JP2001095040A - 移動無線システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 移動局を複数のエリアに適切に登録し配車な
どの際に好適となる。 【解決手段】 移動局２−１〜２−ｎから得た当該移動
局の位置情報に基づき前記移動局２−１〜２−ｎが複数
のエリアのいずれかに属するかを決定し管理する移動無
線システムにおいて、エリア間の重なりエリアを設定
し、移動局の位置情報に基づき当該移動局が重なりエリ
アを含めたいずれのエリアに存在するかを判定する存在
エリア判定手段１４１と、この存在エリア判定手段１４
１により移動局が重なりエリアに存在すると判定された
場合には、当該移動局が前回存在したエリアに属すると
特定し、移動局が重なりエリア以外のエリアに存在する
と判定された場合には、当該移動局が当該エリアに属す
ると特定するエリア特定手段１４２とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、タクシ
ーにおいて配車を行う場合などに用いることのできる移
動無線システムに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、タクシーの配車等を適切に行うた
めにＧＰＳ−ＡＶＭ（Global Positioning System-Auto
Vehicle Monitor）システムの導入が行われている。こ
のシステムは、移動局であるタクシーにカーナビゲーシ
ョン装置を設け、ＧＰＳ衛星から位置情報を得て、これ
を実車／空車の別を示す情報や車両番号情報と共に基地
局である配車センター等へ送り、基地局では、配車待ち
で待機している車両の位置をエリア毎に登録して、登録
が古い順に配車を行うようにする。

【０００３】しかしながら、従来のシステムでは、複数
のエリアの境界に移動局がある場合には、ＧＰＳの誤差
や道路の屈曲などにより適切にエリア管理を行えない場
合があった。例えば、図１０に示されるようにエリアＡ
とエリアＢの２つのエリアがあり、移動局Ｍが境界Ｂに
在る場合には、ＧＰＳの誤差により計測の都度、位置情
報からエリアＡとエリアＢとに交互に登録されることが
あり、係る場合には、何時まで経っても配車の順番が到
来しないことになる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】また、ＧＰＳの誤差に
依らない場合にも、道路Ｒが図１０のように境界Ｂを蛇
行してエリアＡとエリアＢとの間を出入りするように屈
曲しているようなときには、この道路Ｒを走行するとエ
リアＡとエリアＢとに交互に登録されることになり、係
る場合にも、何時まで経っても配車の順番が到来しない
ことになる。

【０００５】本発明は、上記のような従来の移動無線シ
ステムが有する問題点を解決せんとしてなされたもの
で、その目的は、移動局を複数のエリアに適切に登録し
配車などの際に好適となる移動無線システムを提供する
ことである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明に係る移動無線シ
ステムは、移動局から得た当該移動局の位置情報に基づ
き前記移動局が複数のエリアのいずれかに属するかを決
定し管理する移動無線システムにおいて、エリア間の重
なりエリアを設定し、移動局の位置情報に基づき当該移
動局が重なりエリアを含めたいずれのエリアに存在する
かを判定する存在エリア判定手段と、この存在エリア判
定手段により移動局が重なりエリアに存在すると判定さ
れた場合には、当該移動局が前回存在したエリアに属す
ると特定し、移動局が重なりエリア以外のエリアに存在
すると判定された場合には、当該移動局が当該エリアに
属すると特定するエリア特定手段とを具備することを特
徴とする。これにより、移動局エリア間の重なりエリア
に移動した場合には、元のエリアに登録されたままであ
り、位置情報の測定誤差や道路の屈曲に依っては不適切
な不要なエリアの変更が生じることがなくなる。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態に係る移動無線システムを説明する。図１
に移動無線システムの構成を示す。基地局１は、タクシ
ーの営業所などに配置され、移動局２−１〜２−ｎは、
各車両に配置される。

【０００８】基地局１には、配車の指示を与えるなどを
行うための操作制御装置１１が設けられ、この操作制御
装置１１には、通話の音声を入力するためのマイク１
２、無線機１３、メイン・コンピュータ１４が接続され
ている。上記の無線機１３は、接続されている空中線設
備１５を介して各移動局２−１〜２−ｎとの間で通信を
行う。

