JP2001096020A - パチンコ玉の送り出し制御装置 - Google Patents

パチンコ玉の送り出し制御装置

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JP2001096020A JP2000275288A JP2000275288A JP2001096020A JP 2001096020 A JP2001096020 A JP 2001096020A JP 2000275288 A JP2000275288 A JP 2000275288A JP 2000275288 A JP2000275288 A JP 2000275288A JP 2001096020 A JP2001096020 A JP 2001096020A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 モータを動力源としてパチンコ玉の送り出し
を行なう制御装置において、パチンコ玉の排出状態に基
づいて、モータを制御し、パチンコ玉の確実な送り出し
を実現する。 【解決手段】 景品球を払い出す送り出し装置のパチン
コ玉排出側に景品球確認スイッチを設け、所定時間、景
品球の検出がなされないと(ステップS120)、モー
タの回転速度を低下して駆動トルクの増大を図る(ステ
ップS190)。最低速度としてもなお景品球の確認が
できない場合には、所定時間t2の経過を待って(ステ
ップS210)から、送り出し装置のステッピングモー
タを逆転して(ステップS220)、パチンコ玉の噛み
込みを解消する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はパチンコ玉の送り出
し制御装置に関し、詳しくは電動機を駆動源としてパチ
ンコ玉を順次送り出すパチンコ玉の送り出し制御装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のパチンコ玉の送り出し制
御装置では、玉通路に集められて縦列をなすパチンコ玉
をストッパにより一旦止め、制御手段からの信号に基づ
いてソレノイド等によりストッパを開閉し、パチンコ玉
の自重により1個ずつパチンコ玉を送り出す送り出し装
置とこれを単純にオン・オフ制御する制御装置とが用い
られていた。かかる構成では、玉の計数の精度・送り出
しの速度が低く、しかもストッパ等が開いたまま故障す
ると玉が出っぱなしなるといった不具合がある。そこ
で、これを解決するために、駆動源にDCモータ等の電
動機を用い、外周にパチンコ玉が嵌入しえる切欠を備え
た玉切り円盤をその外周が玉通路に臨むよう設け、入賞
信号に応じてこの玉切り円盤を所定角度回転して、必要
な個数のパチンコ玉を送り出す装置を用いたものが提案
されている(特開昭63−164977号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電動機
を用いその回転によりパチンコ玉の排出を行なう構成を
採る場合、電動機を用いるため装置全体が大型化すると
いう問題があった。かといって、電動機を単に小型化し
たのでは、駆動力が不十分になってしまうことが考えら
れ、パチンコ玉を確実に送り出す上での信頼性に欠けて
しまう。特に、パチンコ玉の場合、油気等の玉質により
その送り易さもかなり変動する。また、送り出し機構前
後の玉の状態や環境温度,湿度等の条件によっても、確
実にパチンコ玉を排出できる条件は異なる。
【0004】更に、パチンコ玉の送り機構の場合、パチ
ンコ玉の噛み込みといった不慮の事態を完全に免れるこ
とは極めて困難であり、こうした場合にも確実にパチン
コ玉を排出する構成が望まれていた。本発明のパチンコ
玉の送り出し制御装置は上記問題点を解決し、装置の小
型化と信頼性の向上とを図ることを目的としてなされ
た。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】か
