JP2001098140A - 水性分散液およびその製造方法 - Google Patents
水性分散液およびその製造方法Info
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Abstract
耐候性、疎水性等に優れる水性分散液を提供すること。 【解決手段】 オレフィン系単量体単位から主としてな
る重合体ブロック(A)とカルボキシル基または無水カ
ルボン酸基を有するビニル系単量体の単位2〜100モ
ル%および該ビニル系単量体と共重合可能な他のビニル
系単量体の単位98〜0モル%からなる重合体ブロック
(B)とから構成されるブロック共重合体を前記カルボ
キシル基または無水カルボン酸基に対して0.05当量
以上の塩基性物質の水溶液に分散してなる水性分散液に
より上記課題が解決される。
Description
その製造方法に関する。本発明の水性分散液は、各種基
材との接着性や密着性、貯蔵安定性、耐候性、疎水性等
に優れる。
脂は、加工性、耐水性、耐油性等の樹脂特性が優れる上
に安価であることから、家庭電化製品や自動車部品用プ
ラスティックとして多量に使用されており、その付加価
値を高めるためにポリオレフィン成形品の表面に塗装を
施したり、他の樹脂との積層体を形成することが試みら
れているが、ポリオレフィンは極性が低く、一般の塗料
や他の樹脂との接着性が悪いという問題がある。
リオレフィン成形品の表面をクロム酸、火炎、コロナ放
電、プラズマ、溶剤等を用いて処理することにより成形
品表面の極性を高め、塗料や他の樹脂との接着性を改善
することが従来より試みられてきたが、これらの処理に
おいては、複雑な工程を必要としたり、腐食性の薬剤を
多量に使用するため危険を伴ったりするといった問題点
があった。
品の表面を塩素化ポリオレフィンを主成分とするプライ
マーで下塗りする方法が提案されたが、塩素化ポリオレ
フィンは人体に対して有害なトルエン、キシレン等の芳
香族系有機溶媒に溶解させて使用することから、安全性
や環境上の問題が生じるといった欠点があった。そこで
塩素化ポリオレフィンを水性分散化する方法(特開平1
−256556号公報参照)が提案されたが、この方法
においても芳香族系有機溶剤の使用を全くなくすことは
困難である上に、得られる塗布皮膜の耐候性が劣るとい
う欠点がある。
ンの水性分散液を使用することが提案されている(特開
平6−73250号公報参照)が、この変性ポリオレフ
ィンはグラフト共重合体であることから、その水性分散
液の安定性を向上させるために界面活性剤を多量に含有
させなければならず、それに起因して塗布皮膜の密着性
が悪化する。さらに、上記の変性ポリオレフィンの水性
分散液で表面処理した無機充填剤をポリオレフィンに添
加すると、ポリオレフィンと無機フィラーとの接着性が
劣るため、ポリオレフィンの機械的物性が低下する。
的は、各種基材との接着性や密着性、貯蔵安定性、耐候
性、疎水性等に優れる水性分散液およびその製造方法を
提供することにある。
目的は、オレフィン系単量体単位から主としてなる重合
体ブロック(A)とカルボキシル基または無水カルボン
酸基を有するビニル系単量体の単位2〜100モル%お
よび該ビニル系単量体と共重合可能な他のビニル系単量
体の単位98〜0モル%からなる重合体ブロック(B)
とから構成されるブロック共重合体を前記カルボキシル
基または無水カルボン酸基に対して0.05当量以上の
塩基性物質の水溶液に分散してなる水性分散液;並びに
オレフィン系単量体単位から主としてなる重合体ブロッ
ク(A)とカルボキシル基または無水カルボン酸基を有
するビニル系単量体の単位2〜100モル%および該ビ
ニル系単量体と共重合可能な他のビニル系単量体の単位
98〜0モル%からなる重合体ブロック(B)とから構
成されるブロック共重合体を前記カルボキシル基または
無水カルボン酸基に対して0.05当量以上の塩基性物
質の水溶液に前記ブロック共重合体の融点以上の温度で
分散することを特徴とする水性分散液の製造方法を提供
することによって達成される。
は、以下に述べる重合体ブロック(A)および重合体ブ
ロック(B)から構成されており、例えば、AB型ジブ
ロック共重合体、ABA型トリブロック共重合体、BA
B型トリブロック共重合体などを挙げることができる。
これらのなかでも、AB型ジブロック共重合体が好まし
い。
ク(A)は、オレフィン系単量体単位から主としてなる
重合体ブロックである。重合体ブロック(A)における
オレフィン系単量体単位の含有量としては、重合体ブロ
ック(A)の全構造単位の合計モル数に基づいて50〜
100モル%の範囲内であるのが好ましく、70〜10
0モル%の範囲内であるのがより好ましく、80〜10
0モル%の範囲内であるのがさらに好ましい。
ば、エチレン;プロピレン、1−ブテン、2−メチル−
1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、
4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテ
ン、1−デセン、1−オクタデセン等のα−オレフィ
ン;2−ブテン;イソブチレン、ブタジエン、イソプレ
ン等の共役ジエン;シクロペンタジエン;ビニルシクロ
ヘキサン;β−ピネンなどから誘導される単位を挙げる
ことができ、重合体ブロック(A)は、これらのうち1
種または2種以上を含有することができる。重合体ブロ
ック(A)は、エチレンまたはプロピレンから誘導される
単位を含むのが好ましく、プロピレンから誘導される単
