JP2018083978A - 水素発生器及び水素発生方法 - Google Patents

水素発生器及び水素発生方法 Download PDF

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Abstract

【課題】安価に水素を発生させることができる水素発生器及び発生方法を提供する。【解決手段】酸化グラフェン膜GOの一方の面に形成された電極触媒物質を含むアノード10と、酸化グラフェン膜GOの他方の面に形成された電極触媒物質を含むカソード20と、アノード10とカソード20との間に電圧を印加する電源30と、アノード10とカソード20と電源30とを電気的に接続する導電線31と、を具備する水素発生器。【選択図】図1

Description

本発明は、酸化グラフェンを用いる水素ガス発生器及び発生方法に関する。
水の電気分解による水素の製造方法としては、隔膜の両側にアノードとカソードとを設ける古典的なアルカリ水電解法、プロトン導電体である固体高分子電解質膜の両側にアノードとカソードとを設けて水を電解する固体高分子型電解法又は水蒸気を電解する水蒸気電解法などが知られている。プロトン導電体を用いた水蒸気電解の技術は、高分子系とセラミックス系で報告されている。高分子系はドュポン社のナフィオン(登録商標)膜を用いたものが広く使用されている。しかし、ナフィオン(登録商標)膜そのものが高価である上に白金触媒が必要であるため、水素の製造コストが高いという問題がある。
酸化グラフェン(以下「GO」と略すこともある。)の2次元ナノシートは、触媒、燃料電池、電池、キャパシタなど種々の用途に汎用性があり、脚光を浴びている材料である(非特許文献1及び2)。GOは、地球上に多量に存在し、毒性のない炭素元素のみを含む。さらに、酸化及び乖離を含む単純な化学プロセスによってグラファイトから合成することができる。これらの利点により、GOは、ある用途に用いられる希少で高価な材料の代替物となる。
GOの新規な特性の一つは、高いプロトン伝導性であり、燃料電池のプロトン交換膜として使用することができる(非特許文献3及び4)。プロトン伝導性は、GO表面に係止されている酸素官能基の部分でプロトンホッピングにより生じる(非特許文献5)。エポキシ基は、GOにおける主要なプロトンホッピングサイトとして考えられている(非特許文献6)。プロトン伝導性は、GOにおける酸素濃度の変化により調節され得ると報告されている(非特許文献7及び8)。部分的還元により、GOはプロトン伝導性及び電子伝導性を示す混合伝導性材料となる(特許文献1)。
特開2016-169138号公報
H. J. Choia, S. M. Junga, J. M. Seoa, D. W. Changb, L. Daic, J. B. Baekan, Nano Energy 1, 534-551 (2012) V. Georgakilas, J. N. Tiwari, K. C. Kemp, J. A. Perman, A. B. Bourlinos, K. S. Kim, and R. Zboril, Chem. Rev., 116, 5464-55 9 (2016) H. Tateishi, K. Hatakeyama, C. Ogata, K. Gezuhara, J. Kuroda, A. Funatsu, M. Koinuma,T. Taniguchi, S. Hayami, and Y. Matsumoto, J. Electrochem. Soc., 160, F1175-F1178 (2013) W. Gao, G. Wu, M. T. Janicke, D. A. Cullen, R. Mukundan, J. K. Baldwin, E. L. Brosha, C. Galande, P. M. Ajayan, K. L. More, A. M. Dattelbaum, and P. Zelenay, Angew. Chem. Int. Ed., 53, 3588 -3593 (2014) K. Hatakeyama, M. R. Karim, C. Ogata, H, Tateishi, A. Funatsu, T, Taniguchi, M. Koinuma, S, Hayami, and Y. Matsumoto, Angew. Chem. Int. Ed., 53, 6997 -7000 (2014) M. R. Karim, K. Hatakeyama, T. Matsui, H. Takehira, T. Taniguchi, M. Koinuma, Y. Matsumoto, T. Akutagawa, T. Nakamura, S. Noro, T. Yamada, H. Kitagawa, and S. Hayami, J. Am. Chem. Soc., 135, 8097-8100 (2013) K. Hatakeyama, H. Tateishi, T. Taniguchi, M. Koinuma, T. Kida, S.Hayami, H. Yokoi, and Y. Matsumoto, Chem. Mater., 26, 5598-5604 (2014) K. Hatakeyama, Md. S. Islam, M. Koinuma, C. Ogata, T. Taniguchi, A. Funatsu, T. Kida, S. Hayamia, and Y. Matsumoto, J. Mater. Chem. A, 3, 20892-20895 (2015)
本発明の目的は、酸化グラフェンを用いて水素を発生させる装置及び方法を提供することにある。
本発明者らは、酸化グラフェン膜の一方の面で水蒸気又は水を電気化学的に分解させ、発生したプロトンを酸化グラフェン膜内の他方の面側に透過させ、再び水素を合成できることを知見し、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、非通気性の囲包体内に設置された酸化グラフェン膜と、当該酸化グラフェン膜の各面に接続されている導電線と、当該導電線に接続されている電源と、当該酸化グラフェン膜によって当該囲包体内に画定される水蒸気電解室及び水素発生室と、当該水蒸気電解室に水蒸気を導入する水蒸気導入口と、当該水素発生室から水素を回収する水素回収口と、を具備する水素発生器が提供される。
前記酸化グラフェン膜の上に電極触媒が担持されていることが好ましい。
前記水蒸気電解室は、分解された酸素を回収する酸素回収口をさらに有することが好ましい。
水素発生器を用いて、前記水蒸気電解室に水蒸気を導入し、前記酸化グラフェンの両面にそれぞれ電圧を印加して、アノードとカソードを形成させ、アノードにて水蒸気を電気分解させ、発生したプロトン(H)が酸化グラフェン膜内を拡散してカソード側に透過し、カソードにて還元されて再び水素を合成する。
また、本発明によれば、非通気性の囲包体内に設置された酸化グラフェン膜と、当該酸化グラフェン膜の各面に接続されている導電線と、当該導電線に接続されている電源と、当該酸化グラフェン膜によって当該囲包体内に画定される水電解室及び水素発生室と、当該水電解室に水を導入する水蒸気導入口と、当該水素発生室から水素を回収する水素回収口と、を具備する水素発生器が提供される。
前記酸化グラフェン膜の上に電極触媒が担持されていることが好ましい。
前記水電解室は、分解された酸素を含有する水を回収する酸素含有水回収口をさらに有することが好ましい。
水素発生器を用いて、前記水電解室に水蒸気を導入し、前記酸化グラフェンの両面にそれぞれ電圧を印加して、アノードとカソードを形成させ、アノードにて水蒸気を電気分解させ、発生したプロトン(H)が酸化グラフェン膜内を拡散してカソード側に透過し、カソードにて還元されて再び水素を合成する。
本発明によれば、電極触媒活性を有する酸化グラフェン膜を用いることにより、従来のナフィオン(登録商標)膜を用いる方法よりも安価に水素を製造することができる。また、電極触媒物質を用いる場合にも、高価な白金の代わりに導電性カーボンを単独又は白金との併用で用いることができるため、白金の使用量を削減することができ、安価となる。
また、酸化グラフェン膜は軽く可撓性があり、ミクロンサイズの膜で十分な水蒸気又は水の電解性能を示すので、水素発生器を小型化することができる。
さらに、本発明の水素発生器は、室温で水蒸気の電気分解が可能である。
本発明の水素発生器の概略を説明する模式図である。 本発明の別の形態の水素発生器の概略を説明する模式図である。 実施例におけるマイカ基板上に堆積させたGOナノシートのAFM画像である。 図3のAFM画像からの膜厚(Film thickness/nm)と距離(distance/μm)の関係を示すグラフである。 実施例における懸濁液から回収したGO粉末のFT−IRスペクトルである。 実施例における真空ろ過により製造したGO膜のXRDパターンである。 実施例における白金メッシュ電極又は白金/カーボン電極を用いた場合の水素発生量と電流密度との関係を理論値と対比して示すグラフである。 実施例における白金メッシュ電極と比較例におけるカーボン電極との水素発生量と電流密度との関係を理論値と対比して示すグラフである。 実施例の酸化グラフェンの膜厚による電流密度と水素発生量との関係を比較例のナフィオンと対比して示すグラフである。