【０００９】メイン・コンピュータ１４は、各車両の位
置等を表示し、呼び出しの指示を受け付けるための処理
を行うものであり、ＣＲＴ等のディスプレイ装置１６、
情報を入力するためのキーボード・マウス１７、印字を
行うプリンタ１８、プログラムや各種データが記憶され
たＣＤ（コンパクトディスク）がセットされるＣＤドラ
イブ１９が備えられている。

【００１０】上記の操作制御装置１１の内部構成は、図
２に示されるようである。つまり、情報処理装置３１を
中心として構成され、これにスタンドマイク１２を接続
する端子３２が設けられ、インターフェース３３、３
４、アンプ３５が接続されている。インターフェース３
３にはメイン・コンピュータ１４が接続され、インター
フェース３４には無線機１３が接続される。アンプ３５
には、発音用のスピーカ３６が接続されている。

【００１１】一方、各移動局２−１〜２−ｎは同一の構
成であるため、移動局２−１について説明する。移動局
２−１には、通信制御装置２１が設けられ、ＧＰＳによ
る位置情報を受けると共に、基地局１との間において通
信を行う制御を行うように構成されている。つまり、通
信制御装置２１には、カーナビゲーション装置２２、無
線機２３が接続されている。更に、通信制御装置２１に
は、実車と空車の別を入力するスイッチが付設されてい
るタクシーメータ２４、カーナビゲーション用の情報入
力装置２５、緊急事態等を知らせる外部入力部２６、音
声入力用のマイク２７が接続されている。また、カーナ
ビゲーション装置２２には、ＧＰＳ衛星と通信を行うた
めのＧＰＳアンテナ２８が接続され、無線機２３には、
基地局１と通信を行うためのＡＶＭ（Auto Vehicle Mon
itor）アンテナ２９が接続されている。

【００１２】以上の構成において、カーナビゲーション
装置２２は、アンテナ２８を介して当該移動局２−１
（その他２−２〜２−ｎも同じ）の位置データを得てお
り、この位置データは通信制御装置２１において車両番
号情報、実車と空車の状態情報等と共に所定のフォマー
ットのデータとされて、無線機２３から空中線２９を介
して基地局１へ送られている。

【００１３】基地局１では、無線機１３が上記データを
空中線設備１５を介して受け取り、操作制御装置１１へ
送出する。操作制御装置１１では、このデータを分離
し、車両番号情報と位置データをインターフェース３３
を介してメイン・コンピュータ１４へ送る。メイン・コ
ンピュータ１４は、例えば、当該タクシーの営業所がカ
バーする複数エリアの地図に、上記位置データに基づく
車両のイメージをオーバラップさせたものをディスプレ
イ装置１６へ表示する。このとき、車両のイメージに
は、実車と空車の別、車両番号、登録順位等を付記表示
する。

【００１４】また、メイン・コンピュータ１４は、図３
に示されるようなエリア毎に空車となった車両の車両番
号を記憶するためのメモリテーブル（記憶手段）を備え
ている。ここでは、エリアＡとエリアＢとについて、登
録の順位に対応付けて車両番号が登録されるように構成
されている。そして、メイン・コンピュータ１４は、上
記のディスプレイ装置１６へ車両のイメージ、実車と空
車の別、車両番号、登録順位等を表示する場合には、図
４に示されるフローチャートの処理を行い、図１に示さ
れる報知制御手段１４３として機能する。

【００１５】つまり、図３に示されるメモリテーブルか
ら車両番号情報を取り出して、例えば、登録の古い順か
ら１、２、３、・・・という数字からなる登録順報知の
表示情報を作成し（Ｓ１）、この作成した表示情報に基
づく画像をディスプレイ装置１６へ表示する（Ｓ２）。
これにより、配車を行うオペレータは各エリアにおいて
次に配車の指示を与えるべき車両番号が明瞭に判る。

【００１６】本実施の形態では、エリア間に重なりエリ
アを設定し、ＧＰＳ誤差や道路の屈曲に依る各エリアへ
の新規登録が頻繁に生じる不具合を解消している。即
ち、従来は図１０に示されるようにエリアＡとエリアＢ
とが境界Ｂにより分けられていただけであるが、本実施
の形態では図５に示されるように重なりエリアが設けら
れる。エリアＡ及びエリアＢと重なりエリアの境界は、
経度及び緯度により特定される位置情報により規定され
ており、この境界の位置情報はメイン・コンピュータ１
４に備えられている。

