JPH0430970B2 - - Google Patents

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JPH0430970B2
JPH0430970B2 JP17755084A JP17755084A JPH0430970B2 JP H0430970 B2 JPH0430970 B2 JP H0430970B2 JP 17755084 A JP17755084 A JP 17755084A JP 17755084 A JP17755084 A JP 17755084A JP H0430970 B2 JPH0430970 B2 JP H0430970B2
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melt
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aqueous dispersion
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Description

【発明の詳細な説明】
発明の分野 本発明は、水性分散液の製法に関するもので、
より詳細には、溶融粘度の高い合成樹脂から樹脂
分散粒径の小さい水性分散液の製法に関する。 従来の技術及び発明の技術的課題 合成樹脂の水性分散液を製造する方法は、従来
多くの提案がなされている。たとえば乳化剤の存
在下水中において重合性モノマーを乳化重合する
方法あるいは溶融状態の樹脂を水中で撹拌剪断力
によつて強制的に引き千切る方法などが例示でき
る。前者の方法は重合できるモノマーの種類が限
定され、従つて得られる合成樹脂の種類を限定さ
れる。後者の方法も(溶融)粘度の低い樹脂なら
比較的容易であるが、(溶融)粘度の高い樹脂の
場合、分散工程での水の温度を高温にしてやらね
ばならず、従つて耐圧容器内で分散を行なつてや
らねばならない。しかも得られる水性分散液の分
散粒子は比較的大きい。 斯様なことから、(溶融)粘度の高い樹脂でも
簡単に水性分散液を製造する技術の開発が行なわ
れ、たとえば特開昭56−2149号公報には、オレフ
イン系樹脂に特定のケン化度を有する部分ケン化
ポリビニルアルコール水溶液を供給し押出し機内
で混練して水性分散液を製造する方法が開示され
ているが、(溶融)粘度の高いゴムたとえばエチ
レン・プロピレン・ジエン三元共重合体の如きも
のを原料にすると石油樹脂やロジンなどの改質剤
を使用しないとうまく分散できない。しかし斯様
な改良剤は粘着性を有し、また後処理において除
去が困難なので、水性分散液を使用して得られる
塗膜物性が悪くなり、なるべくなら使用しないほ
うが好ましい。しかも部分ケン化ポリビニルアル
コールも耐水性を弱めるのでこの使用も可能な限
り止めたい。 発明の目的 そこで本発明者らは、水溶性樹脂や粘着性を持
つた改質剤を使用しないで、(溶融)粘度の高い
樹脂を分散できる製法につき検討した結果、原料
樹脂と共に特定の熱可塑性樹脂と界面活性剤およ
び有機溶剤とを特定の手法で一緒に混練してやる
とうまく分散でき、また得られる分散液の分散粒
子径が小さく、安定したものとなることが判明し
た。 即ち、本発明の目的は、溶融粘度の高い合成樹
脂から樹脂分散粒径の小さい水性分散液を容易に
製造し得る方法を提供するにある。 本発明の他の目的は、水溶性乃至水膨潤性の成
分を含有させることなしに、しかも比較的低い温
度で、樹脂の分散粒径が微細な範囲に制御されて
いる水性分散体の製法を提供するにある。 本発明の更に他の目的は、大がかりな装置を必
要とせずに、また少ない熱エネルギーコストで、
合成樹脂の水性分散液を製造し得る方法を提供す
るにある。 発明の構成 本発明によれば、(a)熱可塑性樹脂、(b)中和及
び/又はケン化可能で、重合体鎖に結合したカル
ボン酸、その無水物又はそのエステルの基を、重
合体1グラム当り
【式】基換算で0.1ミリ モル当量以上の濃度で含む熱可塑性重合体、又は
重合体鎖に結合したカルボン酸塩の基を、重合体
1グラム当り
【式】基換算で0.1乃至5ミ リモル当量の濃度を含む熱可塑性重合体、(c)塩基
性物質と反応してアニオン界面活性剤となる有機
化合物、及び、(d)有機溶剤、を溶融混練し、溶融