実施形態
以下、添付図面を参照しながら本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。図1は、本発明の水素発生器の概略を説明する模式図である。
図1に示す水素発生器Iは、酸化グラフェン膜GOと、酸化グラフェン膜GOの一方の面に形成されているアノード10と、酸化グラフェン膜GOの他方の面に形成されているカソード20と、アノード10とカソード20との間に電圧を印加する電源30と、アノード10とカソード20と電源30とを電気的に接続する導電線31と、を具備する。アノード10、酸化グラフェン膜GO及びカソード20は、非通気性の囲包体(図1においてはガラス管)40内に設けられている。非通気性の囲包体40は、酸化グラフェン膜GOによってアノード10を含むアノード室16と、カソード20を含むカソード室24と、に区画されている。カソード室24には、酸化グラフェン膜GOとは反対の端部に、水素回収口22及びキャリアガス導入口21が設けられている。アノード室16には、酸化グラフェン膜GOとは反対の端部に、水蒸気を導入する水蒸気導入口12、及び酸素回収口14が設けられている。
アノード10及びアノード20は、酸化グラフェン膜GOの表面に電極触媒物質25が設けられて形成されている。電極触媒物質としては、酸化グラフェン膜のままでもよいが、さらに導電性カーボン、白金担持カーボン、パラジウム担持カーボン、金、ルテニウム、ペロブスカイト型酸化物、酸化ニッケル、酸化マンガン、酸化コバルトなどを担持させることが好ましい。また、図1に示すように、電極触媒物質25の上にニッケルメッシュ、白金メッシュなどの導電性金属27を被覆させることも好ましい。導電性金属としては導電線31とアノード10又はカソード20との電気的接続を良好にすることができればニッケルメッシュに限定されず、白金、金、銅、銀などの導電性金属を塗布又はこれらの導電性金属のメッシュを担持させてもよい。
アノード10及びカソード20は、例えば、白金粉末又は白金担持カーボン粉末などを酸化グラフェン膜表面にスパッタしてスパッタ電極としてもよいし、メッシュ状の白金又は白金担持カーボンを酸化グラフェン膜表面に固定してメッシュ電極としてもよいし、白金を担持した炭素電極(市販品でもよい)を酸化グラフェン膜表面に固定してもよい。酸化グラフェン膜GOの表面に塗布又は担持させる白金は少量でよく、0.1wt%〜40wt%、好ましくは1wt%〜10wt%の範囲とすることが望ましい。また、酸化グラフェン膜GOの表面に厚さ100nm〜10μm、好ましくは100nm〜1μm以下の白金担持カーボン層を設けて、酸化グラフェン膜との間に界面を形成させ、当該界面にて酸化反応を生じさせることが好適である。たとえば、スパッタ電極の場合には、50nm〜500nm程度の薄い膜厚が可能であり、メッシュ電極の場合には10μm〜100μm程度、Pt/C電極の場合には3μm〜50μmの厚みが可能である。
アノード10及びカソード20の表面は、ニッケル、白金、金、銅、銀などの導電性金属のメッシュ又はワイヤで被覆されていることが好ましい。導電性金属のメッシュ又はワイヤは、アノード10及びカソード20を電源30に接続するための導電線の接点となり、電気的連通を確実にすることができる。
本発明の水素発生方法によれば、水素発生器Iのアノード室16の水蒸気導入口12から水蒸気を導入して、アノード(酸化側)10とカソード(還元側)20との間に電圧を印加することにより、水蒸気が電気分解されてプロトン(H)及び電子(e)と酸素が生じ、プロトン(H)が酸化グラフェン膜GOを通過してカソード20に到達し、還元されて再び水素となる。カソード室24内で生成された水素は、水素回収口22から水素発生器Iの外部に排気され、回収される。アノード室16内で水蒸気の電解により生成した酸素は、酸素回収口14から水素発生器1の外部に排気され、回収される。なお、発生した水素をガスクロマトグラフィーにて定量分析するためのキャリアガス(アルゴン)は、カソード室24のキャリアガス導入口21から導入する。
