JP2001098225A - カチオン電着塗料 - Google Patents

カチオン電着塗料

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JP2001098225A
JP2001098225A JP27462399A JP27462399A JP2001098225A JP 2001098225 A JP2001098225 A JP 2001098225A JP 27462399 A JP27462399 A JP 27462399A JP 27462399 A JP27462399 A JP 27462399A JP 2001098225 A JP2001098225 A JP 2001098225A
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cationic electrodeposition
compound
parts
resin
hydrotalcite
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JP27462399A
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English (en)
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Fumiaki Nakao
文昭 中尾
Katsuhisa Sugizaki
勝久 杉崎
Akira Tominaga
章 冨永
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Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉛化合物やクロム化合物などの有害物質を含
有させることなく、しかも、その塗膜を150〜160
℃の低温度で硬化しても防食性や付着性などが低下せ
ず、さらに無処理鋼板に塗装しても防錆性がすぐれ、エ
ッジ防錆性、つきまわり性、耐薬品性、平滑性などの良
好な塗膜を形成するカチオン電着塗料。 【構成】カチオン電着塗料用樹脂(A)及び下記(1)
式で表わされるハイドロタルサイト系固溶体(B)を含
有することを特徴とするカチオン電着塗料。 [(Mg2 + )y(M2 2 + ( 1 - ) 1 - xM3 + x(OH)2 n - / n・mH2 0 ……(1) 式(1)において、M2 2 + はZn、Cd、Pb、C
a、Srよりなる群から選ばれた2価金属の少なくとも
1種を、M3 +は3価金属を、An - はn価のアニオン
を示し、x、y1 、y2 及びmは各々下記条件を満足す
る正数を示す。 0<x≦0.5、 0<y<1、 0≦m<2

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉛化合物やクロム
化合物などの有害物質を含有させることなく、しかも、
その塗膜を150〜160℃の低温度で硬化しても防食
性や付着性などが低下せず、さらに無処理鋼板に塗装し
ても防錆性がすぐれ、エッジ防錆性、つきまわり性、耐
薬品性、平滑性などの良好な塗膜を形成するカチオン電
着塗料に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】カチオン電着塗料は、つきま
わり性にすぐれ、耐久性や防食性などの性能にすぐれた
塗膜を形成することができるため、それらの性能が要求
される自動車車体や電気製品などの導電性金属制被塗物
の下塗り塗装に広く採用されている。
【0003】この電着塗料には、塗膜の防食性能を維持
させるために、クロム酸鉛、塩基性ケイ酸鉛、クロム酸
ストロンチウムなどの鉛化合物やクロム化合物などが配
合することがあるが、これらの化合物は非常に有害な物
質であり、公害対策上その使用には問題がある。そこ
で、これらの有害物質に代えて、無毒性又は低毒性のり
ん酸亜鉛、りん酸鉄、りん酸アルミニウム、りん酸カル
シウム、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸カルシウム、
酸化亜鉛、酸化鉄、りんモリブデン酸アルミニウム、り
んモリブデン酸亜鉛などの化合物を使用することが提案
されている(例えば特公平3−7224号公報)が、鉛
化合物やクロム化合物が配合された電着塗料に比べ、塗
膜の防食性能が劣り、実用的に満足できるものではな
い。
【0004】また、エポキシ樹脂にP−OH基、S−H
基または3,4,5−トリヒドロキシフェニル基を有す
る化合物を反応させて得られる予備重合物に、さらにエ
ポキシ基と反応性を有するアミノ基を有する化合物を反
応させて得られる樹脂組成物、およびハイドロタルサイ
ト(マグネシウムとアルミニウムの含水塩基性炭酸塩鉱
物)を含有するカチオン電着塗料が特開平6−1363
03号公報に示唆されているが、その塗膜の防食性もま
た十分でない。
【0005】さらに、鉛化合物やクロム化合物を含まな
いカチオン電着塗料を、りん酸亜鉛などの化成処理を行
なわない無処理の冷延鋼板に塗装してなる塗膜は防食性
に劣る。
【0006】また、これらの電着塗膜を硬化させるの
に、通常、約170〜約180℃の温度に加熱する必要
があるが、その加熱炉内部で部分的に200℃以上の高
温度に達する部分があり、かかる高温に晒された部分の
塗膜の防食性や付着性などが低下するという問題が生じ
ることも指摘されている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は新規なカチオン
電着塗料に関し、その目的は、鉛化合物やクロム化合物
などの有害物質を含有させる必要がなく、塗膜を150