混練物に塩基性物質を添加して、有機化合物(c)を
アニオン界面活性剤に転化し、更に熱可塑性重合
体が未中和である場合には、熱可塑性重合体に重
合体1グラム当り0.1乃至5ミリモル当量のカル
ボン酸基を生成させる工程、及び、溶融混練物に
水を添加して溶融混練を行い、水性分散体を形成
させる工程とを、同時に或いは逐次行うことを特
徴とする水性分散液の製法が提供される。 発明の好適態様 本発明を以下に詳細に説明する。 本発明の製法において、原料として使用するの
は、最底限前記(a)乃至(d)の成分、塩基性物質及び
水である。 配合成分 本発明の水性分散体を構成する成分の一つであ
る熱可塑性樹脂(a)は、水不溶性、水非膨潤性であ
るのは勿論のこと、それ自体水中への分散性にも
欠ける樹脂であり、例えば低密度ポリエチレン、
高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−
ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテンあるいは
エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル
−1−ペンテン等のα−オレフイン同志のランダ
ムあるいはブロツク共重合体等のポリオレフイ
ン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・
ビニルアルコール共重合体、エチレン・塩化ビニ
ル共重合体体等エチレン・ビニル化合物共重合
体、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン
共重合体、ABS、α−メチルスチレン・スチレ
ン共重合体等のスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル・塩化ビニ
リデン共重合体、ポリアクリル酸メチル、ポリメ
タクリル酸メチル等のポリビニル化合物、ナイロ
ン6、ナイロン6−6、ナイロン6−10、ナイロ
ン1、ナイロン12等のポリアミド、ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等
の熱可塑性ポリエステル、ポリカーボネート、ポ
リフエニレンオキサイド等あるいはそれらの混合
物のいずれの樹脂でもよい。 これらの熱可塑性樹脂の中ではとくにオレフイ
ン系樹脂が好ましく、すなわちポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−3−メ
チル−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペン
テン、ポリ−3−メチル−1−ペンテン、エチレ
ン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン
共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体で代
表されるエチレン、プロピレン、1−ブテン、3
−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテ
ン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、
1−ヘキセン、1−デセン、1−ドデセン等のα
−オレフインの単独または共重合体、またはエチ
レン・ブタジエン共重合体、エチレン・エチリデ
ンノルボルネン共重合体で代表されるα−オレフ
インと共役ジエンまたは非共役ジエンとの共重合
体、あるいはエチレン・プロピレン・ブタジエン
3元共重合体、エチレン・プロピレン・ジシクロ
ペンタジエン3元共重合体、エチレン・プロピレ
ン・エチリデンノルボルネン3元共重合体、エチ
レン・プロピレン・1,5−ヘキサジエン3元共
重合体等で代表されるα−オレフインの2種以上
の共役ジエンまたは非共役ジエンとの共重合体が
挙げられる。 本発明においては、前述の熱可塑性樹脂であれ
ば如何なる溶融流動性のものでも適当であるが、
とくにメルトフローレート(ASTMD1238;
MFR)が1g/10mm未満であるような溶融流動
性の著しく悪い樹脂に適用するとその効果がより
一層発揮される。此の様な流動性の悪いものは本
