JPH0623258B2 - 親水性多孔粒子 - Google Patents

親水性多孔粒子

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JPH0623258B2
JPH0623258B2 JP61240071A JP24007186A JPH0623258B2 JP H0623258 B2 JPH0623258 B2 JP H0623258B2 JP 61240071 A JP61240071 A JP 61240071A JP 24007186 A JP24007186 A JP 24007186A JP H0623258 B2 JPH0623258 B2 JP H0623258B2
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particles
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Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 この発明は、糖,蛋白質,酵素等の分離,精製用担体と
して用いられる親水性多孔粒子に関する。
〔背景技術〕
糖,蛋白質,酵素等の生体高分子物質が混在した生理活
性物質を固体粒子担体との相互作用によって分離,精製
する、いわゆる液体クロマトグラフィーには、その分離
モードによって、イオン交換,ゲル濾過(浸透),疎水
性およびアフィニティー等、各種のものが存在する。そ
の中でも、分離,精製後の生理活性物質の保持に関して
は、ゲル濾過クロマトグラフィー、すなわち、蛋白質等
の試料を溶離液に溶解し、その溶離液が固体粒子(ゲル
濾過担体)内を通過する際、粒子の網目に入り込む程度
の差(分子の大きさの差)のみによって分離,溶出する
方法が最も優れており、また操作の簡便さも手伝って、
多用されている。
このようなゲル濾過クロマトグラフィーに現在最も多く
利用されているゲル濾過担体は、デキストラン,アガロ
ースあるいはセルロース等の天然系多糖類を主成分と
し、それに、エピクロルヒドリンや2,3−ジブロモプ
ロパノール等を作用させた球状ゲルであるが、これら天
然系のものは、分離選択性は良好なものの、 (イ) 機械的強度が弱い、 (ロ)芳香族化合物を吸着する、 (ハ)酵素,微生物等による攻撃を受け易い、 (ニ)長期保存が困難である、 等多くの問題を抱えている。
そこで、このような天然系のものに代わる担体として、
スチレン−ジビニルベンゼン系架橋重合体,メチルメタ
クリレート−ジエチレングリコールジメタクリレート系
架橋重合体,(メタ)アクリルアミド−メチレンビスメ
タクリルアミド系架橋重合体等の合成高分子化合物系の
ものや、多孔性シリカ,ガラスビーズ等の無機系のもの
が多岐に亘り、開発されている。
ところで、糖,蛋白質,酵素等の生体高分子物質を、そ
れら分子の大きさによってのみ分離精製しようとする場
合には、担体材料自体によるこれら被精製物質の吸着が
あってはならないことは素材上の必須の要件である。し
かしながら、上記の各担体は、一部の天然系素材を除い
て、いずれも、糖,蛋白質等を極めて強く吸着するの
で、その用途は非水系溶離液による有機化合物の高速G
PC分析用担体や、あるいは、素材表面に疎水性やイオ
ン交換基等のリガンドを固定化し改質して疎水性クロマ
トグラフィー担体やイオン交換クロマトグラフィー等に
限られているのが現状である。
生体高分子物質を、その分子の大きさによってのみ分離
精製するゲル濾過クロマトグラフィーの有利性は、ま
た、溶出分画後の生物活性の保持率の高さに存する。疎
水性クロマトグラフィーやイオン交換クロマトグラフィ
ーでは、非水溶媒,pH変化、あるいは、塩濃度変化によ
る脱着機構が必須となっているために被分離物質の生物
活性の失活がかなり高い確率で発生する。一方、天然系
素材、特にアガロース系では吸着はあまり問題とならな
いものの、その機械的強度の脆弱性のため、大量分離,
工業用精製への利用は困難とされる。
これらを背景として、近年、ポリビニルアルコールを素
材とした恩水性担体の開発がなされているが、依然、孔
径の小さな比較的低分子量物質を対象とした分析を中心
とした用途に限られていると言える。
現在分析手段として広く利用されているGPC(ゲル浸
