JP2001094187A - 半導体レーザ素子搭載用基板およびそれを用いた半導体レーザモジュール - Google Patents

半導体レーザ素子搭載用基板およびそれを用いた半導体レーザモジュール

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JP2001094187A
JP2001094187A JP26619499A JP26619499A JP2001094187A JP 2001094187 A JP2001094187 A JP 2001094187A JP 26619499 A JP26619499 A JP 26619499A JP 26619499 A JP26619499 A JP 26619499A JP 2001094187 A JP2001094187 A JP 2001094187A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】LD素子に対して迅速かつ高精度な温度制御を
行い得るようにすること。 【解決手段】絶縁基板7上にLD素子4を搭載するため
の搭載部8を有するとともに、搭載部8直下の絶縁基板
7内部に発熱抵抗体9を埋設して成るLD基板6および
これを使用したLDモジュールである。LD素子4の作
動停止時にLD素子4を作動時と同様の高温としておく
ことができ、LD素子4の作動開始時等に迅速かつ高精
度の温度制御を可能とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体レーザ素子
を搭載するとともに温度調節機能を有する半導体レーザ
素子搭載用基板、およびこれを使用した光通信用の半導
体レーザモジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光通信用の半導体レーザ(Laser
Diode で、以下、LDという)モジュールに使用される
LD素子は、その発振波長や光出力等がLD素子の温度
により変化することが判っている。従って、LD素子を
安定して作動させるためには、LD素子の温度を所定の
温度に制御することが必要となる。従来より、LD素子
の温度制御は、LD素子の温度を測定するための測温素
子と、この測温素子が測定した温度情報を基にLD素子
の冷却または加熱を行なうペルチェ素子とにより行なわ
れている。そして、このような測温素子およびペルチェ
素子は、LD素子とともに気密封止が可能なパッケージ
内に収められてLDモジュールを構成する。
【0003】ここで、従来のLDモジュールを図4の断
面図で示す。従来のLDモジュールは、基体21と蓋体
22とから成るパッケージ20の内部に、ペルチェ素子
23,LD素子24および測温素子25を気密可能に収
容して成る。なお、LD素子24および測温素子25
は、これらを搭載するためのLD素子搭載用基板(サブ
キャリア)26の上に配置されている。
【0004】パッケージ20を構成する基体21は、酸
化アルミニウム(Al2 3 )質焼結体等のセラミック
スや銅(Cu)−タングステン(W)合金,鉄(Fe)
−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)合金等の金属か
ら成り、主として平板状の底板部21aと枠状の側壁部
21bとから構成され、上面が開口された箱状とされて
いる。基体21の底板部21aの上面にはペルチェ素子
23が搭載固定されており、このペルチェ素子23の上
面には、LD素子24および測温素子25がLD素子搭
載用基板26の上に配置された状態で搭載されている。
【0005】また、基体21の側壁部21bには、鉄−
ニッケル合金や鉄−ニッケル−コバルト合金等の金属か
ら成る光ファイバ固定部材としてのパイプ27が取着さ
れており、このパイプ27の内部には光ファイバ28が
挿通されLD素子24と光学的に結合した状態で固定さ
れている。光ファイバ28は、その先端の光入出射端が
LD素子24と対向して配置されており、LD素子24
からのレーザ光を光ファイバ28を介して外部に伝送で
