JP2001236968A - 燃料電池型反応装置およびその使用方法 - Google Patents

燃料電池型反応装置およびその使用方法

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JP2001236968A JP2000046114A JP2000046114A JP2001236968A JP 2001236968 A JP2001236968 A JP 2001236968A JP 2000046114 A JP2000046114 A JP 2000046114A JP 2000046114 A JP2000046114 A JP 2000046114A JP 2001236968 A JP2001236968 A JP 2001236968A
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大塚  潔
Ichiro Yamanaka
一郎 山中
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  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規な燃料電池型反応装置およびその使用方
法を提供する。特に水素と酸素からの過酸化水素の製造
に有効な燃料電池型反応装置を提供する。 【解決手段】 アノードおよびカソードによりアノード
室、 中間室、カソード室に区画され、該中間室に電解質
溶液を存在させ、両極間を電子伝導体で外部短絡した構
造であることを特徴とする燃料電池型反応装置、及び該
反応装置を用いて、アノード室に水素供与体を、カソー
ド室に酸素を供給して、中間室の電解質溶液中に過酸化
水素を発生させることを特徴とする過酸化水素の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料電池型反応装
置およびその使用方法に関するものである。本発明によ
る反応装置は、化学工業において有用な化学薬品を製造
するために利用される。この反応装置は、水素と酸素か
ら過酸化水素を合成する装置として特に有用である。過
酸化水素は、化学、パルプ、医薬、食品、繊維、半導体
工業において、漂白剤、酸化剤として使用されている有
用な基礎薬品である。
【0002】
【従来の技術】従来の過酸化水素の製造方法としては、
例えば、(I)アルキルアントラキノンを用いた自動酸
化法(化学便覧、応用化学編I 、日本化学会編、302
ページ、1986年参照)(II)アルカリ金属水酸化
物中で酸素を陰極還元する電解法(米国特許第4,43
1,494号明細書等参照)(III)硫酸又は塩酸水
溶液中に懸濁もしくは溶解した白金族系の触媒を用い
て、水素と酸素を触媒的に反応させる方法(米国特許第
4,009,252号明細書等参照)などが知られお
り、工業的には主に上記(I)の方法が用いられている
ことは周知のところである。しかしながら、これらの従
来公知の方法においては、例えば、上記(I)の方法で
は、大量の有機溶媒の添加を必要とし、また、多くの副
生物や触媒の劣化が生じるので、さまざまな分離工程や
再生工程を必要とする等の不利な点がある。また、上記
(II)の方法においては、高価な電力エネルギーを必
要とする問題点がある。さらに上記(III)の方法に
おいては、同一反応器内において水素と酸素を混合させ
る必要があり、爆発危険性等の安全上の問題を有し、工
業的製造法としては難点がある。
【0003】一方、近年、燃料電池システムを用いて、
温和な条件で種々の有用な化合物を製造する研究が進め
られている。燃料電池とは燃料を電解質膜で隔てて電気
化学的に完全燃焼させ、その反応過程の自由エネルギー
変化を直接電力エネルギーに変換することを目的とした
システムである。すなわち、電子の放出反応と受容反応
をそれぞれアノード、カソードで行わせ、両極を結ぶ外
部回路を通る電子の移動を電力として利用するものであ
る。このような燃料電池を有機合成の立場から化学反応
器とみると、原理的には電力と共に有用な化合物の製造
が可能である。燃料電池システムの化学合成への応用例
としては、(IV)エチレンおよびプロピレンの部分酸
化反応(触媒,31,48ページ,1989)、(V)
ベンゼンの水酸化反応(J.Chem.Soc.,Fa
raday Trance.,90,451,199
4)、(VI)メタノールの酸化的カルボニル化反応
(Electrochimica Acta,Vol.