位からなる重合体ブロックまたはプロピレンから誘導さ
れる単位およびプロピレン以外の他のα−オレフィンか
ら誘導される単位からなる共重合体ブロックであるのが
より好ましい。上記のオレフィン系単量体単位がブタジ
エン、イソプレン、シクロペンタジエン等の共役ジエン
から誘導される単位の場合には、残存する不飽和結合が
水素添加されていてもよい。
上記のオレフィン系単量体と共重合可能なビニル系単量
体から誘導される単位を0〜50モル%の範囲内の割合
で含有することができる。該単量体単位の含有量は、0
〜30モル%の範囲内であるのが好ましく、0〜20モ
ル%の範囲内であるのがより好ましい。
ビニル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリロニ
トリル;酢酸ビニル、ピバリン酸ビニル等のビニルエス
テル;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)ア
クリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ドデシル
(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)ア
クリレート等の(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)
アクリルアミド;N−ビニル−2−ピロリドンなどを挙
げることができ、これらのうち1種または2種以上を用
いることができる。これらのなかでも、メチルアクリレ
ート、エチルアクリレート、酢酸ビニルが好ましい。ま
た、上記の重合体ブロック(A)は、変性されていても
よく、該変性は、塩素化、臭素化等のハロゲン化;クロ
ロスルフォン化;エポキシ化;ヒドロキシル化;無水カ
ルボン酸化;カルボン酸化などの公知の諸法を用いて行
なうことができる。
る重合体ブロック(B)は、カルボキシル基または無水
カルボン酸基を有するビニル系単量体の単位を重合体ブ
ロック(B)の全構造単位のモル数に基づいて2〜10
0モル%含有しており、該単位の含有量は2〜50モル
%の範囲内であるのが好ましく、2〜30モル%の範囲
内であるのがより好ましい。
しては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン
酸、ケイ皮酸、イタコン酸、マレイン酸などを挙げるこ
とができ、これらのうち1種または2種以上を用いるこ
とができる。これらのなかでも、アクリル酸、メタクリ
ル酸が好ましい。
れる基)を有するビニル系単量体としては、例えば、無
水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、ブ
テニル無水コハク酸、テトラヒドロ無水フタル酸などを
挙げることができ、これらのうち1種または2種以上を
用いることができる。これらのなかでも、無水マレイン
酸が好ましい。
シル基または無水カルボン酸基を有するビニル系単量体
と共重合可能な他のビニル系単量体の単位を重合体ブロ
ック(B)の全構造単位のモル数に基づいて0〜98モ
ル%、好ましくは50〜98モル%、より好ましくは7
0〜98モル%の割合で含有することができる。上記の
他のビニル系単量体としては、スチレン、p−スチレン
スルホン酸およびそのナトリウム塩、カリウム塩等のス
チレン系単量体;(メタ)アクリロニトリル;酢酸ビニ
ル、ピバリン酸ビニル等のビニルエステル;メチル(メ
タ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチ
ル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレー
ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の(メ
タ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリルアミド;N
−ビニル−2−ピロリドンなどを挙げることができ、こ
れらのうち1種または2種以上を用いることができる。
これらのなかでも、メチル(メタ)アクリレート、エチ
ル(メタ)アクリレート、スチレン、酢酸ビニルが好ま
しい。また、本発明における重合体ブロック(B)は塩
素化されていてもよい。塩素化はラジカル付加法など公
知の方法を用いて行なうことができる。この塩素化は後
述するブロック共重合体を製造した後に重合体ブロック
(A)と共に行なうこともできる。
ては、1,000〜100,000の範囲内であるのが
好ましく、2,500〜50,000の範囲内であるの
がより好ましい。重合体ブロック(B)の数平均分子量
としては、1,000〜100,000の範囲内である
のが好ましく、2,500〜50,000の範囲内であ
るのがより好ましい。ブロック共重合体の数平均分子量
としては、2,000〜200,000の範囲内である
のが好ましく、5,000〜100,000の範囲内で
あるのがより好ましい。なお、本明細書でいう数平均分
子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(G
PC)法により、標準ポリスチレン検量線から求めた値
である。
ば、末端にメルカプト基を有する重合体ブロック(A)
の存在下に、重合体ブロック(B)を構成する単量体成
分をラジカル重合することにより製造することができ
る。この方法によれば、目的とする数平均分子量および
分子量分布を有するブロック共重合体を簡便かつ効率的
に製造することができる。末端にメルカプト基を有する
