JP2001098042A - 高分子量ポリイソシアヌレートおよびその製造方法 - Google Patents

高分子量ポリイソシアヌレートおよびその製造方法

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JP2001098042A
JP2001098042A JP27552599A JP27552599A JP2001098042A JP 2001098042 A JP2001098042 A JP 2001098042A JP 27552599 A JP27552599 A JP 27552599A JP 27552599 A JP27552599 A JP 27552599A JP 2001098042 A JP2001098042 A JP 2001098042A
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polyisocyanurate
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Shiro Nakatsuka
史朗 中塚
Kouya Kojima
甲也 小島
Wataru Yamashita
渉 山下
Naoto Ito
尚登 伊藤
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、脂環式ジイソシアナートを
残存NCO基量である一定の値以下まで自己架橋させ
た、耐熱性、光学物性等に優れた高分子量のポリイソシ
アヌレートおよびその製造方法を提供することにある。 【解決手段】 脂環式ジイソシアナートである2,5
−及び/または2,6−ジイソシアナトメチル−ビシク
ロ[2,2,1]ヘプタンを、特定の触媒、相関移動触
媒、助触媒の併用のもとに、特定の温度条件で反応させ
て残存NCO基含有率を13重量%以下までに制御する
ことにより、耐熱性、光学物性等に優れた高分子量ポリ
イソシアヌレート樹脂を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機ジイソシアナ
ートが自己架橋した、耐熱性、光学物性等に優れた高分
子量のポリイソシアヌレートおよびその製造方法に関す
る。好ましくは、脂環式ジイソシアナートである2,5
−及び/又は2,6−ジイソシアナトメチル−ビシクロ
[2,2,1]ヘプタンを残存NCO基量で13重量%
以下まで自己架橋させた、耐熱性、光学物性等に優れた
高分子量のポリイソシアヌレートおよびその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、イソシアヌレート環を有する
イソシアヌレートは、耐候性、耐熱性、耐薬品性等に優
れるため、塗料、接着剤、エラストマー、人工皮革、フ
ォームなどのポリウレタン原料等に使用されてきた。イ
ソシアヌレートの製法として、例えば特開昭54−11
9480号、特開昭55−49360号、特開平2−3
682号、特開昭61−129173号、特開平2−1
10123号、特開平2−250872号、特開平2−
6480号、特開平2−32068号、特開平2−64
54号、特開平1−297420号、特開平1−149
821号、特開昭61−111371号、特開昭60−
181078号、特開昭60−181114号、特開平
2−11554号、特開平2−107337号、特開昭
55−143978号、特開昭52−17484号、特
開昭61−227574号、特開昭57−47319
号、特開昭59−22916号、特開昭63−5757
7号、特開昭63−93770号、特開昭63−961
78号、特開平6−166677号、特開昭63−28
7773号、特開昭63−290871号、特開平11
−1478号公報等、数多くの技術が開示されている。
【0003】しかしながら、これらの先行技術で得られ
たポリイソシアヌレートは、原料であるジイソシアナー
トがイソシアヌレート環を造りながら3量化したものが
主成分であり、ポリイソシアヌレートとしては充分な分
子量を有するものではなかった。従って、ポリイソシア
ヌレートの樹脂固形物として得られても、充分な耐熱
性、耐薬品性、強度、あるいは硬度が得られなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題を解決し、有機ジイソシアナート、特に脂環式ジイ
