JPS6143092B2 - - Google Patents

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JPS6143092B2
JPS6143092B2 JP51128868A JP12886876A JPS6143092B2 JP S6143092 B2 JPS6143092 B2 JP S6143092B2 JP 51128868 A JP51128868 A JP 51128868A JP 12886876 A JP12886876 A JP 12886876A JP S6143092 B2 JPS6143092 B2 JP S6143092B2
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JP
Japan
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copolymer
monomer
protein
adsorption
liquid
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JP51128868A
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JPS5354186A (en
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Tetsuya Myake
Kunihiko Takeda
Akihiko Ikeda
Masayuki Mizuno
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Priority to FR7731021A priority patent/FR2369290A1/fr
Priority to CH1260777A priority patent/CH641689A5/de
Priority to DE2746275A priority patent/DE2746275C2/de
Publication of JPS5354186A publication Critical patent/JPS5354186A/ja
Priority to US06/088,927 priority patent/US4246351A/en
Publication of JPS6143092B2 publication Critical patent/JPS6143092B2/ja
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  • Immobilizing And Processing Of Enzymes And Microorganisms (AREA)
  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Treatment Of Liquids With Adsorbents In General (AREA)
  • Distillation Of Fermentation Liquor, Processing Of Alcohols, Vinegar And Beer (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は新規な蛋白質吸着剤に関する。 蛋白質が種々の物質に、物理的に吸着される事
実は、古来よりよく知られている。例えば、活性
炭、多孔性ガラス、酸性白土、カオリナイト、ア
ルミナ、シリカゲル、ベントナイト、ヒドロキシ
アパタイト、リン酸カルシウムゲル等の無機物や
デンプン、グルテン等が挙げられる。これらのも
のは、液の清澄化、微量の混入蛋白質の除去、蛋
白質の精製、分離等の目的のために、実験質規模
から工業的規模まで、広い範囲にわたつて実用化
さている。しかし、これらの物質は蛋白質に対す
る特異性がしばしばみられること、機械的強度が
十分でないこと、それに伴う装置的制約、操作性
の悪さ、又場合によつては蛋白質が分解を受ける
ことがある等々の理由から、その応用範囲は狭い
のが実情である。 かかる事実をふまえて本発明者らは、汎用蛋白
質吸着剤に関する検討を鋭意実施した結果、多孔
性ポリアクリロニトリル系共重合体が種々の蛋白
質を多量に吸着させる能力を有する事実を見出し
本発明を完成するに至つたものである。 即ち、本発明は、20重量%ないし98重量%の一
般式(A) (ここにRは、水素、アルキル基等) で表される含シアノ単量体及び2重量%ないし80
重量%の架橋重合性単量体を含む単量体混合物を
共重合して得られる共重合体であつて、平均孔径
(d)が40Åないし9000Åであり、孔径が0.5d以上2d
未満である孔の体積が全孔量の60%以下である多
孔性共重合体からなる蛋白質吸着剤に関するもの
である。 本発明の蛋白質吸着剤は、後に詳述する様に高
度の多孔構造を有しており、巾広い種類の蛋白質
を多量に吸着する能力を有しており、又化学的に
も安定で蛋白質を分解することもなく、機械的強
度も高いため、操作も簡便となり工業的規模での
使用も可能であるのみならず、容易に製造出来る
という極めて多くの利点を有している。 本発明の蛋白質吸着剤を構成する共重合体の構
成単位となる一般式(A)で示される含シアノ単量体