〜160℃の低温度で硬化させても防食性や付着性など
が低下せず、さらに無処理鋼板に塗装しても防錆性がす
ぐれ、エッジ防錆性、つきまわり性、耐薬品性、平滑性
などの良好な塗膜を形成することができ、また、塗膜が
200℃以上の高温に晒されても防食性や付着性が低下
しない、カチオン電着塗料を提供することである。
【0008】今回、この目的が、カチオン電着塗料用樹
脂に、特定のハイドロタルサイト系固溶体を含有せしめ
ることにより達成しうることを見出し、本発明を完成す
るに至った。
【0009】かくして本発明は、(A) カチオン電着
塗料用樹脂 及び(B) 下記(1)式で表わされるハ
イドロタルサイト系固溶体を含有することを特徴とする
カチオン電着塗料(以下、本塗料1という)を提供する
ものである。
【0010】 [(Mg2 + )y(M2 2 + ( 1 - ) 1 - xM3 + x(OH)2 n - / n・mH2 0 ……(1) 式(1)において、M2 2 + はZn、Cd、Pb、C
a、Srよりなる群から選ばれた2価金属の少なくとも
1種を、M3 +は3価金属を、An - はn価のアニオン
を示し、x、y及びmは各々下記 条件を満足する正数
を示す。
【0011】 0<x≦0.5、 0<y<1、 0≦m<2 以下に、本塗料1について、詳細に説明する。
【0012】カチオン電着塗料用樹脂(A):本塗料1
において、カチオン電着塗料用樹脂(A)としては、例
えば、水酸基などの架橋性官能基およびカチオン性基を
有する通常のカチオン電着塗料用樹脂を使用することが
でき、その樹脂骨格はエポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポ
リブタジエン、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂などの
いずれであってもよいが、塗膜の防食性を向上させるた
めには、一般に、エポキシ樹脂にアミンを付加してなる
ポリアミン樹脂(アミン付加エポキシ樹脂)が好適であ
る。
【0013】アミン付加エポキシ樹脂としては、例え
ば、(i)ポリエポキシド化合物と1級モノ−またはポ
リアミン、2級モノ−またはポリアミン、1,2級混合
ポリアミンなどとの付加物(例えば、米国特許第398
4299号明細書参照);(ii)ポリエポキシド化合
物とケチミン化された1級アミノ基を有する2級モノ−
またはポリアミンとの付加物(例えば、米国特許第40
17438号明細書参照);(iii)ポリエポキシド
化合物とケチミン化された1級アミノ基を有するヒドロ
キシル化合物とのエ−テル化により得られる反応物(例
えば、特開昭59−43013号公報参照)などがあげ
られる。
【0014】アミン付加エポキシ樹脂の製造に使用され
るポリエポキシド化合物は、エポキシ基を1分子中に2
個以上有する化合物であり、一般に、少なくとも20
0、好ましくは400〜4000、さらに好ましくは8
00〜2000の数平均分子量を有するものが適してお
り、特にポリフェノ−ル化合物とエピクロルヒドリンと
の反応によって得られるものが好ましい。該ポリエポキ
シド化合物の形成のために用いうるポリフェノ−ル化合
物としては、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)
−2,2−プロパン、4,4−ジヒドロキシベンゾフェ
ノン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−エタ
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−イソブ
タン、ビス(4−ヒドロキシ−tert−ブチルフェニ
ル)−2,2−プロパン、ビス(2−ヒドロキシナフチ
ル)メタン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、ビス
(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、テトラ(4
−ヒドロキシフェニル)−1,1,2,2−エタン、
4,4−ジヒドロキシジフェニルスルホン、フェノ−ル
ノボラック、クレゾ−ルノボラックなどがあげられる。
該ポリエポキシド化合物は、また、ポリオ−ル、ポリエ
−テルポリオ−ル、ポリエステルポリオ−ル、ポリアミ
ドアミン、ポリカルボン酸、ポリイソシアネ−ト化合物
などと一部反応させたものであってもよく、さらにま
た、ε−カプロラクトン、アクリルモノマ−などをグラ
フト重合させたものであってもよい。
【0015】カチオン電着塗料用樹脂は、外部架橋型及
び内部(自己)架橋型のいずれのタイプのものであって
もよい。外部架橋型は硬化剤を併用するものであり、硬
化剤としては、例えば、ブロックされていてもよいポイ
ソシアネ−ト化合物やアミノ樹脂などの従来から既知の
架橋剤を使用することができ、特にブロックポリイソシ
アネ−ト化合物が好ましい。また、内部(自己)架橋型
は硬化剤を併用することなくそれ自体で架橋硬化するも
のであり、例えば、カチオン電着塗料用樹脂に部分ブロ
ックポリイソシアネ−ト化合物を反応させてなる活性水
素含有官能基とブロックイソシアネ−ト基とを同一分子
中に併存するものがあげられる。
【0016】外部架橋型のカチオン電着塗料用樹脂と併
用されるブロックポリイソシアネ−ト化合物は、ポリイ
ソシアネ−ト化合物のフルブロック付加反応生成物であ
る。このポリイソシアネ−ト化合物は、1分子中にイソ
シアネ−ト基を2個以上有する化合物であり、例えば、
トリレンジイソシアネ−ト、キシリレンジイソシアネ−
ト、フェニレンジイソシアネ−ト、ビス(イソシアネ−
トメチル)シクロヘキサン、テトラメチレンジイソシア
ネ−ト、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、メチレンジ