重合体ブロック(A)は、各種の方法により製造するこ
とができ、例えば、末端に二重結合を有するポリオレフ
ィン系重合体に、チオ−S−酢酸、チオ−S−安息香
酸、チオ−S−プロピオン酸、チオ−S−酪酸またはチ
オ−S−吉草酸などを付加させた後、酸またはアルカリ
で処理する方法、アニオン重合法によりポリオレフィン
を製造する際の停止剤としてエチレンスルフィドを用い
る方法などにより製造することができる。
ロック共重合体100重量部に対してオレフィン系重合
体を1〜200重量部配合すると、該水性分散液から形
成される皮膜の強度が向上する。オレフィン系重合体の
配合量としては、水性分散液の貯蔵安定性と被膜の強度
のバランスの観点から、ブロック共重合体100重量部
に対して10〜100重量部の範囲内であるのが好まし
く、10〜50重量部の範囲内であるのがより好まし
い。オレフィン系重合体の配合量が200重量部を超え
ると、得られる水性分散液における分散物質の平均粒子
径が大きくなり、水性分散液の貯蔵安定性が低下する。
ば低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポ
リエチレン、超低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリ
エチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレ
ン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−α−オレ
フィン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン(また
はトリエン)三元共重合体などが挙げられ、これらのう
ちの1種または2種以上を用いることができる。上記の
エチレン−α−オレフィン共重合体におけるα−オレフ
ィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オ
クテン、1−デセンなどが挙げられ、エチレン−プロピ
レン−ジエン(またはトリエン)三元共重合体における
ジエン(またはトリエン)としては、1,4−ヘキサジ
エン、1,6−オクタジエン、2−メチル−1,5−ヘ
キサジエン、6−メチル−1,6−ヘプタジエン、7−
メチル−1,6−オクタジエン等の鎖状非共役ジエン;
シクロヘキサジエン、ジクロロペンタジエン、メチルテ
トラヒドロインデン、5−ビニルノルボルネン、5−エ
チリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノル
ボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、
6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボル
ネン等の環状非共役ジエン;2,3−ジイソプロピリデ
ン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロ
ピリデン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−2,2
−ノルボルナジエン、1,3,7−オクタトリエン、
1,4,9−デカトリエン等のトリエンなどが挙げられ
る。また、上記のオレフィン系重合体は、変性されてい
てもよく、該変性は、塩素化、臭素化等のハロゲン化;
クロロスルフォン化;エポキシ化;ヒドロキシル化;無
水カルボン酸化;カルボン酸化などの公知の諸法を用い
て行なうことができる。
じて配合されるオレフィン系重合体を、ブロック共重合
体の重合体ブロック(B)におけるカルボキシル基また
は無水カルボン酸基に対して0.05当量以上の塩基性
物質の水溶液に前記ブロック共重合体の融点以上の温度
で分散させることにより、本発明の水性分散液を製造す
ることができる。なお、上記のオレフィン系重合体を含
む水性分散液を製造する場合には、ブロック共重合体お
よびオレフィン系重合体のうち、融点が高い方の重合体
の融点以上の温度で上記の水溶液に分散させる。上記の
分散を上記の融点より低い温度で行うと、分散物質の平
均粒径が大きくなり、水性分散液の安定性が低下する。
均粒子径としては、貯蔵安定性、各種基材との密着性、
接着性の観点から、0.05〜2μmの範囲内であるの
が好ましく、0.05〜1μmの範囲内であるのがより
好ましい。
を用いて行なうことができ、攪拌手段としては、特に限
定されないが、大きな剪断力を生じさせる観点から、タ
ービン型攪拌機、コロイドミル、ホモミキサー、ホモジ
ナイザーが好ましい。
ヒドロキシアミン、水酸化アンモニウム、ヒドラジン、
ヒドラジン水和物、(ジ)メチルアミン、(ジ)エチル
アミン、(ジ)プロピルアミン、(ジ)ブチルアミン、
(ジ)ヘキシルアミン、(ジ)オクチルアミン、(ジ)
エタノールアミン、(ジ)プロパノールアミン、N−メ
チルジエタノールアミン、トリエチルアミン、N,N−
ジメチルエタノールアミン、2−ジメチルアミノ−2−
メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−
1−プロパノール、シクロヘキシルアミン、テトラメチ
ルアンモニウムヒドロキシド等のアミン化合物;酸化ナ
トリウム、過酸化ナトリウム、酸化カリウム、過酸化カ
リウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バ