の具体例としては、アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル、α−クロルアクリロニトリル、シン
ナムニトリル等がある。これら含シアノ単量体の
含量は、20ないし98重量%であり。好ましくは、
30ないし85重量%である。含シアノ単量体の含量
は、ある量以下になると、蛋白質の吸着量は著し
く減少するので好ましくない。 本発明の共重合体は、含シアノ単量体と共重合
可能の他の単量体を含むことができる。これらの
単量体としては、スチレン、メチルスチレン、エ
チルスチレン、ビニルナフタリン、ブタジエン、
イソプレン、ピペリレン等の炭化水素化合物:ク
ロルスチレン、ブロムスチレン、N・N−ジメチ
ルアミノスチレン、ニトロスチレン、クロルメチ
ルアミノスチレン等のスチレン誘導体:メチルビ
ニルスルフイド、フエニルビニルスルフイド等の
ビニルスルフイド誘導体:アクリル酸:メタクリ
ル酸:アクリル酸メチル、アクリル酸クロルメチ
ル等のアクリル酸エステル:メタクリル酸シクロ
ヘキシル・メタクリル酸ジメチルミノエチル、メ
タクリル酸グリシジル酸、メタクリル酸テトラヒ
ドロフルフリル、メタクリル酸ヒドロキシエチル
等のメタクリル酸エステル:メチルビニルケト
ン、エチルイソプロペニルケトン等のビニルケト
ン:塩化ビニリデン、臭化ビニリデン等のビニリ
デン化合物:アクリルアミド、N−ブトキシメチ
ルアクリルアミド、N・N−ジメチルアミノエチ
ルアクリルアミド等のアクリルアミド誘導体:酢
酸ビニル、カプリン酸ビニル等の脂肪酸ビニル誘
導体:チオアクリル酸メチル、チオ酢酸ビニル等
のチオ脂肪酸誘導体:さらに、N−ビニルスクシ
ンイミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルフ
タルイミド、N−ビニルカルバゾール、ビニルフ
ラン、ビニルイミダゾール、メチルビニルイミダ
ゾール、ビニルピラゾール、ビニルオキサゾリド
ン、ビニルチアゾール、ビニルピリジン、メチル
ビニルピリジン、2・4−ジメチル−6−ビニル
トリアジン等の異節環状ビニル化合物がある。 本発明の共重合体の構成単位となる架橋重合性
単量体としては、ジビニルベンゼン、ジビニルト
ルエン、ジビニルキシレン、ジビニルナフタリ
ン、ジビニルエチルベンゼン、トリビニルベンゼ
ン、ジビニルジフエニル、ジビニルジベンジル、
ジビニルフエニルエーテル、ジビニルジフエニル
アミン、ジビニルスルホン、ジビニルケトン、ジ
ビニルピリジン、ジビニルキノリン、フタル酸ジ
アリル、マレイン酸ジアリル、フマル酸ジアリ
ル、炭酸ジアリル、シユウ酸ジアリル、アジピン
酸ジアリル、酒石酸ジアリル、ジアリルアミン、
トリアリルアミン、リン酸トリアリル、トリカル
バリル酸トリアリル、N・N′−エチレンジアク
リルアミド、N・N′−メチレンジメタクリルア
ミド、チレングリコールジメタクリレート、ポリ
エチレングリコールジメタクリレート、トリメチ
ロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリ
スリトールテトラメタクリレート、1・3−ブチ
レングリコールジアクリレート、トリメチルプロ
パントリアクリレート、ペンタエリスリトールテ
トラアクリレート、トリアリルイソシアヌレー
ト、1・3・5−トリアクリロイルヘキヒドロ−
1・3・5−トリアジン、ジアリールメラミン等
が含まれる。架橋重合性単量体の含量は、2重量
%ないし80重量%であり、好ましくは5重量%な
いし70重量%、さらに好ましくは8重量%ないし
60重量%である。架橋重合性単量体の含量が低く
すぎると膨潤収縮度が大きくなり機械的強度が低
下する。又、架橋度が増加しすぎると、蛋白質の
吸着の場を与える微少孔が形成されにくくなつた
り、共重合体内への液の拡散速度の低下がみられ
る。 本発明の蛋白質吸着剤を構成する共重合体は、
平均孔径が40Å〜9000Åの範囲内にある多数の孔
を有する構造体であるが、その平均孔径は、50Å
〜4000Åの範囲にあるものがより好ましく、60Å
〜2500Åの範囲にあればさらに好ましい。平均孔
径が小さすぎると孔内に蛋白質が侵入吸着出来な
くなつたり、拡散速度の著しい低下をみたりする
ために不都合であり、孔径が大きすぎると吸着に
寄与する表面積が小さくなることや機械的強度が
低下する等の欠点が生じてくる。 その孔径分布も蛋白質吸着能に関して重要な因
子であり、平均孔径をdとする時、孔径が0.5d以
上2d未満である孔の体積が全孔量の60%以下、
好ましくは50%以下であるのが望ましい。この値
の下限には特に制限はないが、平均孔径付近の孔
が最も多い故必然的に20%以上となるが、一般的
には30%である。このように広い孔径分布を有す
る多孔を含む共重合体は、後に述べる如く、特に
大きな蛋白質吸着能を有するものとなる。 さらに、孔量も蛋白質吸着能に重要な関係があ
る。即ち、全単量体に対する架橋重合性単量体の
重量分率をX%とする時、乾燥重合体1g当たり
の全気孔量が0.05√ml以上1.5√ml以下であ
ることが好ましく、さらに0.15√ml以上1.3√
ml以下であることが望ましい。孔量が少なすぎ
ると十分な吸着表面を提供することが出来ず、又
過大な孔量は、共重合体の機械的強度を低下させ
るのみならず、単位体積の共重合体当たりの吸着
量を却つて低下させる。 次に、本発明で採用した多孔特性の測定法につ
いて述べる。 平均孔径、孔径分布、孔量比表面積の測定法
は、水銀圧入式ポロシメーターによつた。この方
法は多孔性物質に水銀を圧入していき、侵入した
