JP2001096562A - 金型内塗料塗布方法 - Google Patents

金型内塗料塗布方法

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JP2001096562A JP27619099A JP27619099A JP2001096562A JP 2001096562 A JP2001096562 A JP 2001096562A JP 27619099 A JP27619099 A JP 27619099A JP 27619099 A JP27619099 A JP 27619099A JP 2001096562 A JP2001096562 A JP 2001096562A
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孝幸 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】金型キャビティに塗料を効率よく塗布すること
ができる金型内塗料塗布方法を提供する。 【解決手段】閉じられた金型7のキャビティ17に塗料
Mの溶液を注入した後、真空ポンプ34を駆動させキャ
ビティ17内を減圧する。すると、塗料Mの溶剤が沸騰
する。この沸騰時の塗料Mの体積増加及び破泡によりキ
ャビティ17の壁面に塗料Mが効率よく塗布される。そ
して、塗料Mの溶剤が気化することで、塗料Mのウレタ
ン樹脂が塗膜層としてキャビティ17の壁面に均一に形
成される。その後、ウレタンの材料をキャビティ17に
混合注入し反応硬化させることで、ステアリングホイー
ルの樹脂部分の成形と塗装が同時に実施される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂などの成形品
の成形と塗装を同時に行うために金型内のキャビティに
予め塗料を塗布する金型内塗料塗布方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】この種の成形品として、例えば、車両用
のステアリングホイールがある。ステアリングホイール
は、芯金を金型キャビティ(成形品形状を作る空洞部)
にセットした後に、金型キャビティに樹脂材料を注入し
硬化させて成形される。ステアリングホイールの樹脂成
形に使用されているウレタン樹脂は、耐光性に劣り黄変
する欠点があるため、その樹脂部分の表面に耐光性をも
たせるための塗膜を形成する必要がある。
【0003】この塗膜の形成方法として、金型内のキャ
ビティに予め塗料を塗り、その後、製品の成形を行う方
法が適用されている。具体的には、金型を開いてキャビ
ティに塗料溶液をスプレーガンで塗布(モールドコー
ト)する。その後、金型を閉じキャビティにウレタン材
料を混合注入して反応硬化させる。これにより、成形品
の表面に塗膜が形成される。なお、金型キャビティに所
定の材料を混合注入して反応硬化させる成形方法を反応
射出成形(RIM:Reaction Injection Molding)とい
う。また、ここで用いられる塗料溶液は、例えば、溶剤
としてのメチルエチルケトン(MEK)及びイソプロピ
ルアルコール(IPA)と、耐光性に優れたウレタン樹
脂とからなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述のよう
にスプレーガンにより塗料溶液をキャビティに塗布した
場合では、金型のキャビティ以外の部分に塗布された
り、金型に塗着せずに空気中に飛散し塗着効率が悪化し
てしまう。また、キャビティ以外の部分に塗布された塗
料は成形後の製品におけるバリ発生の原因となってしま
うため、このバリを製品から除去するための処理工程が
必要となる。さらに、塗着せずに空気中に飛散した塗料
は、作業場を汚すばかりでなく、周囲の環境を悪化させ
ていた。
【0005】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的は、金型キャビティ内に塗
料を効率よく塗布することができる金型内塗料塗布方法
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明は、金型キャビティ内に塗料
