JP2001095592A - thrEをコードする新規ヌクレオチド配列およびコリネフォルムバクテリアを使用したL−スレオニンの酵素的製法 - Google Patents

thrEをコードする新規ヌクレオチド配列およびコリネフォルムバクテリアを使用したL−スレオニンの酵素的製法

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JP2001095592A JP2000263283A JP2000263283A JP2001095592A JP 2001095592 A JP2001095592 A JP 2001095592A JP 2000263283 A JP2000263283 A JP 2000263283A JP 2000263283 A JP2000263283 A JP 2000263283A JP 2001095592 A JP2001095592 A JP 2001095592A
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thre
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ザーム ヘルマン
Georg Dr Thierbach
ティーアバッハ ゲオルク
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】L−スレオニンの酵素的製法を改良するための
新規方法の提供。 【解決手段】i)thrE遺伝子をコードする特定のヌ
クレオチド配列、又は(ii)遺伝暗号の変性領域内の
前記配列に相当する少なくとも1つの配列、又は(ii
i)前記(i)又は(ii)に相補的な配列とハイブリ
ダイズする少なくとも1つの配列、及び/又は場合によ
り(iv)(i)中の機能中立センス突然変異を有す
る、thrEをコードするヌクレオチド配列を少なくと
も1つ含有する、コリネバクテリウムに由来し、かつコ
リネフォルム微生物中で複製可能な組み換えDNA。コ
リネフォルムバクテリアの中でthrEをコードするヌ
クレオチド配列を増幅し、L−スレオニンを産生する方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、thrE遺伝子を
コードするヌクレオチド配列に関するとともに、コリネ
フォルムバクテリアを使用し、その中でthrE遺伝子
を増幅させる、L−スレオニンの酵素的製法に関する。
【0002】L−スレオニンは、動物の栄養分、ヒト用
薬剤および医薬品産業に利用されている。
【0003】L−スレオニンがコリネフォルムバクテリ
ア株、特にコリネバクトリウム グルタミカム(Coryne
bacterium glutamicum)の発酵によって製造され得るこ
とは、公知である。L−スレオニンは非常に重要である
ので、常に製法の改良が試みられている。製法の改良
は、攪拌や酸素供給のような発酵技術、または発酵時の
糖濃度のような栄養培地の組成、またはイオン交換クロ
マトグラフィーのような製造物の後処理、または微生物
自体の内因的な生産特性に関連する。
【0004】突然変異誘発、選別および変異体の選択か
ら成る方法を、微生物の生産特性の改良のために使用す
る。このようにして、スレオニン類似体であるα−アミ
ノ−β−ヒドロキシ吉草酸(AHV)のような代謝拮抗
物質への抵抗性を有する株または重要なアミノ酸を制御
するための栄養要求性を獲得した株を取得し、L−スレ
オニンを製造する。
【0005】近年、コリネバクテリアのL−スレオニン
産生株を改良するために、各スレオニン生合成遺伝子を
増幅してL−スレオニン産生への効果を調査することか
ら成る組み換えDNA技術法が利用されている。
【0006】本発明は、L−スレオニンの酵素的製法を
改良するための新規方法を提供することを目的としてい
る。
【0007】L−スレオニンは、動物の栄養分、ヒト用
薬剤および医薬品産業において利用されている。従っ
て、L−スレオニンを製造するための新規に改良された
方法の提供には、常に関心が集まっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、有利
に、コリネバクテリウムに由来しかつコリネフォルム微
生物中で増幅可能な組み換えDNAであり、これは配列
番号1および配列番号3で示されるthrEをコードす
るヌクレオチド配列を、少なくとも1つ含有する。
【0009】本発明の課題は、(i)thrEをコード
する、配列番号1または配列番号3のヌクレオチド配
列、または(ii)遺伝暗号の変性領域内の、配列
(i)に相当する、少なくとも1つの配列、または(i
ii)配列(i)または(ii)に相補的な配列とハイ
ブリダイズする少なくとも1つの配列、および/または
場合により(iv)(i)中の機能中立センス突然変異
を有する、請求項1記載の複製可能なDNAでもある。
【0010】本発明の課題は、さらに、コリネフォルム
微生物、特に前記の複製可能なDNAを導入して形質転
換させたコリネバクテリウム属の微生物である。
【0011】最後に、本発明は、コリネフォルムバクテ
リアを使用したL−スレオニンの酵素的製法に関し、こ
こで、該コリネフォルムバクテリアの中でthrEをコ
ードするヌクレオチド配列が増幅、特に過剰発現され、
該コリネフォルムバクテリアはL−スレオニンを有利に
産生する。
【0012】本明細書において“増幅”とは、例えば遺
伝子のコピー数を増加させる、あるいは強力なプロモー
ターまたは相当する高活性な酵素をコードした遺伝子を
使用する、および場合によりこれらの方法を組み合わせ
ることにより、相当するDNAでコードされた微生物中
の1つ以上の酵素の細胞内活性を強化することである。
【0013】本発明の課題である微生物は、グルコー
ス、スクロース、ラクトース、フルクトース、マルトー
ス、糖蜜、デンプン、セルロースから、またはグリセロ
ールおよびエタノールから、L−スレオニンを製造でき
る。このような微生物の典型例はコリネフォルムバクテ
リアであり、特にコリネバクテリウム属である。コリネ
バクテリウム属の中でも、そのL−アミノ酸産生能力の
ために当業者に公知の、コリネバクテリウム グルタミ
カムは特記すべきである。
【0014】コリネバクテリウム属、特にコリネバクテ
リウム属グルタミカム種の好適な株は、有利に、 コリネバクテリウム グルタミカム ATCC13032 (Corynebacterium glutaicum) コリネバクテリウム アセトグルタミカム ATCC15806 (Corynebacterium acetoglutamicum) コリネバクテリウム アセトアシドフィラム ATCC13870 (Corynebacterium acetoacidophilum) コリネバクテリウム メラセコラ ATCC17965 (Corynebacterium melassecola) コリネバクテリウム サーモアミノジーン FERM BP−1539 (Corynebacterium thermoaminogenes) ブレビバクテリウム フラバム ATCC14067 (Brevibacterium flavum) ブレビバクテリウム ラクトフェルメンタム ATCC13869および (Brevibacterium lactofermentum) ブレビバクテリウム ジバリカタム ATCC14020 (Brevibacterium divaricatum) のような野生株であり、これらから、例えば コリネバクテリウム グルタミカム ATCC21649 ブレビバクテリウム フラバム BB69 ブレビバクテリウム フラバム DSM5399 ブレビバクテリウム ラクトフェルメンタム FERM−BP269 ブレビバクテリウム ラクトフェルメンタム TBB−10 のようなL−スレオニン−産生突然変異体またはL−ス
レオニン−産生株が得られる。
