JP2001097894A - 炭酸ガス還元装置 - Google Patents

炭酸ガス還元装置

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JP2001097894A
JP2001097894A JP28066199A JP28066199A JP2001097894A JP 2001097894 A JP2001097894 A JP 2001097894A JP 28066199 A JP28066199 A JP 28066199A JP 28066199 A JP28066199 A JP 28066199A JP 2001097894 A JP2001097894 A JP 2001097894A
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carbon dioxide
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dioxide gas
cathode
reduction
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Takayuki Fukazawa
孝幸 深澤
Hiroshi Tateishi
浩史 立石
Fumio Ueno
文雄 上野
Akihiro Horiguchi
昭宏 堀口
Hiroyasu Sumino
裕康 角野
Keiko Arubesaaru
恵子 アルベサール
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Toshiba Corp
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 炭酸ガス分離の処理能力の高い炭酸ガス還元
装置の提供。 【解決手段】 導電層7および導電層7表面に酸化チタ
ンからなる光触媒8を担持させたアノードと、導電層7
および導電層7表面に炭化珪素からなる光触媒8を担持
させたカソードと、アノードおよびカソードで挟持され
た電解質膜10とからなる素子において、アノードに供
給された水を酸化チタンの光触媒能を用いて酸化し、カ
ソードに供給される炭酸ガスを炭化珪素の光触媒能を用
いて還元することで、素子全体の反応を促進させ、ひい
ては炭酸ガスの分解の処理能力を向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光エネルギーを利
用して炭酸ガスを還元し、有機化合物を合成できる炭酸
ガス還元装置に関する。
【0002】
【従来の技術】炭酸ガス(二酸化炭素)は地球温暖化の原
因の一つとされ、地球規模で排出の削減が求められてい
る。しかし、炭酸ガスは、炭素化合物の中でも最も安定
な物質で反応性に乏しいとされている。このような炭酸
ガスを何とかして還元し、有機化合物を合成することで
再資源化を図ろうとする試みがなされている。
【0003】炭酸ガスの還元法には、金属電極による電
解還元法、触媒を使って水素で還元する接触水素化法、
あるいは微生物による生化学的還元固定化法や光触媒を
利用して太陽光などの光エネルギーを用いた人工光合成
法などが提案されている。
【0004】前記電解還元法や接触水素化法では、大量
の炭酸ガス処理が可能であるという利点がある反面、反
応に必要な電気エネルギーや水素の合成に化石燃料の手
助けが必要であり、結局、副次的に炭酸ガスを生成して
しまうため、実質的に炭酸ガスを抑制したことにならな
い。
【0005】また、微生物による生化学的方法では、ま
だまだ解明されない点も多く、実用化にはさらに年月を
要するものと予想される。
【0006】これに対し、光触媒による人工光合成法
は、生物と異なり死滅せず、太陽光のようなクリーンな
エネルギーによって室温でも反応が進行するので究極の
省エネ環境対策として期待される。
【0007】二酸化チタンに代表される光触媒は、光エ
ネルギーを吸収し電子と正孔を生成することによって、
さまざまな化学反応を引き起こす。特に二酸化チタンの
場合には、価電子帯の位置が深く、生成する正孔による
酸化力は塩素やオゾンにも勝るとされている。しかし、
光触媒を粒子状で用いる場合には生成する電子と正孔が
再結合してしまい活性が低下するという問題点があっ
た。そこで、電荷が再結合しないように貴金属などに担
持させて電荷分離を図るのが良いとされている。これに
より貴金属部に電子、二酸化チタン表面部に正孔という
ように微小な電極を構成でき、活性を向上させることが
できるからである。実際に白金やルテニウムを担持させ
た二酸化チタンは、炭酸ガスの還元に対して高い活性を
示すことが報告されている。
【0008】しかし、粒子自体が非常に小さいため酸化
と還元のサイトが近接しており、生成物が再び出発物質
に戻ってしまう、いわゆる逆反応のために、反応効率が