を塗布する金型内塗料塗布方法において、型締め工程
と、金型のキャビティ内へ塗料溶液を注入する注入工程
と、キャビティ内を減圧する減圧工程とからなることを
その要旨としている。
【0007】請求項2に記載の発明では、金型キャビテ
ィ内に塗料を塗布する金型内塗料塗布方法において、型
締め工程と、金型のキャビティを減圧する減圧工程と、
その減圧工程中に塗料溶液をキャビティ内に注入する注
入工程とからなることをその要旨としている。
【0008】請求項3に記載の発明では、金型キャビテ
ィ内に塗料を塗布する金型内塗料塗布方法において、型
締めした金型のキャビティを所定圧力以下に減圧する減
圧工程と、その後、塗料溶液をキャビティ内に注入して
塗膜層を金型キャビティに形成する注入工程とからなる
ことをその要旨としている。
【0009】請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求
項3のいずれか一項に記載の発明において、前記減圧工
程は、塗料溶液が沸騰するまでキャビティを減圧するこ
とをその要旨としている。
【0010】(作用)請求項1に記載の発明によれば、
金型キャビティ内に塗料溶液を流し込んだ後に、その金
型キャビティ内が減圧される。金型キャビティが減圧さ
れると、塗料溶液の溶剤が沸騰し、この沸騰時の体積増
加及び破泡により金型キャビティの壁面に塗料が塗着さ
れる。つまり、閉じられた金型キャビティにおいて、そ
の壁面に塗料が効率よく塗布される。
【0011】請求項2に記載の発明によれば、金型キャ
ビティが減圧されるとともに、その減圧中に塗料溶液が
金型キャビティ内に注入される。この場合、注入された
塗料溶液は金型キャビティ内を流動し、金型キャビティ
が所定圧力以下に減圧されたとき、塗料溶液の溶剤が沸
騰してこの沸騰時の体積増加及び破泡により金型キャビ
ティの壁面に塗料が塗着される。つまり、閉じられた金
型キャビティにおいて、その壁面に塗料が効率よく塗布
される。
【0012】請求項3に記載の発明によれば、金型キャ
ビティが所定圧力以下に減圧され、その減圧状態の金型
キャビティ内に塗料溶液が注入される。この場合、塗料
溶液の溶剤が沸騰し、泡状になった塗料溶液が破泡しな
がらキャビティ内に流入される。これにより、金型キャ
ビティの壁面に塗料が塗着される。つまり、閉じられた
金型キャビティにおいて、その壁面に塗料が効率よく塗
布される。
【0013】請求項4に記載の発明によれば、減圧工程
において、塗料溶液が沸騰する所定圧力以下までキャビ
ティが減圧される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した実施形
態を図面に従って説明する。図1〜4は、本実施形態に
おける射出成形機の一部断面図であり、図5は同射出成
形機の概略構成を示す模式図である。また、図6は同射
出成形機により成形される車両用のステアリングホイー
ル1の斜視図である。
【0015】図6に示すようにステアリングホイール1
は、リング部2、スポーク部3,4,5及びボス部6を
有しており、図1〜4に示す射出成形機の金型7(下型
8,上型9)は、リング部2及びスポーク部3,4,5
の芯金10をウレタン樹脂で被覆するためのものであ
る。なお、本実施形態では、図6に示すステアリングホ
イール1を裏返した状態で、反応射出成形による樹脂成
形が実施される。
【0016】図1〜図4に示すように、金型7は枠体1
1と蓋体12とからなるボックス13内に配設されてい
る。詳しくは、枠体11には金型7の下型8が固定さ
れ、蓋体12には金型7の上型9が固定されている。ま
た、蓋体12における枠体11との接合部にはシール部
材14が配設されている。そして、図1に示すように金
型7が開けられている状態から枠体11及び下型8が上
方へ移動されて図2に示すように芯金10がセットされ
た状態で金型7が閉じられ型締めされる。なおこのと
き、枠体11と蓋体12とによりボックス13が形成さ
れ、シール部材14によりボックス13内が密封され
る。また、本実施形態の芯金10は、アルミダイカス
ト、マグネシウムダイカスト、またはそれらからなる合
金のダイカスト成形により製造され、芯金10のリング