【0015】本発明は、コリネバクテリウム グルタミ
カムのthrE遺伝子を首尾よく単離する。thrE遺
伝子を単離するために、thrE遺伝子を欠損させたコ
リネバクテリウム グルタミカム突然変異体を最初に製
造する。この際、好適な出発株、例えばATCC147
52またはATCC13032に突然変異誘発法を実施
する。
【0016】慣用の突然変異誘発法には、N−メチル−
N−ニトロ−N−ニトロソグアニジンのような化学薬品
またはUV照射による処理が含まれる。突然変異を誘起
するためのこのような方法は一般的に公知であり、特に
Millerの文献(A Short Course in Bacterial Genetic
s、A Laboratory Manual and Handbook for Escherichi
a Coli and Related Bacteria( Cold Spring Harbor La
boratory Press, 1992))またはThe American Society
for Bacteriology(WashingtonD.C.、USA、198
1)出版の“Manual of Methods for General Bacteriol
ogy”中に記載される。
【0017】その他の突然変異誘発法は、トランスポゾ
ンの特性をDNA配列への“組込”に利用し、関連遺伝
子の機能を障害または停止させる、トランスポゾン突然
変異誘発法である。コリネフォルムバクテリアのトラン
スポゾンは当業者に公知である。例えば、エリスロマイ
シン耐性トランスポゾンTn5432(Tauch等、Plasm
id (1995) 33: 168〜179)およびクロラムフェニコール
耐性トランスポゾンTn5546は、コリネバクテリウ
ム キセローシス(Corynebacterium xerosis)株M8
2Bから単離されている。
【0018】その他のトランスポゾンには、Ankri等に
よって記載されたトランスポゾンTn5531(Journa
l of Bacteriology (1996) 178: 4412〜4419)があり、
例えば本発明の過程に使用される。トランスポゾンTn
5531は、aph3カナマイシン耐性遺伝子を含み、
例えば図1に記載のプラスミドベクターpCGL004
0の形で運搬できる。トランスポゾンTn5531のヌ
クレオチド配列は、National Center for Biotechnolog
y Information(NCBI、Bethesda、MD、USA)から登録番
号U53587として任意に入手できる。
【0019】突然変異誘発、有利にトランスポゾン突然
変異誘発後に、thrE遺伝子を欠損した突然変異体を
検索する。最小栄養寒天培地上で良好な増殖を示すが、
スレオニン−含有オリゴペプチド、例えばスレオニル−
スレオニル−スレオニントリペプチドを補足した最小寒
天培地上ではほとんど増殖しないという事実から、th
rE遺伝子を欠損した突然変異体を識別する。
【0020】このような突然変異体の例は、ATCC1
4752ΔilvAthrE::Tn5531株であ
る。
【0021】記載の方法で製造される株を、thrE遺
伝子の単離およびクローン化に使用できる。
【0022】この際、関連するバクテリアの遺伝子バン
クを構築してよい。遺伝子バンクの構築は、公知の文献
およびマニュアルに記載されている。例としてWinnacke
rによる文献:Gene und Klone, eine Einfuhrung in di
e Gentechnologie (Gene and Clones, An Introduction
to Gene Technology)(Verlag Chemie、weinheim、Ge
rmahy、1990)またはSambrook等のマニュアル:Molecul
ar Cloning, A Laboratory Manual (Cold Spring Harbo
r Laboratory Press, 1989)が挙げられる。非常によく
知られた遺伝子バンクは、E.Coli K−12株W
3100のもので、これは、Kohara等によってλ−ベク
ター中に構築された(Cell、50、495〜508(1987))。
Bathe等は(Molecular and General Genetics、252:25
5〜265、1996)コリネバクテリウム グルタミカムAT
CC13032の遺伝子バンクについて記載しており、
これは、コスミドベクターであるSuperCosI(W
ahl等、1987、Proceedings of the National Academy o
f Science USA、84:2160〜2164)の助成のもと、E.C
oli K−12株NM554(Raleigh等、1988、Nuc
leic Acid Research 16:1563〜1575)中に構築され
る。コリネフォルムバクテリア、特にコリネバクテリウ
ム グルタミカム中で複製されるので、これらのベクタ
ーは本発明に好適である。このようなベクターは当業者
に公知であり;例としてプラスミドベクターpZ1を挙
げることができ、これは、Menkel等の文献(Applied an
d Environmental Microbiology(1989)64:549〜554)
に記載されている。記載の方法で獲得した遺伝子バンク
を、次いで、形質転換またはエレクトロポレーションの
手段により、thrE遺伝子を欠損した指示株に変換
し、これらの形質転換体を、スレオニン−含有オリゴペ
プチドの存在する最小寒天培地上での増殖能により検索
する。次に、クローン化したDNA断片の配列分析を行
う。
【0023】Tn5531を用いた突然変異誘発によっ
て製造されたコリネフォルムバクテリアの突然変異体、
例えばATCC14752ΔilvAthrE::Tn
5531株を使用する場合には、thrE::Tn55
31対立遺伝子を、後者に含まれるカナマイシン耐性遺
伝子aph3を直接利用してクローン化し、単離しても
よい。この際、公知のクローニングベクター、例えばp
UC18(Norrander等、Gene(1983)26:101〜106お
よびYanisch Perron等、Gene(1985)33:103〜119)を
使用する。クローニングの宿主として特に好適なのは、
制限−欠損および組み換え−欠損させた両E.Coli
株である。例えばDH5αmcr株であり、これはGran
t等によって記載されている(Proceeding of the Natio
nal Academy of Sciences USA、87(1990)4645〜464
9)。形質転換体の選択を、カナマイシンの存在下に実
施する。次いで、得られた形質転換体のプラスミドDN
Aの配列を調べる。このために、Sanger等によって記載
されたジデオキシチェーンターミネーション法(Procee
dings of the National Academy of Sciences of the U
nited States of America USA(1977)74:5463〜546
7)を利用してもよい。これにより、Tn5531装入
部位の上流および下流に、thrE遺伝子配列が得られ
る。次いで、得られたヌクレオチド配列を分析し、購入
可能な配列分析プログラム、例えばレーザージーン(La
ser gene、Biocomputing Software forWindows、DNASTA
R, Madison、USA)またはプログラムパッケージHUS
AR(Release 4.0、EMBL、Heidelberg、Germany)を用
いて組み立てる。
【0024】この方法により、配列番号1に示される、
thrE遺伝子をコードしたコリネバクテリウム グル
タミカムの新規DNA配列が得られ、これは本発明の構
成要素である。相当するタンパク質のアミノ酸配列も、