水銀量から気孔量を求めるとともに、細孔の直径
とその孔に水銀を圧入するに要する圧力は反比例
するという原理に基づいて孔径を測定するもので
る。この方法の詳細は、成書フアイン・パーテイ
クル・メジヤラメント(Fine Particle
Measurement)クライド・オア・ジユニア及び
ジエ・エム・ダアラアバアル(Clyde.Orr.Jr and
J.M.Dallavalle)共著、ザ.マクミラン.カンパ
ニイ、ニユー・ヨーク(The Macmillan
Company、New York)1959に記載されてい
る。この方法では、35〜40Åまでの孔を測定する
ことが可能である。本発明において、孔とはその
孔径が40Å以上の表面からの連通孔と定義し、孔
量、表面積もその孔に由来する値である。又、平
均孔径は、dV/d log rの値が最大値となる
rの値と定義する。ここでrは孔径、Vはポロシ
メーターで測定した累積気孔量である。もう一つ
の多孔性の指標となる値は、カサ比重である。発
明者等は、次の方法でカサ比重を測定した。即
ち、まずガラスフイルター付きカラムに樹脂を充
填して水を十分流し、その時の樹脂が充填されて
いる部分のカラムの体積を求める。その後試料を
十分乾燥して重量を測定し、両者の値からカサ比
重を計算した。 次に、本発明吸着剤共重合体の製造法について
述べる。本発明者らの一部は、既に高度に多孔性
の架橋重合体の製造方法を見出しているが、本発
明の多孔共重合体の製造にもこの技術を用いるこ
とが出来る。 その一つの方法は、共重合性単量体の混合物で
あつて、その内の2重量%以上が架橋重合性単量
体である混合物を、該混合物中の少なくとも一種
の単量体の単独重合体には親和性であり、且つ少
なくとも一種の他の単量体の単独重合体には非親
和性であり、しかも単量体混合物を溶解し且つ各
単量体とは反応しない単一液体の存在下で共重合
させて共重合体を得、次いで該共重合体の内部よ
り前記液体及び未反応単量体を除去することを特
徴としており、もう一つは、共重合性単量体の混
合物であつて、その内の2重量%以上が架橋重合
性単量体である混合物を、該混合物中の少なくと
も一種の単量体の単独重合体に親和性で、しかも
単量体混合物を溶解し且つ各単量体とは反応しな
い液体と、該混合物中の少なくとも一種の単量体
の単独重合体に非親和性で、しかも各単量体を溶
解し且つ各単量体とは反応しない液体とからなる
混合液体の存在下で共重合させて共重合体を形成
させ、その後該共重合体の内部より前記の混合液
体及び未反応単量体を除去することを特徴とする
方法である。 この方法をさらに今A、B二種のモノマーの共
重合により共重合物を合成する場合について具体
的に述べるならば、有機液体を以下の様に分類す
る時、次の(1)から(4)の組み合わせの液体を、単量
体混合物と混合し、共重合反応を行うことによ
り、多孔性構造を得ることができる。即ち、 (1) 少なくとも1種の液体X (2) 少なくとも1種の液体Xと、少なくとも1種
の液体Yの混合物 (3) 少なくとも1種の液体Xと、少なくとも1種
の液体Zの混合物 (4) 少なくとも1種の液体Yと、少なくとも1種
の液体Zの混合物 ここで、液体X、Y、Zとはそれぞれ次の性質を
有するものである。 液体X:ポリマーA(モノマーAの単独重合体)
とポリマーBのいずれか一方に親和性があり、
他には親和性のない液体 液体Y:ポリマーA、ポリマーBに対し共に親和
性を示す液体 液体Z:ポリマーA、ポリマーBいずれに対して
も親和性を示さない液体 なおここでは、ある単量体の線状重合体で平均
分子量が10000以上のものがある液体に1%以上
溶解する場合、該液体は該重合体に対して親和性
があると定義する。架橋重合性単量体の場合に
は、単量体5部、アゾビスイソブチロニトリル
0.1部、液体100部からなる混合物をガラス管に封
入し、行わうとする重合反応と同じ温度、時間ス
ケジユールで加熱する。生成物が透明である場
合、該単量体の重合体は該液体に親和性があると
定義する。 以上のように、(1)ないし(4)の方法で多孔性架橋
共重合体を容易に合成することが可能であるが、
本発明で開示されている共重合体を得るには、特
に(2)ないし(4)の方法が適している。即ち、これら
の方法では共重合体に対し親和的である液体と非
親和的である液体の混合物の共存下、非重合反応
を行うこととなる。その結果巾広い孔径分布の共
重合体が得られるからである。又この様に溶解性
の異なる二種の液体を用いる場合には、その混合
比を変えることにより、生成する共重合体の孔径
を連続的に変化させることが可能となる。効果的
な多孔性構造の設計のためには架橋性単量体の全
単量体に対する割合が増加するにつれて加える有
機液体の量を増加させることが必要である。即
ち、全単量体に対する全液体の重量%をD、全単
量体に対する架橋重合性単量体の重量%をXとす
る時、式101.2√<D<102.2√を満足するこ
とが好ましく、式101.5√<D<102.1√を満
足することが更に好ましい。多孔性共重合体の気
孔量は基本的には、加える液体の相対量によつて
決められる。 次に、さらに具体的な場合について用いられる
液体名を列挙する。 アクリロニトリル−ジビニルベンゼン−エチル
スチレンの共重合においては、液体Yとしてジメ
チルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、ニ
トロメタン、ジメチルスルホキジド、ベンゾニト