イソシアネ−ト、イソホロンジイソシアネ−トなどの芳
香族、肪環族または脂肪族のポリイソシアネ−ト化合物
および、これらのポリイソシアネ−ト化合物の過剰量に
エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、トリメチ
ロ−ルプロパン、ヘキサントリオ−ル、ヒマシ油などの
低分子活性水素含有化合物を反応させて得られる末端イ
ソシアネ−ト基含有のプレポリマ−があげられる。
【0017】上記ポリイソシアネ−ト化合物のイソシア
ネ−ト基は、ブロック剤を付加させることによりブロッ
クされ、その付加によって生成するブロックポリイソシ
アネ−ト化合物は常温において安定であるが、解離温度
(例えば100℃以上)より高温に加熱するとブロック
剤が解離してイソシアネ−ト基が再生し、カチオン電着
塗料用樹脂と架橋反応する。この目的に使用されるブロ
ック剤としては、例えば、ε−カプロラクタム、γ−ブ
チロラクタムなどのラクタム系化合物;メチルエチルケ
トオキシム、シクロヘキサノンオキシムなどのオキシム
系化合物;フェノ−ル、p−t−ブチルフェノ−ル、ク
レゾ−ルなどのフェノ−ル系化合物;n−ブタノ−ル、
2−エチルヘキサノ−ルなどの脂肪族アルコ−ル類;フ
ェニルカルビト−ル、メチルフェニルカルビト−ルなど
の芳香族アルコ−ル系化合物;エチレングリコ−ルモノ
ブチルエ−テルなどのエ−テルアルコ−ル系化合物など
があげられる。これらのうち、オキシム系およびラクタ
ム系のブロック剤は比較的低温で解離するため、電着塗
料の低温硬化性の点から好適である。
【0018】カチオン電着塗料用樹脂と架橋剤との構成
比率は、該両成分の合計固形分量を基準に、前者は50
〜90重量%、特に65〜80重量%、後者は50〜1
0重量%、特に35〜20重量%の範囲が適している。
【0019】ブロックイソシアネ−ト基をカチオン電着
塗料用樹脂分子中に有してなる自己架橋タイプの基体樹
脂は、例えば、部分ブロックしたポリイソシアネ−ト化
合物中の遊離のイソシアネ−ト基と該樹脂中の活性水素
と反応させることにより調製することができる。
【0020】さらに、これらのカチオン電着塗料用樹脂
は、1、2または3級アミノ基のような、酸による中和
処理によってカチオン化しうるカチオン性基を含有し、
例えば、ギ酸、酢酸、乳酸などの水溶性有機酸で中和す
ることにより、水溶化もしくは水分散化することができ
る。
【0021】ハイドロタルサイト系固溶体(B) 本塗料1において使用されるハイドロタルサイト系固溶
体は、下記(1)式で表わされるハイドロタルサイト系
固溶体であり、このものは、塗膜の硬化性を促進し、防
食性を向上させるのに有効である。
【0022】 [(Mg2 + )y(M2 2 + ( 1 - ) 1 - xM3 + x(OH)2 n - / n・mH2 0 ……(1) 式(1)において、M2 2 + はZn、Cd、Pb、C
a、Srよりなる群から選ばれた2価金属の少なくとも
1種を、M3 +は3価金属を、An - はn価のアニオン
を示し、x、y及びmは各々下記条件を満足する正数を
示す。
【0023】 0<x≦0.5、 0<y<1、 0≦m<2 式(1)において、M2 2 + は、Zn、Cd、Pb、C
a、Srよりなる群から選ばれた2価金属の少なくとも
1種であればよく、適宜に選択できるがこれらの中でも
Zn、Pb、特にZnが好ましい。また、M3 + は3価
の金属であって、例えばAl、Fe、Crなどを例示す
ることができる。
【0024】さらに、式(1)において、An - はn価
のアニオンを示し、例えば、I-、OH- 、HC
3 - 、CO2 - 3 、サリチル酸イオン、Cr
2 - 4 、(OOC−COO)2 - 、[Fe(C
N)6 4 - 、ClO4 - などを例示することができ
る。
【0025】式(1)において、xは0<x≦0.5、
好ましくは0.2<x≦0.5、より好ましくは0.2
<x≦0.4の正数であり、yは0より大きく、かつ1
より小さい正数であり、そしてmは0≦m<2の数であ
る。
【0026】式(1)で示されるハイドロタルサイト系
固容体は、ハイドロタルサイトMg6 Al2 (OH)
1 6 CO3 ・4H2 Oと同様な結晶構造を有し、従って
該ハイドロタルサイトと類似の粉末X線回析パタ−ンを
示す化合物である。ただし、格子定数は固容体の一般法
則に従って変化する。すなわち、Mg2 + よりもイオン
半径の大きいM2 + 2 の固容する量が増える程、またM
2 + 2 のイオン半径が大きいほどM2 + がMgだけの場
合即ち、ハイドロタルサイトに比べて格子定数が大きく
なる。
【0027】本塗料1で用いる式(1)のハイドロタル
サイト系固溶体は、塗膜の下地金属との密着をよりよく
することにより、空気や水のような糸状腐食の原因物質
が金属と塗膜との界面への侵入することを防ぐため、そ
して酸の中和及びアルカリOH- との反応をより効率的
にするため、微粒子状とし良く塗料中に分散することが
必要である。このような観点から、式(1)のハイドロ
タルサイト系固溶体の平均2次粒子径(結晶粒子径を1
次粒子、それが凝集してできた粒子を2次粒子と定義す
る)は約0.1〜2μm程度が好ましく、またBET比
表面積を約30m2 /g以下とすることが好ましい。
【0028】また、式(1)の固溶体を約120〜35
0℃で約1〜40時間、空気中又はN2 、He等の雰囲
気中で処理して脱結晶水し、m=0かそれに近くした物
を用いることが好ましく、このように加熱脱結晶水処理
によりハイドロタルサイト系固溶体の耐糸状腐食性は処
理しない場合に比べて向上する。
【0029】本塗料1において、樹脂との相溶性、分散
性などをさらに向上させ、本塗料1の効果をより改善す