前記方法による本発明のDNA配列を基にしている。得
られたthrE遺伝子産物のアミノ酸配列を、配列番号
2に示す。
【0025】遺伝暗号の変性により配列番号1から製造
されたコードDNA鎖配列も、同様に、本発明の構成要
素である。同様に、配列番号1または配列番号1の一部
とハイブリダイズするDNA配列も本発明の構成要素で
ある。
【0026】さらに、保存的なアミノ酸の置換、例えば
タンパク質であれば、グリシンのアラニンによる置換ま
たはアスパラギン酸のグルタミン酸による置換は、セン
ス変異として専門家の間では公知であり、この際タンパ
ク活性の機能的な変化は生じない、すなわち機能的に中
立である。タンパクのN−および/またはC−末端での
置換が、その機能に対し実質的に影響を及ぼさないばか
りか、安定化させることさえあることも周知である。当
業者は、このことの詳細を、特にBen-Bassat等の文献
(Journal of Bacteriology 169:751〜757(198
7))、O'Regan等の文献(Gene 77:237〜251(198
9))、Sahin-Toth等の文献(Protein Sciences 3:240
〜247(1994))、Hochuli等の文献(Bio/Technology
6:1321〜1325(1988))および遺伝子および分子生物
学に関する書物に見出すことができる。相当する方法で
配列番号2から製造されたアミノ酸配列も同様に本発明
の構成要素である。
【0027】好適なプライマーを、配列番号1に示した
ヌクレオチド配列を使用して合成でき、次に、これら
を、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法を用いて、種々
のコリネフォルムバクテリアおよび株に含まれるthr
E遺伝子の増幅に使用する。当業者は、このことの詳細
を、例えばGaitのマニュアル:Oligonucleotide synthe
sis: a practical approach (IRL Press、Oxford、UK、
1984)さらにNewtonおよびGrahamの文献:PCR (SPktrum
Akademischer Verlag、Heidelberg、Germany、1994)
に見出すことができる。また、配列番号1またはその一
部のヌクレオチド配列を、特に、コリネフォルムバクテ
リアの遺伝子バンク中に存在する、thrE遺伝子の検
索のためのプローブとして使用することができる。当業
者は、このことの詳細を、例えばBoehringer Mannheim
GmbH (Mannheim、Germany、1993)より出版されたマニ
ュアル“The DIG System Users Guide for Filter Hybr
idization”およびLiebl等の文献(International Jour
nal of Systematic Bacteriology(1991)41:255〜26
0)に見出すことができる。このようにして増幅したt
heE遺伝子−含有DNA断片をクローン化し、配列を
調べる。
【0028】配列番号3に示されたATCC13032
株のthrE遺伝子のDNA配列をこの方法で獲得し、
これも同様に本発明の構成要素である。得られたアミノ
酸配列を配列番号4に示す。
【0029】本発明は、thrE遺伝子を欠損した突然
変異体、有利にはコリネフォルムバクテリアを、スレオ
ニン−含有オリゴペプチドを含む栄養培地上で増殖しな
いかほとんど増殖しない指示株として獲得し、 a)遺伝子バンクの構築後に、thrE遺伝子を同定か
つ単離し、 b)トランスポゾン突然変異誘発の場合には、有利に抗
生物質に耐性のトランスポゾンを選択し、それによりt
hrE遺伝子が獲得されることから成る、thrE遺伝
子の単離方法を提供する。
【0030】
【課題を解決するための手段】このことから発明者は、
改良された方法により、thrE遺伝子の過剰発現後
に、コリネフォルムバクテリアがL−スレオニンを製造
することを見出した。
【0031】過剰発現を実現するために、相当する遺伝
子のコピー数を増加させることもできるし、またはプロ
モーターおよび制限領域あるいは構造遺伝子の上流に位
置するリボゾームの結合部位に変異を起こすこともでき
る。構造遺伝子の上流に組み込まれた発現カセットは同
じように機能する。誘導性プロモーターを用いて酵素的
にL−スレオニンを製造しながら、さらに発現を強化す
ることも可能である。発現は、m−RNAの寿命の延長
を目的とする方法によっても向上する。酵素活性は、酵
素タンパクの分解を妨げることにより増加する。遺伝子
または遺伝構造体を、プラスミド中に異なるコピー数で
存在させることも、染色体中に集積させ増幅させること
もできる。また、関連遺伝子の過剰発現は、培地の組成
および培養条件を変化させることにより実現できる。
【0032】当業者は、このことの詳細を、特に、Mart
in等の文献(Bio/Technology 5、137〜146(1987)、Gu
errero等の文献(Gene 138,35〜41(1994))、Tsuchi
yaおよびMorinagaの文献(Bio/Technology 6、428〜430
(1988))、Eikmanns等の文献(Gene 102、93〜98(19
91))、ヨーロッパ特許EPS第0472869号、ア
メリカ特許第4601893号、SchwarzerおよびPuehl
erの文献(Bio/Technology 9、84〜87(1991))、Rein
scheid等の文献(Applied and EnvironmentalMirobiolo
gy 60、126〜132(1994))、LaBarre等の文献(Journa
l of Bacteriology 175、1001〜1007(1993))、WO
96/15246、Malumbres等の文献(Gene 134、15
〜24(1993))、JP−A−10229891、Jensen
およびHammerの文献(Biotechnology and Bioengineeri
ng 58、191〜195(1998))、Makridesの文献(Microbi
ological Reviews 60:512〜538(1996))さらに遺伝
子および分子生物学に関する公知の書物に見出すことが
できる。
【0033】thrE遺伝子を過剰発現させることので
きるプラスミドの例は、pZ1thrE(図2)であ
り、これは、DM368−2pZ1thrE株に含まれ
ている。プラスミドpZ1thrEは、プラスミドpZ
1を基礎とするコリネバクテリウム グルタミカム−
E.Coliシャトルベクターであり、このことは、Men
kel等の文献(Applied and Environmental Microbiolog
y(1989)64:549〜554)に記載されている。その他
の、コリネバクテリウム グルタミカム中で複製可能な
プラスミドベクター、例えばpEKEx1(Eikmanns
等、Gene 102:93〜98(1991))またはpZ8−1(E
P−B−0375889)を、同様に使用できる。
【0034】さらに、L−スレオニンの製造には、新規
thrE遺伝子に加えて、公知のスレオニン合成経路に
関する1つ以上の酵素、または補充代謝反応に関する酵
素、あるいはクエン酸回路の酵素を過剰発現させるのが
有利である。以下は同時過剰発現の例である: ・ホモセリンデヒドロゲナーゼをコードするhom遺伝
子(Peoples等、Molecular Microbiology 2、63〜72(1
988))またはフィードバックに耐性なホモセリンデヒ
ドロゲナーゼ(feedback-resistant homoserine dehydr
ogenase)をコードするhomdr対立遺伝子(Archer
等、Gene 107、53〜59(1991))、または ・ピルビン酸カルボキシラーゼをコードするpyc遺伝