上がらないという問題点があった。また、水の酸化分解
により生成されるプロトン(H+)を利用するために水
中で炭酸ガスの還元を行う必要があり、そのため反応生
成物である有機化合物の分離・回収が困難であった。そ
こで、このような問題点を解決するために、光触媒を平
板状に成形してアノード電極として用い、貴金属類を担
持させてなるカソード電極との間に電子の流れを起こ
し、カソード側で炭酸ガスを還元しようとする方法が開
示されている(特開平4−63115号公報)。この方法
では、電荷の再結合によるロスが少なく、生成された正
孔は水の酸化に、電子は炭酸ガスの還元に有効に利用さ
れるため効率の向上が期待される。また、酸化サイトと
還元サイトが完全に分離されているため、生成物の分離
回収も比較的容易であるという利点がある。しかし、用
いる光触媒により電子・正孔の生成電位は決まってしま
い、反応効率はそれにより制約を受けていた。さらにこ
の方法では、白金などの高価な貴金属を光触媒に担持し
たり、カソード側電極としても用いるなどコスト面での
問題もさることながら、還元サイトでの電子の消費が十
分に行われず、炭酸ガスの還元処理の効率を未だ十分な
ものとすることができなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の光触媒を使用した炭酸ガス還元装置においては、アノ
ードで生成し得る電子の量に対して、カソードでの炭酸
ガス処理能力は十分なものでなかった。
【0010】本発明はより炭酸ガスの処理能力の高い炭
酸ガス還元装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、電解質膜と、
この電解質膜表面に形成され、価電子帯電位が水の酸化
電位よりも大きい半導体物質からなり、供給される水と
接触するように配置された第1の光触媒と、前記電解質
膜表面に形成され、伝導帯電位が炭酸ガスの還元電位よ
りも負に大きい半導体物質からなり、供給される二酸化
炭素と接触するように配置された第2の光触媒とを有す
ることを特徴とする炭酸ガス還元装置である。
【0012】すなわち、水の酸化反応と、二酸化炭素の
還元反応を電解質を介して接続された2つの反応サイト
で行う素子において、水の酸化反応に光触媒を利用する
のみでなく、二酸化炭素の還元反応に光触媒の還元能力
を用いることで、素子全体の反応効率を向上させ、ひい
ては、炭酸ガス還元の処理能力を向上させることができ
る。
【0013】また、第2の光触媒表面にIb族、IIb
族、IVb族およびVIII族の元素群から選ばれる少なくと
も一種の還元触媒を担持させることで、炭酸ガス還元の
処理能力をより向上させることが可能となる。
【0014】さらに、第1あるいは第2の光触媒は、導
電性物質上に担持されることが望ましい。
【0015】前記第1あるいは第2の光触媒を導電性物
質上に担持させることで、第1の光触媒での反応によっ
て生成される電子を、第2の光触媒に効率的に伝えるこ
とができるため、第2の光触媒での還元反応を促進させ
ることができる。
【0016】また、本発明の炭酸ガス還元装置は、第1
の光触媒、および前記第2の光触媒に光を照射する光照
射手段を設けることができる。この光照射手段からの露
光を受けて炭酸ガスの還元を行う。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の炭酸ガス還元装置の概略
図を図1に示す。
【0018】ガラスなどの光透過性材料からなる容器1
内には、プロトン伝導体からなる電解質膜10と、電解
質膜10表面に形成された、第1の光触媒8および第1
の光触媒8を担持する導電層7とからなるアノードと、
その対向する面に形成された、第2の光触媒9および第
2の光触媒9を担持する導電層7とからなるカソードと
から形成される積層体が配置されている。容器1と積層
体との接合部をシールすることで、容器1内は積層体を
挟んで、アノードサイトとカソードサイトの2つの反応
サイトに分離されている。
【0019】アノードサイトは、水を酸化する反応サイ
トである。容器1のアノードサイトには水供給口2が設
けられており、この水供給口から供給された水がアノー
ドサイトには貯められている。また、容器1のアノード
サイトでは、アノードで反応生成するガス(酸素)を排
出するための排出口3が設けられている。
【0020】カソードサイトは、炭酸ガスを還元する反
応サイトである。容器1のカソードサイトには、炭酸ガ
ス(二酸化炭素)の導入口4と、過剰の炭酸ガスおよび
カソードで反応生成される水を排出するための排出口5
とが設けられている。
【0021】前記電解質膜としては、アノードで生成さ
れるプロトンをカソードに伝導させる機能を有するもの
であれば特に限定されることなく用いることができる
が、前記2つのサイトを簡単な構造で分離するために、
固体電解質を用いることが好ましく、また、触媒反応で
