JP2000063710A - 陰極電着塗料組成物 - Google Patents

陰極電着塗料組成物

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JP2000063710A
JP2000063710A JP10230970A JP23097098A JP2000063710A JP 2000063710 A JP2000063710 A JP 2000063710A JP 10230970 A JP10230970 A JP 10230970A JP 23097098 A JP23097098 A JP 23097098A JP 2000063710 A JP2000063710 A JP 2000063710A
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earth metal
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compound
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Yoshiaki Okumura
美明 奥村
Toshio Kaneko
敏雄 金子
Hiroaki Tsutsui
宏明 筒井
Kinya Yamakawa
欣哉 山川
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Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉛化合物等の有毒な防錆顔料を使用すること
なく、それと同等、又は、それ以上の優れた防食性、特
に、未処理冷延鋼板に対する防食性を有する塗膜を形成
しうる陰極電着塗料組成物を提供する。 【解決手段】 イットリウム化合物、プラセオジム化合
物、ネオジム化合物及びサマリウム化合物からなる群よ
り選択される少なくとも1種の希土類金属化合物を含有
する陰極電着塗料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、陰極電着塗料組成
物に関し、特に、化成処理が行われていない素材や化成
処理が不充分な部分に対して使用すると優れた防食性
(以下、「未処理冷延鋼板に対する防食性」又は「未処
理防食性」ともいう)を発揮する陰極電着塗料組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】自動車車体、部品、産業機器、家庭用機
器、オフィス家具等は、鋼板等の金属素材を金属成形物
とした後、塗装、組み立て等を行うことにより製品化さ
れている。このような金属成形物の塗装は、例えば、脱
脂、化成処理、水洗、電着等の工程を経ることにより行
われている。
【0003】電着工程に使用される電着塗料は、つきま
わり性に優れ、耐久性や防食性等の性能に優れた塗膜が
形成されることを目的とするものである。従来の陰極電
着塗料は、リン酸亜鉛等の化成処理が完全になされてい
る素材に対して電着塗装を行った場合、高い防食性を発
現することができる。一方、金属素材の用途(コンプレ
ッサー等)によっては化成処理を行わない場合もあり、
又は、被処理物が袋構造を有するものである場合、袋構
造部分では化成処理が充分に行われない場合もあり、こ
のような化成処理を行わない素材や化成処理が不充分な
部分等に対して電着塗装を行った場合は、防食性を充分
発揮することができなかった。従って、防食性確保のた
めに、防錆顔料として塩基性ケイ酸鉛等の鉛化合物を電
着塗料に添加する必要があった。しかし、鉛化合物は、
人体や環境に有害な物質であり、近年、その使用が大き
な問題となっている。
【0004】このような鉛化合物に代わる無毒又は低毒
性な防錆顔料として、リン酸系顔料、モリブデン酸系顔
料、ホウ酸系顔料等が検討されてきたが、鉛化合物と比
較して防食性は不充分であった。
【0005】特開平2−279773号公報には、防錆
顔料として酸化鉄の使用が、特開平5−140487号
公報には、水酸化ビスマス、水酸化セリウム又は水酸化
ニッケルとスズとを組み合わせて使用することが記載さ
