JP4315337B2 - 光学分割能を有する非粒子状有機多孔質体及びその製造方法 - Google Patents

光学分割能を有する非粒子状有機多孔質体及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、鏡像異性体を分離することができる光学分割能を有する非粒子状有機多孔質体及びその製造方法に関する。
鏡像異性体が存在するキラルな分子構造を有する化合物は生理活性をもつものが多く、医薬、農薬あるいは食品添加物などの原料として重要である。一般的に鏡像異性体間では生理活性が全く異なることが多く、サリドマイドのようにR体は鎮静睡眠作用を有するが、S体には強い催奇性があるといった例が知られている。そのため、最近、特に医薬品分野において鏡像異性体の光学分割に対する要請が高まってきている。
鏡像異性体を光学分割する方法としては、一方の鏡像異性体の結晶を優先的に晶出させる優先晶出法、ラセミ体に別の光学活性体を作用させ、生成したジアステレオマーの結晶性や溶媒に対する溶解度差などを利用して分割するジアステレオマー法、不斉構造をもつ吸着剤を固定相に用い、ガスクロマトグラフィーや高速液体クロマトグラフィーにより分割するクロマトグラフィー法、生物の消化機能や酵素の不斉加水分解作用など、生体の不斉識別能力を利用して分割する生化学的方法等が知られている。
これらの方法の中で、クロマトグラフィー法は、操作が簡便で分割可能なラセミ体の適用範囲が広いことから、幅広く普及している。上記クロマトグラフィー法で用いられている不斉構造をもつ吸着剤には多くの種類が知られているが、そのほとんどは粒子状の吸着剤であり、高理論段数を達成するために、10μm以下の微粒子が用いられている。そのため、操作圧力がかなり高く、長期間連続して測定すると分離特性が低下するなど物理的安定性に劣るものであった。
一方、特表2000-515627号公報には、マクロ細孔の壁の中で互いに連絡するマクロ細孔とメソ細孔を有する多孔質造形セラミック体であって、そのマクロ細孔の直径が0.1μmより大きい中央値をもちそのメソ細孔の直径が2〜100nmの中央値をもつ多孔質造形セラミック体を基体とするキラル溶媒(吸着剤)あるいは多孔質造形ポリアミド体を基体とする前記キラル溶媒が開示されている。これらのキラル溶媒をカラムクロマトグラフィーで用いれば、高い流速を可能にして鏡像異性体を分割できる。
また、特開2002−306976号公報には、互いにつながっているマクロポアとマクロポアの壁内に平均径が1〜1,000μmのメソポアを有する連続気泡構造を有し、全細孔容積が1〜50ml/gであり、イオン交換基が均一に分布され、イオン交換容量が0.5mg当量/g乾燥多孔質体以上の多孔質イオン交換体が開示されている。この有機多孔質イオン交換体は、細孔容積や比表面積が格段に大きいものである。
特表2000-515627号公報(請求項1、2) 特開2002−306976号公報(請求項1)
しかしながら、特表2000-515627号公報記載の多孔質造形セラミック体を基体とするキラル溶媒は、アルカリに弱く、分離条件が制約されるといった欠点を有しており、また、多孔質造形ポリアミド中空糸膜を基体とするキラル溶媒は、理論段数が低く、精密な分離ができないといった問題点を有していた。また、いずれの場合も光学活性認識部位はその表面にのみ導入され、無機系多孔質体の骨格部分の内部やポリアミド中空糸膜内部には認識部位が導入できないため、吸着容量が低く、大量分取や大量精製には適さないものであった。また、特開2002−306976号公報の連続気泡構造を有する有機多孔質体は、イオン交換に供するものであって、鏡像異性体を分離する吸着剤として使用する旨の記載は一切ない。
従って、本発明の目的は、上記従来の技術の問題点を解決したものであって、物理的安定性が高く、幅広い分離条件で分離が可能でかつ吸着容量の大きな非粒子状有機多孔質体およびその製造方法を提供することにある。