リウム等の金属酸化物;水酸化バリウム、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化スト
ロンチウム等の金属水酸化物;水素化ナトリウム、水素
化カリウム、水素化カルシウム等の金属水素化物;炭酸
ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸
水素カリウム、炭酸水素カルシウム等の炭酸塩;酢酸ナ
トリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム等の酢酸塩な
どが挙げられる。これらのうちでも、入手の容易さ、水
性分散液の安定性の観点から、アンモニア、(ジ)メチ
ルアミン、(ジ)エチルアミン、(ジ)プロピルアミ
ン、N−メチルジエタノールアミン、トリエチルアミ
ン、N,N−ジメチルエタノールアミン、2−ジメチル
アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−
2−メチル−1−プロパノール、(ジ)ブチルアミン、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましく、アンモ
ニア、N,N−ジメチルエタノールアミン、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウムがより好ましい。
れ、塩基性物質の使用量は、ブロック共重合体の重合体
ブロック(B)におけるカルボキシル基または無水カル
ボン酸基に対して0.05当量以上であり、分散粒子径
を微細化する観点から、0.2〜5.0当量の範囲内で
あるのが好ましく、0.3〜1.5当量の範囲内である
のがより好ましい。
合体と塩基性物質の水溶液との配合割合は、ブロック共
重合体5〜70重量部に対して塩基性物質の水溶液95
〜30重量部の範囲内であるのが好ましい。本発明の水
性分散液中においてブロック共重合体は、重合体ブロッ
ク(B)におけるカルボキシル基または無水カルボン酸
基の5モル%以上が塩基性物質によって中和されること
により、塩を形成する。
増粘剤、消泡剤等を添加することができる。さらに、塗
布される素材の濡れ性を改善するために、少量の有機溶
剤を添加してもよい。また、本発明の水性分散液は、上
記の化合物の他に、必要に応じて、酸化防止剤、耐候安
定剤、熱分解防止剤等の各種安定剤;酸化チタン、有機
顔料等の着色剤;カーボンブラック、フェライト等の導
電性付与剤などを含んでもよい。本発明の水性分散液に
は、必要に応じてエポキシ化合物、アジリジン化合物、
オキサゾリン化合物、カルボジイミド化合物等の硬化剤
を配合することができる。
無機系の粒子の表面を処理することによって、オレフィ
ン系単量体単位から主としてなる重合体ブロック(A)
とカルボキシル基または無水カルボン酸基を有するビニ
ル系単量体の単位2〜100モル%および該ビニル系単
量体と共重合可能な他のビニル系単量体の単位98〜0
モル%からなる重合体ブロック(B)とから構成される
ブロック共重合体の塩または該塩100重量部とオレフ
ィン系重合体1〜200重量部からなる重合体組成物が
吸着した粒子(以下、これを「複合粒子」ということが
ある)が得られる。この複合粒子は、その核となる粒子
の表面の全部に上記のブロック共重合体の塩または上記
の重合体組成物が吸着していても、表面の一部に上記の
ブロック共重合体の塩または上記の重合体組成物が吸着
していてもよい。上記のブロック共重合体の塩は、該ブ
ロック共重合体が含有するカルボキシル基の5モル%以
上が塩基性物質により中和されており、20モル%以上
が中和されているのが好ましく、30モル%以上が中和
されているのがより好ましい。ここで、上記の複合粒子
およびその核となる粒子の大きさは、用途によって適宜
選択可能であるが、その長径が0.01μm〜50mm
の範囲内であるのが好ましく、0.05〜100μmの
範囲内であるのがより好ましい。
発明の水性分散液を加えて攪拌する方法、核となる粒子
を水中で混合攪拌して懸濁状態とし、この水懸濁液に本
発明の水性分散液を攪拌しながら添加して均一に分散さ
せる方法、核となる粒子の製造中(例えば、核となる粒
子の原料を粉砕する工程、核となる粒子を水溶液中から
析出させる工程など)に本発明の水性分散液を加える方
法などにより行なうことができる。また、上記の処理
後、複合粒子を沈殿させて濾過、乾燥させる方法などに
より、複合粒子を乾燥状態で得ることもできる。
散液を乾燥させて上記のブロック共重合体の塩または上
記の重合体組成物を得、これを核となる粒子とブレンド
することによっても製造することができる。粒子表面に
ブロック共重合体の塩または上記の重合体組成物を均一
に吸着させる観点から、上記した水中での表面処理を行
うのが好ましい。また、粒子の水懸濁液と本発明の水性
分散液との混合は、種々の方法で行うことができるが、
剪断力が生じるホモミキサー、コロイドミル、ボールミ
ル、サンドミル、ホモジナイザー等を用いて行うのが好
ましい。
しては、例えば、木紛、パルプ粉;アゾ顔料、アゾレー
キ顔料、縮合アゾ顔料、アントラキノン、チオインジ
ゴ、オキサジン、キナクリドン、酸性染料または塩基性
染料のレーキおよびトナー;銅フタロシアニンおよびそ
の誘導体、縮合多環顔料およびそれらの混合物および修
飾物;レーヨン、ビニロン、ポリアミド、ポリアミドイ
ミド、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン等の高
分子の粒子などが挙げられ、これらのうち1種または2
種以上を用いることができる。これらのなかでも、水酸
