JP2000086771A - 水性分散体及びその製造方法 - Google Patents
水性分散体及びその製造方法Info
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Abstract
酸の塩と水を含有し、固形分が水相に均一に分散してい
る水性分散体、及び、前記樹脂と炭素数25〜60の脂
肪酸及び/又は炭素数25〜60の脂肪酸のエステルと
を溶融混練後、塩基性物質と水を加えてさらに溶融混練
し、中和及び/又はけん化して、転相する前記水性分散
体の製法。
Description
耐薬品性及び非極性材料との密着性に優れた被膜を形成
することができる熱可塑性樹脂の水性分散体とその製造
方法および前記水性分散体を水で希釈した水性分散体を
提供することを目的とする。
体が知られている。水性分散体は、分散媒として水を使
用しているので、引火性の問題や作業環境上の問題、取
り扱い性などの面から、分散媒として溶剤を使用するも
のに比べて非常に有利であって、幅広い分野で利用され
てきた。例えば、紙、繊維、木材、金属、プラスチック
成型品などの基材表面に塗布乾燥されて形成された樹脂
被膜が、基材に耐水性、耐油性、耐薬品性、耐食性を付
与したり、ヒートシール剤として機能する。
の水性分散体は、水性媒体中で乳化剤存在下に、樹脂原
料の重合性単量体を乳化重合する方法と、溶融熱可塑性
樹脂と水性媒体、必要に応じて界面活性剤を、剪断力を
加えつつ、攪拌混合する方法によって製造されている。
前者の方法は重合可能な単量体の種類が限定され、した
がって得られる熱可塑性樹脂の水性分散体の種類に制限
があり、また、重合反応の制御の煩雑さや装置の複雑さ
などに問題がある。一方、後者の方法は、幅広い樹脂に
応用することができ、装置も比較的簡便なものですむ場
合が多い。
されてきた。例えば、特開昭51−12835号公報に
は、熱可塑性樹脂と水溶性高分子とからなる混練物を水
中に分散させる方法が開示されている。しかしこの方法
によって製造された水性分散体を使用して得られる被膜
は、水溶性高分子を含んでいるため機械的強度が弱かっ
たり、耐水性に劣るという問題がある。
プロピレンと界面活性剤や水溶性ないし水膨潤性の重合
体から選ばれる分散剤とからなる混練物を水中に分散さ
せる方法が開示されている。しかしこの方法によって製
造された水性分散体粒子は粒径が比較的大きく、粒径を
小さくするには石油樹脂を併用する必要があり、そのた
め得られる被膜が粘着性を有する問題があった。
オレフィン系樹脂と部分けん化ポリビニルアルコール水
溶液とを混練して、水性分散液を得る方法が開示されて
いるが、この場合も水溶性樹脂を含むために被膜物性が
悪くなる。
207号公報に開示されている技術、すなわちポリオレ
フィンとカルボキシル基含有ポリオレフィンとを溶融混
練後、生成物を塩基性物質を含有する熱水中に供給し、
剪断力を加えて分散液を得る方法は、水溶性あるいは水
膨潤性重合体を含んでいないし、石油樹脂も使用しない
ので好適な方法である。しかし、その一方で、分散粒子
径の小さいものを製造するには、原料樹脂の範囲が限定
されるという問題がある。また、高温、高圧下で分散化
するため、耐圧容器を必要とした。そこで、水溶性ある
いは水膨潤性重合体も石油樹脂なども使用せずに、かつ
適用できる樹脂の範囲が広い水性分散液を取得する方法
の開発が望まれてきた。
い、オレフィン系樹脂、カルボキシル基、その無水物基
又はそのエステル基を含有するオレフィン系重合体及び
塩基性物質を、必要に応じてアニオン型界面活性剤を加
えて、限定された量の水分の存在下に溶融混練すると、
転相、すなわち水が分散媒相に、固形分が分散粒子相と
なる転化が生じて、見かけ上固体の水性分散体が得られ
ること、及び一旦このような転相が生じると、これに系
中であるいは系外で多量の水分を補充することができ、
広範囲の水分含量を有する水性分散液が得られることを
見出した(特開昭61−123664公報、特公平7−
8933公報)。
ルボキシル基、その無水物基又はそのエステル基を含有
するオレフィン系重合体が必須成分であるため、オレフ
ィン系樹脂本来の物性を十分発現できない場合があるこ
と、また、この問題を解決するために、オレフィン系樹
脂の割合を高めると水性分散体の収率が低下するという
問題があった。また、界面活性剤を使用した場合には、
被膜の耐水性が低下するという問題もあった。
は、従来技術の欠点を解決することが課題であり、耐水
性、耐油性、耐薬品性及び非極性材料との密着性に優れ