かかる実情において、本発明者らは鋭意検討を行なった結果、特定の構造を有する非粒子状有機多孔質体は光学活性基を連続気泡構造内部まで均一に導入でき、このため、分離条件の制約を受けることなく光学活性体分離特性の高い吸着剤が得られること、驚くべきことに、吸着剤から光学活性基を脱離させても空間的な認識部位は残存し、脱離後の非粒子状有機多孔質体が高い光学活性体分離特性を維持することなどを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、光学活性基を含む油溶性モノマーとしてp−ピナニルジメチルシリルスチレン、p−メントキシカルボニルスチレン、p−ピナニルジメチルシリル−α−メチルスチレン、p−メントキシカルボニル−α−メチルスチレン、アクリル酸ピナニルジメチルシリルメチル、アクリル酸ピナニルジメチルシリルエチル、メタクリル酸ピナニルジメチルシリルメチル、メタクリル酸ピナニルジメチルシリルエチル、アクリル酸メンチル又はメタクリル酸メンチル、界面活性剤及び水を含有する被処理物を攪拌混合して油中水滴型エマルジョンを調製した後、静置下重合させて、互いにつながっているマクロポアとマクロポアの壁内に半径が0.01〜100μmのメソポアを有する連続気泡構造の有機多孔質体に、光学活性基が表面及び骨格部分内部に均一に導入されている第1非粒子状有機多孔質体を得、引き続いて該第1非粒子状有機多孔質体から光学活性基の一部又は全部を脱離させて、光学分割能を有する第2非粒子状有機多孔質体を製造する方法を提供するものである。
本発明の非粒子状有機多孔質体は、物理的安定性が高く、幅広い分離条件で分離が可能でかつ高い光学活性体分離特性を有するため、従来の光学分割カラムの欠点であった分離特性の制約や安定性に劣るといった欠点を解決すると共に、高分離特性を有するため、カラムのコンパクト化や大量分取装置への展開が期待される。また、本発明の非粒子状有機多孔質体を製造する方法によれば、光学活性基または空間的な認識部位を非粒子状有機多孔質体の表面のみならず多孔質体の骨格部分内部にも導入することができるため、吸着容量が大きく、大量分取精製用途に適した非粒子状有機多孔質体を得ることができる。
本発明の第1及び第2非粒子状有機多孔質体の基本構造は、互いにつながっているマクロポアとマクロポアの壁内に半径が0.01〜100μm、好ましくは0.1〜10μmのメソポアを有する連続気泡構造である。即ち、連続気泡は、通常、半径0.2〜500μmのマクロポアとマクロポアが重なり合い、この重なる部分が共通の開口となるメソポアを有するもので、その部分がオープンポア構造のものである。オープンポア構造は、液体を流せば該マクロポアと該メソポアで形成される気泡内が流路となる。マクロポアとマクロポアの重なりは、1個のマクロポアで1〜12個、多くのものは3〜10個である。メソポアの半径が0.01μm未満であると、通液時の圧力損失が非常に大きくなってしまうため好ましくない。
一方、メソポアの半径が100μmを超えると、液体と非粒子状有機多孔質体との接触が不十分で、充填層内の液相における不均一な拡散が起こり易く、その結果、分解能の低下を招いてしまうため好ましくない。また、非粒子状多孔質体としては、上記のような連続気泡型の他に、F.Svec,Science,273,205〜211(1996)等に記載されているような粒子凝集型多孔質体があるが、この方法で得られた多孔質体は粒子凝集型構造のため、細孔容積が小さく、メソポアも大きくできないため、通液圧力の低圧化に制約を受けるので好ましくない。
尚、第1及び第2非粒子状有機多孔質体において、前記マクロポアと前記メソポアで形成される気泡構造の内壁に、更に平均孔径が5〜800nmの非連続孔であるミクロポアを形成させたものが、これをカラムの充填剤として用いた場合、不斉選択性に加えて、測定対象成分のサイズによる分離効果を相乗的に利用することが可能で、例えば、核酸やタンパク質のような高分子量生体関連物質を分離定量する際に、分解能を向上させることができる点で好ましい。
本発明の第1及び第2非粒子状有機多孔質体は、細孔分布曲線の主ピークにおける半値幅(W)を該主ピークの半径(R)で除した値(W/R)が0.5以下であることが好ましい。細孔分布曲線は水銀圧入法により求められる。この細孔分布曲線の主ピークにおける半値幅は、細孔分布曲線のベースラインからの該主ピークの高さHのH/2における該主ピークの幅を言い、上記の(W/R)値が小さいほど、細孔分布がシャープであることを示す。本発明の非粒子状有機多孔質体において、(W/R)値が0.5以下であると、連続気泡構造を形成するマクロポア群とメソポア群が均一に存在し、メソポアの分布がシャープになることで、分解能が格段に向上する。また、マクロボイドがなくなるため、構造欠陥サイトの消失に伴う物理的強度の向上や、膨潤・収縮に対する耐久性も向上する。このため、同じ組成、同じ構造の非粒子状有機多孔質体であっても、(W/R)値が0.5以下のものは(W/R)値が0.5を超えるものに比べて性能および機能面で格段の改善が認められる。