子(DE−A−19831609)、または ・リンゴ酸:キノン酸化還元酵素をコードするmqo遺
伝子(Molenaar等、European Journal of Biochemistry
254,395〜403(1998))。
【0035】L−スレオニンの製造には、thrE遺伝
子の過剰発現に加え、不所望な二次反応、例えばスレオ
ニン−デヒドロゲナーゼ反応(Nakayama:“Breeding o
f Amino Acid Prducing Microorganisms”: Overproduc
tion of Microbial Products、Krumphanzl、Sikyta、Va
nek(eds.)、Academic Press、London、UK(1982)さら
に、BellおよびTurner、Biochemical Journal 156、449
〜458(1976))を回避するのが有利である。
【0036】本発明により製造される微生物は、L−ス
レオニンを製造するために、連続法で、あるいはバッチ
法(バッチ培養)または供給バッチ法(供給法)または
反復供給バッチ法(反復供給法)でバッチ毎に培養して
よい。公知の培養法の概要は、Chemiel等の書物(Biopr
ozesstechnik 1. Einfuehrung in die Bioverfahrenste
chnik(Gustav Fischer verlag, Stuttgart, 1991)また
はStorhasの書物(Bioreaktoren und periphere Einric
htungen (Vieweg Verlag, Brunswick/ Wiesbaden, 199
4)に記載されている。
【0037】使用する培地を、適当な手段により、各株
の要求を満たすものとしなければならない。各微生物の
ための培地の詳細は、“Manual of Methods for Genera
l Bacteriology”The Ameican Society for Bacteriolo
gy(ワシントンD.C、 USA、1981)に記載されてい
る。使用する炭素源には、糖および炭水化物が含まれ、
例えば、グルコース、スクロース、ラクトース、フルク
トース、マルトース、糖蜜、デンプンおよびセルロー
ス、油および脂肪、例えば大豆油、ひまわり油、落花生
油およびココナッツオイル、脂肪酸、例えばパルミチン
酸、ステアリン酸およびリノール酸、アルコール、例え
ばグリセロールおよびエタノール、および有機酸、例え
ば酢酸がある。これらの物質を、単独であるいは混合し
て使用してよい。使用する窒素源には、窒素含有有機化
合物、例えばペプトン、イーストエキストラクト、肉抽
出物、麦芽エキス、コーンスチープリカー、大豆ミール
および尿素、または無機化合物、例えば硫酸アンモニウ
ム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、炭酸アン
モニウムおよび硝酸アンモニウムがある。窒素源を、単
独でまたは混合して使用してよい。使用するリン源に
は、リン酸、リン酸二水素カリウムまたはリン酸水素二
カリウム、または相当のナトリウム塩が含まれる。さら
に培地には、増殖に必要な金属塩、例えば硫酸マグネシ
ウムまたは硫酸鉄も含まれなければならない。最後に、
増殖に必要な物質、例えばアミノ酸およびビタミンを前
記物質に追加して使用してもよい。さらに、好適な先駆
物質を培地に添加してもよい。前記物質は、培養中に単
バッチの形でまたは適当な手段で添加できる。
【0038】水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アン
モニアまたはアンモニア水のような塩基化合物、あるい
はリン酸または硫酸のような酸化合物を適当な手段で添
加し、培地のpHを調整してよい。脂肪酸ポリグリコー
ルエステルのような消泡剤を、泡の形成を調整するため
に添加してよい。抗生物質のような好適な選択的活性物
質を、プラスミドの安定を維持するために培地に添加し
てもよい。酸素または酸素含有気体混合物、例えば空気
を培地に供給し、好気条件を維持してもよい。培養温度
は通常20〜45℃、有利に25〜40℃である。培養
を、最高量のL−スレオニンが形成されるまで継続す
る。最高量に達するには通常10〜160時間を要す
る。
【0039】L−スレオニンの分析を、Spackman等の文
献(Analytical Chemistry、30、(1958)、1190)の記
載のように、ニンヒドリン誘導による陰イオン交換クロ
マトグラフィーで実施してもよく、Lindroth等の文献
(Analytical Chemistry(1979)51:1167〜1174)の記
載のように逆相HPLCで実施してもよい。
【0040】以下の微生物は、ブタペスト条約に基づい
てGerman Collection for Microorganisms and Cell Cu
ltures(DSMZ, Brunswick, Germany)に寄託されてい
る。
【0041】・ DSM12840として寄託されたブ
レビバクテリウム フラバム株 DM368−2 pZ
1thrE ・ DSM12839として寄託されたエシェリキア
コリ(Escherichia coli)株 GM2929pCGL0
040
【0042】
【実施例】本発明を実施例により、図例を交えながら詳
細に説明する。
【0043】あらゆる制限技術、クレノウおよびアルカ
リホスファターゼ処理と同様に、エシェリキア コリか
らのプラスミドDNAの単離を、Sambrook等の書物(Mo
lecular cloning. A laboratory manual(1989)Cold S
pring Harbour Laboratory Press)に従って実施した。
特別に記載しない限り、Chung等の記載(Proceedingof
the Natioal Academy of the Science of United State
s of America USA(1989)86:2172〜2175)に従って、
エシェリキア コリを形質転換させた。
【0044】例1 コリネバクテリウム グルタミカム ATCC1475
2のthrE遺伝子のクローニングと配列決定 1. トランスポゾンによる突然変異誘発と突然変異体
の選択 コリネバクテリウム グルタミカムATCC14752
ΔilvA株を、配列が登録番号U53587としてNa
tional Center for Biotechnology Information(Bethe
sda、USA)のヌクレオチドデータバンクに管理されてい
るトランスポゾンTn5531によって、突然変異を誘
発した。Schaefer等の文献(Gene(1994)145:69〜7
3)に記載される遺伝子交換システムを用いて、コリネ
バクテリウム グルタミカム ATCC14752のi
lvA遺伝子に欠失箇所を生じさせた。この際、欠失さ
せるのに、Sahm等によって構築された不活化ベクター
(inactivation vector)pK19mobsacBΔi
lvA(Applied and Environmental Microbiology(19
99)65:1973〜1979)を使用した。ストラタジーン社
(Heidelberg、Germany)製のメチラーゼ−欠損エシェ
リキア コリ株SCS110(Jerpseth and Kretz、ST
RATEGIES、molecular biology 6、22,(1993))を、
最初に、ベクターpK19mobsacBΔilvA
200ngを用いて形質転換した。形質転換体を、その
カナマイシン耐性を利用して、カナマイシン50μg/
mlを含有するLB寒天培地プレート上で同定した。プ
ラスミドpK19mobsacBΔilvAを、1個の
形質転換体から製造した。この不活化プラスミドを、次
いで、エレクトロポレーションにより、コリネバクテリ