た被膜を形成することができる熱可塑性樹脂の水性分散
体とその製造方法を提供することが課題である。
性樹脂、(B)炭素数25〜60の脂肪酸の塩、及び
(C)水を含有し、固形分が、水相に均一に分散してい
ることを特徴とする水性分散体である。
(B)炭素数25〜60の脂肪酸の塩、(B’)炭素数
25〜60の脂肪酸及び/又は炭素数25〜60の脂肪
酸のエステル、及び(C)水を含有し、固形分が水相に
均一に分散していることを特徴とする水性分散体であ
る。
重量部に対する(B)炭素数25〜60の脂肪酸の塩の
割合が0.5〜30重量部であり、(C)水の含有量が
3〜25重量%であることを特徴とする水性分散体であ
る。
重量部に対する(B)炭素数25〜60の脂肪酸の塩と
(B’)炭素数25〜60の脂肪酸及び/又は炭素数2
5〜60の脂肪酸のエステルの割合が0.5〜30重量
部であり、(C)水の含有量が3〜25重量%であるこ
とを特徴とする水性分散体である。
含む固形分濃度が10〜70重量%で、前記固形分粒子
の平均粒径が0.1〜5μmである水性分散体である。
エチレン・ビニル化合物共重合体である水性分散体であ
る。
0の脂肪酸の塩がモンタン酸のアルカリ金属塩である水
性分散体である。
と、(B’)炭素数25〜60の脂肪酸及び/又は炭素
数25〜60の脂肪酸のエステルを溶融混練する工程
と、この溶融混練生成物に塩基性物質と全体当たり3〜
25重量%の水を添加して溶融混練を行い、前記脂肪酸
の少なくとも一部を中和し、及び/又は前記脂肪酸エス
テルの少なくとも一部をけん化するとともに、固形分を
水相に分散させる工程とからなる、前記樹脂(A)と炭
素数25〜60の脂肪酸の塩(B)を含有する水性分散
体の製造方法である。
水性分散体を構成する熱可塑性樹脂(A)は、水不溶
性、水非膨潤性であることはもちろんのこと、それ自体
水中への分散性にも欠ける樹脂であり、被膜形成可能な
分子量を有する樹脂である。ここで言う樹脂には、エラ
ストマーも含まれる。
ポリ−1−ブテン、ポリ−3−メチル−1−ブテン、ポ
リ−3−メチル−1−ペンテン、ポリ−4−メチル−1
−ペンテン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン
・1−ブテン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合
体で代表される、エチレン、プロピレン、1−ブテン、
3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、
3−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−ヘキセ
ン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン等のα−
オレフィンの単独または2種以上の共重合体(エラスト
マーを含む):又は、エチレン・ブタジエン共重合体、
エチレン・エチリデンノルボルネン共重合体で代表され
るα−オレフィンと共役ジエンまたは非共役ジエンとの
共重合体(エラストマーを含む)、あるいは、エチレン
・プロピレン・ブタジエン共重合体、エチレン・プロピ
レン・ジシクロペンタジエン共重合体、エチレン・プロ
ピレン・1,5−ヘキサジエン共重合体で代表される、
α−オレフィンの2種以上と共役ジエンまたは非共役ジ
エンとの共重合体等のポリオレフィン(エラストマーを
含む):エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビ
ニルアルコール共重合体、エチレン・塩化ビニル共重合
体、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン
・(メタ)アクリル酸エステル共重合体等の(A’)エ
チレン・ビニル化合物共重合体:ポリスチレン、AB
S、アクリロニトリル・スチレン共重合体、α−メチル
スチレン・スチレン共重合体等のスチレン系共重合体
(エラストマーを含む)、スチレン・ブタジエン共重合
体またはその水添物、スチレン・イソプレン・スチレン
トリブロック共重合体に代表されるスチレンブロック共
重合体(エラストマーを含む):ポリ塩化ビニル、ポリ
塩化ビニリデン、塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合
体、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等