るのに役立たせるために、式(1)のハイドロタルサイ
ト系固溶体を表面処理剤で表面処理することが好まし
い。
【0030】このような表面処理剤としては、高級脂肪
酸類、アニオン系界面活性剤類、シラン系カップリング
剤類、チタネ−ト系カップリング剤類、グリセリンと脂
肪酸のエステル類などを例示することができる。このよ
うな表面処理剤の具体例としては、例えば、ステアリン
酸、オレイン酸、ラウリン酸などのような高級脂肪酸
類;例えばステアリン酸ソ−ダ、オレイン酸ソ−ダ、ラ
ウリルベンゼンスルホン酸ソ−ダなどにようなアニオン
系界面活性剤類;例えばビニルトリエトキシシラン、γ
−メトクリロキシプロピルトリエトキシシラン、イソプ
ロピルトリイソステアロイルチタネ−ト、イソプロピル
トリデシルベンゼンスルホニルチタネ−トなどのような
シラン系またはチタネ−ト系のカップリング剤;例えば
グリセリンモノステアレ−ト、グリセリンモノオレエ−
トなどのようなグリセリンと脂肪酸のエステル類などを
例示することができる。
【0031】表面処理剤による式(1)のハイドロタル
サイト系固溶体の表面処理は、例えば、該表面処理剤が
それ自体液状の場合、或いは例えば水、アルコ−ル類な
どに溶解して液状にした場合には、これらの液体状の表
面処理剤と式(1)のハイドロタルサイト系固溶体粉末
もしくはその水性懸濁液を、加熱条件下もしくは非加熱
条件下に機械的に混合することによって行うことができ
るし、また例えば該表面処理剤が加熱条件下に溶融する
場合には加熱溶融条件下に式(1)のハイドロタルサイ
ト系固溶体粉末と機械的に混合することによって行うこ
ともできる。十分に混合処理した必要に応じて、例えば
水洗、脱水、乾燥、粉砕、分級などの手段を適宜選択し
て施し、表面処理物を得ることができる。
【0032】以上の表面処理において用いられる表面処
理剤の使用量は適当に選択変更できるが、通常、式
(1)のハイドロタルサイト系固溶体粉末の重量に基づ
いて、約0.1〜10重量%の範囲が適当である。
【0033】式(1)のハイドロタルサイト系固溶体
は、式(1)におけるMgとM2 + 2 を与える成分の少
なくとも1種とを併用する外はそれ自体既知の方法で製
造することができる。例えば、特公昭46−2280号
公報、特公昭47−32198号公報、特公昭50−3
0039号公報、特公昭48−29477号公報、特公
昭51−29129号公報などに記載の製法において、
式(1)におけるMg2 + を与える成分とM2 + 2 を与
える成分の少なくとも1種とを併用する外は上記の公知
の方法に従って製造することができる。さらに、BET
比表面積が約30m2 /g以下で平均2次粒子径が約2
μm以下である式(1)のハイドロタルサイト系固溶体
は、好ましくは、上述のようにして製造した固容体を例
えば水性媒体中でさらに加熱して得ることができる。
【0034】この好適態様によれば、上記の例示のよう
な方法で得られる式(1)のハイドロタルサイト系固溶
体を、例えばオ−トクレ−ブ中、水媒体中で、例えば約
120〜250℃の温度及び約5〜40時間のような条
件下で加熱処理することにより、所望のBET比表面積
及び平均2次粒子径を有する式(1)のハイドロタルサ
イト系固溶体を得ることができる。この加熱処理は、前
記BET比表面積及び平均2次粒子径の条件を満足する
ようになるので、加圧条件下に水熱処理すればよく高温
側の採用がより好ましい。約250℃を越える処理条件
を採用することもできるが、それによって特別の利益が
得られるわけではないので、上記範囲の温度の採用が好
ましい。
【0035】本塗料1は、上記の(A)カチオン電着塗
料用樹脂及び(B)式(1)式で表わされるハイドロタ
ルサイト系固溶体を含有することを特徴とするカチオン
電着塗料であって、この両成分の固形分配合比率は、
(A)カチオン電着塗料用樹脂100重量部あたり、
(B)式(1)式で表わされるハイドロタルサイト系固
溶体は0.1〜20重量部、特に1〜10重量部であ
る。
【0036】本塗料1は、上記の(A)カチオン電着塗
料用樹脂及び(B)式(1)式で表わされるハイドロタ
ルサイト系固溶体を水性媒体中に混合分散せしめること
により調製することができるが、さらに必要に応じて、
着色顔料、体質顔料、防錆顔料、有機溶剤、沈降防止剤
などの通常の塗料用添加剤を含有せしめることは可能で
ある。
【0037】着色顔料としては、例えば、チタン白、亜
鉛華、カ−ボンブラック、モリブデ−トオレンジ、ベン
ガラ、ナフト−ル系、ピラゾロン系、ベンツイミダゾロ
ン系、アントラキノン系、チオインジゴ系、ペリレン
系、キナクリドン系、チタンイエロ−、モノアゾ系、ジ
スアゾ系、縮合アゾ系、アンソラピリミジン系、コバル
トグリ−ン、フタロシアニングリ−ン、群青、コバルト
ブル−、フタロシアニンブル−、コバルトバイオレット
などの無機系及び有機系の顔料があげられる。体質顔料
としては、例えば、炭酸カルシウム、カオリン、クレ
−、けい藻土、含水けい酸、タルク、バライト、硫酸バ
リウム、炭酸バリウム、ケイ砂、ガラスビ−ズ、マイカ
などがあげられる。
【0038】防錆顔料としては、例えば、アルカリ土類
金属及び酸化亜鉛から選ばれる1種以上と酸化鉄との複
合酸化物、亜鉛華、りん酸亜鉛、亜りん酸亜鉛、りん酸
カルシウム、りん酸アルミニウム、トリポリりん酸アル
ミニウムのようなポリりん酸アルミニウム、オルトりん
酸アルミニウム、オルトりん酸カルシウム、ホウ酸系防
錆顔料、タングステン酸系防錆顔料、亜りん酸系防錆顔
料、次亜りん酸系防錆顔料、亜硝酸系防錆顔料、バナジ
ン酸系防錆顔料などがあげられる。さらに、Zr(O
H)4 ・Mg4 Al2 (OH)1 2 CO3 ・3H2 0、
Mg6 Al2 (OH)1 6 CO3 ・5H2 0、Mg6
