JP2002294175A - 陰極電着塗料組成物 - Google Patents

陰極電着塗料組成物

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JP2002294175A
JP2002294175A JP2001094132A JP2001094132A JP2002294175A JP 2002294175 A JP2002294175 A JP 2002294175A JP 2001094132 A JP2001094132 A JP 2001094132A JP 2001094132 A JP2001094132 A JP 2001094132A JP 2002294175 A JP2002294175 A JP 2002294175A
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Koichi Hagiwara
興一 萩原
Hiromasa Kaneto
弘賢 金戸
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孝治 別所
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有毒な防錆顔料を使用することなく、特に、
未処理冷延鋼板に対する耐食性を有する塗膜を形成しう
る陰極電着塗料組成物を提供する。 【解決手段】 カチオン性基を有する親水性フィルム形
成性樹脂及び架橋剤を含む水性媒体中に分散してなる陰
極電着塗料組成物において、有機酸及び/又はセリウム
の有機酸塩と、炭酸セリウム及び/又はピロリン酸セリ
ウムを含み、前記炭酸セリウム及び/又はピロリン酸セ
リウムから持ち込まれる金属セリウム量が塗料固形分
中、0.05〜10質量%含有することを特徴とする陰
極電着塗料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は陰極電着塗料組成物
に関し、特に未処理冷延鋼板に対する耐食性を改良した
陰極電着塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】電着塗料は、耐食性、つきまわり性に優
れており、均一な塗膜を形成させることができるため、
自動車の車体、部品用プライマーを中心に広く使用され
ている。従来のカチオン電着塗料は、リン酸亜鉛などの
処理が完全になされている素材に対しては、十分な耐食
性を発現することができるものの、表面処理が不十分な
素材に対しては、耐食性確保のために防錆顔料として、
塩基性珪酸鉛などの鉛化合物を使用する必要がある。
【0003】ところが、鉛の毒性の問題により、その使
用が制限されるようになってきた。そこで、鉛に代わる
無毒防錆顔料として、リン酸系顔料、モリブデン酸系顔
料、ホウ酸系顔料などが検討されてきたが、防錆性は低
い。また、特開平2−279773号公報には酸化鉄の
使用が、特開平5−140487号公報には水酸化ビス
マス/スズ、水酸化セリウム/スズ、水酸化ニッケル/
スズの使用が記載されている。さらには、特開平5−2
47385号公報にはビスマス/スズ、特開平4−32
5572号公報には銅、ニッケル、亜鉛、コバルト、ク
ロム、アルミニウム、マンガン、ジルコニウム、スズ、
鉄の使用が記載されている。これらの提案のいずれも鉛
化合物に匹敵する防錆性能が得られていない。特開平8
−53637には水溶性セリウム(III)有機酸塩を金
属として0.01〜2.0質量%添加する方法が記載さ
れている。しかし、この方法では塗料保管中にセリウム
イオンが減少していき、所定の防錆性能が得られなくな
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、塗料
保管中に減少していくセリウムイオンを保持または増加
させ、経時においても安定な未処理冷延鋼板に対する耐
食性(塩水噴霧、塩水浸漬、乾湿サイクル腐食)を有す
る塗膜を形成しうる陰極電着塗料組成物を提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記した目的は、カチオ
ン性基を有する親水性フィルム形成性樹脂及び架橋剤を
含む水性媒体中に分散してなる陰極電着塗料組成物にお
いて、有機酸及び/又はセリウムの有機酸塩と、炭酸セ
リウム及び/又はピロリン酸セリウムを含み、前記炭酸
セリウム及び/又はピロリン酸セリウムから持ち込まれ
る金属セリウム量が塗料固形分中、0.05〜10質量