【００１７】メイン・コンピュータ１４は、図６に示さ
れるフローチャートに対応するプログラムにより動作を
行い、図１に示される存在エリア判定手段１４１及びエ
リア特定手段１４２として機能する。つまり、メイン・
コンピュータ１４は、移動局２−１〜２−ｎから位置情
報が到来するのを待っており（Ｓ３）、位置情報が到来
すると、予め記憶されているエリアＡ及びエリアＢと重
なりエリアの境界の位置情報に基づき、当該移動局がい
ずれに存在しているかを特定し（Ｓ４（存在エリア判定
手段１４１））、重なりエリアであるか否かを検出する
（Ｓ５）。

【００１８】上記で重なりエリアにあることが検出され
ると、図３に示したメモリテーブルにおいて当該移動局
である車両の車両番号が登録されているエリアを、当該
移動局の存在エリアとして維持する（Ｓ６（エリア特定
手段１４２））。この結果、移動局が図８に示されるよ
うに、位置Ｐ１から位置Ｐ２へ移動して重なりエリアに
存在するときには、エリアＡに存在すると特定され、位
置Ｐ３から位置Ｐ４へ移動して重なりエリアに存在する
ときには、エリアＢに存在すると特定されることにな
る。

【００１９】上記ステップＳ５において、重なりエリア
にないことが検出されると、今回特定されたエリアを、
当該移動局の存在エリアとして、図３に示したメモリテ
ーブルにおいて当該移動局である車両の車両番号の新規
登録及び旧登録の削除がなされる（Ｓ７（エリア特定手
段１４２））。この結果、移動局が図８に示されるよう
に、エリアＡの位置Ｐ５から位置Ｐ６へ移動してエリア
Ｂに存在するときには、エリアＢに存在すると特定さ
れ、当該移動局である車両の車両番号が図３のメモリテ
ーブルのエリアＢの欄の最下位に登録され、エリアＡに
おける旧登録の削除がなされる。これ以降、同移動局が
位置Ｐ６から位置Ｐ７へ移動して重なりエリアに存在す
るときには、エリアＢに存在すると特定される。

【００２０】そして、上記フローチャート対応の処理に
よって、例えば、図９に示されるように、エリアＡの位
置Ｐ８から重なりエリアの位置Ｐ９へ移動し、更に重な
りエリアの位置Ｐ１０へ移動し、最終的にエリアＡの位
置Ｐ１１へ到ったような場合には、当該移動局である車
両の車両番号が図３のメモリテーブルのエリアＡの欄に
登録され、新規エリアへの登録がなされることはない。

【００２１】更に、メイン・コンピュータ１４は、図７
に示されるフローチャートに対応するプログラムにより
動作を行い、図３に示したメモリテーブルの管理を行
う。つまり、ステップＳ６、Ｓ７における処理の結果に
より、エリアと車両番号を受け取り（Ｓ１１）、当該車
両の存在エリアが前回のエリアと一致したか否かを検出
する（Ｓ１２）。ここで一致しなかった場合には、図３
に示したメモリテーブルにおける当該エリアの最下位に
当該車両番号情報を登録する（Ｓ１３）。

【００２２】上記ステップＳ１３の登録の後、またはス
テップＳ１２にて当該車両の存在エリアが前回のエリア
と一致した場合には、配車の指示の有無を検出し（Ｓ１
４）、配車の指示があると該当の車両番号を該当エリア
から削除して、同エリアに登録されている車両番号を上
方へシフトし、順位を上昇させる（Ｓ１５）。

【００２３】以上の処理により、待機中の車両がエリア
境界にあっても配車の順位を狂わされるなど不具合を防
止することができる。尚、本実施の形態では、タクシー
の配車のシステムを例としたが、これ以外に、例えば、
人の居場所をエリアにより特定するシステム等において
もエリアが頻繁に変更されることを防止する場合に適用
可能である。