リル、γ−ブチロラクトン、N・N−ジメチルア
セトアミド、アセトフエノン等、液体Xとして
は、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、テト
ラリン等芳香族炭化水素、シクロヘキサノン、ア
ニソール、クロルベンゼン、ジクロルベンゼン、
安息香酸メチル、安息香酸エチル、ベンジルアル
コール、二塩化メチレン、クロロホルム、ジオキ
サン等が、液体Zとしては、ヘプタン、デカリン
等の脂肪族炭化水素、n−ブタノール、シクロヘ
キサノール、イソオクチルアルコール等脂肪族ア
ルコール、酢酸アミル、フタル酸ジブチル、フタ
ル酸ジオクチル等が挙げられる。 アクリロニトリル−エチレングリコールジメタ
クリレートの共重合においては、液体Yとしてジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ
−ブチロラクトン、N・N−ジメチルアセトアミ
ド等が、液体Xとしては、トルエン、メチルエチ
ルケトン、ジオキサン、シクロヘキサノン、塩化
メチレン、クロルベンゼン等が、液体Zとして
は、ヘプタン、オクタン、n−ブタノール、イソ
プロパノール等から選ぶことが出来る。 メタクリロニトリル−ジビニルベンゼン−エチ
ルビニルベンゼンから共重合体を合成するに際し
て用いるべき液体の例は、液体Yとして、ピリジ
ン、ニトロメタン、ベンゾニトリル、シクロヘキ
サノン、メチルエチルケトン、γ−ブチロラクト
ン等が、液体Xとしては、トルエン、エチルベン
ゼン、テトラリン、酢酸ブチル、ブロピオン酸エ
チル等が、液体Zとしては、ヘプタン、ブタノー
ル、イソオクタノール、シクロヘキサノール、フ
タル酸ジオクチル等がある。以上は一例にすぎ
ず、溶解性を調べる事により巾広く種々の液体を
用いることが可能である。 本発明における共重合体を得るための重合方法
は、ラジカル重合、イオン重合を問わないが、一
般にはラジカル開始剤を単量体液体混合物に溶解
して加熱することにより重合を行うことが推奨さ
れる。適当なラジカル開始剤としては、液体と単
量体の混合物に溶解し、反応温度で分解が起こる
ラジカル開始剤から選ばれ、その例としては過酸
化ベンゾイル、過酸化ラウロイル等の過酸化アシ
ル類、アゾビスイソブチロニトリル、2・2′−ア
ゾビス(2・4−ジメチルマレロニトリル)等の
アゾニトリル類、過酸化ジタ−シヤリーブチル、
過酸化ジクミル、メチルエチルケトンパーオキシ
ド等の過酸化物、クメンヒドロペルオキシド、タ
ーシヤリーヒドロペルオキシド等のヒドロペルオ
キシド類がある。反応温度は10℃ないし200℃、
好ましくは、20℃ないし150℃、さらに好ましく
は、30℃ないし100℃であるが、アクリロニトリ
ルを含むモノマーを開放系で重合する場合にはア
クリロニトリルの沸点が低いため重合温度を低く
する必要がある。そのため、重合開始剤の一部又
は全部に低温分解型の開始剤を用いることが望ま
しい。例えば、2・2′−アゾビス(2・4−ジメ
チルバレロニトリル)、2・2′−アゾビス(4−
メトキシ−2・4−ジメチルバレロニトリル)、
過吉草酸ターシヤリーブチル、ペルオキソ炭酸ジ
イソブチル等が適当である。 本発明の共重合体を合成する場合の好ましい重
合法の一つは、水中での懸濁重合であり、この場
合は、粒状樹脂を容易に得ることが出来る。アク
リロニトリルは水に若干の溶解性を示すが、水に
不溶性の液体や単量体を加えると水への溶解度は
著しく減少する。 しかし、水溶性の有機液体を添加して重合を行
う場合には、懸濁重合法は採用出来ず、溶液重合
により塊状物を得て、それを適当な粒度に粉砕し
て用いる方法をとるべきである。 本発明で用いられる懸濁剤としては、澱粉、ト
ラガントゴム、ゼラチン等の天然高分子物質:ヒ
ドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、
カルボキシメチルセルロース等の加工天然高分子
物質:ポリアクリル酸:ポリビニルピロリドン、
ポリビニルアルコール、一部分ケン化されたポリ
酢酸ビニル等の水溶性合成高分子物質:硫酸バリ
ウム、タルク、ヒドロキシアパタイト、ベントナ
イト、無水ケイ酸、炭酸カルシウム等の無機物が
用いられる。 又、アクリロニトリルを用いる場合はその若干
の水溶性を抑制する意味から、塩化ナトリウム、
塩化カルシウム等の無機塩を懸濁液に添加するこ
とは広く推奨される。 以上が代表的な製造法であるが、この様な方法
で得られた含シアノ多孔性架橋共重合体は、蛋白
質吸着剤として極めて優れた性質を有しているこ
とが明らかとなつた。以下順次説明を行う。 本発明の共重合体は、任意に調節可能な多種
の多孔構造を包含している。即ち、平均孔径は
40Å〜9000Åの範囲で任意の値をとり得るし、
孔径分布も任意に広くとり得る。孔径分布は或
る程度広いのが望ましい。即ち、概念的に言つ
て、被吸着物質が速かに共重合体内部にまで浸
透して行くためのチヤンネルの役割を果たす大
孔径の孔と、表面又はチヤンネルから分岐して
存在して吸着座席を提供する多数の小孔径の孔
の二種類の孔の存在が望ましく、このような場
合、或る程度広い孔径分布となるからである。 又、被吸着蛋白質の大きさによつて、最適の
平均孔径と云うものが存在することが見出され
る。例えば、実施例8〜12で用いた蛋白質で
は、分子量が約8万以下のものは200Åの平均
孔径を有する共重合体に最も吸着されやすいの
に対し、分子量が約10万以上の蛋白質は1200Å