また、本発明の第1及び第2非粒子状有機多孔質体は、1〜50ml/gの全細孔容積を有するものである。全細孔容積が1ml/g未満であると、単位断面積当りの透過液体量が小さくなってしまい、低圧通液が困難になるため好ましくない。一方、全細孔容積が50ml/gを超えると、該非粒子状有機多孔質体の強度が著しく低下してしまうため好ましくない。従来の粒子状充填剤を充填したカラムでは、液体が流通するボイドボリュームは、0.1〜0.5ml/ml充填層体積程度であるのに対し、本発明の非粒子状有機多孔質体は、上述のように連続気泡構造という従来の粒子充填層とは全く異なる形状を有し、全細孔容積が1〜50ml/ml充填層体積に達するので、分離能を低下させたり、流量を落としたりすることなく、従来の通液圧力の1/2〜1/30の低圧通液が可能となる。
また、第1及び第2非粒子状有機多孔質体の液体透過性は、液体の代表として水を用い、該有機多孔質体の厚みを10mmとした時の透過速度が、100〜100000 L/分・m2・MPaの範囲にあることが好ましい。透過速度及び全細孔容積が上記範囲にあれば、液体との接触面積が大きく、かつ液体の円滑な流通が可能となる上に、十分な機械的強度を有しているため優れた性能が発揮できる。
第1及び第2非粒子状有機多孔質体において、連続気泡を形成する骨格部分の材料は、架橋構造を有する有機ポリマー材料である。該ポリマー材料はポリマー材料を構成する全構成単位に対して、1モル%以上の架橋構造単位を含むことが好ましい。架橋構造単位が1モル%未満であると、機械的強度が不足するため好ましくない。
連続気泡を形成する骨格部分の材料として用いられるポリマー材料の種類に特に制限はなく、例えば、ポリスチレン、ポリ(α-メチルスチレン)、ポリビニルベンジルクロライド等のスチレン系ポリマー;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン等のポリ(ハロゲン化オレフィン);ポリアクリロニトリル等のニトリル系ポリマー;ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル等の(メタ)アクリル系ポリマー;スチレン−ジビニルベンゼン共重合体等が挙げられる。上記ポリマーは、単独のモノマーを重合させて得られるホモポリマーでも、複数のモノマーを重合させて得られるコポリマーであってもよく、また、二種類以上のポリマーがブレンドされたものであってもよい。これら有機ポリマー材料の中で、光学活性基導入の容易性と機械的強度の高さから、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体やビニルベンジルクロライド−ジビニルベンゼン共重合体が好ましい材料として挙げられる。本発明の非粒子状有機多孔質体の連続気泡構造は、SEMで観察できる。また、マクロポアの孔径およびメソポアの孔径もSEMで観察できる。
本発明の第1非粒子状有機多孔質体は、非粒子状有機多孔質体に光学活性基を均一に導入したもので、好ましくは少なくとも0.1ミリモル/g、特に好ましくは0.5〜50ミリモル/gを均一に導入したものである。光学活性基が0.1ミリモル/g未満であると、光学分割能が低下してしまうため好ましくない。従来の多孔質体においては、光学活性認識部位はその表面にのみ導入され、骨格構造の内部には導入できないため、吸着容量が低い。それに対して本発明によれば、多孔質体の連続気泡構造の骨格内部まで光学活性基を均一に導入できるため、吸着能力が高まり、光学分割プロセスを工業レベルまで容易にスケールアップすることができる。なお、導入された光学活性基は、光学活性基中の官能基の特性吸収をIRで測定することで、定性分析や定量分析が可能である。