かる目的を達成する本発明のパチンコ玉の送り出し制御
装置は、電動機を駆動源とし、該電動機の回転によりパ
チンコ玉を順次排出するパチンコ玉排出機構と、該パチ
ンコ玉排出機構から排出されるパチンコ玉の排出状態を
検出するパチンコ玉状態検出手段と、該検出されたパチ
ンコ玉の排出状態に基づいて、所定時間内にパチンコ玉
が排出されないと判断された場合には、前記パチンコ玉
排出機構の前記電動機を逆転運転する電動機制御手段と
を備えたことを要旨とする。
【0006】上記構成を有する本発明のパチンコ玉の送
り出し制御装置は、パチンコ玉状態検出手段により、電
動機の回転によってパチンコ玉を順次排出するパチンコ
玉排出機構から排出されるパチンコ玉の排出状態を検出
する。検出されたパチンコ玉の状態に基づき、所定時間
内にパチンコ玉が排出されないと判端された場合には、
パチンコ玉排出機構の電動機を逆転運転する。この結
果、パチンコ玉排出機構は、パチンコ玉の噛み込みなど
が生じた場合でも、短時間の内に、パチンコ玉を確実に
送り出すことができる。
【0007】なお、かかるパチンコ玉の送り出し制御装
置において、電動機を逆転運転した後、この電動機を最
低速度で運転し、所定時間以内に、パチンコ玉排出機構
によるパチンコ玉の排出が検出された場合には、電動機
の運転速度を漸増するものとしても良い。
【0008】また、電動機を逆転運転した後、電動機を
最低速度で運転し、所定時間以内に、パチンコ玉排出機
構によるパチンコ玉の排出が検出されなかった場合に
は、警報(アラーム)処理を行なうものとしても良い。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の構成・作用を一層明らか
にするために、以下本発明のパチンコ玉送り出し制御装
置の好適な実施例について説明する。図1は実施例とし
てのパチンコ玉送り出し制御装置の概略構成図、図2は
この送り出し制御装置が設けられたパチンコ台の概略構
成図である。
【0010】まず、パチンコ台の構成から説明する。パ
チンコ台は、図2に示したように、機枠1と、機枠1の
前面に開閉自在に取り付けられた前枠3と、前枠3の裏
面に着脱自在に装着される遊技盤5を中心に構成されて
いる。遊技盤5の裏面には、種々の機構が装着される機
構板7が回動自在に取り付けられており、この機構板7
の裏面上部には、図示しないパチンコ玉送給装置から送
給されるパチンコ玉を貯める景品球タンク10が固定さ
れている。この景品球タンク10の下方には、景品球と
なるパチンコ玉を、2列に縦列させて導き出す導出樋1
2が形成されており、その下端にパチンコ玉の送し出し
装置20が装着されている。また、前枠3下部には、玉
発射装置14が取り付けられている。
【0011】導出樋12の途中には、送り出し装置20
が動作するのに十分な数のパチンコ玉が溜まっていない
場合にこれを検出する玉補給インターロックスイッチ1
5が設けられている。また、導出樋12の末端、送り出
し装置20の直前には、導出樋12での玉詰まり等を検
出する玉詰まりインターロックスイッチ17と、送り出
し装置20直前のパチンコ玉の存在を検出する玉確認ス
イッチ18が設けられている。また、送り出し装置20
のパチンコ玉排出側直下には、送り出し装置20から払
い出される景品球を検出する景品球確認スイッチ19が
設けられている。送り出し装置20は、後述する電子制
御装置の制御の下で、景品球の払出しを行なう。
【0012】なお、玉補給インターロックスイッチ1
5,玉詰まりインターロックスイッチ17,玉確認スイ
ッチ18,景品球確認スイッチ19は、2列設けられた
導出樋12の各々に応じて、2個ずつ設けられている
が、同一の構成なので以下の説明では一方のみを示す。
また、玉確認スイッチ18,景品球確認スイッチ19の
構成と働きについては、送り出装置20の構成および働
きと併せて、後で詳解する。
【0013】送り出し装置20による景品球の送り出し
は、入賞球に応じて行なわれるが、この入賞球は、入賞