39,No.14,2109,1994)などが本発明
者らによって提案されている。燃料電池システムを応用
した有機合成法は、1)反応速度や選択性を電気的に容
易に制御することができる。2)外部回路に負荷を置け
ば、目的とした化合物と共に電力を得ることができる。
3)基質と酸素などの酸化剤が隔膜で分離されているの
で爆発の危険性が低減するなどの特徴があり、工業的に
も有利な点が多い。
【0004】本発明者らは、先に燃料電池システムを応
用して、(VII)水素と酸素から過酸化水素を製造す
る方法(Electrochimica Acta,V
ol.35,No.2,319,1990)を提案して
きた。この方法は、ナフィオン(デュポン社の登録商
標)を隔膜とし、膜のアノード側は白金黒を、カソード
側は金メッシュもしくはグラファイトを触媒電極とし、
アノード室に水素ガス、塩酸水溶液が導入されたカソー
ド室に酸素ガスを吹き込むことによって過酸化水素を製
造する。しかしながら、この方法では、上記1)〜3)
などの利点を有するものの、得られる過酸化水素の濃度
が低く、また、経時的に過酸化水素の生成が頭打ちにな
るなどの難点があった。化学工業界においては、これら
過酸化水素の製造方法に限らず、有用な化学薬品をより
効率的に製造するための反応方法や触媒の開発が常に求
められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、化学合成に
有効な反応装置およびその使用方法に関するものであ
る。本発明の目的は、新規な構造からなる燃料電池型反
応装置を用いて、有用な化学薬品を穏和な条件で選択性
高く、効率的かつ経済的な方法で製造すると共に必要に
応じて電力を製造し、従来の触媒プロセスが抱える問題
点を克服する事である。例えば、本発明よりなる反応装
置を用いて、水素と酸素から過酸化水素を製造すること
により、前述した従来の製造法における大量の有機溶媒
の使用、製造工程の煩雑さ、電力エネルギーの大量消
費、水素と酸素の混合による爆発危険性、低い過酸化水
素の収率等の問題点を解決することができる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる従
来技術の問題点を解決すべく鋭意検討した結果、次の本
発明に到達した。 (1)アノードおよびカソードによりアノード室、 中間
室、カソード室に区画され、該中間室に電解質溶液を存
在させ、両極間を電子伝導体で外部短絡した構造である
ことを特徴とする燃料電池型反応装置。 (2)アノード室に還元性物質を、カソード室に酸化性
物質を供給して、中間室の電解質溶液中に反応生成物を
発生させることを特徴とする(1)記載の燃料電池型反
応装置。 (3)中間室が、隔膜によって2つの電解質溶液室に区
画された構造である(1)又は(2)記載の燃料電池型
反応装置。
【0007】(4)カソードが、導電性炭素材料もしく
はシリカから選ばれた少なくとも1種以上を含む触媒電
極である(1)〜(3)のいずれかに記載の燃料電池型
反応装置。 (5)導電性炭素材料が、活性炭、カーボンファイバ
ー、グラファイト、カーボンウィスカー、カーボンブラ
ックから選ばれた1種または2種以上を含む炭素材料で
ある(4)記載の燃料電池型反応装置。 (6)電解質溶液が、酸性、中性、アルカリ性の弱電解
質水溶液または強電解質水溶液である(1)〜(5)の
いずれかに記載の燃料電池型反応装置。 (7)電解質水溶液が、HCl,H2 SO4 ,H3 PO
4 ,HClO4 ,NaCl,LiCl,Li2 SO4
Na2 SO4 ,K2 SO4 ,Rb2 SO4 ,Cs 2 SO
4 ,NaOHからなる群より選ばれた少なくとも1種以
上を含む水溶液である(6)記載の燃料電池型反応装
置。 (8)(1)〜(7)のいずれかに記載の反応装置を用
いて、アノード室に水素供与体を、カソード室に酸素を
供給して、中間室の電解質溶液中に過酸化水素を発生さ
せることを特徴とする過酸化水素の製造方法。
【0008】以下、過酸化水素の製造方法を例に本発明
の詳細を説明する。無論、本発明は過酸化水素の製造方
法に限定されるものではなく、前記従来の技術において
記載した(IV)〜(VI)のような燃料電池システム
が応用できる他の化学合成反応にも有効なものとなる。
【0009】本発明において用いられる燃料電池型反応
装置の概念図を第1図に示す。この装置は、アノード4
を有するアノード室1、カソード5を有するカソード室
3およびアノードとカソードによって区画された中間室
2を有する3槽構造からなり、この中間室には電解質溶
液が導入される。また、必要によっては、図2に示すよ
うに、電解質溶液が導入される中間室を隔膜9 により、
アノード側の電解質溶液室11とカソード側の電解質溶