ソシアナートが残存NCO基量で13重量%以下まで自
己架橋した、耐熱性、光学物性等に優れた高分子量のポ
リイソシアヌレートおよびその製造方法を提供すること
にある。
【0005】
【発明を解決するための手段】本発明者らは、前記の目
的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、フッ化カリ
ウム触媒、およびポリエチレンオキサイド化合物、第4
級アンモニウム塩、ホスホニウム化合物等の相間移動触
媒、およびジアルキルスズ化合物等の助触媒を併用し、
更には反応温度を制御することで、有機ジイソシアナー
ト、その中でも、特定の脂環式ジイソシアナートから、
残存NCO基量13重量%以下で自己架橋した高分子量
のポリイソシアヌレートを得ることが可能であり、更に
得られた高分子量ポリイソシアヌレートが耐熱性、光学
物性等の良好な物性を有することを見出し、本発明を完
成した。
【0006】すなわち、本発明は、 1) 一般式(1)
【化5】 (式中Rは、脂肪族基、単環式脂肪族基、縮合多環式脂
肪族基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族
基が直接または架橋員により相互に連結させた非縮合多
環式芳香族基からなる群より選ばれた2価の基を表
す。)で表される有機ジイソシアナートがイソシアヌレ
ート環を形成しながら自己架橋した高分子量イソシアヌ
レートに関し、更に 2) 一般式(2)
【化6】 で表される2,5−及び/又は2,6−ジイソシアナト
メチル−ビシクロ[2,2,1]ヘプタンが、イソシア
ヌレート環を形成しながら、残存NCO基が13重量%
以下まで自己架橋した高分子量ポリイソシアヌレートに
関し、更に、 3) 一般式(2)
【化7】 で表される2,5−及び/又は2,6−ジイソシアナト
メチル−ビシクロ[2,2,1]ヘプタンを、残存NC
O基が13重量%以下まで自己架橋させるにあたり、触
媒としてフッ化カリウム、(A)ポリエチレンオキサイ
ド化合物、(B)第4級アンモニウム塩、(C)ホスホ
ニウム化合物より選ばれた化合物の1種または2種以上
の組み合わせを使用し、更に助触媒としてジアルキルス
ズ化合物を使うことを特徴とする高分子量ポリイソシア
ヌレートの製造方法に関し、更に、 4) 一般式(2)
【化8】 で表される2,5−及び/又は2,6−ジイソシアナト
メチル−ビシクロ[2,2,1]ヘプタンを、残存NC
O基が13重量%以下まで自己架橋させるにあたり、反
応温度が60℃以上100℃以下である高分子量ポリイ
ソシアヌレートの製造方法に関し、更に、 5) ポリエチレンオキサイド化合物がポリエチレング
リコールである高分子量ポリイソシアヌレートの製造方
法に関し、更に、 6) ジアルキルスズ化合物がジ−n−ブチルスズジラ
ウレートである高分子量ポリイソシアヌレートの製造方
法に関し、更には 7) この高分子量ポリイソシアヌレートを含有する樹
脂組成物に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の高分子量ポリイソシアヌ
レートは、一般式(1)
【化9】 (式中Rは、脂肪族基、単環式脂肪族基、縮合多環式脂
肪族基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族
基が直接または架橋員により相互に連結させた非縮合多
環式芳香族基からなる群より選ばれた2価の基を表
す。)で表される有機ジイソシアナートが必須原料とし
て用いられるが、その中でも特に脂環式ジイソシアナー
ト、一般式(2)
【化10】 で表される2,5−及び/又は2,6−ジイソシアナト
メチル−ビシクロ[2,2,1]ヘプタンを必須成分と
して用いる。これらは、2,5−体、2,6−体をそれ
ぞれ単独でも、あるいは混合物としても用いて良い。ま
た、これらのジイソシアナートは2つのメチレンアミン
基の立体配座により、[endo−,endo−]、
[endo−,exo−]、[exo−,exo−]の
異性体が存在するが、これらについてもそれぞれ単独で
も、あるいは混在しても、その使用に制限はない。
【0008】また、得られる高分子量ポリイソシアヌレ
ートの物性を損なわない範囲内で、他の有機ジイソシア
ナート、すなわち芳香族あるいは脂肪族ジイソシアナー
トを併用することが可能である。使用することができる