球導出路23に設けられた検出器24により検出され
る。入賞球は、入賞した役物の種類等に応じて3つに区
別されており、検出器24も3組設けられている。パチ
ンコ玉の送り出しを開始するための信号という意味で、
これを第1,第2,第3スタートスイッチ(24a,
b,c)と呼んでいる。
【0014】送り出し装置20の下方には、送り出し装
置20によって計数されて放出されたパチンコ玉を前枠
3の前面に設けられた上皿(図1符号33)および下皿
(図1符号34)に導く放出樋26が設けられている。
なお、放出樋26と上皿33,下皿34との接続部近傍
には、上皿33および下皿34にパチンコ玉が一杯にな
ったことを検出する上下皿インターロックスイッチ27
が設けられている。
【0015】次に、送り出し装置20の構成について説
明する。送り出し装置20は、図3,図4に示すよう
に、上下に開口した中空の角筒体形状のケース29を有
し、その内部の導出樋12の下端に対応した位置に、2
列の玉通路31,32を備える。また、ケース29の内
部には、ケース29の壁面に両端が支持された横軸35
が設けられ、この横軸35に2つの玉切り円盤41,4
2が連結筒部43により一体かつ横軸35に対して回転
自在に軸支されている。
【0016】各玉切り円盤41,42は、外周の13箇
所に半円状の切欠Paを有する2枚のスプロケット44
と、このスプロケット44を両側に固定したブラケット
45とから構成されている。玉切り円盤41,42は、
その外周が、図4に示すように、玉通路31,32の内
部に臨む位置に設けられている。また、スプロケット4
4の外周に設けられた切欠Paの径が、パチンコ玉とほ
ぼ同一であることから、玉切り円盤41,42が回転す
ると、玉通路31,32内のパチンコ玉Bは一つずつ、
放出樋26へと送り出されることになる。なお、玉切り
円盤41,42は、切欠Paのピッチのちょうど1/2
だけずれた回転位置で互いに固定されており、パチンコ
玉の送り出しは、交互になされる。
【0017】2組の玉切り円盤41,42を連結する連
結筒部43の外周には、ウオーム歯車46が固定されて
いる。このウオーム歯車46には、これを駆動するウオ
ーム47が噛み合わされている。このウオーム47が取
り付けられた軸49は、一端がケース29の外壁に回転
自在に軸支され、他端がステッピングモータ50の回転
軸51に固定されている。ステッピングモータ50は、
ケース29外壁に固定されている。ステッピングモータ
50が回転すると、その回転軸51に直結されたウオー
ム47の回転を介してウオーム歯車46が回転し、玉切
り円盤41,42も回転する。玉切り円盤41,42の
回転の状態を検出するために、玉切り円盤42の一方の
スプロケット44を挟む位置に、赤外光を利用した透過
型光検出器55が設けられている。この透過型光検出器
55は、スプロケット44の切欠Paより、光が透過も
しくは遮断する毎に、即ちパチンコ玉が1個送り出され
る毎に、パルス信号を送出する。
【0018】なお、この送り出し装置20と玉確認スイ
ッチ18,景品球確認スイッチ19との取付位置関係に
ついて説明すると、図4に示すように、玉確認スイッチ
18は、送り出し装置20の玉通路31,32の直前に
設けられており、景品球確認スイッチ19は、その直下
に設けられている。
【0019】次に、パチンコ台全体の制御を行なう電子
制御装置60とこの電子制御装置60が制御する送り出
し装置20周りの構成について、図1を参照しつつ説明
する。この電子制御装置60は、周知の算術論理演算部
やROM,RAM等を中心に構成されている。電子制御
装置60は、上述した各種スイッチからの信号を取り込
み、送り出し装置20あるいは図示しない入賞表示ラン
プなどの表示素子群等を制御する。
【0020】玉補給インターロックスイッチ15,玉詰
まりインターロックスイッチ17,玉確認スイッチ1
8,景品球確認スイッチ19,第1,第2,第3スター