発明の方法によれば、従来知られている方法に比
べて極めて低い温度で分散化が可能である。 本発明において、水性分散体を構成する他の成
分である熱可塑性重合体(b)は、重合体鎖に結合し
た、中和及び/又はケン化可能なカルボン酸、そ
の無水物又はエステルの基を含み、或いは重合体
鎖に結合したカルボン酸塩の基を含む熱可塑性重
合体である。このような重合体は、前述した基を
含む単量体を、前述した熱可塑性樹脂(a)にグラフ
ト重合させるか、或いは熱可塑性樹脂(a)の構単量
体とブロツク共重合或いはランダム共重合するこ
とにより得られる。この熱可塑性重合体(b)は、混
練に先立つて中和された或いは後述する塩基性物
質との混練によつて中和されたカルボン酸塩の基
を、最終的に、
【式】基換算で0.1乃至5 ミリモル当量、特に0.2乃至4ミリモル当量含有
するべきである。 また本熱可塑性重合体(b)は水溶性または水膨潤
性であつてはならない。中和されたカルボン酸基
および/またはケン化されたカルボン酸エステル
基の合計量が上記の範囲外のものは、熱可塑性樹
脂(a)の分散化を助ける働きを示さず、良好な分散
体とすることができない。また水溶性あるいは水
膨潤性であると、塗膜物性が悪化する。 上記熱可塑性重合体(b)を後中和または後ケン化
により得る場合の原料となる重合体は、たとえば
前述の熱可塑性樹脂(a)を構成する単量体と共通す
る単量体、特にα−オレフインとエチレン系不飽
和カルボン酸またはそのエステルとを共重合した
ものであつて、不飽和カルボン酸として(メタ)
アクリル酸、マレイン酸、フマール酸、テトラヒ
ドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロ
トン酸、イソクロトン酸、ナジツク酸 (エンド
シス−ビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−5−エン
−2,3−ジカルボン酸)、無水マレイン酸、無
水シトラコン酸等、不飽和カルボン酸エステルと
して上記の不飽和カルボン酸のメチル、エチル、
プロピル等のモノエステル、ジエステル等が例示
できる。勿論、複数の単量体成分を共重合する代
りに、熱可塑性樹脂(a)、例えばオレフイン系樹脂
に、エチレン系不飽和カルボン酸、その無水物或
いはそのエステル等の単量体をグラフト重合する
ことにより、後中和または後ケン化用の熱可塑性
重合体が得られることは当業者には自明であろ
う。 これらのエチレン系不飽和カルボン酸、その無
水物、或いはそのエステル単量体の導入される量
は、当然のことながら、本発明で規定したカルボ
ン酸塩の濃度を与えるに十分なものでなければな
らず、
【式】基として最低限0.1ミリモ ル/1g重合体の濃度を有していなければなら
ず、好適には0.1〜5ミリモル/1g重合体の範
囲である。 後述する塩基性物質との混練で後中和を行う代
わりに、予じめ塩基性物質で中和された熱可塑性
重合体(b)を用いることができる。このような重合
体は、例えばイオン架橋オレフイン共重合体(ア
イオノマー)として容易に入手し得る。 熱可塑性重合体(b)は対象となる熱可塑性樹脂(a)
に対して相溶性の良好なものを選ぶのがよい。す
なわちオレフイン系樹脂の水性分散体を目的とす
る場合には、オレフイン系単量体を主鎖中に含む
重合体を選ぶべきである。たとえばポリエチレン
やポリオレフイン、エチレン・酢酸ビニル共重合
体などを使用するときには、これらのマレイン酸
グラフト物あるいはエチレン・(メタ)アクリル
酸共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸メチ
ル共重合体などの中和物ないしケン化物を用いる
のが好ましい。適切な熱可塑性重合体を選ぶに際
し一つの目安となる指標は溶解度パラメーター
(Sp値)である。すなわち中和ないしケン化され
る前の原料重合体と熱可塑性樹脂(a)との溶解度パ
ラメーターの差が2〔cal/cm31/2以内、特に1
〔cal/cm31/2以内にあるものが好ましい。 本明細書において、溶解度パラメーター(Sp
値)とは、普通の意味、即ち凝集エネルギー密度
の1/2乗値として定義される値である。この溶解
度パラメーターは、原子団のモル容への寄与値
Vi及び原子団の凝集エネルギーEnを、D.W.