液室10に区画することもできる。アノード室には水素
を供給する水素供給部6が、カソード室には酸素を供給
する酸素供給部7が設置されている。アノードとカソー
ドの外側表面には集電用の金属メッシュが取り付けら
れ、電子伝導体であるリード線8を通じて外部短絡され
ている。必要によっては、アノードとカソードの間に外
部から電圧を印加することで反応を促進させることも可
能である。また、必要により外部回路に負荷をおいて電
力を取り出すことも可能である。本発明で用いられる隔
膜としては、イオン伝導体であれば特に限定されない。
例えば、リン酸、塩酸、硫酸、塩酸等の酸性電解質を支
持体に含浸させたプロトン酸膜、シリカ、アルミナ、H
型ゼオライト、リン酸ジルコニウム、ヘテロポリ酸等の
固体電解質膜、SrCeO3 、BaCeO3 系等のペロ
ブスカイト型焼結体、ポリスチレン・スルホン酸系ある
いはフッ化炭素系重合体・スルホン酸系等のイオン交換
高分子膜等が挙げられる。本発明においては、フッ素樹
脂系のナフィオン(デュポン社の登録商票)膜などのイ
オン交換高分子膜が好ましく用いられる。このような隔
膜で中間室を2つの電解質溶液室に区画した場合、カソ
ード近傍で生成した過酸化水素のアノード側への逆拡散
が避けられることによって分解反応などの副反応が抑制
され、過酸化水素の選択率および収率が向上するという
利点がある。
【0010】本発明において用いられるアノードは、種
々の材料が使用できるが、本発明においては、種々の金
属またはその化合物の少なくとも1種以上を用いること
ができる。金属としては、ルテニウム、ロジウム、パラ
ジウム、オスニウム、イリジウム、白金等の白金族金属
もしくはこれら金属の合金等が例示される。白金族以外
にも、鉄、コバルト、ニッケル、銅等の遷移金属も用い
ることができる。また、金属の高分散化と良好な電子伝
導性を与えるためにこれら金属を導電性炭素材料に物理
混合するかもしくは分散担持させてもよい。導電性炭素
材料としては、活性炭、カーボンブラック、アセチレン
ブラック、グラファイト、カーボンファイバー、カーボ
ンウィスカーなどの入手しやすい炭素材料が例示され
る。本発明においては、白金黒およびカーボンファイバ
ーを含む触媒電極が好ましく用いられるが、特にこれら
に限定されるものではなく、一般に燃料電池で使用され
ている入手しやすい触媒電極を用いることもできる。
【0011】カソードとしては、導電性炭素材料もしく
はシリカから選ばれた少なくとも1種以上を含むものが
好ましい。本発明に使用される導電性炭素材料として
は、電気伝導性を有する種々の炭素材料が使用できる
が、好ましくは活性炭、カーボンファイバー、グラファ
イト、カーボンウィスカー、カーボンブラックから選ば
れた炭素材料を単独、もしくは2種以上の混合物として
用いることが推奨される。更に、カソードとして、前記
導電性炭素材料にシリカを混合したものも有効である。
このようなシリカを含んだカソードは、過酸化水素の選
択率および収率において著しい効果を与える。本発明で
用いるシリカの種類は特に制限されないが、本発明にお
いては、内部表面積を持たない球状のシリカ微粒子が好
ましく用いられる。シリカの平均一次粒子径は、通常2
〜500nm、好ましくは4〜100nmである。ま
た、比表面積は、通常3〜400m2 /g程度が好まし
い。
【0012】更に、本発明を有効なものとするために、
アノード、カソード両電極のこれらの成分に加えて撥水
剤を混合して用いることが好ましい。この際の、撥水剤
としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、
テトラフルオロエチレンオリゴマー(TFEO)、フッ
化黒鉛((CF)n )、フッ化ピッチ(FP)などが例
示される。また、これら撥水剤は、触媒粒子の結着剤と
しても機能するので、上記成分と物理混合してホットプ
レスによりシート状に成形して電極として用いることが
可能である。しかしながら、本発明においては、これら
材料及び方法のみに限定されるものではない。
【0013】本発明で用いられる電解質溶液としては、
種々の電解質溶液が使用できるが、好ましくは、酸性、
中性、アルカリ性の弱電解質水溶液または強電解質水溶
液が用いられる。これら電解質水溶液としては、例え
ば、HCl,H2 SO4 ,H3PO4 ,HClO4 ,H
NO3 等およびそれらの塩類またはNaOH,KOH,
LiOH,NH3 ,NH4 OH等の水溶液または水ガラ
ス、水道水、工業用水等のごとき、酸性、中性ならびに
アルカリ性の弱電解質水溶液から強電解質水溶液までの
ものを単独、もしくは2種類以上の混合物としたものな
どが挙げられる。特に、HCl,H2 SO4 ,H3 PO