トスイッチ24,上下皿インターロックスイッチ27等
の各種スイッチは、電子制御装置60の入力ポートに、
また玉発射装置14,送り出し装置20のステッピング
モータ50などは出力ポートに、各々接続されている。
電子制御装置60内には、これらのスイッチおよび外部
装置に応じたインタフェース回路が設けられているが、
ここでは図示および説明を省略する。
【0021】本実施例で用いた玉確認スイッチ18と景
品球確認スイッチ19との構成について説明する。玉確
認スイッチ18と景品球確認スイッチ19は、玉確認ス
イッチ18が2個の検出コイルL1,L2を有し、景品
球確認スイッチ19が単一のコイルL1を備えることを
除いて、他は同一の構成を有する。そこで玉確認スイッ
チ18を例として、これらのスイッチと電子制御装置6
0との構成および電子制御装置60との接続、更にパチ
ンコ玉の検出の原理について説明する。図5に示すよう
に、玉確認スイッチ18および景品球確認スイッチ19
は、断面「コ」の字形の筐体71を備え、この内部に基
板73を備える。この基板73の一端は、筐体71の外
に飛び出しており、接続端子75として用いられてい
る。基板73には、図6に示したトランジスタ等の電子
部品が組み立てられている。コイルL1,L2は、「コ
の字形の筐体71の突出した収納部81,82に収納さ
れる。収納部81,82の中心間距離、即ちコイルL
1,L2の中心間距離は、パチンコ玉Bの直径の丁度
1.5倍の距離とされている。
【0022】玉確認スイッチ18は、図6に示すよう
に、12ボルトが供給される電源端子T1と、電子制御
装置60の入力ポートPB1に接続される検出端子T2
とを有する。この検出端子T2は、回路のグランドレベ
ルを兼ねており、電子制御装置60側で抵抗器RDを介
して接地されている。
【0023】玉確認スイッチ18は、高周波発振回路C
Oと、高周波発振回路COの発振状態に基づいてオン・
オフするスイッチング回路SWとから構成されている。
高周波発振回路COは、特性が同一の2つのトランジス
タを同一チップ内に形成した双トランジスタTr1を備
え、この双トランジスタTr1の両エミッタとグランド
ラインとの間に介装された抵抗器R3,コンデンサC
1,C2およびコイルL1,L2により、コルピッツ型
の高周波発振回路として構成されている。なお、双トラ
ンジスタTr1のベースは、抵抗器R2を介して電源ラ
インに接続されている。この高周波発振回路COは、コ
イルL1,L2にパチンコ玉Bが接近していないとき
は、コイルL1,L2のインダクタンスとコンデンサC
1,C2の容量とで決まる発振周波数で発振する。本実
施例での発振周波数は、およそ300KHzとなってい
る。コイルL1,L2のいずれかにパチンコ玉Bが接近
すると、コイルL1,L2が生成する磁束によりパチン
コ玉Bの内部には渦電流が生じ、この渦電流損失により
高周波発振回路COの発振は減衰・停止する。
【0024】高周波発振回路COの双トランジスタTr
1のコレクタ端子に接続されたスイッチング回路SW
は、トランジスタTr2を中心に構成され、双トランジ
スタTr1が発振している状態または発振を停止してい
る状態に応じて、トランジスタTr2がオン状態または
オフ状態となる。このトランジスタTr2のコレクタ端
子には、電源端子T1から12ボルトの電圧が加えられ
ているが、検出端子T2が抵抗器RD(本実施例では抵
抗値680Ω)により接地されていることから、トラン
ジスタTr2の状態により検出端子T2の電圧は変化す
る。電子制御装置60は、この電圧の変化により玉確認
スイッチ18の状態を検出することができる。
【0025】この点をやや詳細に説明する。トランジス
タTr2のエミッタ端子に接続された抵抗器R4は、電
源端子T1抵抗器R1より抵抗値が小さいから(本実施
例では220Ω:27KΩ)、トランジスタTr2がオ
ン状態となると、電源端子T1からトランジスタTr,
抵抗器R4を介してツェナーダイオードD1に流れる電