れている。更に、特開平8−239386号公報にはラ
ンタン化合物、特開平8−53636号公報には銅化合
物、特開平8−53637号公報には水酸化セリウム及
びリンモリブデン酸塩、特開平8−53638号公報に
は銅化合物及びセリウム化合物の使用が記載されてい
る。
【0006】これらの提案は、いずれも防食性の向上効
果はあるものの、鉛化合物に匹敵する防食性、特に、化
成処理が不充分な部分や化成処理が行われていない素材
に対する防食性は得られていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状に
鑑み、鉛化合物等の有毒な防錆顔料を使用することな
く、それと同等、又は、それ以上の優れた防食性、特
に、未処理冷延鋼板に対する防食性を有する塗膜を形成
しうる陰極電着塗料組成物を提供することを目的とする
ものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、イットリウム
(Y)化合物、プラセオジム(Pr)化合物、ネオジム
(Nd)化合物及びサマリウム(Sm)化合物からなる
群より選択される少なくとも1種の希土類金属化合物を
含有することを特徴とする陰極電着塗料組成物である。
以下、本発明を詳述する。
【0009】本発明の陰極電着塗料組成物は、希土類金
属化合物を含有する。上記希土類金属化合物としては、
イットリウム化合物、プラセオジム化合物、ネオジム化
合物及びサマリウム化合物からなる群より選択される少
なくとも1種である。上記希土類金属化合物を電着塗料
中に配合することによって、未処理防食性に優れた塗膜
を形成することができる。
【0010】上記イットリウム化合物、プラセオジム化
合物、ネオジム化合物及びサマリウム化合物は、それぞ
れ、イットリウム、プラセオジム、ネオジム及びサマリ
ウムを一構成成分として含有する有機化合物又は無機化
合物であり、例えば、ギ酸イットリウム、酢酸プラセオ
ジム、酢酸ネオジム、乳酸サマリウム、シュウ酸サマリ
ウム等の有機酸塩;硝酸イットリウム、タングステン酸
イットリウム、モリブデン酸プラセオジム、アミド硫酸
ネオジム、アミド硫酸サマリウム、酸化ネオジム、水酸
化サマリウム等の無機酸塩又は無機化合物等を挙げるこ
とができる。
【0011】上記希土類金属化合物として、2価以上の
陰イオンを含む水溶性化合物は使用に適さない。例え
ば、上記希土類金属の硫酸塩は、得られる陰極電着塗料
組成物がゲル化しやすくなり、塗料液としての経時安定
性に問題がでる。
【0012】上記希土類金属化合物としては、水溶性で
あるか又は水に難溶性である化合物を使用することがで
きる。なかでも、水に対する溶解度が1g/dm3 以上
である水可溶性化合物が、少量の使用で防食効果が得ら
れるので、好ましい。希土類金属のアミド硫酸塩は、鉛
化合物と同等、又は、それ以上の優れた防食性を有する
塗膜が得られるので、より好ましい。
【0013】本発明の陰極電着塗料組成物は、上記希土
類金属化合物を含有するものである。上記陰極電着塗料
組成物中の上記希土類金属化合物の含有量は、陰極電着
塗料組成物中の他の成分、用途等に応じて変えることが
できるが、通常は、塗料固形分に対して、希土類金属に
換算して0.05〜10重量%であることが好ましい。
0.05重量%未満では、充分な防食効果が得られない
場合があり、10重量%を超えると、電着塗膜の平滑性
や耐水性が低下する場合がある。より好ましくは、0.
1〜2.0重量%である。
【0014】上記希土類金属化合物の陰極電着塗料組成
物への添加方法としては特に限定されず、通常の顔料分
散法と同様にして行うことができ、例えば、顔料分散用
樹脂中に予め上記希土類化合物を分散させて分散ペース
トを作り、それを基体樹脂、架橋剤等からなるエマルジ
ョンに配合することによって行うことができる。上記希
土類金属化合物が水溶性化合物の場合には、塗料用の樹
脂エマルジョン作成後にそのまま配合することにより、
陰極電着塗料組成物を得ることができる。
【0015】上記顔料分散用樹脂としては、陰極電着塗
料用の一般的な樹脂、例えば、エポキシ系スルホニウム
塩型樹脂、エポキシ系4級アンモニウム塩型樹脂、エポ