基、アミノ基およびカルボキシル基のうち少なくとも1
種の官能基を表面に有する有機系の粒子を用いるのが好
ましい。複合粒子をポレオレフィン系樹脂の充填材とし
て使用する場合、機械的性質改良効果の点から、木粉、
パルプ粉、レーヨンの粒子、ビニロンの粒子がより好ま
しい。
しては、例えば、タルク、クレー、カオリン、マイカ等
のケイ酸塩;シリカ、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛等
の酸化物;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等
の水酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭
酸塩;硫酸バリウム、硫酸カルシウム等の硫酸塩;カー
ボンブラック、ベンガラ、アンチモンレッド、カドミウ
ムイエロー、コバルトブルー、紺青、群青等の有色顔料
などが挙げられ、これらのうち1種または2種以上を用
いることができる。特に、水酸基、アミノ基およびカル
ボキシル基のうち少なくとも1種の官能基を表面に有し
ている無機系の粒子を用いるのが好ましい。上記の有機
系または無機系の粒子の形状としては、針状、繊維状、
粉末状などの形状が挙げられ、複合粒子をポレオレフィ
ン系樹脂の充填材として使用する場合、機械的性質改良
効果の点から、針状、繊維状の形状が好ましい。
が小さいため、貯蔵安定性が良好であり、相分離が起こ
りにくい。このため、本発明の水性分散液は、ポリオレ
フィン系樹脂、特にポリプロピレンに対する接着性(密
着性)に優れており、極性基材に対する接着性にも優れ
ることから、塗装や接着の際のプライマー、塗料、接着
剤として有用である。さらに、本発明の水性分散液は、
フィルム、紙、木、金属、プラスティック等のコーティ
ング剤(防水剤用途、離型剤用途、ヒートシール剤用途
等);塗装や接着におけるプライマーおよびアンカーコ
ート剤;水性塗料、水性接着剤、水性インキ等の改質剤
(顔料分散、光沢付与、耐摩耗性付与、耐水化等);イン
クジェットインキやカラーコピーのバインダー;トナー
の改質剤;つやだし剤;金属表面処理剤などとして有用
である。また、ブロック共重合体の塩が吸着した複合粒
子は、ポリオレフィンへの分散性に優れ、該複合粒子を
配合することにより各種物性に優れたポリオレフィン組
成物が得られる。
るが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではな
い。なお、下記の実施例および比較例において、分散粒
子の平均粒子径測定、炭酸カルシウム表面への吸着量、
炭酸カルシウムの最大サイズ、成形品表面の平滑性、成
形品の色差の物性試験は、次のようにして行った。
「ELS800」を用いて光散乱法により測定した。 (炭酸カルシウム表面への重合体の吸着量)ブロック共
重合体の塩およびポリオレフィン系重合体が表面に吸着
した炭酸カルシウムの重量W1を測定後、400℃で2
0分加熱し、加熱後の重量W2を測定した。下記(1)
式により上記の重合体の吸着量を算出した。 (1−W2/W1)×100 (1) (炭酸カルシウムの最大サイズ)実施例および比較例で
得られたシートの破断面を走査型電子顕微鏡を用いて1
00〜10000倍に拡大して撮影した写真により炭酸
カルシウムの最大サイズを測定した。同時に凝集塊の有
無を確認した。 (表面平滑性)実施例および比較例で得られたシートを
目視により次のような2段階評価を行った。 ○:プレス型面よりも粗い表面が5%未満である。 ×:シート表面の5%以上がプレス型面よりも粗い表面
である。 (表面色測定)実施例および比較例で得られたシートの
表面色は、日本電色工業株式会社製色差計「Z1001
DP」を用いて標準白板との色差(ΔE)を測定した。Δ
Eが大きいほど、標準白板との色差が大きく、着色して
いることを表している。
プロピレンブロック/エチルアクリレ ート−アクリル酸ブロック共重合体)の製造 (1)ポリプロピレン(三菱化学株式会社製「三菱ノー
ブレンMH8」)を二軸押出機に供給し、420℃で溶
融混練して熱分解させて、末端に二重結合を有するポリ
プロピレンを製造した。 (2)上記(1)で得られた末端に二重結合を有するポ
リプロピレン100重量部、トルエン1000重量部お
よびチオ−S−酢酸30重量部を反応器に入れて、内部
を充分に窒素置換した後、2,2'−アゾビスイソブチ
ロニトリル10重量部を加えて、90℃で6時間反応さ
せて、末端にチオアセチル基を有するポリプロピレンを
製造した。 (3)上記(2)で得られた末端にチオアセチル基を有
するポリプロピレン60重量部を、トルエン100重量
部とn−ブタノール20重量部の混合溶媒中に溶解し、
水酸化カリウムの7%n-ブタノール溶液1重量部を加
えて、窒素中トルエン還流温度で6時間反応させること
により、末端にメルカプト基を有するポリプロピレンを
製造した。
プト基を有するポリプロピレン50重量部をトルエン5
00重量部に溶解し、これにエチルアクリレート180
重量部、アクリル酸20重量部を加えて、窒素中、90
℃で、重合速度が1時間あたり約10%になるように
1,1'−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニト
リル)を加え、重合率が95%になった時点で反応を停
止した。反応液を冷却後、溶媒を除去し、ポリプロピレ
ンブロック(A)およびエチルアクリレート−アクリル
酸ブロック(B)〔エチルアクリレート:アクリル酸=