流は、抵抗器R1を介して流れる電流より増大する(お
よそ約130倍となる)。この電流は最終的には、検出
端子T2に接続された電子制御装置60の抵抗器RDを
介して接地側に流れ込むから、抵抗器RDの両端電圧、
即ち電子制御装置60の入力ポートPB1の電圧は、ト
ランジスタTr2がオフ状態で約0.2ボルト、オン状
態で約4.9ボルトとなる。従って、電子制御装置60
は入力ポートPB1の状態を監視することで、玉確認ス
イッチ18がパチンコ玉Bを検出している状態(ロウレ
ベル)、検出していない状態(ハイレベル)を容易に知
ることができる。
【0026】玉確認スイッチ18のコイルL1およびL
2は、図5に示したように、その中心間距離DLは、パ
チンコ玉Bの直径の1.5倍となっている。従って、コ
イルL1の中心(磁束密度最大)にパチンコ玉Bの中心
が位置しているとき、コイルL2の中心は、隣り合った
パチンコ玉の接触点にほぼ対応した位置となる。換言す
れば、コイルL1の中心がパチンコ玉の中心からはずれ
るに従って、コイルL2の中心にパチンコ玉の中心が近
づいてくることになる。従って、パチンコ玉が隣同士接
した状態となっていれば、パチンコ玉全体が移動してい
ても、コイルL1,L2の磁束のいずれかにより渦電流
損失を生じ、高周波発振回路COの発振は常時ほぼ停止
状態となり、スイッチング回路SWのトランジスタTr
2はオフ状態となって、電子制御装置60の入力ポート
PB1はロウレベルとなる。
【0027】一方、景品球確認スイッチ19にはコイル
L2は存在しないから、パチンコ玉Bが通過する度に高
周波発振回路COの発振は中断することになり、パチン
コ玉がかなり近接した状態で連続して通過しても、パチ
ンコ玉B1個1個の通過に応じて検出端子T2は短時間
ロウレベルとなる。従って、電子制御装置60は、入力
ポートPB2のレベルを監視することにより、景品球の
通過を個別に検出してこれをカウントすることができ
る。
【0028】以上の構成を有する電子制御装置60が実
行する処理について、説明する。本実施例の電子制御装
置60は、スタートスイッチ24が入賞球を検出すると
図7に示した景品球払出し処理ルーチンを実行する。こ
のルーチンか起動されると、まず、払出し数をカウント
する変数iに所定数Sを設定する処理を行なう(ステッ
プS100)。通常のパチンコ台では、変数iには、値
7もしくは15が設定される。その後、送り出し装置2
0のステッピングモータ50をその最小駆動速度まで制
御する処理を行なう(ステップS110)。ステッピン
グモータ50の起動時には大きな駆動力を必要とするの
で、図8に示すように、大きな駆動電力が加えられる。
【0029】続いて、所定時間t1以内にパチンコ玉の
払出しが検出されたか否かの判断を行なう(ステップS
120)。最小駆動速度でステッピングモータ50が駆
動され玉切り板41が回転してパチンコ玉が正常に送り
出されると、景品球確認スイッチ19がこれを検出する
から、この信号に基づいてパチンコ玉の払出しが確認さ
れる。所定時間t1以内に払出しの検出がなされた場合
には、景品球の払出しの残数を示す変数iを値1だけデ
クリメントし(ステップS130)、更にパチンコ玉の
払出しが正常に行なわれているとして、フラグFrに値
0をセットする(ステップS140)。
【0030】その後、変数iが値0であるか否かの判断
を行ない(ステップS150)、値0でない、即ちまだ
払出していない景品球が残っていると判断された場合に
は、ステッピングモータの駆動速度が最大速度か否かを
判断し(ステップS160)、未だ最高速度でないと判
断した場合には駆動速度を1段階アップする処理を行な
う(ステップS170)。その後、あるいは処理速度が
既に最高速度に達していると判断されれば、そのままス
テップ120に戻って所定時間内に払出しが検出される
か否かの判断から処理を繰り返す。この処理により、図
9に区間1として示した様に、所定時間t1以内にパチ