きるようになっている。
【0006】さらに、基体21の底板部21aまたは側
壁部21bには、リード端子29が固定されており、こ
のリード端子29はペルチェ素子23,LD素子24,
測温素子25と電気的に接続されている。
【0007】また、蓋体22は、鉄−ニッケル−コバル
ト合金や鉄−ニッケル合金等の金属から成る平板状のも
のであり、基体21の側壁部21bの上面に例えばシー
ム溶接法により接合されることにより、基体21と蓋体
22とから成るパッケージを構成して、その内部にペル
チェ素子23およびLD素子24ならびに測温素子25
を収納し、気密に封止している。
【0008】この従来のLDモジュールにおいて使用さ
れるLD素子搭載用基板(以下、LD基板と略す)26
について、図5を用いてより詳細に説明する。図5は、
図4のLD基板26とその上に配置されたLD素子24
および測温素子25とを示す斜視図である。LD基板2
6は、例えば酸化アルミニウム質焼結体等の電気絶縁材
料から成る基板30の上面の一端側に、LD素子24を
搭載するための金属薄膜から成る搭載部31を有してい
る。搭載部31を構成する金属薄膜は、例えばチタン
(Ti)膜,白金(Pt)膜,金(Au)膜から成る3
層構造の金属薄膜である。この搭載部31の上に、LD
素子24が例えば金(Au)−錫(Sn)合金から成る
ろう材を介して固定される。LD基板26はまた、その
裏面にも例えばチタン膜,白金膜,金膜から成る3層構
造の金属薄膜(不図示)が略全面に被着されており、こ
の裏面の金属薄膜とペルチェ素子23とをろう付けする
ことにより、LD基板26がペルチェ素子23上に接合
固定されている。
【0009】なお、測温素子25は、例えばサーミスタ
等から成り、基板30の上面の光ファイバと反対側にL
D素子24に隣接して搭載されている。この測温素子2
5は、温度によってその電気抵抗値が変化し、その電気
抵抗値の変化をリード端子29を介して外部の制御回路
に伝え、この制御回路からの指示でペルチェ素子23を
駆動することによりLD素子24を所定の温度に制御す
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のLDモジュ
ールにおいては、LD素子24は作動時には発熱して高
温となり、作動停止時にはその温度が下がる。そこで、
LD素子24の作動時にはLD素子24を冷却し、逆に
作動停止時には加熱しなければならない。しかしなが
ら、ペルチェ素子23はある程度の熱容量を有すること
およびLD素子24との間にLD基板26を介している
ことから、ペルチェ素子23による冷却状態と加熱状態
とがすぐには切り替わらず、例えばLD素子24の作動
開始時等にLD素子24が定温状態となるまでに時間が
かかり、迅速かつ高精度なLD素子24の作動および温
度制御を行うことが困難であるという問題点を有してい
た。
【0011】本発明はかかる従来の問題点に鑑み完成さ
れたものであり、その目的は、迅速かつ高精度な作動お
よび温度制御を行なうことが可能なLD基板およびLD
モジュールを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体レーザ素
子搭載用基板は、絶縁基板上に半導体レーザ素子を搭載
するための搭載部を有するとともに、該搭載部直下の前
記基板内部に発熱抵抗体を埋設したことを特徴とするも
のである。
【0013】また、本発明のLDモジュールは、上記の
半導体レーザ素子搭載用基板上に半導体レーザ素子を搭
載するとともに、これらを気密封止されたパッケージの
内部にペルチェ素子を介して収容して成ることを特徴と
する。
【0014】本発明のLD基板およびLDモジュールに
よれば、LD素子が搭載されるLD基板の搭載部の直下
に発熱抵抗体が埋設されていることから、この発熱抵抗
体により加熱することによって、作動停止時のLD素子
を常に作動時と同様の高温としておくことができ、これ
によりLD素子の作動開始時等に迅速かつ高精度な作動
開始および温度制御を行うことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本発明を添付の図面を基に
