JP2001096104A - 液中の有機物の除去方法及び除去装置 - Google Patents

液中の有機物の除去方法及び除去装置

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JP2001096104A
JP2001096104A JP2000216113A JP2000216113A JP2001096104A JP 2001096104 A JP2001096104 A JP 2001096104A JP 2000216113 A JP2000216113 A JP 2000216113A JP 2000216113 A JP2000216113 A JP 2000216113A JP 2001096104 A JP2001096104 A JP 2001096104A
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  • Treatment Of Liquids With Adsorbents In General (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液中の有機物を非常に高効率で吸着除去する
ことができる除去方法を提供する。更に、有機物を高効
率で吸着できるのみならず、特定条件下でこの吸着有機
物を容易に脱着することができて、有機物含有液からの
有機物の吸着除去、脱着回収を繰り返し行うことのでき
る除去方法及び除去装置を提供する。 【解決手段】 有機物含有液を、相転移温度より高い温
度にある高分子含水ゲル(含水率が温度依存性を示すも
の)と接触させて有機物を該ゲルに吸着させて分離除去
する。次に該ゲルをその相転移温度よりも低い温度まで
冷却して吸着有機物を脱着せしめ、有機物の濃縮分離液
を回収する。内部に高分子含水ゲル3が装填された接触
処理槽2に、該処理槽2内の温度を制御する手段4を設
け、更に処理槽2内で脱着された有機物の濃縮液が移送
される濃縮液貯留槽5を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば半導体洗
浄工程で排出されるトリクロロエチレン等の有機塩素系
化合物を含有する廃水等の工業廃水、あるいは種々の有
機物を含有する生活排水等に代表される有機物を含有す
る液からの有機物の除去方法及び除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、医療、培養、医薬分野等における
液中有機物の選択的除去を行うための吸着材として、ア
クリルアミド系共重合体ゲルの利用が提案されている
が、このゲル体は単位重量当たりの吸着量が小さいこと
から、より吸着性能に優れた材料、即ち高効率で有機物
を吸着できる材料の開発が期待されていた。また、医療
分野等においては特に、人等の生体に対して優しい素
材、適合しやすい素材であることも強く要請されている
が、上記材料は必ずしもこのような要請に応え得るもの
ではなかった。
【0003】一方、例えばトリクロロエチレン等の有機
塩素系化合物等の有機物を含有する工業廃水や、種々の
有機物を含む生活排水等から含有有機物を除去する方法
としては、従来より有機物を活性炭やゼオライトに吸着
させて水から分離除去する方法などが知られているが、
活性炭やゼオライトは一旦吸着すると容易に脱着しない
という特質を有することから、有機物の除去が必要とな
る処理対象水の量が多量となる場合等においては、吸着
量が飽和する毎に何度も交換しなければならず、従って
このように処理対象水量が多量である場合には適さない
という問題があった。更に、有機物を吸着した使用後の
多量の活性炭やゼオライトは産業廃棄物として廃棄され
ることになるため、環境保全の観点から好ましいもので
はなかった。
【0004】また、近年、活性炭よりも高効率でトリク
ロロエチレン等の有機塩素系化合物を除去できるものと
して、スチレン−ブタジエンブロック共重合体からなる
凝固剤が上市されているが、これによる除去方法も、前
記有機塩素系化合物と接触させて凝固させた後、回収し
て、埋め立てや焼却処理を行う等して処理するものであ
り、前記同様に、有機物を吸着した使用後の多量の凝固
剤が産業廃棄物として排出されることには依然として変
わりはなく、やはり環境保全の観点から好ましいもので
はなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、かかる技
術的背景に鑑みてなされたものであって、有機物を非常
に高効率で吸着除去することができる液中の有機物の除
去方法を提供することを第1の目的とする。
【0006】また、有機塩素系化合物等の有機物を高効
率で吸着できる一方、特定条件下でこの吸着有機物を容
易に脱着することができて、このような有機物を含有す
る液からの有機物の吸着除去及び脱着回収を、頻繁な材
料交換を伴うことなく繰り返し行うことのできる、液中
の有機物の除去方法及び除去装置を提供することを第2
の目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者らは、液中の有機物の吸着を高効率で行う
ことのできる吸着材料を見出すべく、更には液中の有機
物の吸着を高効率で行うのみならず特定条件下において
前記吸着した有機物の脱着を行うことのできる吸着材料
を見出すべく鋭意研究した結果、水性媒体中における含
水率が温度依存性を示す高分子含水ゲルが、その相転移
温度より高い温度領域において液中の有機物の吸着を高
効率で行うことができる一方、該ゲルの相転移温度より
低い温度領域においては前記吸着した有機物を可逆性良
く脱着するものであることを見出すに至り、この発明を
完成したものである。
【0008】即ち、この発明に係る液中の有機物の除去
方法は、除去対象の有機物を含有する処理対象液と、水
性媒体中における含水率が温度依存性を示す高分子含水
ゲルとを、該高分子含水ゲルがその相転移温度より高い
温度領域にある状態で接触させることによって、除去対
象有機物を高分子含水ゲルに吸着させて、前記処理対象
液から該有機物を分離除去することを特徴とするもので
ある。水性媒体中における含水率が温度依存性を示す高
分子含水ゲルを、その相転移温度より高い温度になって
いる状態で処理対象液と接触させるから、高分子含水ゲ
ルが除去対象有機物を高効率で吸着する。その吸着量は
従来公知のアクリルアミド系共重合体ゲル等と比較して
飛躍的に向上している。また、この高分子含水ゲルは人
等の生体に対して優しい素材であるから、生体液中の有
機物の選択的除去に好適に利用し得るものであり、医
療、培養、医薬分野等における液中有機物の選択的除去
に用いることができる。
【0009】また、この発明の別の液中の有機物の除去
方法は、除去対象の有機物を含有する処理対象液と、水
性媒体中における含水率が温度依存性を示す高分子含水
ゲルとを、該高分子含水ゲルがその相転移温度より高い
温度領域にある状態で接触させることによって、除去対
象有機物を高分子含水ゲルに吸着させて、前記処理対象
液から該有機物を分離する工程と、前記有機物吸着後の
高分子含水ゲルを、その相転移温度よりも低い温度領域
まで冷却することによって、前記高分子含水ゲルから吸
着有機物を脱着せしめて、除去対象有機物の濃縮分離液
を得る工程とを包含することを特徴とするものである。
【0010】水性媒体中における含水率が温度依存性を
示す高分子含水ゲルがその相転移温度より高い温度にあ
る状態では吸着挙動を呈し、低い温度にある状態では脱
着挙動を呈する特性を利用した除去方法であり、単に温
度条件を変えるだけで液からの有機物の吸着除去および
吸着した有機物の脱着を行うことができるので、工業的
に簡便な除去方法となし得る。また、この高分子含水ゲ
ルの吸脱着挙動の温度特性は図6に示されるように相転
移温度付近で非常に急峻であり、即ち極めて狭い温度幅
(変化)でその挙動が対照的に変化するものであって、
吸着挙動から脱着挙動に、又は脱着挙動から吸着挙動に
移行させるために必要となる温度変化に要するエネルギ
ー量が小さくて済むから、低コストで液中からの有機物
の除去を行うことができる。更に、この高分子含水ゲル
の吸脱着挙動は繰り返し性(可逆性)にも優れているか
ら、用いる高分子含水ゲルを交換することなく長期間に
わたって有機物を含有する液からの有機物の吸着除去、
脱着回収のサイクルを繰り返し行うことができる。従っ
て、従来のように有機物を吸着した吸着材を産業廃棄物
として多量に排出することを回避できるから、環境保全
にも十分に貢献できる除去方法である。
【0011】上記高分子含水ゲルは親水基および疎水基
を有するものであるのが、有機物の吸着量をより増大さ
せ得てより高効率で有機物の除去をなし得る点で、好ま
しい。
【0012】上記高分子含水ゲルは、ポリビニルアルコ
ール系含水ゲル、ポリウレタン系含水ゲル及びポリメチ
ルビニルエーテル系含水ゲルからなる群より選ばれる1
種または2種以上の含水ゲルからなるのが、有機物の吸
着量をより一層増大させ得てより一層高効率で有機物の
除去をなし得る点で、好ましい。