VanKlevelen“Properties of polymers”
(Elsevier,1972)記載の値を用い、式 Sp=(〓Eni/〓Vi)1/2 (cal/cm31/2 から計算した。 有機化合物(c)は、塩基性物質と反応してアニオ
ン界面活性剤となるものであれば如何なるもので
もよく、好適なものとして第1級高級脂肪酸、第
2級高級脂肪酸、第1級高級アルコール硫酸エス
テル、第2級高級アルコール硫酸エステル、第1
級高級アルキルスルホン酸、第2級高級アルキル
スルホン酸、高級アルキルジスルホン酸、スルホ
ン化高級脂肪酸、高級脂肪酸硫酸エステル、高級
脂肪酸エステルスルホン酸、高級アルコールエー
テル硫酸エステル、高級アルコールエーテル、ス
ルホン酸、高級脂肪酸アミドのアルキロール化硫
酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸、アル
キルフエノールスルホン酸、アルキルナフタリン
スルホン酸、アルキルベンゾイミダゾールスルホ
ン酸等が例示できる。これらの中でも取り分けて
好適なものとして高級脂肪酸類とくに炭素原子数
10〜20の飽和または不飽和の高級脂肪酸が好適で
あり、より具体的にはカプリン酸、ウンデカン
酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルチミン酸、
マーガリン酸、ステアリン酸、アラキン酸等の飽
和脂肪酸、リンデル酸、ツズ酸、ペトロセリン
酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラ
キドン酸等の不飽和脂肪酸、あるいはこれらの混
合物などが挙げられる。 有機溶剤(d)は、熱可塑性樹脂(a)および熱可塑性
重合体(b)を溶解(膨潤)できるものであればよ
く、たとえばベンゼン、トルエン、キシレン、ス
チレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン
等の芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタン等の脂
肪族炭化水素、トリクロロエチレン等のハロゲン
化炭化水素が例示できる。この有機溶剤は、最終
水性分散体中に含有されるものでよく、また最終
水性分散体から、蒸留、共沸蒸留等の手段で除去
されるものでもよい。たとえば蒸留によつて除去
する場合には、溶剤の沸点は100℃以下であるこ
とが望ましい。 この有機溶媒は、熱可塑性樹脂(a)を膨潤乃至部
分的に溶解させるものであり、従来の溶媒法と異
なり著しく少量でよい。 製 法 以下に本発明の製法を構成する各工程について
詳述する。 本発明の第1工程では熱可塑性樹脂(a)、熱可塑
性重合体(b)、有機化合物(c)および有機溶剤(d)とを
溶融混練する。各成分は一括して投入し溶融混練
してもよいし、熱可塑性樹脂(a)と有機溶剤(d)をま
ず溶融混練し、その後他の成分を逐次添加し溶融
混練する方法などでもよい。また熱可塑性重合体
(b)は予め中和あるいはケン化したものを用いる場
合、水性分散液状になつたものを用いてもよい。 各成分の割合は、熱可塑性樹脂(a)100重量部に
対して、熱可塑性重合体(b)1〜60重量部とくに2
〜50重量部、有機化合物(c)1〜40重量部とくに2
〜30重量部、有機溶剤(d)10〜1000重量部のとくに
20〜700重量部である。(b)〜(d)の各成分のいずれ
かが欠けても高溶融粘度の熱可塑性樹脂をうまく
微粒径で分散させることはできない。成分(b)がこ
の割合を下廻る時は熱可塑性樹脂の分散が充分で
はなく、又この割合を上廻る時は目的とする熱可
塑性樹脂本来の性質とは異なる分散体となる。ま
た、成分(c)がこの割合を下廻ると、本発明で意図
する分散粒子の超微細化が困難となり、この割合
いを越えると、塗膜物性等が低下する。更に成分
(d)がこの割合いを下廻ると、熱可塑性樹脂(a)が高
溶融粘度を有することに関連して、分散体の微粒
子が困難となり、これを上廻ると、分散形態の逆
転相を生じ易い。 尚、本明細書中で溶融混練とあるは、この組成
物が流動条件下にある混練を意味する。即ち、用
いる熱可塑性樹脂の種類によつては非晶性であつ
て融点のないものや結晶性であつても融点が非常
に高いものがある。従つて、必ずしも樹脂成分を
融解させるのではなく、前述(a)〜(d)の組成物の粘
度が106ポイズ以下、好ましくは105ポイズ以下に
なるような温度で混練すればよい。 本発明の第2工程は、溶融混練されている上記
組成物に塩基性物質を添加して、組成物中の有機
化合物をアニオン界面活性剤に変化させると共
に、必要に応じて熱可塑性重合体と反応して中和