7 (OH)1 6 CO3 ・4H2 0などの化合物も防錆
顔料として使用できる。
【0039】着色顔料、体質顔料及び防錆顔料は、一般
に、粉末状で使用することができ、その粒径は15μm
以下、特に0.01〜5μmの範囲内であることが好ま
しい。また、これらの顔料の配合量は目的に応じて任意
に選択することができるが、通常、(A)カチオン電着
塗料用樹脂100重量部あたり、それぞれ、固形分比
で、0.5〜100重量部、特に1〜50重量部の範囲
内が適している。
【0040】本発明は、上記のカチオン電着塗料用樹脂
(A)及び(1)式で表わされるハイドロタルサイト系
固溶体(B)に、さらにLa、Mo、Ce、V、Zn、
Alから選ばれる金属を含有する化合物(C)を含有せ
しめ、必要に応じて、着色顔料、体質顔料、防錆顔料、
有機溶剤、沈降防止剤などの通常の塗料用添加剤を含有
せしめることを特徴とするカチオン電着塗料(以下本塗
料2という)も包含する。
【0041】このLa、Mo、Ce、V、Zn、Alか
ら選ばれる金属を含有する化合物(C)を配合してなる
本塗料2は、上記の本塗料1に比べ、形成される塗膜の
硬化性がさらに促進され、防食性を一層向上させること
ができる。
【0042】化合物(C)はLa、Mo、Ce、V、Z
n、Alから選ばれる金属を含有する化合物であり、例
えば、La、Mo、Ce、V、Zn、Alから選ばれる
金属の無機系又は有機系の化合物(C−1)があげられ
る。これらは水溶性もしくは水不溶性のいずれであって
もよい。具体的には、下記に例示するものがあげられ
る。
【0043】La(ランタン)含有化合物としては、例
えば、酢酸ランタン、乳酸ランタン、シュウ酸ランタ
ン、硝酸ランタン、水酸化ランタン、酸化ランタン、タ
ングステン酸ランタンなどがあげられ、このうち酢酸ラ
ンタンなどの有機酸ランタンが好適である。
【0044】Mo(モリブデン)含有化合物として、例
えば、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸アルミニウム、
りんモリブデン酸亜鉛、りんモリブデン酸アルミニウム
などがあげられ、このうちりんモリブデン酸亜鉛が好適
である。
【0045】Ce(セリウム)含有化合物として、例え
ば、3酸化セリウム、2酸化セリウム、酢酸セリウム、
ぎ酸セリウム、乳酸セリウム、水酸化セリウム、硝酸セ
リウム、硫酸セリウム、りん酸セリウム、タングステン
酸セリウム、バナジン酸セリウムなどがあげられる。
【0046】V(バナジウム)含有化合物として、例え
ば、1酸化バナジウム、2酸化バナジウム、3酸化バナ
ジウム、5酸化バナジウム、バナジン酸アンモニウム、
バナジン酸ストロンチウム、バナジン酸カルシウム、バ
ナジン酸ビスマス、バナジン酸マグネシウム、バナジン
酸バリウムなどがあげられる。
【0047】Zn(亜鉛)含有化合物として、例えば、
りん酸亜鉛、亜りん酸亜鉛、ほう酸亜鉛、酢酸亜鉛、ぎ
酸亜鉛、酸化亜鉛などがあげられる。
【0048】Al(アルミニウム)含有化合物として、
例えば、りん酸アルミニウム、トリポリりん酸アルミニ
ウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウムなどがあ
げられる。
【0049】化合物(C)として、化合物(C−1)に
含まれる、La、Mo、Ce、V、Zn、Alから選ば
れる金属のりん酸塩又はほう酸塩(C−2)を使用する
ことができる。具体的には、りん酸セリウム、りん酸亜
鉛、りん酸アルミニウム、亜りん酸亜鉛、りんモリブデ
ン酸亜鉛、ほうりん酸亜鉛、ほう亜りん酸亜鉛、トリポ
リりん酸アルミニウム、ほう酸亜鉛などがあげられる。
【0050】化合物(C)として、化合物(C−1)に
含まれ、かつ(C−2)以外の無機系の化合物(C−
3)を使用することができる。具体的には、硝酸ランタ
ン、水酸化ランタン、酸化ランタン、タングステン酸ラ
ンタン、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸アルミニウ
ム、りんモリブデン酸亜鉛、りんモリブデン酸アルミニ
ウム、3酸化セリウム、2酸化セリウム、水酸化セリウ
ム、硝酸セリウム、硫酸セリウム、タングステン酸セリ
ウム、バナジン酸セリウム、1酸化バナジウム、2酸化
バナジウム、3酸化バナジウム、5酸化バナジウム、バ
ナジン酸アンモニウム、バナジン酸ストロンチウム、バ
ナジン酸カルシウム、バナジン酸マグネシウム、バナジ
ン酸バリウム、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、酸化ア
ルミニウムなどがあげられる。
【0051】化合物(C)として、化合物(C−1)に
含まれる、La、Mo、Ce、V、Zn、Alから選ば
れる金属の有機系の化合物(C−4)を使用することが
できる。具体的には、酢酸ランタン、乳酸ランタン、シ
ュウ酸ランタン、酢酸セリウム、ぎ酸セリウム、乳酸セ
リウム、酢酸亜鉛、ぎ酸亜鉛などがあげられる。
【0052】本塗料2において使用する、カチオン電着
塗料用樹脂(A)、(1)式で表わされるハイドロタル
サイト系固溶体(B)、着色顔料、体質顔料、防錆顔
料、などは上記の本塗料1で記載したものが好適に使用
することができ、これらの配合比率も同様な範囲内であ
ることが適している。
【0053】そして、本塗料2において使用する化合物
(C)は、一般に、それ自体粉末状又は液状であるか、
又はこれらの水溶液、有機溶剤溶液の状態で使用するこ
とができ、その粉末状での粒径は20μm以下、特に
0.1〜10μmの範囲内であることが好ましい。化合
物(C)の配合量は、(A)カチオン電着塗料用樹脂1
00重量部あたり、固形分比で、金属量として0.1〜
10重量部、特に0.2〜5重量部の範囲内が適してい