【0013】中でも、上記高分子含水ゲルはポリビニル
アルコール系含水ゲルであるのが、有機物の吸着量をよ
り一層増大させ得ると共に、人等の生体に対する適合性
にも非常に優れたものとなし得て例えば生体液中の有機
物の選択的除去にも好適に利用できる点で、より好まし
い。
【0014】上記ポリビニルアルコール系含水ゲルの中
でも、ポリビニルアルコール又はポリビニルアルコール
の共重合体のアセタール化により得られるポリビニルア
ルコール系含水ゲルを用いるのが好ましく、これにより
有機物の吸着量をより一層増大させ得ると共に、吸脱着
挙動の繰り返し特性(繰り返し安定性)に非常に優れて
一層長期間にわたって有機物を含有する液からの有機物
の吸着除去、脱着回収のサイクルを繰り返し安定状態に
行うことができる。
【0015】中でも、ポリビニルアルコール又はポリビ
ニルアルコールの共重合体がアルギン酸塩と共に水溶液
として塩化カルシウム水溶液中に滴下されることによっ
て球状に成形され、次いでアセタール化処理されて得ら
れた球状含水ゲルを用いるのが好ましい。均一な球状ゲ
ルが得られるので、高密度充填が可能となり、少ない占
有スペースでもって一層高効率で有機物の除去をなし得
る。
【0016】上記ポリビニルアルコールの共重合体とし
ては、カルボン酸ビニル、炭素数10以下の脂肪族オレ
フィン及び炭素数10以下の脂環式オレフィンからなる
群より選ばれる1種または2種以上の共重合成分と、ビ
ニルアルコールとの共重合で得られる共重合体を用いる
のが、人等の生体に対する適合性をより向上させ得る点
で、好ましい。
【0017】高分子含水ゲルの乾燥時の粒径は0.5〜
3mmであるのが好ましい。このような範囲とすること
で、ゲルの取り扱い性を向上させつつ、ゲルの単位重量
当たりの表面積の増大によって有機物の吸着量を一層増
大させ得る。
【0018】また、高分子含水ゲルは連続孔のある三次
元立体網目構造を有するものであるのが好ましく、この
ような構成とすればゲルの吸着表面積を飛躍的に増大さ
せ得て、より一層高効率で有機物の除去をなし得る。
【0019】更に、処理対象液と高分子含水ゲルとの接
触は、高分子含水ゲルが撹拌された状態で行わせるの
が、より一層吸着効率を高め得る点で、好ましい。
【0020】上記除去方法は、除去対象有機物が有機ハ
ロゲン系化合物又は芳香族化合物である場合に特に高い
吸着効率で除去できるものであり、従って特に有機ハロ
ゲン系化合物又は芳香族化合物の除去に好適な除去方法
である。中でも、有機塩素系化合物に対して特に優れた
吸着特性を示すので、有機塩素系化合物の除去に特に好
適である。
【0021】この発明の液中の有機物の除去装置は、有
機物を含有する処理対象液を取り込む取込口と、接触処
理後の処理対象液を吐出する吐出口が設けられた接触処
理槽と、該接触処理槽の内部空間に装填された、水性媒
体中における含水率が温度依存性を示す高分子含水ゲル
と、前記接触処理槽内の温度制御を行う温度制御手段
と、前記高分子含水ゲルが接触処理槽内で脱着した有機
物の濃縮液を貯留する濃縮液貯留槽とを備えてなり、前
記接触処理槽内の高分子含水ゲルの温度が該ゲルの相転
移温度より高い温度領域にある時に、有機物を含有する
処理対象液が前記取込口を介して接触処理槽内に供給さ
れ、接触処理後の処理対象液が吐出口より外部に吐出さ
れるようになされる一方、前記接触処理槽内の高分子含
水ゲルの温度が該ゲルの相転移温度より低い温度領域に
ある時に、接触処理槽内でゲルから脱着される有機物の
濃縮液が、該接触処理槽から前記濃縮液貯留槽に移送さ
れるようになされていることを特徴とするものである。
【0022】高分子含水ゲルを接触処理槽内に装填した
状態で吸着除去、脱着回収の両方を行うことができるの
で、即ち脱着回収工程への移行に際して高分子含水ゲル
を別の場所に移動させる必要がないので、吸着除去工程
と脱着回収工程間の移行がスムーズであって、除去処理
を連続的に行うことができ、従って単位時間当たりの処
理能力に優れている。
【0023】また、この発明の別の液中の有機物の除去
装置は、順に直列状に連通接続された複数の接触処理槽
と、前記各接触処理槽の内部空間に装填された、水性媒
体中における含水率が温度依存性を示す高分子含水ゲル
と、前記各接触処理槽内の温度制御を行う温度制御手段
と、前記高分子含水ゲルが各接触処理槽内で脱着した有
機物の濃縮液を貯留する濃縮液貯留槽とを備えてなり、
前記接触処理槽内の高分子含水ゲルの温度が該ゲルの相
転移温度より高い温度領域にある時に、有機物を含有す
る処理対象液が前記直列接続された複数の接触処理槽の
うちの一端の接触処理槽内に供給され、接触処理後の処
理対象液が他端の接触処理槽より外部に吐出されるよう
になされる一方、前記接触処理槽内の高分子含水ゲルの
温度が該ゲルの相転移温度より低い温度領域にある時
に、各接触処理槽内でゲルから脱着される有機物の濃縮
液が、該接触処理槽から前記濃縮液貯留槽に移送される
ようになされていることを特徴とするものである。
【0024】上記除去装置と同様に単位時間当たりの処
理能力に優れていることに加えて、複数の接触処理槽が
順に直列状に連通接続された構成であり、順に通過する
各接触処理槽毎に吸着除去処理がなされるので、極めて
低いレベルまで有機物を除去することができる。
【0025】上記いずれの装置においても、接触処理槽
の取込口から吐出口へ向かう水流により高分子含水ゲル
が接触処理槽内を流動するものとなされているのが、一
層吸着効率を高め得る点で、好ましい。
【0026】更に、接触処理槽内に送り込まれる空気等
の気泡の浮力による下方から上方への移動によって、高
分子含水ゲルが接触処理槽内で対流撹拌されるものとな
されているのが、より好ましい。高分子含水ゲルが対流
撹拌される状態で処理対象液と接触するので、その接触
効率を顕著に向上させることができ、ひいては吸着効率
をより一層顕著に向上させることができる利点がある。
【0027】
【発明の実施の形態】まず、この発明に係る液中の有機
物の除去方法で用いる高分子含水ゲルについて説明す
る。この除去方法で用いる高分子含水ゲルは、水性媒体
中においてその含水率が温度依存性を示す高分子含水ゲ
ルであり、該ゲルをその相転移温度よりも高い温度にす
ると脱水和によるシネレシスを起こして放水、収縮する
一方、該収縮したゲルをその相転移温度よりも低い温度
にすると吸水、膨潤するものであり、温度変化に対して
可逆的に収縮・膨潤が行われる。本発明者らは、このよ
うな水性媒体中においてその含水率が温度依存性を示す
高分子含水ゲルが、その相転移温度より高い温度では有
機物を高効率で吸着する一方、その相転移温度より低い
温度になると吸着した有機物を可逆性良く脱着するとい
う性質を有することを見出した。この発明の除去方法
は、このような水性媒体中においてその含水率が温度依
存性を示す高分子含水ゲルの相転移温度を境にして吸脱
着挙動が顕著に変化する特性を利用したものである。な
お、相転移温度とは、DSC(示差走査熱量測定)によ
り求められる値である。
【0028】上記相転移温度を境にして吸脱着挙動が顕
著に変化する理由は定かではないが、相転移温度を境に
した高分子含水ゲルの表面の親水性・疎水性バランスの
変化が大きく関与していると推定される。すなわち、こ
のような水性媒体中においてその含水率が温度依存性を
示す高分子含水ゲルは、その相転移温度より高い温度で
は放水して表面が疎水性を呈することによって有機物を
吸着する一方、相転移温度より低い温度では吸水して表
面が親水性を呈して有機物を脱着するものと推定され
る。
【0029】以下、この発明に係る液中の有機物の除去
方法について説明する。まず、第1の除去方法について
説明する。第1の除去方法は、水性媒体中においてその
含水率が温度依存性を示す高分子含水ゲルと、除去対象
の有機物を含有する処理対象液とを、高分子含水ゲルが
その相転移温度より高い温度領域にある状態で接触させ
るものである。処理対象液との接触時に、高分子含水ゲ
ルがその相転移温度より高い温度領域にあるから、高分
子含水ゲルが除去対象の有機物を高効率で吸着し、これ
によって前記処理対象液から除去対象の有機物を分離除
去することができる。
【0030】この高分子含水ゲルの吸着性能は非常に優
れており、例えば従来公知のアクリルアミド系共重合体
ゲル等と比較してもその吸着量はおおよそ10倍近く向
上しており、除去対象の有機物を極めて高効率で吸着除
去できるという優れた利点を有する。また、この高分子
含水ゲルの相転移温度は、その分子設計によって変動す
るものの、大方0〜60℃であるから、人等の生体液中
の有機物の選択的除去等にも好適に利用し得るものであ
り、医療、培養、医薬分野等における液中有機物の選択
的除去に適用することができる。更に、この高分子含水
ゲルは人等の生体に対して優しい素材、即ち生体に対し
て適合しやすい素材であるから、人等の生体液中の有機
物の選択的除去に特に好適である。
【0031】次に、第2の除去方法について説明する。
まず、第1工程として、水性媒体中においてその含水率
が温度依存性を示す高分子含水ゲルと、除去対象の有機
物を含有する処理対象液とを、高分子含水ゲルがその相