またはケン化物とする。この際最終的に該重合体
中の中和および/またはケン化されたカルボン酸
誘導基を
【式】基換算で重合体中0.1〜5 ミリモル当量、好ましくは0.2〜4ミリモル当量
となるよう調整する。従つて添加する塩基性物質
は、有機化合物をアニオン界面活性剤に変化させ
る量を最低限に、上限はこの量に熱可塑性重合体
を前記の範囲で中和ないしケン化させる量を加え
た量である。 添加する塩基性物質は水溶液の形で用いること
が好ましく、添加する塩基性物質としては、アル
カリ金属、アルカリ土類金属、アンモニアおよび
アミン等の水中で塩基として作用する物質、アル
カリ金属の酸化物、水酸化物、弱酸塩、水素化
物、アルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、弱酸
塩、水素化物等の水中で塩基として作用する物
質、これら金属のアルコキシドなどを挙げること
ができる。このような物質の例を以下に示す。 (1) アルカリ金属としては、たとえばナトリウ
ム、カリウム、アルカリ土類金属としては、た
とえば、カルシウム、ストロンチウム、バリウ
ム、 (2) アミンとしてはヒドロキシルアミン、ヒドラ
ジン等の無機アミン、メチルアミン、エチルア
ミン、エタノールアミン、シクロヘキシルアミ
ン、 (3) アルカリ金属およびアルカリ土類金属の酸化
物、水酸化物、水酸化物としては、たとえば酸
化ナトリウム、過酸化ナトリウム、酸化カリウ
ム、過酸化カリウム、酸化カルシウム、酸化ス
トロンチウム、酸化バリウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸
化ストロンチウム、水酸化バリウム、水素化ナ
トリウム、水素化カリウム、水素化カルシウ
ム、 (4) アルカリ金属およびアルカリ土類金属の弱酸
塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、
炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸
水素カルシウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウ
ム、酢酸カルシウム、 (5) アンモニアおよびアミンの化合物としては、
たとえば水酸化アンモニウム、四級アンモニウ
ム化合物たとえばテトラメチルアンモニウムヒ
ドロキシド、ヒドラジン水和物等を挙げること
ができる。 本発明においては、前記成分(a)乃至(d)を溶融混
練することが、樹脂分散粒径が微細でしかも安定
なオイル・イン・ウオーター型(O/W)型の水
性分散液を製造する上で重要であることが了解さ
れるべきである。 第3工程は、第2工程で得られた組成物に水を
逐次添加しながら溶融混練を行ない樹脂を分散さ
せる工程である。この際水の量は組成物と水の合
計量に対し3〜90重量%、とくに5〜70重量%に
なるように添加し、また一度に多量の水を添加す
るのではなく、徐々に水を添加することが望まし
い。添加する水の量が3重量%未満では、安定な
O/W型水性分散液が得られず、また90重量%を
越えるものは固型分濃度が薄すぎで製品上の価値
がなくなる。また供給速度が前記範囲外であつて
も微粒径の良好な水性分散液が得られない。 既に述べた通り、水は塩基性物質と同時に配合
することができるし、一部を重合体(b)や塩基性物
質と共に、残りを水単独で配合し、混練操作を行
なうことができる。本発明の系では3乃至25重量
%という少量の水の配合で、O/W型分散体への
転相が進行し、これよりも多い水分の配合でこの
O/W分散体の稀釈、安定化が進行する。 このようにして得られる水性分散液は、含有さ
れる溶剤量が少ないのでそのまま使用してもよい
が、完全な水性分散液を必要とするならば後処理
において有機溶剤を除去してもよい。かかる後処
理工程としては、減圧下での蒸発操作(減圧蒸
留、水蒸気蒸留)等が採用される。 本発明の製法に利用できる溶融混練手段は、公
知の如何なる方法が可能であるが、好ましくはニ
ーダー、バンバリーミキサー、多軸スクリユー押
出機を例示することができる。 本発明の製法によつて得られる水性分散液は、
従来の方法では分散させ難かつた(溶融)粘度の
高い樹脂でも極めて簡単に分散させることがで
き、得られる水性分散液の分散粒子径も10μ以下
多くは0.5〜5μと微細であつて、たとえば各種材
料に耐油性、耐水性、耐薬品性の皮膜を形成させ
たり、ヒートシール剤として用いたりあらゆる分
野に利用できる。 また本発明の実施に当たつては通常使用される
各種副資材たとえば分散剤、乳化剤、安定化剤、
湿潤剤、増粘剤、起泡剤、消泡剤、凝固剤、ゲル