第1非粒子状有機多孔質体に導入される光学活性基としては、特に制限されないが、例えばL−プロリン等のアミノ酸とその誘導体;光学活性クラウンエーテル;シクロデキストリン及びその誘導体;、ピナニル基、メントキシル基等の不斉炭素を有する基;セルロース、アミロース、血清アルブミン、オボムコイド、セルラーゼ、等の光学活性天然高分子;主鎖が螺旋構造を取るポリメタクリル酸エステルや立体規則性ポリフェニルアセチレン等の光学活性合成ポリマーが挙げられる。これらのうち、ピナニル基、メントキシル基等の不斉炭素を有する基が、比較的簡単に非粒子状有機多孔質体へ導入できることと不斉認識特性の高さから好ましい。第1非粒子状多孔質体へ導入される光学活性基は、該多孔質体の見掛け表面のみならず気泡構造を構成する骨格部分内部へも均一に導入されている。なお、「光学活性基が均一に分布された」とは、光学活性基の分布が少なくともμmのオーダーで均一であることを言う。光学活性基の分布状況は、EPMAやSIMSなどを用いることで比較的簡単に確認することができる。
本発明の第2非粒子状有機多孔質体は、第1非粒子状有機多孔質体から、光学活性基の一部又は全部を脱離させて得られるもので、当該光学活性基が脱離することに起因する空間的な認識部位を生じる。この空間的認識部位は、非粒子状有機多孔質体の見掛け表面のみならず、骨格内部にも導入されており、少なくとも0.1ミリモル/g、特に好ましくは0.5〜50ミリモル/g有する。光学活性基を除去したことで生じる空間的な認識部位が0.1ミリモル/g未満であると、光学分割能が低下してしまうため好ましくない。光学活性基を除去したにもかかわらず光学分割能力が維持されることについては、空間的な認識部位のインプリント効果として説明できる。また、本発明の空間的な認識部位を生じる第2非粒子状有機多孔質体は、第1非粒子状有機多孔質体に比べて、吸着量と選択性が一層向上することについては驚くべきことである。第1及び第2非粒子状有機多孔質体は鏡像異性体を分離するカラムクロマトグラフィーで用いる吸着剤として有用である。
次に、本発明の第1非粒子状有機多孔質体の製造方法について説明する。該第1非粒子状有機多孔質体は、光学活性基を含む油溶性モノマー、界面活性剤及び水を含有する被処理物を攪拌混合して油中水滴型エマルジョンを調製した後、静置下重合することにより製造される。
第1非粒子状有機多孔質体の製造方法の一例を以下に示す。すなわち、当該有機多孔質体は、光学活性基を含む油溶性モノマー、界面活性剤、水および必要に応じて架橋性モノマーや重合開始剤とを混合し、油中水滴型エマルジョンを調製し、これを重合させて製造する。
光学活性基を含む油溶性モノマーとしては、ピナニル基、メントキシル基等の光学活性基を含み、水に対する溶解性が低く、親油性のモノマーを指すものである。これらモノマーの具体例としては、p−ピナニルジメチルシリルスチレン、p−メントキシカルボニルスチレン、p−ピナニルジメチルシリル−α−メチルスチレン、p−メントキシカルボニル−α−メチルスチレン、アクリル酸ピナニルジメチルシリルメチル、アクリル酸ピナニルジメチルシリルエチル、メタクリル酸ピナニルジメチルシリルメチル、メタクリル酸ピナニルジメチルシリルエチル、アクリル酸メンチル、メタクリル酸メンチル等が挙げられる。これらモノマーは、1種単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。ただし、本発明においては、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、ブタンジオールジアクリレート等の架橋性モノマーを上記光学活性基を含む油溶性モノマーに対して、0.5〜90モル%、好ましくは1〜80モル%共重合することが、吸着剤や分離用充填剤として必要な機械的強度が得られる点で好ましい。