転移温度より高い温度領域にある状態で接触させる。こ
の第1工程では、高分子含水ゲルがその相転移温度より
高い温度領域にあるから、高分子含水ゲルが除去対象の
有機物を高効率で吸着し、これによって前記処理対象液
から除去対象の有機物を分離除去することができる。
【0032】上記第1工程において、高分子含水ゲルの
温度は、その相転移温度より5℃高い温度から30℃高
い温度までの温度範囲にあるようにするのが好ましい。
上記下限値未満では吸脱着挙動の温度特性曲線における
相転移温度付近の変化の急峻な領域に近く、安定した吸
着量の確保が困難となる恐れがあるので好ましくない
し、一方上記上限値を超えてもその吸着量の増大は望め
ず、温度を上昇させるのに要するエネルギー量を徒に増
大させるだけであるので好ましくない。中でも、第1工
程において、高分子含水ゲルの温度は、その相転移温度
より10℃高い温度から20℃高い温度までの温度範囲
にあるようにするのがより好ましい。
【0033】次に、第2工程として、前記有機物を吸着
した高分子含水ゲルを、その相転移温度よりも低い温度
領域まで冷却する。前述したように、前記高分子含水ゲ
ルは、その相転移温度より低い温度になると吸着した有
機物を脱着する性質を有するから、この第2工程によっ
て、高分子含水ゲルは前記処理対象液から吸着除去した
有機物を脱着し、これによって吸着捕捉した有機物の濃
縮液を回収することができる。
【0034】上記第2工程において、高分子含水ゲルの
温度は、その相転移温度より5℃低い温度から30℃低
い温度までの温度範囲にあるようにするのが好ましい。
上記上限値を超えると吸脱着挙動の温度特性曲線におけ
る相転移温度付近の変化の急峻な領域に近く、安定した
脱着量の確保が困難となる恐れがあるので好ましくない
し、一方上記下限値より低くしてもその脱着量の増大は
望めず、温度を下降させるのに要するエネルギー量を徒
に増大させるだけであるので好ましくない。中でも、第
2工程において、高分子含水ゲルの温度は、その相転移
温度より10℃低い温度から20℃低い温度までの温度
範囲にあるようにするのがより好ましい。
【0035】前記高分子含水ゲルは、上記第2工程にお
いて、吸着した有機物を可逆性良く脱着することができ
るので、吸着材である高分子含水ゲルを交換することな
く、更に前記同様にして第1工程及び第2工程からなる
サイクルを重ねることができる。このようなサイクルを
順次繰り返すことによって、処理対象液から除去対象有
機物を連続的に安定して除去することができると共に、
吸着捕捉した有機物の濃縮分離液を順次回収することが
できる。
【0036】このように、前記高分子含水ゲルの吸脱着
挙動は繰り返し性に優れているから、高分子含水ゲルを
交換することなく長期間にわたって第1工程(吸着除
去)及び第2工程(脱着回収)のサイクルを繰り返すこ
とができる。従って、従来のように使用後の吸着材を産
業廃棄物として多量に排出することがないから、環境保
全の要請にも十分に応えることができる。
【0037】また、この第2の除去方法は、単に温度条
件を変えるだけで吸着除去、脱着回収をなし得るから、
工業的に簡便な方法である。更に、前記高分子含水ゲル
の吸脱着挙動の温度特性は、例えば図6に示すように相
転移温度付近で非常に急峻であり、従って吸着挙動と脱
着挙動間の相互移行に必要となる温度変化幅が小さくて
済むから、その分温度変化に要するエネルギーコストも
小さくて済み、低コストで有機物の除去を行うことがで
きる。
【0038】なお、図6に示す相転移温度付近の急峻領
域は、図7に示した温度変化に対する高分子含水ゲルの
体積変化図における急峻領域(急激に体積変化する領
域)と良く対応している。即ち、相転移温度より温度が
高くなると高分子含水ゲルの体積が減少し、これに伴い
高分子含水ゲルの疎水性が高くなり疎水性相互作用によ
り有機物吸着量が増大している。
【0039】この発明において、高分子含水ゲルとして
は、前述したように、水性媒体中においてその含水率が
温度依存性を示す高分子含水ゲルを用いる必要がある。
この高分子含水ゲルを製造するには、高分子の不溶ゲル
化が必要であるが、該不溶ゲル化の手法は特に限定され
ず、例えば架橋剤との共重合、高分子反応による架橋、
グラフト共重合、放射線照射による架橋等を例示でき
る。
【0040】前記高分子含水ゲルは、その高分子構造中
において親水基および疎水基の両方を有するものである
のが、有機物の吸着量をより増大させることができて一
層高効率で有機物の除去を行うことができる点で、好ま
しい。前記親水基としては、例えば水酸基、カルボン酸
基等が挙げられ、一方前記疎水基としては、例えば炭化
水素基、エステル基、フェニル基、アルキルフェニル
基、ナフチル基、アルケニル基等が挙げられる。
【0041】また、前記高分子含水ゲルは、ポリビニル
アルコール系含水ゲル、ポリウレタン系含水ゲル及びポ
リメチルビニルエーテル系含水ゲルからなる群より選ば
れる1種または2種以上の含水ゲルからなるのが好まし
く、これにより有機物の吸着量をより一層増大させ得
て、より一層高効率で有機物の除去を行うことができ
る。
【0042】中でも、前記高分子含水ゲルとしてはポリ
ビニルアルコール系含水ゲルを用いるのがより好まし
く、これにより有機物の吸着量をより一層増大させるこ
とができると共に、人等の生体に対する適合性にも非常
に優れたものとなし得て、例えば生体液中の有機物の選
択的除去にも好適に利用できるものとなる。
【0043】前記ポリビニルアルコール系含水ゲルの重
合度は、該ゲルの体積変化量に関与する因子であるの
で、所望の体積変化量、即ち所望の吸着量となるように
適宜設定すれば良いが、中でも1000〜8000の範
囲に設定されるのが、好ましい。重合度が8000を超
えると吸脱着挙動の繰り返し安定性が低下するので、好
ましくない。また、重合度1000〜8000の範囲外
のゲルは高コストとなるので、好ましくない。中でも、
ポリビニルアルコール系含水ゲルの重合度は、1000
〜3000の範囲に設定されるのが、より好ましい。
【0044】上記ポリビニルアルコール系含水ゲルの中
でも、ポリビニルアルコール又はポリビニルアルコール
の共重合体のアセタール化により得られるポリビニルア
ルコール系含水ゲルを用いるのが好ましく、これにより
有機物の吸着量をより一層増大させることができると共
に、吸脱着挙動の繰り返し特性(繰り返し安定性)に非
常に優れたものとなし得て一層長期間にわたって有機物
を含有する液からの有機物の吸着除去、脱着回収のサイ
クルを安定状態に繰り返して行うことができる。
【0045】前記ポリビニルアルコール又はポリビニル
アルコールの共重合体のアセタール化により得られるポ
リビニルアルコール系含水ゲルとしては、ポリビニルア
ルコール又はポリビニルアルコールの共重合体がアルギ
ン酸塩と共に水溶液として塩化カルシウム水溶液中に滴
下されることによって球状に成形され、次いでアセター
ル化処理されて得られた球状含水ゲルを用いるのが特に
好ましい。均一な球状ゲルが得られるので、例えば容器
内にゲルを充填する場合において、より高密度に充填す
ることが可能となり、従ってより少ない占有スペースで
もって高効率の有機物除去をなし得る利点がある。
【0046】前記アセタール化架橋としては、ホルマリ
ンによるホルマール化処理、アセトアルデヒドによるア
セタール化処理等が好適であるが、中でも、吸着能力を
一段と向上させることができる点で、ホルマリンによる
ホルマール化処理によって行うのが、特に好ましい。
【0047】前記ポリビニルアルコールの共重合体とし
ては、特に限定されないものの、カルボン酸ビニル、炭
素数10以下の脂肪族オレフィン及び炭素数10以下の
脂環式オレフィンからなる群より選ばれる1種または2
種以上の共重合成分と、ビニルアルコールとの共重合で
得られる共重合体を用いるのが、人等の生体に対する適
合性をより向上できる点で、好ましい。この共重合成分
の共重合率は特に限定されないが、十分な強度を確保し
つつ伸縮性を十分に維持する観点から、また良好なリサ
イクル性を得る観点から、0.1〜30モル%の範囲に
設定するのが好ましく、特に好ましいのは1〜20モル
%である。更に、コスト面から、脂肪族オレフィンの炭
素数は2〜6とするのがより好ましく、脂環式オレフィ
ンの炭素数は3〜6とするのがより好ましい。なお、こ
のポリビニルアルコール共重合体から得られるポリビニ
ルアルコール系含水ゲルにおいて、親水基はビニルアル
コール由来の水酸基であり、一方疎水基はオレフィン由
来の炭化水素基やカルボン酸ビニル由来のエステル基で
ある。
【0048】前記ポリウレタン系含水ゲルとしては、特
に限定されないが、例えばポリオール成分として、親水
基としてのエチレングリコール単位と、疎水基としての
プロピレングリコール単位とを併用して用いた構成のも
の等を例示でき、イソシアネート成分としては特に限定
されず、例えばイソシアネート、カルボイミド等を例示
できる。また、不溶ゲル化は、例えば末端に水酸基を有
するポリウレタンにアクリル酸又はメタアクリル酸等の
不飽和カルボン酸を反応させて分子末端に不飽和基を有