%である陰極電着塗料組成物によって達成される。前記
セリウムの有機酸塩としては、セリウムのモノカルボン
酸塩であることが好ましく、より好ましくは酢酸セリウ
ム及び/又は乳酸セリウムである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の陰極電着塗料組成
物の好ましい実施の形態について説明する。本発明にお
いて、有機酸は陰極電着塗料組成物中、電着塗料中のカ
チオン基を中和、水溶化するために使用され、その例と
してギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、クエン酸、リン
ゴ酸、酒石酸、アクリル酸などの水溶性有機酸が挙げら
れる。これらの有機塩は、陰極電着塗料組成物の中和、
水溶化に好適な量が配合される。
【0007】セリウムの有機酸塩としては、水溶性塩、
例えば、モノカルボン酸(酢酸、乳酸、ぎ酸、プロピオ
ン酸等)が好ましく用いられ、電着塗料中では、全てセ
リウムイオンとして存在する。これらのセリウムイオン
の含有量は、塗料組成物中、20〜4000ppmが好
ましく,より好ましくは100〜2000ppmであ
る。なお、このセリウムイオン量は後述の炭酸セリウム
及び/またはピロリン酸セリウムが溶出してイオン化し
たセリウムイオンを合わせたものである。セリウムイオ
ンの含有量が0.01質量%より少ないと耐食性の効果
が低く、10質量%よりも多いと得られる塗膜面の平滑
性に劣り、また、電着性(クーロン効率等)が低下する
等の不都合が生じる。
【0008】炭酸セリウム及び/又はピロリン酸セリウ
ムは、陰極電着塗料組成物中に防錆剤として含有され、
水中での溶解速度が比較的に遅く、経時的に陰極電着塗
料組成物中に溶解されて防錆性に効果的な3価のセリウ
ムイオンを溶出するため、保管中においても陰極電着塗
料組成物中の3価のセリウムイオン濃度を所望の値の範
囲内に維持することができる。これらの中で特に経済性
及び入手のし易さの点からは炭酸セリウムが最も好まし
い。
【0009】陰極電着塗料組成物中の炭酸セリウム及び
/又はピロリン酸セリウムの含有量は、陰極電着塗料組
成物のセリウムイオンを所望の値の範囲内に維持する必
要な量であり、この点から、塗料固形分中、セリウム金
属として0.05〜10質量%、好ましくは0.1〜5
質量%である。陰極電着塗料組成物中の炭酸セリウム及
び/又はピロリン酸セリウムの含有量が前記した範囲よ
りも少ないと、セリウムイオンの保持効果が低く、前記
した範囲よりも多くてもそれ以上の効果を期待できな
い,または経済的にも不利である。
【0010】上記有機酸及び/又はセリウムの有機酸塩
と、炭酸セリウム及び/又はピロリン酸セリウムの電着
塗料用組成物への導入は、特に制限されるものではな
く、通常の顔料分散法と同様にして行うことができる。
例えば、分散用樹脂中に炭酸セリウム及び/又はピロリ
ン酸セリウムとを分散させて分散ペーストを調製し、そ
れを塗料組成物中に配合することができる。あるいは、
セリウムの有機酸塩の場合には、塗料用樹脂エマルジョ
ン調製後にそのまま配合することにより行うことができ
る。なお、顔料分散用樹脂としては、カチオン電着塗料
用の一般的なもの(エポキシ系スルホニウム塩型樹脂、
エポキシ系4級アンモニウム塩型樹脂、エポキシ系3級
アミン型樹脂、アクリル系4級アンモニウム塩型樹脂な
ど)が用いられる。
【0011】カチオン性基を有する親水性フィルム形成
性樹脂(基体樹脂)としては、ビスフェノール型エポキ
シ樹脂から誘導される、数平均分子量が100〜100
00、好ましくは、1000〜3000のものが利用で
きる。基体樹脂の塩基当量は、通常の範囲でよく、具体
的には40〜150(ミリ当量/100g)、好ましく
は、60〜100(ミリ当量/100g)である。特
に、本出願人の特開平5−306327に開示されてい
るような、ジイソシアネート化合物を反応させたビスウ
レタン化合物あるいは他の活性水素化合物を反応させた
ヘテロウレタン化合物と、エポキシ樹脂とを脱アルコー
ル反応させることにより得られるオキサゾリドン環変性
エポキシ樹脂が好適に用いられる。
【0012】架橋剤としては、プロックポリイソシアネ
ート化合物が用いられる。ブロック化イソシアネート架
橋剤は、多官能性イソシアネート化合物とイソシアネー
トブロック剤との付加反応により得ることができる。使
用する多官能性イソシアネート化合物としては、脂肪
族、脂環式又は芳香族ポリイソシアネートが使用され