図2は、本発明の水素発生器の別の実施形態を示す模式図である。
図2に示す水素発生器IIは、酸化グラフェン膜GOと、酸化グラフェン膜GOの一方の面に形成されているアノード110と、酸化グラフェン膜GOの他方の面に形成されているカソード120と、アノード110とカソード120との間に電圧を印加する電源130と、アノード110とカソード120と電源130とを電気的に接続する導電線131と、を具備する。アノード110、酸化グラフェン膜GO及びカソード120は、非通気性の囲包体(図2においてはガラス管)140内に設けられている。非通気性の囲包体140は、酸化グラフェン膜GOによってアノード110を含むアノード室116と、カソード120を含むカソード室124と、に区画されている。カソード室124には、酸化グラフェン膜GOとは反対の端部に、水素回収口122及びキャリアガス導入口121が設けられている。アノード室116には、酸化グラフェン膜GOとは反対の端部に、水を導入する水導入口112、及び酸素含有水回収口114が設けられている。水素発生器IIは、液体の水を導入するため、アノード110からカソード120への液体漏れが発生しないように、酸化グラフェン膜の厚みは50μm以上1000μm以下、好ましくは200μm以上400μm以下とすることが望ましい。
アノード110及びアノード120は、酸化グラフェン膜GOの表面に電極触媒物質125が設けられて形成されている。電極触媒物質としては、酸化グラフェン膜のままでもよいが、さらに導電性カーボン、白金担持カーボン、パラジウム担持カーボン、金、ルテニウム、ペロブスカイト型酸化物、酸化ニッケル、酸化マンガン、酸化コバルトなどを担持させることが好ましい。また、図2に示すように、電極触媒物質125の上にニッケルメッシュ、白金メッシュなどの導電性金属127を被覆させることも好ましい。導電性金属としては導電線131とアノード110又はカソード120との電気的接続を良好にすることができればニッケルメッシュに限定されず、白金、金、銅、銀などの導電性金属を塗布又はこれらの導電性金属のメッシュを担持させてもよい。
アノード110及びカソード120は、例えば、白金粉末又は白金担持カーボン粉末などを酸化グラフェン膜表面にスパッタしてスパッタ電極としてもよいし、メッシュ状の白金又は白金担持カーボンを酸化グラフェン膜表面に固定してメッシュ電極としてもよいし、白金を担持した炭素電極(市販品でもよい)を酸化グラフェン膜表面に固定してもよい。酸化グラフェン膜GOの表面に塗布又は担持させる白金は少量でよく、0.1wt%〜40wt%、好ましくは1wt%〜10wt%の範囲とすることが望ましい。また、酸化グラフェン膜GOの表面に厚さ100nm〜10μm、好ましくは100nm〜1μm以下の白金担持カーボン層を設けて、酸化グラフェン膜との間に界面を形成させ、当該界面にて酸化反応を生じさせることが好適である。たとえば、スパッタ電極の場合には、50nm〜500nm程度の薄い膜厚が可能であり、メッシュ電極の場合には10μm〜100μm程度、Pt/C電極の場合には3μm〜50μmの厚みが可能である。
アノード110及びカソード120の表面は、ニッケル、白金、金、銅、銀などの導電性金属のメッシュ又はワイヤで被覆されていることが好ましい。導電性金属のメッシュ又はワイヤは、アノード110及びカソード120を電源130に接続するための導電線の接点となり、電気的連通を確実にすることができる。
本発明の水素発生方法によれば、水素発生器IIのアノード室116の水導入口112から水を導入して、アノード(酸化側)110とカソード(還元側)120との間に電圧を印加することにより、水が電気分解されてプロトン(H)及び電子(e)と酸素が生じ、プロトン(H)が酸化グラフェン膜GOを通過してカソード120に到達し、還元されて再び水素となる。カソード室124内で生成された水素は、水素回収口122から水素発生器IIの外部に排気され、回収される。アノード室116内で水の電解により生成した酸素を含む水は、酸素含有水回収口114から水素発生器IIの外部に排出され、回収される。なお、発生した水素をガスクロマトグラフィーにて定量分析するためのキャリアガス(アルゴン)は、カソード室124のキャリアガス導入口121から導入する。
本発明の水素発生器による水素発生の原理を下記に示す。
酸化グラフェン膜は、高いプロトン伝導性を有する。アノード室16に導入された水蒸気又は水は電気分解により、下記式に示すようにプロトン(H)を発生させる。