る。
【0054】本塗料1及び本塗料2は、上記のカチオン
電着塗料用樹脂(A)及び(1)式で表わされるハイド
ロタルサイト系固溶体(B)に、又は、さらに化合物
(C)を含有せしめ、必要に応じて、着色顔料、体質顔
料、防錆顔料、有機溶剤、沈降防止剤などの通常の塗料
用添加剤を水性媒体中に混合・分散せしめることによっ
て調製することができる。これらの各成分の混合方法は
特に制限されないが、具体的には、例えば下記に示す方
法があげられる。
【0055】a):カチオン電着塗料用樹脂(A)のエ
マルジョンに、ハイドロタルサイト系固溶体(B)及び
化合物(C)を、さらに必要に応じて使用する顔料など
と共に水ペ−スト状にしてから、さらに水を加えて、混
合・分散せしめる。
【0056】b):化合物(C)を含有せしめたカチオ
ン電着塗料用樹脂(A)のエマルジョンに、ハイドロタ
ルサイト系固溶体(B)を、さらに必要に応じて使用す
る顔料などを水ペ−スト状にしてから、さらに水を加え
て、混合・分散せしめる。 c):ハイドロタルサイト系固溶体(B)、化合物
(C)及び顔料などを水に分散させて固形分含有率約5
〜20重量%のスラリ−状とし、これらをスラリ−状に
しなかった残りのハイドロタルサイト系固溶体(B)、
化合物(C)及び顔料と混合した後(すべてをスラリ−
にすればこの工程は省略される)、カチオン電着塗料用
樹脂(A)のエマルジョンに配合し、さらに水を加え
て、混合・分散せしめる。
【0057】d):化合物(C)及び/又は顔料の粒子
表面にハイドロタルサイト系固溶体(B)を沈着させた
ものを、カチオン電着塗料用樹脂(A)のエマルジョン
に配合し、さらに水を加えて、混合・分散せしめる。
【0058】e):ハイドロタルサイト系固溶体(B)
及び/又は顔料の粒子表面に化合物(C)を沈着させた
ものを、カチオン電着塗料用樹脂(A)のエマルジョン
に配合し、さらに水を加えて、混合・分散せしめる。
【0059】このうち、e)による方法が好ましい。
【0060】粒子状のハイドロタルサイト系固溶体
(B)及び顔料の表面に化合物(C)を沈着(被覆)さ
せる方法として、例えば、固溶体(B)及び/又は顔料
を炭素数1〜8の低級アルコ−ルなどの水溶性有機溶剤
と脱イオン水との混合溶剤中に分散し、ついで化合物
(C)をこの分散液中に均一に混合したのち、該溶剤を
蒸発乾固することによって行うことができる。具体的に
は、固溶体(B)及び/または顔料を、pHを5〜9に
調整した化合物(C)の水溶液(濃度は0.1〜80重
量%、特に1〜60重量%が適している)に混合し、2
0〜80℃で放置すると、固溶体(B)及び/または顔
料の粒子表面に化合物(C)が析出し、沈殿する。その
後、必要により分級し、水洗、精製、乾燥することによ
り、化合物(C)で被覆された固溶体(B)及び/また
は顔料の粒子が得られる。
【0061】本塗料1及び本塗料2は、固形分含有率を
約5〜40重量%になるように脱イオン水などを加えて
希釈し、さらにpHを5.5〜9.0に調整して電着浴
とし、その浴温を15〜35℃、負荷電圧100/40
0Vの条件下で、被塗物を陰極として浸漬し通電するこ
とによって電着塗装を行うことができる。その際の塗装
膜厚は硬化塗膜を基準にして、通常、10〜40μmの
範囲内が好ましい。通電後、電着浴から引上げ水洗して
から、約100〜約200℃で10〜40分間加熱する
ことにより塗膜を硬化せしめることができる。
【0062】
【発明の効果】1)本発明のカチオン電着塗料は、鉛化
合物やクロム化合物などの有害物質を使用することなし
に、無処理鋼板に防錆性のすぐれた塗膜を形成すること
ができる。
【0063】2)本発明のカチオン電着塗料は、エッジ
防錆性、つきまわり性、耐薬品性、平滑性などの良好な
塗膜を形成する。
【0064】3)塗膜を硬化させるために加熱炉内部
で、部分的に200℃以上の高温に晒されても、防食性
や付着性などの性能が低下することはない。
【0065】
【実施例】以下に実施例及び比較例をあげて本発明をさ
らに具体的に説明するが、本発明はこれによって限定さ
れるものではない。部および%は原則として重量に基づ
いている。膜厚は硬化塗膜についてである。
【0066】1.試 料 1)カチオン電着塗料用樹脂エマルション(A) (a):「エポン1004」(油化シェル社製、商品
名、ビスフェノ−ルA型エポキシ樹脂、エポキシ当量約
950)1900部をブチルセロソルブ1012部に溶
解し、80〜100℃に加熱してからジエチルアミン1
24部を滴下し、ついで120℃で2時間保持してアミ
ン価47のアミン付加エポキシ樹脂を得た。次に、アミ
ン価100のダイマ−酸タイプポリアミド樹脂(「バ−
サミド460」、ヘンケル白水社製、商品名)1000
部をメチルイソブチルケトン429部に溶かし、130
〜150℃で加熱還流し、生成水を留去して該アミド樹
脂の末端アミノ基をケチミンに変えたものを150℃で
約3時間保持し、水の留出が停止したら60℃に冷却す
る。ついでこのものを前記アミン付加エポキシ樹脂に加
えて100℃に加熱し、1時間保持後室温に冷却して、
固形分68%及びアミン価65のアミン付加エポキシ樹
脂−ポリアミド変性樹脂のワニスを得た。
【0067】このワニス103部(樹脂固形分で70
部)に、トリレンジイソシアネ−トの2−エチルヘキシ
ルアルコ−ルフルブロック化物30部(固形分とし
て)、10%酢酸水溶液15部を配合し、均一に混合し
た後、脱イオン水150部を強く撹拌しながら約15分
し、固形分含有率34%のカチオン電着用樹脂エマルシ
ョン(a)を得た。
【0068】2)ハイドロタルサイト系固溶体(B) a):「ZHT−4A」(協和化学社製、商品名)Mg
0 . 5 Zn0 . 1 7Al0 . 3 3 (OH)2 (CO3