ジイソシアナートの具体例としては、例えば、1−イソ
シアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナト
メチルシクロヘキサン、ヘキサメチレンジイソシアナー
ト、2,2,4−または2,4,4−トリメチルヘキサ
メチレンジイソシアナート、ドデカメチレンジイソシア
ナート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、
1,3−または1,4−シクロへキシルジイソシアナー
ト、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシア
ナート)、メチル−2,4−または2,6−シクロヘキ
サンジイソシアナート、1,3−ビス(イソシアナトメ
チル)シクロヘキサン、m−またはp−キシリレンジイ
ソシアナート、1,3−または1,4−テトラメチルキ
シリレンジイソシアナート、2,4−または2,6−ト
ルエンジイソシアナート、2,4’−または4,4’−
ジフェニルメタンジイソシアナート、1,5−または
1,8−ナフタレンジイソシアナート等が挙げられる。
これらの併用できる量としては全イソシアナート量に対
して50モル%未満、好ましくは30モル%未満、更に
好ましくは10モル%未満である。
【0009】本発明の反応は、脂環式ジイソシアナート
を自己架橋・高分子量化して高分子量ポリイソシアヌレ
ート樹脂固形物とするため、触媒、相間移動触媒、助触
媒以外に溶媒等は使用しない。何故ならば、溶媒等が残
存する場合、得られるポリイソシアヌレートの物性に影
響を及ぼすからである。ただし、使用される触媒、相間
移動触媒、助触媒に関しては樹脂内に残存してもその物
性に影響を及ぼすものではない。
【0010】本発明で用いられる触媒はフッ化カリウム
であり、ペレット状、粉状、フレーク状等様々な形態が
存在するが、何れでも使用できる。また、フッ化カリウ
ムの使用量は原料のジイソシアナート1重量部に対して
0.000001〜0.0005重量部でよい。このと
き、フッ化カリウムは水分の存在下では触媒活性を失う
ので、非水条件下で反応させる必要がある。
【0011】本発明で用いられる相間移動触媒としては
(A)ポリエチレンオキサイド化合物、(B)第4級ア
ンモニウム塩、(C)ホスホニウム化合物より選ばれた
化合物の1種または2種以上の組み合わせて使用する
が、その具体例として、(A)ポリエチレンオキサイド
化合物では、ポリエチレングリコール、ポリエチレング
リコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコール
ジメチルエーテル、ジベンゾ−18−クラウン−6、ジ
シクロヘキシル−18−クラウン−6等、(B)第4級
アンモニウム塩では、トリス(ジオキサ−3,6−ヘプ
チル)アミン、ベンジルトリエチルアンモニウムクロラ
イド、テトラブチルアンモニウムブロマイド等、(C)
ホスホニウム化合物としては、トリスオクチルエチルホ
スホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムク
ロライド、テトラブチルホスホニウムクロライド等が挙
げられる。これらの相間移動触媒の使用量はフッ化カリ
ウムの1/100〜100重量倍が適当である。
【0012】本発明で用いられる助触媒としてはジアル
キルスズ化合物であるが、具体的にはジメチルスズアセ
テート、ジブチルスズオクタノエート、ジブチルスズジ
ラウレート等のジアルキルスズジカルボキレート類、ジ
ブチルスズジブトキシド、ジオクチルスズジブトキシド
等のジアルキルスズアルコキシド類、ジブチルスズジ
(チオブトキシド)等のジアルキルスズジチオアルコキ
シド類、ジ(2−エチルへキシル)スズオキサイド、ジ
オクチルスズオキサイド、ビス(ブトキシブチルスズ)
オキサイド等のジアルキルスズ酸化物類、ジブチルスズ
スルフィド等のジアルキルスズ硫化物類等が挙げられ
る。これらの中で、最も好ましいのはジ−n−ブチルス
ズラウレートである。これらの助触媒であるジアルキル
スズ化合物の使用量はフッ化カリウムの1/10〜10
重量倍である。
【0013】高分子量を得るためのイソシアヌレート化
反応は、通常60〜100℃で行われる。好ましくは7
0〜90℃である。60℃未満の反応温度では充分な分
子量のポリイソシアヌレートが得られず、また100℃