透クロマトグラフィー)担体はスチレン−ジビニルベン
ゼン系共重合体ゲルが広く使用されている。また、その
大きな細孔面積に比して高い機械的強度が期待できる無
機多孔質シリカゲル等の担体は、高速液体クロマトグラ
フィーに利用されている。しかしながら、すでに述べた
如く、これらの担体は蛋白質等の生体高分子物質を強
く、かつ、非特異的に吸着する性質を有しており、主と
して、その利用は石油系高分子等の分析、すなわち、有
機溶媒系でのゲル浸透作用を利用した分析方法に限られ
ている。
これらの疎水性担体を生体高分子物質の分離分析に利用
しようとする場合には、担体表面の親水化処理が必要と
なるが、一般にその効率は極めて低い。
これに対し、親水性担体の開発も行われている。現在親
水性担体として知られているのは、デキストランゲル,
アガローズゲル,ポリアクリルアミドゲル,ポリビニル
アルコールゲル等である。このうち、前2者は天然系多
糖類を架橋剤でゲル化したものであるが機械的強度が小
さく、改良の余地が残されている。また後ろの2者は排
除限界分子量が比較的小さく、さらに、耐アルカリ安定
性に難点があるなど、これも改良の余地がある。
アクリルアミド以外のアクリル酸の他の誘導体を用いた
従来のゲル、たとえば、ポリメチルメタクリレートゲ
ル,ポリエチレングリコールジメタクリレートゲルなど
は全て疎水性である。また、親水性官能基を有する種々
の水溶性モノマーを通常の2官能架橋剤、たとえば、エ
チレングリコールジメタクリレートまたはジビニルベン
ゼン等と共重合させ、水不溶化して得られるゲルも、や
はり、疎水的性質を示し、蛋白質を強く吸着する。
以上のように、蛋白質の吸着は担体表面の疎水的性質に
関係している。これらの知見から、担体の疎水的性質
は、使用する架橋剤構造に左右されるものと推論するこ
とができる。
他の問題点は担体ゲルの機械的強度についてである。従
来技術では、架橋剤は2官能性モノマーが中心である。
そして、架橋度は使用する架橋剤の濃度に比例し、担体
の多孔度(細孔分布)は架橋度に関係する。また、担体
の強度は、一般に細孔々径の大きいゲルでは弱く、孔径
が小さくなる程強い。しかしまた、高分離能は細孔々径
が大きくなる程、すなわち、細孔容積量が大きくなる
程、前述したように、良くなるであろう。
以上のように、従来技術では、高強度化と高分離能化と
を同時に満足するゲルを得るのは困難である。
また、先に挙げたアフィニティー分離モード(アフィニ
ティークロマトグラフィー)は、特定物質に対し特異的
親和性を有する物質(リガンド)により粒子表面を修飾
し、表面修飾された粒子に対する親和性の差を利用して
目的物質と不純物の分離を行うのであるが、表面修飾の
選択で多様な目的物質に対応することが可能であり、生
化学関連用途にも使える有用な分離モードということが
できる。親水性多孔粒子が特異的親和性を有する物質に
よる粒子の表面修飾性に富む(表面修飾が容易に行え
る)ものであれば、このようなアフィニティークロマト
グラフィー用の担体(アフィニティー担体)への展開が
出来るものであると、有用性は非常に高いということが
できる。
〔発明の目的〕
この発明は、以上の問題に鑑みてなされたものであっ
て、優れた親水性があって糖やタンパクなどに対する非
吸着性を有し、かつ、高分離能で高強度な担体となると
ともに、アフィニティー担体ともなり得る親水性多孔粒
子を提供することを課題とする。
〔発明の開示〕 この発明は、上記課題を達成するために、担体粒子を構
成する架橋剤構造に、親水性を付与するため部分的にエ
チレンオキサイド鎖を導入し、かつ、ポリオキシエチレ
ン化合物と重合可能であって親水性官能基を有するモノ
マーと、ラジカル重合性官能基を6つ有する多官能性架
橋剤(6官能性架橋剤)とを同時に併用することを特徴
とするものである。
すなわち、この発明は、下記の一般式で表された、両末
端に重合性二重結合を有するポリオキシエチレン化合物 と、このポリオキシエチレン化合物と重合可能であって
親水性官能基を有するモノマーの二つの成分が、これら
の成分は溶解するが、重合生成物は溶解しない性質を有
する溶剤に溶解されてなる溶液を、ラジカル重合性官能
基を6つ有する各官能性架橋剤の存在下、水分散系で懸
濁重合してなる親水性多孔粒子を要旨とする。
以下に、この発明を、詳しく説明する。