ンコ玉の払出しが検出されている限り、駆動速度は次第
に高くなり、やがて最高速度で駆動される。その後、パ
チンコ玉の払出しが継続すれば、最高速度での払出しが
継続される。この様子を図9に、区間2として示した。
【0031】一方、パチンコ玉の払出しが継続できない
条件が存在する。例えば、送り出し装置20における玉
詰まりや玉噛みの発生といったトラブルのみならず、景
品球として払出し可能なパチンコ玉の供給が遅れ、玉補
給インターロックスイッチ15などがこうした状態を検
出するといった事態などが考えられる。こうした場合に
は、パチンコ玉の払出しは検出できなくなり、ステップ
S120における判断は「NO」となる。こうして、ス
テッピングモータ50を駆動しても所定時間t1以内に
払出しが検出できない場合には、ステッピングモータ5
0の駆動速度が最低速度か否かの判断を行ない(ステッ
プS180)、最低速度でなければ、その駆動速度を1
段階ダウンする処理を行なう(ステップS190)。こ
の結果、パチンコ玉の払出しが検出できない状態が続く
と、図9に区間3として示したように、ステッピングモ
ータ50の駆動速度は漸減する。
【0032】駆動速度の低下は通常、駆動トルクの増大
を結果するから、摩擦等により動きにくかったパチンコ
玉の場合は駆動速度が漸減すると玉切り板41が動きは
じめ、パチンコ玉の払出しが行なわれる事が多い。この
結果、パチンコ玉の払出しの検出がなされ(ステップS
120)、駆動速度の増大もなされる。駆動速度を高め
ると駆動トルクは一般に減少するからパチンコ玉の送り
出しがなされず、駆動速度は再び低下する。即ち、この
状態(図9、区間4)になると、駆動速度の増大と低減
が繰り返されることになる。パチンコ玉の払出しを阻害
していた要因が完全に除かれれば、パチンコ玉は次々に
排出される状態となり、駆動速度も上昇する。この様子
を図9区間5として示した。
【0033】パチンコ玉の排出が行なわれず、ステッピ
ングモータ50の駆動速度が最低速度に向けて漸減され
た後(図9区間6)、時間t2が過ぎても払出しが検出
されないと(ステップS120,180)、続いてフラ
グFrが値1か否かの判断行なわれる(ステップS20
0)。通常フラグFrは値0に設定されているから、ス
テップS200での判断は「NO」となり、更に時間t
2が経過したか否かの判断が行なわれる(ステップS2
10)。ステッピングモータ50が最低速度で所定時間
t2だけ保持されてもなおパチンコ玉の払出しが検出で
きない場合には、送り出し装置20における玉詰まり等
が発生したと判断して、次に時間t3だけステッピング
モータ50を逆転させる制御を行ない(ステップS22
0)、その直後に逆転制御を行なったことを示すために
フラグFrに値1を設定する処理を行なう(ステップS
230)。なお、ステップS220の処理により所定期
間逆転制御された後、ステッピングモータ50は、再び
最低速度で正転方向に回転される。
【0034】通常であれば、噛み込みや詰まりを起こし
たパチンコ玉は、ステッピングモータ50の逆転による
玉切り板41の逆転により、詰まり等の状態が解消さ
れ、引き続くステッピングモータ50の通常の回転(正
転)により、送り出し装置20から排出される。従っ
て、図9に示した区間7におけるステッピングモータ5
0の逆転の後、ステッピングモータ50が正転すると、
パチンコ玉の払出しが検出され(ステップS120)、
景品球の残数iはデクリメントされ(ステップS13
0)、送り出し装置20の駆動速度は次第に上昇される
(図9区間8)。一方、ステッピングモータ50を一旦
逆転したあとで、なおパチンコ玉の払出しが検出できな
い場合には、重大な故障が発生している可能性があると
して、アラーム処理を行ない(ステップS240)、本
処理ルーチンを終了する。
【0035】こうした故障がなく、パチンコ玉の払出し
が継続し、所定数Sのパチンコ玉の払出しが完了する
と、入賞球の残数が有るか否かの判断を行ない(ステッ