のポリビニル化合物:ナイロン6、ナイロン6,6、ナ
イロン12等のポリアミド、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート等の熱可塑性ポリエス
テル、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド等
を挙げることができる。これらは単独でも、混合しても
使用できる。好ましいのはエチレン・ビニル化合物共重
合体、α−オレフィンの単独または2種以上の共重合体
(エラストマーを含む)、特に好ましいのはエチレン・
酢酸ビニル共重合体である。
6730)は特に限定されないが、溶融混練しやすさ及
び形成される被膜物性の観点から、0.1〜800g/
10分、好ましくは0.5〜500g/10分、特に好
ましくは1〜300g/10分である。熱可塑性樹脂
(A)は、粒状で存在するのが好ましく、平均粒径は
0.1〜5μmであるのが好ましく、0.1〜3μmで
あるのが特に好ましい。粒径はマイクロトラックで測定
する。
素数25〜60の脂肪酸の塩(B)である。好ましくは
炭素数25〜40の脂肪酸のアルカリ金属塩、アルカリ
土類金属塩、アミンの塩が挙げられる。より好ましいの
は、モンタン酸のアルカリ金属塩である。
の脂肪酸の塩(B)の他に、炭素数25〜60の脂肪酸
及び/又は炭素数25〜60の脂肪酸のエステル
(B’)を含んでいても良い。エステルを構成するアル
コ−ル残基は、炭素数2〜30であるのが好ましく、炭
素数6〜20であるのが特に好ましい。残基は直鎖状で
も、分岐状でも差し支えない。炭素数が異なるものの混
合物であっても良い。アルコール残基として、具体的に
はセチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイル
アルコール等の高級アルコールの残基を挙げることがで
きる。モンタン酸のエステルワックス、モンタンろうが
特に好適である。炭素数25〜60の脂肪酸の塩は、炭
素数25〜60の脂肪酸を中和及び/又は炭素数25〜
60の脂肪酸のエステルをけん化して得ることができ
る。
酸の塩(B)、又は前記脂肪酸の塩(B)と前記脂肪酸
及び/又は前記脂肪酸のエステル(B’)の割合は、
(A)100重量部に対して、(B)又は(B)及び
(B’)が0.5〜30重量部、特には2〜20重量部
であるのが好ましい。(B)又は(B)及び(B’)が
この割合を下回ると(A)の分散が十分でなく、一方、
(B)又は(B)及び(B’)がこの割合を上回ると、
目的とする熱可塑性樹脂本来の性質とは異なる分散体と
なる。
に、さらに水を含有するものであるが、水分含有量は全
体当たり、すなわち水性分散体中3〜25重量%であ
る。水分含有量が3重量%未満では、転相が起こらず、
水性分散体が得られないし、25重量%以上となると、
流動性のある水性分散体となる。つまり、3〜25重量
%の範囲にすることにより、見掛け上固体の水性分散体
とすることができる。
(A)と、前記脂肪酸及び/又は前記脂肪酸エステル
(B)を溶融混練した後に、この溶融混練物に塩基性物
質と水を添加して、さらに溶融混練する方法でも、予
め、前記脂肪酸及び/又は前記脂肪酸エステル(B’)
を塩基性物質により中和及び/又はけん化し、これを熱
可塑性樹脂(A)と溶融混練した後、水を添加して、さ
らに溶融混練を行う方法でも製造可能であるが、簡便な
前者の方法が好ましい。
かなる溶融混練手段も使用可能であるが、ニーダー、バ
ンバリーミキサー、多軸スクリュー押出機が好適であ
る。溶融混練条件は、前記熱可塑性樹脂(A)の通常の
溶融混練条件と変わるところはない。本発明の中和又は
ケン化は、好ましくは全脂肪酸又は全脂肪酸エステルの
60〜150%、特に好ましくは80〜130%の割合
で実施される。そのため本発明の水性分散体には、中和
及び/又はケン化の原料で、未反応の前記脂肪酸及び/
又は前記脂肪酸エステルが混在することがあるが、水性
分散体の性状に格別な影響を与えない。前記熱可塑性樹
脂(A)を主体とする固形分の収率は85〜100重量
%、好ましくは90〜100重量%である。
は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、ストロンチウ
ム、バリウム等のアルカリ金属及びアルカリ土類金属:
ヒドロキシルアミン、水酸化アンモニウム、ヒドラジン
等の無機アミン:メチルアミン、エチルアミン、エタノ
ールアミン、シクロヘキシルアミン、テトラメチルアン