この発明に用いられる、両末端に重合性二重結合を有す
るポリオキシエチレン化合物とは、下記の一般式であら
わされた2官能架橋剤を言う。
但し、上記式中n(エチレンオキシド基連鎖の数)は1
9から45の範囲のものが有効である。この範囲以外で
あると、小さくとも、大きくとも、蛋白質の吸着が起き
る。
式中Rとしては、アクリレート基、メタクリレート
基、メタクリロイルカルバモイル基およびメタクリロイ
ルオキシエチルカルバモイル基等を挙げることができ
る。
アミノ酸,ペプチド,蛋白質等をその分子量あるいは分
子サイズに準じて溶出,分離させるゲル濾過クロマトグ
ラフィー担体として、まず第一に重要な要件に、それら
被分離精製物質の非吸着性が挙げられる。ゲル粒子へ
の、このような非吸着性の付与が、2官能性架橋剤構造
の一つの工夫によって達成されることはすでに先の出願
(特願昭60−188028号(特開昭62−4871
5号))において開示した。
今回、この非吸着性に加えて、架橋密度変化による機械
的強度の増強に、多官能(6官能)架橋剤の併用使用が
有効であること、その際、これら多官能架橋剤にエチレ
ンオキサイド基の導入が糖,ペプチド,蛋白質糖の非吸
着性改善に効果的であることが見出され、新規な蛋白質
分離用ゲル濾過クロマトグラフィー充填剤として有効な
ことが判明したものである。
このような多官能架橋剤としては、下記の一般式(I) であらわされたラジカル重合性官能基を6つ有するもの
のうちの少なくとも一つを配合することが好ましい。
すなわち、下記の一般式(II)、(III) であらわされたラジカル重合性官能基4つ以下の多官能
性架橋剤ではないのである。
この発明の具体的な多官能性架橋剤としては、ジペンタ
エリスリトールヘキサアクリレートや、ポリオキシエチ
レンジペンタエリスリトールヘキサアクリレートのよう
にポリオキシエチレン部分を有するものが好適なものと
して挙げられる。
多官能架橋剤の使用量は、上記2官能性ポリオキシエチ
レン化合物および官能性モノマーからなる全組成物重量
に対して、40〜175重量%の範囲で用いるのがよ
い。この範囲より小さいと、ゲル強度の補強効果が認め
にくく、また逆に、この範囲より大きいと、架橋剤自体
が持つ疎水的性質のためにゲルの蛋白質吸着が増大し、
ゲル濾過クロマトグラフィー用担体としては難が生ずる
恐れがある。
多孔粒子表面に水酸基、アミノ基、スルホン基、カルボ
キシル基、ホスホン酸基等の親水性官能基を付与したい
場合、あるいは、ゲルをさらに親水化したい場合には、
上記したポリオキシエチレン化合物ならびに多官能性架
橋剤と共重合し得るとともに親水性官能基を有する当該
モノマーを添加し、特許請求の範囲記載の方法で重合す
ればよい。
これらポリオキシエチレン化合物および多官能性架橋剤
と共重合可能なモノマーとしては、2,3−ジヒドロキ
シプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート等のOH基(親水性官能基)を有する(メ
タ)アクリル酸誘導体、ジメチル(エチル)アミノアク
リレート等のNR基(親水性官能基)を有する(メ
タ)アクリル酸誘導体の他、スルホン基(親水性官能
基)を有するカリウムスルホプロピルメタクリレートや
アンモニア基(親水性官能基)を有する2−ヒドロキシ
−3−メチクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウ
ムクロリド等を挙げることができる。このようなモノマ
ーの使用量は、他の重合性架橋剤総量の30重量%以下
の範囲であるのが好ましい。この範囲を超えると、ゲル
の機械的強度あるいは蛋白質の吸着に不具合が生ずる恐
れがあるからである。
この発明に用いられる非活性有機溶媒としては、上記の
ポリオキシエチレン化合物、多官能性架橋剤およびこれ
らと共重合可能なモノマー類に対して可溶であり、か
つ、その共重合体を溶解せず、重合に不活性で、水に不
溶な有機溶媒であれば、特に限定されない。このような
溶媒としては、たとえば、ベンゼン,トルエン等の芳香
族炭化水素、クロロベンゼン、o(m,p)−ジクロロ
ベンゼン、1,4−ジクロロブタン、1,2−ジクロロ
ブタン、1,2−ジクロロプロパン、1,2−ジブロモ
エタン等が好ましく、特に、クロロベンゼンが最も好ま