界面活性剤は、光学活性基を含む油溶性モノマーと水とを混合した際に、油中水滴型(W/O)エマルジョンを形成できるものであれば特に制限はなく、ソルビタンモノオレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレート、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート等の非イオン界面活性剤;オレイン酸カリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム等の陰イオン界面活性剤;ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド等の陽イオン界面活性剤;ラウリルジメチルベタイン等の両性界面活性剤を用いることができる。これら界面活性剤は、1種単独または2種類以上を組み合わせて使用することができる。なお、油中水滴型エマルジョンとは、油相が連続相となり、その中に水滴が分散しているエマルジョンを言う。上記界面活性剤の添加量は、油溶性モノマーの種類および目的とするエマルジョン粒子(マクロポア)の大きさによって大幅に変動するため一概には言えないが、油溶性モノマーと界面活性剤の合計量に対して約2〜70%の範囲で選択することができる。
重合開始剤としては、熱及び光照射によりラジカルを発生する化合物が好適に用いられる。重合開始剤は水溶性であっても油溶性であっても良く、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサンニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、過酸化ベンゾイル、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素-塩化第一鉄、過硫酸ナトリウム-酸性亜硫酸ナトリウム、テトラメチルチウラムジスルフィド等が挙げられる。ただし、場合によっては、重合開始剤を添加しなくても加熱のみや光照射のみで重合が進行する系もあるため、そのような系では重合開始剤の添加は不要である。
光学活性基を含む油溶性モノマー、界面活性剤、水、架橋性モノマー、および重合開始剤とを混合し、油中水滴型エマルジョンを形成させる際の混合方法としては、特に制限はなく、各成分を一括して一度に混合する方法や、油溶性モノマー、架橋性モノマー、界面活性剤および油溶性重合開始剤である油溶性成分と、水や水溶性重合開始剤である水溶性成分とを別々に均一溶解させた後、それぞれの成分を混合する方法等が使用できる。必要に応じて公知の沈殿剤を混合してもよい。
エマルジョンを形成させるための混合装置としては、被処理物を混合容器に入れ、該混合容器を傾斜させた状態で公転軸の周りに公転させながら自転させることで、被処理物を攪拌混合する、所謂遊星式攪拌装置と称されるものが使用できる。この遊星式攪拌装置は、例えば、特開平6-71110号公報や特開平11-104404号公報等に開示されているような装置である。本装置の原理は、混合容器を公転させながら自転させることにより、その遠心力作用を利用して該被処理物中の比重の重い成分を外側に移動させ攪拌すると共に、混入する気体をその反対方向に押し出して脱泡するものである。更に、該容器は公転しながら自転しているため、該容器内の該被処理物にらせん状に流れ(渦流)が発生し、攪拌作用を高める。該装置は大気圧下で運転しても良いが、脱泡を短時間で完全に行うためには、減圧下で運転することが好ましい。
また、混合条件は、目的のエマルジョン粒径や分布を得ることができる公転及び自転回転数や攪拌時間を、任意に設定することができる。好ましい公転回転数は、回転させる容器の大きさや形状にもよるが、約500〜2000回転/分である。また、好ましい自転回転数は、公転回転数の1/3前後の回転数である。攪拌時間も内容物の性状や容器の形状・大きさによって大きく変動するが、一般に0.5〜30分、好ましくは1〜20分の間で設定する。更に、用いられる容器の形状は、底面直径に対し、充填物の高さが0.5〜5となるよう、充填物を収容可能な形状が好ましい。なお、上記油溶性成分と水溶性成分の混合比は、重量比で(油溶性成分)/(水溶性成分)=2/98〜50/50、好ましくは5/95〜30/70の範囲で任意に設定することができる。
このようにして得られた油中水滴型エマルジョンを重合させる重合条件は、モノマーの種類、重合開始剤系により様々な条件が選択できる。例えば、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイル、過硫酸カリウム等を用いたときには、不活性雰囲気下の密封容器内において、30〜100℃で1〜48時間加熱重合させればよく、重合開始剤として過酸化水素-塩化第一鉄、過硫酸ナトリウム-酸性亜硫酸ナトリウム等を用いたときには、不活性雰囲気下の密封容器内において、0〜30℃で1〜48時間重合させればよい。重合終了後、内容物を取り出し、必要であれば、未反応モノマーと界面活性剤除去を目的に、イソプロパノール等の溶剤で抽出して有機多孔質体を得る。すなわち、油中水滴型エマルジョンのうち、油分が重合して骨格構造を形成し、水滴部分が気泡部を形成することになる。
