】
特に、請求項1に記載した転がり軸受用密封装置に於いては、上記スリンガを構成する外側円輪部の外周縁寄り部分が、軸方向一端側に全周に亙り断面クランク形に折り曲げられている。又、上記スリンガを構成する外側円輪部の側面にその先端縁を摺接させる為の上記シールリップの弾性力に基づいて、上記転がり軸受への組み込み以前の状態で、上記スリンガが軸方向に、且つ、上記芯金から離れる方向に変位しようとする事を阻止すべく、上記シール材の円周方向等間隔の複数個所に、上記スリンガを構成する外側円輪部の外周縁の少なくとも一部と、上記シールリップの先端縁がこの外側円輪部の内側面に摺接する部分よりも径方向外側で係合してこのスリンガの変位を阻止する為の係合部を設けている。又、この係合部は、上記転がり軸受への組み込み以前に、上記シールリップの弾性力に基づいてこの係合部と上記スリンガを構成する外側円輪部の外周縁とが係合した状態で、このスリンガを構成する外側円輪部の外側面から軸方向に突出せず、上記転がり軸受への組み込み状態で、上記スリンガを構成する外側円輪部の外周縁には係合しない。
又、請求項2に記載した転がり軸受用密封装置の搬送方法は、上記芯金と上記シール材とを結合して成るシール側部材と上記スリンガとを、これらシール側部材とスリンガとが軸方向に互いに離れる方向に変位しようとした場合に、上記シール材の円周方向等間隔の複数個所に設けた上記係合部と上記スリンガの外側円輪部の外周縁とが上記シール材に設けられたシールリップの先端縁がこの外側円輪部の内側面に摺接する部分よりも径方向外側で係合する様に組み合わせた後、上記シール側部材と上記スリンガとを、搬送ケース内に詰め込んで搬送する。
更に、請求項3に記載した転がり軸受用密封装置の組み付け方法は、上記芯金と上記シール材とを結合して成るシール側部材と上記スリンガとを、これらシール側部材とスリンガとが軸方向に互いに離れる方向に変位しようとした場合に、上記シール材の円周方向等間隔の複数個所に設けた上記係合部と上記スリンガの外側円輪部の外周縁とが上記シール材に設けられたシールリップの先端縁がこの外側円輪部の内側面に摺接する部分よりも径方向外側で係合する様に組み合わせた後、上記シール側部材と上記スリンガとを、上記係合部とこのスリンガの外側円輪部の外周縁とを係合させない様に、上記外輪の端部内周面と上記内輪の端部外周面との間の端部開口に組み付ける。
【0011】
【作用】
上述の様に構成する本発明の転がり軸受用密封装置とその搬送方法並びに組み付け方法の場合には、芯金とシール材とを結合固定して成るシール側部材とスリンガとを組み合わせた状態で、これらシール側部材とスリンガとが軸方向に分離する事を防止できる。即ち、これらシール側部材とスリンガとが、上記シール材に設けたシールリップの弾性力によって軸方向に互いに離れる方向に変位しようとしても、上記スリンガの外周縁が上記シール材に設けた係合部と係合してこの変位を阻止する。この為、上記シール側部材とスリンガとを組み合わせた状態でこれらシール側部材とスリンガとを搬送ケースに詰め込む作業が容易になると共に、この搬送ケース内にこれらシール側部材とスリンガとを密に入れる事ができる。しかも、上記シール材に設けたシールリップと上記スリンガとが搬送中に擦れ合う事や、このシールリップに上記スリンガから荷重が加わる事が増大する事もない為、搬送中にこのシールリップが損傷したり変形したりする事も防止できる。更には、上記シール側部材とスリンガとを、外輪の端部内周面と内輪の端部外周面との間に組み付ける作業を、上記シール側部材とスリンガとの分離防止を特に考慮せずに行なえる為、組み付け作業が容易になる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1〜2は、本発明の実施の形態の1例を示している。本例の密封装置13は、芯金1と、スリンガ2aと、シール材3aとから成る。このうちの芯金1は、低炭素鋼板或はステンレス鋼板等の金属板にプレス加工等の打ち抜き加工並びに塑性加工を施す事により、一体成形している。この様な芯金1は、例えば図2に示す様に、転がり軸受である複列アンギュラ玉軸受14の外輪15の端部内周面に内嵌固定自在な外径側円筒部5と、この外径側円筒部5の軸方向一端縁(図1の左端縁)から直径方向内方に折れ曲がった内側円輪部6とを備えた、断面略L字形で全体を円環状としている。
【0013】
又、上記スリンガ2aは、亜鉛メッキ鋼板、ステンレス鋼板等、優れた耐食性を有する金属板に、やはりプレス加工等の打ち抜き加工並びに塑性加工を施す事により一体成形している。この様なスリンガ2aは、上記複列アンギュラ玉軸受14の内輪16の端部外周面に外嵌固定自在な内径側円筒部8と、この内径側円筒部8の軸方向他端縁(図1の右端縁)から直径方向外方に折れ曲がった外側円輪部9aとを備えた、断面L字形で全体を円環状としている。
【0014】