モニウムヒドロキシド等の有機アミン:酸化ナトリウ
ム、過酸化ナトリウム、酸化カリウム、過酸化カリウ
ム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシ
ウム、水素化ストロンチウム、水酸化バリウム、水素化
ナトリウム、水素化カリウム、水素化カルシウム等の、
アルカリ金属及びアルカリ土類金属の酸化物、水酸化
物、水素化物:炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水
素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素カルシウ
ム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム等
のアルカリ金属及びアルカリ土類金属の弱酸塩を挙げる
ことができる。好ましいのはアルカリ金属の水酸化物、
アルカリ土類金属の水酸化物、特に好ましいのは水酸化
カリウム、水酸化ナトリウムである。塩基性物質は水溶
液として添加されるのが好ましい。
得られた前記水性分散体に、さらに水を添加して水性分
散体を調製することができる。添加する水の量は、水性
分散体の使用目的・方法により適宜に決めることができ
るが、通常、固形分濃度が10〜70重量%程度、好ま
しくは20〜60重量%の範囲に希釈・調整される。
0.1〜5μmと小粒で、高濃度であり、得られる被膜
が、防湿性、撥水性、紙・金属・ガラス・木・繊維(天
然繊維・合成繊維)・不織布への熱接着性、熱転写性、
耐摩擦性、耐衝撃性、耐候性、耐溶剤性、柔軟性、高周
波加工性に優れている。よって本発明の水性分散体は、
紙コーテイングによる壁紙用バインダー、繊維コーテイ
ング剤(繊維の強度増大、吸湿性・撥水性改良)、工事
用ネット、ナイロン・ポリエステル・ガラス繊維の収束
材、紙・不織布の目止めおよび熱接着剤、紙・フィルム
のヒートシール性付与剤、滅菌紙の熱接着剤、インキ・
塗料のバインダー、インクジェットプリンター用紙及び
フィルムの表面コート剤、自動車用塗料の耐チッピング
性改良剤等に使用される。
に、例えば、被膜性能を向上させるための水溶性メラミ
ン樹脂、水溶性ベンゾグアナミン樹脂等の水溶性アミノ
樹脂や水溶性エポキシ樹脂:分散体の安定性を向上し、
粘度を調整するためのポリビニルアルコール、ポリビニ
ルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレ
ンオキサイド、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、
カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒド
ロキシエチルセルロース等の有機増粘剤、二酸化ケイ
素、活性白土、ベントナイト等の無機増粘剤:水性分散
体の安定性を向上させるためのノニオン系界面活性剤、
アニオン系界面活性剤等の界面活性剤、あるいは水溶性
多価金属塩類:その他の防錆剤、防かび剤、紫外線吸収
剤、耐熱安定剤、発泡剤、消泡剤:チタン白、ベンガ
ラ、フタロシアニン、カーボンブラック、パーマネント
イエロー等の顔料:炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、炭酸バリウム、タルク、水酸化アルミニウム、硫酸
カルシウム、カオリン、雲母、アスベスト、マイカ、ケ
イ酸カルシウム等の充填剤などを、本発明の目的を損な
わない範囲で添加しても良い。
本発明は実施例によって何ら限定されるものではない。 [実施例1]エチレン−酢酸ビニル共重合体(MFR1
50、酢酸ビニル含有量19重量%)100重量部、モ
ンタン酸(クラリアント社製:ヘキストS:炭素数28
〜32,酸価150mgKOH/g)5重量部とを混合
し、混合物をベント付き2軸スクリュー押出機(池貝鉄
工社製:PCM−30、L/D=20)のホッパーより
3kg/時間の速度で供給し、一方ベント部に設けた供
給口より、水酸化カリウムの13重量%水溶液を300
g/時間の割合(全体当たり10重量%)で連続的に供
給し、加熱温度160℃で溶融混練し、連続的に溶融物
を押出した。引き続き溶融物を、押出機出口に設置した
ジャケット付きスタティックミキサーで90℃まで冷却
し、さらに80℃の温水中に投入し、収率99.3%で
固形分濃度44重量%、pH12の水性分散体を得た。
得られた水性分散体の固形分の平均粒径は、マイクロト
ラックによる測定では0.6μmであった。