4 ,HClO4 ,NaCl,LiCl,Li2 SO4
Na2 SO4 ,K2 SO4 ,Rb2 SO4 ,Cs2 SO
4 ,NaOHからなる群より選ばれる少なくとも1種以
上を含む水溶液が好ましく用いられる。
【0014】本発明で用いる水素供与体としては、アノ
ード触媒上でプロトンと電子を放出することが可能な化
合物を用いることができる。具体的には、水素、アルコ
ール類、ハイドロキノン類、さらには飽和炭化水素等が
挙げられる。好ましくは水素が用いられる。また、これ
らの水素供与体は、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活
性ガスとの混合ガスとして用いてもよい。本発明で用い
る酸素は、必ずしも純粋である必要はなく、空気または
窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスとの混合物で
あってもよい。
【0015】本発明では、両極間に電圧を印加すること
により、反応を加速させることができる。印加電圧は、
通常0.1〜10V 、好ましくは0.2〜1V である。
本発明の反応条件としては、反応温度は、通常0〜10
0℃、好ましくは10〜50℃の範囲から選択される。
また、反応時の水素および酸素の圧力は、本発明に従え
ば常圧で行われるが、必要に応じては、加圧下でも実施
することができる。反応時間は、目的とする過酸化水素
の選択率や収率の実質的な目標値を定め、適宜選択すれ
ばよく、特に制限されないが、通常、数秒ないし数時間
である。また、反応形式としては、回分的または連続的
に行うことが可能であり、特に限定されない。
【0016】
【実施例】次に、実施例ならびに比較例をもって本発明
をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例
に限定されるものでない。 実施例1 白金黒粉末(和光純薬工業社製)20mg、カーボンフ
ァイバー粉末(昭和電工社製)50mgおよびPTFE
粉末(ダイキン工業社製)7mgをよく混合し、これを
ホットプレスにより円形シート状(厚さ:約1mm,直
径:約25mm)としたものをアノードとした。カソー
ドは、活性炭粉末(和光純薬工業社製)30mg、カー
ボンファイバー粉末50mgおよびPTFE粉末5mg
を混合したものをアノードと同様にホットプレス成型す
ることにより得た。こうして得られたシート状のアノー
ドおよびカソードをそれぞれ反応装置に取り付け、両極
間を金リード線で短絡した。次に、中間室に1.2Nの
HCl水溶液4mlを入れた後、アノード室に水素ガス
を、カソード室に酸素ガスを常圧下、20ml/min
の流速で供給し、反応温度30℃、反応時間2時間とし
て反応を行った。その結果、中間室のHCl水溶液中に
過酸化水素の生成が認められ、同時に電流の発生も認め
られた。生成した過酸化水素の濃度は、KMnO4 水溶
液を用いて分析した。得られた過酸化水素の濃度、電流
効率および発生した電流値を表1に示す。これは、前記
従来の技術において記載した(VII)に比し、過酸化
水素の収率において大きく優れていることは明白であ
る。
【0017】実施例2 1.2NのHCl水溶液の液量を2mlとした以外は、
実施例1と同様にして反応を行った。その結果を表1に
示す。 実施例3 中間室の中央部にナフィオン117(デュポン社製)膜
を設置した以外は、実施例1と同様にして反応を行っ
た。カソード側のHCl水溶液中(2ml)に蓄積した
過酸化水素の濃度、電流効率および発生した電流値を表
1に示す。
【0018】比較例1 開回路条件(両極間を短絡させない)とした以外は、実
施例1と同じ操作で反応を行った。その結果、反応は進
行せず、過酸化水素の生成は認められなかった。 比較例2 アノード室に水素と酸素の混合ガスを供給した以外は、
実施例1と同じ操作で反応を行った。その結果、反応は
進行するが、過酸化水素は生成せず、得られた生成物は
水のみであった。
【0019】比較例3 カソード室に水素と酸素の混合ガスを供給した以外は、
実施例1と同じ操作で反応を行った。その結果、反応は
進行せず、過酸化水素の生成は認められなかった。これ
ら比較例の結果より、本反応は燃料電池システムによっ
て進行することが明白である。 実施例4〜8 カソード成分である炭素材料として、活性炭粉末、カー
ボンファイバー粉末、カーボンウイスカー粉末(旭化成
工業社製)、カーボンブラック粉末(東海カーボン社
製)およびグラファイト粉末(和光純薬工業社製)を表
1に示す使用量で単独、もしくは混合物として用いた以
外は、実施例1と同様に反応させた。その結果を表1に
示す。
【0020】実施例9〜11 電解質溶液として、1.2NのH2 SO4 水溶液、1.