生成されるメタノールなどの有機溶媒にも安定な材料を
使用することが望ましい。例えばナフィオン(デュポン
社製)などのパーフルオロスルホン酸膜などを用いるこ
とができる。
【0022】前記アノードサイトに使用される第1の光
触媒8としては、価電子帯電位が水の酸化電位(理論値
1.23V)より大きい、例えば、二酸化チタン(Ti
2)、酸化鉄(Fe23)、酸化ニオビウム(Nb2
5)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、チタン
酸バリウム(BaTiO3)、三酸化タングステン(W
3)、酸化亜鉛(ZnO)、二酸化スズ(SnO2)あ
るいは、硫化カドミウム(CdS)などの半導体を使用
することができる。化学安定性の面を考慮すれば二酸化
チタンが最も好ましい。
【0023】前記カソードサイトに使用される第2の光
触媒9としては、炭酸ガスの還元電位より負に大きい伝
導帯電位を有する半導体物質が好ましい。例えば、炭化
ケイ素(SiC)、燐化ガリウム(GaP)、砒素化ガ
リウム(GaAs)、燐化インジウム(InP)、硫化
カドミウム(CdS)、酸化鋼(Cu2O)、ケイ素(S
i)、酸化鉄(Fe34)あるいはCaFe24などが
挙げられる。
【0024】また、前記第1、および第2の光触媒は、
平均粒径7〜500nmの粉末を密に敷き詰めた膜厚1
00μm以下の膜として用いることが好ましい。前記粒
径が大きすぎると、量子効果による光エネルギーの利用
効率が低下するという問題が、小さすぎると粒子同士の
凝集という問題が生じる恐れがある。また、前記膜厚が
大きすぎると、導体近傍の光触媒に照射される光量が減
少してしまうために、触媒機能が低下する恐れがある。
【0025】また、前記光触媒8、9は、クロムやバナ
ジウム原子などをイオン注入するしたり、可視光域に吸
収をもつ色素を表面に付着させることで、所望の波長域
で反応を生じさせることができる。
【0026】前記両光触媒8、9を担持する導電層7は
必ずしも必要なものではないが、カソードで発生した電
子を、アノードに効率的に伝えるために設けることが望
ましい。
【0027】導電層7の形状は、均一膜以外にも多孔質
体や、導電性繊維の集合体を用いることもできる。均一
膜を用いた場合には、光触媒8、9を導電膜7の電解質
膜10側に形成しなければならないが、多孔質膜や導電
性繊維の集合体を導電層7として用いた場合は導電層全
面に形成できるため、均一膜に比べ前記光触媒8、9を
担持させる面積を大きくすることができる。
【0028】導電層7は、通常カーボンなどの導電材料
を使用するが、カソードに形成される導電層7に使用す
る材料に、銀、銅、亜鉛、白金、ルテニウム、ルビジウ
ムあるいはパラジウムに代表されるIb族、II族、IVb
族又はVIII族の還元触媒として機能する元素を用いるこ
とで還元反応をより促進させることもできる。
【0029】また、前記還元触媒を、カソードに使用さ
れる光触媒9表面に担持させてもよい。
【0030】これらの光触媒は、無機系塗料に混ぜて塗
布あるいはスプレーで吹き付けたりして導電層あるいは
電解質に担持させることができる。または、有機チタン
化合物溶液の状態で塗布したのち焼成して導電層に担持
させても良い。但しこの場合は焼成後に電解質層とを積
層することにする。
【0031】また、導電膜7を用いる場合、アノードサ
イトで生成したプロトンがカソードサイトヘスムーズに
移動できるように、プロトン伝導体の一部を導電層内部
にまで浸透させることが好ましい。
【0032】このように構成された炭酸ガス還元装置の
アノードとカソードを結線し電気的に接続した後に、両
電極に光照射手段11によって光照射することで、両サ
イトにて電子と正孔が生成される。適当なエネルギー準
位をもつ第1の光触媒と第2の光触媒を組み合わせてア
ノードサイトとカソードサイトに配置することにより回
路を構成することができる。
【0033】このような炭酸ガス分離装置において、ア
ノードサイト(第1の光触媒での反応)およびカソード
サイト(第2の光触媒での反応)では以下に示すような
水の酸化分解が起こる。 アノードサイト: H2O → 2H++1/2O2+2e- (1) カソードサイト: CO2+8H++8e- → CH4+2H2O (2) CO2+6H++6e- → CH3OH+H2O (3) CO2+4H++4e- → HCHO+H2O (4) CO2+2H++2e- → HCOOH (5) このように、還元に用いられる電子の数が8(式
(2))の場合メタンが、前記電子の数が6(式
(3))の場合メタノールが、前記電子の数が4(式
(4))の場合ホルムアルデヒドが水と共に生成され
る。前記電子の数が2(式(5))の場合はギ酸が生成
される。
【0034】また、プロトン濃度をより高めるために、
アノードサイトに配置される水の中に希硫酸などを添加