上記のように、モノマーに光学活性基を導入し重合させることで、光学活性基を非粒子状有機多孔質体の表面のみならず骨格構造の内部にも均一に導入することができる。一般に光学分割においては、光学活性基による空間構造の制御のみならず、ポリマーやゲルのネットワークによって形成される光学活性基近傍の構造制御が光学分割性能を高めるために重要であることが知られており、本発明の非粒子状有機多孔質体の高い光学分割性能は、光学活性基が骨格構造内部にも均一に導入されているためと考えられる。これに対して、先行文献においては光学活性基の導入が非粒子状多孔質体の表面のみに限定されるため、性能向上に限界がある。
次に、本発明の第2非粒子状有機多孔質体の製造方法について説明する。第2非粒子状有機多孔質体の製造方法は、光学活性基を含む油溶性モノマー、界面活性剤及び水を含有する被処理物を攪拌混合して油中水滴型エマルジョンを調製した後、静置下重合させ、引き続いて光学活性基を脱離させるものである。すなわち、第2非粒子状有機多孔質体は、第1非粒子状有機多孔質体から光学活性基の一部又は全部を脱離させることによって得られる。
第2非粒子状有機多孔質体の製造方法において、被処理物を攪拌混合して油中水滴型エマルジョンを調製した後、静置下重合させるまでの詳細な方法などは第1非粒子状有機多孔質体の製造方法と同様であるためその説明を省略する。但し、第2非粒子状有機多孔質体の製造方法において、架橋性モノマーの共重合量は上記光学活性基を含む油溶性モノマーに対して、1〜90モル%、好ましくは5〜80モル%と高めに設定することが、光学活性基を脱離させた後に生じる空間的な認識部位の構造を安定化させインプリント効果を高めるため好ましい。
光学活性基の一部又は全部を脱離する方法としては、特に制限はなく、例えば、光学活性基と有機ポリマーが炭素−珪素結合を介して結合している場合には、トリフルオロ酢酸を用いることで定量的に炭素−珪素結合の切断が可能である。また、光学活性基と有機ポリマーがエステル結合、アミド結合、ウレタン結合、尿素結合等を介して結合している場合には、酸触媒や塩基触媒存在下加水分解することで定量的に結合の切断が可能である。
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
製造例1;4-(-)-ピナニルジメチルシリルスチレン(以下(-)-PSStと略す)の製造
p-ジブロモベンゼン28.4gをジエチルエーテルに溶解させ、0℃にてn-ブチルリチウム51.3gを添加、反応させた後、(-)-ピナニルジメチルシリルクロリド31.2gを添加、反応させ、通常の処理の後、減圧蒸留により精製し1-ブロモ-4-(-)-ピナニルジメチルシリルベンゼンを合成した。次に得られた1-ブロモ-4-(-)-ピナニルジメチルシリルベンゼン34.85gをジエチルエーテル溶液とし、n-ブチルリチウム42.4g、ジメチルホルムアミド6.9gを順次加え反応させた。常法通り処理した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、4-(-)-ピナニルジメチルシリルベンズアルデヒド27.4gを得た。次に得られたアルデヒドを200mlのテトラヒドロフランに溶解させ、該溶液をメチルトリフェニルヨージド36.9g、n-ブチルリチウム40.0gからなる混合溶液に加え反応し(-)-PSStを得た。(-)-PSStの精製は、展開溶媒としてヘキサンを用いたカラムクロマトグラフィーを用い、精製(-)-PSSt15.0gを得た。構造は、NMRおよびIRを用いて確認した。
製造例2;4-ビニル安息香酸(-)-メンチル(以下(-)-MtStと略す)の製造