0 . 1 7 ・0.55H2 O、粒子径0.2μm、BET
比表面積15m2 /gのハイドロタルサイト系固容体。
【0069】3)顔料分散ペ−スト a):75%樹脂液(脂肪酸変性エポキシ樹脂にジエタ
ノ−ルアミンを反応せしめ、さらに酢酸で中和してなる
固形分含有率75%の水溶液)17部、酢酸1部、ハイ
ドロタルサイト系固溶体(B)a)2.5部、化合物
(C)としてぎ酸亜鉛0.5部(金属量)、チタン白3
0部、カ−ボンブラック1部、ジオクチル錫オキサイド
3部、脱イオン水44部(合計100部)をボ−ルミル
に仕込み、40時間を要して分散処理を行って、固形分
含有率55%の顔料分散ペ−ストa)を得た。
【0070】b):75%樹脂液(脂肪酸変性エポキシ
樹脂にジエタノ−ルアミンを反応せしめ、さらに酢酸で
中和してなる固形分含有率75%の水溶液)17部、酢
酸1部、ハイドロタルサイト系固溶体(B)a)2.5
部、化合物(C)として水酸化アルミニウム0.5部
(金属量)、チタン白30部、カ−ボンブラック1部、
ジオクチル錫オキサイド3部、脱イオン水44部(合計
100部)をボ−ルミルに仕込み、40時間を要して分
散処理を行って、固形分含有率55%の顔料分散ペ−ス
トb)を得た。
【0071】c):75%樹脂液(脂肪酸変性エポキシ
樹脂にジエタノ−ルアミンを反応せしめ、さらに酢酸で
中和してなる固形分含有率75%の水溶液)17部、酢
酸1部、ハイドロタルサイト系固溶体(B)a)2.5
部、化合物(C)としてモリブデン酸亜鉛0.5部(金
属量)、チタン白30部、カ−ボンブラック1部、ジオ
クチル錫オキサイド3部、脱イオン水44部(合計10
0部)をボ−ルミルに仕込み、40時間を要して分散処
理を行って、固形分含有率55%の顔料分散ペ−スト
c)を得た。
【0072】d):75%樹脂液(脂肪酸変性エポキシ
樹脂にジエタノ−ルアミンを反応せしめ、さらに酢酸で
中和してなる固形分含有率75%の水溶液)17部、酢
酸1部、ハイドロタルサイト系固溶体(B)a)2.5
部、化合物(C)としてトリポリりん酸亜鉛0.5部
(金属量)、チタン白30部、カ−ボンブラック1部、
ジオクチル錫オキサイド3部、脱イオン水44部(合計
100部)をボ−ルミルに仕込み、40時間を要して分
散処理を行って、固形分含有率55%の顔料分散ペ−ス
トd)を得た。
【0073】e):75%樹脂液(脂肪酸変性エポキシ
樹脂にジエタノ−ルアミンを反応せしめ、さらに酢酸で
中和してなる固形分含有率75%の水溶液)17部、酢
酸1部、ハイドロタルサイト系固溶体(B)b)2.5
部、チタン白30部、カ−ボンブラック1部、ジオクチ
ル錫オキサイド3部、脱イオン水44部(合計100
部)をボ−ルミルに仕込み、40時間を要して分散処理
を行って、固形分含有率55%の顔料分散ペ−ストe)
を得た。
【0074】f):75%樹脂液(脂肪酸変性エポキシ
樹脂にジエタノ−ルアミンを反応せしめ、さらに酢酸で
中和してなる固形分含有率75%の水溶液)17部、酢
酸1部、チタン白30部、カ−ボンブラック1部、ジオ
クチル錫オキサイド3部、脱イオン水44部(合計10
0部)をボ−ルミルに仕込み、40時間を要して分散処
理を行って、固形分含有率55%の顔料分散ペ−スト
f)を得た。
【0075】g):75%樹脂液(脂肪酸変性エポキシ
樹脂にジエタノ−ルアミンを反応せしめ、さらに酢酸で
中和してなる固形分含有率75%の水溶液)17部、酢
酸1部、モリブデン酸亜鉛0.5部、チタン白30部、
カ−ボンブラック1部、ジオクチル錫オキサイド3部、
脱イオン水44部(合計100部)をボ−ルミルに仕込
み、40時間を要して分散処理を行って、固形分含有率
55%の顔料分散ペ−ストg)を得た。
【0076】h):75%樹脂液(脂肪酸変性エポキシ
樹脂にジエタノ−ルアミンを反応せしめ、さらに酢酸で
中和してなる固形分含有率75%の水溶液)17部、酢
酸1部、トリポリりん酸アルミニウムO.5部、チタン
白30部、カ−ボンブラック1部、ジオクチル錫オキサ
イド3部、脱イオン水44部(合計100部)をボ−ル
ミルに仕込み、40時間を要して分散処理を行って、固
形分含有率55%の顔料分散ペ−ストf)を得た。
【0077】2.実施例及び比較例 実施例 1 カチオン電着塗料用樹脂エマルジョン(A)a)500
部と顔料ペ−ストa)100部とを混合し、さらに脱イ
オン水で希釈して固形分含有率20%のカチオン電着塗
料浴を調製した。
【0078】実施例 2 カチオン電着塗料用樹脂エマルジョン(A)a)500
部と顔料ペ−ストb)100部とを混合し、さらに脱イ
オン水で希釈して固形分含有率20%のカチオン電着塗
料浴を調製した。
【0079】実施例 3 カチオン電着塗料用樹脂エマルジョン(A)a)500
部と顔料ペ−ストc)100部とを混合し、さらに脱イ
オン水で希釈して固形分含有率20%のカチオン電着塗
料浴を調製した。
【0080】実施例 4 カチオン電着塗料用樹脂エマルジョン(A)a)500
部と顔料ペ−ストd)100部とを混合し、さらに脱イ
オン水で希釈して固形分含有率20%のカチオン電着塗
料浴を調製した。
【0081】実施例 5 カチオン電着塗料用樹脂エマルジョン(A)a)500
部と顔料ペ−ストe)100部とを混合し、さらに脱イ
オン水で希釈して固形分含有率20%のカチオン電着塗
料浴を調製した。
【0082】比較例 1 カチオン電着塗料用樹脂エマルジョン(A)a)500
部と顔料ペ−ストf)100部とを混合し、さらに脱イ
オン水で希釈して固形分含有率20%のカチオン電着塗
料浴を調製した。
【0083】比較例 2 カチオン電着塗料用樹脂エマルジョン(A)a)500
部と顔料ペ−ストg)100部とを混合し、さらに脱イ
オン水で希釈して固形分含有率20%のカチオン電着塗
料浴を調製した。