を越える反応温度では分子量は上がるものの、着色した
ポリイソシアヌレートとなる。
【0014】本発明における残存NCO基量は、公知の
ブチルアミン滴定法で求める。ここでNCO基含有率
は、 NCO基含有率=(NCO基重量)/(ポリイソシアヌ
レート重量)×100 で算出される。
【0015】ジイソシアナートとして2,5−及び/又
は2,6−ジイソシアナトメチル−ビシクロ[2,2,
1]ヘプタンを用いる場合、3量体が生成(イソシアヌ
レート環が1個)すると、残存NCO基の理論含有率は
20.37重量%であり、9量体が生成(イソシアヌレ
ート環が4個)すると、残存NCO基含有率が13.3
2重量%であり、同じく21量体が生成(イソシアヌレ
ート環が10個)すると、残存NCO含有率が11.5
4重量%となる。この時、9量体以下が生成する場合、
すなわち残存NCO基含有率が13重量%を越える場合
は、得られる固形樹脂の硬度が低く、外部からの応力に
対して非常に脆い。従って、充分な硬度を持ち、実用に
耐えうる高分子量ポリイソシアヌレートの樹脂固形物と
なるには、少なくとも残存NCO基含有量が13重量%
以下でなければならない。本発明における高分子量ポリ
イソシアヌレート、すなわち残存NCO基含有率が13
重量%以下である場合の分子構造の概念図を図1に示
す。
【0016】本発明で得られる高分子量ポリイソシアヌ
レート樹脂は、耐熱性に加えて透明性が高く、光学材料
としての利用が有望である。本発明の高分子量ポリイソ
シアヌレート樹脂の屈折率は1.54で透明性プラスチ
ックとしては中屈折性レベルであり、ポリカーボネート
樹脂、ポリスチレン樹脂、ジエチレングリコールビスア
リルカーボネート樹脂、アクリロニトリル・スチレン樹
脂、メチルメタクリレート・スチレン樹脂等と同レベル
である。しかしながら、この樹脂のアッベ数は58で、
この値は前記透明性樹脂の値と比較しても高いものであ
り、ポリメチルメタクリレートとほぼ同レベルの値であ
る。従って、本発明の高分子量ポリイソシアヌレートは
屈折率の波長依存性が小さく、光学材料としての利用価
値が高い。
【0017】その利用分野としては、例えば、カメラフ
ァインダー用レンズ、プロジェクションテレビ用レン
ズ、大型スクリーン用フレネルレンズ、レンチキュラ
ー、太陽光集光用レンズ、オーバーヘッドプロジェクタ
ー用レンズ、光メモリー用対物レンズ、あるいは通常の
眼鏡用レンズ等のプラスチックレンズ、プラスチック光
ファイバーのコアあるいはクラッド、光電子集積回路・
光電子混載実装配線板における光導波路、光ファイバー
用光学接着剤等の光通信用部品、コンパクトディスク、
レーザーディスク、デジタルビデオディスク等の光ディ
スク、等現在光学用ポリマーで使用されている様々な分
野で同じように用いることができる。尚、本発明の高分
子量ポリイソシアヌレート樹脂は優れた耐熱性を有する
ことから、耐熱性を必要とする分野では特に有用であ
る。
【0018】本発明の高分子量ポリイソシアヌレート樹
脂は、従来公知の重合反応装置を用いて重合することが
可能であるが、原料を型注入して型内で重合・成形する
ことが可能である。例えば、原料であるジイソシアナー
トと触媒・助触媒等を冷却下で混合し、その混合原体を
型内に注入後、加熱下で重合・固化することにより所望
の成形物を得ることが可能である。また、型注入成形で
丸棒や角材を成形した後、切削加工や研磨加工で所望の
成形物を得ることも可能である。その他、温度等の条件
を制御することにより、押出成形、反応射出成形、圧縮
成形、焼結成形、ブロー成形、真空成形、回転成形、粉
末成形、積層成形等が可能である。
【0019】本発明の高分子量ポリイソシアヌレート樹
脂は、他の樹脂、添加剤、充填剤を加えて、樹脂組成物
とする事が可能である。樹脂組成物を得る方法として
は、重合反応前のジイソシアナート混合原体にこれらの
樹脂・添加剤・充填剤等を添加し、その後前記手法で重
合することで樹脂組成物とすることができる。ここで、
添加することが可能な物質としては、熱可塑性樹脂なら
ば、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビ
ニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリブタジエン、ポリスチ