4-ビニル安息香酸14.8gを塩化メチレンに溶解させ、N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミドを縮合剤として用いて(-)-メントール15.6gと反応させ、(-)-MtStを得た。(-)-MtStの精製は、展開溶媒としてヘキサン/酢酸エチル(19/1)を用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製し(-)-MtSt20.3gを得た。構造は、NMRおよびIRを用いて確認した
(参考例1)
(-)-ピナニルジメチルシリル基を導入した光学活性基を有する非粒子状有機多孔質体の製造
(-)-PSSt6.8g、ジビニルベンゼン2.9g、ソルビタンモノオレート1.1gおよびアゾビスイソブチロニトリル0.10gを混合し、混合液を調製した。次に当該混合液と97gの純水をエマルジョン調製用容器に入れ、遊星式攪拌装置である真空攪拌脱泡ミキサー(イーエムイー社製)を用いて13.3kPaの減圧下、公転回転数2000回転/分、自転回転数600回転/分で2.5分間攪拌し、油中水滴型エマルジョンを調製した。乳化終了後、系を窒素で十分置換した後密封し、静置下60℃で24時間重合させた。重合終了後、内容物を取り出し、イソプロパノールで18時間ソックスレー抽出し、未反応モノマー、水およびソルビタンモノオレートを除去した後、85℃で一昼夜減圧乾燥した。乾燥後の有機多孔質体の重量は9.5g、収率は98%であった。得られた有機多孔質体のIR測定から、SiC-Hの特性吸収(1250cm-1)やSi-CH3の特性吸収(1116cm-1)が認められることと、収量が定量的であることから、光学活性基は有機多孔質体中に定量的に導入されており、その導入量は、19.5ミリモル/gであった。
このようにして得られた(-)-PSSt/ジビニルベンゼン共重合体よりなる光学活性基が導入された有機多孔質体の内部構造を、SEMにより観察した結果を図1に示す。図1から明らかなように、当該有機多孔質体は連続気泡構造を有しており、マクロポアおよびメソポアの大きさが均一であることがわかる。また、水銀圧入法により測定した当該有機多孔質体の細孔分布曲線はシャープであり、細孔分布曲線のピークの半径Rは2.8μm、ピークの半値幅(W)は1.1μm、半値幅をピークの半径で除した値(W/R)は0.40であった。なお、当該有機多孔質体の全細孔容積は、9.7ml/gであった。また、マクロボイドの有無を確認するため、上記有機多孔質体を切断し、目視にて内部の状態を観察したが、マクロボイドは全くなかった
(参考例2)
(-)-メントキシカルボニル基を導入した光学活性基を有する非粒子状有機多孔質体の製造
(-)-MtSt11.7g、ジビニルベンゼン1.3g、ソルビタンモノオレート2.6gおよびアゾビスイソブチロニトリル0.26gを混合し、混合液を調製した。次に当該混合液と130gの純水をエマルジョン調製用容器に入れ、遊星式攪拌装置である真空攪拌脱泡ミキサー(イーエムイー社製)を用いて13.3kPaの減圧下、公転回転数2000回転/分、自転回転数600回転/分で2.5分間攪拌し、油中水滴型エマルジョンを得た。乳化終了後、系を窒素で十分置換した後密封し、静置下60℃で24時間重合させた。重合終了後、内容物を取り出し、アセトンで18時間ソックスレー抽出し、未反応モノマー、水およびソルビタンモノオレートを除去した後、85℃で一昼夜減圧乾燥した。乾燥後の有機多孔質体の重量は13.0g、収率は100%であった。得られた有機多孔質体のIR測定から、芳香族エステルの特性吸収(1720cm-1)が認められることと、収量が定量的であることから、光学活性基は有機多孔質体中に定量的に導入されており、その導入量は、3.2ミリモル/gであった。
このようにして得られた(-)-MtSt/ジビニルベンゼン共重合体よりなる有機多孔質体の内部構造は、参考例1で製造した(-)-PSSt/ジビニルベンゼン共重合体よりなる有機多孔質体と同様に連続気泡構造を有しており、マクロポアおよびメソポアの大きさが均一であった。また、水銀圧入法により測定した当該有機多孔質体の細孔分布曲線はシャープであり、細孔分布曲線のピークの半径Rは2.5μm、ピークの半値幅(W)は1.0μm、半値幅をピークの半径で除した値(W/R)は0.41であった。なお、当該有機多孔質体の全細孔容積は、8.7ml/gであった。また、マクロボイドの有無を確認するため、上記有機多孔質体を切断し、目視にて内部の状態を観察したが、マクロボイドは全くなかった