の平均孔径の共重合体への吸着量が大きいこと
を示唆している。この結果は、蛋白質が大きい
程、拡散するに必要なチヤンネルや吸着座席を
提供する孔の孔径は大きい必要があることを教
えている。即ち、目的とする被吸着蛋白質の大
きさ、形状によつて適切な孔特性を設計するこ
とによつて効果的な多孔構造を得ることが出
来、場合によつては、複数の蛋白質の中からあ
る種の蛋白質のみを選択的に吸着させることも
可能となる。 又、一般に孔量が少なくなるにつれて、蛋白
質の吸着量は減少する。吸着量と孔量の関係
は、蛋白質の種類に依存しているので、一般的
な記載は出来ないが、その一例を実施例14に示
す。本発明においては、架橋度(X)が増加す
るにつれて気孔量を増加させることが好ましい
ことは既に示唆したが、一般に架橋度が増加す
るに従つて三次元構造が密になり蛋白質の吸着
座席を提供する細孔が形成しにくくなるため合
成時に添加する液体を増加させて気孔量を増大
させることが推奨される訳である。 本発明の共重合体の特長は、その良好な親和
性にある。 蛋白質の処理はほとんど水溶液で行われるの
で、吸着性樹脂は水に不溶液で且つ親和性であ
る必要がある。一般に重合により親水性吸着剤
を合成するには、重合後親和性基を導入する
か、もしくは親水性モノーマを一成分として共
重合することが必要である。後者の方法を用い
る場合は、モノマーが親水性であることが多い
ので懸濁重合により粒状共重合体を製造するこ
とが困難な場合がしばしばある。それに対し、
アクリロニトリル類は水にさほど溶解しないの
で懸濁重合を行うことが出来、シアノ基の強い
極性のため、相当量の非親水性モノマーを含す
場合にも、生成した共重合体は良好な親水性を
示すことが明らかとなつた。前者の後反応によ
り親水性基を導入する方式に比して本発明共重
合体の製造は一回の重合工程及び洗浄工程のみ
で構成されており非常に簡単であるのみなら
ず、後反応の反応率のバラツキによる性能の再
現性の低下といつた問題も生じない。 本発明の共重合体は物理的強度が大きい特長
を有している。従来、蛋白質の分離精製や固定
化の担体として澱粉、セルローズ、デキストラ
ン等を出発原料としたポリマーが汎用されてい
る。デキストランの架橋体であるセフアデツク
スや架橋アガロースのセフアローズがその代表
例であるが、これらの天然物から得られる担体
は膨潤度が大きく、又機械的強度が劣るため、
大規模に使用することが困難となる。これに対
し、本発明品は三次元架橋重合体特有の大きな
機械的強度を有しており、カラム内に充填して
クロマトグラフを行う時に有利である。 吸着剤の形状としては、吸着性能の点や強度
的な面からも又溶液を流通させる時の抵抗とい
つた面からも球状のものが最も好ましいことは
周知であるが、本発明の共重合体は水中で懸濁
重合をすれば、容易に球状に製造することが出
来る。 吸着性樹脂の好ましい条件の一つに、不活性
でかつ広いPHの範囲で使用可能であることが挙
げられているが、ポリアクリロニトリルやポリ
ジビニルベンゼン等は、この条件を満足するた
め、特に反応性の高いモノマーを加えない限
り、本発明の共重合体はこの条件を満足する。
汎用の無機吸着剤である活性アルミナやシリカ
ゲルが時として被吸着物を分解することがある
のに対して、本発明の共重合体は巾広い条件で
巾広い性質に対して使用出来る長所を有してい
る。 本発明の共重合体は、種々の蛋白質を極めて
多量に吸着する能力を有していることが明らか
となつた。 即ち、分子量1000程度のペプチドから、分子
量数10万の高分子量蛋白質まで乾燥共重合体1
g当たり100mg前後と云う極めて高い吸着量が
記録されたことが実施例から明らかである。更
に、分子量のみならず、蛋白質を特徴づけるた
めの重要な因子とされている等電点も本発明共
重合体による蛋白質の吸着には全く影響を与え
ず、例えば実施例8〜12には、等電点4.7〜
10.4の広範囲にわたつて、高い蛋白吸着量を有
していることが示されている。 又、本発明の共重合体は一般の単純な蛋白質
のみならず、酵素に対しても高い吸着能を示す
ことも明らかになつた。 さらに本発明の共重合体は、反復使用が可能
であり、その性能が長時間維持され劣化が少な
いと云う実用上の大きな特長を有している。 以上述べた様な多くの特長を有する為、本発明
の共重合体からなる蛋白質吸着剤は次に記す様な
種々の用途に用いることが出来る。 (1) 蛋白質の精製・分離 本吸着剤は、蛋白質に対して極めて優れた選
択吸着性を有することから、水性媒体中に含ま
れる蛋白質を、効率的かつ選択的に吸着するこ
とが可能であり、換言すれば、糖質、ビタミン
類、色素類、無機塩類、金属化合物、界面活性
剤等の水溶性物質と共存している蛋白質を分離
することが出来る。 本発明の吸着剤を用いての蛋白質溶液よりの
蛋白質の吸着操作はPH1ないし11の範囲で行う
ことができるが、吸着に好適なPHは蛋白質の種
類によつて選ばれる。又有機性溶液、例えば70
%アルコール溶液中のツエインなどに対しても
適用することができる。 吸着時の温度は2℃ないし50℃が用いられる
が、室温付近特に20℃ないし40℃が好ましい。 吸着操作は蛋白質溶液に本発明吸着剤を添加
することによつて行われ、必要ならば撹拌又は
振とうすることによつて吸着をより容易にし、
吸着時間を短縮することが出来る。又吸着剤を
カラム或いは濾過器上につめ、蛋白質溶液を流
すことによつて吸着させることもできる。 吸着時間は蛋白質溶液の状態、濃度、吸着の