ウム グルタミカム ATCC14752株に導入した
(Haynes等、FEMS MicrobiologyLetters(1989)61:32
9〜334)。不活化ベクターがゲノム中に組み込まれて存
在するクローンを、そのカナマイシン耐性を利用して、
カナマイシン15μg/mlを含有するLBHIS寒天
培地プレート上で同定した(Liebl等、FEMS Microbiolo
gy Letters(1989)65:299〜304)。ベクターの除去を
選択するために、カナマイシン−耐性クローンを、スク
ロース含有LBG培地(寒天15g/L、グルコース2
%およびスクロース10%を含有するLB培地)上で培
養した。このようにして得られたコロニーは、2度目の
組み換えによりベクターを再び消失した(Jaeger等、Jo
urnal of Bacteriology(1992)174:5462〜5465)。L
−イソロイシン300mg/Lを含有するか、含有しな
い、さらにカナマイシン50μg/mlを含有するか、
含有しない最小培地プレート(寒天15g/Lを含むC
GXII培地(Keilhauer等、Journal of Bacteriology
(1993)175:5595〜5603))上にヘテロ接種(hetero
inoculation)することにより、ベクターが消失してカ
ナマイシン感受性かつイソロイシン要求性となり、さら
にゲノム中に不完全なilvA−Gen(ilvA対立
遺伝子)しか有さない6個のクローンを単離した。これ
らのクローンの1つをATCC14752ΔilvA株
とし、トランスポゾン突然変異誘発に使用した。
【0045】トランスポゾンTn5531をも含有する
プラスミドpCGL0040(Ankri等、Journal of Ba
cteriology(1996)178:4412〜4419)を、メチラーゼ
−欠損エシェリキア コリ GM2929pCGL00
40株から単離した(E.ColiGM2929: Palmer等、Gene
(1994)143:1〜12)。コリネバクテリウム グルタミ
カム ATCC14752ΔilvA株を、プラスミド
pCGL0040を用いてエレクトロポレーションによ
り形質転換した(Haynes等、FEMS Microbiology Letter
s(1989)61:329〜334)。トランスポゾンTn553
1をゲノム中に取り込んでいるクローンを、そのカナマ
イシン耐性を利用して、カナマイシン15μg/mlを
含有するLBHIS寒天培地プレート上で同定した(Li
ebl等、FEMS Microbiology Letters(1989)65:299〜3
04)。このようにして2000個のクローンを獲得し、
それらのクローンは、スレオニル−スレオニル−スレオ
ニンの存在下に増殖が遅延することが確認された。この
目的のために、全てのクローンを、個別に、スレオニル
−スレオニル−スレオニン2mMを含有するおよび含有
しないCGXII最小寒天培地プレートに移動した。培
地は、Keilhauer等の記載(Journal of Bacteriology
(1993)175:5593〜5603)のCGXII培地と同一で
あるが、ただし、カナマイシン25μg/ml、L−イ
ソロイシン300mg/lおよび寒天15g/lを付加
的に含有する。Keilhauer等の記載する培地の組成は表
1の通りである。
【0046】
【表1】
【0047】寒天培地プレートを30℃でインキュベー
トし、12,18および24時間後の増殖を調べた。ス
レオニル−スレオニル−スレオニンを含まない場合に
は、元のコリネバクテリウム グルタミカムATCC1
4752ΔilvA株と同程度に増殖するが、スレオニ
ル−スレオニル−スレオニン2mMの存在下では、増殖
が遅延するようなトランスポゾン突然変異体が獲得され
た。
【0048】これを、ATCC14752ΔilvAt
hrE::Tn5531とした。
【0049】2. ATCC14752ΔilvAth
rE::Tn5531中のTn5531挿入部位のクロ
ーニングと配列決定 例1.1に記載される突然変異体中のトランスポゾンT
n5531の上流に位置する挿入部位をクローニングす
るために、この突然変異株の染色体DNAを、まず、Sc
hwarzer等の記載(Bio/Technology(1990)9:84〜87)
に従って単離し、後半部分の400ngを制限エンドヌ
クレアーゼEcoRIで切断した。制限挿入部の全体
を、Roche Diagnostics社(Mnnheim、Germany)製のE
coRIで同様にして直鎖にしたベクターpUC18
(Norander等、Gene(1983)26:101〜106)と結合させ
た。エシェリキア コリDH5α−mcr株(Grant
等、Proceedings of the National Academy of science
s of the United States of America USA(1990)87:4
645〜4649)を、結合挿入部全体を用いたエレクトロポ
レーションにより、形質転換させた(Dower等、Nucleic
Acid Research(1988)16:6127〜6145)。トランスポ
ゾンTn5531の挿入部位がベクターpUC18上に
クローン化されて存在する形質転換体を、そのカルベニ
シリン耐性およびカナマイシン耐性を利用して、カルベ
ニシリン50μg/mlおよびカナマイシン25μg/
mlを含有するLB−寒天培地プレート上で同定した。
プラスミドを、3個の形質転換体から製造し、クローン
化された挿入部の大きさを制限分析により測定した。あ
るプラスミドの挿入部位のヌクレオチド配列は、Sanger
等のジデオキシターミネーション法(Proceedings of t
he National Academy of Sciences of the United Stat
es of America USA(1977)74:5463〜5467)から、約
5.7kb長さの挿入部であることが分かった。この
際、挿入部の2.2kbを、以下のオリゴヌクレオチド
プライマー:5’−CGG GTC TAC ACCG
CT AGC CCA GG−3’を起点に配列決定し
た。
【0050】トランスポゾンの下流に位置する挿入部位
を同定するために、突然変異体の染色体DNAを制限エ
ンドヌクレアーゼXbaIで切断し、XbaIで直鎖に
したベクターpUC18中で結合させた。前記と同様に
クローニングを実施した。あるプラスミドの挿入部位の
ヌクレオチド配列は、Sanger等のジデオキシターミネー
ション法(Proceedings of the National Academy of S
ciences of the United States of America USA(197
7)74:5463〜5467)から、約8.5kb長さの挿入部で
あることが分かった。この際、挿入部の0.65kb
を、以下のオリゴヌクレオチドプライマー:5’−CG
G TGC CTT ATC CAT TCA GG−
3’を起点に配列決定した。
【0051】得られたヌクレオチド配列を分析し、プロ
グラムパッケージレーザージーン(Program package La
sergene、Biocomputing software for Windows、DNASTA
R、Madison、USA)で連結させた。このヌクレオチド配
列を配列番号1として再度製造した。分析により、14
67bp長さの読みとり枠が同定された。相当する遺伝
子を、thrE遺伝子とした。関連遺伝子産物は、48
9アミノ酸を有し、配列番号2として再度製造した。
【0052】例2 コリネバクテリウム グルタミカム ATCC1303
2からの遺伝子thrEのクローニングと配列決定 遺伝子thrEを、エシェリキア コリ クローニング
ベクターpUC18中でクローン化した(Norrander