キシ系3級アミン型樹脂、アクリル系4級アンモニウム
塩型樹脂等を挙げることができる。
【0016】上記基体樹脂としては、例えば、エポキシ
系、アクリル系、ポリブタジエン系、アルキド系、ポリ
エステル系等を挙げることができる。なかでも、エポキ
シ樹脂が好ましく、ビスフェノール型エポキシ樹脂から
誘導される、数平均分子量が100〜10000、好ま
しくは数平均分子量が1000〜3000のものを好適
に使用することができる。上記基体樹脂の塩基当量は、
通常の範囲のものを用いることができ、例えば、40〜
150(ミリ当量/100g)、好ましくは、60〜1
00(ミリ当量/100g)である。
【0017】上記架橋剤としては、ブロックポリイソシ
アネート化合物を用いることができる。上記ブロックポ
リイソシアネート化合物は、多官能性イソシアネート化
合物とイソシアネートブロック剤との付加反応により得
ることができる。上記多官能性イソシアネート化合物と
しては、脂肪族、脂環式又は芳香族ポリイソシアネート
を使用することができ、例えば、トリレンジイソシアネ
ート、キシリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェ
ニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシ
アネート、イソホロンジイソシアネート、及び、それら
のイソシアヌレート体等を挙げることができる。上記イ
ソシアネートブロック剤は、付加によって生成するブロ
ックポリイソシアネート化合物が常温においては安定で
あり、100〜200℃に加熱した際にブロック剤を解
離して、遊離のイソシアネート基を再生しうるものであ
ることが好ましい。例えば、ラクタム系化合物(ε−カ
プロラクタム、γ−ブチロラクタム等)、フェノール系
化合物(フェノール、クレゾール,キシレノール等)、
アルコール系化合物(メタノール、エタノール、フルフ
リルアルコール、ブチルセロソルブ等)、オキシム系化
合物(メチルエチルケトンオキシム、シクロヘキサノン
オキシム等)を挙げることができる。
【0018】上記架橋剤の添加量は、基体樹脂との比率
で決定することが好ましく、通常、上記基体樹脂と上記
架橋剤との比率は、固形分として90/10〜50/5
0が好ましい。上記架橋剤の比率が少ないと、充分な硬
化性が得られない場合があり、多すぎると、加熱減量が
増加することがある。
【0019】上記基体樹脂及び上記架橋剤は、ギ酸、酢
酸、プロピオン酸、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石
酸、アクリル酸等の水溶性有機酸;又は、塩酸、リン酸
等の無機酸を中和剤として含む水性媒体中に分散するこ
とによって、中和及び水溶化を行い、樹脂エマルジョン
とすることができる。本発明の陰極電着塗料組成物に使
用する硬化触媒としては、錫化合物(ジブチル錫オキシ
ド、ジブチル錫ジラウレート等)を挙げることができ
る。
【0020】本発明の陰極電着塗料組成物には、必要に
応じて、通常の塗料添加物、例えば、二酸化チタン、カ
ーボンブラック、弁柄等の着色顔料;タルク、炭酸カル
シウム、クレー、シリカ等の体質顔料を上記希土類金属
化合物とともに顔料分散樹脂で分散し、顔料分散ペース
トとして添加してもよい。更に、必要に応じて、他の防
錆顔料、例えば、クロム系顔料(ストロンチウムクロメ
ート、ジンククロメート等)、鉛系顔料(塩基性ケイ酸
鉛、塩基性クロム酸鉛、鉛丹、シアナミド鉛等)、リン
酸系顔料(リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、リン酸カ
ルシウム等)、ホウ酸系顔料(メタホウ酸バリウム
等);表面調整剤;有機溶剤等の塗料添加物を配合する
ことができる。
【0021】本発明の陰極電着塗料組成物は、陰極電着
塗装によって、所望の基材表面に塗装することができ
る。上記陰極電着塗装は、それ自体公知の方法に従っ
て、一般には、固形分濃度が5〜40重量%、好ましく
は、15〜25重量%となるように、脱イオン水で希釈
し、更に、pHを5.0〜8.5の範囲内に調整した本