方法、温度等によんて異なる適切な時間を選ぶ
ことができる。 近年蛋白質の工業的応用技術が重要な新技術
として多方面で研究されており、このような機
械的にあらゆる面から革新的な吸着方法の開発
は工業的に極めて重要な寄与をなすものであり
その応用範囲は極めて広い。 又、現在実験室規模の天然有機化合物の分
離、精製法は代表例である吸着クロマトグラフ
イーは、被分離物質、吸着剤、溶媒分子相互間
の吸着力の差を利用しているが、現在使用され
ている吸着剤としては、活性炭、アルミナ、シ
リカ、リン酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム
等の無機物が用いられている。これらの無機吸
着剤に比べ、本吸着剤は、良好な球状のものを
得ることが出来、又機械的強度も大きく、繰り
返しの使用も可能であるため、大規模の吸着ク
ロマトグラフイーを実施することも可能である
ことや、無機吸着体においてしばしば遭遇す
る、被分離物質を分解する性質を有していない
ため、特に不安定な蛋白質の取扱が出来ると云
う利点を有している等の理由から吸着クロマト
グラフイー用担体として利用することが出来
る。又、すでに述べた様な孔径と蛋白質の吸着
量の関係を利用して、さらに選択的な蛋白質の
分離が可能となる。 さらに一方では本発明の吸着剤に吸着された
蛋白質は酸性または塩基性に調整された水溶
液、各種塩類溶液、温水、又はメタノール、エ
タノール、アセトン等の水と混和し得る有機溶
媒を含む水等から適切に選ばれた水性溶媒によ
り効率良く溶出することが可能であり、溶出の
方法は溶出される蛋白質の種類、用途により適
宜組み合わせればよい。 (2) 蛋白質の除去 微量の蛋白質の混入によつて製品品質が著し
く低下する事があるが、その一例として清酒の
蛋白による濁りをあげることが出来る。本発明
の吸着剤を用いれば、清酒中に含まれる蛋白質
を非常に効率良く確実に除くことが出来る。そ
の上清酒品質に何ら悪影響を及ぼさず製品品質
を飛躍的に向上させることが出来る。しかも従
来法である柿しぶによる凝集沈澱法、超遠心
法、酵素剤による分解法などに比べ、吸着及び
後処理の操作性が格段に優れ、蛋白の混入もな
く経済的である。同様にこの方法はビール、ブ
ドウ酒の醸造製品その他の清澄方法として用い
ることが出来る。 さらに蛋白質の吸着除去方法としては高蛋白
質含有廃水(例えば食品加工廃水)からの蛋白
質除去方法としても応用することが出来る。こ
の場合従来の活性汚泥法等の生物的方法に比べ
遥かに短時間に狭い場所で処理することができ
る。 (3) 固定化酵素等の担体 生体内には特異的な相互作用を示す一対の物
質が多く存在する。酵素と基質、酵素と阻害
剤、抗原と抗体等はその代表的な例である。こ
れらの組合わせで一つの複合体が形成される。
この複合体が非常に安定な場合もあれば、中間
体として存在するのみで直ちに反応分解をする
場合もある。酵素−基質複合体の後者の場合に
対応する。これらの化合物の中には蛋白質であ
るものが多いが、それらを本発明による吸着剤
に吸着固定することにより種々の用途に使用す
ることが出来る。 酵素を水不溶性担体に固定させたものは固定
化酵素としてよく知られている。化学結合法と
は異なり、従来物理的吸着法による固定化酵素
の製造方法は、酵素の変性が殆ど起こらずかつ
酵素を補充しながら連続使用が可能であると云
う大きな利点を有しながら、その吸着力が弱
く、吸着量が少ないため実用化が遅れていた。 一方、本発明の吸着剤の蛋白吸着量は、1g
の乾燥体当たり100mg以上の成積を示してお
り、又一旦吸着された酵素等は、蒸溜水、脱イ
オン水、水道水によつて殆ど溶離されないの
で、酵素を吸着させた状態で酵素反応に使用す
ることも可能である。 又、アフイニテイ−クロマトグラフイーは、
担体に生理活性物質を固定し、それとの相互作
用を利用して他の生理活性物質を分離すると云
う原理に基づく方法で、近年非常に注目を集め
ているものであるが、この目的のための担体と
しても本発明の吸着剤を使用することが可能で
ある。吸着剤に吸着固定される蛋白質として
は、酵素、抗原、抗体等が代表的なものであ
る。なおこれらの蛋白質を吸着させる際に、蛋
白質の架橋剤として知られるグルタルアルデヒ
ド等の二官能性反応試薬を用いることは本発明
の方法を何ら妨害することがないばかりでな
く、吸着体と蛋白質及び蛋白質同士の結合を一
層強め、その適用範囲を拡大することが出来
る。 次に本発明を実施例により更に詳細に説明する
が、これにより本発明の範囲が制限されるもので
はない。 実施例 1 還流冷却器、ステンレススチール製二枚羽撹拌
器、温度計を備えた3の三口フラスコに蒸溜し
たばかりのアクリロニトリル55g、ジビニルベン
ゼン(純度56%、不純物として44%のビニルエチ
ルベンゼンを含む、以下56%ジビニルベンゼンと
記す)45g、アセトフエノン130g、デカリン120
g、アゾビスイソブチロニトリル1g、2・2′−
アゾビス−(2・4−ジメチルバレロニトリル)
1gを加え、均一溶液にする。さらに部分ケン化
ポリビニルアルコール(粘度23cps、ケン化度88
%)6.25g、塩化ナトリウム12.5gを溶解した蒸
溜水1270gを加え、300rpmの回転数で撹拌を行
いながら、45℃で1時間、50℃で2時間、60℃で
2時間、さらに70℃で4時間加熱した。反応中一
定時間毎に反応混合物をサンプリングしてそのベ
ンゼン抽出物をガスクロマトグラフにより分析し