(実施例1)
光学活性基を導入し、引き続いて除去したことで生じる空間的な認識部位を有する非粒子状有機多孔質体の製造
参考例1で製造した光学活性基が導入された有機多孔質体0.680gをn-ヘキサンに1時間浸漬させ十分に膨潤させた後、トリフルオロ酢酸/n-ヘキサン(3/1)溶液に室温にて3日間浸漬し、光学活性基であるピナニルシリル基の脱離反応を行った。反応後、中和のため多孔質体をトリエチルアミン/n-ヘキサン(1/1)溶液に室温にて3日間浸漬し、アセトンでソックスレー抽出し精製し、凍結乾燥により単離した。収量は0.288gであった。脱離反応の進行はIRで追跡し、反応後の多孔質体中にSiC-Hの特性吸収(1250cm-1)やSi-CH3の特性吸収(1116cm-1)が全く消失したことから、脱離反応の定量的進行を確認した。脱離反応後の有機多孔質体の内部構造をSEMにより観察したところ、連続気泡構造が保持されていることが確認できた(図2)。また、細孔容積は11.9ml/gであり、反応前(9.7ml/g)より細孔容積の増加が確認された
(参考例3)
鏡像異性体であるDL-マンデル酸の有機多孔質体への吸着
DL-マンデル酸をエタノールに溶解させ、0.25重量%の溶液を調製した。この溶液に参考例1又は参考例2で製造した有機多孔質体を室温にて所定時間浸漬させた後、吸着したDL-マンデル酸を純エタノールで脱着させ、光学活性カラムを備えたHPLC測定により吸着量と選択性を測定した。その結果を表1に示す。表1から明らかなように、参考例1及び参考例2で製造した光学活性基が導入された有機多孔質体はいずれもS体を選択的に吸着した。
Figure 0004315337
(実施例2)
trans-スチルベンオキシドの有機多孔質体への吸着
trans-スチルベンオキシドをアセトン又はトルエンに溶解させ、0.25重量%の溶液を調製した。この溶液に参考例1又は実施例で製造した有機多孔質体を室温にて所定時間浸漬させた後、吸着したtrans-スチルベンオキシドをアセトン又はトルエンで脱着させ、光学活性カラムを備えたHPLC測定により吸着量と選択性を測定した。その結果を表2に示す。
Figure 0004315337
表2から明らかなように、参考例1及び実施例で製造した有機多孔質体のいずれの場合もS-体選択性が見られた。実施例で得られた有機多孔質体は光学活性基を持たないにもかかわらずS-体選択性を示し、吸着量も1.5倍に増加した。有機多孔質体に導入された光学活性基は、有機多孔質体表面にぶら下がっている空間的な認識部位を形成しないものと、骨格担体内であって空間的な認識部位を形成する2種類があり、光学活性基が脱離された後に形成される空間的な認識部位は、周囲がポリマーの骨格壁で囲まれているため、有機多孔質体の表面にぶら下がっている光学活性基を含むものよりは、吸着物質を安定且つ強固に吸着できる。このため、上記のような高い吸着量を示したものと思われる。
参考例1で得られた有機多孔質体のSEM写真である。 実施例で得られた有機多孔質体のSEM写真である。

Claims (1)

  1. 光学活性基を含む油溶性モノマーとしてp−ピナニルジメチルシリルスチレン、p−メントキシカルボニルスチレン、p−ピナニルジメチルシリル−α−メチルスチレン、p−メントキシカルボニル−α−メチルスチレン、アクリル酸ピナニルジメチルシリルメチル、アクリル酸ピナニルジメチルシリルエチル、メタクリル酸ピナニルジメチルシリルメチル、メタクリル酸ピナニルジメチルシリルエチル、アクリル酸メンチル又はメタクリル酸メンチル、界面活性剤及び水を含有する被処理物を攪拌混合して油中水滴型エマルジョンを調製した後、静置下重合させて、互いにつながっているマクロポアとマクロポアの壁内に半径が0.01〜100μmのメソポアを有する連続気泡構造の有機多孔質体に、光学活性基が表面及び骨格部分内部に均一に導入されている第1非粒子状有機多孔質体を得、引き続いて該第1非粒子状有機多孔質体から光学活性基の一部又は全部を脱離させて、光学分割能を有する第2非粒子状有機多孔質体を製造する方法。
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