部10aの断面形状は、図2に示すようにU字形状とな
っている。
【0017】下型8及び上型9には凹部15,16が形
成されており、同凹部15,16が成形品形状を作るた
めのキャビティ17となる。また、成形時にステアリン
グホイール1の芯金10を固定するために、下型8の中
央部に固定部材18が突設されるとともに、上型9の中
央部に固定部材19が突設されている。さらに、上型9
の凹部16には、排出孔20(例えば、断面積=4mm
2)が形成されて、同排出孔20によりキャビティ17
がボックス13内の中空部21に連通される。
【0018】枠体11の一方の側壁(図の左側の側壁)
には排出管31が設けられ、その排出管31は、配管3
2及びバルブ33を介して真空ポンプ34に接続されて
いる。真空ポンプ34が駆動されると、ボックス13内
の空気が排出管31から排出され、ボックス13内が減
圧される。
【0019】また、金型7内には、キャビティ17に連
通するゲート23が形成されている。そして、図5に示
すように、塗料注入装置40からの塗料溶液がゲート2
3を介してキャビティ17に注入される。さらに、ウレ
タン注入装置41からのウレタン材料がゲート23を介
してキャビティ17に注入される。このウレタン材料
は、液状であってポリオール成分、イソシアネート成分
を含む。
【0020】次に、本実施形態におけるステアリングホ
イール1のウレタン樹脂の成形方法を図1〜図4を用い
て説明する。先ず、図1に示すように、金型7を開いて
キャビティ17(下型8の凹部15及び上型9の凹部1
6)の壁面に離型剤を塗布する。この離型剤は、ワック
ス、シリコンオイル等からなり、金型7に成形品が粘着
することを防いで、成形品を取り出し易くする目的で塗
布されるものである。
【0021】そして、図2に示すように金型7内に芯金
10をセットして金型7を閉じ型締めする(型締め工
程)。なおこのとき、枠体11と蓋体12とがシール部
材14を介して接合されボックス13内は密閉状態とな
る。
【0022】次いで、金型7を水平に保った状態で、塗
料注入装置40からの塗料Mの溶液(本実施形態では、
150g)をキャビティ17に注入する(注入工程)。
本実施の形態における塗料Mの溶液は、溶剤としてのメ
チルエチルケトン(MEK)及びイソプロピルアルコー
ル(IPA)と、固形分としてのウレタン樹脂を含む。
なお、塗料Mにおける各成分の割合を重量%で示すと、
MEK=約85%、IPA=約10%、ウレタン樹脂=
2.5%となる。
【0023】その後、真空ポンプ34を駆動し排出管3
1からボックス13内の空気を排出することでボックス
13内を減圧する(減圧工程)。このとき、キャビティ
17内の空気が排出孔20を介してボックス13内の中
空部21に吸い出されてキャビティ17内も減圧され
る。キャビティ17内が減圧されると、塗料Mの溶剤
(MEK,IPA)の沸点が低下する。これにより、塗
料Mは体積増加を伴いつつ沸騰して破泡する。具体的に
は、金型7の温度が55℃に保たれており、キャビティ
17内が300torr以下に減圧されると溶剤は沸騰
する。この沸騰時の体積増加及び破泡により、図3に示
すように、塗料Mがキャビティ17の壁面に塗布され
る。
【0024】そして、塗料Mの溶剤が気化して、塗料M
のウレタン樹脂がキャビティ17の壁面に塗着される。
つまり、塗膜層がキャビティ17の壁面に形成される。
またこのとき、キャビティ17内における芯金10の表
面が塗料Mの溶剤により洗浄されるとともに、接着剤の
役割を果たす塗料Mが芯金10の表面に塗着される。な
お、溶剤は約60秒で気化し、気化した溶剤は排出孔2
0からボックス13内の中空部21及び排出管31等を
介して真空ポンプ34から排気される。
【0025】次いで、所定の減圧状態を保ちつつウレタ
ン注入装置41で混合された液状のウレタンの材料がゲ
ート23を介してキャビティ17に注入されて、図4に
示すように同材料がキャビティ17内で反応硬化する。
つまり、ポリオール成分とイソシアネート成分との反応
(ウレタン反応)によりウレタン樹脂の発泡成形が実施
される。なお、減圧状態のキャビティ17にウレタン材
料を注入すると、特許第2518481号公報に開示さ