プS260)、入賞球に残数がある場合には、継続して
払出しを行なうものとして、変数iに再び所定値Sを設
定してから、払出し検出の処理(ステップS120)に
戻って、ここから上述した処理を繰り返す。この結果、
送り出し装置20を最低速度から再度駆動する必要がな
いので、景品球の効率的な払出しが可能となる。なお、
入賞球の残数がなければ、そのまま「END」に抜け
て、本処理ルーチンを終了する。この結果、送り出し装
置20は停止する。
【0036】図8は、駆動速度を上昇もしくは低下して
ゆくときの駆動電力の様子を示すグラフである。図示す
るように、パチンコ玉の払出しが検出されて駆動速度を
1段階アップするとき(区間11)、駆動電力を短期間
急増し、その後は駆動速度により定まる所定のレベルに
維持する。駆動速度が最大に達すると駆動電力は一定に
保たれる(区間12)。駆動速度を低下する場合は、上
昇する場合と同様、駆動電力を一旦増大してトルクを増
やし、その後、駆動速度により定まる所定のレベルに維
持する(区間13)。このように制御することにより、
大きな駆動トルクを得ることと、ステッピングモータ5
0の加熱を防止することを両立させている。
【0037】定常的な駆動を行なう場合でも、図10に
示すように、平均的な駆動電力PAVを得るために、同様
に、最大駆動電力Pmax と最小駆動電力Pmin とを組み
合わせて、ステッピングモータ50を制御している。最
大駆動電力Pmax が加えられたところで、送り出し装置
20は、装置各部やパチンコ玉の最大静止摩擦係数によ
る摩擦力および慣性に抗して動き始め、一方、全体とし
ては平均的な駆動電力PAVにより駆動されて、無用な発
熱等を生じることがない。
【0038】以上説明した本実施例のパチンコ玉送り出
し装置によれば、小型のステッピングモータ50を用い
て、装置の小型化を図りつつ、ステッピングモータ50
によるパチンコ玉の送り出しを確実なものにすることが
できる。また、装置の小型化を図ることができるから、
パチンコ台背面の狭隘なスペースへの取付の容易化、設
計自由度の向上等を図ることもできる。本実施例では、
モータの大きさは、体積比で従来の1/2程度とするこ
とができた。
【0039】更に、本実施例では、パチンコ玉の払出し
を監視して、払出しが連続して行なわれている場合、即
ち払出しの条件が良好な場合には、払出しの速度を高
め、払出しができないなど払出しの条件が悪い場合に
は、払出しの速度を低下して駆動トルクを高め、パチン
コ玉の払出しを一層確実なものとしている。また、本実
施例では、駆動源にステッピングモータ50を用いてい
るが、ステッピングモータは、DCモータと異なり、回
路の短絡などにより回転し続けるといった故障は生じ難
く、パチンコ玉の送り出し装置としての信頼性は高い。
【0040】なお、本実施例では、景品球確認スイッチ
19による払出しの検出に基づいて駆動速度を制御した
が、玉の供給が追いつかないことを玉補給インターロッ
クスイッチ15により検出した場合に駆動速度を下げて
景品球の払出しが途切れないものとすることもできる。
この場合には、景品球の払出しが中断することがないの
で、遊技者に違和感を抱かせることがない。また、パチ
ンコ台の環境、例えば温度や湿度によりパチンコ玉の払
出し易さは異なるから、湿度が高いほど最大駆動速度を
下げて、確実に払い出せる駆動トルクを確保するなど、
最適な払出し速度に制御するといったことも可能であ
る。
【0041】このほか、玉詰まりインターロックスイッ
チ17により玉詰まりが検出された場合に払出しを中止
してアラーム処理を行なうことも可能である。更に、上
下皿インターロックスイッチ27により受皿の景品球が
あふれていることが検出された場合に、景品球の払出し
速度を低下したり、払出しそのものを中止したりするこ
とも可能である。
【0042】本実施例では、スタートスイッチ24から
の信号(入賞球の検出信号)に基づいて送り出し装置2