酸化グラフェン膜GOは高いプロトン伝導性であるため、アノード10で発生したプロトン(H)は酸化グラフェン膜GO内を移動して、カソード20側に透過する。一方、カソード室24では、酸化グラフェン膜GOを透過してカソード20に到達したプロトン(H)が還元され、水素が発生する。
[GO膜の調製]
下記手順の改良Hummer法に従って、グラファイト粉末からGOナノシートを合成した。
グラファイト粉末(2.0g)を濃硫酸(92mL)に添加し、撹拌しながら硝酸ナトリウム(2.0g)を添加した。混合物を氷浴で30分間冷却した後、混合物に過マンガン酸カリウム(10g)をゆっくり添加した。反応系を35℃の水浴にゆっくりと移し、40分間各版しながら加熱した後、水(92mL)をゆっくりと添加した。得られた水溶液を95℃の油浴にて15分間撹拌した。追加の水(200mL)及び過酸化水素を添加したところ、水溶液の色が茶色から黄色に変化した。反応系を空冷した後、遠心分離した混合物に塩酸水溶液(5%)を添加して、さらに遠心分離及び水洗を繰り返して金属イオン及び酸を除去した。沈殿物を4〜6時間の超音波照射により水中に分散させた。得られたGO分散水を10,000rpmで30分間遠心分離して、凝集物を除去し、GOナノシートを含む上澄み液を採取し、GOナノシートを含む懸濁液(GOコロイド状懸濁液)を得た。
180μm細孔のろ過膜で0.4μm細孔のろ過膜を支持するように2枚のろ過膜を積層させた積層ろ過膜を用いてGOコロイド状懸濁液を真空ろ過して、180μm厚の酸化グラフェン膜(自己支持膜)を合成した。
[分析]
合成物をAFM、FT−IR及びXRDで分析して、グラファイトからGOが製造されたことを確認した。AFM測定サンプルは、マイカ基板上にGO懸濁液を滴下して調製した。FT−IR測定サンプルは、懸濁液から回収したGO粉末とKBrを混合して調製した。製造した膜をXRD(Cu Kα線)で分析した。
図2に、マイカ基板上に堆積させたGOナノシートのAFM画像を示す。AFM画像は、シート形状の製造物を示す。GOの格子径は1μm〜5μmであった。図2のAFM画像からの膜厚と距離の関係を示す図3において、サイズ分布は広範であり、大きなシートと小さなシートが見られることから、酸化及び乖離工程の間に、大きなGOシートの断片化が生じたものと思われる。GOシートの厚みは、AFM線走査によって測定した。走査プロファイルは、合成されたGOシートが1.2nmの厚みを有することを示し、グラフェンが乖離してGOナノシートが製造できたことを示唆する。
図4は、懸濁液から回収したGO粉末のFT−IRスペクトルを示す。図4において、3410cm−1(O−H)、1730cm−1(C=O)、1220cm−1(C−OH)及び1054cm−1(C−O−C)のピークが観察され、ナノシート上に酸化官能基が存在することが確認できる。図5は、真空ろ過により製造したGO膜のXRDパターンを示す。層状物質の典型的なXRDパターンが観察される。グラファイト(2θ=26.206゜)とは異なる2θ=8.784゜に回折強度ピークが観察される。中間層の距離は、主ピークから10Åと見積もることができ、報告値(非特許文献14)と一致する。XRD及びAFMの測定結果から、GOナノシートが一緒に積層されて、1nmの中間層距離を有する層状GO膜が形成されたことがわかる。
[水素発生器の製造及び水素発生試験]
実施例1
市販の白金担持炭素粉末(TEC10R50E(Pt40%/C担体)、田中貴金属工業株式会社)をイソプロパノールに分散させ、得られた懸濁液をGO膜上に滴下して電極触媒層を形成させて、電極触媒層の上にNiメッシュを載置し、Niメッシュに導電線を接続させてアノード10及びカソード20を製作した。アノード10及びカソード20が表面に形成された酸化グラフェンGOをガラス管の中央部に設置し、アノード10側のガラス管の端部に水蒸気導入口12及び酸素含有水回収口酸素含有水回収口14を設け、カソード20側のガラス管の端部にキャリアガス導入口21及び水素回収口22を設け、図1に示す水素発生器1を組み立てた。
室温にて、アノード室16に水蒸気導入口12から湿度100%に加湿したアルゴンを導入して、電源30から電圧を印加して、水蒸気の電気分解を行った。酸化グラフェン膜GOを透過したプロトンが電子と再結合して生成した水素をガスクロマトグラフィーによって定量して、水素の生成速度を測定した。水素生成側にはキャリアガスとしてアルゴン(Ar)を流通させた。その際に流した電流値(current density:電流密度)と水素の生成速度(H2evolution rate)を図6にPt/Carbonとして示す。