発明の陰極電着塗料組成物からなる電着浴を、通常、浴
温20℃〜35℃に調整し、負荷電圧50〜450Vの
条件で行うことができる。
【0022】本発明の陰極電着塗料組成物を用いて形成
しうる電着塗装の膜厚は特に限定されず、例えば、硬化
塗膜として5〜60μm、好ましくは10〜40μmを
挙げることができる。塗膜の焼付け硬化温度は、一般に
は、100〜200℃、好ましくは150〜180℃の
温度範囲で、10〜30分間焼付けることが好ましい。
【0023】本発明によれば、イットリウム化合物、プ
ラセオジム化合物、ネオジム化合物及びサマリウム化合
物からなる群より選択される少なくとも1種の希土類金
属化合物を含有する陰極電着塗料組成物によって、環境
対策上問題のある鉛化合物等の防錆顔料を使用せずに、
鉛化合物を配合した場合とほぼ同等、又は、それ以上の
優れた防食性、特に、未処理冷延鋼板に対する防食性を
有する電着塗膜を得ることができる。
【0024】本発明の陰極電着塗料組成物は、電着塗装
過程において、塗料に配合された希土類金属化合物と塗
料樹脂との複合化膜が被塗物表面に形成され、それが被
塗物の耐食性向上や塗膜密着性向上等の作用を発揮する
と推察される。
【0025】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0026】合成例1(基体樹脂の合成) 攪拌機、冷却器、窒素注入管、温度計及び滴下ロートを
取り付けたフラスコに、2,4−/2,6−トリレンジ
イソシアネート(重量比=8/2)92g、メチルイソ
ブチルケトン95g及びジブチルチンジラウレート0.
5gを加え、これを攪拌しながらメタノール21gを更
に滴下した。反応は室温から始め、発熱により60℃ま
で昇温した。その後、30分間反応を継続した後に、エ
チレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル5
7gを滴下ロートより滴下し、更にビスフェノールA−
プロピレンオキシド5モル付加体42gを加えた。反応
は、主に60℃〜65℃の範囲で行い、IRスペクトル
を測定しながらイソシアネート基が消失するまで継続し
た。次に、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンから
合成したエポキシ当量188のエポキシ樹脂365gを
加え、125℃まで昇温した。その後、ベンジルジメチ
ルアミン1.0gを加え、エポキシ当量410になるま
で130℃で反応させた。続いて、ビスフェノールA8
7gを反応容器に加えて120℃で反応させたところ、
エポキシ当量は1190となった。その後冷却し、ジエ
タノールアミン11g、N−メチルエタノールアミン2
4g、及びアミノエチルエタノールアミンのケチミン化
物(79重量%メチルイソブチルケトン溶液)25gを
加え、110℃で2時間反応させた。その後、メチルイ
ソブチルケトンで不揮発分80重量%になるまで希釈
し、オキサゾリドン環を含有する基体樹脂を得た。
【0027】合成例2(ブロック化イソシアネートの合
成) 攪拌機、冷却器、窒素注入管、温度計及び滴下ロートを
取り付けたフラスコに、ヘキサメチレンジイソシアネー
トの3量体(商品名「コロネート」;日本ポリウレタン
社製)199g及びε−カプロラクタム11.3gを加
えた。そして、フラスコ内の内容物を80℃まで昇温
し、均一に溶解させた。ここに、メチルイソブチルケト
ン32g及びジブチル錫ジラウレート0.05g及び
1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−7−ウンデセ
ン0.05gを加えた。これに窒素をバブリングしなが
ら攪拌しているところに、メチルエチルケトキシム7
8.3gを発熱に注意しながら滴下ロートから1時聞か
けて滴下した。IRスペクトルでイソシアネート基が消
失するまで反応させ、ブロック化イソシアネート架橋剤
を得た。
【0028】合成例3(顔料分散樹脂の合成) 攪拌機、冷却器、窒素注入管、温度計及び滴下ロートを
取り付けたフラスコに、イソホロンジイソシアネート2
22.0gを加え、メチルイソブチルケトン39.1g