【００２４】

【発明の効果】以上説明したように本発明の移動無線シ
ステムによれば、移動局から得た当該移動局の位置情報
に基づき前記移動局が複数のエリアのいずれかに属する
かを決定し管理する移動無線システムにおいて、エリア
間の重なりエリアを設定し、移動局の位置情報に基づき
当該移動局が重なりエリアを含めたいずれのエリアに存
在するかを判定し、この判定により移動局が重なりエリ
アに存在するとされた場合には、当該移動局が前回存在
したエリアに属すると特定し、移動局が重なりエリア以
外のエリアに存在するとされた場合には、当該移動局が
当該エリアに属すると特定するようにしたので、移動局
エリア間の重なりエリアに移動した場合には、元のエリ
アに登録されたままであり、位置情報の測定誤差や道路
の屈曲に依っては不適切な不要なエリアの変更が生じる
ことがなくなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態に係る移動無線システムの
構成図。

【図２】図１に示された本発明の実施の形態に係る移動
無線システムの要部構成図。

【図３】図１に示された本発明の実施の形態に係る移動
無線システムにおいて用いられるメモリテーブルの内容
を示す図。

【図４】本発明の実施の形態に係る移動無線システムに
おける動作を説明するためのフローチャート。

【図５】本発明の実施の形態に係る移動無線システムに
おいて採用されるエリアの区分を示す図。

【図６】本発明の実施の形態に係る移動無線システムに
おける動作を説明するためのフローチャート。

【図７】本発明の実施の形態に係る移動無線システムに
おける動作を説明するためのフローチャート。

【図８】本発明の実施の形態に係る移動無線システムに
おける移動局の移動に対するエリア特定動作を説明する
ための図。

【図９】本発明の実施の形態に係る移動無線システムに
おける移動局の移動に対するエリア特定動作を説明する
ための図。

【図１０】従来の移動無線システムにおける移動局の移
動に対するエリア特定動作を説明するための図。

【符号の説明】

１ 基地局 ２−１〜２
−ｎ 移動局 １１ 操作制御装置 １２ スタ
ンドマイク １３ 無線機 １４ メイ
ン・コンピュータ １５ 空中線設備 １６ ディ
スプレイ装置 １７ キーボード・マウス １８ プリ
ンタ １９ ＣＤドライブ ２１ 通信
制御装置 ２１Ａ 送信制御手段 ２２ カー
ナビゲーション装置 ２３ 無線機 ２４ タク
シーメータ ２５ 情報入力装置 ２６ 外部
入力装置 ２７ マイク ３１ 情報
処理装置 １４１ 存在エリア判定手段 １４２ エ
リア特定手段 １４３ 報知制御手段

フロントページの続き Ｆターム(参考） 5H180 AA14 BB04 BB13 FF05 FF13 FF22 FF25 FF32 5K067 AA33 BB26 BB36 DD19 EE02 EE10 FF03 FF23 HH23 JJ52 JJ56 JJ66

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 移動局から得た当該移動局の位置情報に
   基づき前記移動局が複数のエリアのいずれかに属するか
   を決定し管理する移動無線システムにおいて、 エリア間の重なりエリアを設定し、移動局の位置情報に
   基づき当該移動局が重なりエリアを含めたいずれのエリ
   アに存在するかを判定する存在エリア判定手段と、 この存在エリア判定手段により移動局が重なりエリアに
   存在すると判定された場合には、当該移動局が前回存在
   したエリアに属すると特定し、移動局が重なりエリア以
   外のエリアに存在すると判定された場合には、当該移動
   局が当該エリアに属すると特定するエリア特定手段とを
   具備することを特徴とする移動無線システム。
2. 【請求項２】 移動局の識別情報をエリアに対応させて
   記憶するための記憶手段と、 前記エリア特定手段により特定されたエリアが前回のエ
   リアと異なる場合に、前記記憶手段の記憶内容を更新す
   ると共に、前記記憶手段において移動局がエリアに対応
   付けられた順位に応じた報知を行う報知制御手段とを具
   備することを特徴とする請求項１に記載の移動無線シス
   テム。
3. 【請求項３】 移動局が車両であり、移動局から配車待
   ち状態が指示されると管理を開始し、実車状態が指示さ
   れると管理を終了することを特徴とする請求項１の移動
   無線システム。