実施例2
アノード10及びカソード20をGO膜上に白金メッシュを被覆させて製作した以外は、実施例1と同様にして水素発生器を組み立て、水素を発生させた。その際に流した電流値(current density:電流密度)と水素の生成速度(H2evolution rate)を図6及び7にPt meshとして示す。
比較例1
アノード10及びカソード20として市販のカーボン電極(ケッチェンブラック)を用いた以外は、実施例1と同様にして水素発生器を組み立て、水素を発生させた。その際に流した電流値(current density:電流密度)と水素の生成速度(H2evolution rate)を図7に市販carbonとして示す。
実施例3
GO膜の厚みを180μm、184μm及び322μmを代えた以外は実施例1と同様にして水素発生器を組み立て、水素を発生させた。その際に流した電流値(current density:電流密度)と水素の生成速度(H2evolution rate)を図8に厚み別に示す。
比較例2
GO膜の代わりに膜厚152μmのナフィオン(登録商標)膜を用いた以外は、実施例1と同様にして水素発生器を組み立て、水素を発生させた。その際に流した電流値(current density:電流密度)と水素の生成速度(H2evolution rate)を図8にNafionとして示す。
産業上の利用分野
水素エネルギー社会の到来は目前に迫っており、水素ステーションも日本各地に配備され燃料電池車の商用化も間近である。その実現の鍵となるのは、水素の安定供給である。本技術により水素の製造をより経済的・効率的に行うことができれば、来る水素エネルギー社会の永続化に大きく資することができる。大規模水素製造施設のみならず、個別水素製造設備および装置にこの膜を組み込み、その場で水蒸気から水素製造が可能になれば、水素製造・輸送上のコストを大きく低減できる。本膜は室温付近でも作動させ得るので、余剰電力などで水蒸気を分解して水素を貯蔵することもでき、室温作動型故に安全性も高い。

Claims (8)

  1. 非通気性の囲包体内に設置された酸化グラフェン膜と、当該酸化グラフェン膜の各面に接続されている導電線と、当該導電線に接続されている電源と、当該酸化グラフェン膜によって当該囲包体内に画定される水蒸気電解室及び水素発生室と、当該水蒸気電解室に水蒸気を導入する水蒸気導入口と、当該水素発生室から水素を回収する水素回収口と、を具備する水素発生器。
  2. 前記酸化グラフェン膜の上に電極触媒が担持されてなる、請求項1に記載の水素発生器。
  3. 前記水蒸気電解室は、分解された酸素を回収する酸素回収口をさらに有する、請求項1又は2に記載の水素発生器。
  4. 請求項1〜3のいずれか1に記載の水素発生器を用いて、前記水蒸気電解室に水蒸気を導入し、前記酸化グラフェンの両面にそれぞれ電圧を印加して、アノードとカソードを形成させ、アノードにて水蒸気を電気分解させ、発生したプロトン(H)が酸化グラフェン膜内を拡散してカソード側に透過し、カソードにて還元されて再び水素を合成する、水素発生方法。
  5. 非通気性の囲包体内に設置された酸化グラフェン膜と、当該酸化グラフェン膜の各面に接続されている導電線と、当該導電線に接続されている電源と、当該酸化グラフェン膜によって当該囲包体内に画定される水電解室及び水素発生室と、当該水電解室に水を導入する水導入口と、当該水素発生室から水素を回収する水素回収口と、を具備する水素発生器。
  6. 前記酸化グラフェン膜の上に電極触媒が担持されてなる、請求項5に記載の水素発生器。
  7. 前記水電解室は、分解された酸素を含有する水を回収する酸素含有水回収口をさらに有する、請求項5又は6に記載の水素発生器。
  8. 請求項5〜7のいずれか1に記載の水素発生器を用いて、前記水電解室に水を導入し、前記酸化グラフェンの両面にそれぞれ電圧を印加して、アノードとカソードを形成させ、アノードにて水を電気分解させ、発生したプロトン(H)が酸化グラフェン膜内を拡散してカソード側に透過し、カソードにて還元されて再び水素を合成する、水素発生方法。
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