体(MFR150、酢酸ビニル含有量28重量%)を使
用する以外は、実施例1と同様の方法で溶融混練、転
相、押出しを行い、収率99.3%で水性分散体を得
た。水性分散体の固形分濃度は45重量%、pHは1
2、平均粒径は0.5μmであった。
(MFR3.2、ブテン含有量30モル%)を使用する
以外は、実施例1と同様の方法で溶融混練、転相、押出
しを行い、収率98.5%で水性分散体を得た。水性分
散体の固形分濃度は45重量%、pHは12、平均粒径
は0.7μmであった。
ン共重合体(MFR6.1、モル比11/66/23)
を使用する以外は、実施例1と同様の方法で溶融混練、
転相、押出しを行い、収率95.5%で水性分散体を得
た。水性分散体の固形分濃度は45重量%、pHは1
2、平均粒径は0.8μmであった。
ン−アクリル酸共重合体(アライドシグナル社製:AC
−5120、粘度平均分子量3500、酸価120mg
KOH/g)を使用する以外は、実施例1と同様の方法
で溶融混練、転相、押出しを行い、収率80%で水性分
散体を得た。水性分散体の固形分濃度は44重量%、p
Hは12、平均粒径は1.5μmであった。
ポリエチレンワックス(三井化学社製:ハイワックス2
203A、粘度平均分子量2700、酸価30mgKO
H/g)を40重量部使用する以外は、実施例1と同様
の方法で溶融混練、転相、押出しを行い、収率50%で
水性分散体を得た。水性分散体の固形分濃度は44重量
%、pHは12、平均粒径は3.5μmであった。
性、耐薬品性及び非極性材料との密着性に優れた被膜を
形成することができるので、紙、繊維、木材、金属、プ
ラスチック成型品などの基材表面に塗布乾燥させて樹脂
被膜を形成させ、基材に耐水性、耐油性、耐薬品性、耐
食性を付与したり、ヒートシール剤として機能する。ま
た本発明の水性分散体は、溶融混練するだけで簡単に製
造できる。
Claims (8)
- 【請求項1】(A)熱可塑性樹脂、(B)炭素数25〜
60の脂肪酸の塩、及び(C)水を含有し、固形分が水
相に均一に分散していることを特徴とする水性分散体。 - 【請求項2】(A)熱可塑性樹脂、(B)炭素数25〜
60の脂肪酸の塩、(B’)炭素数25〜60の脂肪酸
及び/又は炭素数25〜60の脂肪酸のエステル、及び
(C)水を含有し、固形分が水相に均一に分散している
ことを特徴とする請求項1に記載の水性分散体。 - 【請求項3】(A)熱可塑性樹脂100重量部に対する
(B)炭素数25〜60の脂肪酸の塩の割合が0.5〜
30重量部であり、かつ(C)水の含有量が3〜25重
量%であることを特徴とする請求項1に記載の水性分散
体。 - 【請求項4】(A)熱可塑性樹脂100重量部に対する
(B)炭素数25〜60の脂肪酸の塩と(B’)炭素数
25〜60の脂肪酸及び/又は炭素数25〜60の脂肪
酸のエステルの割合が0.5〜30重量部であり、かつ
(C)水の含有量が3〜25重量%であることを特徴と
する請求項2に記載の水性分散体。 - 【請求項5】(A)熱可塑性樹脂を含む固形分濃度が1
0〜70重量%で、前記固形分粒子の平均粒径が0.1
〜5μmであることを特徴とする請求項1〜請求項4の
いずれかに記載の水性分散体。 - 【請求項6】(A)熱可塑性樹脂がエチレン・ビニル化
合物共重合体であることを特徴とする請求項1〜請求項
5のいずれかに記載の水性分散体。 - 【請求項7】(B)炭素数25〜60の脂肪酸の塩がモ
ンタン酸のアルカリ金属塩であることを特徴とする請求
項1〜請求項6のいずれかに記載の水性分散体。 - 【請求項8】(A)熱可塑性樹脂と(B’)炭素数25
〜60の脂肪酸及び/又は炭素数25〜60の脂肪酸の
エステルを溶融混練する工程と、得られた溶融混練生成
物に塩基性物質と全体当たり3〜25重量%の水を添加
して溶融混練を行い、前記脂肪酸の少なくとも一部を中
和し、及び/又は前記脂肪酸エステルの少なくとも一部
をけん化するとともに、固形分を水相に分散させる工程
からなることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれ
かに記載の水性分散体の製造方法。
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JP11195347A JP2000086771A (ja) | 1998-07-16 | 1999-07-09 | 水性分散体及びその製造方法 |
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