レン、ポリ酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリブチレンテレ
フタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニ
レンオキシド、ポリカーボネート、PTFE、セルロイ
ド、ポリアリレート、ポリエーテルニトリル、ポリアミ
ド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテ
ルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアミドイミ
ド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、変性ポリフェニ
レン等である。また、熱硬化性樹脂ならば、例えば、熱
硬化性ポリブタジエン、ホルムアルデヒド樹脂、アミノ
樹脂、ポリウレタン、シリコン樹脂、SBR、NBR、
不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、
ポリビスマレイミド等である。これらの樹脂は一種もし
くは二種以上を適当量ブレンド化、またはアロイ化する
ことが可能である。尚、ここでの樹脂同士の混合により
マイクロコンポジット化やIPN(網目状高分子)化す
ることも可能である。
【0020】一方、添加可能な充填剤、添加剤としては
炭素繊維、ガラス繊維、全芳香族ポリアミド繊維、チタ
ン酸カリウム繊維等の繊維状補強剤、グラファイト、カ
ーボランダム、ケイ石粉、二硫化モリブデン、フッ素系
樹脂などの耐磨耗性向上剤、三酸化アンチモン、炭酸マ
グネシウム、炭酸カルシウム等の難燃性向上剤、クレ
ー、マイカ等の電気的特性向上剤、アスベスト、シリ
カ、グラファイト等の耐トラッキング向上剤、硫酸バリ
ウム、シリカ、ゼオライト、メタケイ酸カルシウム等の
耐酸性向上剤、鉄粉、亜鉛粉、アルミニウム粉、銅粉等
の熱伝導度向上剤、その他ガラス粉、ガラスビーズ、ガ
ラス球、タルク、珪藻土、アルミナ、シラスバルン、水
和アルミナ、各種金属酸化物、着色料、および顔料等で
ある。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
する。しかしながら、本発明はこれらにより何ら制限さ
れるものではない。尚、実施例での試験方法は以下に示
す通りである。 ガラス転移温度(Tg):島津製作所社製DSC、DT
−41M型を用い、窒素気流下10℃/分で測定。 5%重量減少温度(Td5):島津製作所社製DTA−
TG、DT−40型を用い、空気気流下10℃/分で測
定。 屈折率:カルニュー光学工業社製KPR−2を用い、2
0℃で測定した。
【0022】実施例1 還流冷却器、温度計、攪拌装置を備えた4つ口フラスコ
に2,5−及び2,6−ジイソシアナトメチル−ビシク
ロ[2,2,1]ヘプタン(ここでの2,5−体は約6
2%、2,6−体は38%)22.22g(0.107
7mol)、ジ−n−ブチルスズラウレート0.9m
g、トリフェニルホスファイト0.044g、および
0.4wt%KF−ポリエチレングリコール触媒を4重
量%添加し、約70℃まで加熱した。この時、一時的に
発熱が観察された。30分後に反応系を冷却し、淡黄色
透明の樹脂固形物を得た。ここでは未反応のモノマーは
無く、残存NCO含有率は11.5%であった。得られ
た樹脂固形物は非常に硬く、外部からの応力で砕けるこ
とは無かった。尚、この樹脂固形物のガラス転移温度
(Tg)はDSCの1stスキャンで268℃に観察さ
れ、2ndスキャンでは明瞭なTgは見出されなかっ
た。また、5%重量減少温度は374℃であった。更
に、この樹脂組成物の光学物性を測定したところ、屈折
率は1.5419、アッベ数は58であった。
【0023】比較例1 特開平11−1478号公報の実施例1に基づいて樹脂
固形物を得た。この時は反応温度を50℃、また反応の
停止剤として85%リン酸0.2gを用いた。ここで得
られた樹脂固形物は、融点が50〜60℃、残存NCO
含有率が18.2%であり、原料であるジイソシアナー
トからの転化率は約40%であった。また、この樹脂組
成物は淡黄色透明であるものの、外部からの応力に対し
て非常に脆く、簡単に粉砕した。
【0024】実施例2 実施例1における2,5−及び2,6−ジイソシアナト