するポリウレタンを製造し、これに光架橋処理を施すこ
とにより行うことができる、即ち水性媒体中において含
水率が温度依存性を示す高分子含水ゲルを製造すること
ができるが、特にこの方法に限定されるものではない。
【0049】ポリメチルビニルエーテル系含水ゲルとし
ては、特に限定されないが、例えばポリメチルビニルエ
ーテルの水溶液にガンマ線を照射することによって不溶
ゲル化させることで、水性媒体中において含水率が温度
依存性を示す高分子含水ゲルを製造することができる。
【0050】この発明で用いる高分子含水ゲルの形状
は、特に限定されないが、例えば球状、直方体形状、立
方体形状等の粉粒体形状で用いられるのが好ましい。粉
粒体を用いればその吸着表面積を大きく増大させること
ができて、より高効率で有機物を除去することができる
からである。この高分子含水ゲル粉粒体の乾燥時の粒径
は0.5〜3mmとするのが好ましい。0.5mm未満
ではゲルの取り扱い性が低下する上に充填時の圧損が大
きくなるので好ましくないし、3mmを超えるとゲルの
単位重量当たりの表面積が低下して有機物の吸着量が低
下するので好ましくない。中でも、粒径(乾燥時)は
1.0〜1.5mmとするのがより好ましい。このよう
な範囲に規定すれば、前記ゲルの単位重量当たりの表面
積の増大だけでは説明がつかない程度にまで飛躍的に吸
着性能が増大される。更に、粉粒体形状は球状であるの
が、例えば容器内にゲルを充填する場合においてより高
密度に充填することが可能となって単位体積あたりの吸
着量を一段と向上させることができる点で、一層好まし
い。
【0051】更に、高分子含水ゲルは連続孔を有する三
次元立体網目構造を有するものであるのが好ましい。こ
のような三次元立体網目構造とすることにより、その内
部の連続孔の表面をも吸着面として利用することができ
るので、その吸着表面積を飛躍的に増大させることがで
きて、より一層高効率で有機物を吸着させることができ
る。中でも、この連続孔の孔径は、1〜100μmとす
るのが好ましく、特に好適なのは10〜30μmであ
る。
【0052】なお、前記高分子含水ゲルは、有機物の中
でも特に有機ハロゲン系化合物および芳香族化合物に対
して特に優れた吸着性能を発揮すると共に、可逆性良く
これを脱着するものであることから、上記第2の除去方
法は特に有機ハロゲン系化合物および芳香族化合物の除
去に好適な除去方法である。これらの中でも特に有機塩
素系化合物に対して特段に優れた吸着性能を発揮する。
【0053】前記有機ハロゲン系化合物としては、例え
ばトリクロロエチレン、ジクロロエチレン、ジクロロエ
タン、トリクロロエタン、クロロフェノール、トリクロ
ロトルエン、ジクロロメタン、エピクロロヒドリン、四
塩化炭素、クロロホルム、テトラクロロエチレン、ブロ
モホルム、ベンジルクロリド、ベンザルクロライド、塩
化メチル、臭化メチル、1,1−ジクロロエチレン、
1,4−ジクロロニトロベンゼン、1,3−ジクロロプ
ロパノール、1−クロロジニトロベンゼン、1,2−ジ
クロロニトロベンゼン、1,2−ジクロロプロパン、ク
ロロジフルオロメタン、1,1−ジクロロフルオロエタ
ン、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロトリフルオ
ロエタン、トリクロロフルオロメタン、ブロモトリフル
オロメタン、1−クロロジフルオロエタン、ジクロロペ
ンタフルオロプロパン、1,1,1,2−テトラクロロ
ジフルオロエタン、ジクロロテトラフルオロエタン、2
−クロロテトラフルオロエタン、2,2−ジクロロトリ
フルオロエタン、ジクロロフルオロメタン、クロロトリ
フルオロエタン、クロロペンタフルオロエタン、1,2
−ジブロモテトラフルオロエタン、ブロモクロロジフル
オロメタン、クロロトリフルオロメタン、ダイオキシン
類、o−クロロアニリン、m−クロロアニリン、p−ク
ロロアニリン、p−クロロニトロベンゼン、1,1,2
−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、
o−クロロトルエン、cis−1,2−ジクロロエチレ
ン、trans−1,2−ジクロロエチレン等が挙げら
れる。
【0054】前記芳香族化合物としては、例えばベンゼ
ン、スチレン、トルエン、スチレンオキシド、エチルベ
ンゼン、クロロベンゼン、α−メチルスチレン、ポリ塩
化ビフェニル、ジクロロベンゼン、クロロトルエン、p
−クロロニトロベンゼン等が挙げられる。
【0055】また、除去対象の有機物を含有する処理対
象液は、水系であっても非水系であっても良いが、高分
子含水ゲルの優れた吸着性能を十分に発揮させる観点か
ら、処理対象液は水系であるのが望ましい。
【0056】次に、上記第2の除去方法を実施するのに
好適な液中の有機物の除去装置の一実施形態について図
面を参照しつつ説明する。除去装置(1)を示す図1に
おいて、(2)は接触処理槽、(3)は水性媒体中にお
ける含水率が温度依存性を示す高分子(含水)ゲル粉粒
体、(4)は温度制御手段、(5)は濃縮液貯留槽であ
る。
【0057】接触処理槽(2)は、中空円柱体であっ
て、その底壁に有機物を含有する処理対象液を取り込む
取込口(2a)が設けられる一方、その天壁に接触処理
後の処理対象液を吐出する吐出口(2b)が設けられて
いる。
【0058】前記取込口(2a)は、外部の処理対象液
貯留槽(21)と導入管(23)を介して連通接続され
る一方、前記吐出口(2b)は外部の処理済液貯留槽
(22)と送出管(24)を介して連通接続されてい
る。また、前記導入管(23)における取込口(2a)
近傍位置に第1開閉バルブ(25)が取り付けられて、
この開閉バルブ(25)の開閉により処理対象液の供給
および供給停止の切替を行い得るようになされている。
【0059】前記接触処理槽(2)の内部空間内に高分
子(含水)ゲル粉粒体(3)…が装填されると共に、接
触処理槽(2)の外周面にはこれと接触状態に温度制御
手段(4)であるヒーターが被覆されている。このヒー
ターの温度を制御することによって、接触処理槽(2)
内の液温、ひいては高分子含水ゲル粉粒体(3)の温度
を所望の温度に制御し得るようになされている。
【0060】また、接触処理槽(2)の底壁における前
記取込口(2a)とは異なる位置に除去口(2c)が設
けられ、該除去口(2c)と濃縮液貯留槽(5)とが連
通管(26)を介して連通接続されている。この連通管
(26)には、第2開閉バルブ(27)が取り付けられ
ている。
【0061】更に、接触処理槽(2)の天壁における前
記吐出口(2b)とは異なる位置に洗浄液供給口(2
d)が設けられ、該洗浄液供給口(2d)と洗浄液槽
(30)とが連通管(31)を介して連通接続されてい
る。また、前記連通管(31)における供給口(2d)
近傍位置に第3開閉バルブ(32)が取り付けられてい
る。
【0062】なお、本実施形態では、温度制御手段
(4)としては、ヒーターを採用しているが、特にこれ
に限定されるものではなく、接触処理槽(2)内の温度
を制御し得る手段であればいかなる手段であっても良
い。
【0063】次に、上記除去装置(1)を用いた液中の
有機物の除去方法について説明すると、まず、第1開閉
バルブ(25)を開いた状態にする一方、第2開閉バル
ブ(27)及び第3開閉バルブ(32)を閉じた状態に
して、ポンプ等の手段によって除去対象の有機物を含有
する処理対象液を処理対象液貯留槽(21)から導入管
(23)を介して接触処理槽(2)に連続的に供給す
る。この時、接触処理槽(2)内の処理対象液及び高分
子含水ゲル粉粒体(3)…の温度が、高分子含水ゲル粉
粒体(3)…の相転移温度よりも高い温度領域となるよ
うに、温度制御手段(4)による加熱を行わしめる。
【0064】しかして、接触処理槽(2)内の高分子含
水ゲル粉粒体(3)…の温度がその相転移温度より高い
温度領域にあるから、接触処理槽(2)内に供給された
処理対象液が該高分子含水ゲル粉粒体(3)…に接触し
た際に、除去対象である有機物をこの高分子含水ゲル粉
粒体(3)…が高効率で吸着する。
【0065】そして、この高分子含水ゲル粉粒体(3)
…の飽和吸着量に近づくまで処理対象液貯留槽(21)
からの処理対象液の供給を継続すれば、接触処理槽
(2)内で処理対象液中の有機物が高分子含水ゲル粉粒
体(3)…に吸着され、有機物が吸着除去された処理対
象液は吐出口(2b)、送出管(24)を介して処理済
液貯留槽(22)に移送される。このように処理対象液
が、接触処理槽(2)内で取込口(2a)から吐出口
(2b)に移送される過程において、相転移温度より高
い温度領域にある高分子含水ゲル粉粒体(3)…に接触
するようになされ、接触後の処理対象液が処理済液貯留
槽(22)に順次移送されるようになされているから、
処理対象液からの有機物の吸着除去を連続的にかつ安定
した状態で行うことができる。
【0066】次に、高分子含水ゲル粉粒体(3)…の吸
着量がその飽和吸着量に近づいた段階で、処理対象液貯
留槽(21)からの処理対象液の供給を停止すると共
に、第1開閉バルブ(25)を閉じる。更に、温度制御
手段(4)であるヒーターによる加熱を停止して、接触