詳細に説明する。図1は、本発明のLD基板およびこれ
を使用したLDモジュールの実施形態の一例を示す断面
図であり、本発明のLDモジュールは、基本的に、基体
1と蓋体2とから成るパッケージの内部にペルチェ素子
3,LD素子4,測温素子5ならびにLD基板6を気密
に収容して成る。
【0016】パッケージを構成する基体1は、酸化アル
ミニウム質焼結体や窒化アルミニウム(AlN)質焼結
体,ムライト(3Al2 3 ・2SiO2 )質焼結体,
炭化珪素(SiC)質焼結体,窒化珪素(Si3 4
質焼結体,ガラス−セラミックス等のセラミックス材
料、あるいは銅を含浸させたタングステン多孔質体や鉄
−ニッケル合金,鉄−ニッケル−コバルト合金等の金属
から成り、基体1の主要部は略平板状の底板部1aと枠
状の側壁部1bとから構成されている。なお、底板部1
aと側壁部1bとは同じ材料から形成されていてもよい
し、互いに異なる材料から形成されていてもよい。ただ
し、底板部1aと側壁部1bとを互いに異なる材料で形
成する場合には、両者の熱膨張係数の差ができるだけ小
さいものとなる組み合わせを選択することが好ましい。
【0017】基体1の底板部1aの上面には、ペルチェ
素子3が搭載固定される。ペルチェ素子3は、LD素子
4を所定の温度に冷却するための熱ポンプとして機能
し、測温素子5により測定したLD素子4の温度情報を
基にLD素子4が所定の温度となるように冷却する。そ
して、ペルチェ素子3の上面には、LD基板6が搭載固
定されており、このLD基板6上にはLD素子4および
測温素子5が配置されている。なお、測温素子5はサー
ミスタ等から成る。
【0018】LD基板6は、図2の斜視図で示すよう
に、酸化アルミニウム質焼結体,窒化アルミニウム質焼
結体,炭化珪素質焼結体,窒化珪素質焼結体,ガラス−
セラミックス等の電気絶縁性の材料から成る、長方形等
の四角平板状の2層の絶縁層7a,7bを、積層一体化
した絶縁基板7の上面にLD素子4を搭載するための搭
載部8を有するとともに、この搭載部8直下で絶縁層7
aと7bとの間にLD素子4を加熱するための発熱抵抗
体9が埋設されて成る。このLD基板6は、下層の絶縁
層7bの測温素子5側の一端部が上層の絶縁層7aから
突出しており、この突出部の上面に発熱抵抗体9の両端
部が導出している。また、絶縁基板7の下面には、LD
基板6をペルチェ素子3に接合するための接合用金属層
(不図示)が被着されている。なお、図2では絶縁基板
7が2層の絶縁層7a,7bを積層させた構成であるが
3層以上の絶縁層を積層させた構成としても構わない。
【0019】また絶縁基板7は、例えば酸化アルミニウ
ム質焼結体から成る場合、酸化アルミニウム,酸化珪
素,酸化マグネシウム,酸化カルシウム等のセラミック
粉末に適当な有機バインダ,溶剤を添加混合して得た泥
漿状のペーストを、公知のドクタブレード法によりシー
ト状に成形することにより、絶縁層7a,7b用の2枚
のセラミックグリーンシートを準備し、これらのセラミ
ックグリーンシートに適当な打ち抜き加工や切断加工を
施した後、上下に積層し、この成形体を約1600℃の
温度で焼成することによって製作される。
【0020】なお、絶縁基板7は、窒化アルミニウム質
焼結体や炭化珪素質焼結体,窒化珪素質焼結体で形成す
ると、これらの材料はその熱伝導率が40W/m・K以
上と高いため、LD基板6上に搭載されるLD素子4と
ペルチェ素子3との間の熱伝導を良好に行なうことがで
き、LD素子4の温度制御を迅速に行なうことが可能と
なる。絶縁基板7の上面に配設された搭載部8は、絶縁
基板7にLD素子4を接合するための下地金属として機
能し、その上面にはLD素子4が金−錫合金等の低融点
ろう材を介して取着される。LD基板6用の絶縁基板7
の厚さは0.05mm〜5mm程度が好ましく、0.0
5mm未満では、絶縁基板7の強度が弱くなり、LD素
子4を搭載する際等に外力が加わると割れやクラックが
発生し易くなる。また、5mmを超えると、LD基板6
を介したペルチェ素子3による冷却が迅速に行えなくな