0を駆動して所定数(7個もしくは15個等)のパチン
コ玉を景品球として払い出すものとしたが、パチンコ台
に玉貸出スイッチを設け、所定の料金が支払われかつ玉
貸出スイッチが押された場合に、本実施例のパチンコ玉
送り出し制御装置により、景品球とは異なる個数のパチ
ンコ玉を払い出すものとすることもできる。例えば、一
回の玉貸出スイッチの操作により25個のパチンコ玉を
貸し出す構成とすることも容易である。また、貸出用に
投入された金額に応じて、25の整数倍もしくはルック
アップテーブル等から定まる所定個数のパチンコ玉を貸
し出す構成とすることもできる。
【0043】以上本発明の実施例について説明したが、
本発明はこうした実施例に何等限定されるものではな
く、例えばDCモータなどの他のモータを駆動源とした
構成、3相以上の多相のステッピングモータを用いた構
成、あるいはパチンコ玉の貸出器などパチンコ玉の数を
計数する装置に用いた構成など、本発明の要旨を逸脱し
ない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿
論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるパチンコ玉送り出し制
御装置の概略構成図である。
【図2】実施例のパチンコ玉送り出し制御装置を実装し
たパチンコ台の概略構成図である。
【図3】パチンコ玉の送り出し装置20の構造を示す斜
視図である。
【図4】同じくその断面図である。
【図5】実施例のパチンコ玉送り出し制御装置に用いら
れる玉確認スイッチ18,景品球確認スイッチ19の構
造を示す断面図である。
【図6】同じくその回路図である。
【図7】パチンコ玉送り出し制御装置の電子制御装置6
0が実行する景品球払出し処理ルーチンを示すフローチ
ャートである。
【図8】景品球の払出しの検出と駆動電力との関係を示
すグラフである。
【図9】景品球の払出しの様子を例示するグラフであ
る。
【図10】駆動電力のデューティ制御の様子を示すグラ
フである。
【符号の説明】
10…景品球タンク 12…導出樋 18…玉確認スイッチ 19…景品球確認スイッチ 20…送り出し装置 60…電子制御装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電動機を駆動源とし、該電動機の回転に
    よりパチンコ玉を順次排出するパチンコ玉排出機構と、 該パチンコ玉排出機構から排出されるパチンコ玉の排出
    状態を検出するパチンコ玉状態検出手段と、 該検出されたパチンコ玉の排出状態に基づいて、所定時
    間内にパチンコ玉が排出されないと判断された場合に
    は、前記パチンコ玉排出機構の前記電動機を逆転運転す
    る電動機制御手段とを備えたパチンコ玉の送り出し制御
    装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のパチンコ玉の送り出し制
    御装置であって、 前記電動機制御手段は、 前記電動機の前記逆転運転の後に、前記電動機を最低速
    度で運転し、所定時間以内に、前記パチンコ玉状態検出
    手段により、前記パチンコ玉排出機構によるパチンコ玉
    の排出が検出された場合には、前記電動機の運転速度を
    漸増する手段を備えたパチンコ玉送り出し制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のパチンコ玉の送り出し制
    御装置であって、 前記電動機制御手段は、 前記電動機の前記逆転運転の後に、前記電動機を最低速
    度で運転し、所定時間以内に、前記パチンコ玉状態検出
    手段により、前記パチンコ玉排出機構によるパチンコ玉
    の排出が検出されなかった場合には、警報処理を行なう
    手段を備えたパチンコ玉送り出し制御装置。
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