しい。なお、これらの溶媒は、単独もしくは2種以上を
任意に組み合わせて用いてもよい。これら溶媒の使用量
は、全固形分に対して、50〜700重量%の範囲で用
いられるのがよい。溶媒の使用量が上記値より少ない場
合は、細孔容積量が小さく、充分な分離性能が得られな
い恐れがある。反対に、この範囲よりも多い場合には、
機械的強度が充分に得られず、高速化に難を生ずる恐れ
がある。また、これら溶媒は、100〜450重量%の
範囲内で使用することがより好ましい。
ラジカル重合開始剤としては、通常よく用いられている
有機過酸化物やアゾ化合物を使用することができる。た
とえば、過酸化ベンゾイル、2,2′−アゾビスイソブ
チロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチル
バレロニトリル)等の公知のものが適宜選ばれるが、特
に限定されるものではない。これら開始剤の使用量は、
通常の懸濁重合に用いられる範囲、たとえば、全固形分
に対して0.1〜5重量%の範囲で用いてやればよい。
懸濁重合時、水相に加えられる分散安定剤としては、ポ
リビニルアルコール、メチルセルロース等の有機水溶性
高分子化合物がよく、特に重合度500程度のポリビニ
ルアルコールが好ましい。
重合温度は通常よく行われている条件を使用することが
でき、たとえば、60〜100℃の範囲で行われる。
上述したこの発明の手段を採択することにより、先に開
示した蛋白質非吸着性粒子としての性質を損なうことな
く、機械的強度と分離の高速化ならびに蛋白質分離性能
の良好なゲル濾過クロマトグラフィー用担体として提供
し得る多孔質粒子を得ることができる。
この理由として、エチレンオキシド基による親水化作用
とともに、多官能架橋剤の併用による架橋密度の増大
が、蛋白質吸着機能および機械的強度に影響を及ぼして
いるものと考えられる。
以下、実施例により、この発明を、さらに具体的に説明
するが、この発明は、これらの実施例のみに限定される
ものではない。
(実施例1) ポリエチレングリコール(Mw=1000)ジメタクリレ
ート98g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレー
ト42g、OH基(親水性官能基)をもつ2,3−ジヒ
ドロキシプロピルメタクリレート14g、クロロベンゼ
ン385gおよび2,2′−アゾビスイソブチロニトリ
ル1.4gよりなる均一混合溶液をポリビニルアルコール
0.1重量%を含む脱イオン水1225mlの入った丸底フ
ラスコ中に、激しく攪拌しながら添加し、70℃,5時
間の加熱重合を行った。
反応後、得られた重合体粒子を280メッシュ(53μ
m)フィルターでロ別水洗し、次いで、145メッシュ
(105μm)フィルターで大粒径粒子を除去した。得
られた53−105μm分級重合体粒子をアセトン,メ
タノールの順で充分に洗浄したのち、脱イオン水でさら
に洗浄し、0.15Mの食塩を含む0.1Mトリス塩酸緩衝液
に置換し、得られたスラリーを超音波−減圧脱気処理し
たのち、内径1.6cm、長さ70cmのガラス製カラムに充
填し、上昇流で蛋白質混合物の分離測定を行った。用い
た試料は、ウシ血清アルブミン(a)と卵白リゾチーム(b)
の混合トリス溶液であった。
測定条件は流速20ml/時、溶離液は0.1Mトリス塩酸
+0.15M食塩水溶液、室温、検出はUV280nmを用い
てクロマトグラムを得た(第1図(a))。
同カラムによる分離性能を調べるために数種の蛋白質に
よる選択吸収曲線を作成した。結果を第1図(b)に示
す。図中の分離係数(Kav)は、カラム内の正味のゲル
体積の内の溶質分子に利用される分率をあらわす係数で
ある。図中1はビタミンB12,2は卵白リゾチーム,3
はウシ膵臓キモトリプシノーゲンA,4はウシ血清アル
ブミン,5はウシ肝臓カタラーゼを、それぞれ、示して
いる。
また、この実施例1に用いたカラムと、デキストランを
2官能架橋剤で架橋した市販ゲルカラムとを同条件下で
測定し、クロマトグラムを得た。結果を第1図(c)なら
びに第1表に示す。
図にみるように、実施例1のカラムは試料分子量の順序
どおり溶出するのに対し、市販ゲルは試料との強い相互
作用のために、溶出順序に逆転が生じていることがわか
った。
(実施例2,比較例1) 粒子組成の比較として、ポリエチレングリコール(Mw1