るとともに、LD基板6の高さが高くなってLDモジュ
ールの小型化が困難になる傾向にある。
【0021】前記搭載部8は、例えば絶縁基板7の側か
らチタン膜,白金膜,金膜の順で積層された3層構造の
金属薄膜から形成されている。チタン膜は、絶縁基板7
に密着させるための密着金属であり、厚みは100〜2
000Å程度が良い。100Å未満では、絶縁基板7に
強固に密着することが困難になる傾向にあり、2000
Åを超えると、成膜時にチタン膜に発生する内部応力に
よって剥離が発生し易いものとなる傾向にある。
【0022】また、白金膜はチタン膜中のチタンが金膜
に拡散するのを防止するバリア層であり、厚みは500
〜10000Å程度が良い。500Å未満では、チタン
の拡散を十分に防止することができなくなる傾向にあ
り、10000Åを超えると、成膜時に白金膜に発生す
る内部応力によって剥離が発生し易い傾向がある。
【0023】さらに、金膜は、搭載部8にLD素子2を
取着する際のろう材との濡れ性を向上させるためのもの
であり、厚みは1000〜50000Å程度が良い。1
000Å未満では、十分な濡れ性が得られにくく、50
000Åを超えると、成膜時に発生する内部応力により
剥離が発生し易くなる。
【0024】なお、搭載部8用のチタン膜,白金膜,金
膜は、スパッタリング法やイオンプレーティング法,蒸
着法等の公知の薄膜成形技術を採用することによって、
これらの金属膜を絶縁基板7の上面に被着させるととも
に、公知のフォトリソグラフィー技術を用いて所定のパ
ターンにエッチングすることによって形成される。
【0025】また、絶縁基板7の搭載部8直下に埋設さ
れた発熱抵抗体9は、LD素子4を加熱するための発熱
抵抗体であり、例えばタングステン,モリブデン,タン
グステン−モリブデン合金,タングステン−レニウム合
金,白金等の抵抗体材料から成る。このように、LD基
板6には、搭載部8の直下に発熱抵抗体9が埋設されて
いることから、LD素子4の作動停止時に発熱抵抗体9
を発熱させてLD素子4を作動時と同様の高温としてお
くことができ、その結果LD素子4の作動開始時に迅速
かつ高精度の作動開始および温度制御を行うことがで
き、LD素子4を常に安定かつ確実に作動させることが
可能となる。
【0026】発熱抵抗体9は、例えばタングステン−モ
リブデン合金から成る場合であれば、10〜90重量%
のタングステン粉末および10〜90重量%のモリブデ
ン粉末に適当な有機バインダ,溶剤を添加混合して得た
抵抗体ペーストを、絶縁基板7となるセラミックグリー
ンシートに公知のスクリーン印刷法により所定のパター
ンに印刷塗布するとともに、これを前記セラミックグリ
ーンシートと同時焼成することによって絶縁基板7の搭
載部8直下に埋設するように形成される。なお、発熱抵
抗体9の電気抵抗を高いものとするとともにその熱膨張
係数を調整するために、前記抵抗体ペースト中に絶縁基
板7用のセラミックグリーンシートに含有されるセラミ
ック粉末を5〜30重量%程度含有させてもよい。
【0027】そして、本発明のLD基板6においては、
発熱抵抗体9が絶縁基板7内部で搭載部8直下に埋設さ
れていることが重要である。また、本発明の発熱抵抗体
9は、図2に示すように線状または帯状とされ、LD素
子4の裏面全体に対応するように、綴ら折り状または螺
旋状に形成するのが好ましい。
【0028】発熱抵抗体9は、その入出力用の両端部を
絶縁基板7の表面に導出させるようにして、搭載部8と
の間に好ましくは0. 01〜1mmの間隔をあけて搭載
部8の直下に埋設されており、これによりLD素子4を
短い距離で短時間に加熱することができ、迅速かつ精度
の高い温度制御が可能となる。このように発熱抵抗体9
は、搭載部8の直下に埋設させたので絶縁基板7上に大
きな領域を占有することがない。その結果、LD基板6
が大型化することはない。そして、発熱抵抗体9と搭載
部8との間隔が0. 01mm未満の場合、発熱抵抗体9
と搭載部8との間に電気的な短絡が生じる危険性があ
り、他方1mmを超えると、搭載部8に搭載されるLD