で希釈した後に、ジブチルスズジラウレート0.2gを
加えた。50℃に昇温後、2−エチルヘキサノール13
1.5gを、窒素をバブリングしながら攪拌していると
ころに、滴下ロートから2時間かけて滴下した。適宜冷
却することによりこの間の反応温度を50℃に維持し
た。その結果、2−エチルヘキサノールハーフブロック
化イソホロンジイソシアネートを得た(固形分90重量
%)。
【0029】攪拌機、冷却器、窒素注入管、温度計及び
滴下ロートを取り付けた他のフラスコに、エポン828
(シェル化学社製エポキシ樹脂)376.0g、ビスフ
ェノールA114.0gを加え、窒素雰囲気下130℃
へ加熱し、ジメチルベンジルアミン0.75gを添加
し、170℃で1時間発熱反応させることにより、49
0のエポキシ当量を有するビスフェノールA型エポキシ
樹脂を得た。
【0030】次いで、140℃へ冷却後、上記2−エチ
ルヘキサノールハーフブロック化イソホロンジイソシア
ネート198.4gを加え、140℃に1時間保ち反応
させた後、エチレングリコールモノブチルエーテル16
1.8gを加え、反応混合物を100℃に冷却した。こ
れにチオジエタノール366.0g、ジメチロールプロ
ピオン酸134.0g及び脱イオン水144.0gを加
え、70℃〜75℃で、0.241の酸価が得られるま
で反応させ、次いで、エチレングリコールモノブチルエ
ーテル353.3gで希釈し、3級スルホニウム化率8
2%の顔料分散樹脂を得た(固形分50重量%)。
【0031】合成例4(顔料分散ペーストの調製) 合成例3で得た顔料分散樹脂に、カーボンブラック、カ
オリン、二酸化チタンを下記の配合にて分散させ、サン
ドミルで粉砕、調製し、顔料ペーストを得た。
【0032】実施例1〜8、比較例1、2 合成例1で得た基体樹脂350g(固形分)と合成例2
で得た架橋剤150g(固形分)とを混合し、エチレン
グリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテルを固形分
に対して3重量%(15g)になるように添加した。次
に、氷酢酸を中和率40.5%になるように加えて中和
し、イオン交換水を加えてゆっくり希釈し、次いで固形
分が36.0重量%になるように、減圧下でメチルイソ
ブチルケトンを除去した。
【0033】このようにして得られたエマルジョン20
00gへ、合成例4で得られた顔料ペースト460.0
g、イオン交換水2252.0g、及び、樹脂固形分に
対して1.0重量%のジブチルスズオキシドを加えて混
合し、固形分が20.0重量%の電着塗料を調製した。
【0034】なお、実施例1、2、3、4、6及び7で
使用される希土類金属のアミド硫酸塩は、水溶性塩であ
るので、その所定量を電着塗料調製時のイオン交換水に
事前に溶解しておくという方式で、また、実施例5、7
及び8で使用される希土類金属の酸化物は、難溶性であ
るので、顔料ペースト中の二酸化チタンの一部を置き換
えて配合するという方式で、表1に示す金属換算の添加
量(塗料固形分に対する重量%)に調節した。
【0035】この電着塗料浴に、陰極として未処理鋼板
(日本ペイント社製のサーフクリーナー53で脱脂のみ
を施した冷間圧延鋼板)と化成処理鋼板(脱脂後に日本
ペイント社製のサーフダインSD5000処理液でリン
酸亜鉛化成処理を施した鋼板)を浸漬し、乾燥膜厚が2
0μmになるように電着塗膜を形成して、160℃で2
0分間焼付けを行い、得られた塗装鋼板について下記評
価方法により性能評価を行った。表1に実施例及び比較
例の結果を示した。
【0036】評価方法 (1)塗膜平滑性 塗膜外観を目視評価した。 ○;良好 △;やや不良 ×;不良
【0037】(2)塩水噴霧試験 塗装鋼板にカッターナイフで素地に達するクロスカット
を入れ、塩水噴霧試験(5重量%食塩水、35℃)を実
施した。なお、未処理鋼板の場合、240時間、化成処
理鋼板の場合、480時間行った。 剥離;カット部からの最大テープ剥離幅(mm) ○;2mm未満 △;2mm以上4mm未満 ×;4mm以上 ふくれ;塗面のブリスター発生数/15cm×7cm ○;非常に少ない △;少ない ×;多数
【0038】(3)塩水浸漬試験 塗装鋼板にカッターナイフで素地に達するカットを入