処理槽(2)内の処理対象液及び高分子含水ゲル粉粒体
(3)の温度が、高分子含水ゲル粉粒体(3)…の相転
移温度よりも低い温度領域になるまで冷却する。高分子
含水ゲル粉粒体(3)…の温度がその相転移温度よりも
低くなった状態では、高分子含水ゲル粉粒体(3)…は
吸着した有機物を積極的に脱着するのであるが、接触処
理槽(2)内には処理対象液が残留しているから、高分
子含水ゲル粉粒体(3)…から脱着された有機物は、こ
の残留液に濃縮されて高分子含水ゲル粉粒体(3)…と
分離される。即ち、接触処理槽(2)内で有機物の濃縮
分離液が生成される。なお、前記「濃縮」とは、有機物
が液に溶解状態に濃縮された状態を意味することはもち
ろん、有機物が液に分散状態に濃縮された状態をも包含
する意味で用いている。
【0067】次いで、第2開閉バルブ(27)を開く
と、接触処理槽(2)内で生成された有機物の濃縮分離
液が、その自重によって下降し、除去口(2c)を介し
て濃縮液貯留槽(5)内に移行し、ここに貯留される。
この時、取込口(2a)は閉じられているので、前記濃
縮分離液が処理対象液貯留槽(21)内に逆流すること
はない。
【0068】この後、第3開閉バルブ(32)を開いて
洗浄液槽(30)から洗浄液を接触処理槽(2)内に流
し込む。例えば処理対象液が水系である場合には洗浄液
として水を用いる。接触処理槽(2)内へ洗浄液を流し
込むことによって、前記濃縮分離液が下降した後に高分
子含水ゲル粉粒体(3)…表面等に残留付着している有
機物を洗い落とすことができるので、高分子含水ゲル粉
粒体(3)…の吸着性能を十分に再生させることがで
き、従って次に新たに供給される処理対象液に対しても
同様に高効率で有機物の吸着を行わせることができる。
このような洗浄機構は必ず設けなければならないもので
はないが、より効率良く有機物の吸着除去を行う観点か
ら、付設するのが望ましい。
【0069】以上の操作で液中の有機物を分離除去して
該有機物を回収する1つのサイクルが終了する。即ち、
引き続き、第2開閉バルブ(27)及び第3開閉バルブ
(32)を閉じる一方、第1開閉バルブ(25)を開い
た状態にして、処理対象液を処理対象液貯留槽(21)
から導入管(23)を介して接触処理槽(2)に連続的
に供給し、以下前記同様の操作を順に行って更にサイク
ルを重ねる。このようなサイクルを順次繰り返すことに
よって処理対象液から除去対象有機物を連続的に安定し
て除去することができる。
【0070】上記除去装置によれば、高分子含水ゲル粉
粒体(3)…を接触処理槽(2)という1つの容器内に
装填した状態で、即ち同一の場所で有機物の吸着除去及
び脱着回収を行うことができ、脱着回収工程へ移行する
に際して高分子含水ゲル粉粒体(3)…を別の場所に移
動させる必要が生じないので、吸着除去工程と脱着回収
工程間の相互の移行が極めてスムーズであり、除去処理
を連続的に行うことができ、ひいては単位時間当たりの
処理能力を大きく向上させることができる。従って、処
理対象液の液量が多い場合であっても十分に対応できる
ものである。
【0071】なお、工業廃水や生活排水などの処理対象
量が多くなる用途の場合にも、図3に示すように複数の
接触処理槽(2)を並列状態に連通接続した構成の除去
装置を用いるものとすれば、接触処理槽(2)の数に応
じてその分処理能力を増大させることができるので、十
分に対応できる。あるいは、接触処理槽(2)の内容量
を大きく設計し、中に装填する高分子含水ゲル粉粒体
(3)…の量を増大させることによってもその処理能力
を増大させることができることは言うまでもない。
【0072】次に、この発明に係る液中の有機物の除去
装置の別の実施形態について図面(図4)を参照しつつ
説明する。この実施形態は、装置としての基本的な構成
は前記実施形態(図1)と同様であるが、3個の接触処
理槽(2X)(2Y)(2Z)が順に直列状に連通接続
されてなる点が大きく異なる。以下、これらの構成等に
ついて説明するが、前記実施形態と同様である構成部分
については説明を簡略化するか又は省略する。
【0073】第1接触処理槽(2X)、第2接触処理槽
(2Y)及び第3接触処理槽(2Z)がこの順に平行状
に並んで配置される一方、第1接触処理槽(2X)の上
端と第2接触処理槽(2Y)の下端が処理槽連通管(4
0)により連通接続され、該第2接触処理槽(2Y)の
上端と第3接触処理槽(2Z)の下端とが処理槽連通管
(40)により連通接続されている。
【0074】また、第1接触処理槽(2X)の下端の取
込口(2a)は外部の処理対象液貯留槽(21)に導入
管(23)を介して連通接続される一方、第3接触処理
槽(2Z)上端の吐出口(2b)は外部の処理済液貯留
槽(22)に送出管(24)を介して連通接続されてい
る。また、前記導入管(23)における取込口(2a)
近傍位置に第1開閉バルブ(25)が取り付けられてい
る。
【0075】前記各接触処理槽(2X)(2Y)(2
Z)の内部空間内に高分子含水ゲル粉粒体(3)…が装
填されると共に、各接触処理槽の外周面にはこれと接触
状態にそれぞれ温度制御手段(4)であるヒーターが被
覆されている。
【0076】また、各接触処理槽(2X)(2Y)(2
Z)の下端は、それぞれ連通管(26)(26)(2
6)を介して濃縮液貯留槽(5)に連通接続され、各連
通管(26)(26)(26)にはそれぞれ第2開閉バ
ルブ(27)(27)(27)が取り付けられている。
【0077】更に、各接触処理槽(2X)(2Y)(2
Z)の上端は、それぞれ連通管(31)(31)(3
1)を介して洗浄液槽(30)に連通接続され、各連通
管(31)(31)(31)にはそれぞれ第3開閉バル
ブ(32)(32)(32)が取り付けられている。
【0078】この除去装置(1)を用いた液中の有機物
の除去は、前記実施形態の場合と同様にして行われる
が、処理対象液貯留槽(21)から導入管(23)を介
して導入される処理対象液が、第1接触処理槽(2
X)、第2接触処理槽(2Y)及び第3接触処理槽(2
Z)を順に通過して、各接触処理槽毎に有機物の吸着除
去処理がなされる多段階プロセスであるから、最後の第
3接触処理槽(2Z)より吐出される処理済液における
有機物含有(残留)量を極めて低いレベルまで低減する
ことができる。従って、本構成に係る除去装置は、排出
基準の厳しい例えばトリクロロエチレン等の有害有機物
含有廃水の処理等に代表される非常に低いレベルまで除
去することが要請される、液中有機物の除去に対して特
に好適な除去装置である。
【0079】なお、上記実施形態では、直列状に連通接
続する接触処理槽(2)の数を3としているが、特にこ
のような数に限定されるものではなく、その除去対象有
機物をいかなる除去レベルまで除去するかという設計事
項等との関係において適宜に設定されるものである。
【0080】上記除去装置(1)を用いて有機物の除去
を行う際には、一層吸着効率を高めるために、接触処理
槽を振盪機等によって振盪したり、接触処理槽に超音波
を照射したり、接触処理槽内に気泡をバブリング(例え
ば下方から上方に向けて)したり、あるいは撹拌翼等に
より接触処理槽内を撹拌することによって、高分子含水
ゲルに振動を与えた状態又は高分子含水ゲルを撹拌した
状態で稼働するのが好ましい。中でも、気泡のバブリン
グや撹拌翼等により高分子含水ゲルを撹拌した状態で稼
働するのが、より一層吸着効率を高め得る点で、特に好
ましい。
【0081】高分子含水ゲルを撹拌した状態で稼働する
ものとして図5に示す構成の除去装置を例示できる。こ
の除去装置は、装置としての全体構成は前記図4に示す
装置と同様であるが、接触処理槽(2X)に代えて接触
処理槽(2P)を用い、接触処理槽(2Y)に代えて接
触処理槽(2Q)を用い、2個の接触処理槽(2P)
(2Q)が順に直列状に連通接続された構成を採用した
ものである。なお、図面には示さないが、処理対象液貯
留槽(21)、処理済液貯留槽(22)、濃縮液貯留槽
(5)、洗浄液槽(30)等の他の構成部は前記図4と
同様の態様で接続されている。
【0082】接触処理槽(2P)(2Q)は、中空の略
直方体形状であり、その上方側が斜めに面取りされた形
状となされている。これら接触処理槽(2P)(2Q)
の内部空間内に、この中を自由に撹拌し得る程度の量の
高分子(含水)ゲル粉粒体(3)…が装填されている。
また、これら接触処理槽(2P)(2Q)の中の左側底
部位置に、空気をバブリングするためのバブリング管
(50)が配置されている。なお、図示しないが、この
接触処理槽(2P)(2Q)の外周面にはこれと接触状
態に温度制御手段であるヒーターが被覆されている。
【0083】この除去装置を用いた液中の有機物の除去
は、前記実施形態の場合と同様の原理、手順で行われる
ので、その詳細な説明は省略するが、接触処理槽(2
P)(2Q)内においてバブリング管(50)からの空
気等の気泡が導入されることによって、図面矢印方向に
処理対象液が対流するものとなり、これに伴って高分子
含水ゲル粉粒体(3)…も同様に対流し、このように高
分子含水ゲルが撹拌された状態で処理対象液との接触が
行われるので、接触効率を顕著に向上させることがで