等、Gene(1983)26:101〜106,Roche Diagnostics、M
annheim、Germany)。クローニングは2工程で実施し
た。最初に、コリネバクテリウム グルタミカム AT
CC13032を、配列番号1由来のオリゴヌクレオチ
ドプライマー:ThrE−順向
【0053】
【外1】
【0054】ThrE−逆向
【0055】
【外2】
【0056】を使用して、ポリメラーゼ連鎖反応(PC
R)により増幅した。PCR反応を、デオキシヌクレオ
チド三リン酸(dATP、dCTP,dGTP,dTT
P)200μM、それぞれ相応のオリゴヌクレオチド1
μM、コリネバクテリウム グルタミカム ATCC1
3032由来の染色体DNA100ng、10倍の反応
バッファー1/10容量および熱−安定Taq−/Pw
o−DNAポリメラーゼ混合物2.6単位(Roche Diagn
ostics社製Expand High Fidelity PCR System、Mnnhei
m、Germany)の存在下に、熱循環装置(PTC-100、MJ Re
search Inc.、Watertown、USA)中で、以下の条件下に
実施した:94℃で30秒、58℃で30秒、72℃で
2分。
【0057】次に、増幅された約1.9kb長さの断片
を、使用説明書通りにSureClone Ligation Kit(Amersh
am Pharmacia Biotech、Uppsala、Sweden)を用いて、
ベクターpUC18のSmaI切断部位に結合させた。
エシェリキア コリ DH5αmcr株(Grant等、Pro
ceedings of the National Academy of Sciences of th
e United States of America、USA(1990)87:4645〜4
649)を、結合挿入部位全体を使用して形質転換させ
た。形質転換体を、そのカルベニシリン耐性を利用し、
カルベニシリン50μg/mlを含有するLB寒天培地
プレート上で同定した。プラスミドを、8個の形質転換
体から製造し、挿入部位である1.9kbのPCR断片
の存在を、制限分析により調べた。得られた組み換えプ
ラスミドを、pUC18thrEとする。
【0058】プラスミドpUC18thrE中の1.9
kbのPCR断片のヌクレオチド配列を、Sanger等のデ
オキシチェーンターミネーション法(Proceedings of t
he National Academy of Scicence of the United Stat
es of America USA(1977)74:5463〜5467)により決
定した。この際、pUC18thrEの完全な挿入部
を、Roche Diagnostics社(Mannheim、Germany)製の以
下のプライマーを用いて配列決定した。
【0059】 プライマー−順向: 5’−GTA AAA CGA CGG CCA GT−3’ プライマー−逆向: 5’−GGA AAC AGC TAT GAC CAT G−3’ ヌクレオチド配列を配列番号3として、再度製造した。
含まれるヌクレオチド配列をプログラムパッケージレー
ザージーン(Biocomputing Software for Windows、DNA
STAR、Madison、USA)を用いて分析した。分析から、t
hrE遺伝子と見なされる、1467bp長さの読みと
り枠が同定された。これは、489アミノ酸から成るペ
プチドをコードしており、配列番号4として再度製造し
た。
【0060】例3 コリネバクテリウム グルタミカムにおけるthrE遺
伝子の発現 例2に記載したコリネバクテリウム グルタミカム A
TCC13032由来thrE遺伝子を、ベクターpZ
1(Menkel等、Applied and Environmental Microbiolo
gy(1989)64:549〜554)中で発現させるためにクロー
ン化した。この際、thrE遺伝子を含む1881bp
長さのDNA断片を、制限酵素SacIおよびXbaI
を使用して、プラスミドpUC18thrEから切り出
した。この断片の5’−および3’−末端をクレノウ酵
素で処理した。得られたDNA断片を、SacIで予め
直鎖にし、脱リン酸化したベクターpZ1中で連結させ
た。エシェリキア コリ DH5αmcr株(Grant
等、Proceedings of the National Academy of Science
s of the United States of America USA(1990)87:4
645〜4649)を、結合部全体を用いて形質転換した。形
質転換体を、そのカナマイシン耐性を利用して、カナマ
イシン50μg/mlを含有するLB寒天培地プレート
上で同定した。プラスミドを、2個の形質転換体から製
造し、挿入部である1881bpのScaI/XbaI
断片の存在を、制限分析により確認した。このようにし
て製造した組み換えプラスミドをpZ1thrEとする
(図2)。
【0061】プラスミドpZ1およびpZ1thrE
を、エレクトロポレーション(Haynes等、FEMS Microbi
ology Letters(1989)61:329〜334)により、スレオ
ニン−形成株である、ブレビバクテリウム フラバム
DM368−2に組み込んだ。DM368−2株は、E
P−B−0385940に記載されており、DSM53
99として保存管理される。形質転換体を、そのカナマ
イシン耐性を利用して、カナマイシン15μg/mlを
含有するLBHIS寒天培地プレート上で同定した(Li
ebl等、FEMS Microbiology Letters (1989)65:299〜
304)。このようにして、ブレビバクテリウム フラバ
ムのDM368−2pZ1株およびDM368−2pZ
1thrE株を得た。
【0062】例5 ブレビバクテリウム フラバムによるL−スレオニンの
製造 スレオニンの形成を調べるために、ブレビバクテリウム
フラバム DM368−2pZ1株およびDM368
−2pZ1thrE株を、カナマイシン50μg/ml
を含有する脳−心臓浸出物培地(Difco Laboratories、
Detroit、USA)100ml中で、30℃で14時間プレ
インキュベートした。次いで、0.9%(W/V)濃度
の塩化ナトリウム溶液で、細胞を1回洗浄し、CgXI
I培地60mlにこの懸濁液を接種したところ、OD
600(600nmでの光学濃度)は0.5であった。培地
は、Keilhauer等の培地(Journal of Bacteriology(19
93)175:5593〜5603)と同一であるが、カナマイシン
50μg/mlを付加的に含有している。いずれの株も
30℃で72時間培養した。0、24、48および72
時間後のサンプルを採取し、細胞を速やかに遠心分離し
た(Heraeus社(Osterode、Germany)製Biofuge pico
により、13000RPMで5分間)。
【0063】培養上清中の細胞外アミノ酸濃度の定量的
測定を、逆相HPLC(Lindeoth等、Analytical chemi
stry(1979)51:1167〜1174)により実施した。蛍光検
出器(G1321A)の装備されたHP1100シリー
ズのHPLC装置(Hewlett-Packard、Waldbronn、Germ
any)を使用した;このシステムの作動およびデータ評
価を、HPーChem−Station(Hewlett-Pack
ard)を用いて実施した。分析するアミノ酸溶液1μl
を、自動予備カラム誘導工程(automatic preliminary
column derivatisaton step)中でo−フタルアルデヒ
ド/2−メルカプトエタノール試薬(Pierce Europe B
V、Oud-Beijerland、Netherlands)20μlと混合し
た。
【0064】得られた蛍光を発するチオ置換イソインド