90:10(重量比)〕から構成されるAB型ジブロッ
ク共重合体(以下、「ブロック共重合体(I)」と称す
る)を得た。得られたブロック共重合体(I)の重合体
ブロック(A)の数平均分子量は8,200、重合体ブ
ロック(B)の数平均分子量は28,000、ブロック
共重合体(I)の数平均分子量は36,200であり、
融点は148℃であった。
プロピレンブロック/エチルアクリレート−無水マレイ
ン酸ブロック共重合体)の製造 参考例1の(3)で得られた末端にメルカプト基を有す
るポリプロピレン50重量部をトルエン500重量部に
溶解し、これにエチルアクリレート180重量部、無水
マレイン酸20重量部を加えて、窒素中、90℃で、重
合速度が1時間あたり約10%になるように1,1'−
アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)を加
え、重合率が95%になった時点で反応を停止した。反
応液を冷却後溶媒を除去し、ポリプロピレンブロック
(A)およびエチルアクリレート−無水マレイン酸ブロ
ック(B)〔エチルアクリレート:無水マレイン酸=9
0:10(重量比)〕から構成されるAB型ジブロック
共重合体(以下、「ブロック共重合体(II)」と称す
る)を得た。得られたブロック共重合体(II)の重合体
ブロック(A)の数平均分子量は8,200、重合体ブ
ロック(B)の数平均分子量は27,100、ブロック
共重合体(II)の数平均分子量は35,300であり、
融点は146℃であった。
リプロピレン−α−オレフィンブロック/エチルアクリ
レート−アクリル酸ブロック共重合体)の製造 (1)プロピレン−α−オレフィン共重合体(三井化学
株式会社製「タフマーXR110T」)500gを1L
の反応器に入れ、内温が390℃になるまで昇温し、2
時間減圧下で攪拌することにより、末端に2重結合を有
するプロピレン−α−オレフィン共重合体を得た。末端
2重結合量は、188.7μmol/gであった。 (2)上記(1)で得られた末端に二重結合を有するプ
ロピレン−α−オレフィン共重合体100重量部、キシ
レン300重量部およびチオ−S−酢酸4.3重量部を
反応器に入れて、内部を充分に窒素置換した後、2,
2'−アゾビスイソブチロニトリル0.1重量部を加え
て、90℃で2時間反応させて、末端にチオアセチル基
を有するプロピレン−α−オレフィン共重合体を製造し
た。末端チオアセチル基量は、179.2μmol/g
であり、付加反応率は、95%であった。 (3)上記(2)で得られた末端にチオアセチル基を有
するプロピレン−α−オレフィン共重合体100重量部
を、キシレン120重量部とn−ブタノール30重量部
の混合溶媒中に溶解し、水酸化ナトリウムの4%n-ブ
タノール溶液5.7重量部を加えて、窒素中トルエン還
流温度で1時間反応させることにより、末端にメルカプ
ト基を有するプロピレン−α−オレフィン共重合体を製
造した。末端メルカプト基量は、175.6μmol/
gであり、反応率は、98%であった。
プト基を有するポリプロピレン−α−オレフィン共重合
体100重量部をキシレン150重量部に溶解し、これ
にエチルアクリレート80重量部、アクリル酸10重量
部を加えて、窒素中、90℃で、重合速度が1時間あた
り約10%になるように1,1'−アゾビス(シクロヘ
キサン−1−カルボニトリル)を加え、重合率が95%
になった時点で反応を停止した。反応液を冷却後、溶媒
を除去し、プロピレン−α−オレフィン共重合体(A)
およびエチルアクリレート−アクリル酸ブロック(B)
〔エチルアクリレート:アクリル酸=90:10(重量
比)〕から構成されるAB型ジブロック共重合体(以
下、「ブロック共重合体(III)」と称する)を得た。
得られたブロック共重合体(III)の重合体ブロック
(A)の数平均分子量は5,300、重合体ブロック
(B)の数平均分子量は4,500、ブロック共重合体
(III)の数平均分子量は9,800であり、融点は1
03℃であった。
プロピレン−α−オレフィン共重合体(グラフト共重合
体)の製造 攪拌機、冷却管および滴下ロートを備えた四つ口フラス
コ中に、プロピレン─ブテン共重合体(プロピレンを成
分として75モル%含有しているもの)300gを仕込
んで加熱溶融させた後、系の温度を180℃に保って、
無水マレイン酸25gおよびジクミルパーオキサイド5
gを攪拌しながら各々3時間かけて滴下し、その後さら
に3時間反応させた。反応終了後、得られた反応生成物
を多量のアセトン中に投入し、カルボキシル基を含有す
る変性プロピレン−ブテン共重合体を得た。得られた共
重合体の融点は138℃であった。
得られたブロック共重合体(I)35gおよび水300
mlを入れ、160℃で攪拌した。次に、10%の水酸
化ナトリウム水溶液15mlをギヤポンプを用いて1時
間かけて系内に供給した。その後、さらに30分間攪拌
後、室温まで冷却して水性分散液を得た。得られた水性
分散液の分散粒子は真球状で平均粒子径を測定したとこ
ろ0.4μmであった。この水性分散液は1週間静置し
ても粒子径に変化はなく安定であった。
7.5wt%の炭酸カルシウム(平均粒径0.3μm)
の水分散液500gおよび上記で得られたブロック共重
合体(I)の水性分散液8.5gを入れ、70℃で2時
間攪拌した。その後スラリー液を吸引ろ過し、120℃
で12時間真空乾燥することにより、ブロック共重合体
(I)が表面に吸着している炭酸カルシウムの粉末を得
た。得られた炭酸カルシウムの粉末30gおよびポリプ
ロピレン70gをロール混練機にて170℃で溶融混練