して水をpH2〜6程度に酸性に変えておくことが望ま
しい。
【0035】また、カソードサイトの第2の光触媒を擦
水性物質と混合して用いれば、炭酸ガスとの接触がし易
くなり、より効果的である。
【0036】このような構成の炭酸ガス還元装置の光触
媒に照射する光は、光触媒として用いる半導体の励起に
必要な波長を含む光であればよく、例えば、太陽光、キ
セノン、ハロゲン、水銀などのランプ光などから選択す
ればよい。
【0037】図2は、本発明の炭酸ガス還元装置に対す
る光照射方法の変形例を示す図である。
【0038】炭酸ガス分離装置のアノードサイト側にラ
ンプを配置し、ランプから発せられる光を第1の光触媒
に直接照射している。また、カソードサイト側には、反
射板12を設け、前記ランプ11から射出された光は、
反射板12によって反射され、第2の光触媒に照射され
ている。このようにすることで、1つの光源で両反応サ
イトの光触媒を活性化させることができる。
【0039】図3は、本発明の炭酸ガス分離装置の変形
例である。
【0040】図3においては、電解質膜10の一面にア
ノードサイトとカソードサイトの両反応サイトを形成し
た例である。
【0041】導電性層の片面に第1の光触媒8および第
2の光触媒9を形成し、この導電性層を光触媒層8、9
が形成された面が電解質膜10に接触するように形成し
た積層体を容器1内に収容している。
【0042】また、容器1は、第1の光触媒が形成され
たアノードサイトと、第2の光触媒が形成されたカソー
ドサイトとを分離する隔壁が設けられている。
【0043】さらに、図1と同様に、容器1のアノード
サイトには、水を供給するための供給口2と、反応生成
ガスを排出する排出口3とが形成されており、カソード
サイトには炭酸ガスを導入する導入口4と、反応生成さ
れる水を排出する排水口5とが形成されている。
【0044】このような炭酸ガス還元装置によれば、電
解質膜10の一方向に設置された光照射手段11のみで
アノードサイト及びカソードサイトの反応を生じさせる
ことが可能となるため、光照射を簡略化することが可能
となる。
【0045】
【実施例】実施例1 平均粒径20nmの二酸化チタン粉末を水の中に分散さ
せた分散液を準備した。
【0046】この分散液を、電解質膜として用いる5c
m× 5cm、厚さ0.15mmのパーフルオロスルホ
ン酸膜(ナフィオン膜:デュポン社製)の片面に塗布
し、乾燥後、加圧性形成して二酸化チタンからなる膜厚
約10μmの第1の光触媒層を形成した。
【0047】また、前記電解質膜の第1の光触媒層を形
成した面と対向する面に、平均粒径100nmの炭化珪
素粉末を水に分散させた分散液を準備し、この分散液を
同様に用いて炭化珪素からなる膜厚約10μmの第2の
光触媒層を形成した。
【0048】この光触媒層を有する電解質膜を図1に示
すような容器中にセットした。
【0049】この時、二酸化チタン層が形成されたアノ
ードサイトに準備される水には、少量の希硫酸を加えて
pHが3程度になるようにした。
【0050】また、第1の光触媒層と第2の光触媒層と
を白金線で結び導通をとった。
【0051】炭酸ガス導入口より、炭酸ガスを2l/h
rで導入した。
【0052】ここで、第1の光触媒層および第2の光触
媒層それぞれに、100W高圧水銀ランプを用いて10
hr炭酸ガスの分離を行った。
【0053】その結果、ホルムアルデヒドが0.2μm
ol/hr、メタノールが5μmol/hr、およびギ
酸が2μmol/hrそれぞれ検出された。すなわち、
7.2μmol/hrの二酸化炭素を還元したことにな
る。
【0054】比較例1 炭化珪素からなる第2の光触媒層に代えて、白金/ルテ
ニウム層を用いたことを除いて、実施例1と同様にして
炭酸ガスの分離を行った。
【0055】その結果、ホルムアルデヒドが0.5μm
ol/hr、メタノールが1μmol/hr、およびギ
酸が2μmol/hrそれぞれ検出された。すなわち、
3.5μmol/hrの二酸化炭素しか還元していな
い。
【0056】この結果から、第2の光触媒層を使用する
ことで(実施例1)、炭酸ガスの還元量が2倍以上にな
っていることがわかる。
【0057】実施例2 電極材となる表面に平均細孔径nmオーダーの微細孔を
有する(または、繊維径10μmの)0.1mmのシー
ト状カーボン繊維体を準備し、その片面にゾル−ゲル法
により膜厚約10μmの第1の光触媒層となる二酸化チ
タン粒子膜を形成した。
【0058】同様にして片面に第2の光触媒層となる膜
厚約10μmの炭化珪素膜を形成した、シート状カーボ
ン繊維体を作製した。
【0059】それぞれのシート状カーボンの第1あるい
は第2の光触媒層が形成されていない側の面に、それぞ
れナフィオン溶液を含浸させ、それぞれの光触媒層が外
側に来るようにして、電解質膜としての厚さ0.15m
mのナフィオン膜を挟んで積層し、120℃に加熱し一
体化した。