ール(Jones等、Journal of Chromatography(1983)26
6:471〜482)を、連結した予備カラム(40×4mm
Hypersil ODS 5)と主カラム(Hypersil ODS 5、いずれ
のカラムもCS−Chromatographie Service GmbH社製、
Langerwehe、Germany)の中で、非極性相(メタノー
ル)の量を経時的に増加させながら懸濁した。極性溶離
液は酢酸ナトリウム(0.1molar、pH7.2)であっ
た;流速は0.8ml/分であった。誘導されたアミノ
酸の蛍光検出を、励起波長230nmおよび放射波長4
50nmで実施した。アミノ酸濃度を、外標準および付
加的な内標準であるアスパラギンと比較して算出した。
【0065】結果を表2に示す。
【0066】
【表2】
【0067】例6 ベクターpEC−T18mob2thrEの製造 1. pEC−T18mob2の構築 エシェリキア コリ グルタミカム シャトルベクター
pEC−T18mob2を、従来技術に従って構築し
た。
【0068】ベクターは、複製エフェクターper(U
S−A−5175108;Nesvera等、Journal of Bact
eriology 179、1525〜15322(1997))を有するプラス
ミドpGA1の複製領域rep、プラスミドpAG1
(US−A−5158891;登録番号AF12100
0としてNational Center for Biotechnology Informat
ion(NCBI、Bethesda、MD、USA)で保存管理される)テ
トラサイクリン耐性−付与tetA(Z)遺伝子、プラ
スミドpMB1(Sutcliffe、Cold Spring Harbor Symp
osium on Quantitative Biology 43、77〜90(1979))
の複製領域oriV、lacプロモーターと多クローニ
ング部位とを有するlacZα遺伝子、mcs(Norran
der等、Gene 26、101〜106(1983))およびプラスミド
RP4(Simon等、(1983)Bio/Technology 1:784〜79
1)のmob領域を含む。
【0069】構築されたベクターをエシェリキア コリ
DH5α株(Hanahan、DNA colning、A practical ap
proach vol.I IRL-Press、Oxford、Washington DC、US
A、1985)に形質転換させた。プラスミドを有する細胞
の選択を、テトラサイクリン5mg/lを補足したLB
寒天培地(Sambrook等、Molecular cloning: a laborat
ory manual 2nd Ed. Cold Spring Harbor laboratory P
ress、Cold Spring Harbor、N.Y.、USA、1989)上で形
質転換バッチを培養することにより実施した。プラスミ
ドDNAを、Qiagen社製QIAprep Spin Miniprep Kitを
使用して、形質転換体から単離し、制限酵素EcoRI
およびHindIIIを用いた制限により、アガロース
ゲル電気泳動(0.8%)で確認した。
【0070】プラスミドをpEC−T18mob2と
し、図3に示す。
【0071】2. pEC−T18mob2thrEの
構築 例2に記載したコリネバクテリウム グルタミカム A
TCC13032由来のthrE遺伝子を、ベクターp
EC−T18mob2中に発現させるためにクローン化
した。この際、thrE遺伝子を含む1881bp長さ
のDNA断片を、制限酵素SacIおよびXbalを用
いてプラスミドpUC18thrEから切り出した。得
られたDNA断片を、予めSacIおよびXbaIで直
鎖にし、脱リン酸化したベクターpEC−T18mob
2中で結合させた。エシェリキアコリDH5αmcr株
(Grant等、Proceedings of the National Academy ofs
ciences of the United States of America USA(199
0)87:4645~4649)を、完全に結合しているバッチを用
いて形質転換した。形質転換体を、そのテトラサイクリ
ン耐性を利用して、テトラサイクリン5μg/mlを含
有するLB寒天培地プレート上で同定した。プラスミド
を、2個の形質転換体から製造し、挿入部である188
1bpのScaI/XbaI断片の存在を、制限分析に
より確認した。このようにして得られたプラスミドをp
EC−T18mob2thrE(図4)とする。
【0072】プラスミドpEC−T18mob2および
pEC−T18mob2thrEを、エレクトロポレー
ション(Haynes等、FEMS Microbiology Letters(198
9)61:329〜334)により、スレオニン形成コリネバク
テリウム グルタミカム MH20−22B−DR17
株(Reinscheid等、Applied and Environmental Microb
iology(1994)60:126〜132)中に導入した。形質転換
体を、そのテトラサイクリン耐性およびカナマイシン耐
性を利用して、カナマイシン15μg/mlおよびテト
ラサイクリン5μg/mlを含有するLBHIS寒天培
地プレート(Liebl等、FEMS Microbiology Letters(19
89)65:299〜304)上で同定した。このようにして、コ
リネバクテリウム グルタミカム MH20−22B−
DR17/pEC−T18mob2株およびMH20−
22B−DR17/pEC−T18mob2thrEを
得た。
【0073】例7 コリネバクテリウム グルタミカムによるL−スレオニ
ンの製造 そのスレオニン形成を調べるために、コリネバクテリウ
ム グルタミカム MH20−22B−DR17/pE
C−T18mob2株およびMH20−22B−DR1
7/pEC−T18mob2thrE株を、カナマイシ
ン25μg/mlおよびテトラサイクリン5μg/ml
を含有する脳−心臓浸出物培地(DifcoLaboratories、D
etroit、USA)100ml中で、30℃で14時間プレ
インキュベートした。次いで、細胞を0.9%(W/
V)濃度の塩化ナトリウム溶液で1回洗浄し、CgXI
I培地60mlにこの懸濁液を接種したところ、OD
600(600nmでの光学濃度)は、0.5であった。培
地は、Keilhauer等の記載(Journal of Bacteriology
(1993)175:5593〜5603)と同一であるが、付加的
に、カナマイシン25μg/mlおよびテトラサイクリ
ン5μg/mlを含有する。いずれの株も30℃で72
時間培養した。0、24、48および72時間後にサン
プルを採取し、細胞を速やかに遠心分離した(Heraus
(Osterode、Germany)社製Biofuge pico centrifugeを
用いて1300RPMで5分間)。
【0074】培養上清の細胞外アミノ酸の濃度の定量的
測定を、ブレビバクテリウム フラバムに関して例5に
前記したのと同様に、逆相HPLC(Lindroth等、Anal
ytical chemistry(1979)51:1167〜1174)を用いて実
施した。アミノ酸濃度を、外標準および内標準であるア
スパラギンと比較して算出した。
【0075】結果を表3に示す。
【0076】
【表3】 配列表
【0077】
【外3】
【0078】
【外4】
【0079】
【外5】
【0080】
【外6】
【0081】
【外7】
【0082】
【外8】
【0083】
【外9】
【0084】
【外10】
【0085】
【外11】
【図面の簡単な説明】
【図1】トランスポゾンTn5531を有するプラスミ
ドpCGL0040の遺伝子地図である。トランスポゾ
ンは、塗りつぶされていない矢印で表される。