又、上記シール材3aは、ゴムの如きエラストマー等の弾性材により造られて、外側、中間、内側の3本のシールリップ10〜12を備え、上記芯金1にその基端部を、焼き付け、接着等により結合固定している。そして、最も外側に位置する外側シールリップ10の先端縁を上記スリンガ2aを構成する外側円輪部9aの内側面に全周に亙って摺接させ、残り2本のシールリップである中間シールリップ11及び内側シールリップ12の先端縁を、上記スリンガ2aを構成する内径側円筒部8の外周面に全周に亙って摺接させている。又、本例の場合は、上記シール材3aの基端部により、上記芯金1を構成する外径側円筒部5の内周面を覆っている。尚、図1は自由状態のシール材3aを、図2は上記スリンガ2aに当接する事により弾性変形した状態のシール材3aを、それぞれ示している。
【0015】
特に、本発明の転がり軸受用密封装置に於いては、上記スリンガ2aが軸方向(図1〜2の左右方向)に、且つ、上記芯金1から離れる方向に変位しようとする場合に、このスリンガ2aを構成する外側円輪部9aの外周縁の少なくとも一部と係合してこのスリンガ2aの変位を阻止する、請求項に記載した係合部に相当する外径側係合部20を、上記シール材3aの一部に設けている。即ち、本例の場合には、上記シール材3aの基端部の軸方向外端部(図1の右端部)で、上記スリンガ2aを構成する外側円輪部9aの外周縁と対向する位置から軸方向外側(図1の右側)に少しだけ外れた部分に、円周方向等間隔の複数個所を径方向内方に突出させた、上記外径側係合部20を設けている。又、この外径側係合部20の内径dは、上記スリンガ2aを構成する外側円輪部9aの外周縁の外径Dよりも小さくしている(d<D)。
【0016】
一方、上記スリンガ2aには、このスリンガ2aを構成する外側円輪部9aの外周縁寄り部分を軸方向内側(図1の左側)に全周に亙り断面クランク形に折り曲げて、この外側円輪部9aの外周縁を上記芯金1及びシール材3aの外端縁よりも軸方向内側に位置させた、内径側係合部21を設けている。この様に外側円輪部9aの外周縁を軸方向内側に位置させる理由は、上記シール材3aに設ける上記外径側係合部20を、このシール材3aや上記芯金1の軸方向寸法を大きくする事なく設ける為である。そして、上記芯金1とスリンガ2aとが互いに離れる方向に変位した場合に、上記シール材3aに設けた上記外径側係合部20と上記スリンガ2aに設けた上記内径側係合部21とが係合し、上記変位を阻止する様にしている。
【0017】
この様な本例の密封装置13は、例えば図2に示す様に、転がり軸受である複列アンギュラ玉軸受14を構成する外輪15の両端部内周面と1対の内輪16、16の端部外周面との間に組み込む。そして、上記シール材3aに設けた各シールリップ10〜12の先端縁とスリンガ2aとを摺接させる事により、上記複列アンギュラ玉軸受14の両端開口を塞ぐ。この状態で、この複列アンギュラ玉軸受14の内部に封入したグリースが外部に漏洩する事を防止すると共に、外部に存在する雨水、泥水、塵等の各種異物が上記内部に入り込む事を防止する。尚、この複列アンギュラ玉軸受14は、上記外輪15の内周面に設けた複列の外輪軌道17、17と上記各内輪16、16の外周面に設けた内輪軌道18、18との間に複数個ずつ転動自在に転動体(玉)19、19を設けて、上記外輪15と内輪16、16との相対回転を自在としている。又、この様に密封装置13を転がり軸受に組み込んだ状態では、上記外径側、内径側両係合部20、21同士が係合(当接・摺接)しない様に、これら外径側、内径側係合部20、21の内径、外径、厚さ、軸方向位置を含む、各部の寸法を規制している。
【0018】
上述の様に構成する本発明の転がり軸受用密封装置13の場合には、芯金1とシール材3aとを結合固定して成るシール側部材1、3aとスリンガ2aとを組み合わせた状態で、これらシール側部材1、3aとスリンガ2aとが軸方向に分離する事を防止できる。即ち、これらシール側部材1、3aとスリンガ2aとが、上記シール材3aに設けたシールリップ10の弾性力によって互いに軸方向に離れる方向に変位しようとしても、上記スリンガ2aの外周縁である内径側係合部21が上記シール材3aに設けた外径側係合部20と係合して、この変位を阻止する。この為、上記シール側部材1、3aとスリンガ2aとを組み合わせた状態でこれらシール側部材1、3aとスリンガ2aとを搬送ケースに詰め込む作業が容易になると共に、この搬送ケース内にこれらシール側部材1、3aとスリンガ2aとを密に入れる事ができる。しかも、上記シール材3aに設けたシールリップ10〜12と上記スリンガ2aとが擦れ合う事や、これら各シールリップ10〜12に上記スリンガ2aから荷重が加わる事が増大する事もない為、搬送中にこれら各シールリップ10〜12が損傷したり変形したりする事も防止できる。更には、上記シール側部材1、3aとスリンガ2aとを、前記外輪15の両端部内周面と前記各内輪16、16の端部外周面との間に組み付ける作業を、上記シール側部材1、3aとスリンガ2aとの分離防止に就いてあまり考慮せずに行なえる。この為、これらシール側部材1、3aとスリンガ2aとの組み付け作業を、容易に、且つ、能率良く行なえる様になる。