000)ジメタクリレート10g、OH基(親水性官能
基)をもつ2,3−ジヒドロキシプロピルメタクリレー
ト1g、クロロベンゼン80gおよび2,2′−アゾビ
スイソブチロニトリル0.1gよりなる均一混合溶液を実
施例1と同様の操作により合成して粒径53〜105μ
mの粒子A(比較例1)を得た。一方、ポリエチレング
リコール(Mw1000)ジメタクリレート6g、ジペン
タエリスリトールヘキサアクリレート4g、OH基(親
水性官能基)をもつ2,3−ジヒドロキシプロピルメタ
クリレート1g、クロロベンゼン80gおよび2,2′
−アゾビスイソブチロニトリル0.1gよりなる均一混合
溶液を同様に合成して前記と同粒径の粒子B(実施例
2)を得た。この二つの粒子A,Bの機械的強度を測定
した結果、粒子Aは操作圧高さMax35cmが限界であっ
たのに対し、粒子BはMax70cmまで直線関係を示し
た。
なお、機械的強度の測定は、ガラス製、内径10mm,長
さ15cmのカラムを用い、溶離液として前記0.15M食塩
を含むトリス塩酸緩衝液による流速と操作静水圧(高
さ)との関係から直線関係を保持する最大高さ(Max)
より求めた。
(実施例3) ポリエチレングリコール(Mw=1000)ジメタクリレ
ート38.5g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレー
ト16.5g、OH基(親水性官能基)をもつ2,3−ジヒ
ドロキシプロピルメタクリレート5.5g、クロロベンゼ
ン302.5gおよび2,2′−アゾビスイソブチロニトリ
ル0.55gよりなる均一混合溶液をポリビニルアルコール
0.1重量%を含む脱イオン水825mlの入った丸底フラ
スコ中に、激しく攪拌しながら添加し、70℃,5時間
の加熱重合を行った。
得られた重合体粒子を実施例1と同様に処理し、充填し
て蛋白質の分離性能を調べた。試料としては、ウシ甲状
腺チログロブリン(c)とヒト血清γ−グロブリン(d)の混
合トリス溶液を供した(第2図)。
(比較例2) ポリエチレングリコール(Mw=1000)ジメタクリレ
ート20g、ポリオキシエチレンペンタエリスリトール
テトラアクリレート20g、クロロベンゼン180gお
よび2,2′−アゾビスイソブチロニトリル0.4gより
なる均一混合溶液をポリビニルアルコール0.1重量%を
含む脱イオン水500mlの入った丸底フラスコ中に、激
しく攪拌しながら添加し、70℃,4時間の加熱重合を
行った。
得られた重合体粒子を実施例1と同様に処理し、充填し
て蛋白質の分離性能を調べた。試料としては、ウシ血清
アルブミン(e)とウシ膵臓α−キモトリプシン(f)の混合
トリス溶液を供した(第3図)。
(参考例1) 吸着に及ぼすエチレンオキシド基の効果を調べるため、
エチレンオキシド基を含まないペンタエリスリトールテ
トラアクリレートを用いて実施例4と同様に粒子を作成
し、それを用いてブルーデキストラン吸着測定を行っ
た。その結果、実施例4により得られる粒子のブルーデ
キストラン吸着測定による回収率は平均58%であるの
に対し、合成された粒子では上記回収率は平均約5%を
示すのみであった。このことから、粒子中にエチレンオ
キシド基が存在すると、ブルーデキストラン吸着が著し
く減少することがわかった。
以上のことから、多官能架橋剤としては、ポリオキシエ
チレン部分を有するものが好ましいことがわかった。
(比較例3) ポリエチレングリコール(Mw=600)ジメタクリレー
ト20g、ポリオキシエチレンペンタエリスリトールテ
トラアクリレート20g、クロロベンゼン180gおよ
び2,2′−アゾビスイソブチロニトリル0.4gよりな
る均一混合溶液をポリビニルアルコール0.1重量%を含
む脱イオン水500mlの入った丸底フラスコ中に、激し
く攪拌しながら添加し、70℃,4時間の加熱重合を行
った。
得られた重合体粒子を実施例1と同様に処理し、充填し
て蛋白質の分離性能を調べた。試料としては、ウシ甲状
腺チログロブリン(g)とヒト血清γ−グロブリン(h)のト
リス塩酸緩衝溶液を供した(第4図)。
(比較例4) ポリエチレングリコール(Mw=2000)ジメタクリロ
イルオキシエチルカルバメート20g、ジペンタエリス
リトールヘキサアクリレート20g、クロロベンゼン1
80gおよび2,2′−アゾビスイソブチロニトリル0.