【0084】比較例 3 カチオン電着塗料用樹脂エマルジョン(A)a)500
部と顔料ペ−ストh)100部とを混合し、さらに脱イ
オン水で希釈して固形分含有率20%のカチオン電着塗
料浴を調製した。
【0085】3.塗膜性能試験結果 実施例及び比較例で得たカチオン電着塗料浴に、化成処
理を全く行っていない脱脂ずみの冷延ダル鋼板(大きさ
0.8×150×70mm)をカソ−ドとして浸漬し、
電圧300Vで膜厚が20μmになるように電着塗装
し、水洗してから、加熱して塗膜を硬化せしめた。加熱
は電気熱風式乾燥機で150℃、170℃及び220℃
の温度でそれぞれ20分間行った。
【0086】かくして硬化せしめた電着塗膜の性能試験
を下記のようにして行った。その結果を表1に示す。表
1の防食性1及び防食性2の欄に記載の「150℃」、
「170℃」及び「220℃」は、その温度で硬化させ
た塗膜についての試験結果である。
【0087】
【表1】
【0088】防食性:各温度で加熱硬化させた塗板を5
0℃の5%食塩水に20日間浸漬し、水洗、乾燥後、塗
面全面に粘着セロハンテ−プを貼着し、それを急激には
がした跡の塗膜の剥離面積率を調べた。○は剥離面積が
0〜10%、△は剥離面積が10〜20%、×は剥離面
積が20%以上であることを示す。
【0089】平滑性:電着塗膜を電気熱風式乾燥機で1
70℃の温度で20分間加熱して硬化せしめた塗膜の表
面を目視観察した。○はヘコミ、フクレなどが殆どなく
良好、△はヘコミ、フクレなどが少し発生し、やや劣
る、×はヘコミ、フクレなどが多く発生し、劣ることを
示す。
【0090】エッジ防錆性:被塗物として、刃の部分の
角度が約30度エッジ部を有するカッタナイフを使用し
た以外は上記と同様に電着塗装し、170℃の温度で2
0分間加熱して硬化した試験塗板を、JISZ2371
の耐塩水噴霧試験方法に準じて、240時間試験を行
い、約30度エッジ部の錆発生の程度を目視観察した。
○は錆発生が殆どなく良好、△は錆が少し発生し、やや
劣る、×は錆が多く発生し、劣ることを示す。
【0091】耐薬品性:170℃の温度で20分間加熱
して塗膜を硬化した試験板を、剥離剤「ネオリバ−」
(関西ペイント社製、商品名)に25℃において1分間
浸漬し、引上げ、水洗乾燥してから、ガ−ゼで電着塗膜
を強く拭き取るように擦った跡の塗面を目視評価した。
○は面積で塗膜の80%以上が残存している、△は面積
で塗膜の80〜40%が残存している、×は面積で塗膜
の40%以下が残存していることを示す。
【0092】低温硬化性は、150℃で20分間加熱し
て硬化せしめた電着塗膜のゲル分率を調べた結果であ
る。試験板をアセトンに浸漬し、その還流温度で5時間
抽出を行い、抽出前後の硬化塗膜の残存率(%)を調べ
た。○は硬化塗膜の残存率90%以上、△は同90〜8
5%、×は同85%以下であることを示す。
【0093】つきまわり性:大きさ70×150×0.
8mmのりん酸亜鉛処冷延鋼板を4枚準備し、このうち
3枚の中央部に直径8mmの開穴部を設ける。開穴部を
有する鋼板3枚を陽極側から順次遠ざかるように20m
m間隔で並べ、最も遠い位置に開穴部を設けていない鋼
板1枚を置き、そして最も先頭の鋼板と陽極との距離を
110mmとした。陽極側から見て、最も手前にある開
穴部を設けた鋼板の陽極側をA面とし、最も遠い位置に
ある開穴部を設けていない鋼板の陽極側をG面とする。
このG面での電着塗膜の厚さを測定した(BOX法)。
この膜厚が厚いとつきまわり性が良好である。電着塗装
条件は、電圧250V、通電時間180秒である。塗膜
は170℃の温度で20分間加熱して硬化せしめた。○
はG面での膜厚が10μm以上である、△はG面での膜
厚が5〜9μmである、×はG面での膜厚が4μm以下
である を示す。
【0094】

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カチオン電着塗料用樹脂(A)及び下記
    (1)式で表わされるハイドロタルサイト系固溶体
    (B)を含有することを特徴とするカチオン電着塗料。 [(Mg2 + )y(M2 2 + ( 1 - ) 1 - xM3 + x(OH)2 n - / n・mH2 0 ……(1) 式(1)において、M2 2 + はZn、Cd、Pb、C
    a、Srよりなる群から選ばれた2価金属の少なくとも
    1種を、M3 +は3価金属を、An - はn価のアニオン
    を示し、x、y及びmは各々下記条件を満足する正数を
    示す。 0<x≦0.5、 0<y<1、 0≦m<2
  2. 【請求項2】カチオン電着塗料用樹脂(A)、上記
    (1)式で表わされるハイドロタルサイト系固溶体
    (B)及びLa、Mo、Ce、V、Zn、Alから選ば
    れる金属を含有する化合物(C)を含有することを特徴
    とするカチオン電着塗料。
  3. 【請求項3】化合物(C)が、La、Mo、Ce、V、
    Zn、Alから選ばれる金属の無機系又は有機系の化合
    物(C−1)である請求項2に記載のカチオン電着塗
    料。
  4. 【請求項4】化合物(C)が、La、Mo、Ce、V、
    Zn、Alから選ばれる金属のりん酸塩又はほう酸塩
    (C−2)である請求項2に記載のカチオン電着塗料。
  5. 【請求項5】化合物(C)が、上記の(C−2)以外の
    無機系の化合物(C−3)である請求項2に記載のカチ
    オン電着塗料。
  6. 【請求項6】化合物(C)が、La、Mo、Ce、V、
    Zn、Alから選ばれる金属の有機系の化合物(C−
    4)である請求項2に記載のカチオン電着塗料。
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