素子4から発熱抵抗体9までの間隔が大きすぎて、LD
素子4を迅速に加熱することが困難になる傾向にある。
【0029】また、発熱抵抗体9の厚みは5〜50μm
程度が良い。発熱抵抗体9の厚みが5μm未満である
と、発熱抵抗体9に断線が発生する恐れが高くなる。他
方、50μmを超えると、発熱抵抗体9の電気抵抗値が
小さくなり過ぎて、発熱の効率が低下する。発熱抵抗体
9の幅は0.05〜0.5mm程度が好ましく、0.0
5mm未満では、発熱抵抗体9に断線が発生し易くな
り、0.5mmを超えると、発熱抵抗体9の電気抵抗が
小さくなりすぎて発熱の効率が低下する。発熱抵抗体9
の長さは0.5〜50mm程度が好ましく、0.5mm
未満では、発熱抵抗体9として十分な電気抵抗を得るの
が困難となる傾向にあり、50mmを超えると、発熱抵
抗体9を絶縁基板7内に形成することが困難となる傾向
にある。
【0030】本発明の発熱抵抗体9の発熱量は0.1〜
1000mW程度が好ましく、0.1mW未満では、L
D素子4を十分に加熱することが困難となり、1000
mWを超えると、LD素子4が高温になり過ぎる傾向に
ある。また、一般にLD素子4が駆動される温度は約2
0〜80℃であり、前記範囲内で温度を変化させること
により発振周波数を制御することもできる。
【0031】さらに、絶縁基板7の表面に導出した発熱
抵抗体9の両端部には、外部の制御回路等に電気的に接
続される端子電極9aが形成されている。この端子電極
9aは、絶縁基板7の絶縁層7bの上面において、線状
の発熱抵抗体9の両端部を金属薄膜により覆うようにし
て形成される。例えば、搭載部8を構成する金属薄膜と
同じ構成の金属薄膜を被着させて成る。このような端子
電極9aは、例えば予め絶縁基板7の内部に発熱抵抗体
9となる抵抗体材料を、その両端部が絶縁基板7の上面
に露出するようにして形成するとともに、その上を覆う
ようにして搭載部8および端子電極9aとなる金属薄膜
を被着させ、この金属薄膜を搭載部8および端子電極9
aの部分が残るようにエッチングすることにより搭載部
8と同時に形成することができる。
【0032】また、絶縁基板7の下面(裏面)に被着さ
せた接合用金属層は、搭載部8を構成する金属薄膜と同
じ構成の金属薄膜から形成すればよい。
【0033】そして、図1に示すように、基体1の側壁
1bにはこれを貫通するようにして鉄−ニッケル合金や
鉄−ニッケル−コバルト合金等の金属から成る光ファイ
バ固定部材としてのパイプ10が取着固定されている。
パイプ10は、パッケージに光ファイバ11を固定する
ためのものであり、その内部に光ファイバ11が挿通固
定される。光ファイバ11は、その先端がLD素子4と
対向するように配置されており、これによりLD素子4
から発生する光を光ファイバ11を介して外部に伝送す
ることができる。
【0034】さらに、基体1の底板部1aまたは側壁部
1bには、鉄−ニッケル合金や鉄−ニッケル−コバルト
合金等の金属から成るリード端子12がパッケージの外
部に突出するように設けられる。このリード端子12
は、基体1の底板部1aまたは側壁部1bを貫通するよ
うに設けられる、または基体1の内部から外部に導出す
る配線導体に接合されることにより、パッケージの内部
と外部とを電気的に接続可能とする。そして、リード端
子12には、パッケージ内部のペルチェ素子3,LD素
子4,測温素子5が電気的に接続されている。
【0035】他方、蓋体2は、鉄−ニッケル合金や鉄−
ニッケル−コバルト合金等の金属から成る略平板であ
り、基体1の側壁部1bの上面に例えばシーム溶接によ
り接合される。そして、これにより基体1と蓋体2とか
ら成る箱状のパッケージの内部に、ペルチェ素子3,L
D素子4および測温素子5等が気密に封止される。な
お、蓋体2をシーム溶接により側壁部1bに接合する場
合であって、側壁部1bがセラミック材料や銅を含浸さ
せたタングステン多孔質体から成る場合、側壁部1bの
上面に鉄−ニッケル合金や鉄−ニッケル−コバルト合金
から成る金属枠体をシーム溶接のための下地金属部材と
して予め取着させておく必要がある。