2NのHClO4 水溶液もしくは4.4NのH3 PO4
水溶液を用いた以外は、実施例1と同様に反応させた。
その結果を表1に示す。 実施例12 反応時間を6時間とした以外は、実施例9と同様に反応
させた。反応結果を表1に示す。 実施例13〜15 回路中直列に定電圧発生装置を設置し、表1に示す電圧
値で電圧を印加させ、また、表1に示す電解質溶液およ
びカソードを用いた以外は、実施例1と同様に反応させ
た。反応結果を表1に示す。
【0021】実施例16〜18 電解質溶液として、1NのNaOH水溶液を用い、表2
に示したカソードを用いた以外は、実施例1と同様に反
応させた。反応結果を表2に示す。 実施例19 電解質溶液として、2NのNaOH水溶液を用いた以外
は、実施例18と同様に反応させた。反応結果を表2に
示す。 実施例20 回路中直列に定電圧発生装置を設置し、0.8Vの電圧
を印加した以外は、実施例18と同様に反応させた。反
応結果を表2に示す。
【0022】実施例21〜27 電解質溶液として、表3に示す濃度のNa2 SO4 、K
2 SO4 、Li2 SO 4 、Cs2 SO4 、Rb2
4 、LiClもしくはNaClの水溶液を用いた以外
は、実施例1と同様に反応させた。反応結果を表3に示
す。 実施例28〜30 カソードとして、カーボンファイバー粉末80mgにP
TFE粉末5mgおよびシリカ粉末(Cab- O- Si
l:CABOT社製)を0、0.3もしくは8mg添加
したものを用い、また、電解質溶液として、1MのNa
2 SO4 水溶液を用いた以外は、実施例1と同様に反応
させた。反応結果を表3に示す。 実施例31 反応時間を6時間とした以外は、実施例30と同様に反
応させた。反応結果を表3に示す。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】
【発明の効果】本発明により、新規な構造を有する燃料
電池型反応装置が提供される。本発明による反応装置を
用いることにより、水素と酸素から過酸化水素を容易に
しかも収率よく製造することができる。また、必要によ
り、電気エネルギーを得ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃料電池型反応装置の概念図である。
【図2】本発明の他の燃料電池型反応装置の概念図であ
る。
【符号の説明】 1 アノード室 2 中間室(電解質溶液室) 3 カソード室 4 アノード 5 カソード 6 水素供給部 7 酸素供給部 8 リード線 9 隔膜 10 カソード側電解質溶液室 11 アノード側電解質溶液室
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C25B 11/12 C25B 11/12 Fターム(参考) 4K011 AA16 DA02 DA03 DA11 4K021 AB15 BA03 BA04 BA05 CA05 CA07 CA15 DA13 DB18 DB31 DC15 5H026 AA02 CX02 CX05 EE02 EE05 EE06 EE11 EE13 EE19

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アノードおよびカソードによりアノード
    室、 中間室、カソード室に区画され、該中間室に電解質
    溶液を存在させ、両極間を電子伝導体で外部短絡した構
    造であることを特徴とする燃料電池型反応装置。
  2. 【請求項2】 アノード室に還元性物質を、カソード室
    に酸化性物質を供給して、中間室の電解質溶液中に反応
    生成物を発生させることを特徴とする請求項1記載の燃
    料電池型反応装置。
  3. 【請求項3】 中間室が、隔膜によって2つの電解質溶
    液室に区画された構造である請求項1又は請求項2記載
    の燃料電池型反応装置。
  4. 【請求項4】 カソードが、導電性炭素材料もしくはシ
    リカから選ばれた少なくとも1種以上を含む触媒電極で
    ある請求項1〜3のいずれかに記載の燃料電池型反応装
    置。
  5. 【請求項5】 導電性炭素材料が、活性炭、カーボンフ
    ァイバー、グラファイト、カーボンウィスカー、カーボ
    ンブラックから選ばれた1種または2種以上を含む炭素
    材料である請求項4記載の燃料電池型反応装置。
  6. 【請求項6】 電解質溶液が、酸性、中性、アルカリ性
    の弱電解質水溶液または強電解質水溶液である請求項1
    〜5のいずれかに記載の燃料電池型反応装置。
  7. 【請求項7】 電解質水溶液が、HCl,H2 SO4
    3 PO4 ,HClO4 ,NaCl,LiCl,Li2
    SO4 ,Na2 SO4 ,K2 SO4 ,Rb2SO4 ,C
    2 SO4 ,NaOHからなる群より選ばれた少なくと
    も1種以上を含む水溶液である請求項6記載の燃料電池
    型反応装置。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の反応装
    置を用いて、アノード室に水素供与体を、カソード室に
    酸素を供給して、中間室の電解質溶液中に過酸化水素を
    発生させることを特徴とする過酸化水素の製造方法。
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