れているように、表面に緻密なスキン層が形成されると
ともに、その内部は高発泡のコア部が形成される。
【0026】このようにして、ステアリングホイール1
のリング部2及びスポーク部3,4,5のウレタン樹脂
の成形と塗装が同時に実施される。つまり、反応成形に
より成形されるウレタン樹脂U2の表面に耐光性のある
ウレタン樹脂U1の塗膜がほぼ均一な厚さ(例えば、1
0μm)で形成される。また、ウレタン材料を用いた反
応射出成形では、液状のウレタン材料をキャビティ17
に注入して発泡成形させるものであるため、一般的な熱
可塑性樹脂の射出成形と比較して、キャビティ17内が
低温、低圧の条件下で樹脂成形が実施される。従って、
キャビティ17の壁面に形成された塗膜層が成形時の圧
力や温度によって壊されることが防止される。
【0027】その後、金型7が開けられて、図6に示す
ようにリング部2及びスポーク部3,4,5がウレタン
樹脂U1,U2で被覆されたステアリングホイール1が
取り出されて成形工程が終了する。なお、本実施形態で
は、ステアリングホイール1を裏返した状態で樹脂成形
が行われるので、ステアリングホイール1において耐光
性が必要となる上側ほど厚いウレタン樹脂U1の塗膜が
形成される。
【0028】ここで、本実施形態の成形方法において、
塗料溶液における各成分の配合量を変え、希釈性、塗布
性及び乾燥性で評価した結果を表1に示す。なお、表1
に示す固形分は、塗膜層を形成するためのウレタン樹脂
である。
【0029】詳しくは、No2の塗料溶液は、No1の
塗料溶液に対してIPAを100g減量させたものであ
り、No3の塗料溶液は、No1の塗料溶液に対して、
IPA及びMEKを各400g増量させたものである。
また、No4の塗料溶液は、No1の塗料溶液に対して
MEKを400g増量させたものであり、同様に、No
1の塗料溶液に対してMEKを、No5の塗料溶液は8
00g、No6の塗料溶液は1200g、No7の塗料
溶液は1600g増量させたものである。
【0030】表1に示されるように、No1の塗料溶液
では、希釈性及び塗布性は良好であるが、乾燥時間が長
くなってしまうため、評価は「△」となる。そして、M
EKの配合量に対してIPAの割合が少ない塗料溶液
(No2,No6,No7)では、固形分が凝集し、沈
殿する。つまり希釈性が悪いため、評価は「×」とな
る。また、固形分が凝集しない程度にMEKを増量させ
た場合、つまり、No1→No4→No5の順にMEK
の配合量を増加させると、乾燥時間が短くなり乾燥性が
向上する。従って、No4及びNo5の塗料溶液の評価
は「○」となる。なお、No3の塗料溶液のようにME
KだけでなくIPAも同様に増量させた場合、乾燥時間
が長くなってしまうため、評価は「△」となる。また、
希釈性の良好な塗料溶液(No1,No3,No4,N
o5)における塗布性は何れも良好である。一方、希釈
性の悪い塗料溶液(No2,No6,No7)では、塗
布が困難であった。
【0031】このように、凝集が起こらない程度にME
Kを加えて希釈すると、塗布性を確保しつつ乾燥性が向
上される。従って、本実施形態では、No1の塗料溶液
(400g)に対して2倍のMEK(800g)を加え
て希釈したNo5の塗料溶液がステアリングホイール1
の樹脂成形に使用されている。
【0032】
【表1】 因みに、従来技術のようにスプレーガンにて塗料Mを塗
布した場合、キャビティ17内への塗着効率は約20%
であった。これに対し本実施の形態のように、閉じられ
たキャビティ17内で塗料Mを塗布した場合では、キャ
ビティ17内への塗着効率を約50%〜70%へ高める
ことが可能となる。
【0033】以上記述したように、本実施の形態によれ
ば、以下の効果を奏する。 (1)閉じた金型7内に塗料溶液が注入され、その金型
7内において、塗料Mの塗布が実施されるので、スプレ
ーガンで塗料Mを塗布(モールドコート)した場合に比
べて塗着効率を高めることができ、塗料Mの材料費を低
減できる。また、塗料Mはキャビティ17外に塗布され
ることがなく、成形時におけるバリの発生を防止でき
る。従って、従来技術で必要であったバリを除去するた
めの処理工程が不要となる。その結果、製造コストを低