き、吸着効率をより一層向上させることができる利点が
ある。このように吸着効率に優れている上に、これら接
触処理槽(2P)(2Q)が直列に接続された構成であ
るので、処理済液における有機物含有(残留)量を極め
て低いレベルまで低減することができる。従って、本構
成に係る除去装置は、排出基準の厳しい例えばトリクロ
ロエチレン等の有害有機物含有廃水の処理等に代表され
る非常に低いレベルまで除去することが要請される、液
中有機物の除去に対して特に好適な除去装置である。
【0084】なお、本実施形態では、接触処理槽(2
P)(2Q)の上方側が斜めに面取りされた形状となさ
れているので、液の対流においてデッドスペース部分の
ないものとでき、ひいては接触効率を一層向上させるこ
とができる。
【0085】また、上記実施形態では、直列状に連通接
続する接触処理槽(2)の数を2としているが、特にこ
のような数に限定されるものではなく、その除去対象有
機物をいかなる除去レベルまで除去するかという設計事
項等との関係において適宜に設定されるものである。
【0086】
【実施例】次に、この発明の具体的実施例について説明
する。
【0087】<実施例1>1,2−ジクロロエタン水溶
液(濃度536.78ppm)100mLの中に、ポリ
ビニルアルコール系ゲル粒体(商品名:「クラゲー
ル」、クラレ株式会社製、ポリビニルアルコールがアル
ギン酸塩と共に水溶液として塩化カルシウム水溶液中に
滴下されることによって球状に成形され、次いでホルマ
ール化処理されて得られたものであって、水素結合によ
る架橋構造を有するゲル、架橋度50、重合度170
0、20μm前後の連続孔を有する立体網目構造、乾燥
時の粒経1〜2mm、比重1.03、相転移温度約37
℃)0.4543g(粒体数100個分)を入れた。次
に、この溶液を60℃まで加熱し、液温即ちゲル粒体の
温度が60℃にある状態で水溶液中の1,2−ジクロロ
エタン濃度を測定したところ、400.02ppmであ
り、従って60℃においてポリビニルアルコール系ゲル
粒体は1,2−ジクロロエタンを0.3048(mmo
l/g−dry gel )吸着した。
【0088】次いで、液温即ちゲル粒体の温度を5℃ま
で下げてこの温度で水溶液中の1,2−ジクロロエタン
濃度を測定したところ、526.29ppmであり、こ
れより5℃におけるポリビニルアルコール系ゲル粒体の
1,2−ジクロロエタン吸着量は0.0234(mmo
l/g−dry gel )であった。従って、ポリビニルアル
コール系ゲル粒体は60℃から5℃への温度変化によっ
て1,2−ジクロロエタンを0.2814(mmol/
g−dry gel )脱着した。
【0089】60℃昇温、5℃降温の一対のサイクルを
更に3回繰り返したが、吸脱着特性は1回目のサイクル
とほぼ同等の結果が得られ、このポリビニルアルコール
系ゲルの吸脱着特性が可逆性に優れていることを確認し
得た。このポリビニルアルコール系ゲルの吸脱着温度特
性を図6に示す。
【0090】なお、前記最初の60℃での加熱を振盪機
によって振盪した状態で行ったところ、吸着量は約1.
5倍増大することを確認し得た。
【0091】また、前記60℃昇温、5℃降温の一対の
サイクルを、50℃昇温、25℃降温の条件に変更して
同様にして吸脱着を行わしめたところ、前記と同等量で
の吸脱着挙動を示した。このように狭い温度幅(変化)
で吸脱着を行うことができるので、温度変化に要するエ
ネルギーコストが少なくて済む。
【0092】<実施例2>実施例1と同様にして、クロ
ロフェノールについてポリビニルアルコール系ゲル
(「クラゲール」)の吸脱着特性を調べた。その結果、
60℃においてゲル粒体はクロロフェノールを0.15
37(mmol/g−dry gel )吸着し、一方60℃か
ら5℃への温度変化によって0.0458(mmol/
g−dry gel )脱着したことを確認した。
【0093】<実施例3>実施例1と同様にして、イソ
プロピルアルコールについてポリビニルアルコール系ゲ
ル(「クラゲール」)の吸脱着特性を調べた。その結
果、60℃においてゲル粒体はイソプロピルアルコール
を0.300(mmol/g−dry gel )吸着し、一方
60℃から5℃への温度変化によって0.292(mm
ol/g−dry gel )脱着したことを確認した。
【0094】なお、上記実施例2、3のいずれにおいて
も、60℃昇温、5℃降温の一対のサイクルを更に3回
繰り返し、このポリビニルアルコール系ゲルの吸脱着挙
動が可逆性に優れていることを確認した。更に、上記実
施例2、3のいずれも、その吸脱着挙動の温度特性は図
6と同様に相転移温度付近で非常に急峻であることも確
認した。
【0095】<実施例4>実施例1と同様にして、1,
1,1−トリクロロエタンについてポリビニルアルコー
ル系ゲル(「クラゲール」)の吸脱着特性を調べた。そ
の結果、60℃においてゲル粒体は1,1,1−トリク
ロロエタンを0.446(mmol/g−dry gel )吸
着し、一方60℃から5℃への温度変化によって0.4
31(mmol/g−dry gel )脱着したことを確認し
た。
【0096】<実施例5>実施例1と同様にして、トリ
クロロエチレンについてポリビニルアルコール系ゲル
(「クラゲール」)の吸脱着特性を調べた。その結果、
60℃においてゲル粒体はトリクロロエチレンを0.1
70(mmol/g−dry gel )吸着し、一方60℃か
ら5℃への温度変化によって0.147(mmol/g
−dry gel )脱着したことを確認した。
【0097】<実施例6>実施例1と同様にして、クロ
ロホルムについてポリビニルアルコール系ゲル(「クラ
ゲール」)の吸脱着特性を調べた。その結果、60℃に
おいてゲル粒体はクロロホルムを0.219(mmol
/g−dry gel )吸着し、一方60℃から5℃への温度
変化によって0.204(mmol/g−dry gel )脱
着したことを確認した。
【0098】<実施例7>実施例1と同様にして、ベン
ゼンについてポリビニルアルコール系ゲル(「クラゲー
ル」)の吸脱着特性を調べた。その結果、60℃におい
てゲル粒体はベンゼンを0.301(mmol/g−dr
y gel )吸着し、一方60℃から5℃への温度変化によ
って0.250(mmol/g−dry gel )脱着したこ
とを確認した。
【0099】<実施例8>実施例1と同様にして、クロ
ロベンゼンについてポリビニルアルコール系ゲル(「ク
ラゲール」)の吸脱着特性を調べた。その結果、60℃
においてゲル粒体はクロロベンゼンを0.336(mm
ol/g−dry gel )吸着し、一方60℃から5℃への
温度変化によって0.276(mmol/g−dry gel
)脱着したことを確認した。
【0100】なお、上記実施例4〜8のいずれにおいて
も、60℃昇温、5℃降温の一対のサイクルを更に3回
繰り返し、このポリビニルアルコール系ゲルの吸脱着挙
動が可逆性に優れていることを確認した。更に、上記実
施例4〜8のいずれも、その吸脱着挙動の温度特性は図
6と同様に相転移温度付近で非常に急峻であることも確
認した。
【0101】<実施例9>1,2−ジクロロエタン水溶
液(濃度200ppm)100mLの中に、ポリウレタ
ン系ゲル(乾燥時の粒径2.0mm、比重1.01、相
転移温度約40℃)0.4543gを入れた。次に、こ
の溶液を50℃まで加熱し、液温即ちゲル粒体の温度が
50℃にある状態で水溶液中の1,2−ジクロロエタン
濃度を測定したところ、155ppmであり、従って5
0℃においてポリウレタン系ゲル粒体は1,2−ジクロ
ロエタンを0.10(mmol/g−dry gel )吸着し
た。
【0102】次いで、液温即ちゲル粒体の温度を25℃
まで下げてこの温度で水溶液中の1,2−ジクロロエタ
ン濃度を測定したところ、168ppmであり、これよ
り25℃におけるポリウレタン系ゲル粒体の1,2−ジ
クロロエタン吸着量は0.078(mmol/g−dry
gel )であった。従って、ポリウレタン系ゲル粒体は5
0℃から25℃への温度変化によって1,2−ジクロロ
エタンを0.029(mmol/g−dry gel )脱着し
た。
【0103】50℃昇温、25℃降温の一対のサイクル
を更に3回繰り返したが、吸脱着特性は1回目のサイク
ルとほぼ同等の結果が得られた。これにより、ポリウレ
タン系ゲルの吸脱着特性は、前記実施例のポリビニルア
ルコール系ゲルの優れた可逆性には及ばないものの、一
応可逆性があることが確認された。
【0104】<実施例10>1,2−ジクロロエタン水
溶液(濃度200ppm)100mLの中に、ポリメチ
ルビニルエーテル系ゲル(乾燥時の粒径2.2mm、比
重1.01、相転移温度約42℃)0.4543gを入
れた。次に、この溶液を50℃まで加熱し、液温即ちゲ
ル粒体の温度が50℃にある状態で水溶液中の1,2−
ジクロロエタン濃度を測定したところ、14.5ppm
であり、従って50℃においてこのポリメチルビニルエ
ーテル系ゲル粒体は1,2−ジクロロエタンを0.12
2(mmol/g−dry gel )吸着した。
【0105】次いで、液温即ちゲル粒体の温度を25℃