る。例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジ
イソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシ
アネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロ
ンジイソシアネートおよびそのイソシアヌレート体など
が挙げられる。一方、イソシアネートブロック剤は、付
加によって生成するブロックイソシアネート化合物が常
温においては安定であり、100〜200℃に加熱した
際にブロックを解離して、遊離のイソシアネート基を再
生しうるものであることが望ましい。例えば、ラクタム
系化合物(ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクタムな
ど)、フェノール系化合物(フェノール、クレゾール、
キシレノールなど)、アルコール系化合物(メタノー
ル、エタノール、フルフリルアルコール、ブチロセロソ
ルブなど)、オキシム系化合物(メチルエチルケトンオ
キシム、シクロヘキサノンオキシムなど)が挙げられ
る。
【0013】硬化触媒として、錫化合物(ジブチルチン
オキシド、ジブチルチンジラウレートなど)を用いるこ
とができる。
【0014】上記ブロック化イソシアネート架橋剤の添
加量は、基体樹脂との比率で決定するのが好ましい。通
常は、基体樹脂と架橋剤との比率は固形分として90/
10〜50/50に設定される。架橋剤の比率が少ない
場合は、十分な硬化性が得られず、逆にあまり多いと加
熱減量が増加するおそれがある。
【0015】本発明の陰極電着塗料組成物の中和・水溶
化は、基体樹脂および硬化剤を、ギ酸、酢酸、プロピオ
ン酸、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、アクリル酸
などの水溶性有機酸または塩酸、リン酸などの無機酸を
中和剤として含む水性媒体中に分散することによって行
われる。
【0016】本発明の陰極電着塗料組成物には、さら必
要に応じて通常の塗料添加物、例えば、チタン白、カー
ボンブラック、ベンガラなどの着色顔料、タルク、炭酸
カルシウム、クレー、シリカなどの体質顔料を顔料分散
樹脂で分散し、顔料分散ペーストとして添加してもよ
い。また、必要に応じて他の防錆顔料、例えば、リン酸
系顔料(リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、リン酸カル
シウムなど)、モリブデン酸系顔料(リンモリブデン酸
アルミニウム、リンモリブデン酸亜鉛など)、ホウ酸系
顔料(メタホウ酸バリウムなど)、表面調整剤、有機溶
剤などの塗料添加物を配合することができる。
【0017】本発明の陰極電着塗料組成物は、カチオン
電着塗装によって所望の基材表面に塗装することができ
る。カチオン電着塗装自体は既知の方法にしたがい、一
般には、固形分濃度が5〜40質量%、好ましくは、1
5〜25質量%となるように、脱イオン水で希釈し、さ
らに、pHを5.5〜8.5の範囲内に調整した本発明
の陰極電着塗料組成物からなる電着浴を通常、浴温20
℃〜35℃に調整し、負荷電圧100〜450Vの条件
で行うことができる。
【0018】本発明の陰極電着塗料組成物を用いて形成
しうる電着塗装の膜厚は、特に制限されるものではない
が、一般には、硬化塗膜に基づいて、5〜60μm、好
ましくは、10〜40μmの範囲内が適当である。ま
た、塗膜の焼付け硬化温度は、一般に100〜200
℃、好ましくは、150〜180℃で10〜30分間の
時間の範囲で焼き付けることが適している。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明するが、
本発明はこの実施例に限定されるものではない。 (オキサゾリドン環含有基体樹脂の合成)攪拌機、冷却
器、窒素注入管、温度計および滴下ロートを取り付けた
フラスコを用意した。このフラスコに2,4−/2,6
−トリレンジイソシアネート(質量比=8/2)92
g、メチルイソブチルケトン95gおよびジブチルチン
ジラウレート0.5gを加え、これを攪拌しながらメタ
ノール21gをさらに滴下した。反応は室温から始め、
発明により60℃まで昇温した。その後、30分間反応
を継続した後に、エチレングリコールモノ−2−エチル
ヘキシルエーテル57gを滴下ロートより滴下し、さら
にビスフェノールA−プロピレンオキシド5モル付加体