【0019】
尚、本例の場合は、密封装置を組み込む転がり軸受として複列アンギュラ玉軸受14の場合を示したが、単列の転がり軸受、或は、転動体19、19として円筒ころや円すいころを使用する、円筒ころ軸受や円すいころ軸受であっても良い。
【0020】
【発明の効果】
本発明は、以上に述べた通り構成され作用するので、転がり軸受の回転トルクを増大する事なく、搬送し易く、しかも組み付け作業を容易に行なえる転がり軸受用密封装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例を示す部分断面図。
【図2】図1の密封装置を組み込んだ転がり軸受の半部断面図。
【図3】従来構造の1例を示す部分断面図。
【符号の説明】
1 芯金
2、2a スリンガ
3、3a シール材
4 外輪
5 外径側円筒部
6 内側円輪部
7 内輪
8 内径側円筒部
9、9a 外側円輪部
10 外側シールリップ
11 中間シールリップ
12 内側シールリップ
13 密封装置
14 複列アンギュラ玉軸受
15 外輪
16 内輪
17 外輪軌道
18 内輪軌道
19 転動体
20 外径側係合部
21 内径側係合部
Claims (3)
- 外輪の内周面に設けた外輪軌道と内輪の外周面に設けた内輪軌道との間に複数個の転動体を設けて上記外輪と内輪との相対回転を自在とした転がり軸受に組み込み、上記外輪の端部内周面と上記内輪の端部外周面との間を塞ぐ為、上記外輪の端部内周面に内嵌固定自在な外径側円筒部及びこの外径側円筒部の軸方向一端縁から直径方向内方に折れ曲がった内側円輪部を備えた円環状の芯金と、上記内輪の端部外周面に外嵌固定自在な内径側円筒部及びこの内径側円筒部の軸方向他端縁から直径方向外方に折れ曲がった外側円輪部を備えた円環状のスリンガと、弾性材により造られて少なくとも1本のシールリップを有し、上記芯金にその基端部を結合固定したシール材とから成り、上記シールリップの先端縁を上記スリンガを構成する外側円輪部の内側面に摺接させる転がり軸受用密封装置に於いて、このスリンガを構成する外側円輪部の外周縁寄り部分が、軸方向一端側に全周に亙り断面クランク形に折り曲げられており、上記スリンガを構成する外側円輪部の内側面にその先端縁を摺接させる為の上記シールリップの弾性力に基づいて、上記転がり軸受への組み込み以前の状態で、上記スリンガが軸方向に、且つ、上記芯金から離れる方向に変位しようとする事を阻止すべく、上記シール材の円周方向等間隔の複数個所に、上記スリンガを構成する外側円輪部の外周縁の少なくとも一部と、上記シールリップの先端縁がこの外側円輪部の内側面に摺接する部分よりも径方向外側で係合して上記スリンガの変位を阻止する為の係合部が設けられており、この係合部は、上記転がり軸受への組み込み以前に、上記シールリップの弾性力に基づいてこの係合部と上記スリンガを構成する外側円輪部の外周縁とが係合した状態で、このスリンガを構成する外側円輪部の外側面から軸方向に突出せず、上記転がり軸受への組み込み状態で、上記スリンガを構成する外側円輪部の外周縁には係合しない事を特徴とする転がり軸受用密封装置。
- 請求項1に記載した転がり軸受用密封装置の搬送方法であって、芯金とシール材とを結合して成るシール側部材とスリンガとを、これらシール側部材とスリンガとが軸方向に互いに離れる方向に変位しようとした場合に、上記シール材の円周方向等間隔の複数個所に設けた係合部と上記スリンガの外側円輪部の外周縁とがこのシール材に設けられたシールリップの先端縁がこの外側円輪部の内側面に摺接する部分よりも径方向外側で係合する様に組み合わせた後、上記シール側部材と上記スリンガとを搬送ケース内に詰め込んで搬送する、転がり軸受用密封装置の搬送方法。
- 請求項1に記載した転がり軸受用密封装置の組み付け方法であって、芯金とシール材とを結合して成るシール側部材とスリンガとを、これらシール側部材とスリンガとが軸方向に互いに離れる方向に変位しようとした場合に、上記シール材の円周方向等間隔の複数個所に設けた係合部と上記スリンガの外側円輪部の外周縁とがこのシール材に設けられたシールリップの先端縁がこの外側円輪部の内側面に摺接する部分よりも径方向外側で係合する様に組み合わせた後、上記シール側部材と上記スリンガとを、上記係合部とこのスリンガの外側円輪部の外周縁とを係合させない様に、外輪の端部内周面と内輪の端部外周面との間の端部開口に組み付ける、転がり軸受用密封装置の組み付け方法。
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