まで下げてこの温度で水溶液中の1,2−ジクロロエタ
ン濃度を測定したところ、162ppmであり、これよ
り25℃におけるポリメチルビニルエーテル系ゲル粒体
の1,2−ジクロロエタン吸着量は0.085(mmo
l/g−dry gel )であった。従って、ポリメチルビニ
ルエーテル系ゲル粒体は50℃から25℃への温度変化
によって1,2−ジクロロエタンを0.037(mmo
l/g−dry gel )脱着した。
【0106】50℃昇温、25℃降温の一対のサイクル
を更に3回繰り返したが、吸脱着特性は1回目のサイク
ルとほぼ同等の結果が得られ、このポリメチルビニルエ
ーテル系ゲルの吸脱着特性が可逆性に優れていることを
確認し得た。
【0107】<実施例11>1,2−ジクロロエタン水
溶液(濃度200ppm)100mLの中に、ポリビニ
ルアルコール系ゲル(カルボン酸ビニルと炭素数2〜6
の脂肪族オレフィンとからなる共重合成分と、ビニルア
ルコールとを共重合させて得られたポリビニルアルコー
ル共重合体をアルギン酸塩と共に水溶液として塩化カル
シウム水溶液中に滴下されることによって球状に成形さ
れ、次いでホルマール化処理されて得られたゲル:重合
度1500、20μm前後の連続孔を有する立体網目構
造、乾燥時の粒径2.1mm、比重1.10、相転移温
度約40℃)0.4543gを入れた。次に、この溶液
を50℃まで加熱し、液温即ちゲル粒体の温度が50℃
にある状態で水溶液中の1,2−ジクロロエタン濃度を
測定したところ、174ppmであり、従って50℃に
おいてこのゲル粒体は1,2−ジクロロエタンを0.0
58(mmol/g−dry gel )吸着した。
【0108】次いで、液温即ちゲル粒体の温度を25℃
まで下げてこの温度で水溶液中の1,2−ジクロロエタ
ン濃度を測定したところ、191ppmであり、これよ
り25℃におけるこのポリビニルアルコール系ゲル粒体
の1,2−ジクロロエタン吸着量は0.038(mmo
l/g−dry gel )であった。従って、このポリビニル
アルコール系ゲル粒体は50℃から25℃への温度変化
によって1,2−ジクロロエタンを0.020(mmo
l/g−dry gel )脱着した。
【0109】<実施例12>図1の除去装置を用いて、
1,2−ジクロロエタン水溶液(濃度200ppm)か
らの1,2−ジクロロエタンの除去を行った。接触処理
槽の内容量は50リットルであり、この中に実施例1で
用いたポリビニルアルコール系ゲル(商品名「クラゲー
ル」)を1kg充填した。吸着時のゲル温度を50℃に
設定する一方、脱着時のゲル温度を25℃に設定した。
通水速度は、接触処理槽内での通過(滞留)時間が10
分となるように設定した。
【0110】上記条件のもとで1,2−ジクロロエタン
水溶液(濃度200ppm)からの1,2−ジクロロエ
タンの除去を行ったところ、処理後の水溶液中における
1,2−ジクロロエタン濃度は1ppm以下であった。
また、1サイクルで処理できる処理水量は約1500k
gであった。
【0111】<実施例13>図3の除去装置を用いて、
1,2−ジクロロエタン水溶液(濃度200ppm)か
らの1,2−ジクロロエタンの除去を行った(処理条件
は実施例12と同様)ところ、処理後の水溶液中におけ
る1,2−ジクロロエタン濃度は1ppm以下であっ
た。また、1サイクルで処理できる処理水量は約750
0kgであった。
【0112】<実施例14>図4の除去装置を用いて、
1,2−ジクロロエタン水溶液(濃度200ppm)か
らの1,2−ジクロロエタンの除去を行った(処理条件
は実施例12と同様)ところ、処理後の水溶液中におけ
る1,2−ジクロロエタン濃度は1ppm以下であっ
た。また、1サイクルで処理できる処理水量は約150
0kgであった。
【0113】更に、実施例12〜14において、5サイ
クル繰り返した後、処理後の水溶液中における1,2−
ジクロロエタン濃度、及び1サイクルで処理できる処理
水量を調べたところ、いずれの実施例においても初期時
と殆ど変化がなく、ポリビニルアルコール系ゲルを交換
することなく多量の処理対象液を繰り返し処理できるこ
とを確認した。
【0114】<実施例15>図5の除去装置を用いて、
1,2−ジクロロエタン水溶液(濃度10ppm)から
の1,2−ジクロロエタンの除去を行った。各接触処理
槽の内容量は3リットルであり、各接触処理槽内に実施
例1で用いたポリビニルアルコール系ゲル粒体(商品名
「クラゲール」)を乾燥重量で22.67g(粒子数5
000個)充填した。吸着時のゲル温度を45℃に設定
する一方、脱着時のゲル温度を25℃に設定した。通水
速度は、150mL/分とした。また、バブリング管へ
の空気流量は300mL/分とした。
【0115】上記条件のもとで1,2−ジクロロエタン
水溶液(濃度10ppm)からの1,2−ジクロロエタ
ンの除去を行ったところ、処理後の水溶液中における
1,2−ジクロロエタン濃度は1ppm以下であった。
また、処理水量は毎時約8.4Lであった。
【0116】
【発明の効果】この発明の第1の除去方法は、水性媒体
中における含水率が温度依存性を示す高分子含水ゲルを
その相転移温度より高い温度になっている状態で処理対
象液と接触させるから、除去対象有機物を高効率で高分
子含水ゲルに吸着させて除去することができ、その吸着
量は従来公知のゲルと比較して飛躍的に向上している。
この高分子含水ゲルは人等の生体に対して適合しやすい
素材であるから、生体液中の有機物の選択的除去に好適
な除去方法であり、例えば医療、培養、医薬分野などに
おける液中有機物の除去に利用できる。
【0117】この発明の第2の除去方法は、高分子含水
ゲルの温度をその相転移温度を境にして狭い温度幅で変
化させるだけで、有機物の吸着除去および該吸着有機物
の脱着を行うことができるので、工業的に極めて簡便な
除去方法である。また、このように吸着挙動と脱着挙動
間の相互移行に必要となる温度変化が小さくて済むか
ら、その分エネルギーコストも小さくて済み、従って低
コストで液中からの有機物の除去を行うことができる。
更に、高分子含水ゲルの吸脱着挙動は繰り返し性にも優
れているので、高分子含水ゲルを交換することなく長期
間にわたって有機物の吸着除去、脱着回収を繰り返し行
うことができる。従って、従来のように有機物を吸着し
た使用後の吸着材を産業廃棄物として多量に排出するこ
とを回避できるので、環境保全に適した除去方法であ
る。
【0118】高分子含水ゲルが親水基および疎水基を有
するものである場合には、一層高効率で有機物の除去を
行うことができる。
【0119】高分子含水ゲルが、ポリビニルアルコール
系含水ゲル、ポリウレタン系含水ゲル及びポリメチルビ
ニルエーテル系含水ゲルからなる群より選ばれる1種ま
たは2種以上の含水ゲルからなる場合には、有機物の吸
着量をより一層増大させることができ、より一層高効率
で有機物の除去を行うことができる。
【0120】高分子含水ゲルがポリビニルアルコール系
含水ゲルである場合には、有機物の吸着量をより一層増
大できると共に、人等の生体に対する適合性にも非常に
優れたものとなし得る。
【0121】ポリビニルアルコール系含水ゲルが、ポリ
ビニルアルコール又はポリビニルアルコールの共重合体
のアセタール化により得られたゲルからなる場合には、
有機物の吸着量を一層増大できると共に、吸脱着挙動の
繰り返し安定性に非常に優れたものとなし得て一層長期
間にわたって吸着除去・脱着回収のサイクルを安定状態
に行うことができる。
【0122】ポリビニルアルコール系含水ゲルが、ポリ
ビニルアルコール又はポリビニルアルコールの共重合体
がアルギン酸塩と共に水溶液として塩化カルシウム水溶
液中に滴下されることによって球状に成形され、次いで
アセタール化処理されて得られた球状含水ゲルである場
合には、一層高効率での有機物除去をなし得る利点があ
る。
【0123】前記ポリビニルアルコール共重合体が、カ
ルボン酸ビニル、炭素数10以下の脂肪族オレフィン及
び炭素数10以下の脂環式オレフィンからなる群より選
ばれる1種または2種以上の共重合成分と、ビニルアル
コールとの共重合で得られる共重合体である場合には、
人等の生体に対する適合性をより向上させることがで
き、例えば生体液中の有機物の選択的除去にも好適に利
用できるものとなる。
【0124】高分子含水ゲルの乾燥時の粒径が0.5〜
3mmである場合には、ゲルの取り扱い性を向上させる
ことができると共に、より一層高効率で有機物の除去を
行うことができる。
【0125】高分子含水ゲルが連続孔のある三次元立体
網目構造を有する場合には、更に一層高効率で有機物の
除去を行うことができる。
【0126】処理対象液と高分子含水ゲルとの接触を、
高分子含水ゲルが撹拌された状態で行わせる場合には、
より一層吸着効率を向上させることができる。
【0127】また、除去対象有機物が有機ハロゲン系化
合物または芳香族化合物である場合には、特に高い吸着
効率で除去することができるので、特に有機ハロゲン系
化合物、芳香族化合物の除去に好適である。中でも、有
機塩素系化合物に対して特に優れた吸着特性を呈するの
で、有機塩素系化合物の除去に特に好適である。