したのち、表面が鏡面のステンレス板をプレス型とし
て、熱プレスによってシートを得た。得られたシートの
表面平滑性、色差および炭酸カルシウムの最大サイズを
表1に示した。この結果から、ブロック共重合体(I)
が吸着している炭酸カルシウムはポリプロピレンへの分
散性に優れていることが分かる。
得られたブロック共重合体(II)35gおよび水300
mlを入れ、160℃で攪拌した。次に、10%の水酸
化ナトリウム水溶液15mlをギヤポンプを用いて1時
間かけて系内に供給した。その後、さらに30分間攪拌
後、室温まで冷却して水性分散液を得た。得られた水性
分散液の分散粒子は真球状で平均粒子径を測定したとこ
ろ0.35μmであった。この水性分散液は1週間静置
しても粒子径に変化はなく安定であった。
7.5wt%の炭酸カルシウム(平均粒径0.3μm)
の水分散液500gおよび上記で得られたブロック共重
合体(II)の水性分散液8.5gを入れ、70℃で2時
間攪拌した。その後スラリー液を吸引ろ過し、120℃
で12時間真空乾燥することにより、ブロック共重合体
(II)が表面に吸着している炭酸カルシウムの粉末を得
た。得られた炭酸カルシウムの粉末30gおよびポリプ
ロピレン70gをロール混練機にて170℃で溶融混練
したのち、表面が鏡面のステンレス板をプレス型とし
て、熱プレスによってシートを得た。得られたシートの
表面平滑性、色差および炭酸カルシウムの最大サイズを
表1に示した。この結果から、ブロック共重合体(II)
が吸着している炭酸カルシウムはポリプロピレンへの分
散性に優れていることが分かる。
0.12dl/g、密度0.89g/cm3、融点14
4℃のポリプロピレン15g、および参考例1で得られ
たブロック共重合体(I)35gおよび水300mlを
入れ、160℃で攪拌した。次に、10%の水酸化ナト
リウム水溶液15mlをギヤポンプを用いて1時間かけ
て系内に供給した。その後、さらに30分間攪拌後、室
温まで冷却して水性分散液を得た。得られた水性分散液
の分散粒子は真球状で平均粒子径を測定したところ0.
55μmであった。この水性分散液は1週間静置しても
粒子径に変化はなく安定であった。
7.5wt%の炭酸カルシウム(平均粒径0.3μm)
の水分散液500gおよび上記で得られたブロック共重
合体(I)およびポリプロピレンの水性分散液8.5g
を入れ、70℃で2時間攪拌した。その後スラリー液を
吸引ろ過し、120℃で12時間真空乾燥することによ
り、ブロック共重合体(I)およびポリプロピレンが表
面に吸着している炭酸カルシウムの粉末を得た。得られ
た炭酸カルシウムの粉末30gおよびポリプロピレン7
0gをロール混練機にて170℃で溶融混練したのち、
表面が鏡面のステンレス板をプレス型として、熱プレス
によってシートを得た。得られたシートの表面平滑性、
色差および炭酸カルシウムの最大サイズを表1に示し
た。この結果から、ブロック共重合体(I)およびポリ
プロピレンが吸着している炭酸カルシウムはポリプロピ
レンへの分散性に優れていることが分かる。
例3で得られたブロック共重合体(III)50gおよび
キシレン250gを入れ、100℃で溶解させた。次
に、1%の水酸化ナトリウム水溶液300gを滴下ロー
トを用いて1時間かけて系内に供給し、キシレン−水懸
濁液を得た。この懸濁液中のキシレンを留去すること
で、粗乳化物を得た。この粗乳化物300g(樹脂分5
0g)をオートクレーブに仕込み、160℃で1時間攪
拌した。攪拌後、室温まで冷却して水性分散液を得た。
得られた水性分散液の分散粒子は真球状で平均粒子径を
測定したところ0.3μmであった。この水性分散液は
1週間静置しても粒子径に変化はなく安定であった。
7.5wt%の炭酸カルシウム(平均粒径0.3μm)
の水分散液500gおよび上記で得られたブロック共重
合体(III)の水性分散液8.5gを入れ、70℃で2
時間攪拌した。その後スラリー液を吸引ろ過し、120
℃で12時間真空乾燥することにより、ブロック共重合
体(III)が表面に吸着している炭酸カルシウムの粉末
を得た。得られた炭酸カルシウムの粉末30gおよびポ
リプロピレン70gをロール混練機にて170℃で溶融
混練したのち、表面が鏡面のステンレス板をプレス型と
して、熱プレスによってシートを得た。得られたシート
の表面平滑性、色差および炭酸カルシウムの最大サイズ
を表1に示した。この結果から、ブロック共重合体(II
I)が吸着している炭酸カルシウムはポリプロピレンへ
の分散性に優れていることが分かる。
の水スラリー液500gを吸引ろ過し、120℃で12
時間真空乾燥することにより、炭酸カルシウムの粉末を
得た。得られた炭酸カルシウムの粉末30gおよびポリ
プロピレン70gをロール混練機にて170℃で溶融混
練したのち、表面が鏡面のステンレス板をプレス型とし
て、熱プレスによってシートを得た。得られたシートの
表面平滑性、色差および炭酸カルシウムの最大サイズを
表1に示した。このとき炭酸カルシウムは凝集塊を形成
していた。この結果から、表面未処理の炭酸カルシウム
は、ポリプロピレンへの分散性に劣ることが分かる。
れた変性プロピレン−α−オレフィン共重合体(グラフ
ト共重合体)100gを仕込み、加熱溶融した後、非イ
オン性界面活性剤(ノニオンNS−212:日本油脂株
式会社製の商品名)12gを加え、次いでエタノールア
ミン(0.7当量)を加えた。得られた組成物を100
℃に保ち、90℃の水300gを強く攪拌しながら少量
ずつ加えて、乳白色の水性分散液を得た。得られた水性
分散粒子は真球状で平均粒子径を測定したところ、0.