【0036】かくして、本発明のLD基板およびLDモ
ジュールによれば、LD素子4の作動停止時にLD素子
4を作動時と同様の高温に加熱することにより、迅速か
つ高精度の温度制御が可能となる。
【0037】なお、本発明のLD基板およびLDモジュ
ールは上述の実施形態に限定されるものではなく、本発
明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能で
ある。例えば、上述の実施形態の一例では、LD基板6
の搭載部8および端子電極9aを形成する金属薄膜は、
密着金属としてチタンを、バリア層として白金を使用し
たが、密着金属としてクロム(Cr),ニクロム(Ni
−Cr),タンタル(Ta)等を使用してもよく、また
バリア層としてパラジウム(Pd),ニクロム,チタン
−タングステン合金等を用いてもよい。
【0038】さらに、上述の実施形態の一例では、LD
基板6は、絶縁基板7を構成する下層の絶縁層7bの一
端部を上層の絶縁層7aから突出させ、その突出した部
位の上面に発熱抵抗体9の両端部を導出させるととも
に、この両端部に端子電極9aを接続させたが、図3の
斜視図で示すように、上下の絶縁層7a,7bを同じ大
きさとし、発熱抵抗体9を絶縁基板7の表面に導出させ
ず、上層の絶縁層7aに端子電極9aを設け、この端子
電極9aを絶縁層7aに設けたビア導体Vを介して発熱
抵抗体9に接続した構成としてもよい。なお、ビア導体
Vは、タングステン,モリブデン,白金,銅,銀,銀−
パラジウム等の金属粉末メタライズで形成すればよい。
例えばタングステンから成る場合、絶縁層7aとなるセ
ラミックグリーンシートに貫通孔を形成するとともに、
この貫通孔内にタングステンペーストを充填し、これを
セラミックグリーンシートと同時焼成することによって
形成する。
【0039】また、LD基板6の搭載部8の上面にLD
素子4を取着するための、例えば金−錫合金から成るろ
う材を、スパッタリング法等により所定の厚みに被着さ
せてもよい。この場合には、搭載部8にLD素子4を搭
載する際にろう材を配置する手間を省くことができる。
【0040】
【発明の効果】本発明のLD搭載用基板およびLDモジ
ュールは、LD素子が搭載されるLD基板の搭載部の直
下に発熱抵抗体が埋設されていることから、この発熱抵
抗体により加熱することによって作動停止時のLD素子
を作動時と同様の高温としておくことができ、これによ
ってLD素子の作動開始時等に、迅速にLD素子の作動
開始が行え、かつ即時に高精度な温度制御を行うことが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のLDモジュールの一実施形態の断面図
である。
【図2】図1のLDモジュールに使用される本発明のL
D基板の斜視図である。
【図3】本発明のLD基板の他の実施形態の斜視図であ
る。
【図4】従来のLDモジュールの断面図である。
【図5】図4のLDモジュールに使用されるLD基板の
斜視図である。
【符号の説明】
1:基体 2:蓋体 3:ペルチェ素子 4:LD素子 5:測温素子 6:LD基板 7:絶縁基板 8:搭載部 9:発熱抵抗体

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁基板上に半導体レーザ素子を搭載する
    搭載部を有するとともに、該搭載部直下の前記絶縁基板
    内部に発熱抵抗体を埋設したことを特徴とする半導体レ
    ーザ素子搭載用基板。
  2. 【請求項2】請求項1記載の半導体レーザ素子搭載用基
    板上に半導体レーザ素子を搭載するとともに、これらを
    気密封止されたパッケージの内部にペルチェ素子を介し
    て収容して成ることを特徴とする半導体レーザモジュー
    ル。
JP26619499A 1999-09-20 1999-09-20 半導体レーザ素子搭載用基板およびそれを用いた半導体レーザモジュール Pending JP2001094187A (ja)

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