れ、塩水浸漬試験(5重量%食塩水、55℃)を実施し
た。なお、未処理鋼板の場合、120時間、化成処理鋼
板の場合、240時間行った。 剥離;カット部からの最大テープ剥離幅(mm) ○;2mm未満 △;2mm以上4mm未満 ×;4mm以上 ふくれ;塗面のブリスター発生数/15cm×7cm ○;非常に少ない △;少ない ×;多数
【0039】
【表1】
【0040】実施例9〜12、比較例3、4 実施例1〜8、比較例1、2と同様に、合成例1と合成
例2から樹脂エマルジョンを調製し、それに希土類金属
化合物又は酢酸鉛を添加して、固形分20重量%の電着
塗料液を調製した。本電着塗料液に、サーフクリーナー
53(日本ペイント社製)で脱脂のみを施した冷間圧延
鋼(未処理鋼板)を浸漬し、それを陰極として電着塗膜
を形成し、160℃で20分間焼付けを行うことで、乾
燥膜厚20μmの電着塗装鋼板を作成した。得られた塗
装鋼板について下記評価方法により性能評価を行った。
図1に実施例及び比較例の結果を示した。
【0041】上記希土類金属化合物としては、実施例9
では2.5mMアミド硫酸ネオジム(希土類金属換算で
0.18重量%)、実施例10では5mMアミド硫酸ネ
オジム(希土類金属換算で0.36重量%)、実施例1
1では2.5mMアミド硫酸プラセオジム(希土類金属
換算で0.18重量%)、実施例12では5mMアミド
硫酸プラセオジム(希土類金属換算で0.35重量%)
を用いた。また、比較例3には酢酸鉛を金属換算で0.
50重量%になるように配合し、比較例4には希土類金
属化合物及び酢酸鉛ともに配合しなかった。
【0042】評価方法 (1)塩水噴霧試験(耐食二次密着性) 塗装鋼板にカッターナイフで素地に達するクロスカット
を入れ、塩水噴霧試験(5重量%食塩水、35℃)を実
施した。なお、処理時間は、240時間、500時間、
845時間、1000時間のそれぞれについて行った。
試験実施後、カット部からの片側テープ剥離幅を測定し
た。
【0043】
【発明の効果】本発明の陰極電着塗料組成物は、上述の
構成よりなるので、鉛化合物等の有毒な防錆顔料を使用
することなく、それと同等、又は、それ以上の優れた防
食性、特に、未処理冷延鋼板に対する防食性を有する塗
膜を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例9〜12並びに比較例3及び4の塩水噴
霧試験の結果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 筒井 宏明 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内 (72)発明者 山川 欣哉 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内 Fターム(参考) 4J038 EA011 HA366 JA47 NA03 PA04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イットリウム(Y)化合物、プラセオジ
    ム(Pr)化合物、ネオジム(Nd)化合物及びサマリ
    ウム(Sm)化合物からなる群より選択される少なくと
    も1種の希土類金属化合物を含有することを特徴とする
    陰極電着塗料組成物。
  2. 【請求項2】 希土類金属化合物は、塗料固形分に対し
    て、希土類金属に換算して0.05〜10重量%含まれ
    るものである請求項1記載の陰極電着塗料組成物。
  3. 【請求項3】 希土類金属化合物は、水に対する溶解度
    が1g/dm3 以上であるものである請求項1又は2記
    載の陰極電着塗料組成物。
  4. 【請求項4】 希土類金属化合物は、希土類金属のアミ
    ド硫酸塩である請求項3記載の陰極電着塗料組成物。
JP10230970A 1998-08-17 1998-08-17 陰極電着塗料組成物 Pending JP2000063710A (ja)

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