42gを加えた。反応は、主に60℃〜65℃の範囲で
行い、IRスペクトルを測定しながらイソシアネート基
が消失するまで継続した。次に、ビスフェノールAとエ
ピクロルヒドリンから合成したエポキシ当量188のエ
ポキシ樹脂365gを加え、125℃まで昇温した。そ
の後、ベンジルジメチルアミン1.0gを加え、エポキ
シ当量410になるまで130℃で反応させた。続いて
ビスフェノールA87gを反応容器に加えて120℃で
反応させたところ、エポキシ当量は1190となった。
その後冷却し、ジエタノールアミン11g、N−メチル
エタノールアミン24g、およびアミノエチルエタノー
ルアミンのケチミン化物(79質量%メチルイソブチル
ケトン溶液)25gを加え、110℃で2時間反応させ
た。その後、メチルイソブチルケトンで不揮発分80%
になるまで希釈し、オキサゾリドン環含有基体樹脂を得
た。
【0020】(ブロック化イソシアネートの合成)攪拌
機、冷却器、窒素注入管、温度計および滴下ロートを取
り付けたフラスコを用意した。このフラスコにヘキサメ
チレンジイソシアネートの3量体(コロネートHX:日
本ポリウレタン株式会社製)199gとε−カプロラク
タム11.3gとを加えた。そして、フラスコ内の内容
物を80℃まで昇温し、均一に溶解させた。ここに、メ
チルイソブチルケトン32gおよびジブチルスズジラウ
レート0.05gおよび1,8−ジアザビシクロ(5,
4,0)−7−ウンデセン0.05gを加えた。これを
窒素をバブリングしながら攪拌しているところにメチル
エチルケトキシム78.3gを発熱に注意しながら滴下
ロートから1時間かけて滴下した。IRスペクトルでイ
ソシアネート基が消失するまで反応させ、ブロック化イ
ソシアネート架橋剤を得た。
【0021】(顔料分散樹脂の生成)攪拌機、冷却器、
窒素注入管、温度計および滴下ロートを取り付けたフラ
スコを用意した。このフラスコにイソホロンジイソシア
ネート222.0gを加え、メチルイソブチルケトン3
9.1gで希釈した後にジブチルスズジラウレート0.
2gを加えた。50℃に昇温後、2−エチルヘキサノー
ル131.5gを窒素をバブリングしながら攪拌してい
るところに滴下ロートから2時間かけて滴下した。適宜
冷却することにより、この間の反応温度を50℃に維持
した。その結果、2−エチルヘキサノールハーフブロッ
ク化イソホロンジイソシアネートを得た。(固形分90
%)
【0022】攪拌機、冷却器、窒素注入管、温度計およ
び滴下ロートを取り付けた他のフラスコを用意した。こ
のフラスコにエポン828(シェル化学社製エポキシ樹
脂)376.0g、ビスフェノールA114.0gを加
え、窒素雰囲気下130℃へ加熱し、ジメチルベンジル
アミン0.75gを添加し、発熱反応170℃で1時間
反応させることにより、490のエポキシ当量を有する
ビスフェノールA型エポキシ樹脂を得た。次いで、14
0℃へ冷却後、上記2−エチルヘキサノールハーフブロ
ック化イソホロンジイソシアネート198.4gを加
え、140℃に1時間保ち反応させた後、エチレングリ
コールモノブチルエーテル161.8gを加えて反応混
合物を100℃に冷却した。これにチオジエタノール3
66.0g、ジメチロールプロピオン酸134.0g、
及び脱イオン水144.0gを加え、70℃から75℃
で0.241の酸価が得られるまで反応させ、次いで、
エチレングリコールモノブチルエーテル353.3で希
釈し、スルホニウム化率82%の顔料分散樹脂を得た。
(固形分50%)
【0023】(顔料分散ペーストの調製)前記の顔料分
散樹脂にカーボンブラック、二酸化チタン、カオリン、
リンモリブテン酸アルミニウム及び炭酸セリウムを表1
に示す配合にて分散させ、サンドミルで粉砕、調製し、
顔料分散ペーストを得た。
【0024】(実施例1〜実施例5)
【表1】
【0025】前記の基体樹脂350g(固形分)と、前
記の架橋剤150g(固形分)とを混合し、エチレング
リコールモノ−2−エチルヘキシルエーテルを固形分に
対して3%(15g)になるように添加した。次に氷酢
酸を中和率40.5%になるように加えて中和し、イオ
ン交換水を加えてゆっくり希釈し、次いで固形分が3
6.0%になるように減圧下でメチルイソブチルケトン
を除去した。
【0026】このようにして得られたエマルジョン18
7.5gへ、前記顔料分散ペースト65g、イオン交換
水247.5g、樹脂固形分に対して1.0質量%のジ
ブチルスズオキサイドを加えて混合し、固形分が20.