【0060】この光触媒層を有する電解質膜を実施例1
と同様に容器中にセットし、実施例1と同様にして二酸
化炭素の分離を行った。
【0061】その結果、ホルムアルデヒドが0.4μm
ol/hr、メタノールが10μmol/hrそれぞれ
検出された。すなわち、10.4μmol/hrの二酸
化炭素を還元したことになる。
【0062】実施例3 炭化珪素からなる光触媒層にのみパラジウムを0.01
〜0.02%担持させたことを除いて、実施例2と同様
にして二酸化炭素の分離を行った。
【0063】その結果、メタノールの生成効率が向上
し、12μmol/hrでメタノールを生成した。すな
わち、12μmol/hrの二酸化炭素を還元したこと
になる。
【0064】また、パラジウムに代えて、銀、銅、亜
鉛、白金、ルテニウムあるいはルビジウムを用いて実施
例3と同様にして二酸化炭素の分離実験を行ったとこ
ろ、実施例3と略同様な結果が得られた。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係わる炭
酸ガス還元装置を用いれば、酸化反応と還元反応とが分
離でき、効率よく炭酸ガスを還元し有機化合物を合成す
ることができる。原理的には太陽光のみでも動作可能で
あり、また高価な貴金属類を電極などに用いなくても良
いため、低コストのシステムが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る炭酸ガス還元装置を示す図。
【図2】 本発明による炭酸ガス還元装置の第1の変形
例を示す図。
【図3】 本発明による炭酸ガス還元装置の第2の変形
例を示す図。
【符号の説明】
1・・・容器 2・・水の供給口 3・・酸素ガスの排出口 4・・炭酸ガス導入口 5・・水の排出口 7・・導電層 8・・第1の光触媒 9・・第2の光触媒 10・・電解質膜 11・・光照射手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 45/61 C07C 45/61 47/04 47/04 51/15 51/15 53/02 53/02 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 上野 文雄 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 堀口 昭宏 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 角野 裕康 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 アルベサール 恵子 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 Fターム(参考) 4G069 AA03 BA04B BA48A BB02A BB02B BB15B BC05B BC20A BC20B BC30A BC31B BC32B BC34A BC35B BC65A BC69A BC70B BC72B BC75B CA07 CA08 CA20 DA05 EA07 FA03 FB23 4H006 AA04 AC11 AC41 AC45 AC46 BA05 BA06 BA07 BA09 BA10 BA11 BA12 BA14 BA19 BA27 BA30 BA32 BA33 BA35 BA36 BA56 BA95 BE41 BE60 BS10 FE11 4H039 CA11 CA60 CA62 CA65 CB40 CC20

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電解質膜と、 この電解質膜表面に形成され、価電子帯電位が水の酸化
    電位よりも大きい半導体物質からなり、供給される水と
    接触するように配置された第1の光触媒と、 前記電解質膜表面に形成され、伝導帯電位が炭酸ガスの
    還元電位よりも負に大きい半導体物質からなり、供給さ
    れる二酸化炭素と接触するように配置された第2の光触
    媒とを有することを特徴とする炭酸ガス還元装置。
  2. 【請求項2】Ib族、IIb族、IVb族およびVIII族の元
    素群から選ばれる少なくとも一種の還元触媒を前記第2
    の光触媒表面に担持させたことを特徴とする請求項1記
    載の炭酸ガス還元装置。
  3. 【請求項3】前記第1あるいは第2の光触媒は、導電性
    物質上に担持されて前記電解質膜に接触形成されること
    を特徴とする請求項1記載の炭酸ガス還元装置。
  4. 【請求項4】前記第1の光触媒、および前記第2の光触
    媒に光を照射する光照射手段を有することを特徴とする
    請求項1記載の炭酸ガス還元装置。
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