【0128】この発明の除去装置は、高分子含水ゲルを
接触処理槽内に装填した状態で吸着除去、脱着回収の両
方を行うことができるので、吸着除去工程と脱着回収工
程間の移行がスムーズであって、除去処理を連続的に行
うことができ、従って単位時間当たりの処理能力に優れ
ている。
【0129】また、複数の接触処理槽が順に直列状に連
通接続された構成を採用する場合には、上記効果を享受
できることに加えて、順に通過する各接触処理槽毎に吸
着除去処理がなされるので、極めて低いレベルまで有機
物を除去することができる。従って、本構成に係る除去
装置は、例えば排出基準の厳しい例えばトリクロロエチ
レン等の有害有機物含有廃水などに代表される非常に低
いレベルまで除去することが求められる液中有機物の除
去に対して特に好適である。
【0130】上記除去装置において、接触処理槽の取込
口から吐出口へ向かう水流により高分子含水ゲルが接触
処理槽内を流動するものとなされている場合には、一層
吸着効率を高めることができる。
【0131】更に、接触処理槽内に送り込まれる空気等
の気泡の浮力による下方から上方への移動によって、高
分子含水ゲルが接触処理槽内で対流撹拌されるものとな
されている場合には、吸着効率をより一層顕著に向上さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る液中の有機物の除
去装置を示す構成概略図である。
【図2】流路を示す説明図であって、(イ)は高分子含
水ゲルの温度がその相転移温度より高い時の流路、
(ロ)は高分子含水ゲルの温度がその相転移温度より低
い時の流路をそれぞれ示すものである。
【図3】別の実施形態に係る除去装置を示す構成概略図
である。
【図4】更に別の実施形態に係る除去装置を示す構成概
略図である。
【図5】更に別の実施形態に係る除去装置を示す構成概
略図である。
【図6】ポリビニルアルコール系ゲルの吸脱着温度特性
の一例を示す図である。
【図7】温度変化に伴うポリビニルアルコール系ゲルの
体積変化を示す図である。
【符号の説明】
1…除去装置 2…接触処理槽 2a…取込口 2b…吐出口 3…高分子含水ゲル 4…温度制御手段 5…濃縮液貯留槽

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 除去対象の有機物を含有する処理対象液
    と、水性媒体中における含水率が温度依存性を示す高分
    子含水ゲルとを、該高分子含水ゲルがその相転移温度よ
    り高い温度領域にある状態で接触させることによって、
    除去対象有機物を高分子含水ゲルに吸着させて、前記処
    理対象液から該有機物を分離除去することを特徴とする
    液中の有機物の除去方法。
  2. 【請求項2】 除去対象の有機物を含有する処理対象液
    と、水性媒体中における含水率が温度依存性を示す高分
    子含水ゲルとを、該高分子含水ゲルがその相転移温度よ
    り高い温度領域にある状態で接触させることによって、
    除去対象有機物を高分子含水ゲルに吸着させて、前記処
    理対象液から該有機物を分離する工程と、 前記有機物吸着後の高分子含水ゲルを、その相転移温度
    よりも低い温度領域まで冷却することによって、前記高
    分子含水ゲルから吸着有機物を脱着せしめて、除去対象
    有機物の濃縮分離液を得る工程とを包含することを特徴
    とする液中の有機物の除去方法。
  3. 【請求項3】 前記高分子含水ゲルが親水基および疎水
    基を有するものである請求項1または2に記載の液中の
    有機物の除去方法。
  4. 【請求項4】 前記高分子含水ゲルが、ポリビニルアル
    コール系含水ゲル、ポリウレタン系含水ゲル及びポリメ
    チルビニルエーテル系含水ゲルからなる群より選ばれる
    1種または2種以上の含水ゲルからなる請求項1〜3の
    いずれか1項に記載の液中の有機物の除去方法。
  5. 【請求項5】 前記高分子含水ゲルがポリビニルアルコ
    ール系含水ゲルである請求項4に記載の液中の有機物の
    除去方法。
  6. 【請求項6】 前記ポリビニルアルコール系含水ゲル
    が、ポリビニルアルコール又はポリビニルアルコールの
    共重合体のアセタール化により得られたものからなる請
    求項5に記載の液中の有機物の除去方法。
  7. 【請求項7】 前記ポリビニルアルコール系含水ゲル
    が、ポリビニルアルコール又はポリビニルアルコールの
    共重合体がアルギン酸塩と共に水溶液として塩化カルシ
    ウム水溶液中に滴下されることによって球状に成形さ
    れ、次いでアセタール化処理されて得られた球状含水ゲ
    ルである請求項6に記載の液中の有機物の除去方法。
  8. 【請求項8】 前記ポリビニルアルコールの共重合体
    が、カルボン酸ビニル、炭素数10以下の脂肪族オレフ
    ィン及び炭素数10以下の脂環式オレフィンからなる群
    より選ばれる1種または2種以上の共重合成分と、ビニ
    ルアルコールとの共重合で得られた共重合体である請求
    項6または7に記載の液中の有機物の除去方法。
  9. 【請求項9】 前記高分子含水ゲルの乾燥時の粒径が
    0.5〜3mmである請求項1〜8のいずれか1項に記
    載の液中の有機物の除去方法。
  10. 【請求項10】 前記高分子含水ゲルが、連続孔のある
    三次元立体網目構造を有する請求項1〜9のいずれか1
    項に記載の液中の有機物の除去方法。
  11. 【請求項11】 前記除去対象有機物が有機ハロゲン系
    化合物である請求項1〜10のいずれか1項に記載の液
    中の有機物の除去方法。
  12. 【請求項12】 前記有機ハロゲン系化合物が有機塩素
    系化合物である請求項11に記載の液中の有機物の除去
    方法。
  13. 【請求項13】 前記除去対象有機物が芳香族化合物で
    ある請求項1〜10のいずれか1項に記載の液中の有機
    物の除去方法。
  14. 【請求項14】 前記処理対象液と高分子含水ゲルとの
    接触を、高分子含水ゲルが撹拌された状態で行わせる請
    求項1〜13のいずれか1項に記載の液中の有機物の除
    去方法。
  15. 【請求項15】 有機物を含有する処理対象液を取り込
    む取込口と、接触処理後の処理対象液を吐出する吐出口
    が設けられた接触処理槽と、 該接触処理槽の内部空間に装填された、水性媒体中にお
    ける含水率が温度依存性を示す高分子含水ゲルと、 前記接触処理槽内の温度制御を行う温度制御手段と、 前記高分子含水ゲルが接触処理槽内で脱着した有機物の
    濃縮液を貯留する濃縮液貯留槽とを備えてなり、 前記接触処理槽内の高分子含水ゲルの温度が該ゲルの相
    転移温度より高い温度領域にある時に、有機物を含有す
    る処理対象液が前記取込口を介して接触処理槽内に供給
    され、接触処理後の処理対象液が吐出口より外部に吐出
    されるようになされる一方、 前記接触処理槽内の高分子含水ゲルの温度が該ゲルの相
    転移温度より低い温度領域にある時に、接触処理槽内で
    ゲルから脱着される有機物の濃縮液が、該接触処理槽か
    ら前記濃縮液貯留槽に移送されるようになされているこ
    とを特徴とする液中の有機物の除去装置。
  16. 【請求項16】 順に直列状に連通接続された複数の接
    触処理槽と、 前記各接触処理槽の内部空間に装填された、水性媒体中
    における含水率が温度依存性を示す高分子含水ゲルと、 前記各接触処理槽内の温度制御を行う温度制御手段と、 前記高分子含水ゲルが各接触処理槽内で脱着した有機物
    の濃縮液を貯留する濃縮液貯留槽とを備えてなり、 前記接触処理槽内の高分子含水ゲルの温度が該ゲルの相
    転移温度より高い温度領域にある時に、有機物を含有す
    る処理対象液が前記直列接続された複数の接触処理槽の
    うちの一端の接触処理槽内に供給され、接触処理後の処
    理対象液が他端の接触処理槽より外部に吐出されるよう
    になされる一方、 前記接触処理槽内の高分子含水ゲルの温度が該ゲルの相
    転移温度より低い温度領域にある時に、各接触処理槽内
    でゲルから脱着される有機物の濃縮液が、該接触処理槽
    から前記濃縮液貯留槽に移送されるようになされている
    ことを特徴とする液中の有機物の除去装置。
  17. 【請求項17】 前記接触処理槽の取込口から吐出口へ
    向かう水流により前記高分子含水ゲルが接触処理槽内を
    流動するものとなされている請求項15または16に記
    載の液中の有機物の除去装置。
  18. 【請求項18】 前記接触処理槽内に送り込まれる空気
    等の気泡の浮力による下方から上方への移動によって前
    記高分子含水ゲルが接触処理槽内で対流撹拌されるもの
    となされている請求項17に記載の液中の有機物の除去
    装置。
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