て、残存単量体を定量し重合率を測定したとこ
ろ、上記の条件で98%以上の重合率であることが
確認された。なお、クロリロニトリルは沸点が低
いため還流冷却器は内部に冷水を流通させる等し
て効率を高める必要がある。生成した共重合体は
良好な球状をしており直径60〜120μの範囲にあ
つた。篩を用いて湿式分級を行つた後、メタノー
ルで未反応単量体、液体等を除去した。その一部
をとり減圧下60℃で18時間乾燥しポロシメーター
用の試料とした。残りの共重合体は十分水洗を繰
り返した。 このもののカサ比重は0.21、平均孔径1200Å、
気孔率2.28ml/g、表面積220m2/gと測定され
た。又、孔径が600Åから2400Åの間の孔量は
0・87ml/gであつた。以下これをR−1と称す
る。 実施例 2 アセトフエノンとデカリンの添加量がそれぞれ
200g、50gである以外は、実施例1と全く同様
の方法で粒状共重合体を得た。その粒径範囲は80
〜140μ、カサ比重は0.25、平均孔径は200Å、気
孔量は1.83ml/g、又100Åから400Åまでの孔量
は0.86ml/g、表面積は320m2/gと測定された。
以下これをR−2と呼ぶ。 実施例 3 アセトフエノンとデカリンの混合液体の代りに
ベンゾニトリル250gを添加した以外は、実施例
1と全く同様の方法で粒状共重合体を得た。その
粒径範囲は70〜150μ、カサ比重は0.28、平均孔
径は80Å、気孔量は1.18ml/g、40Åないし160Å
の孔に基づく孔量は0.50ml/g、表面積は270m2/
gと測定された。以下このものをR−3と称す。 比較例 1 実施例1と同様の装置に、アクリロニトリル
110g、56%ジビニルベンゼン90g、アゾビスイ
ソブチロニトリル2g、2・2′−アゾビス−
(2・4−ジメチルバレロニトリル)2gを加
え、さらに実施例1と同じ部分ケン化ポリビニル
アルコール5g、塩化ナトリウム15gを溶解した
純水1000gを加え、350rpmの回転数で撹拌を行
いながら、実施例1と同じ温度スケジユールで重
合を行つた後、同様な後処理を行つた。重合率は
97%であつた。又、カサ比重は0.62と測定され
た。ポロシメータによる多孔構造の測定では孔は
存在しないことが確認された。以下、このものを
C−1と呼ぶ。 実施例 4 液体としてアセトフエノン100g、デカリン50
gを用いる以外は実施例1と全く同じ方法で共重
合体を製造した。粒径100〜180μ、カサ比重は
0.31、平均孔径は1100Å、気孔量は0.97ml/g、
550Å〜2200Åの孔に基づく孔量は0.40ml/g、表
面積は170m2/g。このものを以下R−4と称す。 実施例 5 実施例1で用いたフラスコに、ヒドロキシアパ
タイト10g、ヒドロキシエチルセルロース10g、
塩化カルシウム20g、蒸溜水2000を加え、70℃
で撹拌し溶液を均一にした後、液温を30℃に下げ
る。この水溶液を300rpmで撹拌しながらその中
にアクリロニトリル50g、エチレングリコールジ
メタクリレート10g、スチレン40g、クロルベン
ゼン300g、過吉草酸ターシヤリーブチル0.25
g、過酸化ベンゾイル0.75gの均一溶液を一気に
加えた。30℃で30分、40℃で1時間、50℃で2時
間、60℃で2時間、さらに70℃で2時間、80℃で
2時間反応を行う。十分な洗浄後得られた共重合
体の性能は次の通りであつた。粒径90〜260μ、
平均孔径500Å、気孔量2.02ml/g、250Å〜1000
Åの孔に基づく気孔量は1.03ml/g、表面積260
m2/g。以下この重合体をR−5と呼ぶ。 実施例 6 実施例1と同じフラスコに、メタクリロニトリ
ル50g、純度80%のジビニルベンゼン50g、エチ
ルベンゼン200g、イソオクタノール100g、過酸
化ラウロイル1gの混合溶液を入れ、別に調製し
た懸濁液(2%の水溶液の粘度が100cpsのメチ
ルセルロース8g、食塩48gの水溶液1650g)を
加えて200rpmの速度で撹拌をしながら、60℃で
1時間、75℃で4時間、さらに90℃で3時間加熱
を続けた。洗浄後の共重合体は次の構造を有して
いた。粒径150〜250μ、カサ比重0.20、平均孔径
3000Å、全気孔量2.68ml/g、孔径1500Åから
6000Åの気孔量は1.05ml/g、表面積は190m2/
g。このものを以下R−6と称する。 実施例 7 100mlの耐圧ガラスス容器内にアクリロニトリ
ル20g、N・N′−エチレンジアクリルアミド5
g、2・2′−アゾビス(2・4−ジメチルバレロ
ニトリル)0.2g、ジメチルホルムアミド30g、
トルエン20gを加え封じた後、溶液を均一にし、
40℃で2時間、60℃じ4時間、さらに80℃で2時
間加熱を続ける。封管を冷却後破壊し、共重合体
を取り出した。これを粉砕し、80〜200メツシユ
の篩で湿式分級した後、十分量のアセトンで洗浄
して添加液体を除去した。得られた共重合体はホ
ロシメーターによつて、次の構造を有しているこ
とが分かつた。カサ比重0.26、平均孔径800Å、
気孔量1.65ml/g、孔径が400Åりよ1600Åまでの
孔に由来する孔量は0.73ml/g、表面積225m2/
g。 実施例 8 表1に示した蛋白質を各々30mg含む水溶液10ml
にそれぞれ0.5gの湿潤共重合体(R−1)を入
れ、30℃にて3時間振とうした。遠心分離にて沈
降物を除去した後、上澄液中の蛋白質濃度をロー
リイ等の方法(Lowry、O.H.et al、J. Biol.