32μmであった。この水性分散液は1週間静置しても
粒子径に変化はなく安定であった。
7.5wt%の炭酸カルシウム(平均粒径0.3μm)
の水分散液500gおよび上記で得られた変性プロピレ
ン−α−オレフィン共重合体の水性分散液8.5gを入
れ、70℃で2時間攪拌した。その後スラリー液を吸引
ろ過し、120℃で12時間真空乾燥することにより、
変性プロピレン−α−オレフィン共重合体が表面に吸着
している炭酸カルシウムの粉末を得た。得られた炭酸カ
ルシウムの粉末30gおよびポリプロピレン70gをロ
ール混練機にて170℃で溶融混練したのち、表面が鏡
面のステンレス板をプレス型として、熱プレスによって
シートを得た。得られたシートの表面平滑性、色差およ
び炭酸カルシウムの最大サイズを表1に示した。このと
き炭酸カルシウムは凝集塊を形成していた。この結果か
ら、グラフト共重合体が炭酸カルシウムに吸着している
場合には、炭酸カルシウムのポリプロピレンへの分散性
は劣ることがわかる。
密着性、貯蔵安定性、耐候性、疎水性等に優れる水性分
散液およびその製造方法が提供される。
Claims (10)
- 【請求項1】 オレフィン系単量体単位から主としてな
る重合体ブロック(A)とカルボキシル基または無水カ
ルボン酸基を有するビニル系単量体の単位2〜100モ
ル%および該ビニル系単量体と共重合可能な他のビニル
系単量体の単位98〜0モル%からなる重合体ブロック
(B)とから構成されるブロック共重合体を前記カルボ
キシル基または無水カルボン酸基に対して0.05当量
以上の塩基性物質の水溶液に分散してなる水性分散液。 - 【請求項2】 分散物質の平均粒子径が0.05〜2μ
mである請求項1記載の水性分散液。 - 【請求項3】 重合体ブロック(B)が、カルボキシル
基または無水カルボン酸基を有するビニル系単量体の単
位2〜50モル%および該ビニル系単量体と共重合可能
な他のビニル系単量体の単位98〜50モル%からなる
重合体ブロックである請求項1または2記載の水性分散
液。 - 【請求項4】 重合体ブロック(A)におけるオレフィ
ン系単量体単位が、プロピレンから誘導される単位、ま
たはプロピレンから誘導される単位およびプロピレン以
外の他のα−オレフィンから誘導される単位である請求
項1〜3のいずれか1項に記載の水性分散液。 - 【請求項5】 重合体ブロック(A)の数平均分子量が
1,000〜100,000であり、重合体ブロック
(B)の数平均分子量が1,000〜100,000で
ある請求項1〜4のいずれか1項に記載の水性分散液。 - 【請求項6】 ブロック共重合体100重量部に対して
オレフィン系重合体を1〜200重量部含む請求項1〜
5のいずれか1項に記載の水性分散液。 - 【請求項7】 オレフィン系単量体単位から主としてな
る重合体ブロック(A)とカルボキシル基または無水カ
ルボン酸基を有するビニル系単量体の単位2〜100モ
ル%および該ビニル系単量体と共重合可能な他のビニル
系単量体の単位98〜0モル%からなる重合体ブロック
(B)とから構成されるブロック共重合体を前記カルボ
キシル基または無水カルボン酸基に対して0.05当量
以上の塩基性物質の水溶液に前記ブロック共重合体の融
点以上の温度で分散することを特徴とする水性分散液の
製造方法。 - 【請求項8】 オレフィン系単量体単位から主としてな
る重合体ブロック(A)とカルボキシル基または無水カ
ルボン酸基を有するビニル系単量体の単位2〜100モ
ル%および該ビニル系単量体と共重合可能な他のビニル
系単量体の単位98〜0モル%からなる重合体ブロック
(B)とから構成されるブロック共重合体100重量部
並びにオレフィン系重合体1〜200重量部を前記カル
ボキシル基または無水カルボン酸基に対して0.05当
量以上の塩基性物質の水溶液に前記ブロック共重合体お
よびオレフィン系重合体のうち、融点が高い方の重合体
の融点以上の温度で分散することを特徴とする水性分散
液の製造方法。 - 【請求項9】 オレフィン系単量体単位から主としてな
る重合体ブロック(A)とカルボキシル基または無水カ
ルボン酸基を有するビニル系単量体の単位2〜100モ
ル%および該ビニル系単量体と共重合可能な他のビニル
系単量体の単位98〜0モル%からなる重合体ブロック
(B)とから構成されるブロック共重合体の塩が吸着し
た粒子。 - 【請求項10】 オレフィン系単量体単位から主として
なる重合体ブロック(A)とカルボキシル基または無水
カルボン酸基を有するビニル系単量体の単位2〜100
モル%および該ビニル系単量体と共重合可能な他のビニ
ル系単量体の単位98〜0モル%からなる重合体ブロッ
ク(B)とから構成されるブロック共重合体の塩100
重量部並びにオレフィン系重合体1〜200重量部から
なる重合体組成物が吸着した粒子。
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