化剤、老化防止剤、軟化剤、可塑剤、充填剤、着
色剤、付香剤、粘着防止剤、離型剤などを併用し
てよいことは勿論のことである。 以下本発明の好適な実施例を示すが、本発明は
とくに断りのない限りこれらの例に限定されるも
のではない。 実施例 1 () 熱可塑性樹脂としてエチレン−フロピレン
共重合エラストマー(エチレン含量75mol%、
MFR=0.2g/10分、密度=0.88g/cm3、Sp値
=7.97(cal/cm31/2)100重量部 () 熱可塑性重合体として無水マレイン酸グラ
フトポリエチレン(無水マレイン酸含量=
3.3wt%、Mw=2700、密度=0.94g/cm3、Sp
値=8.06(cal/cm31/2
【式】基=0.67m mol当量/g)10重量部 塩基性物質と反応してアニオン界面活性剤とな
る有機化合物としてオレイン酸5重量部、有機溶
剤として四塩化エチレン100重量部、をニーダー
に投入し、125℃で30分間混練する。次に熱可塑
性重合体と有機化合物の全カルボン酸を中和する
のに必要な水酸化カリウム1.38重量部(1.0化学
当量)を溶解した15重量部のアルカリ水をニーダ
ーに接続したポンプを用い5分間で圧入する。ニ
ーダー内の圧力は3Kg/cm3Gとなつた。 その後30分間混練を続けた後ニーダーを60℃ま
で冷却し開放したところ、内容物は白色の粘稠物
であつた。これに水215重量部を加え、撹拌して
水分52%、粘度130cps、PH10.1の水性分散液Aを
得た。次に該分散液中から四塩化エチレンを除去
するため該分散液を60℃に加熱し、減圧下で溶媒
除去を行い、水分60%、粘度80cps、PH10.3の水
性分散液Bを得た。 水性分散液AおよびB中の分散粒子の大きさを
コールターカウンターで測定したところ、前者は
平均粒径1.8μ、後者は平均粒径1.6μであつた。
又、熱可塑性重合体中の生成したカルボン酸塩を
赤外分光光度計を用いて定量したところ
【式】基換算0.5mmol当量/gであつた。 実施例 2〜15 表1に示す組成割合で実施例1と同様にした。
結果を表1に示す。 実施例 16 二ケ所のベント部を有する同方向回転噛合型二
軸スクリユー押出機(池貝鉄工製PCM−45I/D
=30)のホツパーにより実施例1に用いたエチレ
ン−プロピレン共重合エラストマーと無水マレイ
ン酸グラフトポリエチレンとオレイン酸の100/
10/5重量部割合の混合物を115重量部/時間の
速度で供給し、同押出機の第一ベント部に設けた
供給口より四塩化エチレンを100重量部/時間の
速度で、また第二ベント部に設けた供給口より水
酸化カリウムの9.2%水溶液を15重量部/時間の
速度でポンプで連続的に供給し加熱温度80℃で連
続的に押出した。生成物は白色の粘稠物であり、
その性状を第1に示す。 参考例 実施例1中の熱可塑性重合体を使用せず、又、
水酸化カリウムはオレイン酸の全カルボン酸を中
和するのに必要な1.00部とした以外は実施例1と
同じとした。 アルカリ水圧入後冷却してニーダーを開けたと
ころ、生成物は白色の固体であつたが、この白色
固体の平均粒径を実施例1と同方法で測定したと
ころ、平均粒径は11.3μであつた。 比較例 1 実施例1中の有機溶剤を使用せず、他は実施例
1と同じとした。 アルカリ水圧入後冷却してニーダーを開けたと
ころ、樹脂と水とは分離しており乳化しなかつ
た。
【表】
【表】
【表】 ‖
−C−O−基換算値。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (a) 熱可塑性樹脂、 (b) 中和及び/又はケン化可能で、重合体鎖に結
    合したカルボン酸、その無水物又はそのエステ
    ルの基を、重合体1グラム当り 【式】基換算で0.1ミリモル当量以上の 濃度で含む熱可塑性重合体、又は重合体鎖に結
    合したカルボン酸塩の基を、重合体1グラム当
    り【式】基換算で0.1乃至5ミリモル当 量の濃度を含む熱可塑性重合体、 (c) 塩基性物質と反応してアニオン界面活性剤と
    なる有機化合物、及び (d) 有機溶剤 を溶融混練し、 溶融混練物に塩基性物質を添加して、有機化合
    物(c)をアニオン界面活性剤に転化し、更に熱可塑
    性重合体が未中和である場合には、熱可塑性重合
    体に重合体1グラム当り0.1乃至5ミリモル当量
    のカルボン酸塩の基を生成させる工程、及び 溶融混練物に水を転化して溶融混練を行ない、
    水性分散体を形成させる工程とを、同時に或いは
    逐次行うことを特徴とする水性分散液の製法。
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