メチル−ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、ジ−n−ブ
チルスズラウレート、トリフェニルホスファイト、およ
び0.4wt%KF−ポリエチレングリコール触媒の混
合原体100重量部に、10℃以下でシラン処理された
ガラス繊維(日東紡績社商標:CS−3PE−467
S,繊維長3mm、繊維径13μm)を30重量部添加
し、70℃まで昇温した。30分後反応系が固化し、樹
脂固形物が得られた。得られた樹脂固形物はほぼ無色透
明であり、非常に硬く、外部からの応力に対して砕ける
ことが無かった。
【0025】
【発明の効果】本発明よって得られるイソシアヌレート
環含有ポリイソシアヌレートは、高分子量であり、得ら
れる樹脂固形物は、耐熱性かつ光学物性に優れる。従っ
て、本発明で得られる高分子量ポリイソシアヌレートは
レンズ材料、光通信用部品、光ディスク等の光学材料と
しての利用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】残存NCO基含有率が13重量%以下である場
合の分子構造の概念図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山下 渉 福岡県大牟田市浅牟田町30番地 三井化学 株式会社内 (72)発明者 伊藤 尚登 福岡県大牟田市浅牟田町30番地 三井化学 株式会社内 Fターム(参考) 4J034 AA04 HA01 HA07 HA14 HC02 HC03 HC12 HC16 HC17 HC22 HC46 HC54 HC61 HC64 HC67 HC71 HC73 KA01 KB03 KC02 KC17 KD03 KD12 KD14 KD24 KE01 KE02 KE03 QB03 QB08 RA13

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中Rは、脂肪族基、単環式脂肪族基、縮合多環式脂
    肪族基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族
    基が直接または架橋員により相互に連結させた非縮合多
    環式芳香族基からなる群より選ばれた2価の基を表
    す。)で表される有機ジイソシアナートがイソシアヌレ
    ート環を形成しながら自己架橋した高分子量ポリイソシ
    アヌレート。
  2. 【請求項2】 一般式(2) 【化2】 で表される2,5−及び/又は2,6−ジイソシアナト
    メチル−ビシクロ[2,2,1]ヘプタンが、イソシア
    ヌレート環を形成しながら、残存NCO基が13重量%
    以下まで自己架橋した請求項1記載の高分子量ポリイソ
    シアヌレート。
  3. 【請求項3】 一般式(2) 【化3】 で表される2,5−及び/又は2,6−ジイソシアナト
    メチル−ビシクロ[2,2,1]ヘプタンを、残存NC
    O基が13重量%以下まで自己架橋させるにあたり、触
    媒としてフッ化カリウム、(A)ポリエチレンオキサイ
    ド化合物、(B)第4級アンモニウム塩、(C)ホスホ
    ニウム化合物より選ばれた化合物の1種または2種以上
    の組み合わせを使用し、更に助触媒としてジアルキルス
    ズ化合物を使うことを特徴とする高分子量ポリイソシア
    ヌレートの製造方法。
  4. 【請求項4】 一般式(2) 【化4】 で表される2,5−及び/又は2,6−ジイソシアナト
    メチル−ビシクロ[2,2,1]ヘプタンを、残存NC
    O基が13重量%以下まで自己架橋させるにあたり、反
    応温度が60℃以上100℃以下である請求項3記載の
    高分子量ポリイソシアヌレートの製造方法。
  5. 【請求項5】 ポリエチレンオキサイド化合物がポリエ
    チレングリコールである請求項3記載の高分子量ポリイ
    ソシアヌレートの製造方法。
  6. 【請求項6】 ジアルキルスズ化合物がジ−n−ブチル
    スズジラウレートである請求項3記載の高分子量ポリイ
    ソシアヌレートの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項2記載の高分子量ポリイソシアヌ
    レートを含有する樹脂組成物。
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