く抑えることができる。さらに、塗料Mが射出成形機の
外部に飛散することが防止され、作業場をきれいに保つ
ことができ、周囲の環境の悪化を防止することができ
る。
【0034】(2)耐光性に優れるウレタン樹脂U1の
塗膜がステアリングホイール1の樹脂部の表面に形成さ
れるので、ステアリングホイール1の樹脂部分の内部に
反応射出成形により成形したウレタン樹脂U2の変色を
防止できる。また、芯金10の表面は、塗料Mの溶剤に
より洗浄され、その芯金10の表面に接着性に優れるウ
レタン樹脂系の塗料Mが塗布されているため芯金10と
ウレタン樹脂が強固に固着できる。
【0035】(3)塗料Mは、その溶剤が沸騰して体積
増加及び破泡することによりキャビティ17の壁面に均
一に塗布される。つまり、塗布むらが無くなり成形後に
おいて製品表面の塗膜がほぼ均一な厚さで形成される。
従って、耐光性がどの場所でも均一に得られ、製品性能
の悪化を防止できる。また、製品表面の色むらがなく外
観不良を低減できる。さらに、塗料Mの溶液をキャビテ
ィ17に注入する際に、塗料Mの注入量を調整するよう
にすれば、所望の厚さの塗膜を形成することができる。
つまり、従来のように塗料をスプレーガンで塗布(モー
ルドコート)した場合、型割り面と直交する面を有する
パーティングライン部の塗膜を厚くすることは困難であ
るが、本実施形態のステアリングホイール1では、パー
ティングラインに所望の厚さの塗膜を形成できる。よっ
て、耐光性や耐摩耗性等の製品性能を高めることがで
き、実用上好ましいものとなる。また、塗料注入装置4
0により塗料溶液の注入量を的確に制御すれば、塗料M
の注入量に基づく製品バラツキを低減できる。
【0036】(4)ウレタン材料を用いた反応射出成形
では、熱可塑性樹脂の射出成形と比べて、キャビティ1
7内が低温、低圧の条件下で樹脂成形が行われるので、
キャビティ17の壁面に塗布された塗膜層が壊れること
を防止できる。つまり、製品の歩留まりを向上できる。
【0037】(5)本実施形態では、表1に示すNo5
の配合割合(MEK=約85%、IPA=約10%、ウ
レタン樹脂=2.5%)の塗料溶液(150g)を使用
した。この場合、固形分の凝集がなく希釈性が良好で、
塗布性及び乾燥性も好適なものとなる。
【0038】尚、上記実施形態は、以下の態様で実施し
てもよい。 ○上記実施形態では、常圧状態のキャビティ17内に塗
料Mを注入した後、キャビティ17内を減圧状態とする
ものであったが、これに限定するものではない。具体的
には、真空ポンプ34を駆動させ、キャビティ17内の
減圧工程中に塗料溶液をキャビティ17内に注入する。
この場合、注入された塗料溶液はキャビティ17内を流
動し、キャビティ17が所定圧力以下に減圧されたと
き、塗料Mの溶剤が沸騰してこの沸騰時の体積増加及び
破泡によりキャビティ17の壁面に塗料Mが塗着され
る。このようにしても、キャビティ17の壁面に塗料M
を効率よく均一に塗布できる。また、ステアリングホイ
ール1の樹脂成形を短時間で実施できる。
【0039】また別の方法として、金型7のキャビティ
17を塗料Mの溶剤が沸騰する所定圧力以下に減圧さ
せ、その減圧状態を一定に保った状態で塗料溶液をキャ
ビティ17内に注入する。この場合、塗料Mの溶剤が沸
騰し、泡状になった塗料溶液が破泡しながらキャビティ
17内に流入される。これにより、キャビティ17の壁
面に塗料Mが塗着される。このようにしても、キャビテ
ィ17の壁面に塗料Mを効率よく均一に塗布できる。
【0040】○上記実施形態では、ウレタン材料を注入
するためのゲート23から塗料溶液を注入する構成であ
ったが、このゲート23以外の場所から塗料溶液をキャ
ビティ17に注入してもよい。また、複数箇所からキャ
ビティ17に塗料溶液を注入する構成としてもよい。こ
の場合も、塗料Mをキャビティ17の壁面に効率よく塗
布できる。
【0041】○上記実施形態では、ウレタン材料を用い
た反応射出成形により樹脂成形を行うものであったが、
これに限定するものではなく、他の樹脂材料、或いはゴ
ム材料等を用いて射出成形するものでもよい。但し、上
述のように、キャビティ17内でウレタン材料が反応硬
化する反応射出成形に適用した方が、低圧、低温の条件