4gよりなる均一混合溶液をポリビニルアルコール0.1重
量%を含む脱イオン水500mlの入った丸底フラスコ中
に、激しく攪拌しながら添加し、70℃,4時間の加熱
重合を行った。
得られた重合体粒子を実施例1と同様に処理し、充填し
て蛋白質の分離性能を調べた。試料としては、ウシ血清
アルブミン(i)とウシ膵臓α−キモトリプシン(j)のトリ
ス塩酸緩衝溶液を供した(第5図)。
なお、実施例の親水性多孔粒子は、親水性官能基を有す
るモノマーを成分とするため、十分な親水性があり、蛋
白質などが吸着し難い非吸着性が十分なものである上、
モノマーのもつ親水性官能基により、表面修飾性に富む
ためアフィニティー担体ともなり得る。比較例2〜4の
親水性多孔粒子の場合、親水性官能基を有するモノマー
を成分としていないため、表面修飾性に富まずアフィニ
ティー担体への展開は全く無理といっても過言ではな
い。
〔発明の効果〕 この発明は、以上に述べた通りの構成であるため、顕著
な親水性があって糖やタンパク質などに対する非吸着性
を有し、かつ、高分離能で高強度なものとなっていると
ともに、アフィニティー担体ともなり、有用性が顕著で
ある。
顕著な親水性があって糖やタンパク質などに対する非吸
着性を有するのは、 なる両末端に重合性二重結合を有するポリオキシエチレ
ン化合物(以下、「ポリオキシエチレン化合物」と言
う)がn=19〜45と親水性を持たせる上で好適なオ
キシエチレン鎖長を有しているのに加え、親水性の向上
が見込める親水性官能基を含有する重合性モノマーを必
須成分としているからである。タンパク質であれば殆ど
何でも吸着するという非特異吸着性のないものは、生化
学用途への展開も可能となる。
高分離能と高強度の両立は、2官能架橋構造のポリオキ
シエチレン化合物に6官能のラジカル性架橋剤を必須成
分として使用していることに起因する。この6官能性架
橋剤で粒子内部の架橋密度が飛躍的に高まり、その結
果、重合時、粒子内部の細孔容積量(と同時に平均細孔
半径)を規定する不活性溶剤(例えば、クロロベンゼ
ン)の使用量を多くして、粒子内部の細孔容積量や平均
細孔半径(高分子量タンパク質の分離に必要な細孔半
径)を高分離能化のために増加させても、親水性多孔粒
子に必要な機械的強度が確実に備わっているのである。
アフィニティー担体となり得るのは、水酸基、アミノ
基、カルボキシル基等の親水性官能基を含有する重合性
モノマーを必須成分としていて、この親水性官能基を利
用してアフィニティー用のガンドン固定が簡単に行える
からである。アフィニティー担体であれば、生化学用途
に展開が可能である。生化学用途の展開の場合、生化学
用途の分離では殆ど溶媒が水系媒体であるため、上のよ
うに親水性多孔粒子の親水性が顕著であることは重ねて
好都合であると言うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図(a),第2図ないし第5図は、それぞれ、この発
明の親水性多孔粒子あるいは比較例、参考例の親水性多
孔粒子を用いて各種蛋白質混合液を分離した結果をあら
わすクロマトグラム、第1図(b)はこの発明の一実施例
における蛋白質の選択吸収をあらわす選択吸収曲線、第
1図(c)はこの実施例と市販ゲルカラムとの分解能を比
較したクロマトグラムである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 30/48 P 8310−2J

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の一般式で表された、両末端に重合性
    二重結合を有するポリオキシエチレン化合物 と、このポリオキシエチレン化合物と重合可能であって
    親水性官能基を有するモノマーの二つの成分が、これら
    の成分は溶解するが、重合生成物は溶解しない性質を有
    する溶剤に溶解されてなる溶液を、ラジカル重合性官能
    基を6つ有する多官能性架橋剤の存在下、水分散系で懸
    濁重合してなる親水性多孔粒子。
  2. 【請求項2】ラジカル重合性官能基を6つ有する多官能
    性架橋剤が、下記の一般式(I) であらわされたもののうちの少なくとも一つである特許
    請求の範囲第1項記載の親水性多孔粒子。
  3. 【請求項3】ポリオキシエチレン化合物とモノマーとの
    総量に対する、多官能性架橋剤の配合量が40〜175
    重量%である特許請求の範囲第1項または第2項記載の
    親水性多孔粒子。
  4. 【請求項4】水分散系が水中油型分散系である特許請求
    の範囲第1項から第3項までのいずれかに記載の親水性
    多孔粒子。
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