0質量%の電着塗料組成物を調製した。さらにセリウム
イオン含有量として0.01質量%となるように酢酸セ
リウムを添加した。
【0027】(比較例1,2)顔料ペーストの組成を表
2に示すに変更した以外は、実施例1〜5と同様にして
電着塗料組成物を調整した。
【0028】
【表2】
【0029】上記のようにして得られたそれぞれの電着
塗料組成物の調製時及び経時後(40℃、4週間)の電
着塗料組成物中のセリウムイオン濃度(ppm)を測定
した。 <セリウムイオンの測定方法>遠心分離器で塗料の固形
分を沈降させ、上澄み液を得る。この上澄み液中のセリ
ウムイオン濃度を蛍光X線分析装置にて測定した。測定
結果を表3に示す 。
【0030】
【表3】
【0031】表3から明かなように、実施例1〜5の電
着塗料組成物は、保管中にセリウムイオンが溶出してい
る。電着塗料組成物中のセリウムイオンは、防錆効果に
寄与するので、電着塗料組成物中のセリウムイオンが濃
度が高いことは、この電着塗料組成物を用いた塗膜の防
食性が高いことを示している。比較例1,2の電着塗料
組成物は、セリウムイオンの濃度が初期よりも経時で減
少しており、この電着塗料組成物を用いた塗膜の防食性
が低いことを示している。
【0032】次に経時した電着塗料を使用し、電着塗料
浴に、陰極として表面(未)処理冷延鋼板を浸漬し、乾
燥膜厚が20μmになるように電着塗装した後、160
℃×10分で硬化し、塩水噴霧試験により塗膜評価し
た。その結果を表4に示す。
【0033】
【表4】
【0034】表4から実施例の塗料により電着塗装した
塗装鋼板は、塗膜剥離もふくれもほとんどなく、比較例
による従来品に比べて格段に優れていた。
【0035】
【発明の効果】以上のように本発明の陰極電着塗料組成
物は、保管中において、経時的に防錆性に寄与するセリ
ウムイオンの濃度が減少することなく、所望の範囲内に
維持できるため、陰極電着塗料組成物を用いて形成され
る塗膜の防食性が向上する。
フロントページの続き (72)発明者 別所 孝治 愛知県高浜市新田町3丁目1番5号 日本 ペイント株式会社愛知事業所内 Fターム(参考) 4J038 DB391 DB392 DB401 DB402 DG301 DG302 HA286 HA426 JA36 JA39 JA44 KA03 KA05 KA08 MA08 MA10 NA03 PA04 PA19 PB07 PC02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カチオン性基を有する親水性フィルム形
    成性樹脂及び架橋剤を含む水性媒体中に分散してなる陰
    極電着塗料組成物において、有機酸及び/又はセリウム
    の有機酸塩と、炭酸セリウム及び/又はピロリン酸セリ
    ウムと、を含み、前記炭酸セリウム及び/又はピロリン
    酸セリウムから持ち込まれる金属セリウム量が塗料固形
    分中、0.05〜10質量%であることを特徴とする陰
    極電着塗料組成物。
  2. 【請求項2】 前記セリウムの有機酸塩が、セリウムの
    モノカルボン酸塩であることを特徴とする請求項1に記
    載の陰極電着塗料組成物。
  3. 【請求項3】 前記セリウムの有機酸塩が、酢酸セリウ
    ム及び/又は乳酸セリウムであることを特徴とする請求
    項1に記載の陰極電着塗料組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012087213A (ja) * 2010-10-19 2012-05-10 Nippon Parkerizing Co Ltd 金属材用親水性皮膜、親水化処理剤、及び親水化処理方法
CN115605433A (zh) * 2020-03-20 2023-01-13 加利福尼亚大学董事会(Us) 碳酸铈(iii)分散体的制备

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