【図2】thrE遺伝子を含有する、プラスミドpZ1
thrEの遺伝子地図である。
【図3】プラスミドpEC−T18mob2の遺伝子地
図である。
【図4】thrE遺伝子を含有する、プラスミドpEC
−T18mob2thrEの遺伝子地図である。
【符号の説明】
長さのデータはおおよその値である。使用される略号お
よび記号は以下の意味を有する。 ・amp アンピシリン耐性遺伝子 ・kan カナマイシン耐性遺伝子 ・`amp アンピシリン耐性遺伝子
の3`部分 ・oriBR322 プラスミドpBR322
の複製領域 ・tet テトラサイクリン耐性遺
伝子 ・oriV プラスミドにコードされ
たE.Coli由来の複製領域 ・PR4mob プラスミドの可動性に必
要なmob領域 ・rep プラスミドにコードされ
たC.glutamicumプラスミドpGA1由来の複製領域 ・lacZ−alpha β−ガラクトシダーゼ遺
伝子のlacZα遺伝子断片(N−末端) 制限酵素の略号は、以下の意味を有する。 ・BamHI Bacillus Amyloliquefaciens由来の
制限エンドヌクレアーゼ ・BglII Bacillus flobigii由来の制限エン
ドヌクレアーゼ ・EcoRI Escherichia coli由来の制限エンド
ヌクレアーゼ ・EcoRV Escherichia coli由来の制限エンド
ヌクレアーゼ ・HindIII Haemophilus influenzae由来の制限
エンドヌクレアーゼ ・KpnI Klebsiell pneumoniae由来の制限エ
ンドヌクレアーゼ ・PstI Providencia stuartii由来の制限エ
ンドヌクレアーゼ ・PvuI Proteus bulgaris由来の制限エンド
ヌクレアーゼ ・SacI Streptomyces achromgenes由来の制
限エンドヌクレアーゼ ・SalI Streptomyces albus由来の制限エン
ドヌクレアーゼ ・SmaI Serratia marcescens由来の制限エ
ンドヌクレアーゼ ・XbalI Xanthomonas badrii由来の制限エン
ドヌクレアーゼ ・XhoI Xanthomonas holcicola由来の制限
エンドヌクレアーゼ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12R 1:15) (C12P 13/08 C (C12N 1/21 C12R 1:15) C12R 1:15) C12N 15/00 ZNAA (C12P 13/08 X C12R 1:15) C12R 1:15) (71)出願人 599000142 フォルシュングスツェントルム ユーリッ ヒ ゲゼルシャフト ミット ベシュレン クテル ハフツング ドイツ連邦共和国ユーリッヒ (番地な し) (72)発明者 ペトラ ツィーグラー ドイツ連邦共和国 アーヘン アダルベル トシュトラーセ 63 (72)発明者 ローター エッゲリング ドイツ連邦共和国 ユーリッヒ エルゼン カンプ 6 (72)発明者 ヘルマン ザーム ドイツ連邦共和国 ユーリッヒ ヴェンデ リヌスシュトラーセ 71 (72)発明者 ゲオルク ティーアバッハ ドイツ連邦共和国 ビーレフェルト グン ストシュトラーセ 21

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 thrE遺伝子をコードするヌクレオチ
    ド配列を少なくとも1つ含有する、コリネバクテリウム
    に由来しかつコリネフォルム微生物中で複製可能な、有
    利な組み換えDNA。
  2. 【請求項2】 (i)thrE遺伝子をコードする、配
    列番号1または配列番号3のヌクレオチド配列、または
    (ii)遺伝暗号の変性領域内の、配列(i)に相当す
    る、少なくとも1つの配列、または(iii)配列
    (i)または(ii)に相補的な配列とハイブリダイズ
    する少なくとも1つの配列、および/または場合により
    (iv)(i)中の機能中立センス突然変異を有する、
    請求項1記載の複製可能なDNA。
  3. 【請求項3】 配列番号2および配列番号4に示され
    る、請求項1または2記載のヌクレオチド配列に由来す
    る、タンパク質のアミノ酸配列。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載の複製可能なDN
    Aを1つ以上導入することにより形質転換される、特に
    コリネバクテリウム属の、コリネフォルム微生物。
  5. 【請求項5】 番号DSM12840で寄託された、コ
    リネバクテリウムグルタミカム DM368−2 pZ
    1thrE。
  6. 【請求項6】 バクテリアを使用し、その中でthrE
    遺伝子をコードするヌクレオチド配列を増幅、特に過剰
    発現させる、コリネフォルムバクテリアの発酵を利用し
    たL−スレオニンの製法。
  7. 【請求項7】 バクテリアを使用し、付加的にスレオニ
    ン生合成経路に関する1つ以上の遺伝子を増幅する、請
    求項6記載の製法。
  8. 【請求項8】 プラスミドベクターを用いて形質転換し
    た株を使用し、該プラスミドベクターがthrE遺伝子
    をコードするヌクレオチド配列を有する、請求項6また
    は7記載の製法。
  9. 【請求項9】 別の代謝産物または代謝拮抗物質への耐
    性を示す突然変異を有する微生物中で、thrE遺伝子
    を過剰発現させる、請求項6から8までのいずれか1項
    記載の製法。
  10. 【請求項10】 過剰発現を実現するために、微生物を
    様々な培地で発酵させかつ/または発酵条件を変更す
    る、請求項6から9までのいずれか1項記載の製法。
  11. 【請求項11】 スレオニンの形成を抑制する代謝経路
    が部分的であるにせよ遮断されている微生物を使用す
    る、請求項6から10までのいずれか1項記載の製法。
  12. 【請求項12】 thrE遺伝子に加え、スレオニン形
    成の代謝経路に関する残りの遺伝子を、個々にまたはい
    っしょに増幅した(過剰発現させた)微生物を使用す
    る、請求項6から11までのいずれか1項記載の製法。
  13. 【請求項13】 以下の工程: a)請求項6から12までのいずれか1項記載の微生物
    の発酵において、少なくともthrE遺伝子を増幅(過
    剰発現)し、場合により別の遺伝子もいっしょに増幅
    し、 b)培地中または微生物の細胞中のL−スレオニンを増
    加させ、 c)L−スレオニンを単離する、を実施することから成
    る、L−スレオニンの製法。
  14. 【請求項14】 コリネバクテリウム属に属する微生物
    を使用する、請求項6から13までのいずれか1項記載
    の製法。
  15. 【請求項15】 スレオニン含有オリゴペプチドを含む
    栄養培地で増殖しないかまたはわずかにしか増殖しない
    thrE遺伝子欠損突然変異体、有利にコリネフォルム
    バクテリアを指示株として獲得し、 a)遺伝子バンクの構築後にthrE遺伝子を同定し、
    単離するか、または b)トランスポゾン突然変異誘発の場合には、有利に抗
    生物質への耐性を示すトランスポゾンを選択し、それに
    よりthrE遺伝子が獲得される、ことから成る、th
    rE遺伝子の単離方法。
JP2000263283A 1999-09-01 2000-08-31 thrEをコードする新規ヌクレオチド配列およびコリネフォルムバクテリアを使用したL−スレオニンの酵素的製法 Pending JP2001095592A (ja)

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