下で成形できるので実用上好ましい。
【0042】また、成形品は、ステアリングホイール1
に限定されず、例えば、インストルメントパネル、コン
ソールボックス、グローボックス、ヘッドレスト、アー
ムレスト、ドアカバー、エアスポイラー、バンパー等の
他の部品にも適用できる。勿論、自動車部品以外に家電
製品等の成形品に適用してもよい。
【0043】○塗料Mの成分を適宜変更して実施しても
よい。具体的には、ウレタン樹脂に代えて、他の熱硬化
性樹脂を用いてもよい。また、塗料Mの溶剤として、メ
チルエチルケトン(MEK)及びイソプロピルアルコー
ル(IPA)以外の溶剤、例えば水等を用いてもよい。
実用的には、沸点が常圧で約160℃以下の溶剤を用い
るものであればよい。
【0044】○上記実施形態では、真空ポンプ34を駆
動してキャビティ17内を300torr以下に減圧す
るものであったが、これに限定するものではない。例え
ば、金型7の温度が常温(約20℃)であれば、キャビ
ティ17内を約70torrに減圧する。また、塗料M
の溶剤を変更した場合その沸点が変化するので、この場
合もキャビティ17内の減圧時の圧力を変更する。つま
り、キャビティ17内の減圧時の圧力は、金型7の温度
及び用いられる溶剤の種類により適宜変更して実施す
る。
【0045】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
金型キャビティに塗料を効率よく塗布することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態のステアリングホイールの成形方法を
説明するための図。
【図2】実施形態のステアリングホイールの成形方法を
説明するための図。
【図3】実施形態のステアリングホイールの成形方法を
説明するための図。
【図4】実施形態のステアリングホイールの成形方法を
説明するための図。
【図5】実施形態の射出成形機の概略構成を示す模式
図。
【図6】実施形態のステアリングホイールの斜視図。
【符号の説明】
1…ステアリングホイール、7…金型、17…キャビテ
ィ、M…塗料。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B05D 7/22 B05D 7/22 F Fターム(参考) 4D075 AB05 AB55 BB56Z CA48 DA29 DB02 DC16 EA05 4F040 AA20 AA35 AB04 BA31 CC05 4F042 BA06 CC03 DF09 EA07 4F206 AA31 AB12 AG03 AH19 AM28 JA01 JA04 JF06 JL02 JM02 JN32 JP30 JQ81 JQ87

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金型キャビティ内に塗料を塗布する金型
    内塗料塗布方法において、 型締め工程と、金型のキャビティ内へ塗料溶液を注入す
    る注入工程と、キャビティ内を減圧する減圧工程とから
    なることを特徴とする金型内塗料塗布方法。
  2. 【請求項2】 金型キャビティ内に塗料を塗布する金型
    内塗料塗布方法において、 型締め工程と、金型のキャビティを減圧する減圧工程
    と、その減圧工程中に塗料溶液をキャビティ内に注入す
    る注入工程とからなることを特徴とする金型内塗料塗布
    方法。
  3. 【請求項3】 金型キャビティ内に塗料を塗布する金型
    内塗料塗布方法において、 型締めした金型のキャビティを所定圧力以下に減圧する
    減圧工程と、その後、塗料溶液をキャビティ内に注入し
    て塗膜層を金型キャビティに形成する注入工程とからな
    ることを特徴とする金型内塗料塗布方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記
    載の金型内塗料塗布方法において、 前記減圧工程は、塗料溶液が沸騰するまでキャビティを
    減圧することを特徴とする金型内塗料塗布方法。
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