chem.、193巻265頁、1951年)で測定し共重合体
(R−1)を入れない系の値との差を吸着量とし
た。ウレアーゼ、カタラーゼ、α−キモトリプシ
ン、ペプシンについては上澄液中の残存酵素活性
も併せて測定した。 又、共重合体に吸着された酵素についてもその
力価を通常の方法によつて測定した。 結果はまとめて表1に示した。なお、蛋白質吸
着量は、乾燥共重合体1g当たり吸着した蛋白質
の重量で示した。 ウレアーゼの活性測定はデー・デー・バンスリ
ーク(D.D.Vanslyke)らの方法(J.Biol.Chem.
、154巻、623頁、1944年)、タカラーゼはエイ
チ・ユー・ベルグマイヤー(H・U・
Bergmeyer)の方法(Biochem.Z.、327巻、255
頁、1955年)、α−キモトリプシンはジ・ダブリ
ユ・シユベルト(G.W.Schwert)らの方法
(Biochim.Biophysica Acta.、16巻、570頁、1955
年)、ペプシンはエル・エム・バーカ−(L.M.
Baker)らの方法(J.Biol.Chem.、211巻、701
頁、1954年)でそれぞれ行つた。
【表】
【表】 実施例 9 実施例8に示したと同様の方法でトリプシン
(分子量2万、等電点10.0)を吸着させて共重合
体の蛋白質吸着量は130mg、上澄中の残存酵素は
45%であつた。この共重合体と蛋白質の複合体を
カラムに充填し、基質ベンゾイルアルギニンエチ
ルエステル塩酸塩の0.05Mトリス・バツフアー溶
液(34g/、PH8.0)をSV=2の流速で流し
た。その相体活性は96時間後70%であつた。 なおトリプシンの活性測定はジー・ダブリユ
ー・シユベルト(G.W.Schwert)等の方法によ
つた(Biochim.Biophysica Acta.、16巻、570
頁、1955年)。 実施例10・比較例2 実施例8に示したと同様の方法で表1に示した
蛋白質及びトリプシンのR−2、R−3に対する
吸着量を測定した。その結果を表2に示す。 なお、比較のために非多孔性樹脂C−1への吸
着量を表2に併記する。
【表】 注:−は未測定
実施例 11 実施例8に示したと同様の方法で表3に示す蛋
白質を吸着させた共重合体R−1をカラムに充填
し、R−1の3倍容の水で水洗後、5倍容の溶出
剤で吸着蛋白質を溶出した。結果をまとめて表3
に示す。
【表】 実施例12、比較例3 実施例8に示した方法と同様に、表3に示す蛋
白質の共重合体R−2、R−3に対する吸着量を
測定した。結果を表4にまとめる。さらに比較例
としてC−1に対する吸着量も併せて載せた。
【表】 実施例 13 通常の方法によつて製造した清酒(生酒)2
を共重合体R−1、10mlを充填した内径1.1cmの
カラムに空間速度10hrで通過させた。処理前後の
液を超遠心分離機にかけ(50000G×30分)沈澱
物の乾燥重量を比較した所、次の如くなつた。
【表】 実施例 14 実施例8で示した方法で共重合体R−4、5、
6、7のトリプシン吸着量を求めた。結果はそれ
ぞれ乾燥樹脂1g当たり80mg、120mg、100mg、
150mgであつた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 20重量%ないし98重量%の一般式(A) (ここにRは、水素、アルキル基等) で表される含シアノ単量体及び2重量%ないし80
    重量%の架橋重合性単量体を含む単量体混合物を
    共重合して得られる共重合体であつて、平均孔径
    (d)が40Åないし9000Åであり、孔径が0.5d以上2d
    未満である孔の体積が全孔量の60%以下である多
    孔性共重合体からなる蛋白質吸着剤。 2 全単量体に対する架橋重合性単量体の重量分
    率をX%とする時、乾燥重合体1g当たりの全気
    孔量が0.05√ml以上1.5√ml以下である特許
    請求の範囲第1項記載の蛋白質吸着剤。
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FR7731021A FR2369290A1 (fr) 1976-10-28 1977-10-14 Adsorbant pour proteine
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